- 463 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/02(月) 23:58:58 ID:F7BRQufs0
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- 464 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/02(月) 23:59:46 ID:F7BRQufs0
Chapter11.
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- 465 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/03(火) 00:02:48 ID:Qbh.0Nqc0
- 【数日後 南部 ニューソク 屋敷の一部屋】
( ^ω^)φ カキカキ
( ^ω^)φ(僕がこの世界に飛ばされてきてから、沢山の出来事があった)カキカキ
( ^ω^)φ(これから、その出来事を忘れる事が無い様に、どんな事でも細かにこの日記に書き記していこうと思う)カキカキ
( ^ω^)φ カキカキ
( ^ω^)φ(ここ数日、僕はニューソクに滞在している)カキカキ
( ^ω^)φ(このニューソクと言う街は、王を良しとしない反王政派と市民達の戦いが繰り広げられている場所だ)カキカキ
( ^ω^)φ(僕がこの街に来た時には戦いは激化していて、多くの人の死を目の当たりにした)カキカキ
( ^ω^)φ(……ちなみにこの日記を書き始める切欠を作ったのは、この戦いで死んだサスガファミリーの長男、アニジャ・サスガの存在が大きい)カキカキ
( ^ω^)φ(数日前、アニジャ・サスガとその弟オトジャ・サスガの死を知った)カキカキ
( ^ω^)φ(彼ら二人の死は、ニューソク中を騒がせたし、彼らの家族も当然悲しみに暮れた)カキカキ
( ^ω^)φ(死の情報を知った時、泣き崩れる姉妹の隣で下唇を噛み、必死で涙を抑えていたチチジャ・サスガの顔は忘れられない)カキカキ
- 467 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/03(火) 00:05:09 ID:Qbh.0Nqc0
- ( ^ω^)φ カキカキ
( ^ω^)φ(彼らの死は、家族だけではなく僕達も大きな衝撃を受けた)カキカキ
( ^ω^)φ(デミタスさんなんかは人目を憚らず泣いていたし、ギコさんも珍しく空気を読んでいた)カキカキ
( ^ω^)φ カキカキ
( ^ω^)φ(なお、反王政派のほとんどがオトジャによって潰されており、彼らの戦力はほとんど残っていなかったそうだ)カキカキ
( ^ω^)φ(そのオトジャの鬼の様な戦闘力はニューソクで話題となっている。どれもありえない様な話ばかりだ)カキカキ
( ^ω^)φ(……反王政派は、シラヒーゲ等の指揮を取っていた人間が死に、ミルナも行方をくらませた為、)カキカキ
( ^ω^)φ(散り散りとなり、もう組織としての機能は果たせなくなっている)カキカキ
( ^ω^)φ カキカキ
( ^ω^)φ(ようやく長きに渡るニューソクの紛争に終止符を打ったのだ)カキカキ
( ^ω^)φ(僕にとって数日の戦いだったが、感慨深い物である)カキカキ
<ガチャッ
( ^ω^)φ「……お?」
ξ゚听)ξ「ブーン、おはよ」
- 468 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/03(火) 00:06:12 ID:Qbh.0Nqc0
- ( ^ω^)「おはようお、ツン」
ξ゚听)ξ「あんた何書いてるの?」
( ^ω^)「これかお?」
ξ゚听)ξ「ええ」
( ^ω^)「日記だお」
ξ゚听)ξ「日記……? そんなの書いてたんだ」
( ^ω^)「いや、今日から書き始めたんだお」
ξ゚听)ξ「へー……、何でまた」
(;^ω^)「何で……、かお。ウーン……」
(;^ω^)「ぶっちゃけ言うと、アニジャが死んだからだお」
(;^ω^)「アニジャが死んだ事や、このニューソクで起きた事を何か文字として残しておかなくては、と」
( ^ω^)「いつか忘れてしまうかも知れないから……」
ξ゚听)ξ「ふーん……」
( ^ω^)「ま、それだけの理由だお。すっごく深い意味とかは無いお」
- 469 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/03(火) 00:07:59 ID:Qbh.0Nqc0
- ξ゚听)ξ「ちゃんと続くの? それ」
( ^ω^)b「頑張るお」グッ!
