川 ゚ -゚)想い出のようです(^ω^ )(・∀・ )('A`;)

6 名前: ◆Fq93F1zmDWDK 投稿日:2009/08/03(月) 18:27:56.73 ID:FcMeO6VS0


クー達がライブを見ていたのと同時刻。
およそ誰も来ないであろう倉庫内にビロードの悲鳴が響いた。

(;><)「ぎゃああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

え?こんな奴知らない?まあ確かに名前を紹介していなかったような気がしなくもない。
こいつの名前はビロード。別名、モブだ。エロゲマニアのモブだ。そしてまさかの今話の陰の主人公だ。
一時間ほど前、新作のエロゲ『淫☆生徒会室3〜会長の命令はゼッタイよ〜』を買い意気揚々と家に向かっていた。
あまりに意気揚々としていたために前方にたむろしていたニダー達に気付かなかった。
そしてそのまま町はずれにある廃工場の倉庫に連れてかれたというわけである。憐れなモブだ。

<ヽ`∀´>「うるさいニダ。爪をはがされたくらいで大袈裟ニダ。」

涙と鼻水をまき散らしながら苦しみのたまうビロードを見て、ニダーとその取り巻きたちは意地の悪い笑みを浮かべた。

7 名前: ◆Fq93F1zmDWDK 投稿日:2009/08/03(月) 18:28:58.00 ID:FcMeO6VS0
(;><)「ぎゃああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

ビロードは叫び続ける。

(;><)(やばいんです!死んじゃうんです!)
(;><)(死にたくないんです!)
(;><) 「ぎゃああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

もちろん爪をはがされたくらいで人間は死なない。しかしこの時ビロードは本気でそう思った。
苦痛を避け、責任を転換し、ささやかな自己愛に生きて来た彼のことだ。痛いニュースは毎晩確認していても、元々の意味での痛みは知らなかった。

<ヽ`∀´>「おい、あいつを黙らせるニダ。」

ニダーが取り巻きの一人に指図すると、そいつはバケツに汲んだ水をビロードに頭からかぶせた。

(;><)「ひゃあ!冷たいんです!」

9 名前: ◆Fq93F1zmDWDK 投稿日:2009/08/03(月) 18:29:58.06 ID:FcMeO6VS0
他の取り巻きも次々とビロードに水をかぶせた。
丸くうずくまるビロード。どうして自分がこんな目に遭わなければならないのか。辛くて惨めで悔しくて涙が止まらなかった。
水をかけられる度に熱を奪われていく。夏だというのに彼の唇は青白く染まっていた。
その時、何か温かいものがビロードの頭にジョロロとかけられた。

<ヽ`∀´>「ふぃー。丁度こんなところにトイレがあって良かったニダ。」

ビロードが上げたその顔にも、容赦なく小便がかけられる。
唖然とするビロードを尻目に、ニダーは取り巻きに声をかけた。

<ヽ`∀´>「お前らもやるニダ。連れションニダ。」

ビロードを取り囲み次々と局部をさらす男たち。見たくない絵である。
この状況にあってビロードはむしろ好機だと考えた。局部をさらしている状態ならこいつらは弱いと考えた。
局部をさらしている状態ならこいつらは走って自分を追う事が出来ないと考えた。なぜかそう考えた。

10 名前: ◆Fq93F1zmDWDK 投稿日:2009/08/03(月) 18:31:58.34 ID:FcMeO6VS0
(;><)「うおおおおおおお!!!」

ビロードは声をあげて立ち上がった。直後に背中をバットで殴られて倒れた。倒れたビロードの体に追撃が加えられた。

(;><) 「うう・・あ・・・・」
<ヽ`∀´>「抵抗なんて、するだけ無駄ニダ。」

楽しげにバットを振るうニダー。小便をかける取り巻き。無念と屈辱に顔を歪ませるビロード。
実に稚拙で悪質でシャレになっていないいじめだ。ビロード以外全員目がイッている。
断わっておくがニダー達はビロードに対し何の恨みもない。先日のことすら覚えているかどうかもあやしい。
ニダー達はただただ自らの快楽のためだけに(取り巻きにとってはニダーへの忠誠心を示すためでもあるが)毎日こうして何者かを嬲っていた。
イライラすれば誰かを嬲りながら薬に浸かり、ムラムラすれば誰かを犯しながら酒に浸かった。
詰まる所、彼らは暴行・麻薬・窃盗・売春・恐喝と何でもござれのゴロツキ集団なのだ。
そこら辺のゴロツキと違うところは彼らが全員中高生であることだけ。それでもいままで一度たりとも警察沙汰になった事はない。
その理由はのちに述べよう。

