- 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/27(火) 22:27:28.12 ID:+UhBve/bP
ひとくえど
ひとくえど猶わが腹満腹にならざり
ぢつと兄を見る
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/27(火) 22:35:54.38 ID:+UhBve/bP
( ´_ゝ`)兄者。
世界でいちばん、元気な餌。ぴちぴちしている。
究極とか、流石とかが口癖。
(´<_` )弟者。
永遠の、食べ盛り。
平等とか、腹減ったが口癖。
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/27(火) 22:46:19.40 ID:+UhBve/bP
( ´_ゝ`)「……あぁん?なんだって?」
(*゚ー゚)「いえ、ですから。貴方さまは正しいですか。」
( ´_ゝ`)「正しいって、なんだ。」
(*゚ー゚)「正しいは、正しいで御座います。この村の名前をご存知ありませんの。」
( ´_ゝ`)「おい、お前、知ってるか。」
(´<_` )「残念ながら、さっき見た看板には、ただしい、と赤で大きく書かれているばかりだったぞ。
看板が知らないのだから、俺は知らん。」
(*゚ー゚)「あら、ご存知では御座いませんか。それがこの村の名前で御座います。
そうして、名前には力があるのは、ご存知でしょう。
郷に入っては、という言葉のとおり、この村の身体ン中に入ったからには、
貴方たち自身もただしいものにならなければなりません。
そこのところ、御覚悟をお願いしますよ。」
( ´_ゝ`)「正しい、正しいって、馬鹿みてえに。何が正しくて、何が正しくないのか、まず教えるのが先だろう。
法を教えずに、法を守れだなんて無理難題は、まず間違いなく正しくねえからな。」
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/27(火) 23:10:18.14 ID:+UhBve/bP
(*゚ー゚)「正しくないことをすべて説明しろだなんて、それこそ無理難題ではありませんか。
正しいことと同じだけ、正しくないことがあるのですから。
まさか、団子に醤油をかけるのは正しい、
湖に醤油を入れるのは正しくないなどと、いちいち並べていけば、満足とでも?
そんなことをしていたら、一生かけても、終わりませんわ。
貴方さまの頭の中に、脳が然るべき質量で入っているならば、それくらいお判りになるでしょうに。」
( ´_ゝ`)「おいご婦人よ、皮肉を云うなら、もう少し遠まわしにいいやがれ、まったく。
じゃあ、あんたらは、何を基準に、正しいとか正しくないとか云っているんだ。」
(*゚ー゚)「そりゃあ、自分の心ン中に聞いてみれば、すぐにわかるでしょう。
いつでもどこでも、どんなときでも、自分の心は其処に居ます。
親の死に目に会えないことがあっても、自分の心に会えないことは御座いませんからね。」
( ´_ゝ`)「なンだそりゃ。じゃあ、己れの心が団子に醤油をかけるのは正しくないといったら、どうなる。」
(*゚ー゚)「どうにもなりやしませんよ。だって、団子に醤油をかけるのは、正しいんですもの。
考えてみればわかるでしょう。」
- 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/27(火) 23:28:42.79 ID:+UhBve/bP
( ´_ゝ`)「さっきと云ってることが、まったく違う。なにが、ただしい村だ。
こんな村、むじゅん村だ。そうでなければ、ふざけ村だ。
やっと女子が出迎えてくれて、己れをぬか喜びさせておいて、
こんな仕打ちをしてくるんだから、ふざけ村のほうがずっとただしい名前だわ。」
(*゚ー゚)「男があんまり愚痴ぐちと云うのは、感心しませんことよ。
正しくないとまでは云いませんけど、格好が悪い。
それに、これは貴方さまのために言わせて頂きますけれど、
言葉を咀嚼せずにそのまま飲みこんでいては、本質を味わえません。
自分の心の中に聞くってのは、つまり、心におわします神に伺うってことなの。」
( ´_ゝ`)「だから、その神の教えってのが、この村の法なんだろう、だからその法を教えろと云ってるのに。
……おい弟者、己れは間違っているか?くそ、絶対、己れの方がただしいのに、
こうも自信満々に云われちゃあ、少しばかり不安になるぞ。」
(*゚ー゚)「あら、また愚痴を?ねえ、貴方さま、もう気はお済になって?
誤解なされているようですから云っておきますけれど、私ども、
客人を歓迎する気は、いくらでもありますの。
ただ、村の掟は守って頂かないと、村のものに示しがつかないでしょう。」
( ´_ゝ`)「ああ、もう、解かったわかった、少しは黙れ。
お前の村では、女があまり口数が多いのは、正しいのか。
びっぷでは昔から、女があまりでしゃばらないのを美徳としていた筈だろうが。」
(*゚ー゚)「そりゃ、感心はされませんわ。男の方の愚痴と同じこと。
でも、女の口数が多いのも、男の方の愚痴も、ときには必要なことでしょう?
私たちの村は、神は、其処まで融通が利かない村ではありません。
だって、この村は、ただしいんですもの。」
- 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 02:55:05.64 ID:eExo6cqGP
(´<_` )「ときに、ご婦人。正しくないことをしたら、どうなる。」
(*゚ー゚)「かならず、天罰が下りますわ。ただしい村の、正しい神から。」
( ´_ゝ`)「弟者、騙されるんじゃあないぞ。自分のことを正しいっていちいち主張するやつってのは、
もっとも胡散臭いにんげんの内ひとつなんだぞ」
(*゚ー゚)「あら、正しいものを正しいっていうことが、そんなに罪かしら。」
( ´_ゝ`)「ああ、後悔してもし尽くせない。
何で己れはよりにもよって、この村に続く道を選んでしまったのだろう。
他に道は幾らでもあったのに」
(*゚ー゚)「さあさ、この門をくぐればただしい村ですよ。
入りました?入りましたね。では、決まり文句を頂戴してくださいな。
ただしい村へようこそ、この村はとてもいい村で御座います。
みなみなが正しく生きておりますので、当然村も正しいのです。
わたくし、村長の一人娘で、名をしぃと申します。どうぞ、よしなに。」
- 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 03:07:01.86 ID:eExo6cqGP
( ´_ゝ`)「ふうん、やけに小奇麗な村だねえ」
(*゚ー゚)「一人ひとりが、綺麗にしようと努力すれば、当然村は綺麗になりますわ。」
( ´_ゝ`)「はあ、それは確かに正論だねえ」
(*゚ー゚)「やっと、この村のことをお判り頂けたようで、わたくし、嬉しゅう御座います」
( ´_ゝ`)「それは、よかったな……。これだから、女子は困る…。
やい、お前もまさか素直愚鈍行列の一員じゃあなかろうな」
(*゚ー゚)「なんですの、それは。聞いた印象では、亀さんの行列のように思えますけど。」
( ´_ゝ`)「亀の脳みそに、兎の脚と、狼の牙をひっつけた物の怪。
知らないなら、それはお前の仕合せだから、そのままにしておくといい。
心底羨ましいぞ、あいつらを知らずに生きていけるってのは。」
- 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 03:26:51.57 ID:eExo6cqGP
- (*゚ー゚)「貴方さまは承知の上で云われたのかもわかりませんが、
そういう風に云われますと、知りたくなるのが人の性で御座います。
乙女のたしなみとして、今は好奇心をぐっと堪えておきますけども」
( ´_ゝ`)「なンだ、乙女としての自覚なんて大層なものを持ってたのかい。
そうときたら、間違いなくあんたは、愚鈍行列とは無関係。
さァ喜べ、あんたにかけられた人生最悪の疑惑は、 この瞬間に塵と消えた。」
(*゚ー゚)「貴方さま、あんまり意地悪をなされますと、好奇心を入れておいた檻の鍵を、ふっと開けてしまいますわよ。
さあ、ここが我が村の宿で御座います。どうぞ、ごゆるりと。
もてなしの質の良さは、保障いたします。なにせ、この宿を仕切るつぅは、私の妹で御座いますので。」
(´<_` )「なんと、驚いた。たった今、その保障とやらに、信憑性が無くなったことに気付いていないのか、この女子。」
( ´_ゝ`)「たいていの女子ってのは、往々にしてこういうもんだ。
根拠のない自信で台を作って、その上に立ってみせて、男を見下してる。
男は、諦める他ない。どういうわけか、ずっと昔から、そういう世界のつくりになってる。」
- 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 03:37:55.42 ID:eExo6cqGP
(*゚∀゚) 「ややや、お客様がおいでなすった!姉さま、でかしたぞ!」
(*゚ー゚)「まあ、お客様の前ではしたない。あれほど言葉遣いは勉強させたでしょう。」
( ´_ゝ`)「いいさ、いいさ。これくらいの方がかえって気が楽だ。」
(*゚ー゚)「あら、わたくしでは気が楽じゃあなかったと云う風に聞こえますわ。」
( ´_ゝ`)「あんたやっぱり、大した女子だよ。それだけ頭がいいと、皮肉も云い甲斐があるってな。
しかし、そのせいで己れァほとほと疲れたから、さっさと部屋をとらせておくれ。
おいつぅ、大人ふたり、一泊たのむ。」
(*゚∀゚) 「部屋は売るほど余ってる、何せ客が来ないから。
てなもんで、部屋を別々にとっても、差し支えはありませんぜ。ひひっ」
(*゚ー゚)「つぅ……、あんた、後で、酷いわよ。」
(;゚∀゚) 「ひいい?!」
