( ^ω^)達の中だるみな一年のようです

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/05(月) 20:34:42.84 ID:DtiFPGpO0
第九話「増える彼女と思い出」
  _
( ゚∀゚)「あ、ブーン。朝からどこ行ってんだよ」

ドクオも無事発見し部屋に帰ってのんびりしているブーンの部屋に、長身の男がやってきた。
その口ぶりからブーンを探していた様子が伺える。

( ^ω^)「ジョルボン。何か用かお」
  _
( ゚∀゚)「誰だそれは……例の姿無きストーカーの動向は?」

( ^ω^)「一日でそんなに進展ないお。ドクオが負けたお」
  _
( ゚∀゚)「は?マジで言ってんのか?つーかやりあったのか?」

( ^ω^)「だお。なんか姿が見えないうえに速いらしいお」

それから素っ頓狂な顔をするジョルジュに、ドクオから聞いた情報を伝える。
すると彼は眉をしかめた。
  _
( ゚∀゚)「男か……なら違うな」

( ^ω^)「え?もう誰か見当つけてたのかお?」
  _
( ゚∀゚)「二年にステルス系の能力持ってる子がいるんだと。まあその子は動いたら姿が見えそうになっちまうくらいの未完成っぷりらしいが」

時折ブーンは思う。彼の生徒間での情報収集能力はなかなかのものだ。やはり趣味が多いとそれだけ関わる人間の数も増えるのだろう。
そのうえ、いろいろなジャンルの事物を趣味として昇華させるバイタリティは簡単には持てるものではない。
彼のこういった部分は尊敬できるといえる。ブーンも見習えばいいのだが。

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/05(月) 20:40:43.85 ID:DtiFPGpO0
( ^ω^)「そうかお。ていうか人殺しのドクオに勝てる奴なら四年当たった方がいいお」
  _
( ゚∀゚)「四年は忙しいだろ。定期以外に査定試験と卒業試験あるし。人によっちゃ行事も指揮するじゃねーか」

査定試験とは中等部卒了時に高等部に提出される資料用の能力検査で、毎月一度、様々な細かい検査がなされるものだ。
高等部は現場での実習が主になるため、そこで提出される資料によって希望通りの部署、機関にあてられるかどうかが決まる。
卒業試験は言わずもがな、期末試験の延長線上にある最後の試験である。

( ^ω^)「あーなんか来年のこと考えたら憂鬱だお」
  _
( ゚∀゚)「かったりーよな。ほんとかったりー」

ぐったりして床に倒れ込むジョルジュ。ブーンもドアからはみ出しながら倒れ込む。

( ^ω^)「―――うわあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
  _
( ゚∀゚)「なんだよ。うるせーよ」

( ^ω^)「いや、なんとなく叫びたい時ってあるお」
  _
( ゚∀゚)「ああ、たまにあるよな。――――おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」

( ^ω^)「なんだお。うるせーお」
  _
( ゚∀゚)「いやーなんつーの?なんだか急に叫びたくなったわけよ」

( ^ω^)「ああ、そういうこともあるお」

休日となると毎度のごとくだらけてしまうのはこの年代の共通思念なのだろう。こんなふうにダラダラしているのは彼らに限った話ではない。

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/05(月) 20:45:53.41 ID:DtiFPGpO0
ミセ*゚ー゚)リ「クー。暇だよー」

ベットに大の字に寝っ転がる外ハネ少女。
その癖っ毛はテンションに比例してへなへなになったりすることはなく、ぐったりとベッドにへたり込む彼女とは裏腹にぴゅんぴゅんしている。

ミセ*゚ З゚)リ「くー。くー。ひまー。ひまひまー」

そんな彼女に構わず読書に勤しむ黒い髪の少女。昨日の夜から同じ椅子に同じ体勢で同じ本を読み耽っていた。
昨夜ミセリが泊まりに来ても完全にスルーし、横で寝はじめてもスルー。彼女が朝起きての第一声もスルーし、顔を洗って帰ってきた彼女もスルー。
そんなスルースキルを持つクーがついに眼鏡をはずし、立ちあがった。

川 ゚ -゚) 「ミセリ!」

ミセ*゚ー゚)リ「おうっ!なんだい!?」

川 ゚ -゚) 「高原に行こう!私は白いワンピースを着ていく!カメラを持て!」

ミセ*゚ー゚)リ「まかせろい!」

勢いよく捲し立てたと思ったらわけのわからない注文をするクー。
そんなに暇だったのかそれに何の疑問も抱かず了承するミセリ。
クーは本を読み終えるとたまに突発的な行動をとる。現代が舞台だとなおさらそれが多い。