11 名前: ◆Fq93F1zmDWDK 投稿日:2009/08/03(月) 18:33:01.96 ID:FcMeO6VS0
(;><)「どうしてこんなことするんですか!」

四肢をじわじわと叩き潰されながらビロードは叫び聞いた。一斉に笑う男たち。

<ヽ`∀´>「それはお前がうざいからだニダ。うざったい虫けらニダ。」
<ヽ`∀´>「目障りな虫はペチンと叩き殺すに限るニダ。」

バットの音と笑い声はいよいよ大きくなった。小便くさいビロードの体に何者かの蹴りが加えられた。

(;><)「僕は虫じゃないんです!」
<ヽ`∀´>「いいやお前は虫ニダ。気持ち悪い虫ニダ。」

複数の蹴りが腹部に入る。ビロードは嘔吐する。かまわず蹴られる。水をかぶせられる。
そのうちビロードはぐったりとして動かなくなった。嬲られるままに体をゆだねた。

12 名前: ◆Fq93F1zmDWDK 投稿日:2009/08/03(月) 18:33:41.11 ID:FcMeO6VS0
<ヽ`∀´>「そろそろ飽きてきたニダ。シメに入るニダ。」

脅迫用のカメラを手にニダーはゆっくりとビロードに近づいた。わざと聞こえるように足音を立てながら。

( ><)「・・・・・・・・クオ君なんです。」
<ヽ`∀´>「なんか言ったニダか?」
( ><)「ドクオなんです!」

ニダーの顔から歪んだ笑みが消える。

( ><)「本当の虫けらはドクオなんです!」
( ><)「あいつはいつもニダーさんの悪口を言っているんです!」
( ><)「鬼の子のくせに生意気なんです!」
( ><)「それにドクオだけではないんです!」
( ><)「あいつら兄弟は全員そうなんです!」
( ><)「ちょっと有名だからって調子に乗っているんです!」
( ><)「あいつら全員許せないんです!」

<ヽ`∀´>「・・・」

13 名前: ◆Fq93F1zmDWDK 投稿日:2009/08/03(月) 18:34:27.27 ID:FcMeO6VS0
いじめをする者にとって、こういう瞬間はたまらない。
仲間を売って自分に媚を売ろうとする格下ども。
自分を中心として周りの人間が裏切り合う。
自分が王にでもなったような全能感に浸れる。

<ヽ`∀´>「・・・・なるほど、わかったニダ。」

このニダー様に媚を売ろうとするのなら、可愛がってやろうじゃないか。

<ヽ`∀´>「たしかにあの一家は目障りニダ。」

特にモララーの大人ぶった不敵な態度は生意気だ。
昔モララーと喧嘩して運悪く負けたことがある。あれがいけなかった。
あれからモララーはこのニダー様を恐れない者として人気者になった。
本人はそんな評判を疎んでいたようだが、確かにその自信は憎たらしい表情に出ていた。
ここでもう一度モララーと闘い潰さなければこの町を征したとは言えないだろう。

14 名前: ◆Fq93F1zmDWDK 投稿日:2009/08/03(月) 18:35:08.38 ID:FcMeO6VS0
<ヽ`∀´>(それに・・・)

ニダーは思い起こす。たしかモララーには長い黒髪の妹がいたはずだ。
女は楽だ。弱い。気持ちいい。脅しやすい。これまで何人の女を泣かせてきた事だろう。
ニダーの巧妙な脅迫に逆らえず今だに呼び出されている女も少なくない。

