- 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 00:58:36.02 ID:f6t8lRnn0
結局のところ、僕は噛み飽きたチューインガムは、飲み込む主義なんだ。
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/31(日) 01:19:25.36 ID:f6t8lRnn0
( ・∀・)「それじゃあ、どうしたって行くのかい。あてもないくせに、無謀な奴だなあ。
そんなに兄様が憎いのか。」
(´<_` )「兄だなんてよんでくれるな、せっかくさよならをしたっていうのに。
このかんじょうをあらわすに、にくいなんていうことばでたりてたまるか。
かぞくをうめるてつだいをしてくれたこと、さよならをさせてくれたこと、
このふたつにはれいをするが、それだけだ、これいじょうかまってくれるな」
( ・∀・)「そうはいっても、地図が真っ白のままで旅をするのは莫迦がすることだと思うがね。」
(´<_` )「それはちがう。おれのちずは、今やっとまっしろになったんだ。
おれは生まれたそのせつなより、そこの、いのちにあふれたしにがみの血でかかれたちずしか
みることをゆるされなかった……、このうつくしいましろ、おれは今よろこびにみちている。」
( ・∀・)「口のまわる坊主だなあ、まあいい、あんたの地図が破かれませんよう、祝福あれ、と
願うだけじゃあ何にもならん、少しばかりだがこれをもっていけ、当分の間は楽に生きられるだろうよ」
(´<_` )「これは、きんか。……わるいな」
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/31(日) 01:25:53.49 ID:f6t8lRnn0
( ・∀・)「ほらほら、お前、なんかいえったら。」
( _ゝ )
(´<_` )「やめろ、やめろ。あんたにたいするかんしゃのきもちをもって、この旅をはじめさせてくれ。
もうにくしみや、かなしみはたくさんだ。」
( ・∀・)「へいへい、さようなら、兄なしの弟さんよ。貴殿の旅路に祝福あれ」
(´<_` )「さようなら、ものずきさんよ。」
- 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 01:40:59.76 ID:f6t8lRnn0
( ・∀・)「さて、行くか。」
( _ゝ )
( ・∀・)「おいこら、何を突っ立っているんだ、さっきの僕の言う行くか、という言葉は、
僕自身に対してというより君に対してという意味合いが強いんだぞ。
まさかこの僕が此処まで来てお前をいきなり見捨てるとでも思っているのか。
まだ君という人間がどんな形の心を持っていて、どんな声で怒るのか、なんの色が好きなのか、
どういう響きで笑うのかも知らないっていうのに、捨てるわけもなかろうが。」
( _ゝ )
( ・∀・)「ところで、君の名前はなんだい、弟なしの兄様よ。」
( _ゝ )
( ・∀・)「ふうん、だんまりか。
ああ弟なしの兄様よ、何故あなたはだんまりなの?」
( _ゝ )
( ・∀・)「まあいいや、ひきずれば。」
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 01:53:26.79 ID:f6t8lRnn0
(・∀・ )ずりずり
(・∀・ )ずりずり
(・∀・ )ずりずり
( ・∀・)「……いやいや、いやいや。いつまで引きずられているつもりだい。
すぐに音をあげるかと思いきや、根性があるというかなんというか、
それとも被虐倒錯者か、その歳で。最初に知った君の欠片がよりにもよって性癖だなんて
笑い話にしかなりやしないよ。さあさ、足を見せやがれよ。
あんだけ引きずられて、足が燃え上がっていないのが不思議なくらいだぜ、まったく。
まあ、引きずったのは僕だけど。」
( _ゝ )
( ・∀・)「……あれ。」
( ・∀・)「面の皮が厚いというのは聞いたことがあるが、足の皮が厚いというのは聞いたことがなかったな。
しかし厚過ぎやしないかい、あれだけ引きずって傷一つないなんて。もしかして痛くもないのか。
うん、痛くないから音をあげなかったんだよね、そうに違いない。
そうはいっても、僕のナイチンゲールの鳴き声の如く美しい良心がそろそろ許さないから引きずるのはやめよう。
つまり何がいいたいかというと、自分でついてきてくれないかい。」
- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 02:06:07.31 ID:f6t8lRnn0
(・∀・ )
( _ゝ )
(・∀・ )
( ・∀・)「ふうむ。」
( ・∀・)「理由を考えよう。何故君が名前すら教えてくれず、それどころがひとつの声も出さず、
自分の足があるにもかかわらず自分で歩いてくれないのか。
相手の立場になって考えてみろとはいうものの、君の立場を知らないから困ったね。
もし相手の立場に立てたとしても、けっきょく僕は僕の考え方しか持ってないから、君と同じ結論に至るとも思えない。」
( _ゝ )
( ・∀・)「よいしょっと」
( ・∀・)「軽いなあ。はあ、しかし、無駄に終わるかもしれなくても、考えることをやめたらそれはもう獣と一緒だし、考えよう。
どうして君はこんなにも熱を出しながら、泣き言ひとつ言わないで、それどころか僕に負ぶわれることを地味に拒否しているのかねえ。
ははは、久方ぶりに腹が立ってきたよ」
- 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 02:31:48.26 ID:f6t8lRnn0
( ・∀・)「そうか、もしかしたら君は、まだ僕という人間がどんな形の心を持っていて、どんな声で怒るのか、なんの色が好きなのか、
どういう響きで笑うのか、何一つとして知らないからそういう態度をとるのかなあ。
まあとりあえず名乗っておくと、僕はもらという。見ての通りの美形で女には困ったことがない。
好きな色は夕焼け、紅茶はダージリンをストレートで飲むのが好きだ。
残念なことに、今は笑う気分じゃない。でも幸いなことに、とてもとても怒りたい気分なので僕の怒る声を聞かせてあげよう、たんとお聞き。
いい加減にしろ糞餓鬼が、この僕が心配してるのにその態度はなんだ、くそ不味い薬飲ませて絶対泣かす」
( _ゝ )
( ・∀・)「うん?急に暗くなってきたな。
夕焼けすっとばして夜になるとは全く、今日という日が総力を挙げて僕を怒らせようとしているとしか思えない。」
