('A`)達は都道府県の力を借りて戦うようです

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 14:08:39.75 ID:7uPoqQLu0
あらすじ

天変地異によって世界の文明が崩壊していく中、唯一国家の機能を保つ国、日本

しかし国内では世界でただ一つの軍事力を持つトウキョウの『統一』により、道府県は存続の危機にさらされていた

その中で、故郷の道府県から力を与えられた『能力者』が立ち上がる

トウキョウに立ち向かう『能力者』、そして立ちはだかるトウキョウ傘下の『能力者』

その戦いは、激しさを増していく


その戦いの中で、トウキョウから逃げ出した一人の少年は、森の中で『能力者』に襲われる

だが、同じ『能力者』達に助けられ、彼等に同行する
そして、辿りついたのは―――

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 14:10:07.85 ID:7uPoqQLu0


―――――――・・・

( ^ω^)「ここが、マエバシ・・・?」

( ・∀・)「あぁ、やっと着いた」

( ^ω^)「でも、ここはこのモアイ以外何も・・・」

( ・∀・)「こっちの拠点をそう晒しておくわけにもいかないだろ」

( ・∀・)「確かに、ここだけ見ればこのモアイは不自然に見えるだろうが・・・」

(-_-)「グンマには、ここ以外にも至る所に古代遺跡があるんだ」

( ・∀・)「そう。あくまでこれは莫大な数の遺跡の一つ」

( ・∀・)「誰も、これがマエバシへの『入口』だなんて思わないだろ」

そう言いながら、モララーさんがモアイにそっと触れる。

何か動作をする度にいちいちコートをなびかせるのは彼のこだわりなのだろうか。

( ・∀・)「よし、っと。開くぞ」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 14:13:27.51 ID:7uPoqQLu0


( ^ω^)「おぉ・・・」

ゴゴゴ、と派手な音をたて、モアイが左右に割れる。

そして、そこに現れたのは、大きさがマンホール程の・・・穴?

(-_-)「ここが入口だ」

そう言いながら、ヒッキーさんが下りていく。

( ・∀・)「早く行かないと入口しまっちゃうぞ」

( ^ω^)「お・・・わかりましたお」

モララーさんにせき立てられ僕も急いで穴から下りる。

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 14:16:26.49 ID:7uPoqQLu0


どうやら、はしご一本で、ずいぶん下まで行かなくちゃならないみたいだ。

慎重に、一段一段下りていく。

穴が狭いせいか、逆に安心して下りることが出来る。ような気がする。

でも、これだと・・・

( ^ω^)「荷物の持込なんかはどうやるんですかお?」

( ・∀・)「それには別ルートがちゃんとある・・・まあ、降りてからまとめて説明するから」

モララーさんが上から答えてくれる。

( ^ω^)「・・・わかりましたお」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 14:20:08.44 ID:7uPoqQLu0

・・・一分ほど、ひたすら下る。
と、下でヒッキーさんの声が。

(-_-)「ついたよ」

その声につられて、下を見る。
大分明るくなっており、ヒッキーさんの顔もはっきり見える。

( ^ω^)「ほっ!」

最後の5、6段を、飛んで下りる。
と、すぐにモララーさんも隣に下りてきた。
上を見上げる、も、既に入口は閉まっていて何も見えない。

・・・ずいぶん下まで来たものだ。

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 14:23:43.03 ID:7uPoqQLu0
(-_-)「こっちだよ」

ヒッキーさんの声がした方を見る、と。

( ^ω^)「こりゃすごいお」

近代的な鉄の扉が。
その脇には、トウキョウでも度々見かけたセキュリティシステムのようなものもある。

( ・∀・)「さ、あとは・・・」

モララーさんが、扉の脇の認証システム(だと思う)に手をかざす。
次いで、横のパネルに何か文字を入力する、と。



プシュ-


( ^ω^)「!」

扉が、開いた

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 14:34:45.14 ID:7uPoqQLu0
(-_-)「さ、入って」

ヒッキーさんに促されて、扉をくぐる。

( ^ω^)「おぉ!!!」

目の前に飛び込んできたのは、比較的現代的な、例えるならオフィスのような空間。

学校の職員室を思い出すデスクの上には、パソコンが一人分のスペースに一台ずつ、置かれている。
恐らく八人分の席があるが・・・机に向かっているのは、現在三人だけだ。

くつろぐためだろうか、側にはソファーやベッドなんかもある。

( ・∀・)「ここは仕事場だ・・・つってもいつもはくつろぎ空間みたいになってるけどな」

( ^ω^)「結構広いですお」

観葉植物や、本棚もある。
わりと快適そうな空間だ
と、突然。

o川*゚ー゚)o「あー!モララーとヒッキーだ!」

可愛らしい女の子が、こちらに駆け寄ってきた。

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 14:38:42.04 ID:7uPoqQLu0
( ・∀・)「おぅ、キュート。ただいま」