川 ゚ -゚) 「再現には男の子がいる!ジョルジュだ!ジョルジュを呼べ!」

ミセ*゚ー゚)リ「はいはいじょる君ねー。待っててよ」

どうやらクーは小説の光景を再現しようとしているらしい。なんとメルヘンな可愛らしい行動だろう。

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/05(月) 20:51:25.36 ID:DtiFPGpO0
振動する携帯端末。床に寝っ転がっていたのでえらく響き、微妙にマッサージ機のようできもちいい。
だからといってとらないわけにもいかず、ポケットから端末を取り出し、すぐさまジョルジュは応答した。
  _
( ゚∀゚)「あいやあっしはじょるじゅでござんす!この江戸一のカブキ者でぇい!」

ここは江戸ではなくニュー速であり、彼は特別カブいてるわけではない。
そのうえ彼は発信元を確認せずに応答した。もし実家の両親からの通信だった場合彼はどんな顔をしていただろうか。
それとも普段からそんな姿を両親に見せているのだろうか。だとしたらある意味彼はカブキ者かもしれない。

『やっほー、みせりんだよ!』

応えたのはみせりんである。朝からテンションの高いこと高いこと。
可愛らしい声を出しているつもりなのだろうが、それは高音すぎて耳の奥からの吐き気を催すほどだ。
  _
( ゚∀゚)「わあ、みせりん!僕になんのようかなあ?」

対するジョルジュもなかなか高い声を出す。こちらはひどくかすれていて気持ちが悪い。
さながら某ドブネズミのパチモンである。

『みせりんはじょるじょるを所望します。あ、ぶんぶん連れてきてね。ツツンツンツツンはわたしが誘っておくよ』

妙な渾名はさておき何の用なのかこれでは掴めない。みせりんは要領が悪いのだ。
  _
( ゚∀゚)「モララーは要るか?」

『じょるじょる任せ!んじゃ女子寮ロビーね!みせりんでしたっ!』

元気な娘だ。廊下に寝ているぶんぶんにも筒抜けになるほどの声。

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/05(月) 20:57:28.94 ID:DtiFPGpO0
( ^ω^)「ツンは遊ぶテンションかお……?」
  _
( ゚∀゚)「さあな。一応モララー呼んでくるわ」

ジョルジュは立ち上がらずに廊下の端の部屋を目指して転がっていった。彼は今、ほうきである。

( ^ω^)「きたねえやつだお」


呟いたブーンは適当に準備を終えた。
が、誰も来ないのでとりあえずモララーの部屋へ向かうことにする。
部屋の中は暗く、光源となるのは以前激しいライブが行われたモニターのみだ。

そして部屋の真ん中で体育座りをしているモララー。
彼の目の端には涙の跡だろうか、細い筋が走っている。

( ^ω^)「一体何が……」

( ;∀;)「うう……聞いてくれよブーン!」

( ^ω^)「……」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/05(月) 20:59:15.68 ID:DtiFPGpO0
近寄ってくるモララーを見てふと考えるブーン。

なぜジョルジュがいない。
どこだ。

――どうやら部屋にはいない。
しかし奴は一度モララーの部屋に来た筈。
もう一度来るつもりなのか。
しかしそれでは聞いて聞いて状態になっているこいつはおかしい。
もう少し安定しているだろう。
なんだ。

こいつの話の内容か。
聞き上手の奴も呆れて帰ったのか。

妥当な線だろうか。
こいつはたまに鬱陶しい。
そういう日に今日たまたま当たってしまったのだろう。

固い。

この予想は固い気がする。
そしてこういう時の直感は経験上いつも的中する――!

( ^ω^)「いや、結構だお」

(  ∀ )「がっ!」

迫るモララーにドアをぶち当て、ロビーでジョルジュを待った。

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/05(月) 21:00:31.10 ID:DtiFPGpO0
  _
( ゚∀゚)「おうブーン。モララーに捕まってるかと思ったぜ」

なんか縦に長めの男が玄関正面の大階段を降りてきた。

( ^ω^)「あいつどうしたんだお」
  _
( ゚∀゚)「鬱陶しかった。それだけだ」

遠い目をするジョルジュ。実際は何も考えていないだけなのだが。
モララーは誘わない方向に固まったので二人は女子寮へ向かうことにした。
  _
( ゚∀゚)「ギコの。なにしてんだよ」

途中の不可解オブジェクトに座るギコ。状況的に質問する意味は皆無であるが、社交辞令というやつだ。

(,,゚Д゚) 「武士かてめえは。しぃだよ。わかんだろ?」
  _
( ゚∀゚)「何をするか聞いてるのに人名を挙げるなんてなんか卑猥だな」

(,,゚Д゚) 「おいジョルジュ。俺が至近距離でこれ全てを解凍したらどうなるか教えてやろうか」

そう言って腰のアクセサリをまとめて持ち上げるギコ。目が若干本気である。
恋人のために怒りを露わにするなど、なんといい男だろう。

( ^ω^)「ジョルジュの体と勝負だお!ちょっと興味あるお!」
  _
( ゚∀゚)「死ぬぞ。わかるか?俺が死ぬんだ」
   
(,,゚Д゚) 「ほう、お前が死ぬのか。そうか……残念だぜジョルジュ」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/05(月) 21:05:38.17 ID:DtiFPGpO0
ジョルジュの胸にアクセサリが突きつけられた。もうジョルジュは諦めたのか、目を瞑りながら早口で何かをぶつぶつ呟いている。