<ヽ`∀´>(なかなか悪くないニダ。)
<ヽ`∀´>(・・・)
<ヽ`∀´>「おい、お前。」
(;><)「はい!」

あの兄弟を堕とすならまずドクオからだろう。そうなればこの虫けらも使えるかもしれない。

<ヽ`∀´>「大切な事を話してくれてありがたいニダ。今日からお前も俺たちの仲間ニダ。」

因縁に決着をつけよう。ニダーはそう心に誓った。


第五話「暗影」

16 名前: ◆Fq93F1zmDWDK 投稿日:2009/08/03(月) 18:36:06.65 ID:FcMeO6VS0


( ^ω^)「バンドやるお!」

住んでいる町に戻ってきて3日。モララーが用意した謎のキーボードとその他もろもろの音響機材が届けられた。

川 ゚ -゚)「凄いなこれは。数万じゃすまないぞ。」
( ・∀・)「お古だからね。全部タダだ。」
( ^ω^)「これだけあれば本当に兄者さんになれるお!」
川 ゚ -゚)「ブーン。君は音楽をなめすぎだ。」
('A`)「あ・・・マイクだ・・・」

お古とはいえ十分すぎる機材に一同は歓喜した。さっそくブーンは機械に触れ、クーとモララーはアンプの調子を確認した。

('A`)「マイク・・・」
('A`)「歌うんだ・・僕が・・・・」
( ^ω^)「ドックン!なんか歌うお!」
川;゚ -゚)ギクッ

18 名前: ◆Fq93F1zmDWDK 投稿日:2009/08/03(月) 18:37:45.38 ID:FcMeO6VS0
クーはあの件以来、度々悪夢にうなされていた。
暗い道を延々と歩いた先にドクオと謎の小男がいる。足もとに無数の死体が転がっている。
その中にブーンとモララーの死体を見つける。クーが泣く。小男が笑う。
そしてドクオが例の歌を歌う。
そんな夢だ。
目覚めると決まってクーの体は汗にまみれ息が上がっている。そういう時はまた寝ようとしても決まってなかなか眠れなかった。

( ・∀・)「大丈夫だって。」
川 ゚ -゚)「兄さん・・・」
( ・∀・)「妹者の歌を聴いて幻想でも見たんだろう。珍しいことじゃない。」
川 ゚ -゚)「いやでも・・・」
( ・∀・)「それにほら、ドクオを見てごらん。」

19 名前: ◆Fq93F1zmDWDK 投稿日:2009/08/03(月) 18:38:37.02 ID:FcMeO6VS0
('A`)「Beautiful dreamer, wake unto me.」
('A`)「Starlight and dewdrops are waiting for tree.」

アンプにつないでいないマイクを手に、ドクオは音楽で習った歌を歌っていた。
明るく澄んだ声が部屋に響く。ロックというよりは聖歌隊といった感じだ。

( ・∀・)「どうだい?」
川 ゚ -゚)「うまい。そして・・・」
川 ゚ -゚)「優しく、きれいだ。」

それは、あの時の歌とは似ても似つかぬ天使のような歌だった。



(,, Д )「があああ!!」
(*;ー;)「ギコくん!」
(,, Д )「しぃ・・・逃げろ・・・」
(*;ー;)「そんなことできないよ!」

時は遡って5日前。場所は冒頭と同じ倉庫。
ビロードを加えたニダー一味は今日の獲物としてこの男女を嬲っていた。

20 名前: ◆Fq93F1zmDWDK 投稿日:2009/08/03(月) 18:39:35.64 ID:FcMeO6VS0
<ヽ`∀´>「泣ける愛ニダ。でもそこまでニダ。」
<ヽ`∀´>「別に殺すわけじゃないニダ。ちょっとそこの女と遊びたいだけニダ。」
(,, Д )「ニダーてめえ・・・ぶっ殺す・・・」
<ヽ`∀´>「・・・」
<ヽ`∀´>「ビロード。あの男を黙らせるニダ。」
(;><)「え!?僕なんですか?」

ビロードは突然指名されてあせった。それもそのはず、彼はいままで倉庫の隅の方で傍観していたのだ。
僕は何もやっていない。僕は悪くない。悪いのはニダーだ。僕じゃない。
必死に己にそう言い聞かせていたときに、ニダーからのこの命令である。

<ヽ`∀´>「お前ニダ。このバットを使うニダ。」
<ヽ`∀´>「それともお前が代わりに殴られたいニダ?」
(;><)「それは嫌なんです!」
<ヽ`∀´>「ならやるニダ。」
<ヽ`∀´>「そうすればあの女はお前の好きにしていいニダ。」

