- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/10(水) 21:42:42.05 ID:ZOy9z7C50
- Piece:B-1
('、`*川「ひいいいい」
从 ゚∀从「あー、うっぜうっぜうっぜ」
すがり付いてくるウェイトレスをずるずると引きずりながら、ハインリッヒ高岡は歩く。
('、`*川「ここどこですかぁ、私どうしてこんなところにいるんですかぁ」
从 ゚∀从「オメェがついてきたからだよ!」
('、`*川「でもここ明らかに……」
暗い。
なにやら大きなコンテナが大量に積まれている。
从 ゚∀从「貨物室くさくね?」
('、`*川「私たち上に向っていたはずじゃあ!?」
从 ゚∀从「あー、うっせうっせうっせ」
ハインは気にせず奥に進み、あたりをきょろきょろと見回す。
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/10(水) 21:46:52.67 ID:ZOy9z7C50
- ('、`*川「って何で奥に進むんですかぁ!」
从 ゚∀从「は? 何でってここまで来るのに迷った道を戻ってどうすんだよ」
('、`*川「何で正しい道に戻そうと思わないんですか!?」
ご尤もだが、方向音痴の独自理論に基づく移動の前には無意味だった。
さらに先に進むと、なんだか妙な臭いがした。
生臭く、むせるようなそれは、ハインには非常に嗅ぎ覚えのあるものだ。
从 ゚∀从「……あぁん?」
ふと足を止める。
('、`*川「あれどうし……」
从 ゚∀从「見るな」
後からそれを覗き込もうとしたペニサスの目を、ハインは咄嗟にふさいだ。
死体が転がっていた。
ぐちゃぐちゃに内臓と骨と肉が解体されていた。
ご丁寧に棺桶の周りにぶちまけられており(何故棺桶があるのかについてはハインは特に気にしなかった)、その上に倒れこむようにもう一つ。
こちらは背中に穴が開いている以外は綺麗なものだった。
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/10(水) 21:48:48.46 ID:ZOy9z7C50
- 从 ゚∀从「…………」
テロリストの死体なのは、その服装でわかる。
問題はそれを誰が行ったか、ということだ。
从 ゚∀从(まさかな……)
頭によぎった仮説を振り払い、ハインはペニサスの視界を遮ったまま、引きずる。
从 ゚∀从「……引き返すぞ」
('、`*川「え、ちょ、あ、何で待っ、あー!」
ずかずかと大股で貨物室の入り口まで戻る。
その最中、コンテナの一つがぱか、とあいた。
从 ゚∀从「!」
咄嗟に身構えるハイン、がた、がた、と蓋が揺れる。
身構えながら警戒していると、微かにあいた隙間からずるり、とそれはでてきた。
- 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/10(水) 21:50:34.51 ID:ZOy9z7C50
- ∈(・ω・)∋「…………」
从 ゚∀从「…………」
('、`*川「…………」
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/10(水) 21:52:13.66 ID:ZOy9z7C50
- ハインもペニサスも、こんな形状をした生命体は見た事がなかった。
それも目と口らしき部位があるからなんとなくイキモノであると察せられるだけで、実際何なのかよくわからない。
从 ゚∀从「何だお前」
∈(・ω・)∋「だむー?」
それは小さな声を上げた。
('、`*川「あ、可愛い……」
丸い饅頭のような体型に羽だか手だかよくわからない何かがくっついている生命体、といえばいいのだろうか。
両手で抱えられるサイズのそれはぴょこぴょこと跳ねてコンテナから転がり落ち、そのままハインの足元にひっついた。
从 ゚∀从「あ?」
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/10(水) 21:56:47.91 ID:ZOy9z7C50
∈(・ω・)∋「だむー」
从 ゚∀从「いや、離れろよ」
∈(・ω・)∋「まーしゃるさん?」
从 ゚∀从「……はい?」
喋った。
日本語だった。
- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/10(水) 21:59:21.09 ID:ZOy9z7C50
- ∈(・ω・)∋「まーしゃるさんはどこだむー?」
从 ゚∀从「いや、知らないから」
∈(・ω・)∋「まーしゃるさんがいないと駄目なんだむー」
从 ゚∀从「俺じゃねえから!」
どれだけ荒々しく足を振っても、その物体は離れない。
ふんふんと鼻(っぽい部位)を鳴らして、それはさらに言う。
∈(・ω・)∋「まーしゃるさんの匂いがするむー」
从 ゚∀从「誰だよまーしゃるさん!」
∈(・ω・)∋「まーしゃるさん僕をつれていってほしいむー」
从 ゚∀从「だからちげぇから!」
∈(*・ω・*)∋「まーしゃるさんよろしくね!」
从#゚∀从「人の話をきけえええええええええええええ!」
('、`*川(可愛い……)
妙なイキモノに取り付かれたハインは足をぶんぶんとふったが、それはなかなか離れなかった
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/10(水) 22:01:08.69 ID:ZOy9z7C50
( ^ω^)は船に乗るようです 第四話
〜『戦闘続行、そして』
『VIPヘヴンズヴェル号 階層説明』
上から順番にこういう感じになってると思いねぇ。
5――――――????