(*゚ー゚)「ギコ君?何してるの?」

しぃだ。セミロングの黒い髪を揺らす彼女は今日もかわいい。抱きしめたい。

(,,゚Д゚) 「おうしぃ。何でもないぞ。いこうぜ」

(*゚ー゚)「うん!」

見違えるように上機嫌になったギコ。しぃと手をつなぐと爽やかな笑顔でどこかに向かい回転していった。
足がもつれるのも時間の問題。カップルなどそのまま破滅すればいいのだ。
  _
( ゚∀゚)「ギッコク堂が……マジで死を覚悟したぜ……」

ジョルジュを殺しかけた男は断じてギッコクドウなどという名前ではないのだが、死を前にした男の思考回路は知る由もない。
彼の脳内では死を前に何か致命的なバグが起こり過去の記憶がごちゃごちゃになったとか、ただの思いつきかそこらだろうが。

( ^ω^)「あ、やばいお。なんだか今日はいろいろダメな気がするお」

女子寮のロビーに来たのだが、誰もいない。
正面の大階段には誰も降りてくる気配がない。
休日だというのに、なんだかやる気が出ないブーン達。
そう、ないないづくし。これは学生のブーン達にとって非常にまずい。
  _
( ゚∀゚)「わああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

( ^ω^)「ぬわー!」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/05(月) 21:10:54.96 ID:DtiFPGpO0
叫んでしまう。どうにも今日はしっくりこないのだ。すごくかみ合わせの悪い大きな時計の歯車になってしまった。
全然、気持ちが前に進もうとしない。ステップ、バイ、ステップなど夢のまた夢だ。ところでこれは何の話だろうか。

川#゚ -゚) 「やかましいぞ!ここをどこだと思っている!」

凛とした声がダメな奴らを一喝した。それは例えるなら氷の槍。突き出されるようなその声は彼らの鼓膜を突き揺らした。
そして冷やりとした感覚が全身を駆け巡る。きもちい。
声は、彼らの神経を悪い眠りから覚ませるだけのしっかりとした温度、外形を持っていたのだ。
  _
( ゚∀゚)「クーさま!」

( ^ω^)「クー様!!」

ひれ伏す。氷の女王を前にして、彼らは委縮してしまったのだ。ふがいない。女王を前にするからこそ、胸を張ってその命を全うするべきではないのか。
しかし、大階段の頂点で見下ろす彼女。それは森羅万象いかなるものでも彼女の所有物であると思わされるほどの圧倒的な神々しさを放っていた。
愚民の彼らがそうなってしまうの致し方ないとも言える。

川 ゚ -゚) 「全然関係ない何かが今顔の横すれすれを過ぎていった気がするがまあいい。高原に行くぞ!」

白いワンピースに薄い青の上着を引っ掛けたクーは珍しくノリノリであった。なんだか理由も無くその細い腕を振り回している。
すると彼女の隣に小柄な少女が跳び出した。

ミセ*゚听)リ「ツンたんこない!やーん!」

ぶりっこじゃない子がぶりっこの真似をするとちょっとかわいく見える。
つまりぶりっこは既にかわいいというアドバンテージをもっているはずなのだ。
しかしぶりっこはあまりかわいくない。この世の不思議は尽きないものだ。

何が言いたいかと言えば、やーん、とか抜かすみせりんはちょっとよかった。

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/05(月) 21:16:24.20 ID:DtiFPGpO0
( ^ω^)「みせりん。ツンタンは今日はダメなんだお」

ミセ*゚д゚)リ「はっ!おんなのこのひ!?」

身も蓋もないことを言うみせりんである。デリカシーが無い奴は世間的に好かれない。

川 ゚ -゚) o彡゜「みせりんダメだぞー、そういうことを言っちゃ。め!だ」デュクシ

悪いことを教える優しい姉のような女王はクーで、みせりんは頭を三回くらい全力で殴られた。
言うまでも無くみせりんは泣いた、いや泣かされた。姉は姉でなく女王でもなくジャイアンだった。身長差的にも。

ミセ*;Д;)リ「いたいよ!なんで!?」

川 ゚ -゚) o彡゜「め!だ!そらっ!そらそらっ!」デュクシッ デュクシッ

ミセ*;Д;)リ「もう!いーたーいーよー!くーのばかー!」

ハイテンションのクーは誰にも止められなかった。

クーが言うような高原はニュー速駅から三駅移動したところにあるプラス駅付近が丁度いいという。
ブーンとジョルジュはそもそも何をしに行くのか全く説明されていないのだが、ホイホイとついていく彼らはもれなくダメな奴らだ。