22 名前: ◆Fq93F1zmDWDK 投稿日:2009/08/03(月) 18:40:41.48 ID:FcMeO6VS0
ニダーは生まれつき体が大きい。腕っ節の強さならだれにも負けない。しかし彼の最大の武器はその狡猾さと残忍さであった。
手下や獲物の心理をつかみ利用させたら右に出る者はいなかった。その手腕で瞬く間に多くの若者を取り込み、この町に君臨した。
これだけの悪事を働いていながらニダー達が平然と暮らしているのも、ひとえにニダーの恐喝の才によるものだった。

(;><)oO(  (*゚ー゚)  )
(;><)ごくり
(;><)「やるんです!」

そんな男にとって、この童貞モブを操ることなどわけもなかった。

(,, Д )「はあ・・はあ・・」
(;><)ソー
(,, Д )「何だゴラァ!」
(;><)「ひい!」

にらみ合うギコとビロード。片方は立つことも出来ないくらい怪我を負い、片方は震える手にバットを握る。
数秒の緊迫した時が流れる。先に静寂を破ったのは童貞だった。

(;><)「あ・・・あの・・・」
(;><)「恨まないでほしいんです!」
(;><)「脅されて仕方なくやったんです!僕は悪くないんです!」
(;><)「あの女の人もきっと許してくれるんです!」
(;><)「だから・・・その・・・」

ビロードはバットを強く握りなおす。

(;><) 「ごめんなさいなんです!」

23 名前: ◆Fq93F1zmDWDK 投稿日:2009/08/03(月) 18:41:54.24 ID:FcMeO6VS0
ビロードはバットを振り下ろした。鈍い音がした。鈍い感触がした。
男が倒れる。女が悲鳴をあげ駆け寄ってくる。自分を見て何かを喚く。
やめてよ。僕を責めないでよ。そんな目をして僕の事を見ないでくれよ。
なんで僕をそんな目で見るんだ?僕は悪くない。僕は悪くない。僕は悪くない。
悪いのはニダーだ。僕じゃない!!!僕をそんな目で見るな!!!
ニダーだったらもっと嬲ったはずだ。僕にはわかる。あいつは悪魔だ。
僕だって被害者だ。仕方なかったんだ。別に殺したわけじゃないだろ?
殺した?そんなわけない。そんなんで死んでたまるか。
そんなんで死ぬなら脆いつくりをしているそいつが悪い。
だいたいそいつだって睨んできた。やらなきゃやられていたかもしれない。
たまたま俺が勝った。それだけだ。弱いそいつが悪い。俺じゃない。
ほら。うめき声を上げた。大丈夫。生きているじゃないか。

24 名前: ◆Fq93F1zmDWDK 投稿日:2009/08/03(月) 18:42:41.47 ID:FcMeO6VS0
なんで俺をそんな目で見るんだ?なめてんのか?
立場わきまえろよお前。これでお前は俺のものなんだぞ?
いいの?やるよ?ヤッちゃうよ?俺、手加減しないよ?
ほら服を脱げよ。何抵抗してんだよ。いいの?この男を殺しちゃうよ?
そうそう。それでいいんだよ馬鹿。ほら隠すな。手をどけろ。
何泣いてんだよ鼻水出してキメエんだよほらしゃぶれよその汚い顔でしゃぶれよ
え?ふざけんなよ俺じゃねえよ俺は悪くねえよああイクやばい
そこまでだ今度はケツこっちに向けろよ嫌だとか言ってんじゃねえよ
いまさらなんだようまそうにしゃぶっておいてほらいれるぞ
ほらそのおとこのまえでおかされてるきぶんはどうだうるせえないいかげんなくなころすぞ
そのおとこはよわかったんだだからおれさまにまけたんだだからおまえはおれさまのもんなんだ
たまんねえなえろげなんかよりぜんぜんきもちいぜほんとうににだーさまさまだな
ああやばいこんどこそいくぞなかにだすぞいいなおれさまをうらむなよわるいのはおれさまじゃない
だいたいおまえだってかんじてんじゃねえかだからわるくなあああいくぞだすぞ!