( ・∀・)「おう糞餓鬼、村だぞ。覚悟はいいか、絶対泣かしてやるからな。」
( _ゝ )
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 02:45:13.73 ID:f6t8lRnn0
( ・∀・)「ふうん、とこやみ村。だから急に暗くなったのか。まあどうでもいい、薬屋は何処だ、不味い薬屋は。」
(=゚ω゚)「はいょぅ、はいょぅ、薬といったらうちですょぅ。恋以外の病なら、たちまち治してみせますょぅ。」
( ・∀・)「おう薬屋、一番不味い薬をくれ。」
(=゚ω゚)「珍しい注文だょぅ、しかし不味い薬たって色々あるんだょぅ、何に効く不味い薬なのか教えて欲しいですょぅ。」
( ・∀・)「治したいのはいろいろあるがね、じゃあ、だんまりと被虐趣味と、厚い足と、悪い頭と、ああ、あとついでに熱に効く不味い薬を」
(=゚ω゚)「これまた珍しい注文だょぅ、少々お待ちくださいょぅ」
( ・∀・)「とびっきり不味いのを頼むよ、ひとたび口に含んだら、涙が噴出し、人の親切を無碍にしたことを後悔するくらい。」
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 02:57:51.70 ID:f6t8lRnn0
( ・∀・)「ううん、ほんとに匂いからして不味そうだなあ。たんとお飲み。
宿屋の主人には少し大目に金を渡してあるから、汚してくれても構わないよ。
一度や二度吐き出しても十分な量買ってあるしね。」
( _ゝ )
( ・∀・)
( _ゝ )
( ・∀・) がっ
( _ゝ )
( ・∀・) ぐいっ
( _ゝ ) 「!」
(; _ゝ ) 「―――!」
( ・∀・)「haha!不味いか!不味かろう!泣いてくれて一向に構わんよ!」
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 03:17:20.42 ID:f6t8lRnn0
(; _ゝ )「げほっ、ごほっ」
( ・∀・)「お、一回で飲み干したか。本当に根性だけはあるなあ。それともそんなに不味くないのか?」
(; _ゝ ) 「うっ、うえっ、ごふっ」
( ・∀・)「どれひとくち」
( ・∀・)
( ・∀・)「Jesus!」
(; _ゝ )「けほっ……」
( ・∀・)「お前、よくこんなもの飲めたなあ、偉いぞ、褒めてやろう。あとはさっさと寝るといい、明日になればきっと熱も下がる。
そうしたら、もうちょっと上等な服を買いに行こう。あと、美味しいものも食べてもうちょっと太ったほうがいいな。
まあ、なんにせよ、明日から飽きるほど楽しいことばかりをしよう。
楽しいことはこちらから迎えに行かなければ来てくれないものだから。
辛いことは向こうから、勝手にやってくるのにね、君も知ってると思うけど。」
(; _ゝ )「………けふっ、けほっ…」
(;´_ゝ`)「……」
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 03:41:07.07 ID:f6t8lRnn0
( ・∀・)「初めて顔を上げたな。僕と比べれば虚しくなるかもしれないが、そう悪い顔でもないじゃないか。」
(;´_ゝ`)「……」
( ・∀・)「しかし、本当にあの兄無しとそっくりだな。違うところといえば、瞳の……。ん、おかしいな。
お前さん他の国との合いの子かい?いや、それなら兄無しの方も同じ色になるだろうし。
この国の人間で青色の瞳ってのははじめてみたな、ミュータントというやつかい。」
(;´_ゝ`)「!」
(; _ゝ )「……」
( ・∀・)「うん?なんだ、まさか気にしているのかい。いじめられでもしたの。気にすることなんてないのに。
見てみなよ、この僕の美しい顔。美しい金色の睫毛に縁取られた目、そして青色の瞳。
この僕と同じ目の色だってのに、何を気にする必要があるんだい。」
(; _ゝ )「……」
( ・∀・)「まあいいや、早く寝たまえよ。とびきりいい夢を見るんだよ」
(; _ゝ )「………」
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 04:15:51.33 ID:f6t8lRnn0
( ・∀・)「Golden slumbers kiss your eyes♪」
( _ゝ )
( -∀-)「Smiles awake you when you rise♪」
( _ゝ )
( ・∀・)「Sleep pretty darling, do not cry♪」
( _ゝ-)
( ・∀・)
( ・∀・)「…………And I will sing a lullaby♪」
( _ゝ-)
( ・∀・)「Rock them, rock them, lullaby♪」
( -_ゝ-)
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 04:32:40.26 ID:f6t8lRnn0
( -∀-)
(; _ゝ-)「……」
( -∀-)
(; _ゝ )「う」
( -∀・)
(; _ゝ )「ううっ………う…」
( ・∀・)
( ・∀・)ぽんぽん
(; _ゝ )「……うう………い…」
( ・∀・)
(; _ゝ )「ごめんなさい……」
( ・∀・)
- 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 11:14:30.82 ID:f6t8lRnn0
・
・
・
( ・∀・)「good morning 弟無し!はいはい起きなさい、いい夢も見れてないのにいつまで寝てるつもりだい?」
( _ゝ )「……」
( ・∀・)ノ「うん、熱は下がったみたいだね。しかしあれだけ熱を出していたら汗をかいただろう、お風呂に入っておいで。
服は僕が見繕ってきてあげるから。はい湯桶、手ぬぐい、あと石鹸。風呂からあがったら髪の毛も切ろうか、
そののびっぱなしの前髪ときたら、見てるだけでうざったいもの。目を隠すために伸ばしたの?
でもね、この僕と一緒に居るからには、青い目を隠したいだなんていわせないよ。」
( _ゝ )「……」
( ・∀・)「また飲ませるよ?」
(; _ゝ )「!」
( ・∀・)「おやまあ、よく効く薬だこと。」
- 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 11:21:40.61 ID:f6t8lRnn0
( _ゝ )ちゃぽん
( _ゝ )ちゃぷちゃぷ
( _ゝ )「……」
| | | ざぷっ
(; _ゝ ) ざぱあ!