44 名前:修正 投稿日:2009/10/05(月) 21:17:10.71 ID:DtiFPGpO0
( ^ω^)「みせりん。ツンタンは今日はダメなんだお」

ミセ*゚д゚)リ「はっ!おんなのこのひ!?」

身も蓋もないことを言うみせりんである。デリカシーが無い奴は世間的に好かれない。

川 ゚ -゚) o彡゜「みせりんダメだぞー、そういうことを言っちゃ。め!だ」ボコッ

悪いことを教える優しい姉のような女王はクーで、みせりんは頭を三回くらい全力で殴られた。
言うまでも無くみせりんは泣いた、いや泣かされた。姉は姉でなく女王でもなくジャイアンだった。身長差的にも。

ミセ*;Д;)リ「いたいよ!なんで!?」

川 ゚ -゚) o彡゜「め!だ!そらっ!そらそらっ!」

ミセ*;Д;)リ「もう!いーたーいーよー!くーのばかー!」

ハイテンションのクーは誰にも止められなかった。

クーが言うような高原はニュー速駅から三駅移動したところにあるプラス駅付近が丁度いいという。
ブーンとジョルジュはそもそも何をしに行くのか全く説明されていないのだが、ホイホイとついていく彼らはもれなくダメな奴らだ。

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/05(月) 21:23:35.70 ID:DtiFPGpO0
川*゚ ヮ゚) 「ぅわああぁーい!!!!」

プラス高原に着くなりジョルジュに上着を投げつけ走りだすクー。それほど理想的な場所だったのだろうか。
白のワンピースが揺れ、長く黒い髪が風にさらわれる。さらう風は緩やかではあるが確かに触れることができるほどだ。
地に生える草は青々と茂り、その上を走る彼女は一つの絵画としてそこに溶け込む。なんだかそのまま帰ってこなくなってしまいそうだ。
  _
( ゚∀゚)「今日のクー、どうしたんだ?むしろ誰だ?」

取り残された三人はその場に座り、高原に現れた絵画を眺めながら話しだした。

ミセ*゚ー゚)リ「クーはね、面白い本を読んだ後、ああなるの」

みせりんはにこにこしながら彼女を見つめる。そいつに全力で殴られたことは水に流してしまったのだろうか。
あれは実際訴訟レベルだったはずだ。

( ^ω^)「へえ……よくわかんない嗜好だけど、見る分には素晴らしいお」

感嘆するように息を吐くブーン。それだけ彼の視覚的なダメージは深刻のようだ。
  _
(*゚∀゚)「おおぅ……」

そんな折、ジョルジュがさらに目を輝かせた。

川 ゚ ー゚)卅 ゚ -゚)「気持ちいいな」

誰に聞かせるでもなく呟く黒髪の彼女の横には、同じ顔をした銀髪の少女。。
二人の少女は、宇宙まで突きぬけるような青空の下、風に髪を預けながら手を繋いで並び立っていた。

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/05(月) 21:29:44.43 ID:DtiFPGpO0
( ^ω^)「絵になるってレベルじゃねーお……僕はあれを目に焼き付けて寝かせてもらうお」

それを最後に、ブーンはくすぐったくもある地面に後ろから倒れ込んだ。

川 ゚ ー゚) 「ジョルジュ!ミセリ!写真撮るぞ!」

振り返って催促をする彼女。これまた楽しそうな顔を見せる。

ミセ*゚ー゚)リ「あいよー!」
  _
( ゚∀゚)「写真?なんでまた」

川 ゚ ー゚) 「いいから来いジョルジュ!お前と写真が撮りたいんだ!」
  _
(*゚∀゚)「!!………なんてこった……」

何か心の一部分を破壊してしまいかねない笑顔を突きつけられたジョルジュは、なされるがままに彼女二人と肩を並べる。

ミセ*゚ー゚)リ「じゃー撮るよ!……じょる君もっと右!はいそこストップ!」

ジョルジュは二人のクーに腕を組まれ、挟まるようにしてファインダーに収められた。

卅 ゚ -゚)「これでイメージ通りの写真ができる」
  _
( ゚∀゚)「どんな写真だよ」

川 ゚ -゚) 「今回読んだ本はな、双子の女の子が一人の長身の男の子に恋をする話だったんだ」
  _
( ゚∀゚)「はぁ」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/05(月) 21:35:30.04 ID:DtiFPGpO0
川 ゚ ー゚) 「それでだ。なんだか読んでるうちにジョルジュしかイメージできなくなってな。
      私が増えて万事解決。最高の絵が撮れた気がする。ふふ、その背は罪だな」

ミセ*゚Д゚)リ「そこ!ラブラブ禁止!」

近寄っていたミセリがシュバッとした動きで指を刺した。誤字ではなく指はクーの頬へ。

ニア)-゚) 「ぬうぅ、刺すなみせりぃぃ」

ミセ*゚听)リ「わたしだってクーみたいに男の子とラブラブし、た、い、よー」

ぐ、ぐ、ぐ、と力を込める。

ニア)-゚)))「別にし、て、な、い、ぞー」

首で押し返すクー。押し返してもダメージは彼女にしか向かわないのだが。
二人の世界でじゃれあう少女たちをよそに、ジョルジュはブーンのもとへ。
  _
( ゚∀゚)「うお、ブーン寝てんのかよ。俺も寝よう」

ミセ*゚ー゚)リ「クーはやっぱりじょる君が好きなんじゃないかー。みとめい!」

未だに指を刺すミセリ。

ニア)-゚) 「違うぞ。気に入ってるだけだ」

ミセ*゚ー゚)リ「好きと言え!好きと言えー!」

ニア)-゚)「肉が裂けるぞ!血が出るぞ!私が増えるぞー!」≡卅 ゚ -゚) ニュルーン!

