( ^ω^)達の中だるみな一年のようです

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 18:07:11.54 ID:q6XuIg3o0
第四話「春休みの一幕」

ミセ;゚ー゚)リ「あれ?……ない……クー!あれがないよ!」

川 ゚ -゚) 「どうした?まさかあれって、あれか!」

ミセ;゚ー゚)リ「どうしよう!トソンとわたしの宝物が!」

川;゚ -゚) 「とりあえず思い当たる場所を探すんだ!」

ミセ*゚ー゚)リ「うん!」

二人は部屋から飛び出すと、丁度目の前に茶髪のふわふわ少女が立っていた。
彼女は洗面道具を持っているが、はっきりとした眼で二人を見つめている。どうやら洗顔などは終わっているらしい。

ξ゚听)ξ「あら、ミセリにクー。どうしたの?」

川 ゚ -゚) 「おおツン。ミセリの大事なものが無くなったんだ。良ければ一緒に探してくれ」

ξ゚听)ξ「大変じゃない!だったら暇な男衆も集めて探すわよ!」

赤色の携帯端末を取り出すと素早く操作し、メッセージを送ったようだ。
彼女はすぐにそれをしまうと、ロビーで待ってて!と言うなり小走りでミセリらが出てきた隣の部屋に駆け込む。
言われたとおりミセリとクーは移動し、どうしてなくなったのか、などと話している。
その表情はまさしく不安そうで、クーは何とかしてやりたい気持ちで一杯になった。
そんな中女子寮のロビーの入り口が開く。朝の冷え切った、しかし爽やかでもある風を寮内に流し込みつつ、爽やかではない二人の少年が入ってきた。

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 18:10:58.44 ID:q6XuIg3o0
( ´ω`)「なんだお。せっかくジョルジュに100連勝するとこだったのに」
  _
( ゚∀゚)「あぶねえ。助かったぜ。あれ?ツンがいねーじゃねえか」

瞼をこする二人に何をしていたのかとクーが聞く。
彼らは昨夜から対戦型の落ちものパズルゲームをしていたという。
最初は四人で行っていたのだが金を掛けるなどして盛り上がっていると、眠気の限界を一度超えてハイになってしまったのだ。
他の二人が帰っても、止め時をなくした彼らがずるずると日の出まで続けて居た結果、ジョルジュが突然極端にパワーダウンをし始め97連敗までしていたという。
パワーダウンの時点で97戦する体力がなぜ残っていたのか甚だ疑問であるが、ジョルジュなのでよくわからない器官があるのかも知れない。

そんな雑談を行っていると、上からツンが下りてくる。

ξ゚听)ξ「あ、二人とも来てた?ごめんなさい。でね、大変なの!」

ふわっとした髪質の彼女の髪が揺れ、乗り出すように顔を突き出すツン。
ジョルジュはそんなものには怯まず、
  _
( ゚∀゚)「どうした?」

ξ゚听)ξ「ミセリの大事なものがなくなったらしくて!」
  _
( ゚∀゚)「なんだと?おkさがしてやるぜ!」

( ´ω`)「今は朝だお……めんどくせーお……」

即OKサインを出すジョルジュとは正反対に、あからさまに嫌そうな顔をするブーン。
全員その発言も表情も確認したのだが、打ち合わせなしで全員のプレッシャーを間髪入れずブーンに叩きこみ無かったことにした。

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 18:14:23.75 ID:q6XuIg3o0
( ^ω^)「えーっと……モララーは朝から居ないお。連絡もつかないお」

ξ゚听)ξ「そっかぁ。そっちはまあいいわ、本命を探しましょう!」

( ^ω^)「んー、ミセリの行動範囲はどれくらいだお?」

ミセ*゚ー゚)リ「クーと何回か街回ったからなあ……」

( ・∀・)「いつ、なくしたことに気づいたんだい?」

女子寮の入り口を入ってすぐ左の壁には多種類の自販機、その目の前には長方形の休憩用いすが置いてあるのだが、そこには先程から男が寝転がっていた。
彼は速やかに自販機のアイスを買い、両手に構えて今の発言をし、回転しながら流れるように口で包装を剥ぎ取る。
中身はどちらもキャラメル味で、彼は二本まとめてかじり、一気にその半分ほどを口に含んだ。
二重三重の意味でクドい、と一連の流れを見てツンは思った。

ξ゚听)ξ「うz――なんだ……モララーじゃない」

ミセ*゚ー゚)リ「今朝。んー、おとといはあるの確認したと思うんだけどなあ……」

( ・∀・)「じゃあまずはその範囲で動いた場所を探そうじゃないか」

川 ゚ -゚) 「そうだな。私とジョルジュは確率は低そうだが二日前に確実に行った北側の店を探すよ。私がミセリと一緒に行った場所だ」

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 18:17:55.75 ID:q6XuIg3o0
  _
( ゚∀゚)「へ?なんで俺?」

川 ゚ -゚) 「ジョルジュは確かミニバイク持っていたろ?免許ないから乗せてくれ。ちょっと距離があるんだ」
  _
( ゚∀゚)「おお、りょーかい」

ジョルジュだけは今の返事をするまでの一瞬、微妙な間が空いたような気がしたのだが、頭に引っ掛かったことがよく顔に出るブーンを見ても特に変化はなかった。
それを感覚的に認識してしまったジョルジュは、やはり先日の出来事が地味に効いているのだと実感する。

ミセ*゚ー゚)リ「私たちは寮の部屋をもう一度探すね。ごちゃごちゃしてるからまだみてないとこあるかも」

( ・∀・)「そうか。じゃあ俺らは寮周りでも探すかな」

( ^ω^)「それがいいお!」

ξ゚听)ξ「ブーン、あなたサボる気でしょ。モララーもあんまりやる気なさそうだし」

( ・∀・)「そうでもないさ。寮の捜索が終わったら連絡してくれ」

ξ゚听)ξ「出来るだけ早くそうしたいわね」
  _
( ゚∀゚)「それじゃあ行動開始ってことで!」 

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 18:21:00.58 ID:q6XuIg3o0
ツンとミセリは発見の可能性が最も高そうなミセリの部屋を調べることになる。
いままでツンはまだ一度もミセリの部屋に入ったことがなかった。
何故か彼女が部屋に入られるのを拒むのも理由の一つではある。
そもそも彼女の部屋はロビーから最上階の五階にあり、部屋の位置的にも三階で隣同士のツン、クーが近く、ミセリだけ離れている。
なので特別訪問する理由もなかったツンは、このような機会がないとこれからもミセリの部屋に行くことは少ないだろう。
部屋には人の個性が出る。基本的にひとりだけの部屋なら尚更だ。
ツンは軽い足取りでドアに駆け寄り、鍵のしていない入り口を開く。