(; _ゝ )「げほっ!ごほっ!げっ、げふっ、ごふっ」
- 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 11:25:50.91 ID:f6t8lRnn0
(;・∀・)
(;・∀・)ノ
(; _ゝ )「はー、はー、はー……」
(; _ゝ )「はぁ……」
( ;_ゝ )
( ;_ゝ )「う……」
( ;_ゝ )「……うぅ…」
( ・∀・)
( ;_ゝ;)「うっ、うう、うぁ……」
( ;_ゝ;)「うぅぅう”うう……ひっ、……ううう……」
( ・∀・)
(・∀・ )
- 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 11:31:47.18 ID:f6t8lRnn0
( う_ゝ;)
( ´_ゝ∩)
( ;_ゝ∩)
( う_ゝ`)
( う_ゝ;)
( ;_ゝ;)
( つ_ゝ∩)
( ;_ゝ;)
- 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 11:49:43.11 ID:f6t8lRnn0
( ;_ゝ;)
( ・∀・)「服、買ってきたから此処においておくよ。」
( ;_ゝ;) 「!」
( つ_ゝ∩)
( ・∀・)「あんまり長湯しすぎると、茹で上がっちまうから程ほどにな。」
( つ_ゝ∩) ゛
( ・∀・)「時間はあるから、急がなくてもいいけど。
ちっとも泣いてなんかなかったかのように取り繕えるようになってからでいいから。」
(;つ_ゝ∩) 「……」
- 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 12:18:51.85 ID:f6t8lRnn0
( ・∀・)「しかし、とこやみ村ねえ。目覚めたときにお日様がきらきらしてないと、起きた気にならんだろうに。
だいたい、どんなことがあって、永遠にこの悲しみは続くんじゃないかっていう思いを抱きながら眠りについたって、
朝起きて透き通るような青空が迎えてくれたら、少しはその悲しみも癒えるもんなのに、これじゃあね。
明けない夜はないという慣用句が通じないようじゃあ、だめだ。」
( _ゝ )
( ・∀・)「飯を食ったら、こんな村、さっさと出ていくことにしよう。
で、いったいぜんたい、どうして君はまたそのボロ布を着ているのか理由を説明してもらおうか。」
(; _ゝ )
( ・∀・)「わざわざこの僕がニュー速まで行って買いつけてきた、気品溢れるこの服が気に食わないと言うのかね?」
(; _ゝ )
( ・∀・)「言いたいことがあるなら言ったらどうだい、口は泣き言のためについてるんじゃないんだぞ。
何処に文句がおありで?この襟元のレース?はたまた袖口のレース?釦がハート型だから?
それとも実は女物だということに気付いてしまったの?」
- 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 12:33:22.32 ID:f6t8lRnn0
(; _ゝ )
( ・∀・)
(; _ゝ )
( ・∀・)
(; _ゝ )「………ぜんぶ」
(*・∀・)「!」
( ・∀・)「ようやっと喋ったね、答えは気に食わないけれど。
褒美にこの何の面白みもない、質素で何処にでもありそうな着物をあげよう。
この国の人間は、こういうのがいいんでしょう。」
( _ゝ )「……」
( ・∀・)「うんうん、流石僕が選んだだけあって、よく似合っている。
綺麗な蒼でしょう、質素なようにみえていい生地を選んであるから、長く着れるよ。
まあ、お前さんくらいならすぐ成長してしまうから、すぐ買い替えないといけないだろうけど。
今度は一緒に選ぼうね」
- 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 12:47:04.21 ID:f6t8lRnn0
( ・∀・)「このボロ布は捨ててしまおうね」
( _ゝ )「!」
(; _ゝ )っ
( ・∀・)「……何だい、その手は。このボロ布に何か未練でもあるのかい。
この、兄無しと揃いのボロ布にさ。無いでしょう、あるなら言いたまえよ。
まあ、じつのところ、未練があればあるほどこれを捨てる意味は大きくなるんだけどね。
しかし心の準備くらいはさせてやろう、この宿を出る前に、髪を切る必要もあるし。」
(; _ゝ )
( ・∀・)じゃき
(; _ゝ );:
( ・∀・)「あんまり動くと手元が狂って薬飲ませちゃうかもしれないよ?」
(; _ゝ )
( ・∀・)「haha」
- 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 13:07:55.29 ID:f6t8lRnn0
( ・∀・)「ふうむ、まあ僕も鬼じゃないからね、これくらいで勘弁しておいてやろうじゃないか。」
(; _ゝ )
( ・∀・)「さて行こうか。おなかも減ったしね。」
( ・∀・)「……また負ぶわせるの?」
( _ゝ ) 「……」
( ・∀・)「よし、偉いぞ。偉くてもこれは燃やすけどな」
( _ゝ ) 「……」
- 84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 15:49:10.07 ID:f6t8lRnn0
( ・∀・)「さてはて、何を食べようかね。お前さん、何か食いたいものは?」
( _ゝ ) 「……」
( ・∀・)「まあいいや、じゃあ美しいお嬢さん、この子にみたらし団子、
僕に桜餅をお願い。」
( _ゝ ) 「……」
( ・∀・)「……それでさあ、お前さんの家族のことだけども、なんだって殺されたんだい。」
(; _ゝ ) 「!」
( ・∀・)「あの兄無しは言っていたな。お前さんのせいだ、と。
しかし僕にはどうもお前さんがわざわいを喜んでもたらすような人間には見えない。
だからとて、あの兄無しだって、理由もなしに、共に母さまの腹に宿り、
共に産声を上げた盟友を、あそこまで憎むとも思えんで、
ということはお前さんには不可抗力の、何かが作用して、
どうにかして家族にわざわいをもたらしてしまった、と僕は思うわけだが、どうだ。」
- 87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 16:06:51.72 ID:f6t8lRnn0
(; _ゝ ) 「そ」
( ・∀・)「so?」
(; _ゝ ) 「そ、うだ、己れが、いや、己れ自身がわざわいというべきだ、そんなそんざいだ、人間ではないのだ。
このあおいめは、その証。死んで然るべきだというに、そのわざわいゆえに死ぬことも簡単に死ぬこともできず、
ああ、己れは、それでも、あんたに感謝しているんだ、おとうとの、いや今はそうではないが、彼の旅路の成功を祈ってくれた、
己れの身にあまるほどのやさしさをくれたあんたに、異国の言葉で、やさしい調べを紡いでくれたあんたに。」
( ・∀・)「……」
( ・∀・)「それで?」
(; _ゝ )「………」
( ・∀・)「その様子、僕が怒っているということはわかっているようだけど、何故怒っているのかわからないといった具合かな。
そりゃね、その言葉だけなら怒ったりしないけど。僕は生憎、お前さんが思っているよりも長く生きているから、
その言葉の続きがうっすらと見える。そして僕はその言葉に怒っているというわけだ、わかるかな。」
- 90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 16:16:13.37 ID:f6t8lRnn0
( ・∀・)「さあいいなさい、やっと紡いでくれたお前さんの言葉だ、どんなものであろうとも全てを聞きたい。
願わくば、うっすらと見えた未来が、まるっきり僕の勘違いでありますよう。