25 名前: ◆Fq93F1zmDWDK 投稿日:2009/08/03(月) 18:43:33.20 ID:FcMeO6VS0
女の上で必死に腰を振っていたビロードが痙攣し果てた。
少しして落ち着くと、わなわなと震えだし泣きだした。
そして、僕はなんて事を!と言ってどこかへ逃げて行った。
ニダーはその一部始終をカメラに収めていた。

<ヽ`∀´>(あいつは、最高の虫けらニダ。)

26 名前: ◆Fq93F1zmDWDK 投稿日:2009/08/03(月) 18:44:15.06 ID:FcMeO6VS0


(;^ω^)「全っ然弾けないお。」

時は戻って場所も自宅。
キーボードを前にしてブーンは苦戦を強いられていた。

川 ゚ -゚)「おいおい。ドレミファソラシドくらい弾けなくてどうする。」
( ^ω^)「だいたいブーンの指は5本しかない時点でドレミファソラシドは無理だお。」
ξ゚听)ξ「そこはね、ミまで来たらファは親指を使ってこう・・・」
( ^ω^)「こうかお?」

ドレミ…ファ…ソラシド

ξ゚听)ξ「そうよ!できたじゃない。」
ξ゚听)ξ「あとはつなぎ目をもっと滑らかにすればいいわ。」
( ^ω^)「おっお。ツンの教え方は上手いからすぐできるようになるお!」
ξ////)ξ「ばっ馬鹿!」
川 ゚ -゚)(最近のこいつらは本当にうざいな。)

27 名前: ◆Fq93F1zmDWDK 投稿日:2009/08/03(月) 18:45:31.55 ID:FcMeO6VS0
まあ確かに目の前でこんなに堂々とイチャつかれたら誰だってイライラしよう。
クーの場合、堂々とした恋愛が出来ないからなおさらだ。

( ・∀・)チョイチョイ
川 ゚ -゚)?

モララーが物陰からクーを呼ぶ。

( ・∀・)「ツンちゃんってこれから毎日来る気?」
川 ゚ -゚)「おそらくそうだろうな。」
(;・∀・)「まじか・・・さすがと言うかなんというか・・・」
(;・∀・)「アメリカンだよなあ。」
川 ゚ -゚)「ツンの母親はフランス人だ。」

モララーはツンの事が嫌いではないが苦手だった。ツンを前にすると調子が狂うのだ。
そもそもこの家に来てる時点でツンは相当な奇人と言っていい。その上ブーンと付き合っているなんて正気の沙汰じゃない。
おそらく、日本人離れした価値観の持ち主であるツンにとって鬼がどうとかなぞ関係ないのであろう。
それでもブーンの先天性黒斑病という客観的事実は変わらない。
ブーンの何がツンのハートを射止めたのか?
何故むしろブーンの方に余裕があるのか?
残り少ないブーンに対し、何故そんなもどかしい恋をしていられるのか?
考えれば考える程よくわからないカップルだ。でもラブラブなのだからしかたない。

29 名前: ◆Fq93F1zmDWDK 投稿日:2009/08/03(月) 18:46:28.85 ID:FcMeO6VS0
川 ゚ -゚)「ツンの可愛さに目が眩んだらダメだぞ。」
( ・∀・)「それはないから安心しな。」
川 ゚ -゚)「そうか。」
( ・∀・)「え?何?焼きもち?焼きもちやいてんの?」
( ・∀・)「クーちゃんか・わ・い・い〜!!」
川 ゚ -゚)「そうか。」
(;・∀・)「え、あ。うん。」

モララーは、シラフのクーも若干苦手であった。

30 名前: ◆Fq93F1zmDWDK 投稿日:2009/08/03(月) 18:47:08.34 ID:FcMeO6VS0


(*゚ー゚)「ねえ。もうこんなことやめよ?」
( ><)
(*゚ー゚)「こんな事したって自分を傷つけるだけだよ?」
( ><)
(*゚ー゚)「だから、ね?もうやめy
( ><)「ケツをこっちに向けろよ。」
(*゚ー゚)「え?」
( ><)「写真、ばら撒かれたくないんだろ?あの男に見られたくないんだろ?」
( ><)「だったらケツをこっちに向けろよ。」

31 名前: ◆Fq93F1zmDWDK 投稿日:2009/08/03(月) 18:48:24.18 ID:FcMeO6VS0


バンドを組む時、最初に悩むのはメンバーとそのパートである。
ならば次に悩むのは何だろう?曲?練習日程?
否。全てとはいわないが、多くの若者はもっと下らないことに頭を悩ませる。

