- 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/23(日) 22:58:04.33 ID:A7X3wL400
( ´_ゝ` )「お、この前のやつだー。久しぶりー。
ちょっと待ってな、いまタモのおっさん呼ぶから」
「おーい、タモのおっさーん!この前の奴来たぞー!」
(-■∀■-) 「おやおや、ようこそいらっしゃいました。
あまり大層なおもてなしは出来ませんが――」
( ´_ゝ`)「挨拶はもういいだろー?どうせコイツも物語見に来たんだろうしいいじゃん。テレビつけてやれば。」
(-#■∀■) 「…………まぁ、いいでしょう。そろそろ始まるころですし、見ていきますか?」
( ´_ゝ`)「ほらー、おっさんがうだうだ喋ってるから予告見逃しちゃったじゃないかよー
ペナルティとして『アレ』俺が言うからなー?」
(* ´_ゝ`)b「それでは 物語の はじまり はじまり」
- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/23(日) 23:01:43.16 ID:A7X3wL400
- 第二話
―そらにきらきらお星様―
ζ(- -*ζ「zZzz……」
―みんなスヤスヤ眠るころ―
_
Σ 三三\(o ゚∀゚)/\(o ^ω^)/\ξo゚听)ξ/\川o゚ -゚)/\(´・ω・` o)/
―オモチャは箱から飛び出して―
_
(o ゚∀゚)ξo*゚听)ξ「おどるオモチャの」(^ω^ o)
川o゚ -゚)m9「CHA!CHA!CHA!」Pm(´・ω・` o)
_
(o*゚∀゚)/ξo*゚听)ξ/ 川o*゚ -゚)/「フィーバー!」(^ω^*o)/(´・ω・`*o)/
- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/23(日) 23:07:06.18 ID:A7X3wL400
- ―今日は皆でダンスオールナイッ―
_
(o*゚∀゚)―<「俺サマ兵隊トテチテター♪」
ξo#゚听)ξ「ラッパ鳴らすのやめなさい!」
(o;^ω^)「ツンちゃんそんなに怒るなお……」
(o;´・ω・`)「喧嘩しないで遊ぼうよ……」
―たまには喧嘩もするけれど、何だかんだで楽しそう―
ζ(- -*ζ「うにゅぅ〜?何の音ぉ〜?」
―おやおやおや、ここで登場イレギュラー ―
川o゚ -゚)そ「おっと、デレちゃん起きてきた」
(o´・ω・`)「やぁやぁデレちゃん、昼間ぶり」
(o ^ω^)「そうか、デレちゃん今年で6つ」
_
(o ゚∀゚)「そろそろそういう時期かもな」
ζ(゚∇゚;*ζ「え?お人形さんたち、うごいてる?」
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/23(日) 23:10:27.91 ID:A7X3wL400
- (o´・ω・`)「そうさ、ぼくたちお人形」
ξo゚听)ξ「昼間は動けないけれど」
川o゚ -゚)m9「夜中になればこの通りっ!」
_
(o ゚∀゚)「さぁさデレちゃん、昼間のように」
(o ^ω^)「みんなで一緒にあそぼうお!」
_
(o ゚∀゚)ξo*゚听)ξ「チャチャチャオモチャの」(^ω^ o)
川o゚ -゚)m9「CHA!CHA!CHA!」Pm(´・ω・` o)
_
(o*゚∀゚)/ξo*゚听)ξ/ 川o*゚ -゚)/「フィーバー!」(^ω^*o)/(´・ω・`*o)/
ζ(゚ー゚*ζ「……クスッ」
ζ(゚∇゚*ζ「もっかい!もっかい!もっかいやって!!!」
_
(o ゚∀゚)ξo*゚听)ξ「チャチャチャオモチャの」(^ω^ o)ζ(゚∇゚*ζ
川o゚ -゚)m9「CHA!CHA!CHA!」Pm(´・ω・` o)
_
(o*゚∀゚)/ξo*゚听)ξ/ 川o*゚ -゚)/「フィーバー!」ζ(゚∇゚*ζ/(^ω^*o)/(´・ω・`*o)/
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/23(日) 23:13:08.04 ID:A7X3wL400
- ―エンジョイエンジョイフィーバータイッ!―
_
(o ゚∀゚)―<「なまりのへいたいトテチテター♪」
>―ζ(゚∇゚*ζ「デレちゃんいっしょにトチテッター♪」
―たまにはゆうがにおどりましょ―
ξo゚听)ξ「お花のドレスステキでしょ?」
ζ(゚∇゚*ζ「デレのパジャマもステキでしょ!」
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/23(日) 23:16:01.04 ID:A7X3wL400
- ―おいかけっこも してみたり―
(o ^ω^)「デレちゃん待つおー!」
ζ(゚∇゚*ζ「おにさんこちら 手のなる方へー!」
キャァーζ(゚∇゚*ζ =3 ブーン⊂二(^ω^ o)二二二⊃ 三三
―ままごとするのも女の子―
ζ(゚ー゚*ζ「かわいいポチポチ、ごはんですー」
川o; -;)「私の役は犬なのか ワン……」
―ちょっとおませにくそみそいずむ―
(o´・ω・`)「そこの君 ちょっと私とや ら な い か ?」
ζ(゚ぺ*ζ「や り ま せ ん 。デレはだいいち女の子っ!」
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/23(日) 23:21:45.86 ID:A7X3wL400
- ―あそびといえばコレだよね―
ζ(- -*ζ「じゅーぅ、きゅーぅ、はぁーち、なぁーな」
ζ(゚∇゚*ζ「もーぅいーぃかぁーい?」
「まーだだよ」
ζ(- -*ζ「ろぉーく、ごぉーお、よぉーん、さぁーん」
ζ(゚∇゚*ζ「もーぅいーぃかぁーい?」
「まーだだよ」
ζ(- -*ζ「にーぃ、いーち、ぜーろ」
ζ(゚∇゚*ζ「もーぅいーぃかぁーい?」
「もーいーよ!」
ζ(゚ー゚*ζ「よーし!どこだー?」
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/23(日) 23:25:53.27 ID:A7X3wL400
{二二二}ξ Σζ(゚ー゚*ζ
