- 3 名前: ◆lDeQRCKCBA 投稿日:2011/08/13(土) 21:41:32.45 ID:h8U7rlih0
- 青空が葉の間からその鮮やかさを見せ付けるように覗かせる森の中。
道なき道を・・・というわけでもなく、人が何度も通っているような、踏みならされている道を、僕たちは進んでいる。
(; ω )「ひぃ、ひぃ、ふぅうぅぅ」
( ・∀・)「おーいまた遅れてるぞー」
(;^ω^)「ぐぅう・・・」
(-_-)「・・・モララー、あの子は一般人なんだから君の脚力について行けるわけないだろ・・・僕でもギリギリなのに・・・」
( ・∀・)「あー、ごめん。大丈夫か?」
(;^ω^)「だいっ、じょう、ぶっ、ですっ、おっ!」
(-_-)(タフだなー)
( ・∀・)(語尾面白っ)
- 4 名前: ◆GQfbFzAVqw 投稿日:2011/08/13(土) 21:45:10.90 ID:h8U7rlih0
出会ってから二日、僕は二人の男と共に『グンマ』へと向かっている。
(-_-)
一人はヒッキーと呼ばれている割烹着の男。『うどん』を使う能力者だ。
( ・∀・)
そしてもう一人はモララーと呼ばれる厨二全開黒コートの男。人を操るらしい。こえぇ。
彼等の事、トウキョウの外の事、グンマの事、それに・・・デミタス、能力者のこと。
聞きたいことは沢山あったが
( ・∀・)「グンマに着いたら色々話すよ」
なんて言われてしまったので、移動中は特に口を利くこともなかった・・・というより疲れでまともに話せなかった。
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 21:47:28.15 ID:h8U7rlih0
彼等がデミタスの魔の手から僕を助けてくれた直後、つまり二日前の深夜。
流石にあれだけ派手に暴れ(主にデミタスだが)てはトウキョウ側も感づくだろうと、急いでその場を去った。
その翌日は、疲れた僕の体を気遣かってか、二人とも比較的ゆっくり歩いてくれた。
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 21:50:05.72 ID:h8U7rlih0
- だが、今日は僕の回復を見てか、二人ともかなりとばしている。正直しんどい。
足にはそれなりに自信があった。
学校の唯一の体育の授業である陸上では、いつもクラスでトップだったし。
しかし汗だくでへろへろな自分を尻目に、涼しい顔ですいすい進んでいく目の前の二人をみて、そんな誇りは粉々に砕け散った。
なんだよこいつら。
あ、もしかして
(;^ω^)「あのっ、ヒッ、ギー、ざんっ」
比較的常識人なヒッキーさんに話しかける。
モララーさんはなんか変わっててちょっと話しかけづらい。
(;-_-)「何?・・・体力本当に大丈夫?」
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 21:53:58.49 ID:h8U7rlih0
- ヒッキーさんがモララーさんに言って、少し休憩をとってくれた。
正直限界だったのでこれはありがたい。
( ^ω^)=3「ふー」
(-_-)「ところで、さっきは何を聞こうとしてたの?」
( ^ω^)「あー、えっと、『能力者』って肉体も強化されるのかなーって。歩くのやたら速いし・・・」
( ・∀・)「あー、さっきも言ったけど、そういう話は向こうについてからね。どこの誰が聞いてるかもわからないからさ。一般人にも聞かれるわけにはいかないしね」
( ^ω^)「お・・・」
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 21:57:08.81 ID:h8U7rlih0
- (-_-)「君が思っている以上に能力者のことは極秘事項なんだよ。」
(-_-)「この馬鹿はこの前敵前でペラペラしゃべってたけど」
(;・∀・)「の、ノリでつい・・・」
(-_-)「・・・」
(;・∀・)「と、とにかく!能力者の『情報』は文字通り『武器』だ。だからこそ、光の下に置いておくわけにはいかない」
( ・∀・)「・・・って、ちょっと話が過ぎたな。そろそろ行こうか」
( ^ω^)「お・・・わかりましたお」
怒られてしまった。なるほどそういう理由があったのか。
でも、それなら、なんで
( ^ω^)(僕には話すつもりなのかお・・・?)
