- 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/19(火) 22:57:17.05 ID:Px+9c2dy0
4.最果て
最果ての大地に、雨は降りません。
最果ての大地に、風は吹きません。
最果ての大地に、草は生えません。
最果ての大地に、日は当たりません。
ξ;凵G)ξ「チョー カエリタイ ンデスケドー」
('、`*川「たく、泣いてばかりでいいわね楽で。
こちとら、二人分の“転送”でヘトヘトなんだっつの」
最果ての大地に、黒一色の城があります。
なにで作られたのか、どうやって作られたのか、全くわからない城です。
魔女はそこに住んでいました。
- 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/19(火) 23:03:33.96 ID:Px+9c2dy0
魔女には魔女の世界があり、魔女には魔女の歴史があり、魔女には魔女の生活があります。
国というにはあまりにも曖昧な領域に。
人というにはあまりにも妖しげな風貌で。
魔女たちはそこに住んでいました。
ζ(゚ー゚;ζ「は?」
('、`*川「だから、姫を連れて参りました」
ζ(゚ー゚;ζ「なんで?」
('、`*川「え?」
ツンデレ姫をさらった魔女、名をペニサス伊藤といいます。
彼女は魔女の中でも、とても強い力を持っています。
- 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/19(火) 23:08:18.27 ID:Px+9c2dy0
ペニサスの前には、魔女の女王、デレデレが玉座にちょこんと腰を下ろしています。
デレデレの顔は、困惑で少し歪んでいました。
('、`;川「え? なんでって、いや姫を…え?」
ζ(゚ー゚;ζ「いや、姫をさら…え?」
('、`;川「え? 違いました?」
ζ(゚ー゚;ζ「あぇ? なにが?」
('、`;川「あれ?」
ζ*゚ー゚)ζ ('、`*川
どうやら、彼女たちの間で手違いが起こったようです。
- 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/19(火) 23:11:26.36 ID:Px+9c2dy0
説明すると長くなる事情なのですが、原因を局所的に、
かつ事実に手を加えずに表現すると、以下のようになります。
酒の席のお話です。
ζ(^ー^*ζ「アハハハハッッハッハッハ! んじゃあさー、お姫様さらってさぁー、もっかい戦争起こす?」
お分かり頂けただろうか。
ζ(゚ー゚;ζ「お馬鹿! 馬鹿! あんなの、酔ってただけだからね!」
('、`*川「ははあ。それを真に受けてしまった私が、えらいことをしてしまったと」
ζ(^ー^;ζ「なんでそんな冷静なのよぉ!」
- 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/19(火) 23:18:27.55 ID:Px+9c2dy0
('、`*川「なるほど。しかし、私にとってはあまり変わらないのです。
結局のところ、人と魔女はわかり合えません。どちらかが滅ぶ定めなのです」
ζ(゚−゚*ζ「ペニサス! あなたは」
('、`*川「女王。決断の時が迫っているのですよ」
不穏な空気を感じた女王は、玉座から立ち上がり、周りにいた魔女たちに目配せしました。
しかしペニサスの反応はとても早かったのです。
ツンデレ姫の首根っこを捕まえると、魔法で空間を引き裂き、その場から姿を消してしまいました。
- 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/19(火) 23:22:14.56 ID:Px+9c2dy0
ζ(゚、゚;ζ「追って! 捕まえるのです! 人間の姫に手を出させてはいけない!」
周りにいた魔女たちは、急いで部屋から出て、ペニサスたちを探し始めました。
焦燥に肩を震わせているデレデレは、ふと目を落としたとき、ペニサスがいた場所の床に、
ラクガキのような文字が浮かび上がっているのを見つけました。
ζ(゚−゚*ζ「ペニサス―――!」
「この最果ての空は、洗浄にいた頃よりも薄汚れている」
ζ(゚−゚*ζ「―――字まちがえてね?」
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