ξ;゚听)ξ「わー……って、うわっ!ミセリの部屋汚なっ!だから全然入れてくれなかったのか!」

ミセ*゚ー゚)リ「えへへ、ちょっと整理苦手でね」

ξ゚听)ξ「いやこれやばいよ。普通にダメな人だよ。あ、でも臭くないね。ここでご飯食べないから?っとと……ん、なんか変な人形ある……あ、目覚まし?」

ミセ*゚ー゚)リ「そうだよー。可愛くない?」

ツンが手に取ったのは緑色の人形だ。
離れて付いた目はギョロっとしていて振るとカタカタ揺れ、気持ち悪い。
鼻は極端に低い団子鼻で、この鼻だけが妙にリアルである。気持ち悪い。
口は横に裂け気味で中には肉厚な舌が用意され、気持ち悪い。
何故か舌の表面は冷蔵庫とかに貼る輪ゴムぶら下げるやつに酷似した出っ張りがある。
とても気持ち悪い。

ξ;゚听)ξ「ちょっとなあ……なんか輪ゴムとか食べてそう……」

ミセ;゚ー゚)リ「たべないよ!ひどいよ!」

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 18:24:33.39 ID:q6XuIg3o0
ξ;゚听)ξ「だってこの舌のとことか……きゃあ!な、なんで湿ってるの!?それにちょっとざらっとしてる!!!」

ミセ*゚ー゚)リ「それバイオナンチャラーでリアルな質感産み出してるんだって!すごいよね!」

ξ;゚听)ξ「凄くないよ……きもちわるいよ……」

ミセ*゚ー゚)リ「んー、これなんかどう?」

ξ゚听)ξ「配色が奇抜すぎて無理」

ミセ*゚ー゚)リ「これは?」

ξ゚听)ξ「目の間離れすぎだよ……」

ミセ*゚ー゚)リ「これお気に入りー!」

ξ;゚听)ξ「止まれ!これ以上来るな!」

ミセ*゚З゚)リ「もー!ツンわがままー!」

ξ;凵G)ξ「違うの……違うのよ……」

ツンはミセリの部屋を改めて眺めてみると、今のような気持ちの悪いセンスが光る人形がたくさんあることに気づいた。
どれもなんだか目を合わせたら何かを持っていかれてしまいそうな顔をしている。
ツンは絶対にミセリの部屋に泊まりにいかないようにしようと誓った。

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 18:28:04.44 ID:q6XuIg3o0
( ゚∀゚)「こいつが俺の愛車だっぜ!いえー!ひょー!かっけー!」

男子寮横の駐輪所には自転車のほか、免許を取った人間の二輪車が置かれる。
その中の二輪車でも大きいものはほぼないのだが、さらに一回り小さな個体を指しジョルジュが何かを言っている。
クーは頭で考えるまでもないのか、ほとんど脊髄からの言葉をジョルジュに伝えた。

川 ゚ -゚) 「ボロいな」
  _
( ゚∀゚)「走ればいーのよ走れば!」

川 ゚ -゚) 「……走ってる間に突拍子もなく爆散しないか?」

クーがこのようなことを言うのは決して嫌味ではないのだ。
客観的に見てこのミニバイクでは今クーが言ったようなことが現実のものとなり得るのではないかという説得力を与えるフォルムを持っていたからである。
逃げるための様々な思考の最中、彼がどこかで拾ったものか工事現場用のヘルメットが投げられる。クーは何とかそれに気づき、受け取るとすっぽり頭に乗せた。
  _
( ゚∀゚)「しねーよ、たぶんな。ほらほら、さっさと行こうぜ!」

川 ゚ -゚) 「ああ、そうだな」
  _
( ゚∀゚)「よーし。んじゃ、発進!」

川;゚ -゚) 「……うわ!や!あぶない!ぐ!なんだこの揺れ!やだ!こわい!」

発進し公道に入った途端、クーが突然喚き散らした。
確かに揺れている、というかかなり揺れているのだが、これはクーが車を怖がってジョルジュの服の背中部分をぴんぴんに引っ張っているからだ。
  _
(;゚∀゚)「待て!クーお前俺から離れすぎだ!こいつスクラップだからバランスガッタガタなんだよ!おおぅ!ここ曲がったら確実に死ぬ!」

さほど速度はでていなかったので、クーを刺激しないようジョルジュは体を固定しつつブレーキをかける。ほどなくして、停止。

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 18:34:24.11 ID:q6XuIg3o0
川;゚ -゚) 「あーびっくりした……」
  _
( ゚∀゚)「今度は俺にしっかりぴったりくっつけよ?死んでもいいなら乗りかたはまかせるけどな」

もともと色白である顔をさらに白く染め上げ彼女は呼吸を整えていた。
その姿は普通に接していてもなかなか見られないだろうと、なんとなくブーンに優越感を覚えた。
調子に乗ったジョルジュは少し大袈裟に乗り方を教えるのだが、判断能力が鈍っているのかクーがすぐに頷き、

川 ゚ -゚) 「すまない。不、本、意、だが!くっついてやろう」
  _
( ゚∀゚)「そうしろ。ま、おっぱいの感触はスルーしてやっから!」

川 ゚ -゚) 「それを口に出すな、バカめ」
  _
( ゚∀゚)「じゃー今度こそ行こうぜ!」

川 ゚ -゚) 「ああ」

軽口を叩きながら再出発。先ほど自らが言いだした例の感触は、彼が容易に無視できるものではないことは彼自身がよくわかっていた。
春先、午前中の風は冷たい。ハンドルを握る手が手袋ごと温度を失っていく。後ろの彼女は大丈夫だろうか。思考は周りの景色のように流れていく。
  _
( ゚∀゚)「おいクー、寒いか?」

川 ゚ -゚) 「大丈夫だ、暖なら取っているぞ」
  _
( ゚∀゚)「おう、そうか」

背中の感触を確かめる。ぴったりと自分にくっつく彼女が少しだけ震えているのをジョルジュは感じ取った。

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 19:00:27.14 ID:q6XuIg3o0
男子寮のロビーのソファーで寝転がる二人。長期期間中、さらにまだ午前中であるため、ロビーの人の出入りはとても少ない。
それぞれ大きなそれを一つずつを占領して、彼らはのびのびと話しだした。

( ´ω`)「ふいー、眠いおー」

( ・∀・)「地味に早めな時間だからなー」

( ^ω^)「ギコ達でも誘ってジョルジュの糞ボードゲームでもやるかおー?」

( ・∀・)「やだよ。長いし、あれ止まったマス全部イライラする」

( ^ω^)「絵がきもいだけだお。たしかにムカつくけど」

( ・∀・)「あっちから連絡来るまで寝るか」

( ^ω^)「んー……あ、そうだCD返すお」

( ・∀・)「おー忘れてた、どーだった?」

( ^ω^)「ぶっちゃけ捨て曲多いけど最初と6曲目はかなり気に入ったお」

( ・∀・)「確かにあのバンドは曲の出来に波がありすぎるな。まー面白いけど。あ、ライブDVD観る?パフォーマンスはいいぜ!クレイジーだ!」

( ^ω^)「お、観るお!んじゃCD取ってくるおー」

当の目的とは全く関係の無いベクトルで盛り上がる二人。
当事者ではないので仕方ないと言えば仕方ないが、いまの彼らのやり取りでほとんど触れていないところ、本当に彼らは何も考えていないのだろう。
彼らはミセリ達を気にする素振りも見せず、先ほどの言葉通りに事を進め、先ほどの言葉通りの行動をとるのだった。