ああ、僕はこれほどまでに、自分の勘が外れてくれたらと願ったことはない。」
(;´_ゝ`)「お」
( ・∀・)「oh?」
(;´_ゝ`)「お、己れと、一緒に居ると、あんたにまで、わざわいがふりかかる。なんていったって、己れ自身がわざわいなんだ。
だから、」
( ・∀・)「有難うお嬢さん、さあ団子が届いたよ、お食べなさい。昨日から何も食べてないだろう」
(;´_ゝ`)「……」
- 91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 16:23:24.03 ID:f6t8lRnn0
( ・∀・)むしゃむしゃ
(;´_ゝ`)
( ・∀・)むしゃむしゃ
(;´_ゝ`)
( ・∀・)「みたらし、嫌い?」
(;´_ゝ`)「嫌いじゃない、あの、その」
( ・∀・)「no?」
(;´_ゝ`)「みたらしの、この、並んでる、間にながれこんだたれが、ひかりを通して透き通っている、この色が好きだ」
( ・∀・)「……」
- 95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 16:48:36.80 ID:f6t8lRnn0
(;´_ゝ`)「あと、怒るときは、あんまり喋らないと思う、己れは……それから、」
( ・∀・)「みたらし冷めるぞ。」
(;´_ゝ`)
( ・∀・)「わざわいをもたらせた俺は美味しいものを食べる権利なんてない、って?」
(;´_ゝ`)「……」
( ・∀・)「僕は食べないよ。お前さんが食べなきゃ、そのみたらしはずっとそのままで、僕らは此処を去る。
お店のひとはどう思うかな、きっと悲しいね、折角作ったのに一口も食べてもらえないだなんて。」
(;´_ゝ`)そ
(;´_ゝ`)む……しゃ
(;´_ゝ`)むしゃ
(;´_ゝ`)むしゃむしゃ
- 96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 16:56:42.83 ID:f6t8lRnn0
( ・∀・)「美味しい?」
(;´_ゝ`)
(; _ゝ ) ゛
( ・∀・)「美味しいことは悪いことじゃない、むしろその正反対。
お前さんが笑顔で店のひとに美味しかったといってやるだけで、
お前さんはわざわいそのものからその正反対のものに。
災いを転じて福となすとはまさにこのこと、めでたしめでたしの大団円。」
(; _ゝ ) 「そんな、簡単なものじゃ、ない…」
( ・∀・)「そうだね、お前さんはまだ若いからそう思ってしまうんだね。
簡単なことが、ほんとうにそれだけの意味しか持たないって、思ってしまうんだね。」
(; _ゝ ) むしゃ…
( ・∀・)「……。」
- 102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 17:22:46.29 ID:f6t8lRnn0
( ・∀・)「よく噛んで食べないと消化に悪いし、作ってくれたひとに失礼だよ」
(; _ゝ ) 「……その、」
(;´_ゝ`) 「ほんとうに、己れは、人間じゃないんだ……」
( ・∀・)「ふうん。それで、それは、誰に言われたの?」
(;´_ゝ`)「うっ」
( ・∀・)「あててあげようか?」
(;´_ゝ`)「……いい、いらない」
( ・∀・)「そう。」
- 104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 17:33:01.34 ID:f6t8lRnn0
( ・∀・)「ご馳走様、美味しかったよ」
(; _ゝ )
( ・∀・)「この子も、みたらしがあんまり美味しいからって、ばくりばくりと急いで食べたもんだから、
喉が痛めたみたいでさ。莫迦でしょう、誰もとらないってのに。はは、それじゃあ。」
(; _ゝ ) 「……」
(; _ゝ ) 「……ちそう、さま…」
( ・∀・)
- 107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 17:40:41.04 ID:f6t8lRnn0
( ・∀・)「流石とこやみだけあって、色白で綺麗なお嬢さんだったなあ。
でもねえ、蝋燭の光に浮かび上がる柔肌もそれは素晴らしいものだけど、
お日様の下でころころと笑う声を聞けないのはあまりにも惜しい。
やっぱりこの村は僕には向いていないようだね、早く行こう?」
(; _ゝ )「己れは、あんたを殺したくない」
( ・∀・)「うん?」
(; _ゝ )「あんたには、母様や父様、姉様、妹のような目にはあってほしくないんだ。
己れはあんたのこと、ほんの少ししか知らない。
名前をもらといって、美形で女には困ったことがないらしく、
好きな色は夕焼けで、紅茶はだぁじりんをすとれぇとで飲むのが好きだということ、怒った声、子守唄を歌う声、
それくらいしかしらないから、心の形も、おぼろげにしかわからない。
だけど、そのおぼろげに見える心が、こがね色に輝く満月のごとく、優しい色をしていることはわかる。
わかるから、わかるから、死んで欲しくないのだ、今は弟ではない彼の判断は実に正しかった、
お願いだから、後生だから、彼と同じ決断をしておくれ、頼む…」
- 111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 17:56:29.65 ID:f6t8lRnn0
( ・∀・)「……」
( ・∀・)「君を、わざわいたらしめているものとは、何?」
(;´_ゝ`)「己れは、」
(; _ゝ )「己れは、……ほんとうに、汚い生き物だ、いや、生きているというのもおこがましい存在なのだけど。
そのあまりのおぞましさに、わが身に宿るわざわいを語りたくない、だって、
それを知ってあんたにまで疎まれるのがこわいんだ。
子守唄を紡いだその音色が、己れの死を願うことがこわいんだ。
のちのちそれを知ったあんたが、己れの心のかたちを知ったあんたが、己れを捨てるのがこわいんだ。
だから、自分から捨ててくれなど頼むのだ、実際のところ、そう、
己れは、ほんとうは否定されたくないんだ。否定されて然るべき存在であるにもかかわらず。
ひょっとしたら、あんたの命がまもられることより、己が否定されないことを願っているかもしれないんだ…」
( ・∀・)「君を人間じゃないと言わせたもの、君の存在が否定されるもの、そして君の家族を殺したわざわい、
尊い兄弟の絆を別たせたもの、これらは全て同じものなんだね。」
- 113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 18:13:13.05 ID:f6t8lRnn0
( ・∀・)「でもね、約束しよう。それは決して僕を殺すものにはならないということを。
何故なら、僕はわざわいよりも厄介で、蛇よりも狡猾で、聖母よりも愛に満ちた、神よりも尊大な存在だから。」
(; _ゝ )「そんなの、信じられない……。己れの母様だって、そんな存在だったんだから…。
でも、妹を人質にとられて、それで、あんな、あんな……屈辱の限りを尽くされて、殺されたんだ…」
( ・∀・)「君の母様が死んだということは、僕が死ぬ理由にはならないよ」
(; _ゝ )「……」
( ・∀・)「それと、僕はね、噛んでもないガムを捨てる人間でないことは勿論、
噛み飽きた、味のないガムですら捨てたりしないよ。
消化に悪いことはわかっているけど、それでも飲み込んでみせる、そういう男だよ、そういう主義なんだ。」
(;´_ゝ`)「意味が、わからない…」
( ・∀・)「僕と一緒に生きていくうちにわかるようになる、これが君を救う言葉だってこと。」
- 118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 18:36:37.11 ID:f6t8lRnn0
