- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/24(月) 23:54:05.94 ID:byvWQnW+O
- 拝啓天国の父上様母上様。
最近、また1人娘が増えました。
……といっても僕の子供ではありませんが。
ノハ#゚听)「あんぎゃーおー!!」
ξ#゚听)ξ「だめー!ツンがさきー!」
( ^ω^)「……お姉ちゃんはどうしたんだお、ツン。ちょっと我慢するお」
ξ;゚听)ξ「うー……」
ノハ*゚听)「うがー!」
そんなこんなでさらに騒がしくなりそうですが、農場は今日も平和です。
(;;;;;ω;;;)ゴゴゴゴゴゴゴゴ
……多分。
- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/24(月) 23:55:04.95 ID:byvWQnW+O
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
( ^ω^)とモンスターのいる農場のようです
【まおう が あらわれた?】
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/24(月) 23:56:46.69 ID:byvWQnW+O
- 川; ゚ -゚)ゾワッ
( ^ω^)「……お?どうしたお?クー」
川 ゚ -゚)「……いや、一瞬だがもの凄く強い魔力を感じてな」
ζ(´ー`*ζ「あ!あたしもだよー」
( ^ω^)「……敵かお」
川 ゚ -゚)「わからん……が、殺意はなかった」
( ^ω^)「そうかお」
ノパ听)「うー?」
( ^ω^)「おっおっ。ヒートは心配しないでいいお」ナデクリナデクリ
ノハ*゚听)「がうー」
ξ;゚听)ξ「ツンもー!」
( ^ω^)「あいおー」ナデクリナデクリ
ξ*゚听)ξ「あうー」
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/24(月) 23:58:19.06 ID:byvWQnW+O
- (,,゚Д゚)「……だが、敵だとしたら厄介だな」
( ^ω^)「当たり前だお」
(,,゚Д゚)「そうじゃない。今まで以上に厄介ってことだ」
( ^ω^)「……お?」
(,,゚Д゚)「今ここを襲ってくる奴らはヒートを狙ってるはずだ」
( ^ω^)「ヒートを……?」
(,,゚Д゚)「なんたって純系のドラゴンだからな。死神も、あの狐もヒートを狙っていたし。
……だから、村を襲わずここに来る奴らは全員ヒートが目当てだと考えていい」
( ^ω^)「なるほど」
川 ゚ -゚)「……少し外の様子を見てくるか」
(,,゚Д゚)「気をつけろよ」
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/24(月) 23:59:48.89 ID:byvWQnW+O
- ガチャ
ミ,,゚Д゚彡
川 ゚ -゚)
パタン
川 ゚ -゚)
( ^ω^)「どうしたお?」
川 ゚ -゚)「いや、なんか野良犬がいた」
( ^ω^)「犬?犬がなんで……」
ガチャ
(;;;;;;ωФ)ゴゴゴゴゴゴゴゴ
( ^ω^)
パタン
( ^ω^)
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:01:29.29 ID:A1WHYc61O
- ( ^ω^)「なんか威圧感がハンパないおっさんがいたんですけど」
川 ゚ -゚)「犬はいなかったか?」
( ^ω^)「そんなの確認する前に閉めちゃったお。あのおっさん怖すぎだお」
ζ(´ー`*ζ「いかついおじさんが犬の散歩してるんじゃないのー?」
( ^ω^)「まさか」
( ФωФ)「邪魔をする」
ミ;゚Д゚彡「いきなり閉めるなんてひどいから!ちょっと傷ついたから!!」
( ^ω^)
(^ω^ )
( ^ω^ )
ゴゴゴゴゴゴゴゴ( ФωФ)ゴゴゴゴゴゴゴゴ
( ^ω^)「やべぇ、セミコロンで演出しなくても威圧感がやべぇ」
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:03:08.84 ID:A1WHYc61O
- 川; ゚ -゚)(なんという魔力……!ハインと初めて会った時に感じたものよりも遥かに強力だ……!)
ζ(゚ー゚*;ζ(こんなに強い魔力を持ってるのに、ここまで近くに来られるまで気づかないなんて。
やっぱりあれかな!最近食っちゃ寝の生活してるから勘が鈍ったのかな!?)
( ^ω^)「2人とも無言で冷や汗流すのやめて。嫌な展開になりそうで怖い」
川; ゚ -゚)「しかし……この強大な魔力、まさか魔王では……?」
ξ゚听)ξ「かぜーのーよにー」
ζ(゚ー゚*ζ「うまーをーかりー」
( ^ω^)「……病気の坊やは関係ないお。こんな状況でよくボケれるおね」
川 ゚ -゚)「しっかりつっこんでるお前が言えたことじゃないと思うぞ。お前ももう少し取り乱せ」
( ^ω^)「じゃあ、ここは久しぶりに……」コホン…
( ^ω^ )「魔王だぁーーーーっ!!」
(´ФωФ)「……楽しそうだな、お主達」
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:04:49.56 ID:A1WHYc61O
- (,,゚Д゚)「なんだ。ロマネスクか」
( ФωФ)「む……?お主は確か……ギコだったか?」
(,,゚Д゚)「覚えてたか」
ミ,,゚Д゚彡「フサギコも覚えてるから!」
