( ^ω^)は巨大ロボットを操縦するようです

219 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/10/28(日) 10:48:42 ID:A/n8qVfc0



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         ( ^ω^)は巨大ロボットを操縦するようです

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         第伍話      (略)トーナメント(略)開始
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         後編
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220 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/10/28(日) 10:49:45 ID:A/n8qVfc0
( ^ω^)「えっと、トーナメント表によると次の対戦相手は…」

【社員番号 19793】

( ^ω^)「社員番号…ってことは、次はスギウラの人が相手かお」

ドタドタドタ…

(; ><)「お、遅くなってすみませんなんです!」

(#゚Д゚)「バッキャロー若菜テメー!何十分トイレ入ってやがんだ!次の準備がいつまで経っても終わらねーだろ!」

(; ><)「ひいいいい!すみまんせんなんですうううう!」

(; ^ω^)「おー…整備の人かお?大変だおねー」

(,,゚Д゚)「ったく!おら、さっさと始めちまうぞ!ただでさえ機体が多くて大変なんだからよぉ!」

( ><)「は、はいなんです!」

( ^ω^)「…ちょっと、いいですかお?」

(,,゚Д゚)「あ?おお、オメー最後までボコスカやってたやつだな。なかなかいい動きしてたじゃねーか」

( ^ω^)「ありがとうございますお」

222 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/10/28(日) 10:50:52 ID:A/n8qVfc0
(,,゚Д゚)「んで?何か用か?」

( ^ω^)「機体の整備って、ここでやるんですかお?」

(,,゚Д゚)「おうよ。うちの訓練場は金かかってっからなぁ、ここで一通り整備も出来るようにされてんのよ」

(; ^ω^)「そうなんですかお?やっぱスギウラは一味違いますお…」

(,,゚Д゚)「もう整備に入ってる機械もあるしな。つーかオメー、武器の換装もここでやってたろうがよ」

( ^ω^)「まぁ換装はパイロットがいれば大した作業じゃないですし」

(,,゚Д゚)「ほう。言うじゃねーか」

(; ><)「いやいやいや、武器の換装はちょっと間違えれば暴発の危険だって…」

(,,゚Д゚)「バカヤロー。熟練のパイロットとなりゃあ、あんなもん朝飯前だっつーの。うちのベテラン連中は皆そうしてる」

(; ><)「そ、そういうものなんですか…?」

(,,゚Д゚)「ま、ここにいる中でそれができるやつなんざ数えるほどだろうがな。さっきの試合も見てたし、オメーは『できる』方にカウントしてやるよ」

( ^ω^)「ははは、また褒められちゃいましたお」

(; ><)「うへぇ…猫野さんにこんなに褒められる人、初めて見たんです…」

(,,゚Д゚)「テメーはもう少し怒鳴られないようにやれや」

(; ><)「はいなんです…」

234 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/10/28(日) 11:01:34 ID:A/n8qVfc0
(,,゚Д゚)「おっと、あんまり話し込んでる場合じゃなかったな。とっとと整備をしちまわねーと」

( ^ω^)「呼び止めてすみませんでしたお」

(,,゚Д゚)「気にすんな。俺が整備する機体は大したやつが乗る機体でもねーし、武装も換装しねーしな」

(; ><)「ひどい言い方なんです…」

(,,゚Д゚)「うっせーな!オラ、行くぞ若菜!」

(; ><)「は、はいなんです!」

スタスタスタ…

( ^ω^)「新人さんは大変だおねー」

( ´ω`)「うちは新人さん雇う余裕もないから、フレッシュさがなんだか眩しいお…」

(´・_ゝ・`)「136番…内藤さんですね。機体整備は終わりましたが、換装はどうなさいますか?」

( ^ω^)「いらないですお」

(´・_ゝ・`)「では、ペイント弾の補充だけしておきます」

( ^ω^)「お願いしますおー」

223 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/10/28(日) 10:51:33 ID:A/n8qVfc0
(゚、゚トソン『―では、各機整備も完了したようですので、早速次の試合を開始したいと思います』