(;´_ゝ`)「なんで」
(; _ゝ )「……なんで、あんたはそんなに、己れに構うんだ…、
なんにも関係ないじゃないか、ただあの場に居合わせただけじゃあないか、なんで…」
( ・∀・)「例えば、お前さんが最初から僕に従順で、ぺらぺら喋って、引きずったらすぐ泣いて、
名前を教えてくれて、熱が出たからしんどいなどと泣き言を言っていれば。
風呂で声を殺して泣いたり、異端なる青い目を気にしたり、あんな弟などすぐに嫌いになって、着物もさっさと燃やしてしまうことができていたら。
はたまた、みたらしを食べることなく、ご馳走様も言わなければ、なにか違ったかもしれないね。
残念ながら、お前さんはだんまりばっかり、引きずっても苦い薬を飲ませても泣かないくせに、
風呂で声を殺して泣くし、そんなに綺麗な青い目を気にして前髪をずるずる延ばして、
弟がいまだに大好きだから揃いの着物を燃やしたくなんかなかったし、みたらしは食っちまうし、ご馳走様も言ってしまう。
君を君たらしめるもの、わざわいを含めて、全てが僕が君を構う理由になるさ。
だから僕は、僕の全てをかけて君を救うんだ。君が嫌がるかは問題ではないんだよ。」
- 120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 18:45:56.41 ID:f6t8lRnn0
( ´_ゝ`)
( う_ゝ )「………」
( ・∀・)「わかった?もう、こんな往来であんまり恥ずかしいこと言わせないでくれるかな、
僕ほどの美形じゃなかったら、ちょいと斬られてもおかしくないところだよ。ほら、行こう」
( _ゝ )「…」
( ・∀・)「ん?」
( _ゝ )「…かわや」
( ・∀・)「この美しい僕が厠に見えるとでも?」
(; _ゝ )「厠、に、行きたいから、」
(; _ゝ )「……待ってて」
(*・∀・)
( ・∀・)「おうおう、待っておいてやろうじゃないか、特別だぞ」
- 129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 19:24:12.49 ID:f6t8lRnn0
( ・∀・)
( ・∀・)
( ・∀・)
( ・∀・)
( ・∀・)「……」
( ・∀・)「……………」
( ・∀・)「まさかとは思うけれども。いやあ、そんなことないだろう、僕にあれだけ喋らせておいてまさか、
この後に及んで?まさかねえ?」
( ・∀・)
( ・∀・)
( ・∀・)
(#・∀・)
(# ∀ )「(この発言はむしゃむしゃされました)」
- 133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 19:38:49.45 ID:f6t8lRnn0
( ´_ゝ`) 「ごぉるでん すらんばーず、 きす ゆぁ あいず……」
( ´_ゝ`) 「すまいるず あうぇいく、 ゆぅ うぇん ゆぅ らいず」
( ´_ゝ`) 「この歌は、どういう意味なんだろう。聞いておけばよかった、きっととても優しい歌なんだろうな。
いや、でも。これでいいんだ。聞いてしまったら、もっと優しさがほしくなるかもしれない。
一人で生きられなくなってしまうかも。あの人は、不思議なひとだ。
絶対そんなはずないのに、己れは、生きていいんじゃないかって気にさせられる。
明日がきらきらしているような気になる、ちょうど、あのひとの髪の色、優しい満月の色のように。」
( ´_ゝ`) 「………」
( ´_ゝ`) 「知らないから、優しくしてくれたんだって、ちゃんと、わかってる。
この、呪われたからだ……おぞましい力…」
- 134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 19:51:44.62 ID:f6t8lRnn0
( <●><●>)「それじゃあ、いりませんよね?」
( ´_ゝ`)「え?」
( <●><●>)「失礼、わたくし和香ともうします。貴方のお名前は?」
(;´_ゝ`)「……ッ」
( <●><●>)ばしっ
(;´_ゝ`)「あ……ッ」
( <●><●>)「間違いがあっては、取り返しがつかないことなものでね、少々乱暴な手段を使ってでも確認させて頂きたい。」
- 136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 20:01:32.66 ID:f6t8lRnn0
( <●><●>)「貴方が、兄者?」
(;´_ゝ`)「……」
( <●><●>)「その、海の色の瞳……いや、しかし、まだわかりませんね。間違いがあってはことだから。だから……
嗚呼、心が痛む、まさかこんな幼子だとは思わなかった……しかし仕方が無い、間違いがあってはならないのだから…」
( <●><●>) 「御免!」
ぐちゃっ
(; _ゝ )「ぐっ、」
( <●><●>)「……」
(; _ゝ )「う…」
びちっ
(; _ゝ )「う、ああ…」
びきびき、びちっ
( <●><●>)「素晴らしい……」
- 141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 20:15:29.37 ID:f6t8lRnn0
( <●><●>)「嗚呼、私はいま、奇跡を目の当たりにしている……」
(; _ゝ )「う、うう…」
(; _ゝ )「お、己れを、殺すのか…」
( <●><●>)「……ええ、そうです。
罪もないこんな幼子を殺すなど、けして許される非道ではない。
しかし、私は、弟のためなら鬼にだってなりましょう……」
( _ゝ )「!」
( ´_ゝ`)「……」
( <●><●>)「……?」
( ´_ゝ`)「弟のため?」
( <●><●>)「ええ。……それが免罪符になるなどとは思っていませんが」
- 147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 20:35:32.98 ID:f6t8lRnn0
( ´_ゝ`)「なるよ」
( <●><●>)「?」
( ´_ゝ`)「己れにも、弟がいるから。本当は、嘘だけど。でも、いるんだよ、己れにも、大切な弟が。
だからいいよ。あんたの弟のために死んであげる。」
( <●><●>)「……」
( <●><●>)「……御免なさい。」
ぐちゃっ
( _ゝ`)(嗚呼、着物が汚れる、せっかく綺麗な色だったのに。)
びちゃっ
( _ゝ )(そういえば、お礼くらい、いえばよかったなあ…)
ごとっ
- 151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 20:44:20.00 ID:f6t8lRnn0
( <●><●>)「ハァ、ハァ、ハァ……」
( _ゝ )
( <●><●>)ぐちゃぐちゃびちゃびちゃ
( <●><●>)ぐっ、ぶちっぶちぶち
( <●><●>)ぐちゅぐちゅぐちゃ
( <●><●>)ぬる……
( <●><●>)「あった……」
(*<●><●>)「あった、あった、あったあああああああああああ!」
(*<●><●>)「ひゃ、あひゃひゃひゃひゃひゃああああ!」
- 155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 21:08:52.70 ID:f6t8lRnn0
(*<●><●>)「海の石ィ!これよ、これさえあれば、一生、二生、三生遊んだって使いきれないほどの金が手に入るってなもんよ!」
(*<●><●>)「あひゃひゃひゃひゃひゃ、おい出て来いよあの陳峰!」
(*‘ω‘ *) 「むうう」
(*<●><●>)「お前が返り討ちにあったってっからどんなもんかと思ってたら、こんな餓鬼とはよ!お前盗賊の肩書き捨てろよな!」
(*‘ω‘ *)「私は正々堂々と戦ったんだ、あんたとちがってな!