ζ(゚ー゚*ζ「まずはひとり目、ツンちゃんみっけ!」
ξo゚听)ξ「あたまかくしてかみかくさず……」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
从o ^ω^从 ζ(゚ー゚;ζ
ζ(゚ー゚;ζ「ブーンはっけん、なにそのあたま……」
从o ^ω^从「へんそうだおだお。似合うかお?」
ζ(゚ー゚;ζ「やめたほうがいいでしょう……」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
川o゚ -゚) ζ(゚ー゚*ζ
ζ(゚ー゚;ζ「クーちゃんどこかにかくれてよ……」
川o゚ -゚)「気配を殺す『絶』の念」
ζ(゚ー゚;ζ「ぜんぜんまったくころせてないよ?」
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/23(日) 23:28:51.04 ID:A7X3wL400
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
_ ?ζ(゚、゚*ζ
イテッ _そ /⊂ζ(゚、゚*ζツンツン
_ ζ(゚∇゚*ζ「ジョルジュ発見あとひとり!」
(o ゚∀゚)「まゆ毛つかれて痛いなぁ……」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ζ(゚ー゚*ζ・`)=3
ζ(゚ー゚*ζω・`)=3
[鏡] Σζ(゚∇゚*ζ・ω・`)
ζ(゚∇゚*ζ「ショボン見つけた!いつのまに?」
(o´・ω・`)「むろん、きでんの気付かぬうちに」
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/23(日) 23:32:14.33 ID:A7X3wL400
- −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ζ(゚ぺ*ζ「すぅぅぅぅ……」
ζ(゚∇゚*ζ「ぜんいん見付けたもどっておいでーーー!!!」
_
\(o ゚∀゚)/\(o ^ω^)/「ウチらの人生オワタッタ」\ξo゚听)ξ/\川o゚ -゚)/\(´・ω・` o)/
―そういう感じで夜中すぎ―
川o゚ -゚)「さてさてデレちゃん、どうだった」
ξo゚听)ξ「さいごのよるは楽しめた?」
ζ(゚、゚*ζ「『さいごのよる』? いったいどうしてさいごなの?」
(o ^ω^)「君もしってるはずだおね」
(o´・ω・`)「僕たち、これでもお人形」
_
(o ゚∀゚)「オモチャは子供のためにある」
- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/23(日) 23:35:21.93 ID:A7X3wL400
- 川o゚ -゚)「そしてデレちゃん今年で6つ」
ξo゚听)ξ「明日のあさには一年生」
(o´・ω・`)「ぼくらもとってもかなしいけれど」
_
(o ゚∀゚)「お人形遊びはもうダメだ」
(o ^ω^)「そろそろ卒業するんだお」
_
(o ゚∀゚)「俺たちだいじは分かるけど」
(o´・ω・`)「ぼくたち両手に持ってれば」
ξo゚听)ξ「その手で何にもつかめない」
(o ^ω^)「だからデレちゃん、君に言う」
川o゚ -゚)「手に入れるために捨てるんだ」
ξo゚听)ξ「私たちとはお別れよ」
ζ(;∇;*ζ「イヤだ!イヤだよ。サヨナラするの」
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/23(日) 23:39:55.14 ID:A7X3wL400
- ξ;凵G)ξ「デレちゃんおねがい 泣かないで」
( ;ω;)「そういうツンもないてるお」
川 ;-;)「みんな、泣くのはやめないか」
(´;ω;`)「僕たちだって泣きたくない」
_
( ;∀;)「笑ってお別れしたいんだ」
ζ(;ー;*ζ「じゃぁ、1,2の3で泣きやもう」
―1、2の、3―
(o ^ω^)「最後くらいは、笑ってお」
_
(o ゚∀゚)「もうしばらくはこらえろよ」
川o゚ -゚)「もう少しで朝が来る」
(o´・ω・`)「じゃぁ最後には『アレ』やろう」
ξo゚听)ξ「いいわね、デレちゃんやりましょう」
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/23(日) 23:42:15.66 ID:A7X3wL400
-
― せーの…… ―
(o ゚∀゚)ξo*゚听)ξ「チャチャチャオモチャの」(^ω^ o)ζ(゚∇゚*ζ
川o゚ -゚)m9「CHA!CHA!CHA!」Pm(´・ω・` o)
_
(o*;∀;)/ξo*;凵G)ξ/ 川o*; -;)/「フィーバー!」ζ(;∇;*ζ/(;ω;*o)/(´;ω;`*o)/
― あらあら、やっぱり泣いちゃった ―
- 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/23(日) 23:45:54.38 ID:A7X3wL400
- ―いちねんせい になったら―
ζ(- -*ζ「うにゅぅ〜・・・・・・」
―いちねんせい になったら―
Σζ(゚、゚*ζハッ
―友だちひゃくにん出来るかな?―
「デレー、おきなさーい! 今日から1年生でしょー?」
ζ(゚ー゚*ζ「はーい、今行くー」
_
( ゚∀゚)ξo゚听)ξ川o゚ -゚)「…………」(´・ω・`o)(^ω^ o)
ζ(゚ー゚*ζ「……オモチャオモチャのチャッチャッチャ♪」
――ガチャッ
――バタンッ
「 フィ―バ―! 」
第二話 おわり
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/23(日) 23:49:39.90 ID:A7X3wL400
(-■∀■-) 「なかなか今回は楽しいお話でしたね」
(;´_ゝ`)「ところでさ、タモのおっさん?」
(―■∀■) 「どうかしましたか? 兄者」
(;´_ゝ`)「このテレビって死ぬ人だけが映るんじゃないの?」
(―■∀■) 「そんなことはありませんよ」