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/05(月) 21:42:01.94 ID:DtiFPGpO0
そして分裂したクーの片割れはミセリにチョップした。

ミセ ― )リ「むねん……!」

打ち所が悪かったのか気を失ってしまう。顔から地面に崩れ落ちそうになるのをクーが支えた。
倒れる彼女を労わりながら、ごく小さな声でクーは呟く。

川 ゚ -゚) 「それを認めてしまうと、私は後で泣いてしまうからな」

―――風は変わらずゆるやかに吹きつけるのだが、周囲の音源が無くなった私には少し、耳触りにも感じた。

それから高原の雰囲気を存分に楽しんだクー。三人を揺すり起こし、帰ろう、と急かした。

( ^ω^)「お、満足したのかお?」

川 ゚ -゚) 「ああ、やっと落ち着いたよ」
  _
( ゚∀゚)「そうか。じゃあ帰ろうぜ」

ミセ*゚ー゚)リ「うぅ〜納得いかないよー!」
  _
( ゚∀゚)「なんだ?」

川 ゚ -゚) 「なんだろうな」

ミセ*゚ー゚)リ「わたし帰らないよー!」

ひとり駄々っ子のように草原に寝転がり、なかなか起きようとしない。
そこでブーンが傍に立ち、冷たい目で見下ろしていた。

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/05(月) 21:48:47.85 ID:DtiFPGpO0
ミセ;゚ー゚)リ「な、なによブーン!わたしを襲う気!?」

なんか勝手に盛り上がるミセリ。構わずさっきと変らぬ様子で立つ彼。

( ^ω^)「……」

ミセ;゚ー゚)リ「こわっ!」

( ^ω^)「帰るお」

ミセ#゚ー゚)リ「やだもん!クーがはっきりするまで帰らないもん!」

( ^ω^)「……駄々っ子にはこうだお」

するとブーンが寝転がるミセリを跨ぎ、彼女の肩を掴むと優しく押し倒した。
当然驚いた彼女は目を合わせてくるブーンに負けじと見つめ返す。

ミセ*゚ー゚)リ「え、なに?なに?ち、近いよぶんぶん!」

ブーンが息のかかりそうな距離まで詰めてきており、ふざけてみるも顔を真っ赤にしてしまうミセリ。

( ^ω^)「みせりん……」

ミセ;゚ ヮ゚)リ「は、はい……」

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/05(月) 21:53:58.08 ID:DtiFPGpO0
(#^ω^)「……ふんっ!」

勢いよく頭をふりかぶり、ミセリの額に叩きつけた。
頭突きである。

ミセ#゚Д゚)リ「ぐあぁぁっ!」

突然のことに頭がついていかず、なすすべなく絶叫するミセリ。
気を抜いていた体への一撃。ダメージはなかなかのものだろう。
彼女は体を右に捻りながら地に両手をつき、心なしか腕がぷるぷるしていて、その痛みを物語っていた。

ミセ*;ー;)リ「今日さぁ……わたしなんでこんなに痛めつけられてるの……?」

涙目で呟くミセリ。
ブーンは不覚にもそのしぐさが可愛いと思ってしまった。

( ^ω^)「ごめんお。でも聞き分けのよくないミセリが悪いところもあるんだお」

そんな感情を普段別の何かに抱いていたブーンは、それへの応対を全然関係ない彼女にしてしまった。

ミセ;゚ー゚)リ「へ?ちょっと……」

ブーンは柔らかにミセリの頭を包みこみ、そのてっぺんを撫でまわしたのだ。

(つ^ω^)つ「よしよし。これで落ち着いたかお?」

さんざんなでなでして満足そうに頭を離すブーン。
しかし、離した頭についていた顔は普段のそれとはまるで別のものだった。

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/05(月) 21:58:37.45 ID:DtiFPGpO0
(;^ω^)「……はッ!」

ミセ#゚Д゚)リ「ぅおらっ!」

(;Ж)「あぅドゥ!」

今度はブーンの顔面に彼女の鍛えられた拳が突き刺さった。前が見えねェ。
直撃し、倒れこみかけたブーンにダメ押しをしながらミセリは立ち上がると、さっさとクーのもとへ。