はっ、なァにが、弟のためなら鬼にだってなりましょうだよ、
さぶいぼ、とりはだ、もう少しで鳥になるところだったよ!
大体私が負けたのはこの餓鬼じゃなくて母親の方だっての!」
(*<●><●>)「ばァか、人間様に生まれたからには、頭を使えってンだ!さっさとこいつ埋めて売りに行くぞ、今夜はとびきり高い酒で乾杯だ!」
- 161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 21:22:49.78 ID:f6t8lRnn0
(*‘ω‘ *)「ばっか、高い酒買う前に、弟に薬買ってやりなよ、そろそろ死んじゃうよ」
(*<●><●>)「まだ大丈夫だって、だいたいよ、死んだところで何か困ることがあるのかってんだ、
お前だって疎ましがってたくせによう。」
(*‘ω‘ *)「はあ、だってねえ、あんたと血繋がってるとは思えない、謙虚な子じゃないか、
ちょっとくらい優しくしてやったっていいんじゃないの。」
( <●><●>)「ふん、じゃあお前が優しくしてやればいいじゃねえの?」
(*‘ω‘ *)「やだよ、私まであのブツブツがうつったらいやだもの」
( <●><●>)「はっ、お前それでも女かよ?中途半端にいい人ぶるんじゃねえ、口先だけならなんとでもいえるって。」
- 168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 21:33:53.99 ID:f6t8lRnn0
(*<●><●>)「いいか、母様が殺されて以来、俺は飯を喰うだけでロクに働けもしない弟を養ってきたんだぞ。
あいつは、俺が居なきゃ今生きてないンだ、母のような存在だ。それがどんな方法でもたらされた結果であれ、その事実は変わらんて。
俺があいつを見殺しにしようが、男に売ろうが、女に売ろうが、見世物小屋に売ろうが、お前には一切関係ない話。
お前は莫迦女らしく、ただ股ひらいてりゃいいんだよ、ったく」
(*‘ω‘ *)「へいへい、気分がよくなると途端に饒舌になって、その単純な思考回路ときたら、男って本当に莫迦。
下半身でしか物を考えないからそんなことしか言えないんだね。」
(*<●><●>)「はん、なんだよ、此処でしたっていいんだぜ?死体の隣で交わるってのも、いっちょ、乙なもんじゃないか?」
(*‘ω‘ *)「やだよ、あんた血まみれじゃないか。このおべべ、まだ新しいんだよ、そんな、化け物の血で汚したくないわ」
( <●><●>)「あぁ?」
(*‘ω‘ *)「ああもう、面倒くさい奴ね。じゃあ、わかったわ、せめてそこで身体を洗ってきて頂戴。」
- 171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 21:41:43.68 ID:f6t8lRnn0
( <●><●>)「チッ、きったねえ湖だなあ」
( <●><●>)ばちゃばちゃ
ぼこっ
( <●><●>)「うん?」
ごぽっ
(*‘ω‘ *)「どうしたの?」
(;<●><●>)「ひっ……?!」
- 176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 21:51:34.00 ID:f6t8lRnn0
「――――ッ!離せこの化け物が!」
( -_ゝ-)
「こんなことして、ただじゃおかないよ!」
( -_ゝ-)
「くそう、お前なんとかしろよ!」
( -_ゝ-)
「無理に決まってるでしょ、あんたがなんとかしなさいよ!」
( ´_ゝ`)
- 181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 22:00:19.66 ID:f6t8lRnn0
( ・∀・)「おはよう、弟無し」
( ´_ゝ`) 「……おはよう」
( ・∀・)「お前さんが、そうだったんだね。」
( ´_ゝ`) 「え?」
( ・∀・)「数百年に一度生まれる、母なる海の恩恵を授かりし子。」
(;´_ゝ`) 「あ……」
( ・∀・)「あの美しい石から、君が生まれてくるのを見ていた。あの石以上に美しい光景だったよ……。
あれがわざわいだなんて、とんでもないことだよ。僕が見たどの夕焼けも、あの光景には叶うまい」
(;´_ゝ`) 「そんな、わけ……っていうか、何で己れ、生きて…」
- 185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 22:12:59.25 ID:f6t8lRnn0
( ・∀・)「そりゃあ、憶測だけど、世界で一番美しい誰かが助けてあげたからじゃあないかな?」
(;<●><●>)「ちっくしょう、ふざけるな!いい加減放せ!」
(;´_ゝ`) 「み、水で出来た……竜?」
( ・∀・)「中々美しいだろう?銜えているものは実に汚らしいけどね。」
(*‘ω‘ *)「放しやがれ、畜生、この(この発言はむしゃむしゃされました)」
( ・∀・)「ところで、おまえさん、吹き硝子って知ってるかい。」
(;´_ゝ`) 「?知らない…」
( ・∀・)「そうかい。まあ、それに似たことをするから、見ておいて。」
(;´_ゝ`) 「え?」
- 188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 22:19:38.25 ID:f6t8lRnn0
( ・∀・)「人間の胃が何処にあるかは知ってる?」
(;´_ゝ`) 「ま、真ん中?」
( ・∀・)「そうそう。見ておいて。」
( ・∀・)
(;<●><●>)「ぐ?」
ごぷっ
(*‘ω‘ ;)「ヒィッ?!」
(;´_ゝ`) 「ひっ?!」
( ・∀・)「吹き硝子は、息で吹くらませるんだけどね。
吹き人間は、水で膨らませようね。」
- 192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 22:35:11.77 ID:f6t8lRnn0
(*‘ω‘ ;)「わっ、和香!和香ァアアァア!」
(;< >< >)「ごぽっ、ごぽっ、がぼ」
( ・∀・)「まだ死んでないよ、大丈夫、このままじゃ死んじゃうけどさ。
ああ、それにしても、まるで水死体みたいだね、まだ生きてるのにね。」
(;< >< >)「ごぷっ、ごぼっ、」
(;´_ゝ`) 「やめ、やめろよ!なんでこんなことするんだよ!」
( ・∀・)「何故って?そりゃあ、もう君が僕の一部だからに決まってるだろう。
僕は僕という存在を穢されるのがこの世で一番気に喰わない。
強いていうなら、簡単に騙される君が悪い」
(;´_ゝ`) 「お、おれは、騙されてもいいんだよ!」
( ・∀・)「はあ?」
- 195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 22:44:01.20 ID:f6t8lRnn0
(;´_ゝ`) 「己れは、そうじゃないと死ねないんだから!