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 19:04:14.23 ID:q6XuIg3o0
川 ゚ -゚) 「慣れてくると安定するな。気持ちも」
  _
( ゚∀゚)「だろ?オンボロでもまだまだ捨てたもんじゃねえってことよ!」

川 ゚ -゚) 「そのようだな――そこ右」
  _
( ゚∀゚)「ういー」

川;゚ -゚) 「うう」
  _
( ゚∀゚)「クーよ。曲がる時怖いのはわからんでもないが、そのたび思いっきり俺の鳩尾を締めるなよ」

正直かなり苦しいのだ。曲がるたびに二人の密着感は増すが、命の危険ももれなくついてくる。
ジョルジュはある意味うれしいことはうれしいのだが、どう考えても二人の命には代えられないだろう。
それにクーは怖がっているだけなのだ。どうにか恐怖を軽減させたいが、さすがにどうすることもできないのが歯がゆい。

川 ゚ -゚) 「すまん」
  _
( ゚∀゚)「いや、いーけどさ」

川 ゚ -゚) 「……」
  _
( ゚∀゚)「……」
  _
( ゚∀゚)「なあ、クー」

川 ゚ -゚) 「あ、止まれ。ここだ」
  _
( ゚∀゚)「ここ?ああ」

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 19:08:33.63 ID:q6XuIg3o0
【かふぇ・すい〜つ(笑)】

ニュー速でも有名な喫茶店だ。ここは主にパフェを売りにしており、品数は裏メニューを含めるとその数60種類を越えるという噂だ。
中にはヘルシーでカロリーがほぼない椎茸パフェや豆腐パフェ、甘いものが苦手な方へのピッツァパフェ、焼き肉パフェなどなど種類は豊富。
ウエイトレスはパフェをイメージしたかわいらしいデザインの制服を着て、胸の名札には、名前が入る→○○パフェと書かれている。
少し偏った趣味の客ならいいが、この名札だけはセンスがないとよく客にも言われていた。オーナーの意向でこの名札スタイルが消滅することはないらしいが。

川 ゚ -゚) 「……っと説明はこんなものかな。私はこの前ミセリとパフェを食べに来たんだ」
  _
( ゚∀゚)「ごめん説明せんでも知ってたよクーちゃんパフェ。結構有名だもんな、ここ。……ん?……これは……」

川 ゚ -゚) 「よし入ろうか」

クーが声を掛けてもジョルジュは反応せず、目の前のメニュー板を真剣な顔で見つめる。
何を見ているのかとクーがジョルジュに並び彼の顔を覗き込むが、板の字は小さくどれを見つめているのかよくわからない。
数分ほどジョルジュを見つめていたクーだが彼の目線がどうしても読めないので、あきらめて店内の方へ向かおうとする。しかし、
  _
( ゚∀゚)「これは食わざるを得ない……いやでも出費が……」

川 ゚ -゚) 「ジョルジュー」

彼はなかなか動こうとしないのだ。腕と肩を掴みジョルジュを強く揺するクー。
グラグラし始めるのだが足は動かない。クーはもう待つのも限界だ、と縦に長いジョルジュの襟を掴み、ずるずる引きずって行った。
  _
( ゚∀゚)「うお!すまん、自分で歩く。……俺はコーヒーしか頼まない俺は珈琲しか頼まない。……でも食ってみたい……!!いや……食う!」

川 ゚ -゚) 「なんだ?」
  _
( ゚∀゚)「え?ああ、いやごめんなんでもない」

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 19:13:04.16 ID:q6XuIg3o0
過剰なまでにごちゃごちゃとした部屋の中心で、二人の少女が腹を押さえて転がっている。
彼女たちは掃除中においしそうなものを見つけ口に入れ、食中毒に当たった、というベタなことになっているわけではない。

ξ;∀;)ξ「あっはっはっはwwwwwwwwwなにこれwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

別のベタに見舞われていた。

ミセ*゚∀゚)リ「あははwwwwwwこれおかしいよねwwwすっごいくねくねするwww」

ξ;∀;)ξ「もう一回いい?……わ!……あっはっはっはっはっははははwwwwwwwwwwwwwこれおもしろいwwwwwwwwwwwwwwww」

ミセ*゚ー゚)リ「あれ?これもしかしてこうしたら……ツン!見て見て!」

先程から彼女らに笑われているのは、掃除中に見つけた小太りの中年を模した人形。
観光スポットによく置かれているような、触ったら首がふにゃんふにゃんって動くやつをツンが見つけて以来こんな調子だ。
特にツンは、その首が座っていないおっさんがうにゃうにゃゆれているのがどうにもツボに入ったらしい。

ξ;∀;)ξ「うわwwwwwwwwwだめwwwwwwwwwwwwしぬwwwwwwwwwwwwww」

ミセ*゚ー゚)リ「きもちわるいwwwwwwwwww」

ξ*゚听)ξ「wwwwwwwwwwwwwwwwww……はっ!本来の目的!ミセリ!探し物!」

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 19:17:06.80 ID:q6XuIg3o0
ミセ*゚ー゚)リ「なに?www」

ツンは気を取り直そうと、もっともゴチャゴチャした部分の整理を始めるつもりでミセリに声を掛けた。
しかし彼女はツンに向き直ると同時に先の人形を胸に構えている。ミセリは素早く向き直ったため、ツンは高速でくにゃんくにゃんするおっさんと目が合ってしまった。

ξ;∀;)ξ「ぶはwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwそれこっち向けないでwwwwwwwwwww」

ミセ*゚ー゚)リ「ごめんごめんwwwwwwwwww」

ξ*゚听)ξ「ふー。……で、部屋の中で探すとこに見当つけてるの?」

ミセ*゚ー゚)リ「あははっ。……うん。とりあえずこの辺かな?服とか脱いでぶん投げるんだよねー」

ξ゚听)ξ「んじゃー探そっか。ついでに掃除もね」

未だに真っ赤な顔をしながらツンは真面目な声を張って掃除に取り組もうとするが、表情がどうにも緩んでしまっている。
ミセリはもう少し遊びたい気持ちもあったが、ツンが自分のためにわざわざ取り組んでくれている感謝もあったので、そういうことはなるべく控えようと思った。

ミセ*゚ー゚)リ「はーい!」

ξ;゚听)ξ「………なにこれ……ミセリ、あなたの部屋変なもの多すぎじゃない?」

なんだか18禁っぽいものまでちらちら見えてきた気がする。部屋の隅の一山まるまるピンク色なのだ。

ミセ*゚ー゚)リ「そうでもないって!」

ξ;゚听)ξ「いや、たぶんこれ結構問題あるよ?」

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 19:22:26.04 ID:q6XuIg3o0
モララーの部屋には少し大きめのモニターと中々高価なスピーカーが置かれている。
彼は映画を見るなどといったことをあまり好まないと以前ブーンと話したのだが、この環境は映画趣味のブーンからすれば羨ましい。
さらに現在そこから流れ出すのは耳が痛くなるような曲にもならない音と、目が痛くなるような強烈な光とシルエットがほとんどの荒れに荒れた映像だ。
これを見るためだけの機材だというのならなんという贅沢だろうか。