( ´_ゝ`)「ほれ見ろ弟者、あれが女の本当のところ。」
(´<_` )「見た見た、しかし、俺は賢いから、見ないふりを決め込むぜ」
( ´_ゝ`)「己れも、その見ないふりに混ざることにするか…」
- 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 03:55:04.58 ID:eExo6cqGP
(*゚∀゚) 「あうう、それで、お客様さま、お部屋さまはいかがいたし御座いますか」
( ´_ゝ`)「金を余分に使う趣味はねぇんでな、一部屋で構わん。」
(*゚∀゚) 「でもでも、お安くしますですよ」
( ´_ゝ`)「あんまりくどいと、客を減らすぞ。己れらは、一部屋で構わんと云うてるんだ。
そりゃあ、一部屋でとるより安いってなら、とらんでもないが。」
(*゚∀゚) 「……」
(*゚ー゚)「畏まりました、では、一番良い部屋へどうぞ。」
( ´_ゝ`)「いちばん、粗末な部屋でいい。きっと、汚してしまうから。
そうそう、云い忘れていたけど、もてなしだとかはいらんから、
くれぐれも、勝手に部屋に入ってくるんじゃないぞ。」
(*゚∀゚) 「……」
(*゚ー゚)「はいはい、注文の多いお客様だこと。お名前は?」
( ´_ゝ`)「ふん、それじゃあ、名前の欄に、山猫軒とでも書いておくといい。」
- 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 04:10:50.00 ID:eExo6cqGP
(*゚∀゚) 「……」
(*゚ー゚)「なァに、あんた、だんまりしちゃって。いっておくけど、しおらしくしたって、怒ることに変わりはないんだから。」
(*゚∀゚) 「ちげェよ、姉さま、俺ァ、俺ァ…。」
(*゚ー゚)「お客様がいる間は、聞いてなくたって、俺なんて云っちゃあ駄目よ。
それで、一体なんだっていうの。」
(*゚∀゚) 「詰まり、詰まり、詰まるところ、俺ァ、萌えているンだ……。」
(*゚ー゚)「燃えるって、あのねえ。もしそんな事態が起きてたら、一目でわかります。
私の目を、なんだと思って。節穴とでも、思ってるのかしら?」
(*゚∀゚) 「ちげェ、ちげェ……ああ、でも、こんなこと云ったら、姉さま、俺を酷く怒るだろうから、云わないでおこう…。」
(*゚ー゚)「そんなこと云われたら、いやでも聞かないといけなくなるの、わかってよ。
よっぽど聞いてほしいのか、そうじゃないなら、まさか、
あんた知恵ってもんを、母さまの中に忘れて産まれてきたんじゃないの。」
(*゚∀゚) 「だって、この村じゃ、男色は、ご法度。そうだろう?」
(*゚ー゚)
(*゚ー゚)「……はァ?」
- 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 04:26:46.95 ID:eExo6cqGP
- (*゚∀゚) 「だってよ、普通、部屋、ふたつとるだろう、あれくらいの歳の兄弟なら。
其処を、あれだけいやがって、わざわざひとつの部屋にするってのは、どういうわけだと思う。」
(*゚ー゚) 「云ってたじゃない、お金が勿体ないからだって。」
(*゚∀゚) 「ンなわけねェだろ、馬鹿だなあ、姉さま。
ふたりは愛し合ってるんだよ、離れがたい仲って云うじゃねえか。
文字通り、離れたくなかったんだ」
(;゚ー゚) 「あんたのその自信、一体何処から湧いてくるの…。」
(*゚∀゚) 「続けて、もてなしはいらないから、勝手に部屋に入ってくるなと来た。
これァ、いったいぜんたい、どういうわけだと思う、姉さま。」
(*゚ー゚) 「そんなの、何も珍しいことじゃあないでしょう。
もてなしを好まないひとなんて幾らでもいらっしゃいます。」
(*゚∀゚) 「だから、ンなわけねェだろうって。そういう事をしているところを、
俺らに見られたら、コトだからな。あらかじめ、策をたてているんだろう。
ううん、手馴れてやがるなあ。長年連れ添った仲なんだろうって。」
(*゚ー゚) 「そりゃあ、見た感じ双子のようだったから、生まれたときからの長い仲でしょうよ。
あんた、頭大丈夫?それとも目が腐り果ててしまったの?
ああ、今になって、あの人の云ってたことの意味がわかるわ。
女は往々にして、根拠のない自信で台を作って、その上に立ってみせて、男を見下してる。
あの人から見た私がこんな風なら、どれだけ自分を恥じても足らないわ…。」
- 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 04:45:00.19 ID:eExo6cqGP
( ´_ゝ`)「あああ、疲れた。賢い女ってのは、賢い男の何倍も強くて困る。
女は、少し馬鹿なほうが可愛げがあるってよく云うが、まさしく真実だな。
あの姉に比べたら、妹の方がどれだけ可愛げがあることか。」
(´<_` )「あの妹に、可愛げがね。ふうん、やっぱり兄者は気付いていないのか。」
( ´_ゝ`)「何をだ」
(´<_` )「これとよく似た会話を、前にもしたことがあったろう。」
( ´_ゝ`)
(´<_` )
( ´_ゝ`)「ちょっくら、この捨てるのを忘れた団子の串を、奴の目に突き刺してくらあ。」
(´<_` )「まあまあ、別にいいじゃねえか。一日ぽっきりの付き合いなんだし、困ることもないだろう。
そうじゃないってな真実はしっかり、俺たちが知っているんだから。」
( ´_ゝ`)「お前、喰った人間によって性別すら変わるもんだから、あんまり抵抗がないんだろう。」
(´<_` )「でも、此処数十年は、この兄者の姿だから、男となんとかなれって云われたら、断固として拒否するぞ。」
- 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 04:56:17.25 ID:eExo6cqGP
- ( ´_ゝ`)「なら、もっと嫌がればいいだろう。
幾ら己れたちが真実を知ってるって云ったって、それを云わなけりゃ、他の人にはそれが真実なわけだぞ。
例えば、己れが団子を隠し持っていたって、それをずっと食べなけりゃ、他の人たちにとっては、
己れが団子を持っていないのと、同じことだ。」
(´<_` )「でもやっぱり実際は持っているんだから、いつでも団子を喰うことができるだろう。
別に誤解されたって、兄者の心持以外に不都合はないんだから、それでいいじゃないか。
むしろ、誤解を解こうとすればするほど、誤解は深まるばかりだぞ。」
( ´_ゝ`)「それは一体、どういう道理だ。」
(´<_` )「兄者が、こいつは泥棒だと疑った人間が居たとして、
そいつがおもむろに自分は泥棒じゃないなんて言い出したらどうする。
まだこちらは何も云っていないのに。」
( ´_ゝ`)「うむう、そう云われてみれば、そうだ。
やましいことがないのなら、堂々とするべきだ。」
(´<_` )「そうそう、怒るんなら、何か迷惑を被ってからでいいだろう。
さて、兄者の怒りも収まったところで、そろそろ食事の」
( ´_ゝ`)「己れのが先だ、己れのが」
(´<_` )「ええ…」
- 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 05:06:44.49 ID:eExo6cqGP
- ( ´_ゝ`)むしゃむしゃ
(´<_` )「腹、減った…」
( ´_ゝ`)むしゃむしゃ
(´<_` )「はあ…」
( ´_ゝ`)むしゃむしゃ
('A`)
( ´_ゝ`)むしゃむしゃ
( ´_ゝ`)むしゃむ……
('A`)
( ´_ゝ`)
(´<_` )
('A`)
- 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 05:16:33.21 ID:eExo6cqGP
- ( ´_ゝ`)「お前、もしかして、もしかしなくても、もらんとこの。」
(´<_` )「相も変わらず、不味そうな…。」
('A`) 「……ぉ、ι、」
( ´_ゝ`)「ああん、なんだって?」
('A`)「……こ、……ι、て、ぃ、 、る、」
( ´_ゝ`)「もう少しばかり、頑張ってくれんと、なんとも…。
しかし、こいつ、喋れたのか。もらんとこでは、うんともすんとも、云わなかったくせに」
(´<_` ) 「……いきる?」
( ´_ゝ`)「なんだ、お前まで。そりゃあ、生きるさ。死なない限りはな。」
(´<_` ) 「違う、違う。ころしていきる、と云ったのか、お前」
('A`)「………」
( ´_ゝ`)「なんだ、ころしていきる、とは。何やら深い意味が隠されてそうだ。
屍人じたいが、なんだか深い存在なことだし。」
- 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 06:44:23.37 ID:eExo6cqGP
- (´<_` )「いやいや、俺の考えによると、そう大それた話でもないぞ。」
( ´_ゝ`)「じゃあ、さっさとお前のその考えを、教えろよ」
(´<_` )「あんたを殺すだろ、そんで、その干物が生きる。」
( ´_ゝ`)「……えっと。」
(´<_` )「だから、つまり、俺が云いたいのは。
危ないぞ、兄者。」
(゚A゚) ぐわ!
- 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 06:52:28.37 ID:eExo6cqGP
(;´_ゝ`)「あわ、あわわわ!」
(´<_` )「見かけによらず、なんという馬鹿力。俺が助けなかったら、兄者があの机のように、粉々に。
これは感謝しても、し尽くせないだろう。なあ、だから」
(;´_ゝ`)「わかった、わかった!無事に帰れたら、幾らでも喰えばいい!外で名前呼ぶな!」
(´<_` )「しかし、折角親から貰った名前なのに、他の人に知れたら、命が危うくなるなんて、
なかなか悲しいことだよなあ。」
(;´_ゝ`)「いまさら、そんなことに感慨深くならなくて、いいから!