ξ゚ー゚)ξ「自信満々ね」
( ^ω^)b「一応マメな方だと自負しておりますお」
ξ゚听)ξ「でも、日記って夜に書く物じゃないの?」
(;^ω^)「まあ、そうだけど初日って事で」
ξ゚听)ξ「意外と適当ね」
(;´ω`)「……否定出来ない」
<ガチャッ
(´・_ゝ・`)「おはよう二人とも」
(;^ω^)「おはようございますお、デミタスさん」
ξ゚听)ξ「あら、早いわね」
(´^_ゝ^`)「そうかな、もう10時だけど」
- 470 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/03(火) 00:10:05 ID:Qbh.0Nqc0
- ( ^ω^)「で、どうしたんですかお?」
(´・_ゝ・`)「いや、私達は今日ラウンジに帰るけど……」
ξ゚听)ξ「あ、そっか。……デミタスさんはコイツに着いて行く訳じゃ無いもんね」
(;^ω^)「きゅ、急ですお。何で昨日言ってくれなかったんですかお……」
(´^_ゝ^`)「だって、ギコが今さっき言うんだもの」
(;´ω`)「ならしょうがないかお……」
(´・_ゝ・`)「で、君はどうするんだい?」
(;´ω`)「えーっと、チチジャさんに有力な情報を聞いてから僕たちも……」
(;´ω`)
( ^ω^)「あっ」ハッ!
ξ゚听)ξ「何よ」
( ^ω^)「そう言えば僕、まだチチジャさんにお話聞いてなかったお」
ξ゚听)ξ「あんた何しにニューソクに来たのよ」
- 471 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/03(火) 00:13:04 ID:Qbh.0Nqc0
- (´^_ゝ^`)「だと思ったよ」クスッ
(;^ω^)「早く聞かなきゃですお……」
(´・_ゝ・`)「今ギコと話してるみたいだから、……一緒に行こうか?」
(;^ω^)「あっ、でも心の準備が。後、どんな顔して会えばいいのか……」
(´^_ゝ^`)「大丈夫。もう、立ち直ってるみたいだから」
(;^ω^)「そうですかお?」
(´・_ゝ・`)「だから、ほら。おいで」
( ^ω^)「じゃあ、行きますお」
(´・_ゝ・`)「あ、ちなみに君が違う世界の人間だって事知らないみたいだから」
( ^ω^)「……そういえば、僕から言ってませんでしたおね」
(´・_ゝ・`)「ギコも私も話して無いしね」
( ^ω^)「と言う事は最初から話していかないといけない訳ですおね……」
(´^_ゝ^`)「うん。しっかり話すようにね」
- 472 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/03(火) 00:14:15 ID:Qbh.0Nqc0
- 【屋敷 別室】
<ガチャッ
(,,゚Д゚)「おん?」
( ^ω^)「おはようございますお」
(´^_ゝ^`)、「彼、連れて来ちゃった」
(,,゚Д゚)「おー、よーよー」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「ん、どうした?」
(,,゚Д゚)「遊びに来たのもあんだけどよ。実は、コイツなんだよね、俺達が此処に来たの」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「? ……どうも話が見えないな」
(´^_ゝ^`)「ほら、説明して」
( ^ω^)「あの、僕……」
( ^ω^)「実は異世界から来たんですお」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「なんと」
- 473 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/03(火) 00:16:22 ID:Qbh.0Nqc0
- (,,゚Д゚)「あれだ、エマージェンシーの弊害ってやつよ」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「……話には聞いていたが、彼だとは」
( ^ω^)「? 噂になってるんですかお……」
ξ゚听)ξ「アンタ以外にも二人居たしね」
( ^ω^)「あー、来た時に話してくれた……」
(,,゚Д゚)「でよ、コイツ元の世界に帰る方法探してるんだよ」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「ふむ……。元の世界に、か」
(,,゚Д゚)「だからよ。くれてやれよ。宝玉」
( ゚ω゚)(単刀直入すぎる!!)ドドーン!!!
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「構わんよ」
( ゚ω゚)「えええええええええええええええええええええええええええ」ドドドドドーン!!!