- 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 21:59:36.26 ID:h8U7rlih0
―――――――――・・・・・・・・・・・・
二日前、深夜
( ゚¥゚)(やっと帰ったか・・・)
客のいなくなったバーのカウンターで、ほう、とため息をつく。
バーとは言っても、『トウキョウ条令』によって酒、食品はかなりの制限を受けているため、酒飲み所、というよりは休憩所のようなものとなっているが。
( ゚¥゚)(しかしさっきの客は何だったんだろうな・・・)
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 22:02:26.84 ID:h8U7rlih0
- 酒も飲まず、「下野カスター」などと意味不明な発言をし、こちらが知らないと解ると、とても残念そうに店を去ったあの男。
長身に黒コートなんて奇妙な出で立ちだったものだから、不信感が拭えない。
もしかして、『ガイジン』か?
まさか。
一般人がトウキョウに外から侵入するなんてできっこない。
・・・いや・・・!――――
ダン!!!
(; ゚¥゚)「!」
突如、ドアが乱暴に開けられ、全身を武装した男達がバーに入ってくる。
(; ゚¥゚)(な、なんなんだ・・・?)
(∴十∴)(∴十∴)(∴十∴)ザッ ザッ
絶え間無く次々に入ってくる武装兵。
わずか数秒足らずで、バーは30人余りの兵士でいっぱいになった。
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 22:05:16.72 ID:h8U7rlih0
- その中でも一際大きな、おそらくリーダー格の兵士が店主に歩み寄る。
(; ゚¥゚)「ひっ!」
うろたえる彼に、まるで機械のような、抑揚のない声で話し掛ける。
(//‰ ゚)「こちらに怪しげな者が立ち寄ったりはしていないか?」
(; ゚¥゚)「あの、その・・・」
(; ゚¥゚)(あんたらが一番あやし・・・いや、さっきの黒コートを探してるのか)
(; ゚¥゚)(言わなきゃ・・・殺される・・・)
なのに、言葉が喉から出てこない。
この異常な状況のせいで、上手く話せなくなってしまっている。
だがなんとか、言葉を搾り出す。
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 22:08:27.97 ID:h8U7rlih0
- (; ゚¥゚)「その・・・あぁ・・・」
(//‰ ゚)「立ち寄った、のだな」
(; ゚¥゚)「ひっ」
明らかな殺気。思わず声が漏れる。
そんな店主から目を離さず、男は静かに懐から拳銃を取り出す。
そして店主にその銃口を向け・・・
(; ゚¥゚)「ひ、いぁ、あぁあぁぁぁ・・・」
(//‰ ゚)「・・・」
引き金を、引いた
- 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 22:11:24.71 ID:h8U7rlih0
―――バリン、と後ろで瓶の割れる音。
(; ゚¥゚)「ひぁ・・・?」
振り返ると、安酒が一本、ガラスの破片へと姿を変えていた。
(//‰ ゚)「もし、今回のことを口外すれば」
拳銃を懐にしまいながら男が言う。
(//‰ ゚)「・・・わかるな?」
(; ゚¥゚)「ひ、ひゃい!」
(//‰ ゚)「・・・あと・・・これは預かっておくぞ」ヒョイ
(; ゚¥゚)(黒コートが使ったグラス・・・)
- 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 22:15:07.74 ID:h8U7rlih0
―――ビルの屋上で、眼下に寂れたバーを見据える男が一人
('A`)「あぶなーいあぶない。見つかっちゃうとこだった」
バーから武装した兵が次々と出ていく
この高さから見れば、常人なら蟻の行進ほどにしか見えないそれだが、
('A`)「変な格好してやがんな・・・」
彼には、しっかりと見えている。
- 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 22:18:46.35 ID:h8U7rlih0
- ('A`)(あれが警察とやらか・・・情報とちょっと違うな)
('A`)(モララーのやつが格好がカッコイイ!って言うからもしやと思えば)
('A`)「やっぱ厨二コスチュームか」
顔を上げ、空を見上げる
トウキョウの対空用サーチライトのせいで空は明るく・・・星なんて見えそうにない。
着ている黒いジャケットに、光が少し反射する
('A`)(空からの侵入は厳しそうだな)
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 22:21:57.94 ID:h8U7rlih0
- ('A`)(今回の潜入の情報取得ノルマはこなしたが・・・)
高層ビルが並ぶトウキョウの街を見下ろしながら、一人、言う。
('∀`)「やっぱ探検したくなっちゃうもんな!?」
('∀`)「フヒヒ、どっくん一人トウキョウ観光ツアー、開☆幕!!」
('∀`)「とおっ!」
夜のトウキョウに、ダイブした―――
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 22:26:23.52 ID:h8U7rlih0