さっさと逃げろ、鬼畜生!」
(´<_` )「俺にしてもそうだ。折角名前を、父だか兄だかにつけてもらったというに、
大体のひとは鬼畜生だとかひとでなしだとか、物の怪だとか。
そういや、もらはちゃんと、名を呼んでくれたなあ。
やっぱりあいつは、悪いやつじゃあないんだよな。」
(;´_ゝ`)「わかった、わかった!弟者、たのむから、早く逃げろ!」
- 88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 07:06:59.01 ID:eExo6cqGP
(゚A゚) 「………!……!」
( ´_ゝ`)「しかし、本当に、なんていう莫迦力だ。
あいつ、このままじゃ、己れどころか、この村を殺しちまう。
ただしい神ってのは、いつ天罰を下すんだ。
それとも、あの干物の行いは、ただしいとでもいうのだろうか。」
(´<_` )「しかし、この分じゃ、いくら逃げ回っても無駄らしい。
宿屋に逃げ込んでも、宿屋が壊されちまうだろうし。
逃げたら逃げたで、いつまでも追って来る。
こりゃああんた、由々しき事態だぞ。
何故だか知らないが、俺は今とても腹が減っていて、
いつまでも走ってはいられないだろうしなあ。」
(;´_ゝ`)「ここぞとばかりに、責めるんじゃあない!こっちにだって、都合があるってこと、わかってるくせに!」
(´<_` )「こっちにだって、腹の都合ってもんがあるって、知っているだろう」
(;´_ゝ`)「そりゃあ、四六時中、腹が減っただとか腹が空いただとか、はらぺこだとか、聞かされてるからな!」
- 90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 07:16:51.81 ID:eExo6cqGP
(゚A゚)「……ぃ……る、……!ァ……ι……!」
(;´_ゝ`)「おい弟者、あいつはなんて云っている?」
(´<_` )「いきるー、あにじゃをころしてー、はらへったー、だそうだ」
(;´_ゝ`)「最後のンは、お前の声だろ!
しかし、何でわかるんだ。同じ、人間らしくないもの同士、
何か通じるものがあるのかい。」
(´<_` )「はァ、云ってなかったっけ。人の心、読めるって。」
(;´_ゝ`)「ゴホッ!……てめえ、この野朗、よくも七十年、正しく換算すりゃあ、
七十四年と四ヶ月と十三日間、そんな大事なことを黙っててくれたな!」
(´<_` )「聞かなかったじゃねえか、お前、人の心が読めるのかって。」
( ´_ゝ`)「そりゃあ、詐欺師の常套句だ、二度と使うんじゃない…」
- 95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 07:29:05.93 ID:eExo6cqGP
- (´<_` )「大袈裟だな。全部がぜんぶ、読めるわけでもねえし。
無防備なやつは、吃驚するぐらいよく聞こえるけどな。
心配しなくても、兄者は、そんなに聞こえねえよ。嘘をついてるか、ついてないかがわかるくらい。
そりゃあ、頑張れば、別だけど。
もらなんかは、多分そういう心得があるんだろう、頑張っても、全く聞こえなかった」
( ´_ゝ`)「お前は、全てにおいて努力が必要な奴ではあるが、
例外的に、喰うことと、その分野に関してだけは、間違っても頑張るんじゃあねえぞ。」
(゚A゚)「……ぃ……!……!」
( ´_ゝ`)「おい、なんだって?」
(´<_` )「……」
(;´_ゝ`)「なんだ、勿体ぶるな!」
(´<_` )「いやあ、云ったら、兄者が死にたがるような気がしてさ。」
(;´_ゝ`)「他人のために、死にたがる莫迦が居るか!」
(´<_` )「長岡のやつのときは、死にたがったろ。別にあんた一人でも、長岡ていど、どうとでも出来たくせに。
まあ、そのお陰で、俺は美味しい思いを出来たけど。」
(;´_ゝ`)「なにっ、お前、その言い草は、もしかすると、もしかするのか?
くそっ、約束を破るのは、本当に駄目なことのひとつだと、あれほど云ったのに!」
- 98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 07:43:50.76 ID:eExo6cqGP
(´<_` )「さあてね。真相は腹の中。何せ兄者は石ころだったんだから、知る由もないだろう。」
(;´_ゝ`)「腹の中だと、お前、もう白状してるじゃあないか!」
(゚A゚)「……ぃ……ッ!」
(´<_` )「…お前のその執念は、一体何処から湧いてくるんだい。」
(゚A゚)「………ぇ、……ゎ……ぃ」
(´<_` )「というか、解かりたくもねぇもんな。俺の毎日の飯を奪おうとしてるやつの、信念なんてさ。」
(;´_ゝ`)「それこそさ、そこでさ、俺の兄とか、父とか、云えよなあ…」
(゚A゚)「…ぉ…ぇ……ゎ…ぃ、…ぉ………、!」
(´<_` )「だから、解かりたくもねんだって云ってんだろうがよ。」
- 102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 08:00:08.65 ID:eExo6cqGP
(゚A゚)「……!!……!」
(;´_ゝ`)「己れを抜きで話しを進めるな、干物、なんか怒ってるじゃないか!」
(´<_` )「さっさと、神さまってやつ、出てこねえもんかなあ…。」
(;´_ゝ`)「まさかお前、神さまが見たくて、あいつを暴れさせてるんじゃ……やめとけ、やめとけ!
人間の云う神さまってのは、目に見えるもんじゃねえんだよ。
目に見えないと信仰しにくいってんで、代わりの像とかを使うときはあるけど。」
(*゚ー゚)「神さま、神さま、こちらです!」
( ´_ゝ`)「あれぇ…」
( ゚д゚ )
(´<_` )「あれが神か……人間じゃねえか」
( ´_ゝ`)「あっれぇ…」
- 138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 14:14:58.44 ID:eExo6cqGP
( ´_ゝ`)「己れの記憶が正しけりゃ、お前、みるなだろう。いつから神になったンだ」
( ゚д゚ ) 「………タダシクナイ」
( ´_ゝ`)「い、いや、己れは記憶力には自信があるっていうか、忘れたくても忘れられないっていうか。
正しくないってこた、ないだろう、みるな」
(∩<_∩ )
(;´_ゝ`)「莫迦野朗、みるなってのは、あいつの名前だ!」
( ゚д゚ ) 「……タダシクナイ」
(;´_ゝ`)「だから、己れの記憶に、間違いはねえって……ん?」
(゚A゚)「ゥぐ、……?!」
( ゚д゚ ) 「………」
(゚A゚)「ぐっ、ァァ”アァアァアアア!ァアアア”!!」
- 139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 14:28:58.56 ID:eExo6cqGP
(;´_ゝ`)「おい、やめろ、やめろ!そいつは、もらンとこの、珍獣なんだって。
もらを知らんわけじゃあないだろう、お前ももらも、おなじ四大賢者なんだからよ!」
( ゚д゚ ) 「ムラヲコワスノハ、タダシクナイ……」
(´<_` )「あいつも、四大賢者っていうのか。もらは、確か水だったっけ。
あいつはいったい、何なんだ。」
(;´_ゝ`)「見てりゃあ、わかる。確かに、あの力を見たら、神さんと見間違っても、仕方ねえことだ。
天地創造をしたのが神だって云うのは、多くの人が信じることなんだから。」
( ゚д゚ )
( ゚д゚ )
( ゚д゚ ) カッ!
- 141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 14:40:35.27 ID:eExo6cqGP
(゚A゚)「?!」
(*゚ー゚)「ああっ、流石で御座います、ただしい神さま!」
(´<_` )「なんだ、なんだ、おっかねえ世の中になったもんだ。
地面が口をあけて、人を喰うようじゃあ、おちおち外も歩けやしねえ。」
(;´_ゝ`)「おい、やり過ぎだろうが!言い訳も聞かず、生き埋めが、ただしいやり方だとは思えねえぞ!」
( ゚д゚ ) 「……イキテナイ」
( ´_ゝ`)「む…」
( ゚д゚ ) 「アイツハ、シンデタ。シタイハ、ツチニ、カエスノガ、タダシイ…」
(;´_ゝ`)「そりゃあ、そうかもしれんがな、あいつは、屍人っつって、死んでるのが正しい状態っていう、難儀な奴なんだ。
いや、本当に正しく云うなら、死んですら居ないんだよ、なんてったって、生きたことがねンだから。
村を壊したのは確かに悪行だ、間違いない。けど、その代償が、永遠の孤独ってのは、あんまりじゃねえか!」
( ゚д゚ ) 「………ナンビャクネン、タッテモ、カワラン、ナ……ドウセ、オマエ、ネラワレテ、タンダロウ……タダシク、イキナイカラ…」
(;´_ゝ`)「お前さんの物差しで、己れの人生の正しさを測られてたまるかよ!
己れは、産まれてこのかた、自分が正しくないと思ったことをした覚えがないっつうのに!」
- 144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 14:56:08.75 ID:eExo6cqGP
(*゚ー゚)「貴方さま、ただしい神さまをご存知でしたの。
それどころか、お知り合いでいらっしゃるのね。そのような口ぶりで話しなさるなんて。」
(;´_ゝ`)「知り合いっちゃ、知り合いだ。もう、とんと会ってなかったが。
しかし、前に会ったときは、間違いなく神さんなんかじゃなかっただろう。
ついに賢者に飽きて、神さんに天職したのかい。」
( ゚д゚ ) 「タダシイ、オコナイヲ、シテイタラ……シゼント、カミ、トヨバレテイタ…」
(;´_ゝ`)「みるなよ、さっきの己れの言い分は、どうなんだい。道理は通っているだろう。
さっきの屍人、吐き出してはくれないか。あんな屍、肥やしにもなりゃしねえんだ。
己れがもらンとこ戻しに行くから、いいだろう」
( ゚д゚ ) 「…………」
( ゚д゚ ) 「アイツ、ナニガ、デキル」
( ´_ゝ`)「ナニガって、何だ。」
( ゚д゚ ) 「ツミニミアッタ、タダシイツグナイヲ、サセル……」
- 145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 15:07:03.89 ID:eExo6cqGP
( ´_ゝ`)「もらの奴から聞いた話だと、あいつは暴れる以外に、何の役にも立たないそうだが…
詰まり、物を壊す償いが、妥当だろうな。」
( ゚д゚ ) 「……」
( ゚д゚ )
(;´_ゝ`)「莫迦、帰ろうとするんじゃねえよ!」
(;゚ー゚)「およしになってくださいな、ただしい神さまに、莫迦だなんて!」
(;´_ゝ`)「わかった、わかった、おい神さんよ、代わりに、己れが償ってやら!
