('A`)学園大戦争のようです

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/07(日) 12:09:51.39 ID:SGBnMNhF0
移動する車はガタガタと揺れ動く
ドクオはダルそうに窓の外を見つめた

見慣れぬ景色、見慣れぬ町、見慣れぬ人

何度これを体験しても初めての物に対しての警戒心は消えることは無い

('A`)「いい加減慣れるべきかねえ」

転校に
しかも人生で13回目の

('A`)「……また一からやり直しかぁ」

人間関係というものはそう簡単に築けるものではない

特にドクオのような人見知りには大きな難問であった

('A`)「………」

車から見える景色は慌ただしく流れていく

ドクオはそれを目で追うのをやめた

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/07(日) 12:11:47.21 ID:SGBnMNhF0





('A`)学園大戦争のようです





6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/07(日) 12:13:50.04 ID:SGBnMNhF0
/ ,' 3 「えー…今日からこのクラスに転入してきた鬱田ドクオ君だ」

('A`)「よろしくお願いします」

もう何度言っただろうかこの台詞

ナンダオトコカヨー
    エー…ナンカビミョー…

もう何度言われただろうかその台詞

('A`)(どーせ根暗ですよーだ)

初対面には好印象を持たれるなど滅多にない

前髪も長くボサボサしており、低身長でヒョロイ

決して第一印象がよいタイプの人間ではない

('A`)「………」

おまけに人見知り

/ ,' 3 「じゃあ鬱田君は一番後ろの空いてる席に」

もはや転校生のお決まり席である

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/07(日) 12:21:10.67 ID:SGBnMNhF0
('A`) ガタン

川 ゚ -゚)

('A`)(おぉう…なんという美少女)

隣に座っていたのは
黒い長髪、白い肌、大人しめの雰囲気

('A`)(そして…フローラルな体臭)クンクン

まさに清楚系美少女

13回目の転校にしてようやく当たり席が回ってきたか

川 ゚ -゚) チラッ

(*'A`) ドキッ

川 -) プイッ

('A`)(ですよねー)

('A`)(でもまぁ…)

(*'∀`)(転校初日は隣から教科書見せてもらえるし!)

/ ,' 3 「おぉそういえば鬱田」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/07(日) 12:25:21.88 ID:SGBnMNhF0
/ ,' 3 「ここの教科書類全部揃えてあるから、あとで職員室に来なさい」

('A`)

* * * 

('A`)「…鬱だ」

山のように積み重なる教科書を小さい体で運ぶドクオ

('A`)「畜生やりおるなこの学園…」

( ^ω^)「おっお、大丈夫かお転校生」

いきなり現れた少しふくよかな男子生徒
その巨体に見合った大きな手でドクオの持っていた教科書を半分ヒョイッと担ぐ

('A`)「あ、ありがとう…」

( ^ω^)「礼には及ばんお」

大きな体と並ぶ小さな体
なんともひょうきんな光景だろうか

('A`)「え、えっと…」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/07(日) 12:30:04.48 ID:SGBnMNhF0
( ^ω^)「内藤ホライゾン」

('A`)「内藤君…」

(*^ω^)「ブーンでいいんだお!」

('A`)「ぶ、ぶーん?」

( ^ω^)「僕のあだ名だお」

('A`)「そ、そうなんだ」

ブーンのニコニコ顔が一層笑みを増す

(*^ω^)「これから宜しくなんだお!」

('A`)

(*'∀`)「う、うん」

( ^ω^)「おっおっおー」

(*'A`)(初日に友達出来ちゃった…)

ニヤニヤと口が綻ぶのを必死に隠すドクオだった

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/07(日) 12:35:02.45 ID:SGBnMNhF0
* * *

('A`)「ふぅ…」

慌ただしい一日が終わった
自宅のベッドに横たわりながら今日を振り返る

あの後ブーンに引きずられながらの学校探検
そして不本意ながらも各クラスに挨拶巡り

これはさすがにやり過ぎだと思ったが

ただ、ここまでドクオに接してくれた友達も初めてである

新しい感覚にドクオは戸惑いながらも喜びを感じていた

('A`)「……良いヤツだったなぁ…」

('A`)「……あ」

そういえば、机の中に細かい学園に関する書類を入れっぱなしだったのを思い出した

('A`)「明日までに提出なんだよなー…」

時計を見るとPM9:00
どう考えても校門は閉まっているだろう

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/07(日) 12:40:05.91 ID:SGBnMNhF0
('A`)「………」

