- 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 22:20:13.74 ID:Y+V5qposO
- …ダメだ。
逃げちゃダメだ。
逃げちゃダメだ。
逃げちゃダメだ。
('A`;)「…逃げちゃダメだァァァァ!!!!」
意を決して、通話ボタンを押す。
('A`)「…もしもし」
川 ゚ -゚)「ドクオ、か」
良かった。
クーの声は落ち着いている。
これなら多分、大丈夫…
('A`)「うん」
川 - )「…死にたい」
(゚A゚;)キタァァァァー!!!!!
…では無かったらしい。
- 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 22:24:14.27 ID:Y+V5qposO
- 俺の名前は鬱田ドクオ。
顔も特徴ナシ。
頭も平凡より下。
運動も特に好きじゃない。
あと世に言うオタク。
どこにでもいる高校2年生…なんだけど、まあ…うん。
俺はある特異体質の持ち主らしい。
('A`)
「…………」
川 ゚ -゚)
「やっ、待ったか?」
そんで、この娘。
名前はクー。
とりあえず、美少女で巨乳。
頭もそこそこいいし、ちょっと言葉使いが固い以外は普通の美少女。
うん、美少女。
('A`)「ん、全然待ってないよー」
川 ゚ -゚)「そうか、じゃあ行k」
(若者)「あーあ、本当まじアイツ死ねばいいのになー」
…あ。
- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 22:26:00.53 ID:Y+V5qposO
- 川 - )「…………」
('A`;)「く…クー?」
川 ゚ -゚)「…死にたい」
(゚A゚)「キタァァァァ!!!!」
彼女、メンヘラなんです。
- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 22:26:45.69 ID:Y+V5qposO
('A`)ようするに不憫な男の話です川 ゚ -゚)
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 22:28:26.72 ID:Y+V5qposO
- 川;゚ -゚)「……ふぅ」
俺はあの後、無理矢理クーに薬を飲ませてなんとか落ち着かせた訳で。
('A`メ)「落ち着いた?」
俺は彼女が取り出したカッターナイフで頬が切れた訳で。
川;゚ -゚)「ドクオ…傷…」
('∀`メ)「ぁー…こんなん大丈夫だよ」
ちょっと…というか、かなり痛いけど。
へらへら笑って見せた。
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 22:29:55.82 ID:Y+V5qposO
- まぁ、俺とクーはとりあえず近くのマックに行った訳で。
川;゚ -゚)「なぁ…ドクオ、その傷大丈夫なのか?…やっぱり、やばくないか?」
クーが傷の周りを、やさしく撫でる。
ああっ、やめて…
あっ、やっぱ止めないで…
痛いけど…
('A`メ)「…あー、大丈夫大丈夫。こんくらいお前と遊んだらしょっちゅうだろ」
川;゚ -゚)「あ、あぁ…本当にすまない…」
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 22:31:09.80 ID:Y+V5qposO
- なんとなく、窓側の席に落ち着く俺達。
川 ゚ -゚)「しかし…ドクオと遊ぶのも久しぶりだな」
('A`)「んあぁ、そうだなw」
ちょっと前はしょっちゅう会っていたが、出来れば会いたくない人種だからな…。
などと思っていたが、久しぶりに会ってみるとこれが結構デートみたいでいやはやフヒヒ。
('∀`)「…………」
川 ゚ -゚)「…ドクオ?」
('A`;)
「あっ、あ、うん!緑川光はかっこいいよな!」
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 22:33:32.35 ID:Y+V5qposO
- ちょっとの間をおいて、クーが首をひねった。
川;゚ -゚)「いや…緑川がかっこいいのはわかるが、今はお互いの近況の話だぞ」
('A`)「…………」
まあ、そんな訳で。
川 ゚ -゚)「最近はどうだ?高校は上手くやってけてるのか?」
クーがポテトをつまみながら聞く。
('A`)「まぁな、それなりに友達もいるよ。お前はまだフリースクールか?」
クーは頷く。
川 ゚ -゚)「あぁ。…お前がいなくなってから、少し寂しい」
そう呟き、俯いたクーの可愛い事ときたら…。
しかし、ポケットの中のカッターナイフ(さっき没収した)が、彼女はメンヘラなんだという現実に俺を引き戻した。
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 22:35:34.86 ID:Y+V5qposO
- ('A`)「俺がいなくなってからって…中学卒業からじゃねぇかwまだ1年くらいだぜ」
川 ゚ -゚)
「…それでも寂しいものは寂しいのだ」
今日のクー、デレじゃね?