( ^ω^)「すげーお。客までイカれてるお」

( ・∀・)「いや、ハイになったらこんなん普通じゃね?」

( ^ω^)「普通じゃねえお。ステージはまだしもなんで最前列の客まで頭から出血してんだお」

( ・∀・)「こいつ。このベースが節操無いんだよ」

( ^ω^)「そもそも最初からこいつ一回もベース弾いてないお。担当パートは血かお。どんだけフリーダムなんだお」

( ・∀・)「ベースは狂気。だそうだ。狂ってる方な」

( ^ω^)「ベースのせいにすんなお。弾いてない以上完全にこいつ自身が駄目な奴だお」

( ・∀・)「ブーン。突っ込みどころばかりなのはわかるが、その調子じゃ最後まで見れないぜ?」

(;^ω^)「うお、あぶねえ!スネア投げたお!」

( ・∀・)「くそー、ライブ行きてー!」

( ^ω^)「まじかお。確かに興味あるけど、これ誰も死んでないのかお?」

( ・∀・)「死んでないよ。毎回率先して被害を受ける頑丈なファンがたくさんいるらしいからねー」

頑丈と聞いて、ブーンは一瞬、まさか、とひとりの人物が浮かぶのだが、多分それは何の関係の無い人物だろう。

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 19:27:09.06 ID:q6XuIg3o0
( ^ω^)「まあ、楽しそうで何よりだお。……そういえばツンたちから連絡来ないお」

( ・∀・)「ああ。あのさ、ツンちゃんって割としっかり者だろ?でもなんだかんだでノリもいい」

( ^ω^)「だお」

( ・∀・)「じゃあ、けっこーかかると踏んでいいな」

そう言ってモララーは爽やかに笑い、モニター横の棚から、今の映像よりも派手な格好をした外国人の写るパッケージを取り出した。



川 ゚ -゚) 「ええと、確かこの席だな」
  _
( ゚∀゚)「なに食おうかなー」

川 ゚ -゚) 「こら。私たちはデートしに来たんじゃないんだぞ」
  _
( ゚∀゚)「だってここ食ってみたかったんだけどさー、野郎だけじゃ敷居高くね?外観からして」

実際【かふぇ・すい〜つ(笑)】は絵本などに出てくるようなお菓子の家を常識的、現実的な範囲で再現したもので、かなりファンシーだ。
ジョルジュのような年ごろで長身でアホな男では、おいしいと評判でもどうしても敬遠してしまう。
たまにブーンとツンは二人で行っていることを彼は知らないのだが。

川 ゚ -゚) 「そうか?」
  _
( ゚∀゚)「そうだよ。……うん、やっぱり表にあったあれだな。店員さーん!」ヘイオマチ!アレクイタイデスーゴニョゴニョ

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 19:31:35.90 ID:q6XuIg3o0
思いついたようにクーが口を開く。

川 ゚ -゚) 「でもジョルジュは女友達も多いんじゃないか?誘って行けばいいじゃないか」
  _
( ゚∀゚)「んー、仲良い奴はあんまりいねーな。ってか仲良いので洒落っ気のある女が居ないな。あ、そこに不満はないぜ?楽しい奴らだ」

川 ゚ -゚) 「ほう、そうか」
  _
( ゚∀゚)「そうだよ」

川 ゚ -゚) 「今度紹介してくれ。もっと女の子の友達が欲しい」
  _
( ゚∀゚)「今みんな帰省してっから、始業式に会うだろうよ」

川 ゚ -゚) 「なるほど、帰省しているのか。通りで寮の人が少ないと思ったぞ」
  _
( ゚∀゚)「まあ今時期はそういうもんさ」

川 ゚ -゚) 「ラウンジはそうでもないんだな、これが。あ、忘れ物があったか店員が来たら聞いてみよう」

101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 19:36:23.72 ID:q6XuIg3o0
話が途切れた。二人は数分沈黙。
複数でいても話すことが多くない二人が二人きりになって話すことなど尚更ないのだ。
実際は両者ともそこに気まずさを感じることはないのだが。
  _
( ゚∀゚)「……にしてもホントに女しか居ねえじゃねえか。あとは腐れカップルか?朝から熱いねえ」

川 ゚ -゚) 「私たちも傍から見ればそう見えるだろ?」
  _
( ゚∀゚)「マジで?」

川 ゚ -゚) 「まじで。………ん?なんだあれは……」

華奢なウエイトレスしか雇っていないのだろう。彼女たちは四人掛かりでそれを運んできたようだ。
それは山。白い山肌はつやつやと濡れて、まるで朝露のようなきらめきを見せる。
そこに生える木々はチョコレートやストロベリーソースやらでコーティングされ、その本数は数えるだけ時間の無駄になりそうだ。
山道は赤、青、黄、黒、オレンジの五色で、いずれも山頂に続く道が拓かれている。
山を観測し、そこからテーブルに置かれるまでの間、クーは目をぱちくりさせ続けた。
ジョルジュはというと、笑顔で迫り来る山を迎え入れ、迷惑にぎりぎりなりそうな声で叫んだ。

102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 19:41:25.42 ID:q6XuIg3o0
  _
(*゚∀゚)「テラ盛りパフェ来たあああああああ!!!!」

川;゚ -゚) 「おい正気か?それ15リットルはあるだろ……あ、店員いっちゃった……忘れ物聞いてない」
  _
( ゚∀゚)+「悪いなクー、20リットルだ」

川;゚ -゚) 「バカな……ビッグマンや大自然5本分を一人で食べるだと…?」
  _
( ゚∀゚)「……俺の胃袋は宇宙だ」

川 ゚ -゚) 「!!」
  _
( ゚∀゚)「まあ冗談はいいか。食いたきゃお前も食っていいぞ。つーか食え。むしろ食え。大いに食え」

川*゚ -゚) 「え?いいの?ホントに?やだ……素直にうれしいんだけど……馬鹿……」
  _
( ゚∀゚)「おいキャラ崩壊してんぞ、つーか馬鹿って言われる筋合いは少なくともねえよ」

川 ゚ -゚) 「いや、内容量20リットルのパフェ食べる男なんて掛け値なしの馬鹿だろう」
  _
( ゚∀゚)「そういうもんか?まあ食え」

あまりにも巨大なパフェに地味にテンションを上げた二人は少しばかり饒舌になり、その流れでジョルジュは山にぶっ刺さるスプーン抜き取りクーに渡した。

川 ゚ -゚) 「そういうもん、だな。ありがとう、いただくよ」

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 20:00:55.22 ID:q6XuIg3o0
ξ゚听)ξ「ミセリって写真撮るんだね。ちょっと意外」

邪魔なものを一時的に避難させようとツンがクローゼットを開けると、段ボールに入ったアルバムと見るからに使い込まれたカメラを見つけた。
ミセリに了解をとりながらツンは段ボールごと引っ張りだし、ごそごそいじりながら話す。