* * * 

('A`)「来てしまった」

なんとも生真面目な性格だとドクオ自身思う

校門を必死によじ登り学校内に侵入する
ラッキーなことに何故か鍵は開いていた

真っ暗な教室へ入ると、素早く机の中を探り書類を鞄へ詰める

その時、ガタンっと何かが動く音が背後から聞こえた
くるりと振り向くが、そこにはロッカーと掃除用具入れしか見当たらない

('A`)「…気のせいか?」

そう思いまたフッと前に視線を戻す

ミセ*゚ー゚)リ「こんにちはっ!」

('A`)「……」

(;'A`)「!?」ビクッ

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/07(日) 12:45:39.83 ID:SGBnMNhF0
ほんの3秒前までいなかった人間が、今目の前に現れている
しかも全く気配を感じさせずに

可能なのだろかそんなこと
足音すらしなかったのに

その見知らぬ少女に恐怖感を覚えたドクオは2、3歩下がる

その間に妙な沈黙が流れる
辛うじて聞こえてきたのは時計の秒針が奏でる音くらいだった

ミセ*゚ー゚)リ「あははー驚かないでよそんなに」

少女は冷えきった笑顔をドクオに向ける
そして机越しにドクオの頬に手をあてた

(;'A`)「なな…な…な」

声が うまく出ない

ミセ*゚ー゚)リ「まぁ見た目はともかく持ってるものは確かに良いかもねー」

ミセ*゚ー゚)リ「…うん」

ミセ*^-^)リ「死刑決定☆」

少女がそう呟いた途端
ドクオの顔に痛みが走った

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/07(日) 12:49:12.11 ID:SGBnMNhF0
(;'A`)「痛っ!!」

驚いて思わず尻餅をつく
そして痛んだ頬をそっと触れ何が起きたか確認した

(;'A`)「…切れてる」

ドクオの手には真っ赤な血がついていた

ミセ*゚ー゚)リ「あははは!!!!!!」

少女が大きく手を叩くと空気が大きく揺れた
そして次の瞬間、ドクオは信じられない光景を目にする

(;'A`)「!?」

壁や机がまるでチェーンソーにでも切られたかのようにスライスされた
大気は大きくうねり、刻まれた机たちはドクオに降りかかる

(;'A`)「う、うわあああああ!!!!」

腰を抜かしつつも必死に逃げようと上半身を動かす
しかし、体はそんなに容易く言うことを聞いてはくれなかった

(;'A`)(あぁ…俺はここで死ぬのか…)

('A`)(思えば何にも無い薄っぺらい人生だった…)

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/07(日) 12:53:38.09 ID:SGBnMNhF0
('A`)「さよなら我が青春、我が人生」

破片がドクオを襲う

ああ、こりゃ死ぬな
ドクオが覚悟を決めた時だった

('A`)「……」

('A`)「……生きてる?」

「そんな簡単に死なれても困る」

川 ゚ -゚)「やぁ、転校生」

('A`)「……清楚系美少女?」

川 ゚ -゚)「なんだかよく分からない名前をつけられたものだ」

川 ゚ -゚)「私は素直クール」

('A`)「素直…さん………?」

ダメだ思考が追いつかない、ドクオは呟く
何故あの清楚系美少女・素直さんがここにいる?

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/07(日) 13:00:04.63 ID:SGBnMNhF0


その素直さんは何故俺の目の前に機関銃を背負い立っている?
何故あの攻撃を受けたのに平気でいられる?
そもそも何故俺は襲われている?

