( ^ω^)謎公園のようです

2 名前: ◆VvVid8msb2 投稿日:2011/08/07(日) 20:40:06.14 ID:pcV12Y7q0
PL「SundayMysteryParks...」




 ――君は、休日をどう過ごしているだろうか。

 と聞いたら多種多様の答えが返ってくることは必至だ。


 僕の場合は、よく公園に行っていた。
 この国、VIP一のシンボルにして世界一の規模の公園。

 その名も「VIPグラウンドヴィレッジ国立公園」だ。

 無論、名前ぐらいは聞いたことがあるだろう。
 僕は子供の頃から今に至るまで、ずっとこの公園で遊んでいた。

 この公園は僕ら子供には「グラウンド」と略され毎日通われ、大人からも愛される正に人気者の公園だった。
 名前の意味、「大地の村」と称するに相応しい、敷地と内面共に広大な公園だった。

3 名前: ◆VvVid8msb2 投稿日:2011/08/07(日) 20:40:29.65 ID:pcV12Y7q0
 しかし、グラウンドヴィレッジにはおかしな不思議がある。
 実際グラウンドヴィレッジ七不思議なる物も存在するのだが、それ以上の本格的な不思議だ。

 例えば、だ。

 圧倒的過ぎる発展途上国VIPにとって、この公園だけが世界に誇れた。
 そして、国家予算三年分程の金額をかけて作られたのだ。
 その結果として、このグラウンドヴィレッジはあらゆる意味の全世界一の規模を誇る。

 まるで、グラウンドヴィレッジがこの国の全てとでも言うように。

 たかだか公園に国家予算をそこまで譲る理由がない。
 それこそ、第一の不思議だった。

 子供の頃はそんな事気にせず遊んでいたのだが、今となると不思議でたまらない。
 うん。今も不思議なのが現状だ。

 だけど、この事を解明するのは不可能だ。
 この広大な公園には本部と言うものがない。

5 名前: ◆VvVid8msb2 投稿日:2011/08/07(日) 20:40:45.17 ID:pcV12Y7q0
 というより、見つからないのだ。
 公園内に立ち入り禁止エリアは星の数ほどあり、その中のどれかと言われているが、表にも裏にも本部らしきものは見当たらない。
 尚、立ち入り禁止エリア付近には監視員がいて、入るには入れない。

 ここで、好奇心溢れるやんちゃな人は夜に公園に侵入しようとするだろうか?
 しかし、それは不可能だった。

 このグラウンドヴィレッジは夜の十時以降は滞在できない、というルールがある。
 十時以降に監視員に見つかると、問答無用で外に放り出される。
 監視員の目は常にギラギラ光っており、これまで彼らの監視を逃れた者はいない。

 大体、このグラウンドヴィレッジは馬車で小一時間かかる。

 というのも、グラウンドヴィレッジ自体が大きすぎて、中枢部の公園らしい公園まで行くのは時間がかかる。
 因みに、グラウンドヴィレッジは森が全体を覆っている。無論虎や豹等危険な動物もいるわけだ。

6 名前: ◆VvVid8msb2 投稿日:2011/08/07(日) 20:41:05.79 ID:pcV12Y7q0
 さらに、グラウンドヴィレッジの森林部分――グラウンドと呼ばれるその森林地帯の先には大きな柵があり、やはり此処も門限がある。
 簡単に言うと、中心部の周りに森林部分があり、森林部分の周りに門限付の柵があるのだ。
 つまり、夜になるとグラウンドヴィレッジに入ることはおろか、次の朝まで出ることすら出来ない。

 お分かりいただけただろうか?
 つまり、この国の象徴、グラウンドヴィレッジは夜は厳重すぎるほど出入り不可のミステリーゾーンなのだ。

7 名前: ◆VvVid8msb2 投稿日:2011/08/07(日) 20:41:34.07 ID:pcV12Y7q0
 ――そう、昔は思っていた。
 実際大部分の人はそう思うだろう。

 しかし、この国がどういう国なのか、僕はまだその頃知らなかった。
 うん。まああの時は変革の時だったのかな?

 此処から先は僕の摩訶不思議な話となる。
 長くなるだろうが…付き合ってくれると僕は嬉しい。
 そろそろ僕の命も尽きるかもしれないんだし、書いておいて損はないだろう。

 ま、下らないかもしれないけど、宜しく頼むよ。


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