(―■∀■) 「このテレビに映るのは『現の世に起こった面白そうな出来事』です。
実際、あなたの妹さんは亡くなりましたか?」
(;´_ゝ`)「え、アレは俺がテレパシーばびゅーんってしたからじゃ……」
(―■∀■) 「そういえばそこの所を貴方は勘違いしていましたね。否定するのを忘れていましたが。
そうかもしれませんし、そうでないかもしれません。確かめる術はありませんね」
( _ゝ )「ウツダシノウ……」
(-;■∀■)「ですが、あなたの言葉で妹さんが救われたのは確かだと思いますよ
そういう意味では、あなたのあの行為には十分価値があった。それではいけませんか?」
( ´_ゝ`)「……まぁ、そういうことにしておくか。弟者にも謝れたからな」
- 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/23(日) 23:52:24.36 ID:A7X3wL400
- ( ´_ゝ` )「それで、今の物語短かったから暇なんだが。 なぁ、アンタもそう思うだろ?」
(-;■∀■-)「そうですか? う〜ん……仕方ありませんね。
私の部屋に録画したものがあるので、探してきます」
(-■∀■-) 「5分から10分程度お待ちください」
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 00:03:36.94 ID:AnCOxVZe0
- (-■∀■-)「おまたせしました。持って来ましたよ。録画したHD-DVD」
(;´_ゝ`)「あのテレビ録画機能付いてたんだな……
つーかまた中途半端に時代遅れなモノを……」
(―■∀■)「そういえば兄者が来てから録画したことは無かったですね。
また今度見せてあげましょう」
(-■∀■-)「おっと、お待ちかねですよね。では再生しましょうか。
申し訳ありませんが今回はちょっと録画が遅れてしまいましてね。予告が入っていないんですよ」
(;´_ゝ`)「こいつが来てる時に無事に予告見れたことあるのかよ……」
(-;■∀■)「失礼な。ありますよ、一回」
( ´,_ゝ`)「一回ですかw」
(-;■∀■)「とにかく!始めますよ!」
( ´_ゝ`)「物語の はじまり はじまり」(■∀■―)
- 33 名前:>>32 d 投稿日:2008/11/24(月) 00:05:54.53 ID:AnCOxVZe0
第三話
―とある時代、とある場所―
―昼には人売りが行き交い、夜には盗賊が町を荒らす―
―そんな乱れた世の片隅で、ひっそりと彼は生きていた―
三(#^ω^)「待つお泥棒ー!!」
三三三(#゚Д゚)「生活に必要な分くらい許せゴルァ!!」
罪を犯すが、決して罪に染まりはしない。
醜く太った大人達の腕から今にも溢れそうな食べ物を少しばかり攫っていく清らかに澄み切った一迅の風――。
- 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 00:08:32.55 ID:AnCOxVZe0
- (;゚Д゚)「ふぅ、やっと撒いたか」
腹が減れば食べ物を盗み、のどが渇けば泥水を飲み、夜には路地で横になる。
人売りから逃げ惑い、雑踏に紛れ、仲間は会うたびに減っていく。
( ^Д^) 「おう、ギコ。お前、本当に今度の宝石強盗手伝わないのか?」
<丶`∀´>「この前から来てる商人に道具提供してもらったから絶対捕まらないニダよ」
(,,-Д-)「おはようプギャー、ニダー。 何度も言わせるな、俺は生活に必要な分しか盗みはしない」
そんな劣悪な環境の中ででも、彼は自分の信念を強く貫き通していた。
盗むのは必要最低限の食料のみ。それ以外のものはあきらめるか、どうしても欲しいものであれば自作する。
何故なのかは考えたこともない。それが彼の生き方なのだ。
(,,゚Д゚)「よし、飯食おう!飯!
じゃぁな!お前らも早く足洗えよ!」
( ^Д^) 「俺らが足洗うのは大金持ちになってからだなww」
<丶`∀´>「ギコがのたれ死ぬのかどっちが先ニカね
ホルホルホルホルwww」
- 37 名前:>>34,36にも感謝 ※この物語は厨二病注意 投稿日:2008/11/24(月) 00:12:07.80 ID:AnCOxVZe0
- (,,゚Д゚)「よし、またあそこで食うか」
市場の裏手の細い路地を進んだ先には、四方を木に囲まれた、町を一望できる丘がある。
そこからの景色は、彼が独占できるたった一つの宝物――。
(,,゚Д゚)「まぁ、先週見つけたトコなんだけどな」
そして、この場所からは、この町で一番長い坂の上に住んでいるこの町で一番の大金持ち、シラ=ネーヨの邸宅を覗くことも出来るのだ。
(,,-Д゚)「さ〜て、ネーヨのおっさんは今日は見えるかな〜……?」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
( ´ー`)っu ζ(゚ー゚*ζ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(,,-Д-)「けっ、優雅に午後のティータイムかよ。やっぱ金持ちは違うねぇ……」
(*゚Д゚)「っと、それより飯だ飯〜♪」
先ほど盗んだパンと果物を食べ終えると、おもむろに芝生に寝転がる
(,,-Д-)「飯食って空見ながら昼寝! これ以上の贅沢はネーヨのおっさんにも出来ないな!」
(,,-Д-)「では、おやすみ」
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 00:15:15.64 ID:AnCOxVZe0
- −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
そして夕刻――。
(;゚Д゚)そ「おお、もう夕方じゃねぇか
……腹減ったな、晩飯パクりに行くか」
三(#^ω^)「待つお泥棒ー!!」
三三三(#゚Д゚)「儲かってるじゃねぇか!少しくらい許せゴルァ!」
(;゚Д゚)「はぁ……はぁ……、今日はなかなか引き離せなかったな……お?」
彼の視線の先には、大通りを行く十数人の行列。
(,,゚Д゚)(手かせがついてるって事は奴隷。 ……ネーヨ家の奴隷補充か?)