4――――――????
3――――――客室(30××号室)・その他
2――――――客室(20××号室)・その他
1――――――連絡口、他船への移動通路、上陸用の橋収容空間等
B1――――――飲食フロア(『赤カブトステーキハウス』『新鮮サラダ館 〜曙』)等
B2――――――巨大スパ『アンダーグラウンド』、卓球・ビリヤード等の娯楽施設等
B3――――――貨物室等
B4――――――最下層
※各階層に移動用の階段がいくつか設けてあるが、貨物室へ向うには1Fから従業員通路を通らねばならない。
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/10(水) 22:06:55.21 ID:ZOy9z7C50
- Piece:4-1
音として表現するには無理があるほど、それは一瞬だった。
凄まじい速度で打ち出された、回避不可能の一撃。
起動不能になっていたはずのヒートの腕が、爆音と同時に解き放たれた。
それはレモナが引き金を引くのとほぼ同時、ツンの背に迫っていたナイフの刃とヒートの拳がピンポイントでぶつかった。
骨格すら合金で出来ているヒートの拳を、ざりざりと削りながらも、その軌道はツンから反れ、勢いよく回転し天井に突き刺さった。
ξ゚听)ξ「きゃ!」
正面からヒートの拳を向けられた形になるツンは思わずしりもちをつき、目を白黒させる。
- 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/10(水) 22:11:22.60 ID:ZOy9z7C50
- |゚ノ ^∀^)「ちぃ……!」
だがまだレモナは動いた、脳を揺らされたにもかかわらず無理やり体を起こし、ジジジ、と音がする。
/ ,' 3「また透明に……!」
|゚ノ ^∀^)
|゚ノ ^∀
|゚ノ ^
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/10(水) 22:14:29.67 ID:ZOy9z7C50
透明化は、アラマキであれば相手が接近してきさえすれば、対応できる。
だが、逆に言えば接近してこない限り、こちらから手を出すことが出来ない。
一撃必殺で決めるしかなかった、故に、透明になられた時点で、もう負けだ。
レモナは一度この場から撤退し、そしてまた攻めてくるだろう。
/ ,' 3「ふっ!」
手にしていたステッキを投げ……動きを牽制しようとする、が。
|゚ 「っせーよ!」
とん、と後に飛ばれ、回避される。
そしてレモナの姿が完全に見えなくなる――その瞬間。
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/10(水) 22:19:27.78 ID:ZOy9z7C50
パァン、パァン、と銃声が二度響いた。
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/10(水) 22:20:54.57 ID:ZOy9z7C50
- |゚ノ ^∀^)「がっ!」
同時に、消えかけていた彼の姿が、完全に浮きあがった。
|゚ノ ^∀^)「……な、何が……!?」
/ ,' 3「……!」
ξ゚听)ξ「あ、あれは……!」
アラマキとレモナ、そしてツン、三人の視線が一箇所に集まる。
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/10(水) 22:22:43.71 ID:ZOy9z7C50
- ( ´_ゝ`)「よくわからんが」
パスタハウス『ミッシェル』の、自らが突っ込まされて割れたウィンドウ越し。
(´<_` )「流石だな俺ら」
リボルバーを構えた兄者と弟者の姿があった。
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/10(水) 22:24:16.73 ID:ZOy9z7C50
- |゚ノ ^∀^)「な、んだ、お前……ら、これは……」
体が自由に動かない。
先ほどの、アラマキの攻撃より、それは確実に彼の体を侵食していく。
( ´_ゝ`)「安心しろ、麻酔銃だ」
(´<_` )「当たり所が悪ければ死ぬ」
実際、首から上はむき出しのレモナの、首の部分。
背骨の横あたりに、麻酔弾が突き刺さっていた。