(,,゚Д゚)「……悪い。誰だったっけ」
ミ,,゚Д゚彡
( ^ω^)「ギコ、知り合いなのかお?」
(,,゚Д゚)「ああ、こいつらは魔王n(;^ω^)「やっぱり魔王かお!!」
ζ(゚ー゚*ζ「すごいすごーい!あたし初めて見たよ!サイン下さい!」
(;ФωФ)「ま、待つのである。我輩は……」
川; ゚ -゚)「こら!デレ!魔王様にそんなぶしつけな事を……」
(ФωФ;)「いや、だから我輩は……」
ξ゚听)ξ「れーけつひどー?」
ノパ听)「がうー?」
(;ФωФ)「だ・か・ら!我輩は……ん?」
- 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:06:21.63 ID:A1WHYc61O
- ( ФωФ)「ブーンよ。この竜の子は……?」
( ^ω^)「おっ。ヒートだお。ツンが北の山で拾ってきたたまごから孵ったんだお」
( ФωФ)「北の山……そうか、この子が……」
ノパ听)「……うが?」
( ^ω^)「どうかしたかお?魔王さん」
( ФωФ)「……先に言っておくが、我輩は魔王ではないぞ」
(;^ω^)「えぇっ!?違うのかお!?」
(,,゚Д゚)「だから俺が言おうとしたろ……そいつは魔王の配下、四天王の1人、ロマネスクだ」
ミ,,゚Д゚彡「同じくフサギコだから!よろしくだから!」
( ^ω^)「この威圧感で魔王の配下……!いったい魔王はどんな奴なんだお……!」
( ФωФ)「写真を見るか?」
( ^ω^ )「写真あるんだ!!」
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:08:12.12 ID:A1WHYc61O
- 『(´・_ゝ・`)』
( ФωФ)「これである」
( ^ω^)「えー……。ロマネスクの方がよっぽど魔王っぽいお」
ミ,,゚Д゚彡「実際ロマの方が強いから!多分魔族最強だから!でもシューちゃんには敵わないから!」
ζ(゚ー゚*ζ「シューちゃん?」
( ФωФ)「四天王の一人のシュールである」
( ^ω^)「でもそんなに強いのになんでロマネスクは魔王にならなかったんだお?」
( ФωФ)「うむ。魔王になってしまうとあまり外に出ることができないのである。
敵襲の際にも、魔王が直々に戦うことはできぬのだ。我輩はそんな窮屈なのは嫌である」
( ^ω^)「……魔物の世界もいろいろあるんだおね……ん?」
( ^ω^)「ちょっと待つお。敵襲って?ギコの話だと魔王のお城に行ったことがあるのは歴代勇者だけだって……」
( ФωФ)「……襲ってくるのは同じ魔族である。人間ではない」
川 ゚ -゚)「魔族が……?なぜ同士討ちなど」
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:10:46.41 ID:A1WHYc61O
- ( ФωФ)「今の我々のやり方に納得がいかないかないのだろう。……故に、魔王を誅し、政権を交代しようとしているのである」
( ^ω^)「今のやり方……って何をやってるんだお?」
( ФωФ)「……お主の父親に教えられたことを実践してるのである」
(;^ω^)「おっ!?」
(,,゚Д゚)「……で?ここに何の用だ?」
( ФωФ)「うむ。ワタナベから話を聞いて、ここの護衛に適した要員を連れてきたのだ」
川 ゚ -゚)「護衛要員とは……あいつか?」
ξ*゚听)ξ「ふさふさわんわんー」
ノハ*゚听)「がふー」
ミ;゚Д゚彡「フサギコは犬じゃないから!狼だから!!」
(´ФωФ)「……うむ」
- 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:12:30.80 ID:A1WHYc61O
- (´ФωФ)「あれでも四天王の1人、実力は折り紙つきなのだ……一応」
ζ(´ー`*ζ「ロマちんと違って強そうに見えないけどねー」
ξ*゚听)ξ「ふかふかー」
ノハ*゚听)「うぎゃおー!」
ミ;゚Д゚彡「フサギコ乗り物じゃないから!降りて欲しいから!」
(´ФωФ)「……すまぬ。本心を言えば我輩がここに残りたいのであるが……」
川 ゚ -゚)「魔王軍最強となれば仕方あるまい」
( ФωФ)「いや、嫁が……」
ζ(゚ー゚*ζ「おー、結婚してるんだ」
( ФωФ)「写真を見るか?」
(,,゚Д゚)(写真あるんだ……!!)
- 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:14:10.73 ID:A1WHYc61O
- 『(´・_ゝ・`)』
(*ФωФ)「これである」
( ^ω^ )「魔王じゃないか!!」
ヽ
(^ω^)-┐ <魔王じゃないかー
┗-ヽ ノ ミ
┏┘
タカラッタ
♪ ∩
_ ヽ( ^ω^ )7 魔王じゃないか!
/`ヽJ ,‐┘ 魔王じゃないか!
´`ヽ、_ ノ
`) ) ♪
/''⌒\
,,..' -‐==''"フ /
(n ^ω^)η 魔王じゃないかー!!
( ノ \
(_)_)
~"''"""゛"゛""''・、
"”゛""''""“”゛゛""''' "j'
:::::ヘ :::::....ヽ :::;;;ノ ::(
:: ゝ :::::......ノ:;;..:::::::ヽ
- 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:16:29.65 ID:A1WHYc61O
- ( ^ω^)「魔王じゃんか!!思いもしなかったとこからトーチャンの名前が出てびっくりしてたらなんだよこれ!