ミセ*゚ー゚)リ「邪魔しないでよー」

川 ゚ -゚)「相変わらずとんでもないことをしてくるなお前は…」

ミセ*゚ー゚)リ「抜け目ないでしょー」

川 ゚ -゚)「…ホントにな」

その台詞を合図に二人は真っ正面から飛びかかった
少女は手をパンっと叩き、また大気を歪ませ空を切る

見えない刃は周りの備品を砕き飛び散らせ素直クールを襲う
素直クールは避けることをせずに、その攻撃を受けた

彼女の白い肌を粉砕された備品達が引き裂く
真っ赤な血は辺りに飛び散り宙を舞う

川 ゚ -゚)「……【大気圧壊】」

彼女はそう呟くと手のひらを相手の方に押し出した
すると、周りの大気は渦を巻き彼女の手へと密集する
そして物凄い回転を掛けながら少女へと放った

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/07(日) 13:02:10.97 ID:SGBnMNhF0
ミセ* - )リ「くっ……」

勢い良く吹き飛んだ少女はドクオから見て前方の黒板に叩きつけられる
あんなに頑丈そうな黒板は少女に掛けられた圧力に耐えきれず、その姿を崩壊させた

川 ゚ -゚)「逃げるぞ!」

('A`)「えっ…あっ」

素直クールはヒョイッとドクオを担ぐと
黒い髪を靡かせながら教室から走り去った

ミセ* - )リ「………」

ミセ* - )リ「……こちらミセリ、【種】…発見しました」

ミセ* - )リ「………えぇ、例の転校生、です…」

* * *

('A`)「………」

川 ゚ -゚)「怪我はないか」

('A`)「…怪我っつーか……」

('A`)「……思考が追いつきません」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/07(日) 13:05:16.46 ID:SGBnMNhF0
川 ゚ -゚)「だろうな」

('A`)「…なんなんすか…これ」

川 ゚ -゚)「…まぁ一言で言えば《戦争》だ」

('A`)

('A`)「戦争、ですか」

川 ゚ -゚)「戦争です」

理解し難い言葉を発した後
素直クールはドクオに小さな鉄の塊を手渡した

(;'A`)「ひぃっ!!」

小型の 銃

川 ゚ -゚)「大丈夫、本物だ」

(;'A`)「むしろ心配です!!」

川 ゚ -゚)「私も完全に君を護衛できるわけじゃないし、危ない時はそれで頑張ってくれ」

(;'A`)「はぁっ!?」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/07(日) 13:08:22.25 ID:SGBnMNhF0
(;'A`)「いや、意味分かんないし!何で?何でこうなったの?忘れものしたから?」

(;'A`)「今後誓って忘れ物はしない!絶対しない!」

川 ゚ -゚)「君が忘れ物をしようとしまいと」

川 ゚ -゚)「こうなることは初めから決まっていたのだよ」

(;'A`)「何なんですかホント!宗教ですか!勧誘ならお断りします!」

川 ゚ -゚)「落ち着け」

(;'A`)「落ち着けねええええ!!!ってか何で?何で急にあの女の子攻撃してきたの?」

(;'A`)「サイコキネシスですか!?超能力者です☆ンッフって感じですか!」

川 ゚ -゚)「まあ超能力とも似たようなものだが」

川 ゚ -゚)「ここはかっこよく能力と言いたい」

(;'A`)「超が付くか付かないかじゃん!むしろ超が外れて劣化しとるし!」

川 ゚ -゚)「…たしかに」

(;'A`)「冷静に納得しないで!」

川 ゚ -゚)「とりあえず落ち着きたまえ鬱田君」

( A )「フー…フー…」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/07(日) 13:11:24.18 ID:SGBnMNhF0
( A )「…帰らせてくださいお願いします」

川 ゚ -゚)「残念ながらそれは無理なお願いだな」

( A )「どうしたら帰らせて貰えるんですか…」

川 ゚ -゚)「………」

ドクオがうな垂れてへたり込んだ瞬間だった
ドォォォーーン!!!!と大きな音を立て、天井は粉々に砕け散った
よく見るとそこから顔をひょっこり覗かせている人物がいる

('A`)「!?」

ミセ*゚ー゚)リ「さっきはどうもー」

先ほどの少女――ミセリだった

(;'A`)「すすす素直さん!」

川 ゚ -゚)「分かっている」

スカートについた土を荒々しく払うと、素直クールはミセリを睨みつける

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/07(日) 13:17:01.36 ID:SGBnMNhF0
川 ゚ -゚)「君も随分しつこいな」

ミセ*゚ー゚)リ「粘り強いのよ」

川 ゚ -゚)「髪にくっついたまま二日放置したガム並だな」

('A`)「それはしつこい」

ミセリはクスッと笑うと、手のひらを地面に思いっきり叩きつけた
パンッという音と同時に地面はひび割れ、あっという間に崩れ落ちる

(;'A`)「うわっ!」

素直クールは岩を蹴り飛ばし、安全地帯へ飛び移るが
足場をなくしたドクオは重力に身を任せ落ちて行く

その後を飛び降りて追うミセリ
落下中のドクオの目の前でニヤリと笑い手を伸ばした

(;'A`)(死ぬ…!!!)