ふと、思った。
※
川 ゚ -゚)「さて………」
腹ごしらえも終わったし、とクーが立ち上がる。
('A`)「ん、どっか行くのか?」
川 ゚ -゚)「あぁ、行った筈だぞ?カラオケに行きたいって」
そういえば。
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 22:38:26.59 ID:Y+V5qposO
- 確かにメールでカラオケ行きたいって言ってたな…。
('A`)「うっしゃ、じゃあ行くか」
俺も立ち上がって、ジャケットを羽織り直す。
川 ゚ -゚)「ちょうど近くにあるカラオケの、割引券を貰ったんだ」
グッ('A`)b
「GJ!」
と、いう訳で。
俺達は近所のカラオケに来ていた。
川 ゚ -゚)「ポーニョポーニョポニョ魚の子ー!」
('A`)(…ちょっ、歌声可愛いなおい…)
まぁ、なんというか。
クーは程良い音痴で、良かったです。
はい。
- 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 22:40:18.18 ID:Y+V5qposO
- 川 ゚ -゚)「次はドクオか。何を入れたんだ?」
('A`)「ヴィジュアル系の曲だよー」
とりあえず、お気に入りの曲を入れた俺は、クーの前というのもあり特に気合を入れて歌い始めた。
('A`)「ひーきこーもり気味の僕ー!小さなー勇気を振り絞りー!さらってーみたーいなーそだててーみたーいなー!」
まぁ、歌詞の内容は別にして。
ここまでは、特に問題無かったんだよね。
あぁ、ここまでは…。
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 22:43:48.01 ID:Y+V5qposO
- ('A`)「のーたりん!!のーたりん!!」
('A`)「死ねェ!!」
…あ。
('A`)「…………」
(;'A`)「……………」
( ;'A)「………………」
( ;゚A) 川 - )「ブツブツ…死のう…」
。( A。;)「イヤー!!!!!!!」
っていうか。
っていうか…
っていうかさぁ!!!
川; - )「ごめんなさい…生まれてきてごめんなさい…死ぬから…死ぬから…」
なんで新しいカッターナイフ持ってる訳?
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 22:47:19.29 ID:Y+V5qposO
- (;゚A゚)「っ……」
慌ててポケットの中をまさぐるが、確かにカッターナイフはあった。
え?
じゃあ…
この子、2本目取り出した訳?
(; A )゚ ゚「超用意イインダヨー!!!!」
とりあえず、俺はクーの手を掴んだ。
今にも手首をざっくり切りそうだったから。
(;'A`)「ク、クー!!落ち着け!!死ななくていいから、とりあえず落ち着け!!」
しかし、クーは俺の腕を振り払う。
- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 22:49:29.20 ID:Y+V5qposO
- そして、再びカッターナイフの刃を手首に当てる。
(;'A`)(ダメだ…もう仕方ねぇ…こいつを使う!!)
ポケットから取り出した錠剤。
さっき、マックにいる間クーに何かあったら無理矢理飲ませてくれと言われて手渡されたこの安定剤。
ちなみに、朝はクーの鞄を漁ってこれを取り出して飲ませた訳で。
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 22:53:11.21 ID:Y+V5qposO
- (;'A`)「クー…恨むなよ…」
ゆっくりと、静かにクーに後ろから近づく。
そして。
(゚A゚)「はいだらァァー!!」
飛びかかる。
まずは腕を軽くねじ上げながら、カッターナイフを回収。
刃をしまってポケットへ。
さらに思い切り頭を掴んで体勢をチェンジ。
クーの膝に座り込み、抑え込んだクーの口を無理矢理こじ開ける。
川 ; -;)
「〜っ!!!」
苦しそうなクーは可哀想だが、手を緩めればこちらが殺られる…!