そして行列の中には、ギコと同じくらいの年頃であろう少女が――。
(*゚−゚) 「……」
(*゚Д゚)(か、可愛いぃ……)
三(#^ω^)「やっと見つけたお!泥棒!!」
Σ(゚Д゚;)「やべぇっ!逃げろっ」
- 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 00:19:08.61 ID:AnCOxVZe0
- その数日後。
彼は――
(*゚Д゚)「はぁ……」
( ^Д^) 「女か」
<ヽ`∀´>「女ニダね」
――溺れていた。
毎日、秘密の丘に行ってはネーヨの屋敷ばかりを見つめ、少女を探す
(*-Д゚)「おほっ、あの子見っけ。」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
( ´ー`)っu (゚ー゚*)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(*゚Д゚)「あぁぁぁぁ!!ネーヨのおっさんになりてぇ!
あの子にお茶淹れてもらいてぇよぉぉぉ!!」
俗に言う、ストーカー予備軍である。
- 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 00:23:15.50 ID:AnCOxVZe0
<丶`∀´>「そういえばギコって女連れてるとこ見たことないニダね」
( ^Д^) 「あいつそういうの嫌いだからなー」
<丶`∀´>「初恋ニカ……」
( ^Д^) 「初恋なんだろなぁ……」
<丶`∀´>「ウリもあんなに燃え上がるような恋してみたいもんニダね」
( ^Д^) 「え? ちょwwwおまwww何言ってんのwww」
<;ヽ/∀//>そ「え、いや、何でもないニダよ」
m9(^Д^)「お前が燃え上がるような恋とかプギャーwwww」
<;ヽ//∀//>「う、うるさいニダ!!」
m9(^Д^)プギャープギャープププップップギャープギャーギャギャー
- 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 00:26:22.56 ID:AnCOxVZe0
- そんなある日の昼下がり。
彼が、いつもの様にネーヨの屋敷を覗き見していると
(,,-Д゚)「ふふふ〜ん、ふ〜ん?」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ζ(゚ー゚*ζ三3 Σ三ξ゚听)ξ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(;゚Д゚)「あれっ!?いつもの場所にいねぇ!?」
ネーヨも少女もそこには不在、部屋には慌しく歩き回るメイドのみ。
慌てて窓という窓に目を走らせるが――
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
( ^ω^)(´∀` )モナオモナオモナオ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
見えるのは、それぞれの部屋の住人のみ――
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
アッー(゚A゚)ω゚`)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
どの窓からも、少女は見えず――
- 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 00:29:30.14 ID:AnCOxVZe0
- (;゚Д゚)「どこだよぉ……おっ!」
それは最上階の小さな窓、ネーヨの寝室
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(*゚−゚) (´ー`*)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
電気を消した部屋に 二人きり
笑顔のネーヨと、無表情の少女。
(,,゚Д゚)「……」
そしてネーヨは彼女の服に手をかけ――
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(* −) (;´ー`)そ ネーヨサマ!Σ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(* −) 三(;´ー`)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
その時、ギコは確かに見た。いたいけな少女の瞳から落ちる、一粒の涙を……。
- 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 00:32:47.22 ID:AnCOxVZe0
- (,,゚Д゚)「…………よし」
―次の日、少年は立ち上がる―
(*゚ー゚) 「ごめんくださーい」
( ^ω^)「おっ、ネーヨさんとこの奴隷の子かお
今日もいつもといっしょでいいかお?」
(*゚ー゚) 「はい、ありがとうございます」
( ^ω^)「毎度ありだおー」
(;゚ー゚) 「さっさと帰らなきゃ怒られちゃう……」
(,,゚Д゚)「ちょっとまってくれ!」
(;゚ー゚) 「は、はい! どちらさまですか!?」
(,,゚Д゚)「あぁ、あんたネーヨの奴隷だろ? ちょっと話いいk (;゚ー゚) 「時間無いので失礼しますっ!」
(,,;Д;) 「……」
―そして、見事に張っ倒される―
- 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 00:38:53.23 ID:AnCOxVZe0
- ―そして更に次の日―
(*゚ー゚) 「ふぅ〜。一息ついた〜」
(,,゚Д゚)「そりゃぁよかった」
(;゚ー゚) 「うわぁっ! えと、えと、昨日の人!」
(,,゚Д゚)「だな。で、今話大丈夫か?」
(;゚ー゚) 「あ、昨日はすみませんでした。
今日は一応、少しだけなら大丈夫ですが……」
- 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 00:41:34.53 ID:AnCOxVZe0
- (,,゚Д゚)「おう。すぐおわらせる。
……アンタ、ネーヨから逃げたくないか?」
(;゚ー゚) 「は、はい?」
(,,゚Д゚)「逃げたいか逃げたくないかだ」
(;゚ー゚) 「え、でも無理でしょ?jk……」
(,,゚Д゚)「アンタが逃げたいなら、俺がアンタを死んでも逃がす」
(;゚ー゚) 「何でそこまで……あ、わかった!