ミセ*゚ー゚)リ「変かなあ?お父さんからもらったんだ」

ξ゚听)ξ「なんかミセリって今を生きる!って感じの人っぽいし」

ミセ*゚ー゚)リ「んー。どっちかといえばそう、かな。人の写真あんまり無いでしょ?
       自然はなんとなく、そこを切り取っていつでも見れるように撮るのかな、多分。いや、なんだろ」

ξ゚听)ξ「へえ……。そうだね、あってもクーとか知らない人何人かくらいだね、と、おーこれモララーかな!髪短いね、かわいー!」

ミセ*゚ー゚)リ「あ、確かに短い時期あったかも。そのころほとんど話してないけど。なつかしー」

ξ*゚听)ξ「あ、こことか綺麗」

ラウン湖である。

ミセ*゚ー゚)リ「ラウンジは自然多いからねー。いつか旅行に来るならつきあってあげる!」

ξ*゚听)ξ「それいいわね。お願いするわ!」

ミセ*゚ー゚)リ「おっけー!」

ぱらぱらと捲っていく中、ミセリはページが進むにつれ徐々にアルバムから目を逸らしてゆく。
彼女は掃除の一環で机周りの人形を並べたりしているのだが、どうにも要領を得ない並べ方で、あとで邪魔になってしまいそうだ。
そもそもまだ掃除は終わっていないので、今すぐ人形を並べる彼女の行動は明らかに意味の無いものである。
ツンは床にアルバムを置き、眺めながらゲームのコードを巻いていたため、そんな彼女に気付くことはない。

109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 20:06:01.46 ID:q6XuIg3o0
ξ゚听)ξ「……あれ?中等部になってからずいぶん写真減ったわね?」

ミセ*゚ー゚)リ「ああ……中等部って一番忙しいじゃない?外で撮る暇なくてさ。カメラからもちょっと離れてた時期あったしね」

ξ*゚听)ξ「うわー!このページクーとのラブラブな写真ばっかり!目覚めたの?」

次にツンのめくったページはミセリとクーのくっついた2ショットがたくさん貼られていた。
最近のものなのだろう、写真の二人はツンが最もよく知った姿をしている。

ミセ*゚ー゚)リ「いやいやそんなわけないじゃん!前から親しかったけど班一緒になって特別仲良くなっただけだよー!」

ξ゚听)ξ「だよね。でもいいなー班に女の子居て。あたし最初友達とか知り合い居なくて大変だったもん」

ミセ*゚ー゚)リ「……そうなんだ。やっぱり飛び級だとね」

ξ゚听)ξ「あ、でも普通に話したりする人はけっこういたのよ。それは友達って感じではなかったけど。年下だから気使われてるのわかっちゃう」

ミセ*゚ー゚)リ「辛かった?」

ξ゚听)ξ「いいえ、自分でもびっくりするくらい大丈夫だったわ……やっぱり班の二人の存在が大きいと思う」

ミセ*゚ー゚)リ「どうして?」

ツンは遠い目をして、

ξ゚听)ξ「ブーンはとにかく優しかったから。ちょっと馬鹿だけど結構頼りになるし、いまでもそう。……あ、でも一年目の二ヶ月間くらいは怖かったなあ」

ミセ*゚ー゚)リ「え、すごい意外。どんな感じだったの?」

110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 20:11:06.20 ID:q6XuIg3o0
ξ゚听)ξ「よくわからない。なんだかわからないけど怖かった。ピエロみたいな感じでなんか話しても感触がないというか」

ミセ*゚ー゚)リ「ピエロ?たとえがよくわかんないよー。でもブーンちょっとピエロの格好似合いそう!今度やってもらおうよ!あ、ジョルジュ君は?」

笑うミセリが思い出したようにもう一人の名前を挙げると、ツンは顎に手を当て、少し考える素振りを見せた。

ξ゚听)ξ「んー、あいつは……あたしを年下扱いしなかった、かな。言葉ではたまにするんだけどね、対等に扱ってくれるの。
      最初は精神年齢低い馬鹿なのかと思ってたけど、考えてみれば本当に感情的になってるところ見たことないわ。
      誰に対してもね。……あ、でもクーの時はびっくりしたな。あんな顔するんだ、って思った。さすがに熱すぎて笑ったけど」

ミセ*゚ー゚)リ「低くないの?正直高そうには見えないけどねー」

ξ゚听)ξ「その一面は確かにあるんだけど、なんか肩透かしを喰らわされてる気がするの。なんて言えばいいのかな?
      本質的な部分は別のところにあると思う。これは確信じゃないけどね。正直、知ってる人間の中でトップクラスによくわからない人間だわ」

ミセ*゚ー゚)リ「…………」

ξ゚听)ξ「なに?ミセリ」

ミセ*゚ー゚)リ「ツンが飛び級してきたの、ちょっと納得したかも!」

ξ゚听)ξ「ええ!?なんでそうなるの!?あ、掃除は?」

ミセ*゚ー゚)リ「手、止まってたー!続き続き!」

お互いの知らない部分を垣間見ることで、相手の新たな一面を見つける。
その一面を見せることが必ずしも良いとは限らないのだが、今日の二人はこれをきっかけの一つとして、お互いに一層歩み寄ることができるだろう。

112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 20:16:34.21 ID:q6XuIg3o0
( ゜ω゜)「いぇああああああああああああああああ!!!!!!!!」

(# ・∀・)「ォおおおおおお!!!!!!!!!」

( ゜ω゜)「やべえ!!!!!きもちええええ!!!!」

涎をまき散らしながらベッドに跳ねるブーンと、膝を抱えた体育座りのまま床に転がり寄生を上げるモララー。床にいる奴は頭にたんこぶができている。
先ほどから再生されるモララーお勧めバンドのライブ映像に脳内の深層意識を掘り起こされてしまったのか、彼らは形振りも構わず思うがままに暴れていた。

(* ・∀・)「だろ!?最高だろ!?音楽ってのはな!!!最高の合法ドラッグだぜえええ!!!!!!!!!!!!!!」

( ゜ω゜)「止まんねええええ!!!!!止まんねええ!!!!!俺の鼓動がダイナマイッ!!!!!!!!」

(#・∀・)「ィェええええええあああああああ!!!!!!!!!!!!!」

( ゜ω゜)「あああああ!!!ああああ!!!!ああんんんん!!!!!!!」

(* ・∀・)「いいんだよおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!」

( ´ω`)「……………キモチイイ」

(# ・∀・)「なあああああ!!!俺はイク!!!!!イクぞおあああ!!!!!!!!!!!!!」

ドアは開け放たれたままこんなことを続ける二人だ。誰かが殴りこみに来るのも時間の問題である。

(,#゚Д゚) 「うるっせえぞゴルアあああ!!午前中から何やっとるんじゃボケがああ!!」

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 20:21:44.37 ID:q6XuIg3o0
(;゚∀゚)「うう……もうかなり食べたろ……」

ジョルジュは自分で頼んだ山を切り崩していたのだが、なかなか目に見えた変化がないそれに、いい加減辟易していた。
山を開拓するのがこんなに大変だとは知らなかった彼は、それをやってのけた先人たちに敬意を表した。
クーはというと、余裕な顔見せながら一定のペースで銀のシャベルを口に運ぶ。