―――第二都庁
無機質な白で覆われた廊下で、二人の男が対峙する。
一人はスーツに身を包んだ長身の男、もう一人はTシャツにジーパンというラフな格好をした男。
その顔付きはまだ若い。
(‘_L’)「・・・まだ侵入した『能力者』の尻尾は掴めないのか?」
スーツの男が投げ掛ける
_
( ゚∀゚)「それを俺に言うなよ、ったく」
若い方の男が、けだるそうに応える
(‘_L’)「緊急事態なんだ、わかるか?」
(‘_L’)「今のトウキョウに侵入者が、しかも能力者だと?」
(‘_L’)「・・・こんな事態あってはならないんだよ」
(‘_L’)「八年前を、繰り返すようなことがあっては・・・!」
- 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 22:29:37.19 ID:h8U7rlih0
- _
(;゚∀゚)「だからそれを俺に言われてもなぁ・・・」
( ´∀`)「呼んだモナ?」
ひょっこりと、柔らかい笑みを顔に貼付けた老人が姿を現した。
(;‘_L’)「も、モナーさん!駄目ですよ出てきちゃ!」
( ´∀`)「モナモナ、ちょっと散歩したくなったモナ」
_
( ゚∀゚)(この人が・・・確かフィレンクトが言ってた・・・モナー都知事・・・)
(‘_L’)「あ、こっちの若造は・・・」
( ´∀`)「モナモナ、確か長岡君・・・だったモナね?」
_
(;゚∀゚)「あ、はい・・・えっと」
( ´∀`)「君には期待してるモナよ、スーパールーキー君」
- 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 22:33:00.56 ID:h8U7rlih0
- _
(;゚∀゚)「は、はぁ・・・」
(;‘_L’)「だーっ、モナーさんにそんな適当な態度をとるな!」
( ´∀`)「モナモナ、かまわないモナよ」
(;‘_L’)「もう何でもいいですから早く戻ってください!」
( ´∀`)「わかったモナよ・・・もう・・・」
少し肩を落とし、来た道を帰るモナー。
見送る長岡は、ふうっ、とため息をつく。
_
( ゚∀゚)(都知事ってぐらいだからもっと厳ついオッサンかと思ってたら・・・)
_
( ゚∀゚)(なんか普通のおじいちゃん、て感じだったな・・・ちょっと拍子抜けだな)
- 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 22:36:05.13 ID:h8U7rlih0
(‘_L’)「ほら、何ボケッとしてる!はやく捜査に戻れ!」
( ゚∀゚)「へいへい・・・」
長岡は適当に返事をして、フィレンクトに背を向ける
―――と、その瞬間
(∴十∴)「緊急報告です。潜入した能力者のおおよその位置が判明しました」
( ゚∀゚)「!」
警察が、息を切らせながら二人のもとへ駆けてきた。
(‘_L’)「どこだ!?」
(∴十∴)「先程までシンジュクのバーで水を飲んでいたようです」
( ゚∀゚)(バーで水・・・?)
- 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 22:38:22.66 ID:h8U7rlih0
- (‘_L’)「長岡!」
( ゚∀゚)「りょーかい」
言うや否や、駆け出していく長岡。
その背中を、フィレンクトはじっと見送った。
(∴十∴)「我々もすぐ増援に・・・」
(‘_L’)「いや、あいつ一人で十分だ」
(∴十∴)「し、しかし相手はトウキョウに潜入する程の手練・・・」
(‘_L’)「・・・あいつのことは知っているか?」
(∴十∴)「確か・・・能力に目覚めて一年足らずでトウキョウ傘下の能力者の中の五本指にまで上り詰めた・・・」
(‘_L’)「そう、二人のスーパールーキーの内の一人だ」
- 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 22:41:47.30 ID:h8U7rlih0
- (∴十∴)「しかし・・・!やはり一人では万一の場合が・・・!」
(‘_L’)「・・・そうだな・・・だが」
(‘_L’)「あいつでも勝てない相手に、武装した兵を100人ぶつけたところで勝ち目はない」
(‘_L’)「・・・まあ、一応用意はしておく。お前らは待機だ」
(∴十∴)「・・・わかりました」
踵を返し、来た道を辿る警察に一瞥もやらず、フィレンクトは静かに微笑む。
(‘_L’)「さて、見せてもらおうか・・・スーパールーキーの実力を・・・な」
- 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 22:45:12.10 ID:h8U7rlih0
・・・・・・・・・―――――――――
('A`)「しかし人っ子一人いないな・・・」
車の通らない道路を歩きながら、考えを巡らす。
八両車線の広い道路の脇には、街路樹と、小綺麗な歩道が。
そして、左右には車を、人を、見下ろすように、高層ビルが佇んでいる。
('A`)(昼間はまだ人が流れてたし・・・バーを出た頃にも人がまだちらほらいたはずなのに)
('A`)(俺が屋上で色々考えてる内に、みんな家に帰っちゃったのか)
('A`)(・・・門限なんかがあるのかもしれないな・・・ん?)