思わず4回もつっこんじゃったじゃん!!ああ一息で言うの苦しい!!」
(*ФωФ)ゝテレッ
( ^ω^)「照れんな」
川; ゚ -゚)「しかし驚いたな……ところで魔王は両性魔族か?何だかこの顔の両性魔族を知っているような……」
( ФωФ)「いや、普通の女の子である」
( ^ω^ )「『(´・_ゝ・`)』がデフォなの!?この顔がデフォな女なの!?」
ζ(´ー`*ζ「ブーン楽しそうだねー」
( ^ω^)「……今までこんなにつっこみ所多数の魔王がいただろうか」
( ФωФ)「……まぁ、そんなわけで我輩はここには残れないのである」
( ^ω^)「そうかお……。すごくどうでもいい」
- 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:18:10.66 ID:A1WHYc61O
- (;^ω^)「それより、トーチャンの話が聞きたいお。トーチャンは本当に魔王城まで行ったのかお?」
( ФωФ)「うむ」
(;^ω^)「えっ!?じゃあ魔王と意気投合したってのも」
( ФωФ)「本当である」
(;^ω^)「じゃあじゃあ一緒に魔王城でかくれんぼしたってのは!?」
( ФωФ)「本当である」
(;^ω^)「じゃあじゃあじゃあ指一本で山を粉砕したっていうのは」
( ФωФ)「嘘である」
( ^ω^)「ですよねー」
( ^ω^)「……でも、本当に魔王と仲良くなってたなんて衝撃的だお」
( ФωФ)「む?シャキンはお主に話したりはしなかったのであるか?」
( ^ω^)「いや……証拠もなしに『俺ぁ魔王と友達なんだぞ!』とか言われても信じられなかったんだお」
- 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:20:14.24 ID:A1WHYc61O
- ( ФωФ)「……ふむ。では、少し昔の話をしようか。なぜ我々に刃向かう魔族が現れたか、それにお主の父がどう関係したか……」
〜30年ほど昔 魔王城〜
lw´‐ _‐ノv「ロマロマロマ」
( ФωФ)「む、なんであるか」
lw´‐ _‐ノv「侵入者」
( ФωФ)「……勇者か?」
lw´‐ _‐ノv「わかんない。でも、1人で来た」
( ФωФ)「よほど腕に自信があるのか……。だが、たかが人間1人に苦戦するほど我が軍もやわではあるまい」
lw´‐ _‐ノv「うん。まだ誰もやられてない」
( ФωФ)「ふむ。ではその侵入者は入り口で手こずっているのか」
- 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:21:56.19 ID:A1WHYc61O
- lw´‐ _‐ノv「そうでもない」
( ФωФ)「む……どういうことであるか?」
lw´‐ _‐ノv「もうここまで来てる」
( ФωФ)
( ФωФ)「えっ?」
lw´‐ _‐ノv「デミたんに会いたいんだって」
( ФωФ)「とりあえず人の嫁をたん付けで呼ぶのはやめてくれぬか」
lw´‐ _‐ノv「そうだね。デミたんだと焼き肉屋さんのメニューに乗っちゃいそうだもんね」
( ФωФ)「いやそういう意味じゃ……」
lw´‐ _‐ノv「でみたん!だとなんかアニメっぽいから?」
(´ФωФ)「……なんかもう全部どうでもいいである」
- 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:23:14.64 ID:A1WHYc61O
- (´ФωФ)「……で、その侵入者は今何をやっているのだ」
lw´‐ _‐ノv「待合室にいるよ。……呼ぶ?」
(´ФωФ)「待合室ってどこにあったけ……。とりあえず呼んでくれ」
lw´‐ _‐ノv「シャキンさーん。内藤シャキンさーん」
(`・ω・´)「はい」
lw´‐ _‐ノv「今日はどうされました?」
(`・ω・´)「実は昨日から咳と鼻水が酷くて」
lw´‐ _‐ノv「それはよくありませんね。ちょっと服をまくってください」
(`・ω・´)「ただであちしの裸を見ようってのかい?」
lw´‐ _‐ノv「今ならここのロマが脱ぎます」
(`・ω・´)b「おっけーーーっ!脱ぐぜー脱ぐぜー!!」ヌギヌギ
( ФωФ)「我輩は脱がんぞ」
- 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:24:54.55 ID:A1WHYc61O
- lw´‐ _‐ノv「はい、ロマ」
( ФωФ)「何これ」
lw´‐ _‐ノv「聴診器」
(`・ω・´)「俺の16ビートの心音を聴く道具さ!」
( ФωФ)「速すぎである。どんだけ心臓小さいのであるか」
(#`・ω・´)「あ゙?誰がノミの心臓だって?」
(ФωФ`)「もうやだこの人間シュー並にめんどくさい」
lw´‐ _‐ノv「聞こえてるよ、ロマ」
( ФωФ)「聞こえるように言ったのだ」
lw´‐ _‐ノv「ひどい……あんなに暑い夜を共に過ごしたというのに……めんどくさい女扱いだなんて」
(#`・ω・´)「女性の敵め!!最低!!猫っぽい顔!!」
( ФωФ)「熱い夜違いだから。昔火山地帯に遠征したことがあるってだけだから」
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:26:33.90 ID:A1WHYc61O
- (´ФωФ)「もう疲れたのである……。人間、何の用であるか?」
(`・ω・´)「ニンゲン?魔族の好きな野菜か何かか?」
lw´‐ _‐ノv「ニンゲンマメ、熱帯地方に生えてる野菜で、栄養価が高い」
(`・ω・´)「マメは体に良いからな!」
(ФωФ`)「もうつっこむ余裕もないのである」
(`^ω^´)「疲れてるなら何か食え!元気でるぞ!」
lw´‐ _‐ノv「はい、シューちゃん特製おにぎり」
(´ФωФ)「……具は?」
lw´‐ _‐ノv「ササニシキ」
(´ФωФ)「…………いただくのである」
lw´‐ _‐ノv「シャキンは何がいい?梅、おかか、鮭、昆布、蜥蜴があるけど」
(`・ω・´)「おかか」
( ФωФ)「具入り作ってるなら我輩にも選ばせてよ。というか2人ともなんでそんなに仲良くなってるのであるか」
- 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:28:09.25 ID:A1WHYc61O
- (´・_ゝ・`)「こっちからロマたんと梅おにぎりの匂いがする」
(´ФωФ)「デミタスであるか……」
(´・_ゝ・`)「ロマたん痩せたかい?」
(´ФωФ)「精神面をやすりでゴリゴリと削らて減量したみたいである」
(´・_ゝ・`)「画期的なダイエットだね」
lw´‐ _‐ノv「やっほー、デミたん」
(´・_ゝ・`)「シューちゃんもいたんだ。おにぎり一個もらっていい?」