川 ゚ -゚) 「だらしないぞジョルジュ。男を見せろ」
  _
( ゚∀゚)「今男を見せたらそのままなけなしのプライドごと床に逆流するぞ……」

川 ゚ -゚) 「私的ポイントだと、男を見せたら10ポイント。
     そして貴様が吐き捨てるその取るに足らないプライドがだいたい7ポイントだ。つまり今男を見せると私の好感度がなんと3ポイント加算だ。でかいなあ」
  _
( ゚∀゚)「でかくねえよ。お前何言ってんだ」

川 ゚ -゚) 「一気食いが見たい。それだけだ」
  _
( ゚∀゚)「ほう?今の俺にとっちゃ死活問題だぜ、お嬢ちゃん」

川 ゚ -゚) 「とりあえず食え、さあ食うんだジョルジュ!」
  _
( ゚∀゚)「任せろ、俺は神だ」

川 ゚ -゚) 「断じて違う。死ね。わー!頑張るんだジョルジュー!」
  _
(*゚∀゚)「おう!棒読みしか聞こえなかったぜ!うまいなーテラ盛りパフェ!」

二人のやり取りの間の笑顔は、ここに来る前よりもほんの少し増えていた。やはり共同作業というものは、一体感や親近感を生むものなのだ。

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 20:26:43.62 ID:q6XuIg3o0
ξ゚听)ξ「よし!掃除終わり!でも目的のもの無かったわね」

ミセ*゚ー゚)リ「うん……。どこやっちゃったかなあ?」

片付いた部屋を見渡しつつミセリは頭を抱えている。
ツンは携帯端末を取り出し、操作をしながら腰を回している。

ξ゚听)ξ「とりあえずブーンたちを呼びましょう」

ミセ*゚ー゚)リ「だねー。うーん……」

ξ゚听)ξ「あ、ブーン?あの――」

『フヒヒ!!ツンかお!!ツンつんつんしたいお!!!』

ξ゚听)ξ「………」

『うおいってえ!!いい加減ギコ殴るのやめるお!!!モララー!!そいつにニードロップだお!!!』

ξ゚听)ξ「………」

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 20:31:58.39 ID:q6XuIg3o0
『お!!シャキン!!!加勢にきてくれたのかお!!!!!!』

ツンの言葉を待たず、男の声が暴れまわっていた。
通信相手側はかなり騒がしく、端末のスピーカーから離れたミセリにも物音や寄生が聞こえる。

ξ#゚听)ξ「っるっさい馬鹿!!この音は何!!!あんたたち何やってんのよ!!!!!今すぐ女子寮のロビー来なさい!!!!!!!」

ミセ*゚ー゚)リ「あはは……えと、どしたの?」

ξ#゚听)ξ「あいつら酒でも飲んでたんじゃない?めちゃくちゃうるさい音と叫び声が聞こえたわ。それに二人だけじゃないみたい」

ミセ;゚ー゚)リ「なんでそんなことに……」

ξ゚听)ξ「ブーンも結構バカだからね。あとで説教」

ミセ*゚ー゚)リ「モララーも思ったより馬鹿なんだなー。ある程度で止まる人だと思ってた」

ξ゚听)ξ「まあ来たらわかるでしょ?それに探し物は全くしていないみたいね」

ミセ*゚ー゚)リ「まあ、しょうがないよ……」

119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 20:37:02.07 ID:q6XuIg3o0
  _
( ゚∀゚)「食った……食ったぜ……クーにゃん……」

川 ゚ -゚) 「私はカクテルではない」
  _
( ゚∀゚)「よし、歩ける……。戻るか」

川 ゚ -゚) 「会計はまかせろ。財布を貸せ。おまえはポンコツを出してろ」
  _
( ゚∀゚)「ああ……」

ジョルジュは小股でちょこちょこと歩き店を出た。
おんぼろ二輪車を引っ張ってクーが出てくるのを待つ。
そこでジョルジュは、自分の財布に金が入っていたか思い出しながら腹を擦っていた。

川 ゚ -゚) 「店員に聞いたが、ここに忘れ物はなかったようだ」
  _
( ゚∀゚)「そうか。じゃあ乗れ、クー。ところで……俺の金、足りてたか?」

川 ゚ -゚) 「足りてた。だが私も食べたから半分ずつだぞ。お前がいたらおごるとか言いそうだったからな。鬱陶しい」

ジョルジュに続きクーは後ろに座り、彼のポケットにするりと腕を伸ばし財布を入れた。

121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 20:42:57.01 ID:q6XuIg3o0
  _
( ゚∀゚)「ばれてたか!つってもほぼ俺が食ったんだが……途中からおまえ俺の邪魔ばっかしてたろ」

川 ゚ -゚) 「私もかなり食べたぞ。これじゃあお腹回りが一大事になってしまうな」

話しながらジョルジュはエンジンをかけていて、もう動き出す準備はできていた。
ころ合いを見計らい、クーはジョルジュの背中に手を回すのだが、
  _
( ゚∀゚)「まて!悪いが今は腰回りおよび腹はまずい!肩に掴まれ」

川 ゚ -゚) 「ん?なんだ、つかまるのは肩で十分だったのか?」

何かに気づいた調子でクーが聞く。ジョルジュは背中に刺さるような視線を感じたが極力意識の外へ持っていく。
  _
( ゚∀゚)「さっきはおまえびびってたろ?俺の大きな背中が必要かと」

川 ゚ -゚) 「まったく……。暖かかったから許してやるが、次はないぞ」
  _
( ゚∀゚)「まあまあ。早く行こうぜ。実が出る可能性を否定しきれない」

川 ゚ -゚) 「ああ。ならすぐ行こうか」
  _
( ゚∀゚)「おー」

ゆっくりと発進し、スクラップは二人を乗せ寮へと向かった。

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 20:47:19.14 ID:q6XuIg3o0
到着したブーンらを仁王立ちで待ち構えていた女がいた。
普段のブーンなら怒られるのを避けるため土下座しながら滑りこむのだが、今日の彼は違うのだ。
そう、彼は今日、180度生まれ変わったのである。

ξ#゚听)ξ「正座」

( ^ω^)「いやだお」

ξ#゚听)ξ「正座ァァ!!!」

(#^ω^)「誰がやるかお!!!ブーンはロッカーなんだお!!!」

ξ#゚听)ξ「やかましい!!あんたパチンコ玉耳に詰めて頭に穴あけるわよ!!」

突きつけられる二つの金属球。
彼女ならば今言ったことが可能であるため、怒りっぷりから考えるとあまりに現実的な、意味のある脅しだ。
ブーンはチキン野郎の一面もあるため一瞬で縮こまる。彼はもう一度180度生まれ変わった。

(;^ω^)「ひいぃ!!やめるお!!」

(;@∀@)「落ち着けよツンちゃんっ。ブーンも悪気はなかったんだっ。
      ただなっ、音楽というドラッグ、いや耳の快楽、違うな、ある男の生き様にその脳を魅了されてしまっただけなんだっ☆」