あなたご主人様に雇われたんですね!? 私たち奴隷の忠誠心を試してるんでしょ!?」
(,,-Д-)「いや。俺は只のストリートチルドレンだ。
実は……先日、アンタがネーヨの寝室で奴にされていた事を窓から見た」
(* ー ) 「あぁ、『アレ』、見られたんですか……」
(,,゚Д゚)「あんな事されても、まだ奴隷続けるつもりか?
それよりもう俺と (*;ー;)「あなたには関係無いでしょう!?」
(*;ー;) 「あなたの行為は余計なお世話です! 私のことは放っておいてください!
さようなら!!!」
そう言って彼女は走り出す。呆気に取られたギコは追うこともできない
(,,-Д-)「……何でだよチクショウ」
- 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 00:45:53.65 ID:AnCOxVZe0
- (*゚ー゚) 「みなさーん、ご飯の時間ですよ―!」
( ФωФ) 「もうそんな時間であるか。 腹が減ったのである」
| ^o^ |「ごはんですよ たのしみです」
| ^o^ |「それは のりのつくだにです」
('A`)「今日も疲れた……」
しぃは皆に声を掛けながら最奥の部屋へ。
椅子に座って内職をしている少年の背中に呼びかける
(*゚ー゚) 「ノーネ!、ご飯だよ!」
( ノAヽ)「わかったのね。
しぃ姉ちゃん、誰か僕をおぶってくれる人を探してきてほしいのね」
(*゚ー゚) 「わかった。ロマネスクさん呼んでくるね」
( ノAヽ)「ゴメンなのね。僕の足が動かないばかりに姉ちゃんに迷惑ばかりかけて……」
(*゚ー゚) 「はいはい、何いってんの。メイド長のデレさんもとっても優しいし、
ご主人様もとってもいい人じゃない?」
(* ー ) (足の動かないノーネを残してここから逃げるなんて、出来るわけないじゃない……)
- 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 00:51:55.01 ID:AnCOxVZe0
- 更に数日後
(,,-Д-)「くそっ、どうすりゃいいんだ。
このままじゃあの子はネーヨに汚されちまう。なんとかして、助けなきゃ」
( ^Д^) 「ようギコ、酷ぇ顔してるな。悩み事か?」
<丶`∀´>「ウリたちは強盗成功して財布も時間も心も余裕があるニダ。
どうしてもって言うんなら話を聞いてやってもいいニダよ」
(,,-Д-)「あぁ。実は、ネーヨの奴隷の子がkkkkskjkなワケで、その子を助け出そうと持ちかけたらが拒否されちまったんだ」
<丶`∀´>「kkkkskjkってwwwよめねぇニダwww」
(*^Д^) (おぉ、なんと初々しい)
<丶`∀´>(こいつ絶対始めての彼女と結婚したいとか思うタイプニダね)
( ^Д^) 「とりあえず、お前は何故そこまで悩んでんだ?
奴隷とヤリまくってる主人なんて腐るほどいるだろ」
<丶`∀´>「ギコは処女好きなんだニダwwwwホルホルww」
( ^Д^) 「それに相手に拒否されたんだろ?
お前にはもうその時点で出来ることは無いと思うが」
<丶`∀´>「役立たーずニダwwwwギコはやっぱり役立たーずニダwwww」
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 00:55:05.61 ID:AnCOxVZe0
- ( ^Д^) 「要するに、だ。お前のヒロイズムはただのエゴイズム
お前がやろうとしてるのは救出じゃなくてただの誘拐なんだよ」
<丶`∀´>「誘拐犯www拉致反対ニダ!拉致反対ニダ!」
(,,゚Д゚)「…………」
( ^Д^) 「だが、お前がそれをエゴと理解したうえでそれを貫き通そうってんなら俺たちは手を貸そう」
<丶`∀´>「ニダニダ。ウリ達がいるから安心するニダよ」(え?ウリもニカ?ウリも?)
(,,゚Д゚)「…………」
(,,;Д;)ブワッ
(;^Д^) 「おわっ、どうした!? 大丈夫か!?」
(,,;Д;)「すまねぇ、恩に着る。 お前ら、手伝ってくれるか?」
- 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 00:58:56.97 ID:AnCOxVZe0
- ( ^Д^) 「じゃぁとりあえず道具そろえにモララーのとこ行こうぜ」
(,,゚Д゚)「モララー?何だそりゃ?」
<丶`∀´>「ウリ達が強盗する時に道具を用意してくれた旅商人ニダ。スポンサーってやつニダね
成功したのはモララーのおかげだったニダよ」
(,,゚Д゚)「ふーん。まぁ、行こうか。そのモララーさんとこへ」
「その必要はありませんよ」
彼らが声のほうに振り向くと、夕闇をその身に纏ったかのような全身黒ずくめの男が何食わぬ顔で立っている
(;^Д^)「んで、こういう登場の仕方が大好きなおっさん」
刈り上げた黒髪に黒い中折れ帽、黒いスーツの袖口から伸びる手には黒のレザーグローブ
おまけに真っ黒の革靴というなんとも黒い格好である。
だが、何よりも特筆すべきは……
( ▼∀・)「はじめましてギコくん。 私、セールスマンのモララーと申します」
(,,゚Д゚)「あぁ、はじめまして」(黒の眼帯ってwww厨二病www)
- 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 01:02:08.40 ID:AnCOxVZe0
- ( ▼∀・)「それで? 私に用があるのではないですか?」
( ^Д^) 「あぁ、モララー。 アンタどうせ話は聞いてたんだろ? コイツに協力してやってくれないか?