そう思って心を鬼にした。
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 22:57:10.42 ID:Y+V5qposO
- ('A`;)「飲んでくれ!頼む!飲め!!」
錠剤を口に放り込んだ後は、コップの水を思い切り流し込み、最後に無理矢理口を閉じる。
川 ; -;)
「っ〜!!〜んッ!」
('A`;)「暴れるな!!飲め!!頼むから…!!」
しばらく、そう…5分くらいだろうか。
俺はずっと暴れるクーを抑えつけていた。
そうやってしている内に薬を飲み込んだのか、クーもだんだんと落ち着きを取り戻してきた。
川; - )「っ……はぁ……はぁ」
(;'A`)「…クー。落ち着いたか?」
クーは肩を揺らして、荒い呼吸を繰り返す。
もうしばらくすると薬が完全に効いたのか、クーは呼吸も落ち着いていた。
川;゚ -゚)
「ドクオ…すまない…また、君に迷惑をかけたようだ…」
('∀`;)
「…ハハッ、いいってことよ。気にすんなw」
また俺はヘラヘラ笑って、クーの肩を叩く。
はい、ごめんなさい。
かなり、怖かったです。
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 23:00:09.47 ID:Y+V5qposO
- 実は超、怖かったんです。
ポケットの中の2本のカッターナイフは、俺の勲章かもしれない。
まぁ、そんなこんなで。
カラオケを後にした俺達はゲーセンに寄った後、とりあえず何をするとでもなく街をぶらついていた。
川 ゚ -゚)「しかし、最近はめっきり寒くなってきたな…」
('A`)「あーぁ、そうだな。ま、もう秋だしなぁ…」
そんな他愛無い会話をしている俺達の前方に、DQNを確認。
レーダーが激しく反応する。
<ヽ`∀´> (゜3゜)
ワイワイガヤガヤ
あー、やっば。
もう、ギンっギン。
超、レーダーが危険信号出してる。
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 23:02:43.10 ID:Y+V5qposO
- (;'A川 ゚ -゚)?
「…クー」
「…どうした?」
「…前から歩いてくる二人…」
「ああ…なんだか…」
「「すごく、DQNです…」」
とりあえず、俺のレーダーの危険信号はクーにも届いていたらしい。
<ヽ`∀´>(゜3゜)
ワイワイガヤガヤ
すれ違う瞬間、目を伏せた。
兎に角、あの程度の輩なら目さえ合わせなければどうという事は――――――
ドン。
('A`)「…………」
<ヽ`∀´>「…………」
- 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 23:05:28.93 ID:Y+V5qposO
- <ヽ`∀´>「あれー?キミ、何ぶつかっちゃってんのー?」
こいつ。
(; A。)。「やりやがったー!!!!」
どうやら危険信号を読み違えたらしい。
こいつ、スキル「自分からぶつかっといて文句」を持ってるDQNだった…!!
こういう時は…あれしかない。
('∀`)「あー、どうもサーセンした。前見てなくて…俺の不注意っした」
川;゚ -゚)「…………」
クーは心配そうに俺を見つめる。
- 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 23:06:35.24 ID:Y+V5qposO
- 大丈夫だ、クー。
こいつらは多分、スキル「笑顔で素直に謝る」を発動すれば帰る筈なんだ。
だから安心してくれ。
(゜3゜)「お前、何?マジ何なの?何ヘラヘラ笑ってんの?」
(;゚A。)(空気読まないの居たー!!!!!)
('A`;)「あっ、まじ、ホントにサーセン…ごめんなさい…」
<ヽ`∀´#>「ヘラヘラ笑ってりゃいいんじゃないんだよ!きもちわりーな…」
…ん?
いや、待てよ…?
もしかしたら…
この流れは…。
一つの希望が、あった。
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 23:14:18.65 ID:Y+V5qposO
- ニヤニヤ('∀`)(さぁ!!言え!!早く!!)