(-_-)「ただいま」

o川*゚ー゚)o「おかえりー!ドックンはー?」

(-_-)「まだ仕事中だよ」

o川*゚ー゚)o「ドックンおーそーいー!・・・そっちの人は誰?」

( ・∀・)「こいつは俺達が保護した・・・」

( ・∀・)「・・・」

(;^ω^)「お・・・!僕は内藤ホライゾンといいますお!」

o川*゚ー゚)o「変な名前ー!」

( ^ω^)

(-_-)(そういや名前聞いてなかったな・・・)(・∀・ )

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 14:41:11.97 ID:7uPoqQLu0
o川*゚ー゚)o「わたしは砂尾九(すなおきゅう)だよ!キューちゃんかキュートって呼んでね!」

( ^ω^)「・・・ブーンと呼んでくださいお」

( ・∀・)「・・・何だよブーンって・・・」

( ^ω^)「お、トウキョウに居た頃のあだ名ですお」

o川*゚ー゚)o「ブーン?」

( ^ω^)「おっ、そうだお」

o川*゚ー゚)o「そういえばさっき来たお姉ちゃんがブーンとか言ってたような」


( ^ω^)「っ!」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 14:44:16.37 ID:7uPoqQLu0
( ・∀・)「誰だ?」

o川*゚ー゚)o「んーとね、ハインちゃんが連れて来てたよ」

(-_-)「難民かな・・・」

(;^ω^)「その人、金髪の縦ロールじゃなかったかお?」

o川*゚ー゚)o「そうだよ!ブーンの知り合いなの?」

(;^ω^)「お!きっとツンだおそれ!」


今のご時世パツキン縦ロールなんてそうそういまい。
きっと、ツンだ。ツンに違いない。
ツンが、無事にたどり着いたのか。


( ^ω^)「よかったお・・・」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 14:47:24.94 ID:7uPoqQLu0

(;^ω^)「・・・それで!今ツンはどこに?」

o川*゚ー゚)o「寝室だけど・・・ぐっすり寝てるから、起こしちゃだめってハインちゃんに言われてるし・・・今は会えないと思うよ」

( ´ω`)「お・・・」

o川*゚ー゚)o「でも二、三時間もしたら会わせてもらえるんじゃないかな」

( ^ω^)「お!」

(;・∀・)「ブーンの知り合いってことは・・・その子もトウキョウから脱走してきたのか?」

( ^ω^)「お、そうですお」

(-_-)「・・・ブーン、後で少し、話がしたい」

( ^ω^)「お!僕も色々聞きたいことがありますお」

o川*゚ー゚)o「ブーンはトウキョウから来たの?」

( ^ω^)「そうだお!」

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 14:50:30.20 ID:7uPoqQLu0
o川*゚ー゚)o「じゃあドックンと会ったかもしれないね!」

( ^ω^)「?・・・ドックン?」

( ・∀・)「キュート、悪いが今はお前のとお喋りより重要なことがあるんだ」

o川*゚ー゚)o「えー」

( ・∀・)「わがまま言うんじゃありません!・・・いくぞ、ブーン」

(;^ω^)「あ、はいですお!」

モララーさんが、入って来たのとは違う、普通のドアから出ていく。
慌てて僕もそれについていく。

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 14:53:20.30 ID:7uPoqQLu0
( ^ω^)「キュートちゃんみたいな子供もここにはいるんですおね」

( ・∀・)「あぁ、あの娘も一応能力者だぞ」

(;^ω^)「は!?」

あんな年端もいかない女の子が、デミタスのような、ヒッキーさんのような、モララーさんのような・・・
人外の力を持つ、能力者・・・

( ・∀・)「ま、能力者に歳は関係ないからなー」

本当に、能力者ってのは何なんだろうか。
と、その前に

( ^ω^)「今から、どこにいくんですかお?」

( ・∀・)「あぁ、とりあえず・・・」

僕の泥だらけの体をモララーさんの視線がつま先から頭のてっぺんまでなぞる。

( ・∀・)「風呂、だな」

( ^ω^)「確かに」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 14:56:40.76 ID:7uPoqQLu0