ミセ*゚ー゚)リ「はい、終ry――」

川 ゚ -゚)「――はい、させません」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/07(日) 13:24:04.29 ID:SGBnMNhF0
落下しているミセリの髪の毛を思いっきり引っ張る素直クール

ミセ* - )リ「ひぎぃっ!!!」

自分の体重+重力のせいで倍の痛みが頭部を走る
素直クールは力任せにミセリを引き上げ、投げ飛ばす

( A )「ギャウン!!」

ドクオは地面に叩きつけられた

川 ゚ -゚)「大丈夫か鬱田君」

( A )「な、なんとか…」

華麗に着地した素直クールは地面にうつ伏しているドクオに駆け寄る

川 ゚ -゚)「………」

( A )「う、うぅ…」

ミセ# ゚ー゚)リ「ちょっと!乙女の髪を引っ張るなんて酷いじゃない!」

無事着地したミセリが甲高い声を上げながら走ってくる
尋常じゃない速さで

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/07(日) 13:28:58.75 ID:SGBnMNhF0
川 ゚ -゚)「ほら、なんかウザい髪形だったから」

素直クールも真っ向から当たりに行く

ミセ# ゚ー゚)リ「なんですってぇ!?」

ミセ# ゚ー゚)リ「【空間切断】!!」

ミセリが再び手のひらを合わせ叩く
歪んだ空気は素直クールに一直線で向かった

飛び散る瓦礫は倒れたドクオに降りかかる

(;'A`)(ぎゃあああああ!!!)

(;'A`)(なんなんだよもう!!!)

匍匐前進で半壊状態の壁へと向かい、身を潜める

川 ゚ -゚)「……くっ…!」

素直クールは避けた拍子に瓦礫に足を引っかけ
そのまま地面へ転げ落ちる

ミセリは好機を逃す事無く、また空の刃を彼女に向けた
刃は物凄い速度で素直クールへ向かう

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/07(日) 13:34:31.67 ID:SGBnMNhF0
>>38
自分の重みと重力で下に引っ張られながら上に釣り上げられてるので
通常以上に髪の毛が引っ張られる痛みがある…ということです

分かりづらくてすみません

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/07(日) 13:35:29.13 ID:SGBnMNhF0
川; ゚ -゚)「【大気圧壊】!!」

しかし、身構えた頃にはもう遅く
突きだした手のひらからは大量の血が噴出した

川; - )「がぁっ!!!」

('A`)「素直さん!」

川; - )「来るなっ!!!」

ミセ*゚ー゚)リ「あららー、綺麗な指が2本飛んでっちゃったねー」

('A`)「!」

素直クールが必死に血を抑えようと握られている手には
小指と薬指が無くなっていた

('A`)「う……嘘だろ……」

('A`)「……うぷっ…」

ドクオはその受け入れ難い現状を目の当たりにし
吐いた

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/07(日) 13:40:15.83 ID:SGBnMNhF0
ミセ*゚ー゚)リ「やだーきったなーい」

( A )「…はぁ………はぁ……」

ミセ*゚ー゚)リ「汚いものは処分しないと」

不敵な笑みを浮かべ、ミセリは構えた
それと同時に、ドクオも先ほど貰った銃を恐る恐る構える

ミセ*゚ー゚)リ「あら、物騒」

( A )「…ヒュー……ヒュー…」

ミセ*゚ー゚)リ「…でも、あなたにそれが撃てるのかしら」

( A )「………」

ミセ*゚ー゚)リ「撃ってみなさいよ」

( A )「………」ガタ…ガタ…

ミセ*゚ー゚)リ「震えちゃってかーわいー」

ドクオはそこから一切動かず、まるで石になったかのようだった
ミセリの黒い瞳も見ることはできず、ただ俯いたまま

自分の震える足を見つめた

46 名前: ◆/aUTPTRT8o 投稿日:2010/11/07(日) 13:46:22.47 ID:SGBnMNhF0
支援ありがとうございます
ちょっと今から席を外さなくてはならないので
一旦止めさせていただきます