ミセ*゚ー゚)リ「帰ろっか。変な奴のおかげで目が覚めたよ」

川 ゚ -゚) 「そうだな。まったく、おまえもラヴラヴしてるじゃないか」

ミセ#゚ー゚)リ「違うんだよ。あれは変質者だよ」

川 ゚ ー゚) 「ふふ、そうか?」

ミセ*゚ー゚)リ「そうだもん!」
  _
( ゚∀゚)「……。さて、ブーンは生きてるかな?かな?」

ジョルジュはがに股で小刻みに走りながらブーンに駆け寄った。
なぜがに股なのかはジョルジュに聞いてみないとわからない。つまり真相は闇の中だ。
  _
( ゚∀゚)「起きろッ!変態がッ!」

( ^ω^)「ぬう……ドクオ……ってジョルジュかお。とりあえず股閉じるお」
  _
( ゚∀゚)「帰るぞ」

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/05(月) 22:03:55.97 ID:DtiFPGpO0
( ^ω^)「だお。っていうかさっきまで僕が急かしてたはずなんだけど……」

文句というかなんというか。呟くブーンは呆けた顔で立ち上がり、ジョルジュに倣うようにしてミセリ達と合流。
後ろ髪を引きずられるものも無く、駅に向かうのだった。

( ^ω^)「そういえば結局何しに来たんだお?」

川 ゚ -゚) 「何しにって……思い出作り、か?」

( ^ω^)「そんな……僕が参加してないお……」

ミセ*゚ー゚)リ「変な人は思い出に介入しなくていいですよー」

( ^ω^)「悪かったお。ハインをたしなめる時にたまにやるんだお」

ミセ*゚ー゚)リ「うっわー、えっちだ。もういいよブーンは!ばか!焦げろ!」

それからそっぽを向いてクーと一緒に離れだしたミセリ。なんだかいつもより歩くのが速い。
小柄な彼女だと大体それでここにいる全員とようやく歩調が合うくらいだ。
  _
( ゚∀゚)「エロ魔人よ。帰ったらどうする?」

( ^ω^)「エロ魔人は相変わらず暇だお。珍しくジョルジュは暇じゃないのかお?」

ジョルジュは休みの日となれば頻繁にどこかへ出かける。
何をやっているのかその日の夜はボロボロになっていたりくたくたになっていたりニコニコしていたり様々だ。
そんな彼は朝の様子から見るに明らかに暇なのだが、なにやらふふん、といった顔をしている。

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/05(月) 22:09:15.03 ID:DtiFPGpO0
  _
( ゚∀゚)「だったらドクオでもいじめに行くか!負けを認めたあいつの顔が見たいぜ!」

( ^ω^)「あいつ今日はヒートと遊んでるお」
  _
( ゚∀゚)「大丈夫だ。ヒートは俺が説得する」

( ^ω^)「気が進まないお」
  _
(*゚∀゚)「お前が引き籠るのはいつでもできる。だがな、ドクオがへこむのはめったに見れないんだよ!」

高々と宣言するアホは、関わる者にとって迷惑以外の何物でもないような気がするのだが、ブーンは溜め息だけで返事をすることにした。



('A`)「おいブーン、なんでこいつを止めなかった」

( ^ω^)「なんかめんどかったんだお。すまんこ」

('A`)「やれやれだぜ」

で、ドクオの部屋には草が散らばり、その中心には何やら縦に長い男が呻く、という結果になる。

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/05(月) 22:10:09.86 ID:DtiFPGpO0
以下地文で回想

宣言通りジョルジュは寮に帰るなりドクオの部屋に直行した。
ちなみに彼とブーンはさっきまで芝の上に寝っ転がっていたために背中の草がえらく鬱陶しいことになっていたのだが。

部屋に飛び込んだジョルジュはそんな鬱陶しいものをまき散らし、ゲームに勤しんでいた二人へ突撃。
ヒートは戸から遠かったたためそれほど被害を受けることは無かったのだが、ドクオは違う。
あろうことか頭を硬化させていたジョルジュはドクオの顎に向かって転がりこみ、纏わりつくように倒れこんだ。

ドクオは対応しきれない。
当然である。彼は糞ゲーのボスを惨殺する所だったのだ。
ヒートが苦戦し倒せなかったそいつを親の仇のようにいたぶっている間、ジョルジュが来てしまった。
彼のおかげで操作を失った主人公。
いたぶっていた相手にマウントポジションを取られ今度は一方的に殴られている。

顔だけ起き上がるのはなんとか顎への直撃を避けたドクオ。
そして画面を見つめると先に述べたような惨状の主人公。
ドクオは目を細め、画面からジョルジュへと視線を移す。
そしてアホの乱入者はテレビゲームのようにぼこぼこにされ、一個前のレスに至る。