lw´‐ _‐ノv「うん。桃、苺、スイカ、冬虫夏草、ロマがあるよ」
(´・_ゝ・`)「ロマで」
lw´‐ _‐ノv「ちょっと準備するから待ってて」
( ФωФ)「やめてごはんつけないで」
- 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:29:48.90 ID:A1WHYc61O
- (´・_ゝ・`)「ところでそちらの男性は?」
(`・ω・´)「オッスおらシャキン。魔王さんに文句言いにきただ」
(´・_ゝ・`)「文句?」
(`・ω・´)「いやね、奥さん聞いてくださいよ。俺が木の下で気持ちよく寝てたらさ、突然オークが襲ってきたんですよ。
昼寝してるのにですよ?しかも美女に起こされるならまだしも寝起きにいきなりオーク。もう最悪。
そんで俺頭に来ちゃってオーク正座させて小一時間説教ですわ。そしたらあいつら『魔王の命令でやった。後悔はしていない』とか言い出してね。
そこでまたぶち切れですよ。人のせいにすんなよと。膝の上に重石乗せてさらに一時間説教してやりましたわ。
それでオークは許したんですよ。でも魔王に言われたからやったっていうおたんちんが他にもいるかもしれないから魔王に文句言っとこうかなって」
(´・_ゝ・`)「長い、三行」
(`・ω・´)「昼寝の
邪魔は
許さな
い!!」
( ФωФ)「四行だし」
lw´‐ _‐ノv「いや、三行だよ」
( ФωФ)「えっ?」
lw´‐ _‐ノv「えっ?」
- 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:31:28.92 ID:A1WHYc61O
- (´・_ゝ・`)「あー、確かに昼寝邪魔されたら腹立つわー」
(`・ω・´)「でしょー?」
( ФωФ)「いや、だが人間は魔族の敵であるし……」
(`・ω・´)「そんなもん、誰が決めたんだ」
( ФωФ)「………………は?」
(`・ω・´)「どこの誰がいつ決めた?人間は魔族の敵、魔族は人間の敵だって」
( ФωФ)「それは……」
(`・ω・´)m9「ダメだねー猫目ちゃん。既存の考えに囚らわれてちゃあ。次代を生きていけないぜ☆」
(´ФωФ)「……なぜ小指」
9m(`・ω・´)「おっと間違えた」
(´ФωФ)「間違えたままなのである」
- 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:32:49.45 ID:A1WHYc61O
- (`・ω・´)「だいたい今の奴らは頭が堅いんだよな。人間も魔族も根っこを見りゃみんな同じなのに」
(`・ω・´)「腹が減ったら飯を食うし、眠くなったら寝るし、腹が立ったら八つ当たりするし」
( ФωФ)「いや、最後のはどうかと思うのである」
(`・ω・´)「喜怒哀楽愛憎恐の感情だって同じだろ?カーチャンのげんこつ恐かったろ?」
( ФωФ)「別にそうでm」
(´・_ゝ・`)「恐かったわー。マジ恐かったわー」
lw´‐ _‐ノv「トラウマレベル」
(`・ω・´)「だよなー。なんでカーチャンのげんこつってあんな痛いんだろうな」
(ФωФ )「おまえたちはちっちゃい頃はげんこつされるようなことばかりやってたのだな」
- 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:34:23.20 ID:A1WHYc61O
- ( ФωФ)「話を戻すのである。……お主の言うとおり、我輩が人間と魔族が同じ存在だと認めたとしよう」
( ФωФ)「だが他の魔族はどうだ、他の人間は?」
(`・ω・´)「むむ、いい質問だよ猫目くん」
( ФωФ)「……我輩の名は猫目ではない」
lw´‐ _‐ノv「そーだそーだ。この子にはロマたんって言うぷりちーな名前があるんだよ」
(`・ω・´)「おお。すまなかったな!ロマたん!」
(´ФωФ)
(`・ω・´)「まぁ、確かにこの事を俺が1人で吹聴したとこで誰も聞かないだろう」
( ФωФ)「……それは理解してるのであるな」
(`・ω・´)「だがな、一発で大多数の考えを変えさせる方法を俺は知ってるぜ」
( ФωФ)「……その方法とはなんであるか?」
(`^ω^´)「さっきの言葉を俺じゃなくて、もっと偉い人に言わせりゃいいんだよ!ほら、魔王さんと人間の国王にさ!!」
(;ФωФ)「なっ……!暴論である!!そんなことをしたら間違いなく反対派が出てくる!クーデターの恐れもあるである!!」
- 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:36:15.71 ID:A1WHYc61O
- (`・ω・´)「次代を作るのにはリスクが必要。カーチャンに言われなかったか?」
(#ФωФ)「そんなこと言う母親がいるかっ!!」
(´・_ゝ・`)「あ、それうちの母親の口癖だったわー」
lw´‐ _‐ノv「うちの母は『歴史を作るには田んぼ七畝分の血がいる』ってよく言ってた」
(´ФωФ)「……我輩の母上がおかしいのであるか?」
(`・ω・´)「どうだ?一発逆転の素晴らしいアイデアだろ?」
( ФωФ)「……だが、その話に乗るわけにはいかないのである」
(`・ω・´)「なんだよー、ロマたんのケチ」
(´ФωФ)「その呼び方もやめてくれぬか……?」
- 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:37:28.81 ID:A1WHYc61O
- (´・_ゝ・`)「ロマ」
( ФωФ)「む……?」
(´・_ゝ・`)「悪いけど、その決定権はロマには無いよ」
( ФωФ)「……え?」
(´・_ゝ・`)「シャキン」
(`・ω・´)「ん?」
(´・_ゝ・`)「その話、乗った」
(`^ω^´)「おっ、あんたは話がわかるな!じゃあ早速魔王に取り合ってくれ」
(´・_ゝ・`)「その必要は無いよ」
(`・ω・´)「んあ?」
(´・_ゝ・`)「何を隠そう私が魔王だからね」
(`・ω・´)
(`・ω・´)「オッスおらシャキン」
(´・_ゝ・`)「うん、知ってる」
- 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:39:07.87 ID:A1WHYc61O
- (;ФωФ)「待つのである!!正気か!デミタス!!」
(´・_ゝ・`)「正気も正気。SAN値チェックする?」
(;ФωФ)「だが間違いなく多くの魔物が反対派に付くぞ!」
(´・_ゝ・`)「さっきシャキンが言ったとおり、次代を切り開くには多少なりのリスクは必要なんだよ」
(;ФωФ)「しかし……!」
(´・_ゝ・`)「それに、今がチャンスなんだよ?」
(;ФωФ)「チャンス……?」
(´・_ゝ・`)「そう。人間と魔族。決して相容れなかった2つの種族のこの争いを終わらせる……ね」
ドンッ!