夕方には戻れると思いますので
よろしければ保守お願いします('A`)

57 名前: ◆/aUTPTRT8o 投稿日:2010/11/07(日) 17:29:42.20 ID:SGBnMNhF0
ただいま戻りました
再開します

>>49
川 ゚ -゚) 「技名言ったほうがかっこいいじゃない(厨二的な意味で)」
繰り出すタイミングがわかりづらかったから入れたというのもある
正直いらないとは思いますが雰囲気作りもあるし厨二臭さがいいかなぁと

60 名前: ◆/aUTPTRT8o 投稿日:2010/11/07(日) 17:35:23.39 ID:SGBnMNhF0
ミセ*゚ー゚)リ「あなたはね――」

ミセ*゚ー゚)リ「――私たちの脅威になりうる存在なのよ」

その台詞を放ったあと
ミセリは 空を切った

( A )「………」

川; - )「あああああああああああああ!!!!!!!」

川; - )「【大気圧壊】!!!!!!!!!」

素直クールの声と共に、ミセリと空の刃、そしてドクオが吹っ飛ぶ
ミセリはまた大きく壁に叩きつけられ、頭部から血を流し崩れ落ちる

飛ばされたドクオは運良くカーテンをクッションにし
地面へ転がされた

川; ゚ -゚)「鬱田君!!」

( A )「……ハ…」

川; ゚ -゚)「鬱田君!!無事か!!」

( A )「…ユビ…ハ…」

川; ゚ -゚)「指?」

62 名前: ◆/aUTPTRT8o 投稿日:2010/11/07(日) 17:40:07.27 ID:SGBnMNhF0
川; ゚ -゚)「ああ、なんとか大丈夫だ」

( A )「…レ…セナイ…」

川; ゚ -゚)「え?」

('A`)「……素直さんを傷つけたあの女を」

('A`)「…俺は許せない」

川 ゚ -゚)「鬱田君…?」

( A )「……それ以前に…」

(#'A`)「俺を巻き込んだこの状況を俺は許すことができなああああああああああああい!!!!!!!」

川; ゚ -゚)「ちょ、え?」

(#'A`)「なんで転校早々こんな目に合わなきゃいけねぇんだよおおおおお!!!!!!」

(#'A`)「俺が何かしたか?忘れ物しただけだよおおおおおおお!!!!!!」

(#'A`)「絶対許さん」

(#'A`)「俺は神を許さあああああああああああん!!!!!!!」

63 名前: ◆/aUTPTRT8o 投稿日:2010/11/07(日) 17:46:09.96 ID:SGBnMNhF0
川 ゚ -゚)

川 ゚ -゚)「なんというスケールのデカイ怒りだ」

(#'A`)「確実に倒す、そして早く家へ帰る」

川 ゚ -゚)「ああ、倒すというところだけ協力しよう」

(#'A`)「フー、フー」

川 ゚ -゚)(………)

ミセ*゚ー゚)リ「話は……終わったかしら」

フラフラと立ち上がるミセリ
自慢の髪形は崩れ、艶やかな肌は血で真っ赤に染まっていた

ミセ*゚ー゚)リ「絶対生きて帰さないんだから…」

ミセ*゚ー゚)リ「【空間切断】!!!」

川 ゚ -゚)「させるか!【大気圧壊】!!!」

空気と空気がぶつかり合う
大きな衝撃波が当たりを吹き飛ばし、土埃が霧のように舞う

その霧に身を隠しながら素直クールはミセリのいる方向へと走る
ミセリは彼女の気配を感じると素早く空を切り、土埃を蹴散らした

65 名前: ◆/aUTPTRT8o 投稿日:2010/11/07(日) 17:54:25.53 ID:SGBnMNhF0
姿を露にした素直クールはもうすでにミセリの目の前にいた