(´・_ゝ・`)「良いのかい、チチジャ」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「ああ。宝玉の所為で我々人間は各地で争いを起こして来た。こんな物は無くしてしまった方が良い」
- 474 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/03(火) 00:19:45 ID:Qbh.0Nqc0
- 彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「とは言え、願いを叶えるには宝玉は三つ集めなくてはならないだろう。……相当難しいぞ」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「誰もが私やギコの様な考え方をしているとは思えないしな」
( ^ω^)「重々承知しておりますお」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「それに……、ミルナだ」
( ^ω^)「ミルナですかお?」
(,,゚Д゚)「あの口ぶり……、反王政派も、ニューソクの事も、全て宝玉の為だったんだろーな」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「ああ。彼はザ・ヒート、アンダーテイカーを狙っていると言っていた。それが決定的だ」
( ^ω^)「その二人が宝玉を……?」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「そうだ」
(,,゚Д゚)「俺はアンダーテイカーが宝玉を持ってるなんてあの時始めて知ったけどな」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「アンダーエイカーはまだしも、ザ・ヒートはアウトロー。話には応じないだろうから、宝玉を貰うには奪い取るしか手段は無い」
- 475 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/03(火) 00:22:28 ID:Qbh.0Nqc0
- ( ^ω^)「奪い取る、かお……」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「君に出来るかな?」
(;´ω`)「自信無いですお」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「だろうな」
(,,゚Д゚)「つー訳で、そっちの宝玉探しは悪魔で二の次なんだよ」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「……ん? そうなのか?」
( ^ω^)「もう一つ、……実は、探してる人がいるんですお」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「ふむ、なるほど。……エマージェンシーを起こした人物。三番目の男の事か?」
( ^ω^)「そうですお。エマージェンシーを起こした人を探してますお」
(;^ω^)「って……その人は男、なんですかお」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「ああ。そうだ。知らなかったのか?」
(,,゚Д゚)「おう。俺が分からなかったからな」
- 476 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/03(火) 00:24:56 ID:Qbh.0Nqc0
- 彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「……大体話は飲み込めた。要するに彼に会って元の世界に戻して貰おうと思っている訳か」
(,,゚Д゚)「そうそう。そんな感じ」
( ^ω^)「チチジャさん。その三番目の男が今何処にいるか分かりますかお?」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「そこまでは流石に分からん。が、この世界の何処かで生きているはずだ。死んでいるという事は無い」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「見ろ。彼が生きている証拠に、空は白く染まったままだ」
( ^ω^)「空、ですかお?」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「そうだ。……いくらコードとは言え、死ねば魔法は消える。空が白いのはエマージェンシーの残り香みたいな物だからな」
( ^ω^)「……なるほど、ですお」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「ちなみに、彼の名前は知っているかな?」
( ^ω^)「いや、分かりませんお」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「ならば教えよう。彼の名前はデュカス・サザーランド」
( ^ω^)「……デュカス・サザーランド」
- 477 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/03(火) 00:26:00 ID:Qbh.0Nqc0
- 彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「そう。そして、彼はエマージェンシーを発動させる前、ある魔法がかけられた事が明らかになっている」
( ^ω^)「ある魔法……」
(,,゚Д゚)「お前物知りだなー……。何でそんな事まで知ってるんだ?」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「お前が疎いだけだ」
(,,゚Д゚)「あ、そう?」
( ^ω^)「あの、……ある魔法って言うのは……」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「……カース。コード、【カース】だ」
( ^ω^)「コードですかお……。カースって言う事は呪い……」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「そうだ。彼には呪いが掛けられた。どんな呪いかは知らないが、な」
( ^ω^)「そうですかお……」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「だから、彼を見つけるのなら早めに行動した方が良い」
(;^ω^)「へ?」
- 478 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/03(火) 00:28:37 ID:Qbh.0Nqc0
- 彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「さっきも言っただろう? どんな呪いか分からないんだ」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「もし、徐々に体を蝕んで行く様な呪いだったら、どうする?」
(;^ω^)「……こうしてる間にも、着々と死に近づいているって事ですおね」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「そうだ」
(;´ω`)「……わー、大変」
(,,゚Д゚)「じゃあ、のんびりしてる暇はねーな」
(;´ω`)「お?」
(,,゚Д゚)「ほら、チチジャ。お前の宝玉コイツに渡して、さっさと旅立たせようぜ」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「……残念ながら、彼には宝玉を渡せない」
(; ゚ω゚)(さっき構わんって言ったのに!!)ドドーン!!!