自分で、死んでもいいって、誰かにこの海の石を渡しても良いって思わないと、死ねないだよ!
それが嘘だっていいんだ、己れは、そうじゃないと死ぬことだって出来ないんだ!」
( ・∀・)「そういうのは、騙されてるってわかってた奴が言って初めて様になるんだよ?」
(;´_ゝ`) 「わ、わかってた!」
( ・∀・)「さあさあ、今度は血管を膨張させようか?指先だけぷっくり膨らませたら、ちょっとは可愛くなるんじゃないの?」
(;´_ゝ`)「や……」
( ・∀・)「ああ、そっちの女にも何かしてあげないと失礼だよね。じゃあ、水でも孕んでみる?」
(*‘ω‘ ;)「ひぃいいいっ、わ、私は何もしてないよ!」
( ・∀・)「何もしないことが罪だったんじゃない?」
- 198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 22:52:46.73 ID:f6t8lRnn0
( ・∀・)「ゆびさきぷっくり、おなかもぷっくり。
ははは、蛙みたいで、ぜんぜん可愛くない。」
(;< >< >)「ごぱあっ、ごぷっ、」
(;´_ゝ`)「「ねえ、あのひともう死んじゃうよ!」
( ・∀・)「死ねばいんでない?お前さん一回死んだんだし、そうしてやっと平等だろ?」
(;´_ゝ`)「でも己れは生き返った!もらが助けてくれたから!でもあの人は誰も助けないんだよ!だから殺さないで!」
( ・∀・)
(;´_ゝ`)「こ、殺さないで……うっ、」
( ;_ゝ;)「うわああああぁああああ殺すなあばかああああああああああ!!!!」
(;・∀・)そ
- 201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 23:02:00.06 ID:f6t8lRnn0
(;・∀・)「お、お前さん、ごめんって、もうやめるから」
( ;_ゝ;)「もうやだ!もうやだ!己れは、もう、誰が死ぬところも見たくないんだ!
どんな悪人だって死んで欲しくない!なのになんでそんなことするんだよ!
もういやだ、もういやだ、もらなんて嫌いだ、だいっきらいだ!」
(;・∀・)そ
(;・∀・)「ほ、ほうらもう二人とも降ろしたよ、呼吸器官はちょっと傷ついたかもしれないけど後遺症はないよ、
大丈夫だよ、全然死んでないよ?!むしろこれからは二人とも健やかな人生を歩むこと間違いなし!
元気な子供をもうけて六十年後に孫たちに囲まれて安らかに死ぬこと請け合い!だから泣かない……」
( ;_ゝ;)「嫌いだ!嫌いだ!ブサイク!」
(;・д・)「?!」
- 208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 23:11:53.94 ID:f6t8lRnn0
(;・д・)「?!」
(;・д・)「わ」
(;・д・)「what's ?! what do you mean?! 」
(∩;_ゝ;)「何言ってるかわかんねーよ!びっぷ語で喋れ!お前の母様でべそ!」
(;・∀・)「そ、それはあんまり効かないぞー!」
(∩;_ゝ;)「だいっきらいだああああああ!」
( ;∀;)「だからごめんってええええええ!」
(;<●><●>)ぜぇぜぇ
(*;ω; *)「和香!和香!大丈夫?」
(∩;_ゝ;)「ぶっさいくうううううう!!!」
(∩;∀;)「うわああああああんこの子酷いよおおおおおお!」
(;<●><●>)「お、お前は?ごほっ」
(*;ω; *)「私は大丈夫、ああ、ほんとうに死んでしまうかと……よかった…」
- 209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 23:22:01.30 ID:f6t8lRnn0
( <●><●>)「莫迦、泥水すすって生きてきたんだ、これくらいで死んでたまるかよ…」
(*;ω; *)「う、うう」
( <●><●>)「よくわかんねーけどあいつら、仲間割れしてやがる。さっさとずらかるぞ、ついてこい」
(*;ω; *)「死ななくて良かった…」
( <●><●>)「ケッ、そんなに楽しておまんま食いてえのかお前は」
(*;ω; *)「違うわ、莫迦……」
( <●><●>)「ああもう泣くな鬱陶しい、俺は先に帰るからお前は薬屋でも寄って帰れ」
(*;ω; *)「うん、うん…」
- 213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 23:43:07.04 ID:f6t8lRnn0
(;・∀・)「あいつら、何勝手に良い話みたいにしてるんだよ、気に食わないなあ。
こっちは一点の曇りのなかった人生に大きな傷痕を残したっていうのに、まったく。
ほらもう兄者もいつまで泣いてるんだよ、さっきの大嘘は赦してやるから泣き止めって。」
( う_ゝ;)「……名前」
( ・∀・)「僕にとって、水は女性のようなもの。川のせせらぎ、湖のひとなみがどれだけ雄弁か、説明するのは難しいね。
とにかく、彼女が色々と教えてくれたし、ここに運んでくれたんだ。」
(;´_ゝ`)「どういう…」
( ・∀・)「君のひみつも知ってしまったから、僕の秘密を教えてあげる。
―――僕は、四大賢者がひとり、水の賢者なんだ。水を司るんだよ。」
( ´_ゝ`)「賢者…」
( ・∀・)「君は自分が人間じゃないといったね。君は、僕が人間じゃないと、思うかい?」
- 216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/31(日) 23:57:33.14 ID:f6t8lRnn0
( ´_ゝ`)「思わない」
( ・∀・)「僕は、多分誰よりも強いよ。この世の誰だって、容易く殺せてしまう。他の三人の賢者さえ、僕は殺せるよ。
さっき見た風に、なぶり殺しにすることができる。何故だかわかるかい?