ふと、右手に見えた建物に目を奪われ、足を止める。
近代的な周りの建物のなかで、一つだけ異彩を放つ、立入禁止の紐を張り巡らされた建物。
窓は割れ、至る所にヒビが入っている。
('A`)「中で爆発でも起きたのかよ・・・」
- 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 22:49:04.20 ID:h8U7rlih0
その建物に、慎重に、足を踏み入れる。
('A`)「・・・なんだこりゃ」
壁の至る所に銃弾の跡が残り、爆発でも起きたように壁が黒ずんでいる。
('A`)「ここで一騒動あったのかな・・・」
('A`)(確か外から見た感じじゃ五階建てくらいだったよな)
入ってすぐ、目の前に見える階段に視線をやりながら、考える。
('A`)(・・・昇ってみるか)
- 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 22:53:48.11 ID:h8U7rlih0
- ('A`)「うっへ、今にも崩れそうだな・・・」
階段を昇りながら、手元の時計を見る。
短針が二と三の間を指していた。
('A`)「あらら、もうこんな時間か・・・」
('A`)(この建物を一通り見たら、撤退するか)
しかし、二、三、四、五階と観察してみたものの、一階同様、戦いの跡があるだけで、変わり映えはしな。い
屋上に出て、近くの段差に腰を下ろす。
一人夜風を浴びながら、軽くため息をついた。
- 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 22:58:27.20 ID:h8U7rlih0
- ('A`)「結局何もなかったなぁ・・・」
('A`)「しゃあない、もう帰るか」
腰を上げ、柵を乗り越え飛び降りようとした
―――瞬間
( ∀ )「『落花(らっか)』」
('A`)「ッ!」
グシャア、と大きな音をたて、目の前の柵が潰れる。
まるで巨大な生き物に踏み潰されたように。
_
( ∀ )「悪いが侵入者さんよ・・・」
階段の方から、姿を見せた男が言う。
_
( ゚∀゚)「・・・ここから逃がすわけには、いかんのよ」
- 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 23:02:52.13 ID:h8U7rlih0
- 突然現れた男―――長岡。
しかしそれに動揺することなく
('A`)「ふっ!」
懐から素早くナイフを取り出し、投げる
―――だが
_
(;゚∀゚)「おおっとぉ!」
すんでのところで、かわされた。
_
( ゚∀゚)「危ない危ない。見た目によらず、以外と肉体派なんだな・・・」
言いながら、腰にぶら下げた袋から何かを取り出し、口に含む。
_
( ゚∀゚)「しかし挨拶も無しにいきなり攻撃はひどいんじゃねーの?」
('A`)「そりゃあお互い様だろ?」
ぐしゃりと潰れた柵を親指で指しながら、長岡を睨みつける。
- 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 23:07:03.94 ID:h8U7rlih0
- _
( ゚∀゚)「ふん・・・違いないな」
('A`)「・・・下らんこと言うくらいなら・・・」スッ
_
( ゚∀゚)(!またナイフ!!!)
('A`)「とっとと帰れ!!!」ビッ
再びナイフが放たれる。
弾丸にも劣らないその速度。
だが
_
( ゚∀゚)「『落花』」
('A`)「!」
長岡の体にその切っ先は届くことなく、ナイフはアスファルトの床にたたき付けられた。
('A`)(これは・・・)
_
( ゚∀゚)「自己紹介が遅れたな、ガリノッポ君」
_
( ゚∀゚)「俺は千葉県の『能力者』、ジョルジュ長岡だ」
- 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 23:11:58.32 ID:h8U7rlih0
('A`)「・・・ハーフ?」
_
( ゚∀゚)「親の趣味」
('A`)「あぁ・・・」
('A`)(DQNネーム、か)
_
( ゚∀゚)「さて、そちらさんも名乗って貰おうか?」
('A`)「悪いが応えられない」
_
( ゚∀゚)「あ?」
('A`)「トウキョウに知り合いがいるもんでな、迷惑かかるだろ?」
('A`)「俺を知ってる人達から情報を引き出すため、拷問にかけたり・・・とかな」
_
( ゚∀゚)「・・・ハッ、よくわかってんじゃねーか」
- 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 23:16:41.52 ID:h8U7rlih0
- ('A`)「やっぱな・・・」
('A`)「・・・俺が口を割らなかったら、俺から直接情報を引き出すしかないよな?」
_
( ゚∀゚)「・・・わかってんじゃん」
('A`)「だったら・・・」
ゴソゴソと右ポケットを探り、何かを掴みだす。
_
( ゚∀゚)(!またナイフか・・・?)