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「彼が持っている事が判明すれば、必ずミルナが現れる。と、すれば……」
(;^ω^)「あ」
(;^ω^)「……僕死んじゃいますお」
(,,゚Д゚)「……じゃあどうするんだよ」
- 479 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/03(火) 00:30:17 ID:Qbh.0Nqc0
- 彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「お前が持ってるんだよ、ギコ」
(;,゚Д゚)「え、俺?」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「彼の為に此処まで来たと言う事は、彼の保護者なんだろう?」
(;,゚Д゚)「ち、ちげーよ! 俺はただ面白半分で……」
(´^_ゝ^`)「何処からどう見たって保護者だよ、ギコ」
(;,゚Д゚)「どちらかと言うと保護者なのはテメーだろが!」
(´^_ゝ^`)「いやいや、私はどちらかと言うと友達に近いかな?」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「観念するんだな、ギコ。後で宝玉を渡す。忘れるなよ」
(;,-Д゚)「あー、クソ。めんどくさい事になっちまったぜ……」
(;^ω^)「すみませんお、ギコさん」
(;,-Д゚)「許さん」
(;´ω`)「……すんません」
- 480 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/03(火) 00:32:23 ID:Qbh.0Nqc0
- (´^_ゝ^`)「気にしないで。これでラウンジに行けば宝玉を受け取る事が出来るんだ」
(´^_ゝ^`)「銀行みたいな物だよ。何も大変な事は無い」
(;,゚Д゚)「お前が言うなよ……」
( ^ω^)「色々申し訳ないお……。僕、必ず元の世界に戻りますお!」
(´^_ゝ^`)「うん。君なら出来るさ。頑張って」
ξ゚听)ξ「……さて、そうと決まれば出発ね」
( ^ω^)「お? 何処に?」
ξ;゚听)ξ「あっ、そうか……」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「その先の行き場はまだ決まってないのか……」
(;^ω^)「こう、当ての無い旅となると……」
(,,゚Д゚)「じゃ、西部だ。西部行けよ。さっさとザ・ヒートぶっ殺して宝玉ゲットだ」
(;´ω`)「いやいや、無理ですお」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「ならば、王都に行ってはどうだ?」
- 481 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/03(火) 00:35:24 ID:Qbh.0Nqc0
- ( ^ω^)「王都……。王都ヴィップですかお?」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「ああ。王都ヴィップ。この世界の情報は全てヴィップに集まるからな」
(,,゚Д゚)「そこで先ずは情報を集めろ、と?」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「如何せん私もザ・ヒートとアンダーテイカーに関しては分からない事だらけだ」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「そして、ヴィップは人の行き交う世界の中心地。デュカス・サザーランドの居場所を知ってる人間が居るかもしれない」
( ^ω^)「……なるほど、ですお」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「後、城に入ってみるのも良い。他にも何か分かるかも知れんぞ」
(;^ω^)「お城ですかお……? でも僕みたいな人間が入れる訳が……」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「私が紹介状を書いて上げよう。王都の内情を知る者に見せれば入れないという事は無いはずだよ」
(;^ω^)「おっ……、いいんですかお? 此処まで協力して頂いて」
- 482 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/03(火) 00:36:42 ID:Qbh.0Nqc0
- 彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「いいんだ。話に聞くと君達はアニジャと仲良くしてくれていたらしいじゃないか」
(;^ω^)「……いや、仲良くと言いますか、とても良くして頂いてありがたく思ってますお」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「そうか……。ああ言う性格だから、迷惑を掛けていなければ良いんだ」
(´・_ゝ・`)「彼は迷惑を掛ける様な性格では無いかと思うんだけど……、自分よりも周りを優先する優しい人だよ」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「他人の前ではな」