怪我なら、いくらでも治せるからな!薬の知識だって、医者よりあるわ!」
(´<_` )「出た出た、兄者の自己犠牲癖。」
( ゚д゚ ) 「……」
( ゚д゚ ) 「……イツカホド、イシャトシテ、ハタライテ、モラオウカ」
(´<_` )「うげえ…」
- 148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 15:17:33.66 ID:eExo6cqGP
川゚∋゚)「お医者さま、お願いします。この悪餓鬼、いたずらしようと木に登って、落ちて、
このように、傷口がぱっくり。因果応報で御座います、どうぞ、ぐいぐいと縫ってやっておくんなまし。」
( ;∋;)「びぇえ、びぇえ!おらさ、痛いの、いやだあ!」
( ´_ゝ`)「でっかい図体して、うるせえんだよ。男がそうぴぃぴぃ泣いてっと、
正しくないって、ただしい神さんに、喰われちまうぞ。」
( ;∋;)「うびゃああああぁああああ!」
(´<_` )「…………」
(;´_ゝ`)「……神さんより、おっかないのに、喰われちまうぞ…。
ほら、傷口見せやがれ。悪戯ってんのは、餓鬼の仕事だけども、
悪戯をして痛い目みるのも、餓鬼の仕事なンだから、諦めて、痛い目みやがれってんだ。」
( ;∋;)「うああああああ!おっかあ!おっかあ!もう悪いことしないけえ、許してやあ!縫うのは、いやだ、いやだあ!」
- 155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 15:39:09.72 ID:eExo6cqGP
( ´_ゝ`)「おら、治ったぞ。これに懲りたら、もっと上手く悪戯できるように、励むんだな。」
( ;∋;)「嘘だあ、だって、全然痛くなかったでねえか。……あれっ、おかしいな、傷口も全然痛くねえ。
あいや、なんだこりゃあ。おっかあ、見てけれ。何故だかわからんけども、傷口が、きれいさっぱり、消えちまった!」
川;゚∋゚)「あらまあ、驚いた。やっぱり、ただしい神さまのお知り合いは、神さまなんかい。」
( ´_ゝ`)「神なわけが、あるかい。己れの額に、ほくろはねえぞ。
ただ、変な力を授かって生まれただけでさあ。
しかしあんたら、本当にあいつを神さんと思っているんだなあ。
しぃが云っていたことに、この村の法は、みなみなの心におわします神に伺えばわかるってのがあったが、
まさかとは思うが、あんたら、心にみるなが住んでいるのかい。」
川゚∋゚)「へえ、そりゃまあ、ただしい神さまの教えが心に生きていますから、
詰まり、ただしい神さまがおわしますのと、同じことでしょうねえ。
しかし、そのお力、本当に、神さまの起こす奇跡のようで、わたしゃ、酷く感動しましたよ。」
( ゚∋゚)「おっかあ、ずるいぞ!おらも、見たかった!」
( ´_ゝ`)「おい餓鬼、見たいからって、わざと怪我すんじゃあねえぞ。
こっちはタダ働きなんだ、百人来ても一人来てもおなじ結果なら、
なるべく来ないほうがいいってことくらい、わかるだろ。」
- 158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 15:47:26.31 ID:eExo6cqGP
(´<_` )「………」
( ´_ゝ`)「………」
(´<_` )「………」
( ´_ゝ`)「おい、己れには、心を読む力なんて大層なもんはねえけど、
お前の考えてることが、ありありとわかるぞ。
わかっていても、仕方がないんだよ。こんなところで、お前の望みを叶えるわけにゃあいかない。
いつ誰が来るかわかんねえし、ことによっちゃ、みるなが来るぞ。
もしも、みるなに、お前のことがバレたら、己れたち間違いなく、埋められるって。
あいつ、ほんと、堅物だから。まあ、この場合、軽蔑しねえほうがおかしいとは思うけどよ。」
(´<_` )「…………」
(;´_ゝ`)「晩は、好きなだけ、喰っていいから…」
(´<_` )「………」
(;´_ゝ`) (´<_` ) |ドア|(*゚∀゚) =3
- 162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 16:01:52.62 ID:eExo6cqGP
(*゚∀゚) 〆
(*゚∀゚) 〆
(*゚∀゚)
(*゚∀゚) 「姉さま!姉さま!こいつ、俺が書いた小説なンだけど、読んで呉れよ!」
(*゚ー゚) 「やだ、あんた、文字を書けたの?」
(*゚∀゚) 「おうともさ!さっ、たんと読んで呉れ!」
(*゚ー゚) 「ええ、何……・」
(*゚ー゚)
(*゚ー゚)
(;゚ー゚) 「きゃあああああああああ!」
- 166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 16:15:50.69 ID:eExo6cqGP
(;゚ー゚) 「昨日から、何だっていうの!こ、こんな、破廉恥な、っていうか、き、気持ち悪い!
よくもまあ、こんなことを、こんな量、書けたわね!
あんた、恥ってもんがないの?!もう、あんたとは、姉妹の縁を切らせて頂戴!」
(*゚∀゚) 「姉さまは、まだまだだなあ。俺の仲間内では、こういったもんが、生きる糧ってなもんだで。
姉さまが知らんだけで、この村も、好きな女子、少なくねえぜ。
ってなわけで、今からこれを、見せてくるぜい」
(#゚ー゚) 「姉さまだなんて、呼ばないで、汚らわしい!
あの方たち、折角村のために働いてくださってるのに、失礼だと思わないの!」
(*゚∀゚) 「別に、迷惑をかけてるわけでもあるまいし。
俺ら、実に大人しいもんさ。妄想だけで、じゅうぶん仕合せになれるんだから。」
(#゚ー゚) 「いいこと、絶対に本人さまに、バラすんじゃあないわよ。
あんたの、地獄の釜より茹だった頭じゃわからないだろうけど、
そんなことを勝手に想像されているなんて知ったら、普通のひとは、
尊厳が気付けられるんだから!もしバラしたら、家に入れないわよ、絶対よ!」
(*゚∀゚) 「へいへい、わかったから。姉さまは、とんだ堅物だ。
そのうち、ただしい神さまにも、なれるって、俺ァ思うぜ。」
- 169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 16:29:05.32 ID:eExo6cqGP
びっ
(´<_` )むしゃむしゃむしゃむしゃ
(; _ゝ )「………うえ……なんか、お前、いつもの二倍増しで、喰ってねえか…。」
(´<_` )むしゃむしゃむしゃむしゃ
ぐちゃ、
(´<_` )むしゃむしゃむしゃむしゃ
ぶちっ。
(; _ゝ )「いっそ殺せ…」
(´<_` )むしゃむしゃむしゃむしゃ
- 171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 16:47:10.88 ID:eExo6cqGP
(; _ゝ 「くっそ、本当に、好きなだけ喰いやがって……
半分以上ねえだろう、これ。こんだけやられたら、流石の己れも、ちょっとは疲れるんだぞ」
(´<_` )「俺が受けた苦痛に比べたら、どってことないだろ。」
(; _ゝ 「やっと、喋りやがったな。畜生が。」
(´<_` )「ただでさえ腹が減ってんのに、喋ったら余計腹が減る。
哀れな俺の、涙ぐましい努力を、畜生とは何事か。」
(; _ゝ )「哀れなもんか、お前、女子や餓鬼が来たときの殺気、酷かったぞ。
いつ、頭からぺろりといっちまうか、気が気でなかったっつうの。」
(´<_` )「だって、来る奴ガキばっかで、ほんとに美味しそうなんだもの。
あの椅子から叩き落として、頭をぱっくり開いてやって、脳みそを引きずりだせたらって、
何回夢を見たことか。これがあと四日も続くなんて、この村はじごく村だよなあ。」
(;´_ゝ )「お前、やっぱり、名前を、鬼者だとかにしたほうが、いいんじゃないのかねえ…。」
- 175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 17:12:09.79 ID:eExo6cqGP
- ( ´_ゝ`)「はあ、疲れた……俺、風呂、いってくる…」
(´<_` )「俺ァ、腹一杯だし、仕合せな心地で、寝るとするよ。」
( ´_ゝ`)「へいへい、おやすみ。」
( ´_ゝ`)「風呂、何処だっけか…」
(*゚ー゚)「あら、貴方さま、こんな夜更けに、如何いたしました?」
( ´_ゝ`)「おや、起こしたか、すまないな。
ちょっと疲れたんで、風呂に入りたいって思ったんだけど、
この宿、風呂はあるのかい。」
(*゚ー゚)
( ´_ゝ`)「?」
(*゚ー゚)「いっ、いや、そうですよね、今日だけで、何人も怪我人が来たんでしょう。」
( ´_ゝ`)「そうだよ、まったく、どいつもこいつも泣き喚いて…。」
(*゚ー゚)「本当に、お疲れ様ですわ。お風呂なら、ご案内しますわ。どうぞ、こちらに。」
- 176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 17:16:15.08 ID:eExo6cqGP
( ´_ゝ`)「ああ、此処だね。ちゃんと覚えたよ。有難う、でもよ、
女子があまり遅くまで起きてるもんじゃあねえし、さっさと寝るんだぞ。」
(*゚ー゚)「お気遣い、どうも。じゃあ、ごゆっくり。」
(*゚ー゚)「ああ、あの莫迦なつぅのせいで、わかっているのに、勘繰ってしまうわ。
そんで、勝手に勘繰って、気分が悪くなってしまうから、困りもの。
ただしい神さまのお知り合いで、あんな奇跡の力をお持ちの方が、
男色趣味なわけないっていうのに、私のばか、ばか…。」
- 180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 17:35:59.16 ID:eExo6cqGP
〈::゚−゚〉(゚∀゚*) =3
(*゚∀゚) =3(゜д゜@
(#゚;;-゚) (゚∀゚*) =3 (’e’)
- 181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 17:37:21.64 ID:eExo6cqGP
- (゚∀゚*)「いやあ、ほんとに、ぶぅむとゆうたろうは、萌えるよな!