金ならこの前のでたっぷりあるからさ」
( ▼∀・)「ふむ……」
(;゚Д゚)「よ、よろしくお願いします」(顔近い、顔近い)
モララーは片方しか無い目で、ギコの瞳をじっと覗き込む。
( ▼∀-)「ダメですね。今の貴方には協力できかねます」
数秒の後に戻ってきた返事は、彼らの期待とは違う物。
( ▼∀-)「私がいいと判断したときには、是非協力して上げましょう」
( ▼∀・)「ですが、今はダメです。 もう少し機を見計らって見るのもいいかと思いますよ」
(;゚Д゚)「で、でも……」
なおも食い下がるギコをプギャーが制した
( ^Д^) 「気持ちはわかるがな、モララーの助け無しじゃその子助けられないだろ。
それに、まだその子は最後までやられちゃったわけじゃないんだから、落ち着け。」
( ▼∀・)「そういうことです。それに、私は諦めろと言っている訳ではありません。然るべき時には協力は惜しみません」
これにはギコも黙らないわけには行かなかった。
- 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 01:05:32.46 ID:AnCOxVZe0
- そしてそれからまた数日。
彼が立つのは例の丘
彼が覗くは例の家、彼が見つめるあの二人
彼の想いは少女を焦がし、彼の憎悪は男を燃やす
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(*;−;) (´ー`*)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
少女は嫌がり、泣き叫ぶ。
叫び、暴れ、必死に抗う。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(* ;−;メ)そ⊂(´ー`#)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ネーヨは怒り、少女を殴る
何度も、何度も、何度も殴る
- 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 01:09:58.77 ID:AnCOxVZe0
- 少女が動かなくなったころ ネーヨはゆっくりと服を脱がせる
彼女を守る最後の薄布 それがたった今、剥がされた――。
(#゚Д゚)「うああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
清らかなその体に、汚れた手が触れている
彼女を守ることは、自分には出来ないのか
守ることすら出来ない自分は、何の役にも立たないのか
答えなど出すことも出来ずに、溢れ出る絶望と憤怒を撒き散らし、叫びながら、ただ走る――。
彼の肩に置かれる手。 動きを止めた彼に話しかける声。
( ▼∀-)「この剣を使いなさい。剣技など無くとも大丈夫です」
モララーの左手には、鈍く輝く銀色の剣
彼が渡された剣を受け取るやいなや、彼の顔からそれまで鬼のようだった怒りの表情が消えた。
いや、それはまるで、全ての感情が消え去ってしまったかのような……
(,, Д )「…………」
- 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 01:13:05.42 ID:AnCOxVZe0
- ( ▼∀・)「試してみますか?」
モララーはいつのまにか、ギコが持っているものとは別の剣を持っていた。
カタナと呼ばれる東洋の剣。 その剣で、踏み込みと同時に斬りかかる。
ギコは剣でそれを弾き、一閃――。
( ▼∀/
/-)「あら……」
肉の潰れる音とともに倒れこむ、真っ二つの肉塊。
(,, Д )「……」
それを跨ぐ彼の前に、二つの影が現れる
(;^Д^) 「オイ、ギコ!お前なにしてんだよ!」
(;^/ /Д^) 「大tア…レ?」
<丶;Д/ /;>「プギャー! ギコ、ウリのチングをっ……!」
くず折れる二人を踏みしめ、彼は歩き出す。
- 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 01:18:20.35 ID:AnCOxVZe0
(,, Д )「……」
清らかなその体に、汚れた手が触れているのならば
彼女を守ることは、自分には出来ないのならば
いっそのこと、その手を、彼女にとって害になるもの全てを
壊してしまえばいい
血と憎悪で染まった体は、清らかとは程遠い。
重たい剣を引きずってゆっくりと屋敷に向かうその姿は、風と呼ぶには悲しすぎよう。
憎しみと狂気の化身が
ゆっくりと、長い長い坂をのぼっていく
- 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 01:21:12.55 ID:AnCOxVZe0
- その頃、3つの死体が転がる道では――
( ▼∀/ 「ふぅ……しかし、見事にやってくれましたね」
今や半分だけとなった一つの死体の頭部が喋っている。
生きている?
否、この状態で生きられる者など存在できようか。
( ▼∀//-)「よっと。 これは面白いことになりそうです」
ならば、死んでいる?