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/05(月) 22:10:56.45 ID:DtiFPGpO0
ここから会話と擬音で回想
( ゚∀゚)「ブーン、準備はいいか?」
( ^ω^)「いや別に」
( ゚∀゚)「いくぜ!」ガチャン
ノハ;゚听)「うおっ!ジョルジュ!」
( ゚∀゚)「いらっしゃい俺!」
('A`)「なに?ぐああ」
( ゚∀゚)「ふははは!隙だらけだぜ!傷心のドクオちゃんよ!」ゴロリンコ
('A`)「ちっ、てめえ何のつもりだ」
ノハ;゚听)「ああっ!ドクオ!やばいよ!」
バキィ、ウゥァ、バキィ、ウゥァ
('A`)「あ、せっかくコンボでスコア稼いでたのになあ」
(* ゚∀゚)「くやしいのう、くやしいのう」
(#'A`)「ぬうッ!そこになおれ凡愚がッ!」デュクシ
(  ∀ )「いたいっしゅ!」
( ^ω^)「ドクオおいすー。あ、ジョルジュがマウントとられてるお。南無」
('A`)「貴様のおかげで時間を無駄にしたわッ!滅せよッ!滅せよッ!」
バキィ、バキィ
( ;∀;)「あぶぅ、おぶぅ」ビチャビチャ
ノパ听)「ドクオやりすぎだよ、それに滅せよって今やってたボスじゃん」
('A`)「俺はなあー!俺はなあー!」
ノパ听)「いや対して怒ってないでしょ。言葉思いついてないじゃん」
('A`)「ふう、こんなもんか」
( ^ω^)「お。うちのジョルジュが迷惑をかけましたお」ブーン
('A`)「おいブーン、なんでこいつを止めなかった」
( ^ω^)「なんかめんどかったんだお。すまんこ」
('A`)「やれやれだぜ」フゥー

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/05(月) 22:14:53.69 ID:DtiFPGpO0
ノパ听)「ジョルジュおきなよー」

ヒートがジョルジュの頬を軽くたたくのだが、そのたびにジョルジュは全身をびくつかせる。
切れて出血した部分を叩くとそれなりに痛いものだ。それは仮にも人間であるジョルジュでも同じである。
  _
( ;∀;)「痛いよヒーたん!慰めて!」

ノパ听)「しょうがないな……」

そう言って立ち上がった彼女はドクオの机を漁り、ライターを取り出した。ドクオは喫煙者ではないのだが。
そして持ってきていたのか以前オリエンテーションで用いた刀を抜き、ライターで熱する。

ノパ听)「火力足りるかわかんないけど……」
  _
( ゚∀゚)「へい少女、待て」

不運にも、ヒートという少女は待て、と言われて待つようなタイプの人間ではない。
彼女は優しい、聖母のような目で、熱した刀をジョルジュの顔に押し付ける。
  _
(;゚∀゚)「あっつ!」

当然熱いようで跳びあがりそうになるジョルジュ。しかし彼女はうまくジョルジュの体を固定し、顔だけは動かさせない。
拷問に見えなくもないその光景は、当事者にとってみればやはり拷問である。
彼の肉の焼ける音は食欲をそそり、ブーンは今度みんなで焼き肉をしようと考えていた。

ノパー゚)「これを耐えれば、もう痛くなくなるよ……だから、頑張って……」

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/05(月) 22:18:14.45 ID:DtiFPGpO0
いたわるように、安心させるように声をかける少女。彼女はジョルジュの頭を撫でつつも全力で抑えている。
その様子は、かのナイチンゲールを連想させるほどの母性を感じさせる。そう、言うなれば天使だ。
ちなみにナイチンゲールがどんな偉業を成したのかはこいつらは知らない。彼らからすれば100年以上は昔の話だ。
  _
(  ∀ )「ぐ、あ、あ、あ、あ、あ」

とぎれとぎれなジョルジュの声は断末魔のよう。
事実断末魔になりかけているのはヒート以外皆理解している。

('A`)「がんばれー。頑張るんだジョルジュー」

( ^ω^)「あと少しだおー。耐えるんだおー」

二人が虫の息になりかけているジョルジュを励ます。
こういうことは言葉にするだけでも効果がある、そうジョルジュは言っていた。
だから二人は励ます。気持ちは、こもっていない。

ノハ*゚听)「よし、くっついたかな!よく耐えたぞ!よしよし」

わしゃわしゃと乱雑にジョルジュの髪を崩すヒート。姉御という言葉が似つかわしい姿だ。
対する弟分は、
  _
(  ∀ )「……」

(;'A`)「これは……さすがに……。洒落で済んでるといいが……」

( ^ω^)「大丈夫だお。こいつの生命力は本物だお」

ドクオに水をかけられながら気絶していた。

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/05(月) 22:21:17.73 ID:DtiFPGpO0
ミセ*゚ ヮ゚)リ「ツンー、来たよー!」