ぶぅむが受けでさ、そんでさ、考えたんだけど、」
(’e’)
(#゚;;-゚)「つぅちゃん、声が、おっきいよ…。」
(゚∀゚*)「だから、本当に凄いんだって、これ、萌えるだろ?うへへ…
まっ、いま、いちばん萌えるのは、あの医者と、従者さんだけどな!
あいつら、間違いなく恋仲やって!」
(’e’;)
(#゚;;-゚)「つぅちゃん、私、いややわ、そんな風に、外で色々と話すん……。」
(゚∀゚*)「なんだよー、同じ穴のナントカだろう?何を恥ずかしがることがあるってんだ。
これも、立派な文化だって、胸張っていりゃあいいんだよ、
ただしい神さまにバレないくらいに。」
(#゚;;-゚)「そりゃあ、確かに、同じ趣味は持ってるけれど、だからこそ、つぅちゃんの行動は目に余るんやわ。
こういうのは、ひっそりとせないかんのよ。わかってよ。
つぅちゃんは、お仲間としか居ないから、わからんかもしれんけど、
こんなの、嫌って思う人の方が、ずっと多いんよ。
やめろなんかよういわん、だって私も好きやから。
でも、然るべきところで、ひっそりと、やらんといかんのやよ…。」
- 183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 17:44:36.08 ID:eExo6cqGP
- (゚∀゚*)「なんだよ、お前まで、しぃと同じこというのかよ。
いい子ぶってさ、つまんねえなあ。」
(#゚;;-゚)「つぅちゃん…。」
(#゚;;-゚)「……はぁ、なんか、楽しくなくなっちゃったなあ。
しぃちゃん、最近つめたいし。しぃちゃんがバラしたっていってたし、たぶん、きっと、それのせい。
わたしとつぅちゃんが、おんなじような考えやって、思ってんやろうな。
そりゃあ、好きなものは、一緒やけど。軽蔑される趣味なんかもしれんけど、
そんでも、全部一緒くたにされて、見られるのは、辛いもんやなあ…。」
(#゚;;-゚)「でも、結局、つぅちゃんの云ったとおり、同じ穴の狢やもん…。
ああもう、なんや、つぅちゃんのことも、しぃちゃんのことも大好きやのに、
私、最低やな…。もう、こんな趣味、捨ててしまおうか…。」
- 189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 17:59:17.24 ID:eExo6cqGP
(’e’;) 「うわぁ、うわぁ、けったいなもん見てしもうた。ついでに、けったいな話しも聞いてしもうた。
気持ちが悪い、気持ちが悪い…。耳が腐り落ちてしまいやせんやろか…。
にしても、ぶぅむとゆうたろう、んでもってあの医者と、その従者、そんな仲やったんかいね。
まあ証拠はないけんど、これから注意してみとかんな。そんな正しくない仲は、すぐにでも、正さないかん。
なんてったって、此処は、ただしい村なんやし。それにしても……うわぁ〜。」
| ^o^ |「ゆうたろう にもつが おもそうです もってあげましょう」
| ^o^ | 「では この せうゆを もってください」
| ^o^ |「せうゆ おもたいです っていうか ぜんぶ もたせてんじゃ ねえ ボケ ころすぞ」
| ^o^ | 「ふふふ ういやつめ」
(’e’) 「くっそ、きもいんだよ!」
| ^o^ |「はい?」
| ^o^ | 「わけ わかめ」
- 192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 18:08:05.35 ID:eExo6cqGP
(’e’) 「やっぱり、そうなのか。男が男に、愛いやつなんて、普通言うだろうか、いや、言わねえや、間違いねえ。
とすると、やっぱりあいつらは、そういう仲なんだってことになる…。
にわかに信じがたいことじゃねえか、男は女に、女は男にっていう、人間の本能に逆らってやがる。」
(’e’) 「……いや、待てよ。そういえば、あいつらの店、たいしていいもん揃ってねえのに、やたらと人気がある。
俺の店のほうが、品揃えも、もてなしの質も、ずっといいっていうのに、何故だか。
もしかして、つぅみたいな奴等を呼び込むために、そういう風に振舞ってんじゃねえの…。
つぅみたいな、頭がおかしいやつ、最近少なくないっていうし。此処は、ただしい村だってのに。
ああ、間違いない、そうに決まってる。あいつら、なんて卑怯なやつ。
医者と従者も、気持ちが悪いし、どうにか証拠を掴んで、どうにかしてただしい神さまに裁いてもらおうっと。」
- 205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 19:38:22.50 ID:eExo6cqGP
- (´・_ゝ・`)「おい、遷都。その話し、詳しく聞かせてくれよ。」
(’e’)「うわぁ〜、なんだ、盛岡か。聞いてたのかい。まあ、実のところ、聞こえるように言ったんだけどよ。」
(´・_ゝ・`)「うちの店の売り上げも、どうも悪いんだ。なんでかなと思っていたんだが、
今の話を聞いて、ピンと来たね。ぶぅむとゆうたろうの野朗、そういう汚い手を使っていたんだな。
こんなことが許されてたまるか、この話し、皆に広めようぜ。」
(’e’)「ああ、まったく、俺らだけでも、この村に相応しく、ただしいことをしようじゃないか。」
(´・_ゝ・`)「そうだ、そうだ!」
(’e’)「しかし、こうなると、他も怪しいな。注意してみてみよう。あと、腐った目をもつ女子も、皆で糾弾していこうじゃないか。」
( ^^ω)(これは、いいことを聞いた。あっちも、ぼるじょあの奴と、男色のふりをしてみよう。
苦労もせずに、店の売り上げがあがるんなら、汚い手を使ってもかまわんって。
しかし、なんでぶぅむとゆうたろうの奴等の売り上げがいいと、あいつらの売り上げが下がるんだろう?
ぶぅむとゆうたろうはせうゆ屋で、遷都はさとう屋、盛岡はしお屋。まったく関係ないじゃあないか。
まあ、いいや。ほまほま、ほま。)
- 209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 19:51:40.37 ID:eExo6cqGP
- *(‘‘)*「いやや、いやや!助平!」
(;´_ゝ`)「臨時とは云え、医者になんて口をたたきやがる、この餓鬼。
己れだってお前の内股なんぞ見たくないや、
でも怪我があるのは内股なんだから、仕方ないだろう、
文句があるなら、その歳にもなって、男と喧嘩するのをやめるんだな。」
*(‘‘)*「なんや、口は達者やけど、結局治せんのやんかあ!やーぶ、やぶやぶ、やぶお医者!」
( ´_ゝ`)「なんとでもいえ、どうせもとは医者じゃないんだから、痛くもかゆくもねえっての。
じゃあ、この苦い薬でも飲んでおけ。三日もすりゃ、綺麗さっぱり治るだろうよ。」
*(‘‘)*「苦いお薬も、いやや!」
( ´_ゝ`)「じゃあ、飲まなくていいぞ、別に己れは構わんから。
お前さんの、その傷口が化膿して、膿が出て、蛆が湧いて、蝿がたかって、
感染症になって、体中にまだら模様が出て、高熱に魘されながら、l死んだって。
じゃあ、次の人ー」
*(‘‘)*「あうう、せんせー、見せるから、治してや。苦いお薬、いややし、死ぬのもいやや…」
( ´_ゝ`)「最初から、そう云っておけ。強がりもほどほどにしねえと、男に好かれねえぞ。」
- 211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 20:01:12.85 ID:eExo6cqGP
( ´_ゝ`)「はい、次のひと。」
(’e’) 「……」
(´<_` )「……」
( ´_ゝ`)「で、あんた、何処が、どうしたっていうんだい。」
(’e’) 「腹がね、どうも、いたくって。」
(´<_` )「……」
( ´_ゝ`)「ふうん、どう痛む。」
(’e’) 「どうって、痛い痛いって、痛みます。」
( ´_ゝ`)「そうじゃなくって、しくしくとか、きりきりとか、じんじんとか、あるだろう。」
(’e’) 「ああ、ええと、しくしくと。」
- 213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 20:13:46.07 ID:eExo6cqGP
( ´_ゝ`)「で、どの辺が痛むんだ。」
(’e’)「そりゃもう、あちらこちらが。」
(´<_` )「……あんまり、莫迦みてえな嘘をついていると、いい死に方しねえぞ。」
(’e’)「し、失礼なおひとだなあ。先生、あの人と先生は、どういったご関係なんですか。」
( ´_ゝ`)「あいつは、己れの弟で、息子みたいなもんだ。失礼な奴で、まったく下種だが、
悪いやつじゃあないから、多めに見てやってくれ。
その代わり、あんたの仮病も、大目に見てやっからよ。
大方、仕事をさぼりたかったんだろう。適当な病名をつけておいてやるから、今日はゆっくりと休みなよ。」
(’e’) 「そ、そうなんですよ。最近、売れ行きが悪くって、さぼりたくもなりますよ。
それともいうのも、ぶぅむとゆうたろうっていう、悪い奴のせいなんでさ。」
(´<_` )「診察は、終わったろう。さあ、帰った帰った。」
( ´_ゝ`)「まあ、こいつで順番は最後だろう。云って気が晴れるなら、云っていけばいいさ。
ただし、己れは聞き流すぞ。あんたは勝手に喋っていけ。さあ、団子でも食うか。」
- 217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 20:29:48.34 ID:eExo6cqGP
- (’e’) 「お気遣い、どうも。
つまりね、そのぶぅむとゆうたろう、男色のふりをして、お客さんを集めているんです。
この世には、まったく理解できないことですが、そういうのを好む女子が居ましてね、
そういったやつらを狙って、こういうことをしているんです。
これは、とんだ正しくない行いですよ。男色そのものも正しくなければ、その正しくないふりをして、
お客さんを集めているんですから。」
( ´_ゝ`)むしゃむしゃ
(’e’) 「そいつらのせいで、真面目にやっている私らなんか、莫迦みたいで。
でもね、私たちはただしいですから、そんな不正を真似するなんてこともしませんよ。
するべきは、奴等を裁くこと。そうだと思いませんか?」
( ´_ゝ`)むしゃむしゃ
(´<_` )「なんだ、随分大きい口を叩く奴だなあ。まるで、神さんみたいな。
この村の神は、みるなの奴だと思っていたが、さて」
( ´_ゝ`)むしゃむしゃ
(’e’) 「先生。そうだと思いませんか?」
- 221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/10/28(水) 20:50:03.33 ID:eExo6cqGP
( ´_ゝ`)「その、ぶぅむとゆうたろうが、男色のふりをして、そういう趣味の女子を集めていると、云ったのか。」
(’e’) 「そりゃあ、そんなこと、云いませんよ。」
( ´_ゝ`)「じゃあ、それもしかしたら、そういうふりをしているつもりもないのに、
勝手に女子が集まってきてるかもしれねえよ。これなら、なんの罪もねえやな」
(’e’) 「そんなわけ、ねえでしょう。あいつら、男同士で、仲が良すぎるんでい。
男相手に、荷物を持つのを手伝ったり、愛い奴とか、云うわけがねえって。」
( ´_ゝ`)「愛い奴め。……と、じゃあ、今この瞬間、己れとお前さんは、男色趣味のふりをしてることになるのかい。
なるわけないだろう。言葉の本当の意味は、其処に込められた気持ちに在る。
しかし、もしかして、あんた友達居ないのかい。荷物くらい、女だろうが、男だろうが、重そうにしてたら、持つっての…。」
(’e’) 「それだけじゃねえんでさ。その後も、ようく見ていたら、かわいいところもあるとかいって、頭を撫でたりもしたんだぜ!