<ヽ`∀´#>「テメー!ニヤニヤニヤニヤしやがって!」
ニヤニヤ('∀`*)ニヤニヤ
(゜3゜#)「テメー…いい加減にしねぇと、ブッ殺すぞゴルァ!!」
「ブッ殺すぞ」。
「ブッ殺すぞ」。
そう言って、DQNの片割れが俺の首根っこをつかんだ瞬間、俺は勝利を確信した。
。゚+。゚d(*'∀`*)b゚+。゚。
「時 は 満 ち た」
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 23:17:07.67 ID:Y+V5qposO
- 突如として辺りを支配する陰鬱な空気。
その異質さに気付いたのか、二人はいきなり静かになった。
('A`)「…………」
襟をひっつかまれながら、ちらと後ろを見る。
川; - )
「…ブツブツ…ブツブツ…」
クーの手が、鞄に伸びる。
そして出てきたのは…
('∀`)
「勝 っ た … !」
カ ッ タ ー !
クーが、ゆったりと顔を上げた。
川 ゚ ー゚)
「殺して…くれるの?」
微笑みながらそう言って、チキチキとカッターナイフの刃を出す。
微笑みながら、だからね。
- 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 23:18:58.37 ID:Y+V5qposO
- ('∀`*)「ああ、そうらしいよ…やったね!」
俺も機転を利かせて、ポケットからクーのカッターナイフを取り出して刃を出した。
DQN二人の顔つきが、みるみる怪しくなる。
<;ヽ`∀´;>(;゜3;゜;)
(なぁ…こいつら…やばくね…!?)
(*'∀`)川 ゚ ー゚)「殺して…下さい…」
<;ヽ;゚∀゚;>「やばい!!やばいって!!こいつらおかしいって!!」
(;゜3゜;)「に、にに、にに逃げるぞ!!」
そうして、二人は走り去っていってしまった。
('A`;)「フゥ…助かった…」
さて、問題は…。
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 23:21:54.54 ID:Y+V5qposO
- (A`;)
「……よし、」
覚悟を決める。
僕は大丈夫、もう何があっても大丈夫。
よし。
(;'A)チラ
川; - )「う…ぅ…殺してよ…殺して…お願い…」
(;A; )「……はぁ……」
僕、折れそうだよママン。
とりあえず、ずっとスイッチが入ったままのクーを人通りのある場所に置いておく訳にもいかず。
('A`;)
「仕方ない…」
俺はクーを人気の無い裏通りに引っ張り込んだ。
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 23:25:35.76 ID:Y+V5qposO
- まずはカッターを渡してもらおうと思った訳で。
('A`;)「クー…頼む、カッター渡してくんね…?」
しかし、クーは全く聞いていない様子で辺りを見回す。
川 - )「…なぁ、ドクオ…」
不思議と落ち着いた表情のクーが、ゆっくり俺に向き直った。
川 ゚ -゚)「ここ、良いな…」
('A`;)「…え?…何が?」
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 23:26:17.65 ID:Y+V5qposO
川 ゚ -゚)「死ぬのに」
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 23:27:53.36 ID:Y+V5qposO
- そして、クーはおもむろに手首へカッターナイフの刃を当てた。
('A`;)「ちょ…おまっ…!!」
とっさにポケットを探る。
薬は……無い!?
…そういえば。
…マクドナルドで渡されたのは一回分だった…。
あるのは、没収したカッターナイフだけで。
薬が入ったバッグはクーが持っている訳で。
どうする?!俺?!
('A`;)
(どうすんのよ?!)
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 23:31:16.99 ID:Y+V5qposO
- とりあえず、カッターナイフは奪いたい。
そう、考えた。
('A`;)
「な、なぁ、クー」
川 ゚ -゚)「ん…どうした?」
('A`;)
(押し倒して力ずくで飲ませるか…?いや、誰かが来て誤解されたら面倒か…)
な ら …
や る し か ね ぇ だ ろ !!
俺の中の孔明様、頼みました。
从'ー'从(はわわ〜!メンヘラが来ちゃいました〜!)
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 23:34:08.05 ID:Y+V5qposO
- ('A`)「…なぁ、クー。死ぬんだったらさぁ、俺から殺してくんね?もう疲れたんだよね…」
クーは、少し目を丸くしてから頷いた。
川 ゚ -゚)
「あぁ、構わないぞ」
クーは、カッターナイフを手首から離す。
よっしゃ!