(゚、゚トソン『パイロットは各自、機体に乗り込んでください』

(; ^ω^)「って、僕の対戦相手がまだ来てないんだけどお…」

ドタドタドタ…

(; ><)「遅くなってすみませんなんです!」

( ^ω^)「お?どうかしたんですかお?」

(; ><)「え?どうかしたかって…もう2回戦、始まるんでしょう?」

( ^ω^)「そうですけどお…なんで整備班の人が?」

(; ><)「ち、違うんです!僕は整備班じゃないんです!パイロットなんです!」

( ^ω^)「えっ」

( ><)「社員番号19793、入社2年目!若菜ビロードなんです!よろしくお願いします!」

( ^ω^)「じゃあ、さっきの人が言ってた整備機体って…」

( ><)「はい!僕の機体なんです!」

224 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/10/28(日) 10:52:32 ID:A/n8qVfc0
プシュー… ガチャン

( ^ω^)「(あの人がパイロットだったとは…全然気付かなかったお)」

(゚、゚トソン『第7ブロック2回戦を開始いたします』

(゚、゚トソン『合図と同時に試合を開始してください』

ピーッ!!

( ^ω^)「(さて、ああは言われたけどまずは様子見…)」

内藤が考えを巡らせる間もなく、若菜が駆け出した。

( ^ω^)「(接近戦狙いかお。普通ロボットの接近戦は二年やそこらじゃできない芸当のはずだけどお)」

腰部から演習用ナイフを取り出し、注意深く右手に構える。
若菜の機体は、内藤の想像以上に軽やかな動きを見せていた。

(; ^ω^)「さすがに大企業の新人さんは動きが違うお…手早く動いたほうが良さそうだおね」

気を引き締め、グリップを握り直す。

( ^ω^)「…ここだお!」

前方数十メートル、機体の胸部に向けてナイフを突き出した。
全速力で駆ける若菜がそれを避けられるはずもない。

225 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/10/28(日) 10:53:50 ID:A/n8qVfc0
と、内藤は思っていた。
しかし実際には。

(; ^ω^)「避けた!?」

内藤が突き出した右手とナイフはあっさり避けられ、若菜の脇腹を通過していた。
だけでなく―

(; ^ω^)「ちょっ、嘘だお!?」

高音が鳴り響き、ナイフの刃が弾け飛んだ。
ナイフを破壊したのは、一気に締められた若菜の右脇。

(; ^ω^)「なんつー動体視力と反射神け…」

次の瞬間、強烈な振動が内藤の機体を揺さぶった。
機体が斜めに傾き、倒れこみそうになるのをどうにか押さえ込む。

(; ^ω^)「今の…『殴られた』!?」

反射的に、機体の姿勢を大きく下げた。
カメラの映像から、二撃目が頭上を掠めていったと判断し、一気に跳び退る。
間髪入れず距離を詰めてくる若菜の機体を睨み、内藤はあることに気付いた。

若菜は、武装を一つも搭載していなかったのである。
235 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/10/28(日) 11:02:16 ID:A/n8qVfc0
(; ^ω^)「やけに動きが速いのもそれが理由かお!」

巨大ロボットの武装は、それ自体のサイズも当然巨大になる。
各種武装の合計重量は数十トンを超えることも珍しくない。
演習用の軽量な弾薬しか使っていないとはいえ、内藤と若菜のスピード差は歴然だった。

(; ^ω^)「この距離まで詰められちゃハンドガンもまともに機能しないおね…なら!」

打撃を回避するために後退を繰り返していた機体の動きを急転換し、若菜に向かって突っ込んでいく。
しかし読まれていたのか、三発ほどのストレートと膝蹴りをまともに喰らってしまった。
激しい金属音と共に内藤の機体が先程以上に大きく揺らいだが、辛うじて転倒を防ぐことに成功する。

(; ><)『…どーして倒れないんですか!?体勢を保つなんて普通できないのに…』

あまりに理不尽だと思ったのか、若菜がスピーカーから驚愕の声を発する。
無論、内藤が転倒しなかったのは彼の操縦技術の賜物であった。

( ^ω^)『喋ってると舌を噛むお!』

内藤は更に機体を前進させ、強引にタックルを決めた。
若菜の機体にがっちりと食らい付き、レスリングのような体勢に持ち込む。

(; ><)『うあ、まず…!』

一瞬怯んだ隙を逃さず、右拳で若菜の機体の中心部に狙いを定める。

( ^ω^)『巨大ロボット流寸勁ってやつだお!』

右腕部のモーターがフル稼働し、至近距離から急加速した拳が叩き込まれる。

226 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/10/28(日) 10:54:33 ID:A/n8qVfc0
ガギャン!!