lw´‐ _‐ノv「この戦争を終わらせにきた」
(ФωФ )「今は真面目な話をしてるから茶々をいれないでくれるか」
(`・ω・´)「オレはチャチャよりお鈴ちゃんが好きだったじょ」
lw´‐ _‐ノv「チュチュ一択」
(´・_ゝ・`)「ドリスだろjk」
(ФωФ`)「我輩だけついていけないからやめて」
- 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:40:47.40 ID:A1WHYc61O
- (´・_ゝ・`)「とにかく、これからの私たちに必要なのは争いじゃないんだよ、ロマ」
( ФωФ)「だがデミタス……」
(´・_ゝ・`)「ふふっ。心配してくれてありがとう、ロマ。でも心配はいらないよ」
(´・_ゝ・`)「あなたが守ってくれるからね」
( ФωФ)「デミタス……」
(´・_ゝ・`)「さ、決まりだね。シューちゃん、ワタちゃんとフサにも伝えてきて」
lw´‐ _‐ノv「サー、イエッサー!」
(´・_ゝ・`)「シャキンは私たちと一緒に来て」
(`・ω・´)「ん?おーけー、おーけー」
(´・_ゝ・`)「……さぁ、新しい時代を作ろうか」
(´・_ゝ・`)(うわ、今の私かっこいい。……いやー、一度言ってみたかったんだよねーこんなセリフ)
- 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:42:13.01 ID:A1WHYc61O
( ФωФ)「……これが、魔族が二分した理由である」
( ^ω^)「ロマたん……」
(´ФωФ)「……やめて」
( ^ω^)「でもよくトーチャンの相手してぶち切れなかったおね」
(´ФωФ)「シューに鍛えられてたからである」
( ^ω^)「……同情するお」
(´ФωФ)「……む、感謝する」
- 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:43:38.21 ID:A1WHYc61O
- ζ(゚ー゚*ζ「それからどうなったの?魔王様が人間と和平するぞーみたいな事を言った後」
( ФωФ)「その場は問題なかったのである。なんでも我々の所に来るまでに、シャキンは城の魔物の大半に説教をしてたらしいのだ」
( ^ω^)「トーチャンすげぇ……今さらながら尊敬するお」
(,,゚Д゚)「なんだよ……。この方針が定まったのは最近だったのか」
( ^ω^)「お?ギコ、なんか言ったかお?」
(,,゚Д゚)「独り言だ。気にするな」
川 ゚ー゚)「……しかし、やはり親子だな」
( ^ω^)「おっ?」
川 ゚ -゚)「魔物と人間の共存……。お前も父親と同じ世界を目指しているんだ」
( ^ω^)「……トーチャンがその考えに至ったきっかけは昼寝を邪魔されたからだけどね」
- 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:45:33.73 ID:A1WHYc61O
- ( ФωФ)「……結果、魔王城の周辺の魔物の大半は我らに賛同してくれた。だが、我輩の懸念した通り、反対派も現れたのだ」
( ФωФ)「降りかかる火の粉は払う。元同士だろうが、その時には敵である」
( ^ω^)「おっ……」
( ФωФ)「シャキンも我らと共に戦ってくれた。あ奴は歴代の勇者にも負けず劣らずの強さだったぞ」
ζ(゚ー゚*ζ「へぇ〜。じゃあブーンも鍛えれば勇者並に強くなれるのかな!」
( ^ω^)「……少なくとも今の勇者よりは強いお」
( ФωФ)しばらくは戦いの日々が続いたが、やがて沈静化した。そしてシャキンは我らの元を去っていったのだ」
( ^ω^)「それからトーチャンはどうしたんだお?」
( ФωФ)「うむ。人間の王に魔族との和解を求めに行ったのだ」
( ФωФ)「……さすがに人間の王は了解しなかったようだが」
- 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:47:17.63 ID:A1WHYc61O
- ( ФωФ)「そうして何度も何度も人間の王を説得に行きながら、シャキンは結婚して……お前が生まれたのだ」
( ^ω^)「国王に……」
( ФωФ)「あ奴はしょっちゅう我らのとこに愚痴を言いに来たものである。
あいつらは頭が堅いだの、善悪の感覚が麻痺してるだの」
( ^ω^)「トーチャンらしいお」
( ФωФ)「だがあのどこまでも真っ直ぐな性格は賞賛に値するものだったである」
( ^ω^)「おっおっ。トーチャンのその性格はブーンもよく知ってるお」
( ФωФ)「うむ。お主の父は、立派な男だったぞ」
( ^ω^)「そうだおね。ちょっと見直したお」
- 79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:49:23.88 ID:A1WHYc61O
- ( ^ω^)「ロマネスク、もう一つ聞きたいことがあるお」
( ФωФ)「む?」
( ^ω^)「トーチャンとカーチャンは、なんで死んじゃったか知ってるかお?」
( ФωФ)「……」
( ^ω^)「2人とも出かけて行ったきり何日も帰って来なくて……ある日突然村長さんから2人が死んだと伝えられただけなんだお」
( ФωФ)「……言わねばならぬか」
( ^ω^)「お……?」
( ФωФ)「ブーン。シャキンが人間の王を何度も説得しようとした事は先ほど話したな?」
( ^ω^)「おっ」
( ФωФ)「その時の王には良識があった。シャキンの言葉に首を縦に振ることは無くとも、最後まで聞き、考えてくれた」
( ФωФ)「……だが、その王が死に、代替わりしてしまったのが悲劇の始まりだったのである」
( ФωФ)「代替わりした王は徹底的に魔物を排他する政策を取った。しかしシャキンはお構いなく国王を説得しようとした」
( ФωФ)「シャキンは、国に……いや、人間に仇なす反逆者として彼の妻諸共公開処刑にされた」
- 82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:52:09.33 ID:A1WHYc61O