まずは第一目標クリア。
ありがとう、俺の頭の中の孔明様。
从'ー'从(照れちゃいます〜!)
('A`)「んじゃ、頼むわ」
川 ゚ -゚)「わかった」
('A`;)「あ、ちょっタンマ。…カバン、貸してくんね?」
頼む…素直に渡してくれ…!!
川 ゚ -゚)「別に構わないが…何をするんだ?」
言い訳センサー…
フ ル 稼 働 !!!!
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 23:38:14.96 ID:Y+V5qposO
- (-_-)(言い訳検索中…)
頼む…!頼む!
(-_-)(1件ヒットしました)
キター!!!!
('A`;)「いや〜、ほら…ザクッとやる訳じゃん?w」
川 ゚ -゚)「…あぁ」
('A`;)
「だから服はしょうがないんだけどさぁ…ジャケットとか携帯とか血で汚れるの嫌だからさ、そのバッグに入れさせてくんね?」
クーは、人差し指を唇に当てて宙を仰ぐ。
頼む、頷いてくれ。
言い訳検索で1件しかヒットしなかったんだよ…後が無いんだ…頼む!!
川 ゚ -゚)「…わかった。ほら」
無表情でトートバッグを渡すクー。
第二段階…クリアだ!
やったぜ!ありがとう言い訳センサー!
(-_-)(…別に…)
奇跡よ…起これェ!!
- 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 23:42:04.23 ID:Y+V5qposO
- ('A`;)「ぁあー、ワリィな」
渡されたバッグに、携帯と財布を入れる。
それからジャケットを脱いで、畳んでから入れる。
…フリをしながら薬を取り出す。
('A`)「サンキュな」
薬をポケットに突っ込み、バッグをクーに返す。
川 ゚ -゚)「いや、気にするな」
('A`)「じゃ、頼んだ」
ポケットの中で薬をアルミパッケージから押し出して、中身の錠剤を握りしめた。
ヤっベェ。
手が汗まみれだよ。
从'ー'从(大丈夫!自分を信じて!)
…ありがとう孔明様。
- 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 23:44:34.33 ID:Y+V5qposO
- 川 ゚ -゚)「手首と首、どっちが良い?」
しかしすげー質問しやがるぜ…。
('A`)「首は痛そうだな…とりあえず、右手首で頼むわ」
少し頷いたクーは、それ以上何も言わずに左手で俺の手首を持った。
そして、右手のカッターの刃を手首に付ける。
ああ…カッターの刃って…こう…
なんか冷たくて…うん…
微妙にしっとりしてて…いい感じで…
うーん…すごく…気持ちいいなぁ…
って違ッ!!!!!
今しかねぇッッ!!!!!
- 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 23:47:30.94 ID:Y+V5qposO
- (゚A゚)「はいだらァァァァー!!!!!」
瞬間、カッターの刃を右手で握って固定する。
刃が食い込んで、痛てェ。
痛みは我慢して、そのまま左手で口の中に錠剤を無理矢理ねじ込む。
(゚A゚;)「飲めやああッ!」
川; - )「〜ッん!!っ〜!!」
痛ッ。
左手を噛まれたらしい。
けど、ぜってーに薬を飲み込むまで手は出さないからな!
川; - )「っ…ぅ…はぁ…はぁ…」
しばらく経って落ち着くと、クーはさっきまでのクーに戻っていた。
('A`;)「クー…落ち着いたか…?」
川;゚ -゚)「あ、あぁ…」
とりあえず、事情を話して薬を2錠預かる事になった訳で。
右手は、血だらけになった訳で。
- 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 23:50:19.79 ID:Y+V5qposO
- その後は、夕飯を済ませるためにファミレスへ来た訳で。
川;゚ -゚)「…右手、本当に大丈夫なのか?」
('∀`)「ぁー、これ?大丈夫、大丈夫w心配すんなってw」
実際、微妙に痛い訳なんだが。
剥き出しのカッターの刃を握り締めた訳だし。
川 ゚ -゚)
「むぅ……」
やはり申し訳ないと感じたのか、眉を垂らしているクー。
その視線は、じぃっと自分の頼んだプレートに乗っかっているグラタンを見つめていた
まさか。
- 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 23:56:55.61 ID:Y+V5qposO
- 川 - )「……あーん」
正直、耳鼻科行こうか迷った。
('A`)「え?」
しかし、グラタンのマカロニやエビを、フォークで刺して俺に突き出すクーを見て、さっきの言葉は聞き間違いでは無いと解る。
('A`;)「…えーと」
美少女が料理をあーんしてくれるんだぜ?しかも照れながら。
川; - )「い、いいから…はやくくえ…!」
顔が真っ赤だから、とりあえずパクリと一口。
川; - )
「ほ、ほら!こ…これもくえ!」
丸っこいポテトも、フォークに刺してから突き出す。
('A`;)「あ、あーん…」
パクっ。…あれ?