それも否、死人は喋ることなど出来はしない
彼が千切れた顔をあわせると、一瞬で皮膚が再生した。
後には、傷跡すら残らない。
( ▼∀・)「それでいいんですよ、ギコくん。」
( ▼∀-)「悩むくらいならば、全てを燃やし尽してしまいなさい。
壊すべきもの、守るべきもの、全て消し去ってしまえば、貴方には自由しか残らない」
- 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 01:24:33.12 ID:AnCOxVZe0
- 坂を上りきったギコを、二人の門番が呼びかけた。
少年が剣を引き摺りながらフラフラと歩いているのだから当然だろう。
('e') 「おい!そこのお前!」
(-@∀@)「何のようでここに来た」
(,, Д )「…………」
('e';)「なっ……」
答えもせずに剣を振り上げる少年。
門番も慌てて帯剣を抜く。
心地よい金属音が二つ響いた後に、肉の裂ける音と、血の噴出す音。
一瞬遅れて、何かが倒れる音が響く――。
(;-@∀@)「う、うわ、わわわ……」
恐怖で喋ることもままならないもう一人の首を飛ばし、屋敷の中へ。
- 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 01:27:18.85 ID:AnCOxVZe0
- 玄関の扉を開けると、数人のメイドが出迎えに走ってくる。
ζ(゚ー゚*ζ「どちらさまですk……え?」
突然の来襲者に二の句も告げない彼女は、暫く首と胴体が分離していることにすら気付かなかった。
司令塔を失った胴体は、燭台に倒れこみ、ゆっくりと燃えて行く
ξ;凵G)ξ「いやぁぁぁぁぁ!!!!」
泣き叫ぶメイドの心臓を一突き。
自分の胸を見ながらまだ叫んでいる。
うるさい。
そのまま切り上げて顔を真っ二つにする。
| ^o^ |「しんにゅうしゃ はっけん ただちに はいじょします」
| ^o^ |「けんぎは ならっていませんが がんばります」
この家の奴隷だろうか、ひょろひょろの優男二人が剣を持って走りよってきた。
その剣を振り下ろす前に、自分の剣で払い落とす。
| ^o^ |「これは しんだかも わからんね」
| ^o^ |「じんせい おわた」
二人の腹を横薙ぎに切り裂き、更に進む
- 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 01:30:19.40 ID:AnCOxVZe0
- どうやら先の燭台から、火事が発生したらしい。
燃え盛る屋敷を逃げ惑う奴隷や使用人を切り払いながら、たどり着いた先は、この屋敷の主人、ネーヨの寝室。
ドアを蹴破る。
小刻みに震えているベッドの膨らみの隣5cmに剣を突き刺す。
「ヒィッ!」
(,, Д )「布団をどけろ」
(;´ー`)「わ、わかったーよ。頼むから殺さないでくれーy (,, Д )「黙れ」
喉元に剣を突きつける
(;´ー`)「…………」
(,, Д )「最近、俺と同じ位の年の少女奴隷を買っただろう」
(;´ー`)「……しぃの事かーよ」
その言葉を聴いて、自分が今まで彼女の名前を知らなかった事に気付いた。
この男の方が、この醜い豚のような男の方が、自分よりも彼女に近かったのか。
苛立ちに任せて、豚の右腕を切り落とす
- 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 01:34:01.16 ID:AnCOxVZe0
- (;´ー`)そ「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!何でだーよ!俺の腕返せーよ!!ちゃんと話したーよ! (,, Д )「黙れ」
左腕も切り落とす。
これでこの男は、あの子を殴ることなど出来ない。あの子に触れることも出来ない。
(,, Д )「お前はあの子になにをした」
(;´ー`)「な、何って……男と女がすることと言ったら一つだーよ……」
ネーヨから左足を奪い取る。
(,, Д )「それはあの子の合意の上でか?」
地べたに這い蹲る芋虫に尋ねる
(;´ー`)「頼むーよ……助けてくれーよ……奴隷には合意なんか要らないじゃねーかよ……」
残った右足に剣をつきたてる
(;´ー`)「アアアアアアアアァァァッァァ!!!!」
(,, Д )「最後の質問だ 彼女はどこに居る?」
(;´ー`)「ち、地下の奴隷部屋に……がはッ!」
心臓を一突き。
地下に居るのか、急がなければ……
- 74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 01:39:39.22 ID:AnCOxVZe0
- 地下には殆ど人がいない。逃げようと上に上がってきたのか。どちらにしろ俺が全て殺したが。
どちらにしろ後ろは火の海だ。 あの子を探そう。
歩き出したた俺の前に、二人の男が立ちはだかった。
剣を持った優男と、素手で半裸の大男
(;ФωФ)「むぅ、ここまできおったのか。奴隷部屋などに何故……」
('∀`)「えへへ、俺らが好きなんじゃね。あへへ」
( ФωФ)「仕方ない。ドクオ、やるであるぞ。しぃとノーネはまだ子供。
この男やこの男の起こした惨劇を見せるわけには行かぬ」
('∀`)「了解。ばっらばらにしてやんよwwww」
(,, Д ) 「……邪魔だ」
大男を袈裟切りに切りつける――
(#ФωФ)「破ッ!」
剣を弾かれ――
('∀`)「HYAAAAAAAAA!!!!!!」
剣を離した左手を持っていかれる
('∀`)「ひゃっっはぁぁぁ アレ?」
だが、剣はまだ持っている。 残った右手で、優男の首を飛ばす。
- 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 01:42:51.57 ID:AnCOxVZe0
- (;ФωФ)そ「ドクオっ! 」
(#ФωФ) 「貴様ぁ!」
大男が殴りかかってくる
怒りで頭が沸騰してしまったのか、スピードもキレも無い一撃。
軽くいなして、脳天をかち割る。
( ФωФ)「あ"っ…… しぃ……ノーネ……逃げ…」
倒れたその頭を更に剣で突き刺し、先へ進む
(,, Д )「……」
再奥の部屋には、椅子に座っている彼女と、彼女に抱きかかえられている少年が。
(,, Д )「さがs ( ノAヽ)「し、しぃ姉ちゃんにさわるな!!!」
(,, Д )「……」
(#ノAヽ)「しぃ姉ちゃんは、ぼ、僕が守るのね!!」
(;゚ー゚) 「だ、ダメよノーネ!」
姉の手を振り解き、足が動かないのだろうか、這い蹲ってゆっくりとこっちに向かってくる少年。
こんな、歩くことすら出来ない人間に何が出来るというのか……。
- 76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 01:46:18.63 ID:AnCOxVZe0
- (,, Д )「邪魔だ」
心臓に剣をつきたてる、が、それでも向かってくる。
構わず歩を進めると、足にしがみつき、離れない。
(,, Д )「ちぃっ」
腕を切り離してやる
足に噛み付いて離れない。
仕方が無い。首を切り落と (*;ー;) 「きゃぁぁぁぁああ!!!!」
切り落とすと同時に、少女の悲鳴が響き渡る。
俺を見つめるその目は、恐怖のみ――。
――ダメだ。俺が彼女を守る盾になるんだ。剣は必要無い
この剣を、手離さなければ……――
カラリと音を立てて、剣が落ちた。
- 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 01:49:58.22 ID:AnCOxVZe0
- 次の瞬間、足元に転がる少年を見て、自分の所業を思い出した
(,,;Д;)「あ……あ……」
「えへへ……へへ……」
笑い声が響く。
「えひひひひひ……」
誰だ、誰が笑っている?