- (;^ω^)「!?」
(,,゚Д゚)「……そこまで細かく知ってるのか。まるで見ていたようだな」
( ФωФ)「うむ。見ていた。……見ていながら、見殺しにした」
川; ゚ -゚)「そんな……っ!?なぜ助けなかったんだ!!」
( ФωФ)「……今さら何を言っても言い訳にしかなるまい」
(;^ω^)「……トーチャンとカーチャンが……王国に殺された……?」
( ФωФ)「流石の我輩もこれには腹を立てて、シャキンが殺される前に人間の王を殺そうかと思った」
( ФωФ)「だが、そんなことをすれば人間と魔族の溝はさらに深まっていたろう」
( ФωФ)「それに……断頭台でシャキンは死をも受け入れていた。あ奴の最期の言葉は今でもはっきり覚えているのである」
( ФωФ)「『何を以て善と為すか、何を以て悪と為すかを考えろ。俺は何が言いたいんだと思う?わかるかなぁ〜、わかんねぇだろうなぁ〜』……と」
- 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:53:39.53 ID:A1WHYc61O
- ( ^ω^)「……人間が、人間を殺すのかお。意味がわからないお」
( ФωФ)「まったくである。……だから、お主も気をつけてくれ」
( ^ω^)「おっ?」
( ФωФ)「お主が本当に恐れるべきなのは魔族ではなく、人間なのであるからな」
( ^ω^)「……」
( ФωФ)「……さて、少し長居してしまったな。我輩はそろそろ戻らねば」
( ^ω^)「……ロマネスク」
( ФωФ)「なんであるか?」
( ^ω^)「ブーンも、トーチャンと同じ事を考えているお。人間と魔物が歩み寄れる未来を信じてるお」
( ФωФ)「……!まさかお主……」
- 85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:55:33.66 ID:A1WHYc61O
- ( ^ω^)「大丈夫だお。さっきの話を聞いたのにも関わらず国王に直談判しにいくほど馬鹿じゃないお」
( ФωФ)「……そうか。少し驚いたである」
( ^ω^)「トーチャンは人間の代表として国王しか思い浮かばなかっただろうけど。人間の代表になれる人がもう1人いるんだお」
( ФωФ)「……?」
川 ゚ -゚)「おい、ブーン。それってまさか……」
( ^ω^)「我らが勇者、モララーだお」
( ФωФ)「勇者……であるか?」
( ^ω^)「おっ。ブーンの友達だお」
( ФωФ)「……お主の交友関係もシャキン並に広いな」
- 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:57:25.68 ID:A1WHYc61O
- ( ^ω^)「モララーは今魔王のお城に向かってる最中だお。……人間代表の和平の使者として」
ζ(゚ー゚*ζ「もしかしてさー、あの時の内緒話ってそれ?」
( ^ω^)「ご名答だお」
( ФωФ)「……勇者と魔王が和平であるか……考えたな」
( ^ω^)「勇者の言葉でもきっと多くの人が動くはずだお。
国王が納得しなくても国民の意識が変われば、国王も考え方を変えるしか無くなるお」
川 ゚ -゚)「将を射んとせばまず馬だな」
(,,-Д-)「国民あっての国だからな」
( ФωФ)「なるほど、面白い考えであるな」
( ^ω^)「おっ。だからモララーが来たら暖かく出迎えてやってくれお」
( ФωФ)「して、そのモララーとやらの特徴はなんであるか?」
- 87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 00:58:51.95 ID:A1WHYc61O
- ( ^ω^)「顔は中性的で、背は高めで……絶望的なまでに弱いお」
( ФωФ)
( ^ω^)「シャレにならないくらい弱いお」
( ФωФ)「……それは、魔王城までたどり着けるのか?」
(^ω^ )
川 ゚ -)
(゚Д゚,,)
ζ(ー`* ζ
(´ФωФ)「……全員で目をそらすほどで弱いのであるか」
- 89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 01:00:11.79 ID:A1WHYc61O
- ( ^ω^)「……でも、なんだかんだで魔王城にたどり着けるとは思うお。逃げ足は速いらしいし」
(´ФωФ)「まぁ、出来る限りのサポートはさせてもらう」
( ^ω^)「頼むお。……あと、特徴になるかはわからないけど、トーチャンの剣をあげたお」
( ФωФ)「……え?」
( ФωФ)「シャキンの使ってたあの剣か!?」
( ^ω^)「おっ。ここにあっても使い道無いからあげちゃったお」
( ФωФ)「そうか!あの剣が勇者に!」
(*ФωФ)「ふははははははは!!これは愉快である!!」
(;^ω^)「えっ?いったい何なんだお?」
(*ФωФ)「気にするな。こっちの話である」
- 91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 01:02:00.72 ID:A1WHYc61O
- ( ФωФ)「では我輩は城に戻る。その勇者の到着を心待ちにしながらな」
( ^ω^)「おっ……」
( ФωФ)「フサ、しっかり頼む……」
ξ*゚听)ξ「はっしーん!」
ノハ*゚听)「うがぅー!!」
ミ*゚Д゚彡「わんわんわん!」
(´ФωФ)
( ФωФ)「ああ、そうだ、ブーン」
( ^ω^)「お?」
( ФωФ)「……ヒートを、大事にしてやって欲しい」
( ^ω^)「当たり前だお。ヒートだってブーンの大切な家族だお」
- 93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 01:04:02.89 ID:A1WHYc61O
- ( ФωФ)「それを聞いて安心したである。……では、さらばだ」
( ^ω^)「またいつでも遊びに来てくれおー」
( ^ω^)「行っちゃったお」