|゚ノ ^∀^)「が……ぁ……馬鹿、な、俺が、麻酔弾、程度、で……」
( ´_ゝ`)「その状態で意識があるのは大したものだな」
ざ、っと、格好良く、割れた硝子を踏みながら二人はウィンドウを飛び越えた。
- 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/10(水) 22:25:41.23 ID:ZOy9z7C50
- (´<_` )「だが残念ながらこの銃に込められた麻酔弾は」
弟者がぴ、とアラマキを指差し。
(´<_` )「そこの規格外老人にぶちかます為の物でな、少々法規制から外れている」
|゚ノ ^∀^)「…………」
その言葉が届いたか届いていないかはわからなかったが。
電気鼠の特攻隊長、レモナは今度こそ完全に沈黙した。
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/10(水) 22:28:12.28 ID:ZOy9z7C50
- / ,' 3「意識を取り戻すのがはやかったの」
( ´_ゝ`)「姐さんにさんざしごかれてるからな」
(´<_` )「ああ、殴られなれてるんでな」
/ ,' 3「自慢にならんのう」
手早く、動かなくなったレモナの手足を拘束していくアラマキ。
黒い、レモナが着込んでいたスーツの表面には、よく見ると電子回路のようなものがびっしりと浮かんでいた。
背追っていた金属の箱を剥ぎ取り、それを眺めてみる。
/ ,' 3「これが透明化のタネかの……」
蓋を引っぺがすと、中には電子機器が詰っていた。
どういう構造でそれを実現しているかはわからなかったが、これを残しておく必要は無い。
ステッキを何度か叩きつけて、見える回路をずたずたにして、使用不可能にしておく。
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/10(水) 22:37:10.03 ID:ZOy9z7C50
- ξ゚听)ξ「あのー……」
( ´_ゝ`)「どうした、礼ならいらないぞ。市民を護るのは警官の義務だからな」
(´<_` )「そうだ、君はただ全てが終わった後、マスコミのインタビューの時に『自分の事を救ってくれた優秀な刑事が居た』と名前つきで証言してくれれば」
ξ゚听)ξ「いえ、そうじゃなくて」
ツンは自らの足元を指差した。
麻酔弾が床に突き刺さっていた。
- 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/10(水) 22:40:52.48 ID:ZOy9z7C50
( ´_ゝ`)「…………」
(´<_` )「…………」
ξ゚听)ξ「下手したら私に命中してた事を踏まえた上で助けてくれてありがとうございました」
( ´_ゝ`)「イエイエトンデモナイ」
(´<_` )「兄者、片言だぞ」
( ´_ゝ`)「いやいやいやそれより」
誤魔化すように手を振る兄者、その指差す先に
( ´_ゝ`)「あの子は平気なのか?」
ξ゚听)ξ「え?」
- 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/10(水) 22:44:19.68 ID:ZOy9z7C50
- ヒートがいた。
何か振動している。
やたらめったら震えている。
ありていにいって、痙攣していた。
ξ゚听)ξ「うわああああああ!?」
慌ててかけよると、ヒートのうつろな視線がぐるりとツンに向けられた。
ノパ听)「なんとか、な、った、ガガガガガ」
ξ゚听)ξ「ヒートちゃん!? 大丈夫!? しっかりして!」
ノパ听)「一時的ににににに強いショックががががが感覚器官にはいttttら、しししばららら、くうごっけけけけkないかかかあも」
携帯電話が着信した時の様に小刻みにガタガタと揺れ動いている。
ぶっぱなした有線ロケットパンチもそのままだ。
- 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/10(水) 22:45:00.04 ID:ZOy9z7C50
ξ゚听)ξ「ど、どうすればいい!?」
ノパ听)「い、ちどどどどどど、ねーちゃんのとこままままでつれれれってくれれ、BA――よびのののぱーつががががが」
ξ゚听)ξ「わ、わかった!」
慌ててヒートの体を抱き上げようとして