( ^ω^)「他人の前では?」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「アイツはいつまで経ってもやんちゃ坊主だったよ。オトジャと揃えば毎度の如く私達を困らせた」
(;^ω^)「全然そうには見えませんでしたお。意外ですお」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「今となってはあのやんちゃっぷりを見る事も出来ないな……」
( ^ω^)「チチジャさん……」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「君達には彼の良い所が見せられたみたいで良かったよ」
( ^ω^)「そんな……」
- 483 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/03(火) 00:39:02 ID:Qbh.0Nqc0
- 彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「さて、そうと決まれば紹介状を書こう。異世界の人間と知れば、皆歓迎するだろう」
( ^ω^)「ありがとうございますお」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「……時に、王都への行き方は知っているかな?」
ξ゚听)ξ「中央部に向かえば良いのよね? それくらいなら分かるわ」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「そうか、なら良いんだが……」
(´^_ゝ^`)「じゃあ私達はラウンジに、君達は王都ヴィップに。……しばらくお別れになるね」
(;^ω^)「あっ……そうですおね。寂しくなりますお」
(,,゚Д゚)「まーお前らに着いて行っても面白そうなんだがな。ラウンジをほっとく訳にもいかねーし」
(´^_ゝ^`)、「ごめんね」
( ^ω^)「いやいや……。此処まで良くして頂いて感謝の言葉しかありませんお」
(,,^Д^)「ギコハハハハ! どうせその内、宝玉を取りに来るんだろ? また会えるのに大げさだぜ!」
(´^_ゝ^`)「そうだよ。その感謝の言葉は元の世界に戻る時まで取って置いて」クスッ
( ^ω^)、「……お二人とも、優しいですお」
- 484 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/03(火) 00:40:00 ID:Qbh.0Nqc0
- ( ^ω^)
( ^ω^)「必ず元の世界に帰って見せますお! これで帰れなかったら強力してくれた皆さんに申し訳無いお!」
(,,^Д^)「その意気だ! 頑張れよ」
ξ゚听)ξ「さ、私達も準備しないと。行くわよブーン」
( ^ω^)「分かったお。では、また出発する時に顔を見せますお」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「ああ。その時には紹介状を渡せる様にするよ」
( ^ω^)「ありがとうございますお」
……
- 485 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/03(火) 00:40:46 ID:Qbh.0Nqc0
- 【南部 ニューソク 壊れかけた小屋】
(# ;;- )
(# ;;- ) 「……ん」
(#゚;;-゚)「……此処は」
(#゚;;-゚)
(#゚;;-゚)「私は……、どうして……」
(#゚;;-゚)
(#゚;;-゚)そ「ハッ……」
(((#;゚;;-゚))) ガクガクガクガク
(((#;゚;;-゚)))「そうだ……、私はオトジャ・サスガに……」ガクガクガクガク
(((#; ;;- )))「震え……、止まらん……」ガクガクガクガク
(医者´`)「目が覚めたか、D。いや、ディ・バイ・ディ」
(((#; ;;- )))「き、貴様は……」ガクガクガクガク
(医者´`)「私はしがないニューソクの医者だ」
- 486 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/03(火) 00:41:47 ID:Qbh.0Nqc0
- ((#; ;;- )) ガクガク…
(医者´`)「震えは止まって来たかね?」
(#; ;;- )
(# ;;- )「何故、私を助けた」
(医者´`)「目の前に死にそうな人間が居る。それは助ける理由にならないかな?」
(# ;;- )
(#゚;;-゚)「ふん、馬鹿め」
(#゚;;-゚)つy= ガチャ
(医者´`)
(#゚;;-゚)つy=「私を誰だか知っていて助けているのか……、私は……」
(((#゚;;-゚)))「?!」ガクガク
(((# ;;- )))「また……震えが……」ガクガク
(医者´`)
(医者´`)「当然知っていて助けた。お前は反王政派の戦闘員」
(医者´`)「いや、名声を得る欲と人を殺す喜びに満ちた悪魔。ディ・バイ・ディだ」
- 487 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/03(火) 00:43:15 ID:Qbh.0Nqc0
- ((#; ;;- )) ガクガク…
(医者´`)「震えが止まらないか?」
((#; ;;- )) ガクガク…
(医者´`)「教えてやる……。お前はもう人を殺すことなど出来ない」
((#; ;;- ))「……えっ」ガクガク…
(医者´`)「恐怖しているんだよ、死に。人を殺そうとすれば、自分が死にそうになったあの時を思い出す」