―――――・・・・・・


( ^ω^)「しかし中々快適な場所ですお」

広い湯舟に浸かりながら、ほうっとため息をつく。

銭湯の半分程の広さのそれは、二人で入るには広すぎるほどだ。

( ・∀・)「そうだなー」

( ^ω^)「ところでヒッキーさんは?」

( ・∀・)「あいつは風呂苦手だからなー。シャワー浴びてると思うよ」

( ^ω^)「なるほど」

( ・∀・)「・・・ところで、聞きたいことがあったんじゃないのか?」

( ^ω^)「いや流石に風呂場では・・・」

( ・∀・)「いいじゃないか、男二人で水入らず」

( ^ω^)(本当はヒッキーさんにも一緒にいてもらいたかったけど・・・まぁいいか)

( ^ω^)「じゃ、質問させてもらいますお」

( ・∀・)「どうぞ」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 14:58:51.79 ID:7uPoqQLu0
( ^ω^)「能力者、って何なんですかお?」

( ・∀・)「おおぅ・・・最初から面倒臭い質問を」

( ^ω^)「実は、能力者という言葉自体は知っていたんですお」

( ・∀・)「どんなモノだと思ってた?」

( ^ω^)「学校で習ったんですお・・・テロリストの中には特異な力を持った暴力的な奴らがいる、って・・・」

( ・∀・)「・・・トウキョウに能力者がいるとは?」

( ^ω^)「・・・いや、知りませんでしたお・・・」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 15:01:53.80 ID:7uPoqQLu0
( ・∀・)「・・・あくまで自分達が保有する能力者達の情報は漏らさないつもりか」

( ・∀・)「能力者の存在をバラしてるのは・・・万が一都内でトウキョウ傘下の能力者が問題を起こしても、こっちに責任を転嫁できるようにか」

( ^ω^)「・・・確かに、テロリストの能力者の仕業として事件が報道されたこともありましたお」

( ・∀・)「こっちには・・・少なくとも今のこのグンマにはトウキョウに侵入できるような能力者は一人だけだからなぁ」

( ^ω^)「確かに・・・トウキョウのセキュリティは堅いからそう何人も出入りできるのか、とは思ってましたお」

( ・∀・)「なら」

( ^ω^)「?」

( ・∀・)「なぜ君はトウキョウを抜け出せた?」

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 15:06:06.31 ID:7uPoqQLu0
( ・∀・)「トウキョウのセキュリティは侵入者だけじゃない・・・脱都者に対しても厳しく働いている」

( ・∀・)「それを何故、能力者でもないただの一都民である君が回避できたのか、脱都できたのか」

( ・∀・)「あまつさえ、女の子と二人で、だ」

(;^ω^)「・・・」

( ・∀・)「・・・ぜひ聞きたい、が・・・今は君の質問に答える時間だ」

( ・∀・)「僕に質問する権利はない」

( ・∀・)「・・・後でちゃんと聞かせてもらうよ」

( ^ω^)「・・・はい、ですお」


( ・∀・)「・・・あぁ、能力者について、だったね」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 15:08:13.71 ID:7uPoqQLu0
( ・∀・)「能力者ってのは、各都道府県から一名ずつ選ばれた、特別な力を持つ者のことだ」

( ^ω^)「都道府県・・・?」

( ・∀・)「そう、都道府県の『声』を聞いた者が、能力者になれるんだ」

(;^ω^)「え・・・え・・・?」

( ・∀・)「・・・詳しくは俺達にもわかってない」

( ・∀・)「でも、聞こえた」

( ・∀・)「だから、俺は今ここにいる」

(;^ω^)「・・・」

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 15:10:17.02 ID:7uPoqQLu0
( ^ω^)「・・・その『声』を聞けた人って、どんな人なんですかお?」

( ・∀・)「あんまりはっきりしたことは解ってないが・・・」

( ・∀・)「とりあえず俺達が知る限りの能力者が聞いた『声』は、自分の出生地の都道府県のものらしい」

( ^ω^)「モララーさんは・・・どんなかんじだったんですかお?」

( ・∀・)「俺はな・・・」

( ・∀・)「俺の家族が、侵略してきたトウキョウ兵に殺されたとき、聞こえたんだ」

( ・∀・)「青森県の、声が」

(;^ω^)「・・・っ」

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 15:12:27.63 ID:7uPoqQLu0
( ・∀・)「他の奴らは・・・色々だったな」