- 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/10(水) 22:49:18.92 ID:ZOy9z7C50
- ξ゚听)ξ「――――」
ようとして
ξ゚听)ξ「――――――――!」
ようとしたが
ξ#゚听)ξ「ひいいいいいいいいいいいいいらああああああああああああ!」
ようと全力を尽くしたが
ξ#゚听)ξ「とらんざあああああああああああああああああああああむ!」
- 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/10(水) 22:50:10.45 ID:ZOy9z7C50
- 無理だった。
ノパ听)「いいいままままじゅうりょうのけいげんしすてむがはたららららいってnnnnnnnn」
ξ゚听)ξ「そんなものが搭載されてるの!?」
よく見ると床も微妙に凹んでいる気がする。
( ´_ゝ`)「仕方ないな、とりあえず上まで運べばいいんだな?」
ξ゚听)ξ「え、あ、そうですけど……」
(´<_` )「よし、そっちもて兄者」
( ´_ゝ`)「ほいほい」
ξ゚听)ξ「あ、まってその子凄く重……」
- 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/10(水) 22:51:34.64 ID:ZOy9z7C50
- い、と続ける事はできなかった。
流石兄弟はなんてことは無いように少女の体をひょいと担ぎ上げ
( ´_ゝ`)「一般市民を守るのは俺達の役目だからな」
(´<_` )「ある程度仕事はせんとな」
ξ゚听)ξ「…………えー」
ノパ听)「おおおおすすすすままままま ピーガー」
痙攣を超えて振動するその体にあわせて、流石兄弟の体も震えだす。
その様が何だかおかしくなり
ξ゚听)ξ「……ぷっ」
先ほどまで命のやり取りをしていた、ただの高校生は、安心して笑った。
- 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/10(水) 22:55:39.04 ID:ZOy9z7C50
- Piece:4-2
( ・∀・)「やれやれ、大変なことになってるな」
( ^ω^)「……こりゃひどいお」
目を明けられないクーの肩を支えながら、ゆっくりと階段を下りていったブーンが見たものは、階段の残骸だった。
飛び降りられないことも無いが、視界を失っているクーを連れて行くには無謀な高さだった。
何より一度降りたら恐らく戻ってこれないだろう、完全な一方通行だ。
( ・∀・)「さて、どうしたものか」
( ^ω^)「上は安全じゃないですしお……」
未だに死体と、銃を持ったテロリスト達がいる環境だ。
戻りたくは無い、が……
川 - )「どうした? なにがあったんだ?」
( ^ω^)「あ……えと、階段がぶっ壊れてるお」
( ^ω^)「…………」
( ^ω^)「自分で言うのもなんだけど相当ぶっ飛んだ事を言ってる気がするお」
- 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/10(水) 22:59:28.07 ID:ZOy9z7C50
- 自己突っ込みするブーンに対し、クーはあくまで冷静に答えた。
川 - )「先ほどの轟音が原因だろうな」
( ・∀・)「下から聞こえてきた奴か」
川 - )「原因に心当たりもある」
( ^ω^)「マジで」
川 - )「確証は無いがな」
目元を押さえながら、クーは続けた。
- 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/10(水) 23:00:42.14 ID:ZOy9z7C50
- 川 - )「一度シャキンたちと合流しよう、吸血鬼は消えたし……あの二人がいれば心強い」
( ^ω^)「……そうだおね、ほかに道もないし」
川 - )「……足手まといになって、すまないな」
自嘲気味にそういうクーに、ブーンは慌てて体を支えながら言う。
( ^ω^)「そ、そんなことないお! クーはすごいお! 僕を守ってくれたし……それに、それに……」
( ・∀・)「……」
- 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/10(水) 23:01:58.86 ID:ZOy9z7C50
- ( ^ω^)「僕のほうが……何もできてないお……役立たずだお」