「あひゃひゃひゃひゃひゃ」
俺か?俺が笑っているのか?
「アヒャヒャヒャヒャ」
違う。彼女だ。
(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!」
狂気に取り付かれたかのように笑い、叫ぶ彼女の腕には、俺の剣。
そして、その剣は、その殺意は、紛れも無く俺に向けられていた。
(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャ!!!」
そのまま剣を振りかぶる彼女
何のためらいも無く、真っ直ぐに振り下す――。
- 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 01:54:04.58 ID:AnCOxVZe0
- (,,;Д;)「チクショウッ!」
あんなことをした自分に生きる権利など無いが、彼女に人を殺させるわけには行かない。
振り下ろされる剣を避け、手首を捻り上げ、落ちた剣を奪い取る
(*゚∀゚)「アヒャッ……」
―斬れ―
―壊せ―
―殺せ―
(#゚Д゚)「うあぁぁぁぁ!!」
剣を遠くへ放り投げる。
その直後、後ろで誰かが倒れる音がした。
(;゚Д゚)「おい、大丈夫か!」
慌てて抱きかかえようとしたその手が、返り血で真っ赤に染められているのに気付く。
(,,-Д-)「こんな手でこの子に触れるわけにはいかない……か。」
その時、突然轟音が轟いた。
後ろを振り向くと、そこは火の海、通路は瓦礫で塞がれている。
(;゚Д゚)「八方塞がり……かよ」
- 81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 01:58:13.95 ID:AnCOxVZe0
- (;゚Д゚)「どうやら逃げ道は無いらしいな」
(* ー ) 「ケホッ……」
(;゚Д゚)「空気も薄くなってきてる。なにより煙が酷い」
(,,-Д-)「…………仕方無い、か……」
瓦礫の山まで歩いていき、落ちている剣を拾い上げる。
不思議と、何の衝動も欲望も感じない。
(,,-Д-)「すまねぇ、出来るだけ苦しまないように終らせる」
ゆっくりと、剣を振り上げ
一気に振り下ろした
- 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 02:02:33.99 ID:AnCOxVZe0
- 次の日、町は騒然となった。
町一番の富豪の家が、一夜にして灰になったのだ。
生存者はゼロ。 門の前には、合わせて4つになった2人の門番。
地下の奴隷部屋は瓦礫でふさがり、開通させることは無理だという。
中に居たのが奴隷ということもあり、開通させろとの声は出なかった。
そして、街にはこれまた、二人のストリートチルドレンの死体が転がっていたと。
だが、全身黒ずくめの眼帯男の死体は見つかっていないという……
第三話 終
- 84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 02:05:52.56 ID:AnCOxVZe0
- (;´_ゝ`)「また……さっきの話との落差が凄いな……」
(―■∀■)「重過ぎる想いは時に人を押し潰す という事でしょうか」
(* ´_ゝ`)「それで話も重い物になるとは之如何に」
(―■∀■)「10点満点で3点ですね」
(;´_ゝ`)「まぁそんなもんか」
( ´_ゝ`)「それで?あんたあいつも裁いたんだろ。天国に行ったのか?地獄に落ちたのか?」
(―■∀■)「当然、地獄に落としましたよ?」
(;´_ゝ`)「なっ……。 あの剣は妖刀の類だろ?
そこんとこ温情措置はないのか?」
(―■∀■)「あの少年は、人を殺す剣を手に取った。 それだけで、殺す意思は十分です。
例え、誰かにそそのかされたとしても」
( ´_ゝ`)「……。 そんなもんなのかね……」
- 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 02:10:36.06 ID:AnCOxVZe0
- ( ´_ゝ`)「ところで、その「誰か」のことなんだが。 あの商人、モララーといったか? 何者だ?」
(―■∀■)「あなたもこの仕事を続ければ、たまに彼が目に入ることがあるでしょう」
(―■∀■)「彼は時代、場所問わず色々な物語を渡り歩きます
死ぬことも無く、かならず災厄を撒き散らし、気が付いたときには消えている」
( ´_ゝ`)「何者かはあんたも知らないって事だな」
(―■∀■)「まぁ、そういうことです」
( ´_ゝ`)「…………。
それで?わざわざこれを持ってきたって事は、俺かコイツにモララーを見せたかったんだろ?」
(―■∀■)「えぇ。あなたに覚えていてもらいたいことがありますす。
これから先、しばしば彼や他の要因によって、地獄に行くべき所業をを犯してしまう人間が出るでしょう。
その方々を、しっかりと見て裁いて下さい。 特に、人を傷つける意思が少しでもあったかを。
必要以上に罪を与える必要は無いですが、同情してはいけない。
彼らの償うべき罪を奪ってしまってはいけない。
その事を、肝に銘じておいてください」
( ´_ゝ`)「分かった。出来るかはわからないが、努力する」
(―■∀■)「よろしくおねがいします」
- 87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/24(月) 02:12:48.84 ID:AnCOxVZe0
(-■∀■-)「おや、もうこんな時間ですね。 あなたもそろそろおやすみの時間ではないでしょうか?」
( ´_ゝ` )「おぉ、もう2時を過ぎてるじゃないか。 良い子は寝る時間だな」
(-■∀■-)「また、遊びにいらっしゃるのを楽しみにしていますよ」
( ´_ゝ` )「それじゃまた、 どこかの誰かの物語で な」
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