川 ゚ -゚)「なかなか興味深い話を聞けたな」
( ^ω^)「おっ。なんか気分が軽くなったお」
(,,゚Д゚)「……だが、お前は偉いな、ブーン」
( ^ω^)「何の話だお?」
(,,-Д-)「人間の王に父親を理不尽な理由で殺されたのに、お前はそれを受け入れてたからさ」
( ^ω^)「……別に、そんなんじゃないお」
(,,゚Д゚)「そうか?普通なら『父の仇!!』とか言って復讐するもんだと」
( ^ω^)「それで国王を殺したりなんかしたら、ブーンも国王と同じだお。
それに、トーチャンとカーチャンの無念を晴らすには、人間と魔物を仲良くさせるのが一番だお」
(,,-Д-)「……そうか。そう……だな」
- 96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 01:05:37.78 ID:A1WHYc61O
- ( ^ω^)「ツン、ヒート。そろそろフサギコから降りるお」
ξ゚听)ξ「はーい」
ノパ听)「がうー」
ミ,,゚Д゚彡「ふぅ……。久しぶりに童心に返ったから」
ζ(´ー`*ζ「すごい楽しそうだったよね」
( ^ω^)「これからよろしく頼むお。フサギコ」
ミ,,゚Д゚彡「フサでいいから!」
( ^ω^)「おっ。よろしくお、フサ」
ミ,,゚Д゚彡「よろしくだから!四天王が1人、『魔王の牙』こと狼男のフサギコがみんなをお守りするから!」
川 ゚ -゚)「狼男だったのか。てっきり喋る狼かと思ったぞ」
- 97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 01:07:11.00 ID:A1WHYc61O
- ( ^ω^)「……ん?狼男って狼に変身する人間のことじゃないのかお?」
ミ,,゚Д゚彡「フサギコは人に変身できる狼だから!ちょっと違うけど大体同じだから!」
( ^ω^)「あ……そう」
ミ,,゚Д゚彡「ついでに鼻も利くから!……だから得体の知れない何かがこちらに向かってきてるのもわかるから」
(;^ω^)「なっ……敵かお!?」
ミ,,゚Д゚彡「わからないけど……冒涜的な何かを感じるから」
( ^ω^)「あ、そう」
ξ゚听)ξ「おなかすいたー」
ノパ听)「うぎゃうー」
( ^ω^)「おっ。じゃあご飯にするかお」
ξ*゚听)ξ「ごはんー!」
- 99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 01:08:35.05 ID:A1WHYc61O
- ミ,,゚Д゚彡「フサギコはお外にいるから」
( ^ω^)「お?一緒にごはん食べないのかお?」
ミ,,゚Д゚彡「いつこの冒涜的な魔力の持ち主が現れるかわからないから、お外で番をするから!」
( ^ω^)「おっ。でもおなかが空いたらちゃんとごはん食べるお」
ミ,,゚Д゚彡「わかったから!ここに来ての初仕事、きちんとこなしてみせるから!!」
( ^ω^)「おっおっ。よろしくおー」
( 「∵)「【それから】
ミ,,゚Д゚彡「……お外は暇だから」
ミ,,゚Д゚彡「でも、ブーンはデミタスのお友だちだから頑張るから」
ミ,,゚Д゚彡「むっ!向こうに敵影を発見したから!!」
- 100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 01:10:00.96 ID:A1WHYc61O
- (;'A`)「はぁ……はぁ……。やっと帰ってこれた……」
(;'A`)「ちくしょうビコーズめ……あんなに吹っ飛ばしやがって」
('A`)「あぁ……久しぶりの農場だ。早く妖女達d……じゃなくてデレの料理食べて癒されよう」
「……ぉぉぉぉぉぉ!!」
('A`)「ん……?なんだ?」
ミ#゚Д゚彡「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
(;'A`)「何だこいつ!!狼か!?」
ミ#゚Д゚彡「ただの狼だと思ったら大間違いだから!!」
ミ#゚Д゚彡「変・身ッ!!」ズモモモモ
(;'A`)「人型になった!?狼男か!!」
- 102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 01:12:01.26 ID:A1WHYc61O
- ミ#゚Д゚彡「お星様になればいいからぁぁぁ!!」
ミ#゚Д゚彡「『真極・房毛神拳』!!」
≡≡≡≡≡≡(;#)A゚)「あべしぃぃぃぅゎぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
+キラッ
ξ゚听)ξ「あっ」
ξ--)ξ「……」
( ^ω^)「ツン?どうしたお?」
ξ゚听)ξ「ながれぼしー、ねがいごとー」
( ^ω^)「おっおっ。なんてお願いしたんだお?」
ξ゚听)ξ「みんなずっといっしょーって」
( ^ω^)「おっ。そんなのお願いしなくてもずっと一緒だお」
ξ*゚听)ξ「……うん!」
- 104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 01:13:16.69 ID:A1WHYc61O
- ミ*゚Д゚彡「ただいまだから!よくわからないのやっつけたから!!」
( ^ω^)「おっ。お疲れだお。早かったおね」
ミ,,゚Д゚彡「フサのパンチは強いから!当たればロマでも吹っ飛ぶから!!……当たればだけど」
( ^ω^)「おっ、そうかお。フサもごはん食べてくるお」
ミ*゚Д゚彡「わかったから!」
ミ,,゚Д゚彡(……あれ?でも、まだ冒涜的な何かの気配がするから)
ζ(゚ー゚*ζ「フサくん、晩御飯はミートローフだよ」
ミ*゚Д゚彡「お肉!!」
ミ*゚Д゚彡(……ま、さっき吹っ飛ばしたし、多分大丈夫だから)
- 105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 01:14:48.87 ID:A1WHYc61O
―深夜―
(゚川゚)「……」
闇の中、農場を“影”が蠢いていた。
それは水の神性に属す旧支配者の一柱……クトゥルフと呼ばれるモノだ。