ミセ*゚ー゚)リ「くっ!」

ミセリは咄嗟に平手打ちを素直クールにかます

川 ゚ -゚)「殴ったね!!」

川 ゚ -゚)「おとーちゃんにも殴られたことないのにいいいいい!!」

殴られた力に身を任せ、素直クールは大きく体を捻り
ミセリの脇に蹴りをいれる

吹き飛ぶミセリ
吹き飛ぶ先には積み重なった瓦礫と

(#'A`)「どんとこおおおおおおおおおおおおい!!!!!」

ドクオの姿があった

ドクオが積み重ねた瓦礫の山にミセリは体を叩きつけられる
尖った岩石はミセリの肉を貫いた

ミセ* - )リ「がぁっ!!!」

川 ゚ -゚)「とどめだ」

川 ゚ -゚)「【大気圧壊】!!!!!」

69 名前: ◆/aUTPTRT8o 投稿日:2010/11/07(日) 17:58:37.88 ID:SGBnMNhF0
巨大な圧力を大気にかけ、ミセリを潰す
突き刺さる瓦礫はさらにミセリの体を破壊した

ミセ* - )リ「……ぐぁっ…!!!!」

ドォォオンという破壊音が辺りの空気を震わせる
ミセリを中心に床は円形に砕かれ、壁は吹き飛び煙が舞う

川 ゚ -゚)

ミセ* - )リ

川 ゚ -゚)「……」

ミセリは そこから微塵も動かない

('A`)「……終わりました?」

川 ゚ -゚)「あぁ……」

('A`)「……怪我、大丈夫?」

川 ゚ -゚)「…あぁ……」

素直クールはくるりと踵を翻すと、そのまま暗い廊下を歩いていった
ドクオは慌てて後を追う

70 名前: ◆/aUTPTRT8o 投稿日:2010/11/07(日) 18:06:02.81 ID:SGBnMNhF0
('A`)「ちょ…待って!」

川 ゚ -゚)「…結局【発芽】しなかったか」

('A`)「え、ちょ、え?」

川 ゚ -゚)「いや、なんでもない」

川 ゚ -゚)「……外まで送る、危ないからな」

('A`)「………」

そこからの記憶は曖昧である
一体どうやって家へ帰ったのか、何故ベッドに何事もなく横たわっていたのか

全くもって謎だった

* * * 

翌朝・教室

('A`)「………」

( ^ω^)「おはようだおードクオ」

('A`)「……ん、ああ…おはよう」

73 名前: ◆/aUTPTRT8o 投稿日:2010/11/07(日) 18:10:53.74 ID:SGBnMNhF0
( ^ω^)「元気ないお?大丈夫かお?」

('A`)「大丈夫だ、問題ない」

( ^ω^)「おっおっおー!ならいいんだおー」

('A`)「………」

('A`) チラッ

川 ゚ -゚)

('A`)

いつもと変わらない様子で席に座る素直クール

ξ゚听)ξ 「ちょっとブーン!」

( ^ω^)「お?おはようだおーツン」

( ^ω^)「ちょっと行ってくるおー」

('A`)「あいよ」

小走りで小柄な女子の元へ行くブーン
それを目で追い、溜め息を吐いてから窓をみるドクオ

76 名前: ◆/aUTPTRT8o 投稿日:2010/11/07(日) 18:15:17.87 ID:SGBnMNhF0
川 ゚ -゚)「鬱田君」

('A`)「……へ?」

川 ゚ -゚)「放課後、私と一緒に来てくれ」

('A`)「………」

どうやらあれは夢ではなかったらしい
冷や汗が背中をつたる

そして、ドクオは一番信じられない光景を目にした

ミセ*゚ー゚)リ「おはよー」

川 ゚ -゚)「おはようミセリ」

('A`)「」ガタンッ

ミセ*゚ー゚)リ「ん?」

(;'A`)「なななっなっなな!!!!!!」

ミセリが 普通に登校してきたのだ

しかも、あんなに殺し合っていた二人が仲良く会話をしている

79 名前: ◆/aUTPTRT8o 投稿日:2010/11/07(日) 18:20:25.19 ID:SGBnMNhF0
ミセ*゚ー゚)リ「どうしたの鬱田君?」

川 ゚ -゚)「あーあーどうやらたいちょうがわるいらしい」(棒読み)

(;'A`)「すすすすすす素直さん!!!!!!」

川 ゚ -゚)「ちょっとほけんしつにつきそってくるねー」(棒読み)