('∀`)「逃げるしかないじゃーん」ポイ
_
( ゚∀゚)「・・・は?」
ボウ、と、長岡の目の前で煙玉が弾ける。
_
(;゚∀゚)「おぉっ!?」
視界が白で埋まり、10センチ先も見えなくなる。
( )「バイナラー!」
_
(;゚∀;)「ゴホッ、ゴホッ!クソ、待ちやがれぇええ!!」
- 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 23:21:55.30 ID:h8U7rlih0
- 「待てと言われたら待ちたくなくなるだろ!ヒャッホウ!!」
_
( ゚∀;)「くそっ・・・!」
_
( ゚∀;)(声を聞く限り、まだ屋上にいる・・・!)
_
( ゚∀゚)(奴自身も煙幕で視界を失っているからか・・・?)
_
( ゚∀゚)(まあいい・・・とにかく先ずは・・・)
ガサゴソと、腰の袋から取り出したのは
_
( ゚∀゚)(千葉県名物、落花生!!!)
十五粒程を、一度に口に含む。
_
( ゚〜゚)(このくらいか・・・!?)ボリボリ
- 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 23:26:43.44 ID:h8U7rlih0
- 煙幕が薄れ、視界が晴れて来る。
長岡は、目の前を動く影を、辛うじてとらえた。
「じゃああばよ!アホ眉毛!!!」
_
(#゚∀゚)「糞が・・・馬鹿にしやがって・・・!!!」
_
(#゚∀゚)「見せてやるよ・・・スーパールーキーの実力を・・・!」
( )「・・・プッ」
_
(#゚∀゚)「・・・あ?」
(' `)「スーパールーキー」キリッ
('∀`)「wwwwwwwww」
_
( ゚∀゚)
_
( ゚∀゚)「ぶっ殺す」
- 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 23:30:28.74 ID:h8U7rlih0
- _
(#゚∀゚)「『落千葉(おちば)』アァ!!!」
長岡が右手の親指を下に突き出し、叫ぶ。
('A`)「っ!」
―――と同時に、上からの強い力が体を襲う。
(;'A`)「うぐっ!」ドカッ
為す統べも無く、床にたたき付けられた。
(;'A`)(なんだこいつ・・・もしかして・・・)
_
( ゚∀゚)「・・・ハッ、ブザマだな」
_
( ゚∀゚)「地面に這いつくばり、恐怖の顔を覗かせる」
_
( ゚∀゚)「お前、最高にブザマだよ」
- 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 23:39:56.30 ID:h8U7rlih0
- ('A`)(さっきの柵が潰れたのも、ナイフが届かなかったのも・・・)
_
( ゚∀゚)「あ?さっきまでの威勢はどこいったんだよ?」
('A`)(今、俺がこんなになってるのも・・・多分同じ力のせいだ)
_
( ゚∀゚)「あ?聞いてんのか?あん?あん?」
('A`)「あんあん喘いでんじゃねーよ、煩くて考え纏まらんだろうが」
_
(#゚∀゚)「・・・調子に乗るな!!!」ドン
- 79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 23:41:21.23 ID:h8U7rlih0
- 足踏み
と、同時に
パキッ
床にヒビが
ミシッ
('A`)「・・・おい、なんかメキメキ聞こえるぞ」
_
(#゚∀゚)「―――あ?」
_
( ゚∀゚)「あ」
バキバキバキバキバキ
_
(;゚∀゚)「うおおおおおおおおおお!!?」('A`;)
ドシャアアア!!!
床が、崩れ落ちた。
- 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 23:47:15.71 ID:h8U7rlih0
- 大量の瓦礫と共に、派手な音をたてながら落ちていく。
(;゚A゚)「ぐおっ!」
上手く受け身が取れず、背中を思い切り叩き付けてしまった。
(;'A`)「ってて・・・」
('A`)(!体が自由に動く!!)
