- 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/21(木) 22:06:17.22 ID:bRB9XU6m0
8.龍人
ドラスタ王国から、そんなに離れていない山の奥。
その山にある洞窟の、奥の奥、地の底まで続くその場所に、男と女がおりました。
( ゚∋゚)
上半身は羽毛に覆われ、手には鋭利な爪が生え、皮膚は鉄のように硬いその生き物。
人ではなく、“龍人”と呼ばれ、かつては魔女よりも数が多い種族でした。
- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/21(木) 22:09:15.86 ID:bRB9XU6m0
彼の傍らには、一人の女が横たわっていました。
彼と同じように羽毛を生やし、けれども彼よりずっと華奢な体をしている女は、もう息をしていません。
( ゚∋゚)
(# ;;-゚)
彼女はつい先ほど、命を終えた、彼の妹です。
かつて人間と魔女の戦争がありました。
そのとき、素朴に暮らしていた龍人たちのところへ、人間たちが助けを求めてきたのです。
優しい、優しい龍神は、人間たちに手を貸しました。
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/21(木) 22:13:09.25 ID:bRB9XU6m0
戦争はなおも続きました。
すると魔女が、人間の味方をしているのとは別の龍人たちに、助けを求めました。
優しい、優しい龍人は、魔女たちに手を貸しました。
そうして龍人たちは、龍人同士で殺し合いをしました。
( ゚∋゚)
かつての戦争で、同じ仲間同士で殺し合った龍人たちは、数が少なくなってしまいました。
特に女の数が足りなくなってしまい、そして―――。
(# ;;-゚)
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/21(木) 22:15:12.01 ID:bRB9XU6m0
( ゚∋゚)
とうとう龍人は、彼一人になってしまいました。
やがて彼は、住んでいた洞窟を出ました。
滅びることが決まった種族、龍人は、一体どこに行こうというのでしょうか。
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