川 ゚ -゚)「ほんけんいいんだしー」(棒読み)

ミセ*゚ー゚)リ「え……あ、うん」

川 ゚ -゚)「うつだくん、いこうかー」(棒読み)

ズルズルとドクオを引きずりながら教室を出る素直クール

ミセ*゚ー゚)リ「………」

ミセ*゚ー゚)リ「私が保健委員なんだけどなぁ…」

* * * 

(;'A`)「ど、どういうことなんだよ!!」

川 ゚ -゚)「まぁ落ち着こうか」

(;'A`)「落ち着けるか!!」

82 名前: ◆/aUTPTRT8o 投稿日:2010/11/07(日) 18:26:31.41 ID:SGBnMNhF0
川 ゚ -゚)「昨夜も言った通り、君は初めからあの戦争に参加者として選ばれていたのだよ」

(;'A`)「意味分かんないよ」

川 ゚ -゚)「あぁ、理解し難いだろうから放課後話すつもりだった」

川 ゚ -゚)「この戦争についてな」

保健室と書かれた部屋は真っ暗で人の気配がなかった

('A`)「あれ?先生は?」

川 ゚ -゚)「この保健室は元々使われていない、普段は新校舎のほうを使っている」

('A`)「そ、そうなんすか…」

(*'A`)(美女と二人きり…)

川 ゚ -゚)「そこに適当に腰掛けろ」

('A`)「まるで自分の部屋みたいな扱い方だな…」

川 ゚ -゚)「夜になればここは我々のアジトになる」

川 ゚ -゚)「一応自分の部屋のようなものだ」

84 名前: ◆/aUTPTRT8o 投稿日:2010/11/07(日) 18:31:43.42 ID:SGBnMNhF0
なるほどそうなのか、などとすんなり納得できるはずもない
疑心暗鬼になりながらゆっくりとドクオは座った

('A`)「ひとつ聞きたい」

川 ゚ -゚)「なんだ?」

('A`)「あんなに派手にぶっ壊した校舎が、何故元通りになっている」

これは登校した時からの疑問だった

川 ゚ -゚)「それも含めて説明する、そう焦るな」

そう言い素直クールはすらっとした健康的な足を組むと
ドクオを真っ直ぐ見つめた

('A`)(なんか照れちゃう)

川 ゚ -゚)「さて――とりあえずこの《戦争》について説明しようか」

川 ゚ -゚)「正直、私にもよくわからん」

('A`)「…は?」

川 ゚ -゚)「わかっているのは夜9:00になると学園敷地内が戦地と化し」

川 ゚ -゚)「我々に能力が与えられるということ」

86 名前: ◆/aUTPTRT8o 投稿日:2010/11/07(日) 18:36:51.01 ID:SGBnMNhF0
川 ゚ -゚)「それだけだ」

('A`)「それだけって……」

('A`)「なんで君らは戦ってたのさ」

川 ゚ -゚)「それがここのルールだから」

川 ゚ -゚)「殺らなきゃ殺られる」

淡々と重大なことを話す素直クール
その目は冷たく見ているドクオも凍らせてしまうようだった

('A`)「……意味もわからず戦ってるってか」

川 ゚ -゚)「そもそも誰が始めたのかも分からない」

川 ゚ -゚)「ただ、その時間になると必ず私はあの地にいる」

川 ゚ -゚)「意識的だろうと無意識的だろうと」

('A`)「………」

川 ゚ -゚)「校舎が何事もなく元に戻る件に関してだが」

川 ゚ -゚)「この戦いの首謀者が関連していると私は見ている」

('A`)「そいつが元通りにしていると」

88 名前: ◆/aUTPTRT8o 投稿日:2010/11/07(日) 18:39:31.31 ID:SGBnMNhF0
川 ゚ -゚)「あぁ、壊れた能力者達の復元も兼ねてな」