- 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/24(金) 23:59:11.37 ID:Y+V5qposO
- 川;゚ -゚)
「う、うまいか!!」
ヤバイ。
('∀`;)「あ、あぁ。めっちゃうめぇよw」
マジヤバイ。
川*゚ ー゚)
「そ、そうか!じゃあお肉も食べるか?」
何がヤバイかって言うとマジでヤバイがヤバイヤバイ。
('∀`;)「サ、サイコロステーキは俺のプレートにもついてるから、大丈夫だよw」
ヤバイヤバイマジヤバイ。
今、ありのままに起こった事を話すぜ。
俺、メンヘラ相手にリア充してる…。
- 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/25(土) 00:02:50.32 ID:s3Rx3po0O
- 川*゚ ー゚)
「そうか!よかった!」
('∀`)
「クー、俺のナポリタンも食べてみるか?うまいぜw」
川*゚ ー゚)
「ああ!」
笑顔のクーと、とりあえずは心穏やかに食事を楽しむ事が出来た。
そして、帰りはクーを駅まで送る事になった訳で。
電車の時間まで、俺はクーと一緒に駅の広場に居た訳で。
- 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/25(土) 00:07:30.53 ID:s3Rx3po0O
- 川 ゚ -゚)「む…そろそろ電車の時間だ」
クーが名残惜しそうに、携帯電話の背面液晶に映った時計を見つめた。
('A`)ノ
「んぁ、久々に話せて楽しかったわ。じゃーな、気を付けろよ」
そう言ってから立ち上がってだらだらと手を振る俺に、クーは頷いて二、三歩進んでから振り向いた。
川 ゚ -゚)「そういえば…ドクオ」
('A`)
「…ん?」
やけに、クーが真剣そうな顔だった。
川 ゚ -゚)「ドクオ…彼女、いるか?」
('A`;)「え、居ないけど?」
ま さ か … !?
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/25(土) 00:11:17.03 ID:s3Rx3po0O
- ('A`;)「いきなりなした?」
川 ゚ -゚)「ふーん…損してるな」
('A`;)「…へ?」
暫しの沈黙に時間が止まり、否応なく聞こえるのは雑踏の騒音。忙しなく改札機がバタバタ動く音。クーの瞳が、俺を見つめて。
川 ゚ -゚)「…いや、何でも無いさ。じゃあな」
ひらひらと手を振って、クーが歩き出した。それと同時に、時間も動き出した気がした。
('∀`)ノ
「おう、じゃなw」
…なんだ、ありゃ?微妙な空気のまま、俺はクーと別れた。
('ー`)
だが、気分は清々しい。
とにかく、凄い重労働をやり遂げた達成感…のような清々しさが俺を支配していた。
- 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/25(土) 00:15:40.92 ID:s3Rx3po0O
- しかしこの1日、いろいろあったけど…まぁ、楽しかったかな。
そんな事を、クーの背中を見つめながら思っていた。
―その深夜
〜♪
('A`)「…あー、なんだ。電話か…?よっこらセックス」
多方面から疲れきった体に鞭を打って、机の上の携帯電話を取り上げる。
('A`)「ん、クーか…はいもしもしー」
川 ゚ -゚)
「…死にたい」
('∀`)「…………」
第1話
「メンヘラと僕の第三次世界大戦的恋愛革命」
おわり
戻る 次へ