( ^ω^)「ダブルステーキ!」
( ・∀・)「童貞黒薔薇族!」
('A`)「Union Jack」
川 ゚ -゚)「恋愛ポップコーン!」
( ^ω^)「ラーメンライス!」
( ・∀・)「淫乱亜空間!」
('A`)「Hail To The Thief」
川 ゚ -゚)「キャラメルラブ!」
( ^ω^)「あぶらいか!」
( ・∀・)「超絶廃人邪気眼隊!」
('A`)「COLD BLOOD」
川 ゚ -゚)「エンジェルレボリューション!」

32 名前: ◆Fq93F1zmDWDK 投稿日:2009/08/03(月) 18:49:29.97 ID:FcMeO6VS0
そう、バンド名である。
ちなみにドクオはまとも、ブーンとクーは天然、モララーは愉快犯だ。
作者?もちろん愉快犯だ。どれくらい伝わるかは甚だ疑問だが。

( ・∀・)「なんでブーンは食べ物ばっかなんだよ。」
( ^ω^)「超絶童貞邪気眼隊に言われたくないお。」
(#・∀・)「超絶廃人邪気眼隊だ!」
(#^ω^)「変わんないお!」
(#・∀・)「全然ちげえよ馬鹿!」
( ・∀・)「まったく・・・。少しはドクオを見習えよな。」
( ^ω^)「ドックン。Hail To The Thiefってどういう意味だお?」
('A`)「・・・・・ggrks・・・・・」
(;^ω^)そ!

35 名前: ◆Fq93F1zmDWDK 投稿日:2009/08/03(月) 18:50:31.42 ID:FcMeO6VS0
なんとも下らなく微笑ましい会話だ。まさに時間の無駄遣いだ。
実際、荻窪のマックなんかにいくとこういう会話をしている若者に遭遇することがある。

川 ゚ -゚)「そもそもどんな音楽を作るつもりなんだ?」
( ^ω^)「vipQみたいなのがいいお!」
川 ゚ -゚)「却下。あれはよっぽどの才能がないと不可能だ。」
(;^ω^)「お・・・」
( ・∀・)「でも俺たちにはドラムがないよ。」
川 ゚ -゚)「打ち込みを使うしかないだろうな。」
川 ゚ -゚)「機材ならあるからいつかスタジオに行こう。」
(;^ω^)(うちこみ?うちこみってなんだお?)
(;^ω^)(兄者さんがつかっていたアレかお?)

37 名前: ◆Fq93F1zmDWDK 投稿日:2009/08/03(月) 18:52:15.09 ID:FcMeO6VS0


さて皆さんこんにちは。ご存じ、作者だ。
作中でも一切自重しないあの作者だ。
え?お前なんて知らない?ハハッ、ワロス。
そんなことより皆さんに伝えなければならない事がある。
今後の展開についてだ。
え?二話連続でそんな話はいらない?まあまあそう言いなさんな。

川 ゚ -゚)「ドクオ、携帯が鳴っているぞ。」
('A`)「うん・・・」

38 名前: ◆Fq93F1zmDWDK 投稿日:2009/08/03(月) 18:53:11.43 ID:FcMeO6VS0
もう何度も何度も話しているが、この物語は青春ものではない。
このままバンドをやっていくなんて展開はあり得ない。
だから何かしらの不幸を用意しなければならない。
いままで物語を覆っていたのはその不幸の暗影でしかない。
不幸は、まず一通のメールから始まる。

('A`)「あ、ビロードくんからだ・・・」
「ドクオ君!渡したいものがあるんです!明日公園に来てほしいんです!」

でも必ずしも悲しむことはない。不幸があっても救いがないとは限らない。
究極、作者である私が夢オチにしてしまえばいいのだ。
まあ何にせよ物語は三分の一を終えた所だ。まだまだストーリーに変更の余地はある。
作者の脳内とは違う次元で勝手に歩きだした愛すべき登場人物たち。
作者はこの物語を書くにあたって、皆と同様に、驚きと発見の連続である。
私の仕事は最早物語を創ることではない。物語を伝えることだ。
その為の筆が私に足りていないのが何とも残念であるが、気にせず書いていこうと思う。
この兄弟の行く末を私とともに見届けてくれたなら幸いだ。

第五話「暗影」 終わり



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