顔をうつむかせて、ブーンは呟いた。
( ^ω^)「僕がもっとしっかりしてれば……吸血鬼に負けないぐらい強かったら、そもそもクーの目は……」
川 - )「ブーン……」
( ^ω^)「女の子をこんな目にあわせて……最低だお……」
( ・∀・)(直接目を潰したのは俺だからやけに心にぐさぐさ刺さるなぁ)
- 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/10(水) 23:02:42.28 ID:ZOy9z7C50
- ( ^ω^)「ごめんお……」
川 ゚ -゚)「まぁ気にするな、もう治ったし」
( ^ω^)「いや、でも……」
- 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/10(水) 23:03:26.01 ID:ZOy9z7C50
- ( ^ω^)
川 ゚ -゚)
( ^ω^ )
川 ゚ -゚)「こっちみんな」
- 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/10(水) 23:05:09.55 ID:ZOy9z7C50
- ( ^ω^)「ぇぇぇぇぇぇぇええええええええええええええええええええええ!?」
思わず支えていた肩を放すと、もうクーはそれが当然であるというように、普通に目を開いていた。
川 ゚ -゚)「そりゃお前、私はそもそも銃弾に体を貫かれてもすぐ復帰できるんだぞ、網膜が焼け切れたぐらいちょっとじっとしてれば治るさ」
( ^ω^)「あれ!?」
そういえばそうだった。
- 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/10(水) 23:06:20.02 ID:ZOy9z7C50
- ( ・∀・)「ああ、君がシュール氏の娘か」
そのやり取りを見て、階段を、今度は上がり始めたモララーはなんともない様に言う。
( ・∀・)「成程、あの研究が実用段階に進んでいるとは思わなかった」
川 ゚ -゚)「母を知っているんですか?」
それを追いかけながらクーが問うと、モララーは頷いて続ける。
( ・∀・)「ああ、元々同期だったからね」
自分は医者であると、そう名乗った男は言う。
( ・∀・)「それに、君の体のベースを作ったのは俺だ」
川 ゚ -゚)「!?」
- 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/10(水) 23:07:01.83 ID:ZOy9z7C50
- ( ・∀・)「元々人間の可能性の追求は俺と彼女で掲げたテーマだからな、もっとも、俺は手を引いたわけだが」
川 ゚ -゚)「それは一体……」
身を乗り出してきたクーを、手で制す、それと同時に。
( ・∀・)「まぁ詳しい話は……」
ドン、と、向う先から聞こえてきた音が、響いた。
( ^ω^)「……? あ、あれは?」
踊り場を回り、ブーンの目に飛び込んできたもの、それは
( ・∀・)「コレをどうにかしてから、かな?」
- 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/10(水) 23:08:53.89 ID:ZOy9z7C50
) 丿
〆⌒ヽ ノノノノ⌒ヽ
(ミ (゚∈゚ ) ミ)
( ) \/( )
∨ ∨ヽ /∨ ∨
ノ /
( ヽ /ヽ
\ ) )
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`ヾ ヽミ
- 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/10(水) 23:09:35.36 ID:ZOy9z7C50
- 死体を担いだ、巨漢の男だった。
( ^ω^)「…………お、お、お」
( ゚∋゚)「…………」
( ^ω^)「おおおおおおおおおおおおお!?」
ブーンが叫ぶと同時に、その男は。
( ゚∋゚)「民間人発見、『電気鼠』クックル、攻撃開始」
手にしていた死体を全力で、まるで野球のボールを投げるかのような気軽さで、投擲してきた。
〜To Be Continued…
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