124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 21:00:35.79 ID:q6XuIg3o0
モララーは来るなり自ら正座をした。いや、モララーのようなもの、という方が正確だろうか。
ブーンと一緒に来た男は確かにモララーの声を出している。しかし、なんかきもい。きもいのだ。

ξ゚听)ξ「ほら、この鏡を見なさい。モララー、でいいのよね?」

きもい奴に手鏡を突き出すツン。

(;@∀@)「……なっ……誰だコイツ」

鏡を不思議そうに見るモララーは無視し、パチンコ玉を持ってツンはブーンにプレッシャーをかける。
耳に入れられたくないのかぶんぶん首を振りながら逃げるも、首は振ったままブーンは正座した。
二人を制圧したツンがため息をついていると、ミセリがツンに近付き小声で言う。

ミセ;゚ー゚)リ「ツン、あたしたちもちょっと遊んじゃったし、そんなに怒らないであげて?むしろそんなに頑張って探されても申し訳ないよ……」

ξ゚听)ξ「でもねミセリ、それ以前にこいつら寮で大騒ぎしてたのよ?モラル的にありえない。罰則は班の連帯責任になるし、こんなことで傷を作りたくないの」

( ^ω^)、"「……」ブンブン

(((;@∀@)))「……」ソワソワ

ξ#゚听)ξ「あ?」

睨む。

「「……」」ピタッ

止まる。

125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 21:05:18.49 ID:q6XuIg3o0
ミニバイク独特の軽いエンジン音が聞こえてきた。
すぐにクーが寮へ入ってきて、ならうようにジョルジュがついてくる。

川 ゚ -゚) 「全く無駄な時間を……って何だきさまら……」
  _
( ゚∀゚)「おまえら帰ったぜー、って何してんのこれ……?」

illiilililiililil「おおっジョルジュ!助けてくれお!お前なら!頭に!穴が!空かないお!ヘルプ!ミーだおー!」ブンブン

((((((((@∀@)))))))「クー!なんとかツンを説得してっ俺たちを……ぬうっ……俺をっ開放してくれっ☆」プルプル

川 ゚ -゚) 「☆きめえから無理」
  _
( ゚∀゚)「こいつらテンション高いな……おい、うぜえからヘッドバンキングしたまま喋るなよブーン……」

ξ゚听)ξ「二人を見る限り成果はなかったようね。どうしたものかしら……」

ミセ*゚ー゚)リ「あ……」

ξ゚听)ξ「どうしたの?ミセリ」

ミセ*゚ー゚)リ「技術局行ってないや。担当の人に協力したとき置いたかも……」

( ^ω^)「じゃあ行くお!」

127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 21:11:00.75 ID:q6XuIg3o0
  _
( ゚∀゚)「俺は連絡待ちで」

(*@∀@)「じゃー俺もっ☆」
  _
( ゚∀゚)「お前うるせーよ……マジで何があったんだよ……」

( ^ω^)「なんでだお?みんなで行くお!」
  _
( ゚∀゚)「うんこしてえ」

即答。デリカシーの無さに呆れるツン。

ξ゚听)ξ「あ、っそ。みんな行きましょうか」

彼らを放置することにして、ツンは三人を連れ立って寮を後にした。
もうすぐ正午となるので外の空気が温かくなってきていた。今日は快晴である。
技術局への道はそれなりに長いので歩きながらいろいろと話すことになるのだが、
人数バランスの問題で女性三人が前を楽しそうに歩き、男のブーンがはじかれる形となってしまう。

ξ゚听)ξ「そういえばクー。なんであんなに時間かかってたの?」

川 ゚ -゚) 「ああ。ジョルジュがかふぇ・スイーツ(笑)でテラ盛りパフェを注文してな。食べるのが大変だった」

( ^ω^)「二人で食べたのかお?」

川 ゚ -゚) 「そうだ」

128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 21:16:00.92 ID:q6XuIg3o0
(* ^ω^)ξ*゚听)ξニヤニヤ

川 ゚ -゚) 「なんだ?」

ミセ*゚ー゚)リ「クーってさ、ジョルジュ君のこと好きなの?」

(;^ω^)「「!!(直球!!)」」ξ;゚听)ξ

川 ゚ -゚) 「……いや、今はよくわからないな。わたしは恋愛をしたことがないから」

ミセ*゚ー゚)リ「でもさ、そんなことする男子なんてジョルジュ君だけじゃない?」

川 ゚ -゚) 「たまたまだとも言えるな」

ミセ*゚ー゚)リ「ふーん……そう?」

川 ゚ -゚) 「そうだ」

( ^ω^)「あ、そうだツンとミセリこそ何で時間かかったんだお?僕たちは時間持て余した結果あんなことになってしまったんだお」

ミセ*゚ー゚)リ「ずっと遊んでたの!」

ξ゚听)ξ「ちょ、ミセリ、そうでもないでしょ」

( ^ω^)「へえ、ずっとかお?」

ミセ*゚ー゚)リ「ほとんどずっとだよ!」

129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 21:22:06.19 ID:q6XuIg3o0
( ^ω^)「そうかお!」

ミセ*゚ー゚)リ「うん!それでねー……」

ブーンはミセリの話に相槌を打ち、ツンを見たりしながらうれしそうな笑顔を見せている。
ツンはブーンのこういった笑顔をあまり見たことがなく、何がそんなに嬉しいのだろうか、と考える。
普段はもっと笑う時、汚い笑い方をするはずであった。今の彼の表情はそれとは違う様相である。

ξ゚听)ξ「……?」

( ^ω^)「ミセリの担当の人は誰だお?」

ミセ*゚ー゚)リ「ハローさんって人だよ。面白い人なんだ!」

途端にブーンの動きがぴたりと止まった。そのまま彼はUターン。

( ´ω`)「……帰るお」

ξ゚听)ξ「なんでよ!ダメ!ここまで来たら行くの!」

( ´ω`)「はぁ……」

ツンに掴まれた肩を落としてため息。つくづく、世界は狭いものだ。
落ち込む暇もそこそこに与えられ、欝々とした気分で歩いていくブーン。
だが歩いてしまってる以上、目的地には着いてしまうのである。

131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 21:27:23.75 ID:q6XuIg3o0
ハハ ロ -ロ)ハ「あら、ミセリ?どうしたの?」

ミセ*゚ワ゚)リ「ハローさーん!」

部屋に着くなり、狭い足場を駆けながらミセリが白衣に飛びついた。

ハハ ロ -ロ)ハ「こらこらなつくな子リスちゃん。危ないでしょう?こちらはお友達?」

ミセ*゚ー゚)リ「そうだよ!ツンと、クーと、ブーン、あれ?」

ミセリの紹介に合わせ、入り口付近の二人が会釈する。彼女が紹介しようとした三人目の姿はそこにはない。
空振りをするミセリを抱えたハローは三人目の名前を聞くと、真っ赤な唇を三日月に変えた。