男相手に可愛いなんざ、正気の沙汰じゃねえだろう!ましてや、頭を撫でるなんてよ!気持ち悪いったら、ないぜ!」
( ´_ゝ`)「なんていうか、お前さん、生きていくの、辛くねえかい。精神剤でも、出してやろうか…」
- 223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 21:03:14.75 ID:eExo6cqGP
- (’e’) 「先生、私が、気を違えているとでもおっしゃりたいんで?」
( ´_ゝ`)「そのままじゃ、違えちまうぞって、云いたいんだよ。
じゃあ、もしかしたら、本当に男色だったらどうするよ。
それなら、そういう趣味の女子が集まってくるのは、不可抗力。
男色には男色の苦労があるんだから、それくらいの得があっても、不正ってことはないだろう。」
(’e’) 「もし本当にそうなら、それこそただしくありませんよ。神の天罰が、下ります。」
( ´_ゝ`)「天罰は神が下すことであって、お前さんじゃないんだから、ただしいとかただしくないとか、考えたって無駄だろう。
己れには、あんた、しなくていいのに、わざわざ腹を立ちに行ってるようにしか見えないぜ。
天罰を下したいってんなら、せめて、真実を確かめなくっちゃ。
つまり、本人たちに聞いてみにゃ、なんともいえんよ。
今のあんたは、ただ、自分で作った敵と戦ってるだけじゃないか。」
(’e’) 「本人たちに聞いてみて、相手が嘘をついたらどうします」
( ´_ゝ`)「簡単に云うが、それが嘘だっていう真実を掴むのは、どうして中々難しいんだぞ」
(’e’) 「そんなの、そんなの……。」
- 228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 21:13:15.36 ID:eExo6cqGP
- (’e’)
( ´_ゝ`)「……どうしたよ」
(’e’) 「もう、いいです。さようなら。」
(´<_` )「おい、そこの。」
(´<_` )「俺は、俺のことを悪く云われたって、何の感慨もねえが、
不思議と、兄者のことを悪く云われると、無性に食欲が湧いちまう。
お前さん、命が惜しけりゃ、俺に気をつけろよ。腕の一本や二本、無くなっても、知らねえよ。」
(’e’) 「はっ、ははあ、やっぱり、あんたらもそういうことなんで。
わかりましたよ、だから、やたらと庇うんだ。
どうしたって、俺が正しいに決まってンのに……。今に、見てろ。
裁きが、下るぞ…。」
- 234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 21:25:10.50 ID:eExo6cqGP
- ( ´_ゝ`)「……なんだあいつ」
(´<_` )「莫迦だろ。」
( ´_ゝ`)「そりゃあ、違いけど。自分の店が売れないの、他の店にしてる暇があったら、
なんで売れないのか考えて、努力すればいいのになあ。
だって、現に今日だって、店を休んできたわけだろ…。
案外、売り上げの悪さの一番の理由は、自分にあるんじゃあねえのかね。」
(´<_` )「案外というか、間違いなくそうだと思うけど。
だってあいつ、さとう屋で、ぶぅむとゆうたろうは、せうゆ屋なンだから、関係ないにも程があるだろう」
( ´_ゝ`)「お前、なんでそんなこと知ってンだ。」
(´<_` )「あいつ、心の中で、何故さとうが売れなくて、せうゆが売れるんだって云ってたし。
あんまり、あんまりな内容なもんで、耳が腐り落ちるかと思ったぜ。」
(;´_ゝ`)「しっかし、お前のその読みがあたってんなら、あいつ、いよいよ気の毒じゃねえか。
だってよ、料理に砂糖とせうゆ、どっちが多く使うかっていわれたら、せうゆだろ。
そりゃあ、せうゆのほうが、売れるに決まってら…。」
- 239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 21:40:13.90 ID:eExo6cqGP
(#゚;;-゚)「しぃちゃん…」
(*゚ー゚)「でぃ…。私も、大人げなかったって、思ってるわ。
でも、どっちが正しいっていうかっていったら、そりゃあ、私でしょう。
趣味だって、生き甲斐だってんなら、仕方ないわよ、そこまで融通が利かない私でもないの。
あんたらのことを、ただしい神さまに云うつもちもないし。
だから、然るべき場所で、ひっそりとやりなさいよ、ね?
今度、あんな小説やら、絵を、外で見せ合ったり、
大声でそんな話しをしようもんなら、ただじゃおかないからね。」
(#゚;;-゚)「うん、うん…」
(*゚ー゚)「それに、せうゆ屋にも、迷惑かけてるんだって?
立場上、ぶぅむとゆうたろうは何もいえないけど、迷惑なのくらい、少し考えたらわかるでしょう。」
(#゚;;-゚)「それは……うん、ごめんなさい…。」
(*゚ー゚)「謝ったらいいってもんじゃないの。行動で示してくれなきゃ。いい?」
(#゚;;-゚)「はい…」
- 243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 21:55:31.20 ID:eExo6cqGP
- (*゚∀゚)「でぃは大変だなあ!」
(*゚ー゚)「ちょっと、つぅ!あんたに一番云ってんのに!」
(*゚∀゚)「あひゃぁ、だって、別に悪いことしてねぇし!萌えるものを、萌えるって云って、何が悪いんだよぉ!
本当は姉さまだって、読んでみたいって思ってんじゃねえの!いいぜ、貸してやるって!」
(#゚ー゚)「あんたねえ、そろそろ本気で、怒るわよ!」
(#゚;;-゚)「……やめようよ、つぅちゃん…」
(*゚∀゚)「萌えるのが、正義だって!なあ、でぃだって、そう思うだろ!?」
(#゚;;-゚)「うぅ……しぃちゃん、ごめんね、ごめんね」
(;゚ー゚)「なんで、あんたが謝ることがあるの!」
(#゚;;-゚)「ごめんね……もう、もう……わたし、つぅちゃん、嫌い…」
(;゚∀゚)「なっ、何で?!」
(#゚;;-゚)「嫌いや、嫌いや……つぅちゃんのせいで、私、もうなんも、おもしろない……」
(;゚∀゚)「なんだよ、なんだって、いきなり、そんなこと云うんだよ!」
- 246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 22:06:32.24 ID:eExo6cqGP
- (#゚;;-゚)「わからんの、もう、つぅちゃんと同じくらい、私のこと嫌いやの、今。
ぐるぐるしてて、何が悪くって、何が正しいのか、全然わかりゃせえへんの…」
(;゚∀゚)「で、でぃ…」
(;゚ー゚)「なんなん、あんたら。同じ趣味を持つもの同士、仲良くしなさいよ…」
(#゚;;-゚)「違うもん!」
(;゚ー゚)「え?」
(#゚;;-゚)「一緒に、せんとって!つぅちゃんとわたし、一緒にせんとってや!」
(;゚∀゚)「……」
(;゚ー゚)「……」
(#゚;;-゚)「……ごめん。もう、……頭冷やしてくるわ…」
(*゚∀゚)「……」
(*゚ー゚)「はあ、もう、意味がわからないったら…。
私から見たら、どうやったって同じなのに…。」
- 250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 22:19:33.53 ID:eExo6cqGP
- ( ´_ゝ`)「ああ、今日でやっと、この村とおさらばだって思えば、不思議と身体が軽いなあ。」
(´<_` )「俺も、ようやくあの苦行から抜け出せると思ったら、不思議と腹が減ってきた。」
( ´_ゝ`)「何が不思議なもんか、お前ただ、いつだって腹が減ってるだけじゃねえか」
(´<_` )「というわけで、ご飯の時間だぞ。」
( ´_ゝ`)「へいへい、たんと御上がりやがれ」
( ゚д゚ )
( ´_ゝ`)「わっ。なんだ、朝から。
云っておくが、滞在を延長しろって話なら、
何度頼まれたって、絶対請けねえからな。」
( ゚д゚ )「……サイバン」
( ´_ゝ`)「裁判…?何かあったのかい。」
( ゚д゚ )「オマエラ、フタリ、ト、セウユヤノ、フタリヲ、サバク…」
( ´_ゝ`)「………んん?」
(´<_` )「ご飯……」
- 258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 22:37:31.25 ID:eExo6cqGP
- | ^o^ |「おや あなたたちも むじつの つみ ですか」
| ^o^ | 「たいへん ですね」
( ´_ゝ`)「いや、そもそも、罪状が何かも、全く知らないんで…」
| ^o^ |「それは ますます ひどい こと」
| ^o^ | 「ますます ただしく ない です」
(´<_` )「あんたらの、罪状は?」
| ^o^ |「だん」
| ^o^ | 「じき」
| ^o^ |「おやおや こんなときにも ばをなごませる どりょくを おしまない とは」
| ^o^ | 「さすが でしょう わたし」
| ^o^ |「まったく さすが です」
| ^o^ | 「あはは」
| ^o^ |「うふふ」
( ´_ゝ`)「もう、こいつらは有罪でいい…」
- 264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 22:50:39.19 ID:eExo6cqGP
(,,゚Д゚) 「ゴホン、ゴホン!それでは、これから、
ただしいことを決めるための、ただしい裁判を、ただしく執り行う!」
( ´_ゝ`)「ああもう、己れ、腹が立ってきた。
今日で終わりだってんで、ふわふわ浮いてるみたいないい気分だったのを、
思い切り落とされたんだから、当たり前だけど。
まず、裁判にかけられるような覚えがねえし、
その上、その内容も教えないで、始めようなんて、どこがただしい裁判だ。
責任者を出せ、責任者を!」
( ゚д゚ )
( ´_ゝ`)「おいこらてめえ、こいつはどういう了見だ、莫迦!」
( ゚д゚ )「……オマエタチハ……タダシクナイ……コイヲ……シタ……」
( ゚д゚ )「コレヲ……ミトメルカ…」
( ´_ゝ`)「正しくない故意?」
(´<_` )「鯉?」
(,,゚Д゚) 「すっとぼけやがって、いいか、
お前らは今、正しくない恋、つまり、同性愛の罪に問われている!