( ・∀・)「食事中に急に聞こえたり、訓練中に聞こえたり・・・」

( ・∀・)「まだ、『声』には不確定要素が多過ぎてあまりはっきりしたことは言えないな・・・」

( ^ω^)「・・・すいませんお」

( ・∀・)「?何が?」

(  ω )「トウキョウのせいで、モララーさんの家族が・・・」

( ・∀・)「・・・別に、ブーンが謝ることじゃ無いさ」

( ・∀・)「トウキョウから逃げてきたってことは・・・同じトウキョウに苦しめられた仲間ってことだ」

( ・∀・)「だから、ブーンが謝る必要なんて無い」

( ^ω^)「お・・・」

59 名前:ごめんちょい離れる 投稿日:2011/08/14(日) 15:25:44.83 ID:7uPoqQLu0
( ・∀・)「まぁ、気を取り直して・・・次は能力についての説明かな」

( ^ω^)「この前みんなが使ってたやつですおね」

( ・∀・)「そう、能力者にはそれぞれ力が与えられる」

( ・∀・)「ただ、それには発動条件を満たさなくちゃならない・・・この前の見てて気付いたろ?」

( ^ω^)「お!りんご食べたりしてましたお!」

( ・∀・)「発動条件も様々だ・・・俺みたいに一々満たさなくちゃならない奴もいれば、ヒッキーみたいに一度満たせばしばらく大丈夫な奴もいる」

( ^ω^)「ヒッキーさんの発動条件って・・・?」

( ・∀・)「あいつの発動条件はうどんを食べること。一度食べれば半日は大丈夫だ・・・時間の経過とともにクオリティは下がるがな」

( ・∀・)「ちなみに言っとくが、この前のヒッキーは半分の力も出せちゃいなかったぞ」

(;^ω^)「!?」

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 15:39:03.13 ID:7uPoqQLu0
岩をも砕く、とんでもないうどんを振り回していたヒッキーさん。
あれでもまだ、半分も出せていないというのか・・・

( ・∀・)「・・・岩手の奴も、おそらく全力じゃなかった・・・俺らを見くびってたんだろうな」

(;^ω^)「みんなとんでもない力を持ってるんですおね」

( ・∀・)「あぁ、みんな色々な力を持ってる」

( ・∀・)「だから能力者同士の戦いでは、相手の能力を知ることが大切なんだ」

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 15:39:57.21 ID:7uPoqQLu0


――――――・・・・・・


「お前の能力は、重力操作だろ?」
  _
( ゚∀゚)「・・・」

「最初は念道力か何かかと思ったが・・・」

「力が一定の方向にしか働かないこと、一階まで突き抜けたことで重力使いだとほぼ確信した」

「念動力なら屋上の床しか壊れないだろうしな・・・全フロアに力が加わったせいで一階まで落ちちまったんだ」

「それが重力によるものだと考えりゃ、納得いくしな」

  _
( ゚∀゚)「・・・ハッ、あれだけ撃てば馬鹿でもわかるか」

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 15:42:31.53 ID:7uPoqQLu0


「そして発動条件は、ピーナッツを食べること」
  _
( ゚∀゚)「・・・落花生、だ」
  _
( ゚∀゚)「・・・しかし発動条件がわかったくらいでいい気になってんじゃねーぞ」

「はぁ、馬鹿だなお前・・・それともまだ経験浅いのか?」
  _
(#゚∀゚)「・・・あ?」

「・・・うまいな、このピーナッツ」
  _
(;゚∀゚)「・・・ッ!」ガサゴソ

慌てて自分の落花生を確認する長岡
しかし

  _
(;゚∀゚)(無い・・・ッ!盗られた・・・!?)

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 15:45:54.96 ID:7uPoqQLu0
  _
(;゚∀゚)(いつだ・・・?俺は奴の姿は見ていない・・・)

「発動条件さえわかれば、相手の能力を封じるのは簡単だ」

「だからこそ、知られちゃいけないんだがな・・・まあそこら辺がルーキー(笑)だな」

  _
(;゚∀゚)「くそっ!」ダッ

手近なドアに向かって走る長岡。
発動条件を満たせなくなった今、彼に残された道は逃亡すること。それだけだ。

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 15:50:18.13 ID:7uPoqQLu0
  _
(;゚∀゚)(あと少し・・・!)