そう言って素直クールはドクオに吹っ飛んだ筈の指を見せる
たしかに元通りに復元してあった

('A`)「えと…ミセリ、さんはなんで…」

川 ゚ -゚)「戦いはあくまでも戦地で行うものだ、ここでは争わない」

('A`)「……」

('A`)「…一体なんで」

川 ゚ -゚)「私が知っているのはここまで、あとは謎だ」

川 ゚ -゚)「まぁそんな事より、ここで私が最も言いたかったのは」

川 ゚ -゚)「私たちと共に戦ってくれということだ」

('A`)「ちょっとストップ」

川 ゚ -゚)「なんだ」

ドクオが眉間に皺を寄せ頭をくしゃくしゃと掻きむしる
そして今までの人生の中で最も大きな溜め息を吐くと、素直クールの冷ややかな瞳を睨んだ

92 名前: ◆/aUTPTRT8o 投稿日:2010/11/07(日) 18:41:44.54 ID:SGBnMNhF0
('A`)「…それは俺に分けの分からん戦いに参加しろってことか」

川 ゚ -゚)「残念ながら本人の意思と関係なしに参加は確定事項だ」

(;'A`)「はぁ!?」

川 ゚ -゚)「言っただろう」

(;'A`)「あれは素直さんの話であって」

川 ゚ -゚)「私だけではない、他の連中もそうだ」

川 ゚ -゚)「彼らは拒絶していても、この戦いからは逃れられない」

(;'A`)「ちょちょ、ちょっと待って、俺達以外にもいるのか?」

川 ゚ -゚)「私の所属するチームは6名」

川 ゚ -゚)「もちろん君と私を含めてだ」

(;'A`)「確定!?」

川 ゚ -゚)「他のチームにはいかせん、不利になる」

('A`)「他って…」

川 ゚ -゚)「いくつかのチームが二つに分かれて戦争を起こしているのさ」

94 名前: ◆/aUTPTRT8o 投稿日:2010/11/07(日) 18:44:05.12 ID:SGBnMNhF0
素直クールは時計をチラッとみると、立ち上がり
ドクオに背を向け部屋を出ようとした

(;'A`)「話は終わりなの!?全然納得いかないんですけど!!」

川 ゚ -゚)「習うより慣れろ、だ」

川 ゚ -゚)「どうせ君は今日も強制的に戦地へ向かわされる」

(;'A`)「……」

川 ゚ -゚)「ひとつだけ言っておく、私たちは人殺しがしたいんじゃない」

川 ゚ -゚)「戦争を終わらせたいだけだ」

そう言って素直クールは立ち去った

('A`)

部屋にはまだ、当時使われていた薬品の匂いが漂う
陰気臭い匂いをまといながらドクオは膝から崩れ落ち、再び頭を掻きむしった

嗚呼、神様
あなたを俺は絶対許しません

こんな不幸な目に合わせたことを

一生恨みます

96 名前: ◆/aUTPTRT8o 投稿日:2010/11/07(日) 18:48:45.34 ID:SGBnMNhF0
* * *

川 ゚ -゚)「………」

静かな廊下を早足で歩く素直クール

川 ゚ -゚)(……【種】…か…)

川 ゚ -゚)(今はまだかなり小さいが…【開花】すれば強大な力になる)

川 ゚ -゚)(………)

――あいつを敵に回せば確実に復元不可能レベルまで壊される

「優等生のクーがサボりかい」

川 ゚ -゚)「……お前か、驚かせるな」

「僕の言った通り当たりだったろ?」

川 ゚ -゚)「あぁ、確かに大物だな」

「彼なら壊せるんじゃないかな」

川 ゚ -゚)「敵を……か?」

「それもそうだけど」

100 名前: ◆/aUTPTRT8o 投稿日:2010/11/07(日) 18:51:19.01 ID:SGBnMNhF0
***



「このふざけた戦争自体、ぶっ壊せるんじゃないかな」




101 名前: ◆/aUTPTRT8o 投稿日:2010/11/07(日) 18:54:40.34 ID:SGBnMNhF0
川 ゚ -゚)「……あぁ、きっと」

「今は戦うこともできないみたいだけどね」

川 ゚ -゚)「……【開花】するまで」

川 ゚ -゚)「それまで私が必ず守る」

「それは頼もしい」

川 ゚ -゚)「………」

必ず私が 守る

「では、また夜にお会いしましょう」

川 ゚ -゚)「あぁ」

男はスタスタと去っていく
その後ろ姿を素直クールは見届けず、真っ直ぐ教室へ向かった







('A`)学園大戦争のようです 
#1『不幸の始まり、不可解な女』


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