罪を認め、早々に罰を受けることだな!」
- 269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 23:01:21.93 ID:eExo6cqGP
( ´_ゝ`)「恋ってもんは、一人では出来ないわけだが…
おいそこの、己れは一体誰と恋仲なんだ、云ってみろ、云ったら殴りつけてやる」
(´<_` )「おお兄者、久しぶりに、割と本気で、怒っているな。」
( ´_ゝ`)「当たり前だ、今怒らずして、いつ怒る?
この村に来た一日目、つまり全ての不幸の始まりの日、お前はなんと云った?」
(´<_` )「そんな、兄者じゃあるまいし、いちいち覚えているわけないだろうがよ…」
( ´_ゝ`)「せめて、自分の云ったことくらい覚えておけ。いいか、お前はこう云った。
そうそう、怒るんなら、何か迷惑を被ってからでいいだろう。
さて、兄者の怒りも収まったところで、そろそろ食事の!」
(#´_ゝ`)「迷惑だ!実に今、この瞬間、己れは、とてつもない迷惑を被っている!」
(´<_` )「ああ、確かに云ったなあ、そんなこと…。」
- 274 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 23:14:35.04 ID:eExo6cqGP
- ( ´_ゝ`)「何が、ただしい村だよ、そのただしいの根拠は何処にある。
みるなか。じゃあ、そのみるながただしいっていう根拠は?
ないだろう、無いに決まってる。だって、みるなは人だから。
みるなが云うことに従う村だってんなら、ただしいなんて大層な言葉、使うんじゃねえよ。
だいたい、何だ、正しくない恋だって?よくもそんなこと云えたな、みるな。
お前、もう何千年と生きてきて、一度だって、女子とまぐわったこともないくせに!」
( ゚д゚ )「!」
(# ゚д゚ )「……ユウザイ・・・」
( ´_ゝ`)「おい、弟者、今あいつ、なんていった?有罪だって?
完全に、自分が腹立ったから、有罪にしやがったぜ。
神さんが、私利私欲に走っていいと思ってんのかい。
おい、みるな、それは正しいか!ただしい村の、童貞の、みるなさんよ!」
(# ゚д゚ ) !!
(# ゚д゚ ) !
- 293 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 23:42:43.98 ID:eExo6cqGP
- (#´_ゝ`)「己れは人間さまだから、完全に私利私欲に走らせていただくが、己れァ、昔っから、お前が嫌いだったんだよ!
腹が立ちすぎて、どうにかなりそうだって、糞が!恋を実らせたこともないくせに、
正しい恋がどうとか云うところも道理が通らねえ、地を司ってるくせに、天罰ってとこもまるでおかしいし、
なんでこっち見てんだ!鬱陶しい!」
(´<_` )「私利私欲って、すげぇ。」
(# ゚д゚ )「ウルサイ、ウルサイ、ウルサイ……!」
(#´_ゝ`)「もっとも気にいらねえのがよ、
恋は、うつくしいのがただしいのに、お前らときたら、まるで恋は欲に塗れてるだけのものみてえによ!
しかも、その薄汚い恋に、己れと弟者を勝手に当てはめておいて、罪だって云いやがる。
恋仲の兄者と弟者はお前らの妄想の中だってのに、此処の、親子や兄弟の、兄者と弟者を捕まえて、 恋仲の方まで捕まえた気になってさ!
ふざけんな、真実は、己れらしか知らないってのに、勝手に決め付けやがって、侮辱もいいとこ。
おら、いまから、真実を呉れてやらあ!有難く頂戴しやがれ!
己れと弟者の間には、ある意味では、うつくしい恋よりもうつくしいもので、結ばれてる、絆がある!
これこそが真実だ、こン畜生!」
- 300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/28(水) 23:53:57.41 ID:eExo6cqGP
(# ゚д゚ )「………ワタシハ……タダシイ……」
(#´_ゝ`)「なんだ、まだそれを云うか!正しさは人それぞれなんだって、
今まで生きてきた中で、誰も教えてくれなかったのか!
嫁だけでなく、友も居ないたあ、随分寂しい神さまだなあ!」
(# ゚д゚ )「ユルサン……ユルサン…」
(#´_ゝ`)「なんだ、やるか?言っておくがな、やるってんなら、
己れは真っ先にもらとつんを呼ぶからな!お前、ぜったい負けるから!覚悟しろよ!」
(# ゚д゚ )「ヒキョウモノ……タダシクナイ…」
(´<_` )「ちなみに、俺と兄者が恋仲だっていうのに、証拠はあるのか」
(,,゚Д゚) 「えっ、ああ、証言があったのでな。」
(´<_` )「ふうん、そりゃ、どこのどいつの証言だ?」
(,,゚Д゚) 「それは、極秘に決まってる。」
(´<_` )「……ふうん。」
- 309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/29(木) 00:06:28.67 ID:oK49P4eCP
(´<_` )「おい、そこの、厠は何処だ。」
(’e’)「うわぁ、な、なんでったって、俺に聞く」
(´<_` )「だって、顔見知りだろう。別に、おかしいこともあるまい。」
(,,゚Д゚)「おい、罪人が、勝手な行動を、とるんじゃあない!」
(´<_` )「へえ、まだ裁判の途中なのに、罪人か。
まさか、罪の疑いをかけられたことが、罪なのかい。それは、それは。
しかし、この裁判、随分多くの人が見に来ているようだな。」
(,,゚Д゚)「そりゃあ、ただしい村の村民は、ただしいことを、愛しているから、
裁判には、村の全員が来る決まりになっている。」
(´<_` )「本当にただしいことを愛しているなら、決まりにせずとも、己から来るもんじゃねえの。
まあいいや、ところで、お前の好きな娘の名前、此処で叫んで構わんか。」
(,,゚Д゚)「ンなっ?!」
- 313 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/29(木) 00:18:22.15 ID:oK49P4eCP
(,,;゚Д゚)「な、な、何言ってやがる、大体、お前、俺の名前もしらん癖に、
俺の好きな娘の、名前なんて知ってるはずが、」
(´<_` )「ああ、今知ったとこだけど。
でもよ、あの口の達者な娘が、お前の手に負えるとは思わんがね。」
(,,;゚Д゚)「カマかけたって、」
(´<_` )「村長の娘の、一番上の」
(,,;゚Д゚)「うわあ、やめろ、やめろって!