ドアノブに手をかけた、瞬間

('A`)「逃がさねぇよ」
  _
(;゚∀゚)「んなっ・・・!」

背後の声に振り返る、と同時に

(#'A`)「オラァ!」ドカッ

  _
(; ∀ )「ガッ!」

右頬を右ストレートで撃ち抜かれた長岡は、ドア共々歩道を越え、車道に投げ出された。

('A`)「ちいとノックが強すぎたかな?」キリッ

  _
(; ∀ )「ぐっ・・・ぁ・・・」

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 15:59:06.29 ID:7uPoqQLu0
殴られたダメージから回復しきれていない長岡のもとに、駆け寄る

('A`)「悪いな・・・敵対する能力者は、殺れる時に殺っとかなきゃならない」


('A`)「とりわけお前の能力はなかなか強力だからな・・・さっき逃げなかったのも、お前の能力が強力だったから、だ」スッ

ナイフを取り出し、振り上げる。

('A`)「お前は成長すれば今以上に厄介になる」

  _
(; ∀ )(くそっ、ここまでか・・・)

死を覚悟し、瞼を閉じる。

('A`)「じゃあな」

右手を振り下ろす。
長岡の、喉を裂く為に

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 16:00:45.25 ID:7uPoqQLu0



「・・・ね・・・が・・・」

('A`)「・・・?」

だが、急に聞こえてきた謎の声に、一瞬身体が止まる

「く・・・は・・・が・・・」

と、次の瞬間には

ィ'ト―-イ、
以#`゚益゚以「泣く子はいねがあああああああああああああああああああああああああ!!!」バキッ

(;゚A`)「いやゃあああああああああああ!!!」

ナイフは粉々に砕かれていた

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 16:04:26.98 ID:7uPoqQLu0
(;'A`)(何だこいつ、新手の能力者か・・・!?)

バックステップで素早く距離をとる。

(;'A`)(しかしなんだこのナリは・・・)

鬼の面に、長い髪の毛。
藁で作ったような服の隙間からは、隆々とした筋肉が見える。

  _
(;゚∀゚)「アサピー、か・・・」

ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「・・・解除」

鬼面が呟くと同時に、光に包まれる。

そしてその中から現れたのは

(-@∀@)「助けに来ましたよ・・・長岡君」

細身の、眼鏡をかけた男。
  _
(;゚∀゚)「へっ、相変わらずガリガリでやんの」

(-@∀@)「・・・君の煽りにはもう飽きたよ・・・」

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 16:06:53.96 ID:7uPoqQLu0
  _
(;゚∀゚)「へっ、これでも感謝してるんだぜ・・・」

(-@∀@)「はいはい・・・っと、はいこれ、落花生」
  _
( ゚∀゚)「おっ、サンキュー」

(-@∀@)「マヌケな君のことだから万一のことを考えて持って来たんだが・・・」

(-@∀@)「まさか本当になくしちゃったとは・・・」
  _
( ゚∀゚)「一言余計だ一言」



('A`)(・・・あの速さは凄まじかった)

('A`)(肉体強化か・・・?何にしたって二対一は分が悪い)

('A`)(ここは逃げとくか・・・)

(-@∀@)「あー、悪いけど」

('A`)「・・・何だよ、俺はもう帰りたい」

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 16:09:39.85 ID:7uPoqQLu0
(-@∀@)「・・・バーで君が残したグラスの指紋から、君の身元が判明したよ」

('A`)「・・・っ」

(-@∀@)「しかし驚いた・・・まさか八年前の能力者テロの生き残りが居たとはね」

(-@∀@)「となると・・・やはり栃木県の能力者は君なのか・・・」

  _
( ゚∀゚)「・・・おい、俺にもわかるように説明してくれ」

(-@∀@)「そうだね、紹介してあげよう・・・彼の名前は―――」

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 16:11:44.80 ID:7uPoqQLu0


――――・・・


( ・∀・)「それともう一つ、能力者は能力とは別に身体も強化される」

( ^ω^)「お、それも聞きたかったんですお」


( ・∀・)「・・・ただこれは個人差があってね・・・僕達はこの恩恵を能力と区別して『フィジカル』と呼んでいるんだ」

( ・∀・)「筋力や持久力・・・聴覚や視力。あらゆる体の機能が強化されるが・・・自分で鍛えることは出来ない」


( ^ω^)「モララーさんはどんな『フィジカル』を?」

( ・∀・)「僕は他の能力者の『フィジカル』と比べて足が速くなるんだ」

( ^ω^)「お、それでデミタスと戦うときもあんな素早い動きを」

( ・∀・)「・・・ただ、うちには最強の『フィジカル』使いがいてね・・・」

( ・∀・)「三十階建てのビルから落ちて、ケロッとしてるような・・・ね」

(;^ω^)「最強・・・どんな人ですかお?」

( ・∀・)「そいつの名前は―――」

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/14(日) 16:17:20.57 ID:7uPoqQLu0




( ・∀・)「鬱ノ宮ドクオ―――」(@∀@-)



つづく


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