(; ><)『うわわわわ!』

予期せぬ衝撃に対応できず、若菜の体勢が崩れた。
内藤は姿勢を上げ、更に掴み掛かった。

( ^ω^)『格闘術ならこういうのもある…お!』

右手で無理やり首の付け根を掴み、左手で右腕部を大きく引きずり込む。
そのまま機体を急旋回させ、向きを反転させた状態で機体を潜り込ませた。

(; ><)『ま、まさか!』

踏ん張りが利かず、若菜の機体が宙に浮いた。
瞬間、カメラの映像が反転し―

(# ^ω^)『背負い投げえええええ!!!』

ドズゥゥゥゥゥン…

あまりの衝撃に目を白黒させた若菜が我に戻ったとき、メインカメラにはハンドガンを突きつける内藤の機体が映っていた。

(゚、゚トソン『一本』

228 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/10/28(日) 10:55:58 ID:A/n8qVfc0
プシュー…

( ^ω^)「ふー、危ないところだったおー。ありがとうございましたお」

(* ><)「内藤さんすごいんです!!大興奮なんです!!」

(* ><)つと(^ω^ ;) ブンブン!!

(* ><)「巨大ロボットで投げ技をかけるなんて!!」

(; ^ω^)「ああいや…若菜さんでもできると思いますお?あれだけ機敏に動けるんだし」

( ><)「そ、そうですか?でも僕、キックボクシングだから投げ技って馴染みが無くて」

( ^ω^)「あの動き、キックボクシングだったんですおね」

( ><)「はい!僕の唯一の取り柄なんです!」

ゴチン!!

(; ><)「あだ!」

(,,゚Д゚)「派手に負けといて楽しそうにお話してんじゃねーバカヤロー」

(,,゚Д゚)σ「とっとと機体整備!ダッシュ!」

(; ><)「す、すみませんなんですううううう!!」 ダダダダダ…

229 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/10/28(日) 10:57:00 ID:A/n8qVfc0
(,,゚Д゚)「しかしたまげたぜ。ロボットの投げ技は見たことねーわけじゃねーが、背負い投げとはな」

( ^ω^)「ははは…見様見真似ですお」

(;゚Д゚)「はぁ?マジかお前?」

( ^ω^)「昔、ロボットの背負い投げを何回も見たことがあったので」

(;-Д-)「…どーいう環境なんだよ、お前」

( ^ω^)「零細企業の元若社長ですお。ところで、若菜さんのことなんですけどお」

(,,゚Д゚)「ああ、あれでなかなかやるだろ」

( ^ω^)「ですおね。徒手空拳だけで戦うってパイロットはなかなかいないんじゃないですかお?」

(,,゚Д゚)「俺の知る限り、十数人ってとこだな」

(,,゚Д゚)「ただベータは格闘用の機体じゃねぇからな…本当はVVV辺りの機体のほうがあいつ向きなんだろうけどよ」

( ^ω^)「確かに。キックボクシングをやってたって言ってましたけどお」

(,,゚Д゚)「大学大会の日本チャンプなんだとよ。しかも一年から四年まで四連覇」

( ^ω^)

( ^ω^)「えっ」

230 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/10/28(日) 10:58:15 ID:A/n8qVfc0
(,,゚Д゚)「プロからの勧誘も来てたらしいがな、何を思ったかうちに来たってわけだ」

(; ^ω^)「異色ですおね…」

(,,゚Д゚)「イロモノの間違いじゃねーか?じゃ、俺も整備があるんでもう行くわ」

(; ^ω^)「あ、お疲れ様ですお…」

……

(; ^ω^)「人って見かけによらないものだお…」

プルルルル…

( ^ω^)】「もしもし?」

('A`)】『おいーす、二戦目終わったんだろ?ツンが電話しろってうるさくてよー』

(; ^ω^)】「つーかどこで情報得てんだお…」

('A`)】『スギウラの整備員にゃ知り合いが何人かいるんだよ』

('A`)】『ま、勝ったようで何より。こっちは問題ねーからもうしばらく頑張れ』

( ^ω^)】「把握したお!」

231 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/10/28(日) 10:59:07 ID:A/n8qVfc0



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         ( ^ω^)は巨大ロボットを操縦するようです

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         第伍話      (略)トーナメント(略)開始
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          終
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232 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/10/28(日) 10:59:55 ID:A/n8qVfc0



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          次回
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         ( ^ω^)は巨大ロボットを操縦するようです

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         第陸話      (略)トーナメント(略)中盤戦
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