物心ついたときからの、たからもののような恋を、
大声で叫ぶなんて非道、絶対に正しくないぞ!」
(´<_` )「へえ、どうやら、あんたは兄者の云うところの、うつくしい恋を知ってるらしい。
しかし、たからもののような恋とは、裁判官より、詩人のが、向いてるんじゃねえの。
でも、俺は目的の為なら、どんな非道も働くぜ。
そうしなければならんなら、小鳥の巣を落として、卵を全部割ったっていい。
な、厠に行くだけじゃねえか。することして、帰ってくるだけ。
俺っていう人間は、兄者以外には、嘘をつかねえぜ。」
(,,;゚Д゚)「ち、誓うか?」
(´<_` )「じゃあ、俺の神さま、今日の晩御飯に、誓おうか。」
- 320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/29(木) 00:31:40.28 ID:oK49P4eCP
(;’e’)「なんだって、この俺が、罪人を厠に連れてこなきゃなんねえのか……」
(;’e’)「おら、此処が厠だ、さっさとすることしやがれ、罪人!」
(´<_` )「へえ、ではお言葉に甘えて。」
(;’e’)「うわぁっ!?」
(´<_` )「いただきます。」
(;’e’)「な、なンだ、まさか俺をどうこうしようって魂胆か!?畜生、誰か、」
(;’e’)「――――ア”?」
(´<_` )むしゃむしゃ
(; e )「ア”、むぐっ、―――――!」
(´<_` )「なあ、なんていって、証言したんだ?」
(; e )「―――-!」
(´<_` )「命だけは考えてやるから、な?」
(; e )「……はっ、ハアッ、ハッ、ハッ、」
- 325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/29(木) 00:46:52.56 ID:oK49P4eCP
- (; e )「いでぇ、いでぇよぉ………お、おかっつぁ……いでぇ……ああ……俺のうで…」
(´<_` )「お前の腕、まずいな。」
(; e )「ああ……いでぇ……うっ……あぁ……この……ひとごろし……」
(´<_` )「大丈夫、大丈夫。兄者に云えば、治してくれるから。すっかり、痛くなくなるぜ。
あいつ、頑張れば、腕だって、生やせるし。
でも、死んだら、治せないだろう?ほら、何て云ったのか、云ってくれよ。」
(; e )「……おま、え、じぶんの、こと、わるくいわれ、る、より、あいつを、わるくいわれ、るほうが、
いやって、いったろ……それを、ちょっくら、おれの、つごうのいいように、かえて、
おとこどう、しで、そんなの、おかしいって、いったン、だ…」
(´<_` )「へえ、お前、悪く云われたら、自分のことよりむかっ腹が立つような人間を、持っていないのか。」
(; e )「そんなの……おかっつぁ、以外に……うぐ……ああぁ…」
- 328 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/29(木) 00:51:25.84 ID:oK49P4eCP
- (´<_` )むしゃむしゃ
(; e )「う、う、……おに………鬼ぃ……!」
(´<_` )「母さまは、唯一、大切なんだな。
なら、わかりそうなもんだがなあ。わからないなら、仕方ねえな。
そういう人生だったんだって、思うしかねえ。」
(´<_` )「なあ、おい。いまから、真実を呉れてやるから、有難く頂戴しろよ。
俺は、世界で一番平等だ。でも、唯一、兄者には不平等なンだ。
なんてったって、兄者は俺のこと、人間だっていう、唯一だから。
そんなやつを、そうじゃないやつと平等にするなんざ、
まるで、人間じゃないだろう?」
(´<_` )「おい、よかったな、最後に、人間ってもんを知れて。
次に。産まれてくるときは、立派な人間さまになれよ。」
(; e )「……なっ、え?……う、うそ、だって、……命、だけは…」
(´<_` )むしゃむしゃ
(´<_` )「考えたけど、やっぱ死ね。」
(;e;)「あ、あ、アアアアアァアアアア”!!」
(´<_` )「あ、兄者が居ねえから自分で云うが、これ、詐欺師の常套句な。」
- 334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/29(木) 00:59:47.32 ID:oK49P4eCP
(#´_ゝ`)「なンだ、云いたいことがあるなら、童貞捨ててから、云えってもんだ!」
( #;д; )「オマ、オマエ、ダッテ、ダイタイ、イノチヲネラッテキタヤツニ、ノセラレテ、ツイデニ、ドウテイ、ステタ、クセニ!」
(#´_ゝ`)「ああ、突っ込んだ先から引きちぎられたりもしたけど、それでも何人かあるってんだ、どうだ!
ひれ伏せ童貞!彼女居ない暦が、年齢の癖に!」
( #;д; )「イ、イットケ、ドウテイ、ガ、タダシイ、ムラ、ツクルカラ!」
(#´_ゝ`)「子供できなくて村滅びるだろ!阿呆か!」
(’e’)「遅れて、すみませんな」
(,,゚Д゚) 「おい、あの罪人はどうした。」
(’e’)「いや、そのお話しですがね、証言を、撤回させて貰いたくってね。」
(,,゚Д゚) 「ハア?」
- 341 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/29(木) 01:09:10.40 ID:oK49P4eCP
- ( #;д; )「バーカ!バーカ!」
(#´_ゝ`)「負け惜しみなんか言われたって、ちっとも悔しくねえっての!」
( #;д; )「タンショー!」
(#´_ゝ`)「もらー!」
( ・∀・)「はぁい?」
( #;д; )「ウワアアアア!」
(,,゚Д゚) 「まあ、確かに、お前の証言以外に、証拠はないわけだから、
あいつらはみんなそろって、無罪ってことになるが…。」
(’e’)「でしょう、どうぞ、お願いしますよ。」
(,,゚Д゚) 「まあ、神に聞いてみなけりゃ…」
( #;д; )「Please!Please do not be angry! Please!」
( ・∀・)「oh,It is after a long absence,Mr cherry boy!」
(,,゚Д゚) 「……無罪で、いいか…」
- 347 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/29(木) 01:18:07.74 ID:oK49P4eCP
- ( ・∀・)「成る程、うちの干物が、大層な迷惑をかけてしまったね。
いつもは、その辺に置いてあるだけだから、居なくなったことにも、気付いてなかったよ。」
('A`)
( ・∀・)「ほら、お前が殺そうとした兄者が、助けてくれたんだぞ。
このお人よしっぷりに、感謝しろ。」
('A`)「………ゥ……」
( ´_ゝ`)「何云ってんだか……って、そうだ、弟者は、何処だ?」
( ´_ゝ`)「あれ?」
( ・∀・)「おや、本当だ、人喰いのやつが、居ないじゃないか。
おい、のろま、弟者は何処だ」
( ;д; )「ワカリマセン……」
( ・∀・)「いつまで、泣いてやがんだ。男の涙なんて、見たくもねえって、鬱陶しい。
くわえて、神さまが、自分の村ン中のこと、把握してないと来たもんだ…。
地面に聞けば、わかっだろ、それくらいよ。」
- 350 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/29(木) 01:26:13.61 ID:oK49P4eCP
- ( ;д; )「I can't know.....I can't know.....」
( ´_ゝ`)「こいつ、びっぷにきてもう何年も経つのに、まだびっぷ語満足に喋れないのか…。
神さまっぽくするための、演出かと思っていたが…。」
( ・∀・)「確かにこいつはノロマだけど、しかし、大地に聞いてもわかんねえってのは、結構なことだぞ。
まさかとは思うが、弟者のやつ、でれの血を飲んだんじゃなかろうね。」
( ´_ゝ`)「そういう、冗談は、好かん…」
( ・∀・)「こういうジョークを云えるほど、立ち直ったンだって、思ってくれよ。
しかし、弟者の奴、何処に…」
( ´_ゝ`)「…はあ、大体、理解した。弟者のことは放っておいて、かまわんよ。
どうせ、向こうから、来るだろうしよ。」
( ・∀・)「信頼だねえ。羨ましい。僕もいっちょ、死体と仲良くなってみるかねえ。」
- 353 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/29(木) 01:34:14.57 ID:oK49P4eCP
- ( ・∀・)
('A`)
( ・∀・)
('A`)
( ・∀・)「どうやら、それは無理な相談のようだ…」
( ´_ゝ`)「餌でも、やれば。」
( ・∀・)「ふうむ、帰ってから、色々試してみようかねえ。」
( ´_ゝ`)「そうすると、いいよ。今日は、いきなり呼び出して、すまんかったな。」
( ・∀・)「元より、干物のせいだもの。
そんで、そうでなくっても、友のためなら、ティータイム中でも駆けつけるよ、僕って男は。
じゃあ、この辺で、お暇するよ。実は、ティータイムの真っ最中だったから。
ほら、行くぞ、干物やい。」
- 355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/29(木) 01:39:27.52 ID:oK49P4eCP
( ´_ゝ`)「……」
( ´_ゝ`)「……おや、遷都さん。」
(’e’)「……」
( ´_ゝ`)「貴方にも、家族がいらっしゃるでしょうに、早くお帰んなさい。
貴方が居ないと、きっと寂しがりますよ。」
(’e’)「……」
( ´_ゝ`)「………」
( ´_ゝ`)「しばらく、食事は無しだ。反省しろ、その姿でよ。」
(’e’)「いやだ。」
( ´_ゝ`)「いやだじゃ、ねえよ」
- 358 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/29(木) 01:43:49.79 ID:oK49P4eCP
(’e’)「いやだ、俺、兄者を、食う。」
( ´_ゝ`)「喰わせねえよ、お前、人の命奪ったンだから、はらへりくらい、我慢しろ。
しかも、今回は、別に殺さなくたって、よかったってのに。
みるなのやつ、もらの弟分で、てんで頭が上がらないんだから。」
(’e’)「いやだ。」
(#´_ゝ`)「おまえ、いい加減に、」
(’e’)「いやだ、おれ、兄者を喰う。喰って、兄者になって、弟者になる。
だって、弟者は、にんげんだから。」
( ´_ゝ`)
( ´_ゝ`)「……あのなあ…」
- 361 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/29(木) 01:48:08.39 ID:oK49P4eCP
- ( ´_ゝ`)「おい、お前は、見た目が己れだから、弟者なんじゃなくて、
心が、魂が、もう、己れの血を分けてるから、弟者なんだよ。
それくらい、わかれよ。それとも、わかってて、云ってンのか。
だとしたら、悪質だぞ。」
(’e’)
( ´_ゝ`)「……」
( ´_ゝ`)「……行くぞ、弟者。」
(’e’)「……うん。」
(’e’)「兄者、腹減った。」
( ´_ゝ`)「知るか、我慢しろ。三日は、絶対だ。」
(’e’)「なんと。兄者は、外道だな…」
( ´_ゝ`)「仕方ねえやな、お前と、血、分けちまったし。」
- 362 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/29(木) 01:49:25.85 ID:oK49P4eCP
そのあと、いろいろあって、正しい村は、
それがし村って、呼ばれるようになったそうな。
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