本来ならばソレはこんなところに姿を現すことはない。
ソレに取って地上の生物は取るに足らない下等な存在でしかないからだ。
ならばなぜソレはここにいるのか。
理由は単純明快。
ソレが目覚めた時に、何者かに呼ばれた気がしたからだ。
(゚川゚)「‰κ∴х§£∴……」
どうとも聞き取ることのできない、ただ不快な音を発する。
独り言か、それとも何者かに語りかけたか。
それはわからない。
- 110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 01:16:48.01 ID:A1WHYc61O
- その時、草むらから何者かが姿を表した。
( ゚∋゚)
体長2mを越え、全身は筋肉の鎧で固られ、頭にはボロボロの鶏冠を乗せたニワトリ男―――クックルだ。
その瞳から何を考えているかを知ることは難しいが、どこか見知らぬ侵入者に対する怒りらしきものは感じられる。
クックルは両拳を前方に構え、戦闘の体勢を取った。
翼はすっかり退化してしまったが、彼は代わりに丸太ほどの太い腕を手に入れた。
敵と認識したものを暴打するための腕を……。
一方のクトゥルフは表情一つ変えずにクックルを見ていた。
クトゥルフにしてみればクックルも取るに足らない脆弱な存在だからだ。
クトゥルフは他の生物の精神に害をなす波動を送ることができる。
それによって感受性の豊かな子供や芸術家が自殺した例もあるほどだ。
普通の人間でも激しい悪夢や精神異常をきたすそれに、クックルが敵うはずがない。
そう、クトゥルフはタカをくくっていた。
- 114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 01:18:37.44 ID:A1WHYc61O
- ( ゚∋゚)
しかし、そこに誤算があった。
普通の人間『でも』精神に異常をきたす、ではない。
普通の人間『だから』精神に異常をきたすのだ。
つまり人間のように脳が発達していて、感情が豊かな存在だけが精神にダメージを受ける。
ではクックルはどうか。
( ゚∋゚)
人っぽい姿にはなったものの、クックルは所詮ニワトリである。
もちろん頭の中もニワトリの、鳥頭のまま。
(#゚∋゚)
人間の脳には甚大なダメージを与えるその波動も、鳥頭には「なんかやな感じ、イライラするぞ」程度にしか受け取られないのだ。
その結果。
- 115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 01:19:57.57 ID:A1WHYc61O
- ガバッ!!
(⌒\ ノノノノ
\ヽ(#゚∋゚)
(m ⌒\
ノ / /
( ⌒ヽ
ミヘ丿 ∩川゚ハ;)<塘……!∇Λσ¢я
(ヽ_ノゝ _ノ
\ヽ ノノノノ
\\ヽ(#゚∋゚)
\ヽ(m\\ヽ ⌒\・,‘ヌモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモ
\ヽ ノ\\ヽ\m/ /・,‘ モモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモ
(\ヽ m \m・,‘ ・,‘
ミヘ丿\∩ ∴.' 川∴.' ∴) ・,‘
.(ヽ_ノゝ\ヽノ_・,‘__∴
丿 ,;⌒⌒i.
ノノノノ⌒ヽ ( ;;;;;) _______
(゚∈゚ ) ミ) ,,:;;;) | 馬小屋→ |
/⌒\/( ) ヽ| |/ |;,ノ | ←牛舎 |
( ミ 川川川 | / .,i. |___________|
ノ / | | ,,i; ,, ,;⌒‖
( \/ヽ ,,,丶, | |,,,;. ;i, .‖ヽ
\ ) ) .. ,, ´ヽ (,, ‖丿.,,,
/// ,, ,, .. ´ヽ ‖,,, ..,
`ヾ ヽミ ,, .、 ヽ .. ヽ丶,.ヽ ‖、,,
こーなる。
- 117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 01:21:38.31 ID:A1WHYc61O
―翌朝―
( ^ω^)「ふわぁぁぁ……ん?」
ξ゚听)ξ「んー?」
ノハぅ-)「うー?」
( 川 )
( ^ω^)「……なんだおこれ?タコ?」
ξ゚听)ξ「タコー?」
ノパ听)「……うぎゅ?」
( ^ω^)「おっ。タコは茹でて食べるとおいしいんだお」
ξ*゚听)ξ「ごはんー」
ノハ*゚听)「うがぉぅー!」
( ^ω^)「でもタコとは違うような……それにこんなとこに落ちてるのはちょっと……」
- 120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 01:23:01.66 ID:A1WHYc61O
- ノハ*゚听)「あぐっ!!」パクッ
(;^ω^)「あっ!こらヒート!」
ノハ*゚〜゚)ムグムグ
ノハ*><)「うきゃ〜!!」
( ^ω^)「えっ、おいしいの?」
ノハ*゚听)「あぐぅぁぉ!!」
ξ゚听)ξジュルリ
( ^ω^)「……じゃあ持って帰ってみんなで食べるかお。ツン、もう少し我慢だお」
ξ;゚听)ξ「う……、がまんー」
そんなこんなで、今日も農場は平和だった。
( ∵)/~【おしまい】
- 122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/25(火) 01:24:01.25 ID:A1WHYc61O
- 【故:('A`)先生のモンスター図鑑】
ミ,,゚Д゚彡 狼男:獣(亜)人種
人間の姿をした狼、または狼の姿をした人間がこう呼ばれる。
魔力は低いが、その力の強さは他の魔物を凌駕する。
満月の夜になると多大な魔力が供給され、魔法を使うこともできるようになる。
満月の下で狼男と出会ってしまった場合は決して彼らを刺激してない方がよいだろう。
しかし、腕力が強い分知力は低い。
(゚川゚) クトゥルフ:???
水の神性に属するとかなんとか。
精神攻撃が得意とかなんとか。
詳細はよくわからん。
ただ、身を茹でたのを醤油につけて食べるとうまい。(代筆:ギコ)
戻る 次へ