- 88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 23:52:56.15 ID:h8U7rlih0
_
(;‐∀゚)「いてて・・・くそ、やっぱ十五粒は多すぎたか・・・」
受け身に失敗し、擦りむいた膝を立てる。
周りを見渡す・・・と、近くの窓からからは街路樹が見える。
どうやら一階まで落ちてきたらしい
_
(;゚∀゚)「!やべ!あの馬鹿はどこだ!」
「よぉ、眉毛」
_
( ゚∀゚)「っ!どこだ!」
「声で大体の位置は解るだろ?」
_
( ゚∀゚)「ちっ・・・」
「おっと、お豆さんを食べる前に聞いてくれ」
_
(#゚∀゚)「・・・あ?」
「俺、解ったよ、お前の能力」
- 92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 23:55:55.57 ID:h8U7rlih0
・・・・・・―――――――
第二都庁
(‘_L’)「頼んだぞ、スーパールーキー」
フィレンクトの目の前には、長岡と同い年くらいの―――
(-@∀@)「・・・飽きたよ、そのセリフ」
うずまき眼鏡の、青年。
(‘_L’)「長岡は戦闘経験が浅い」
(‘_L’)「能力こそ強力だが・・・相手が相手だ」
(-@∀@)「というと?」
(‘_L’)「これを」
フィレンクトが、ピラリと、青年に手に持っていた紙を見せる。
(-@∀@)「・・・成る程ね」
- 95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/13(土) 23:59:55.77 ID:h8U7rlih0
(‘_L’)「あいつが負けるとは考えたくないが・・・念のためだ」
(-@∀@)「しょうがないなぁ・・・まぁいいか」
(-@∀@)「トレーニングばかりの日々にも飽き飽きしていたところだしね」
(‘_L’)「頼むぞ・・・今はおそらくシンジュクにいる」
(-@∀@)「まあ、善処するよ」
フィレンクトに背を向け、ヒラヒラと手を振る、うずまき眼鏡。
そのしわだらけの無地のシャツに、見えたものは―――
(‘_L’)「鬼・・・?」
(‘_L’)「いや、幻覚、か・・・」
(‘_L’)(・・・あながち、間違ってはいないがな)
- 97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 00:02:34.48 ID:zAfzzyS60
―――――――・・・・・・
(;゜ω゚)「ゼヒュー、ゼヒュー」
(;-_-)「や、やばいよモララー、何か今にも倒れそうだよ・・・」
( ・∀・)「いや、あとちょっと・・・っと、」
最初とはうってかわり、道・・・なんてとても言えないようなルートを無理矢理進み、僕の体力ももう限界だ。
だが、ある種の確証を持って僕は走っていた。
図鑑でも、見たこともない植物、生き物達・・・
僕が知ってる世界とはまるで違う、この森は、きっと―――
( ・∀・)「着いたぞ、グンマだ」
(;^ω^)「・・・!?」
- 103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 00:06:40.01 ID:7uPoqQLu0
- 少し開けた、その場所は、木の葉に被われておらず、日光が差し込んでいる。
想像していたのと違う、その光景。
目の前には・・・苔で覆われた石で造られた、縦二メートル、幅一メートル程の・・・
( ^ω^)「・・・モアイ?」
( ・∀・)「んま、そう見えるだろうな」
- 107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 00:09:55.25 ID:7uPoqQLu0
- (-_-)「・・・グンマは幾つかのエリアに分けられているんだ」
(-_-)「まず、先住民が木の上に住居を営み生活している、第一地区。猛獣の多い第二地区」
( ・∀・)「戦闘に長けたグンマ人が多く配置されている第三地区・・・とかな」
( ^ω^)「じ、じゃあここは・・・」
(-_-)「・・・今僕らが通って来た道はね、ここに来るための唯一の安全ルートなんだ」
( ・∀・)「ここはグンマの中でも最も危険な場所に位置してる・・・一歩でも周りの茂みに踏み込んでみろ」
( ・∀・)「待ち受けてるのが猛獣は、毒草か、はたまた底無し沼か・・・」
(;^ω^)「お・・・」
( ・∀・)「とにかく、普通の方法じゃここに来ることはほぼ不可能だ」
( ・∀・)「一歩間違えば、死ぬからな」
(;^ω^)「・・・」
- 112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 00:13:46.04 ID:7uPoqQLu0
- (;^ω^)「ここは、一体・・・」
(-_-)「僕らの活動拠点でもあるここは・・・」
( ・∀・)「グンマ第九地区――――」
―――――――通称、マエバシ――――
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