ハハ ロ -ロ)ハ「二人ともよろしくね、ハローよ。ちなみにミセリ。ブーンも私の担当なのよ」

ミセ*゚ー゚)リ「そうなんだ!だったらブーン言えばよかったのに!」

ハハ ロ -ロ)ハ「あの子は私のこと『おねーちゃん』って呼んで甘えるから、みんなと一緒に会うのが恥ずかしいのよ」

「「「!!!」」」

ハローが発する言葉に一同は驚愕の色。
三人が事実確認をする前に、説得力のある妖艶な笑みを見せつける。
少女たちは、ああ、二人はそういうことになっているんだ、とその表情に確信めいたものを持ってしまった。

132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 21:33:15.83 ID:q6XuIg3o0
( ^ω^)「おい!なんで嘘吐くんだお!」

ハハ ロ -ロ)ハ「あら、居るじゃない」

ξ゚听)ξ「ほんとなの?ブーン」

突然の彼の大きな声に驚き、ふと忘れていたものを思い出したような顔でツンがきいた。

( ^ω^)「断じて違うお。甘えてなどいないお」

川 ゚ -゚) 「『おねーちゃん』とは呼んでいるのか」

( ^ω^)「じゃないとこいつ火薬くれないんだお!」

ハハ ロ -ロ)ハ「こいつって言い方はないでしょう?まったく……思ったより口が悪いのね。普段は猫かぶってるの?」

( ^ω^)「違うお。距離置きたいだけだお」

ハハ*ロ -ロ)ハ「でもその方が好きかも。実は私ドМなんだから!」

今まさに変態の顔をする女を踏みつけるように、

( ^ω^)「知るかお、下手に喋るなお。ミセリ、早く用件伝えるお」

134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 21:39:57.52 ID:q6XuIg3o0
ミセ*゚ー゚)リ「あ、そだ。あのー、昨日私が服脱いだじゃないですか。そのあと何か落ちてたりしませんでした?」

(* ^ω^)「服脱いだのかお!?」

ξ゚听)ξ「技術局って卑猥なところね……」

川 ゚ -゚) 「ああ……ブーンもきっとそうなんだろうな……」

ξ;凵G)ξ「きっとみんなそうなのよ……こわいよぅ……クー……」ウルウル

川 ゚ -゚)+ 「大丈夫だ。私がいるだろう?」キリッ

ξ*゚听)ξ「クー……頼りにしてる……」

川*゚ -゚) 「ああツン……お前はどうしてツンなんだ……」

先ほどの疑念は未だ解消していないらしい。
さらに何の瘴気に当てられたのか、二人がうっとりした顔でみつめ合い、掌をぬるぬると擦り合わせている。何とも淫猥な茶番である。
ブーンは見てくれはずば抜けて良い二人の、その百合百合した光景に半ば勃起をし、息を荒げていた。

ミセ*゚ー゚)リ「は?え?二人ともどうしたの?ちょっと電圧とかの測定を……ですよねハローさん?」

ハハ ロ -ロ)ハ「意外とふっくらしてるのよ。ミセリはねえ、着やせするタイプみたい」

135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 21:45:16.04 ID:q6XuIg3o0
( ゜ω゜)「なんと!!」

いまにもタガがはずれそうなブーンである。
ツンはいつの間にか正気を取り戻して彼に冷たい目を向けた。

ξ゚听)ξ「やめなさいよブーン……」

ミセ*゚ー゚)リ「もう……それで、どうなんですか?あります?」

ハハ ロ -ロ)ハ「正直わからないわ。結構人来るのよ?ここ」

ミセ*゚ー゚)リ「探させてもらってもいいですか!」

ハハ ロ -ロ)ハ「いいわよ。さあ!彼女が脱いだのはそっちの小部屋よ、ブーン!」

(*^ω^)「はいですお!!」

彼女が指さす部屋の隅のドアを確認すると、ブーンはこれは自分の役目だ、と言わんばかりの足音を立てそこに踏み込む。
のろのろと残りの三人がついてきた。ツンはついにブーンから一線を引いた。

ξ゚听)ξ「この変態……」

( ^ω^) 「こんな部屋あったのかお、知らなかったお」

小部屋の中は隣の研究室と同じくごちゃごちゃしているが、あちらよりはまだスペースがある。
小さな部品やら回路やら実験器具はこちらの方が多く、物を探すにはなかなか気を遣いそうだ。

136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 21:53:54.15 ID:q6XuIg3o0
ξ゚听)ξ「ミセリ、ありそう?」

ミセ*゚ー゚)リ「希望は見えてきたかも!」

川 ゚ -゚) 「私も探そう」

(* ^ω^)「……」

ξ゚听)ξ「エロい目禁止!」

( ´ω`)「すまんこ」

彼女らが屈んで物をどかすのだがそこでブーンは、
クーの豊満な双丘が地盤の変化によって中央に集まり発生してしまう、
深い深い、飛び降りてしまいたくなるような谷を見つけた。
気が触れそうになり、反射的に目をそらすと、そこにはミセリ。
彼女はぴたっとした短い裾のシャツを着ていたので、
ちらりと見せる白い肌や、先ほどのハローの発言により意識してしまったその曲線はさらにブーンの感覚を刺激した。
さらに言えば彼女はこの部屋で服を脱いだのだという。
なんという臨場感だろう。
それらの要素は健全な青少年のブーンの目を危険なものへと変貌させてしまうのは当然のことである。

137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 22:00:20.10 ID:q6XuIg3o0
ブーンが気持ちを落ち着かせた頃、ようやく当事者が黄色い声を上げた。

ミセ*゚ー゚)リ「あった!!」

川 ゚ -゚) 「ほんとうか!」

( ^ω^)「よかったお!」

ξ゚听)ξ「じゃあ帰りましょっか」

ミセ*゚ー゚)リ「うん!みんなありがと!ジョルジュ君とモララーにもお礼言わなきゃ!」

( ^ω^)「いや、多分モララーには言う必要ないお」

ξ゚听)ξ「私もそう思うわ」

川 ゚ -゚) 「まあいい、みんなでお昼でも行こうか。少し遅いがな」

ξ*゚听)ξ「いいね!いこっか!」

技術局を軽い足取りで飛び出した彼女の左耳には、手元に返ってきた宝物であるイヤリングが輝いていた。

138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 22:01:08.93 ID:q6XuIg3o0
モララーの部屋に流れる音は音楽ではなく爆音である。そして、

(#,゚Д゚) 「しぃ!!俺だああああああああああ!!結婚してくれえええええ!!!!!!!!!」

叫び声。

(*`・ω・´) 「なんだこの津波のような………ぃぃぃぃぃぃぃいりりりりりやっほおおおう!!!!!!!!!!」

叫び声。

(# ・∀・)「俺は!!俺はどこだああ!!!!!」

叫び声。

(#,゚Д゚) 「お前はここにいるぞお!!!!!!!!!」

叫び声。
  _
(#゚∀゚)「汚物は消毒だァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!」

彼らが叫ぶ理由は単純である。ブーンと同じ原因だ。
自称『ディーヴァ』であるモララーが自分が楽しむためだけに、歌で彼らの脳を焚きつけたのである。
最も彼の声の影響は一部、他人にのみ効果があるわけではないものがある。

(@∀@)「きたっ☆」

第四話「春休みの一幕」・終わり


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