人間は、その身体の半分以上が水分で出来ているからだ。
どんなに身体を鍛え上げても、内側から、しかも自らの水分を操られたら、意味がないでしょう。」
(;´_ゝ`)
( ・∀・)「さらに、この星の陸地と海面の比率は知っているかい?三対七。
七割が海。つまり、七割は僕の自由にできるってこと。
水があるなら僕は自由に動き回れる。ちなみに空気中にも水分は含まれてるから、
気合さえ入れれば何処にでも現れることが出来る。」
(;´_ゝ`)
( ・∀・)「これだけの能力を持っていて、それでいてこれだけ美しい。
それでも、僕は人間だって思う?」
- 220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/01(月) 00:04:31.08 ID:YujUKFdS0
(;´_ゝ`) 「で、でも不老不死じゃないし、怪我だって治ったりしないだろう。
己れは、ぐちゃぐちゃになっても生き返るし、いつか成長がすっかり止まるって、言われたぞ」
( ・∀・)「僕が何歳だと思ってるの?まあ正直僕も歳なんて数えてないんだけどさ、
僕ら四大賢者ははこの星が誕生して間もなく生まれた存在だよ?
怪我は君みたいに劇的には治らないけど、例えば僕なら水に浸ってれば治るよ?」
(;´_ゝ`)
( ・∀・)「ねえねえ、君は不老不死かもしれない。怪我も治るかもしれない。
煎じれば万病に効く薬に、飲み込めば不老不死になる海の石をその身に宿しているかもしれない。
でも、ただそれだけだ。たったそれだけのことで、人間じゃないなんておこがましいと思わない?
君は人間だよ、ちっぽけな人間だ。ついでに餓鬼だ、大人に甘えて然るべき存在だ。」
- 225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/01(月) 00:23:34.13 ID:YujUKFdS0
( ・∀・)「そして、そう、僕も人間だ。ちっぽけな美しい人間だよ。
多分僕はずっとずっと死なないけど、それでも人間なんだ。
兄者、人間の定義なんてとても曖昧なものだ、たとえ心に鬼を秘めていようが、
角が生えてなかったら人間に見えるから。
どんなに心が人間じみていても、兎は人間とは呼ばれないから。
君が君を人間じゃないと思う気持ちはわかる。どうしたって、僕らは化け物じみているものね。
でも、一番大事なのは、君の心と、君の大切な人の心なんだ。
君はわかっているだろうけど。だからこそ、弟に人間じゃないといわれて、泣いたんでしょう?
人間で居たいのに、大切なひとにそうじゃないって言われたから、泣きながら化け物になったんでしょう?」
- 226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/01(月) 00:30:25.09 ID:YujUKFdS0
( ・∀・)「君は、僕を人間にしてくれる?それとも、圧倒的多数のニンゲンと同じように、僕を化け物にする?」
(;´_ゝ`)そ「も」
(;´_ゝ`)「もらは、人間だ!」
( ・∀・)「うん。そうだよ。僕は、人間だよ、ありがとう。」
( ・∀・)「それで、君にはわかるかい。君の言葉で僕が人間になれたという、このことの意味が、しあわせがわかるかい。
わかるよね、兄者。だから、僕が君を人間にしてあげる。することが出来るのはわかっているよ?」
( ´_ゝ`)「……も、」
- 231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/01(月) 00:47:56.06 ID:YujUKFdS0
( ・∀・)「それでも、家族を目の前で殺されるなどという、これほどまでにない悲しみに見舞われた君だから、
一日二日過ごしただけの人間の言葉では、まだまだ人間になりきれないというのも仕方が無い。
勿論いつかは、美しい絆だけで人間になることができるのは揺るがないことだけど、
君は今すぐ人間にならなければいけないんだよ、生きるために。
死にたいなんていわないために。ごめんなさいよりありがとうを言うために。
だから、ちょっぴりずるいけど、特効薬をあげよう。涙の味の、特効薬。
……僕は、君を殺せるよ。僕は、本人の意思に関係なく、海の石を取り出せる唯一の存在だから。」
( ・∀・)「ねえ、だから、君が死にたいときには僕が泣きながら殺してあげる」
( _ゝ )
( ・∀・)
( _ゝ;)
( ・∀・)「ほんとに、君はよく泣くね。さすが、子供なだけあるなあ。
さあさ、行こう。にしても、折角買ったやった着物、血まみれじゃないか。一日も待たないなんて、まった。
新しいやつ、買いに行こう。ああそうだ、実はまだ君の服燃やしてないんだ、そっち着る?」
( つ_ゝ;)「なん、で」
( ・∀・)「なんでって、だって、君が燃やさないと意味がないでしょう。」
- 233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/01(月) 00:55:14.84 ID:YujUKFdS0
(;´_ゝ`)「うう」
( ・∀・)「この調子じゃ、何年後かねえ。まあ、時間なら幾らでもあるけどさ。
さあさ、いくぞ、幸せ求める旅路に出るぞ」
(;´_ゝ`)「あ、あのさ!」
( ・∀・)「なに?」
( ´_ゝ`)「己れ、兄者っていうんだ!」
( ・∀・)
( ・∀・)「そう、僕はもらっていう美丈夫だよ」
( ・∀・)「行こうか、兄者」
( ´_ゝ`)「おう!もらのブサイク!」
( ・∀・)「次言ったら殴るよ?」
- 235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/01(月) 00:59:51.66 ID:YujUKFdS0
あんまりしられてないことだけど、
とこやみむらの、とこやみにも
けせないなにかがあるそうな。
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