ξ*゚ ヮ゚)ξ「わはぁーい!ミセリー!」

元気印な彼女がやってきた。額がちょっと赤い。対するふわふわガールは彼女のテンションに合わせてみた。
入室時の勢いはそのままに、その小さな体で抱きつく。

ミセ*゚ー゚)リ「大丈夫?」

ξ゚听)ξ「うん。そんなに気にしないようにしてる。でもやっぱり外はあんまり出たくないけどね」

ミセ*゚ー゚)リ「そっか、でもわたしとクーが側にいるからね!」

川 ゚ -゚) 「そうだぞツン。私なんか襲われたんだっぜ!」

胸を張って言える冗談ではないはずなのだが、彼女はしっかりとした眼でツンを見た。
そんなことに比べれば大したこともないのかもしれない、とツンが思わされる程の強さをクーは持っている。
あまりこの話題を続ける気はないのだろう。ミセリが即座に口を開く。

ミセ*゚ー゚)リ「あ、そうそう、クーとじょる君がまたイチャイチャしてたんだよ!」

ξ*゚听)ξ「またー?クー最近ジョルジュにちょっかい出すの多いよねー」

にやにやとくっついたまま視線を投げつける二人。クーは無表情である。

川 ゚ -゚) 「ああ、面白いからな」

ミセ*゚ З゚)リ「出た!まったくモララーじゃないんだからー!そうやっていっつもはぐらかしてやんなっちゃうよねー」

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/05(月) 22:23:22.12 ID:DtiFPGpO0
口を尖らし不貞腐れたような声をあげ、自慢の外ハネをつまむ。そして転がりながら床に倒れ込んだ。
そんな中クーはミセリに反応することなく、ベッドに座り、隣のふわふわヘアーの少女に耳打ちをした。
少女はどんどん赤くなるがすぐに収まり、外ハネ少女に笑いかけた。

ξ゚听)ξ「あら、ミセリもなんだかいちゃついてたみたいね。私には関係ないけど」

ミセ;゚ー゚)リ「いや違うよ!おでこ見て!頭突きされたの!」

ξ゚听)ξ「え?頭突きって?」

目を丸くしたツン。ではクーは一体何を言ったのか。
そこで、あっちか、とミセリが自己解決したころ、

川 ゚ -゚) 「ああ、そういえばミセリはブーンとキスもしてたもんな」

ξ゚听)ξ「……」

ダメ押しにより部屋の空気が固まった。特にツンは今にも気を失いそうなほどに顔を白くしている。

ξ;゚听)ξ「な、な、な」

ハインもそういうことはしてないっていってたのに。だからまだチャンスがあると。
なんというダークホース。まさか……ミセリ……だと……?

ミセ;゚ー゚)リ「ツン!落ち着いて!クーのは嘘だから!」

ξ; )ξ「あ、の」

いまにも決壊しそうな涙腺である。

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/05(月) 22:24:23.61 ID:DtiFPGpO0
ああ、ミセリを見てると大変なことになりそう。あの唇が、ブーンと。
ひぃぃ、見れぬぞ、恐れ多いわ。

川;゚ -゚) 「ちょ、ツン、冗談だぞ」

そこの麗人、いまさら何を申すか。うう、やばい……私のライフポイントが……。

ξ;凵G)ξ「うわあああああ!」

0になった。とりあえず近くにいたクーにしがみついた。

川;゚ -゚) 「うおっ!!ツン、ツンー!!!!!!!!!!!」

ξ;凵G)ξ「ぐすっ……あっしはぁ……戦に負けたぁ……」

川 ゚ -゚) 「なに?」

ξ;凵G)ξ「相手がなぁ……べらぼうに強くてなぁ……」

川;゚ -゚) 「なんだ?前世の記憶か?」

ξ;凵G)ξ「戦に負けてなぁ……村に帰ったんだぁ……」

川 ゚ -゚) 「うん……うん……」

それからツンの前世らしき昔話は長々と続き、ようやく終わったのが夕方頃。
本来なぜ泣きだしたのかそこで思い出し、また泣き続けた。
ミセリとクーは翌日までずっと一緒で、落ち着いたころにやっと説明が終わることになるのだった。

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/05(月) 22:25:25.68 ID:DtiFPGpO0
ノパ听)「すごいな、なんで跡残ってないんだ?」
  _
( ゚∀゚)「硬化し終えたら新しい皮膚ができんじゃね?」

( ^ω^)「お前そこまで便利だったのかお」

ノパ听)「なんだ、つまんないの」
  _
( ゚∀゚)「おま、跡残す気だったのかよ……」

ノパ听)「私の愛だ。受けとってくれればよかったのに」
  _
( ゚∀゚)「そんな愛はいらん。細胞がいくつ死んだことか」

ジョルジュが意識を回復した後ブーンの進言で硬化してみたジョルジュ。
以前組み手でブーンが発見したジョルジュの異変を検証しようということでトライしたのだが、これが功を奏した。
焼けたジョルジュの傷は硬化を解くとほぼ回復したのである。
まさかこれだけの成果が出るとはブーンは思わなかった。

( ^ω^)「これは報告しておくべきじゃないかお?」
  _
( ゚∀゚)「いや、そのうちわかるだろうし今はいいだろ。秘密の力さ!」

('A`)「何言ってんだか……」

第九話「増える彼女と思い出」・終わり


戻る 次へ

inserted by FC2 system