((#; ;;- ))「思い出してなど……」ガクガク…
(医者´`)「意識が思い出さなくても、細胞が思い出すんだ」
((#; ;;- )) ガクガク…
(医者´`)「分かるか、その意味が」
((#; ;;- )) ガクガク…
(医者´`)「変われ、ディ。死を奪う人間で無く、全うな人間として変われ」
- 488 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/03(火) 00:44:07 ID:Qbh.0Nqc0
- ((#; ;;- )) ガクガク…
(# ;;- )
(#゚;;-゚)「……そんな事、出来るか。私から戦いを取ったら何が残る」
(医者´`)「それを考えるのはお前だ」
(#゚;;-゚)
(医者´`)「……ディ」
(#゚;;-゚)
(医者´`)「お前に殺された人間は永遠に帰ってこない」
(#゚;;-゚)「……だから何だ」
(医者´`)「……お前は人を殺せない体になった」
(医者´`)「その体を生かすも殺すもお前次第だ。自分がどう在るべきか、考えてみろ」
(#゚;;-゚)「説教のつもりか? 片腹痛いな」
(医者´`)「罪を償えとは言わない。だが、私はお前を生かした事を後悔したくは無い」
(#゚;;-゚)
- 489 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/03(火) 00:45:10 ID:Qbh.0Nqc0
- (医者´`)
(医者´`)「ただそれだけだ。傷は魔法で治してある。近い内に出て行け」
(#゚;;-゚)
(医者´`)「私とてお前に恨みが無い訳じゃない」
(医者´`)「……見殺しにすれば良かった。そう考える時もある位だ」
(医者´`)「こうしてる今も、怒りに駆り立ててお前を殺してしまうかもしれない」
(#゚;;-゚)
(医者´`)「……言いたい事が分かるか?」
(医者´`)「私の考えが変わらない内に出て行け、と言う事だ」
(#゚;;-゚)
(#゚;;-゚)「……ふん」
- 490 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/03(火) 00:46:05 ID:Qbh.0Nqc0
- 【南部 ニューソク 屋敷前】
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)つ□「さあ、紹介状だ。受け取ってくれ」スッ
( ^ω^)つ□「ありがとうございますお」
(´・_ゝ・`)「じゃあ、頑張ってね。応援してるよ」
( ^ω^)「はいお!」
∬´_ゝ`)「ブーン君」
( ^ω^)「アネジャさん……、どうしましたかお?」
∬´_ゝ`)つ凸「アナタにこれを持たせようと思って……」
( ^ω^)つ凸「これは……?」
∬´_ゝ`)「このビン一杯に私の魔力を封じ込めておいたの」
( ^ω^)「魔法を封じ込める、かお?」
∬´_ゝ`)「そうよ。危険だと思った時、このコルクを抜けばきっとアナタを守ってくれるわ」
( ^ω^)「なるほど……。僕でもアネジャさんの様な結界を張れる訳ですかお……」
∬´_ゝ`)「ほんの一瞬だけどね」
- 491 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/03(火) 00:46:57 ID:Qbh.0Nqc0
- ( ^ω^)「魔法にこんな便利な使い方があるとは……」
l从・∀・ノ!リ「実は、イモジャも用意したのじゃ」
l从・∀・ノ!リつ凸「はい」
(;^ω^)「お、おお! 良いんですかお?」
l从・∀・ノ!リつ凸「良いも何も、ブーン君の為に用意したのじゃ」
(;^ω^)つ凸「すみませんお……」
l从・∀・ノ!リ「使い方は同じで、コルクを抜いて傷口に当てれば、みるみる内に塞がっていくのじゃ!」
(;^ω^)「超便利じゃないですかお……」
l从・∀・ノ!リ「一回切りだから大切に使うのじゃ!」
( ^ω^)「……お二人とも、本当にありがとうですお!」
∬´_ゝ`)「いいのよ、そんな……」
l从・∀・ノ!リ「この程度、何て事無いのじゃ!」
- 492 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/03(火) 00:47:44 ID:Qbh.0Nqc0
- ( ^ω^)「じゃあ、僕達はそろそろ行きますお」
ξ゚听)ξ「みんな、元気でね」
(,,゚Д゚)「おー。お前ら、次ぎ会う日まで死ぬんじゃねーぞ」
( ^ω^)「死にそうになったら逃げ回りますお」
(´^_ゝ^`)、「君と会ってからずっと一緒に居たからね。少し寂しくなるよ」
( ^ω^)「……デミタスさん」
(´^_ゝ^`)「きっと元気でね。また会える日を楽しみにしてるよ」
( ^ω^)「はいお。デミタスさんも元気で……」
(´・_ゝ・`)「ほら、ビコーズ。君も何か無いのかい?」
( ∵)
( ∵)「俺はそこまで彼らと話してないからな」
(´^_ゝ^`)、「そうだけど……」
( ∵)
( ∵)「まあ、元気で。次ぎ会う時は君の世界の話を聞かせてくれ」
- 493 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/03(火) 00:48:54 ID:Qbh.0Nqc0
- ( ^ω^)「そのくらいお安い御用ですお!」
(´^_ゝ^`)「ふふ、こう見えても彼、お喋りなんだ」クスッ
(;^ω^)「意外ですお」
( ∵)
( ∵)「ふん」
(´・_ゝ・`)「ツンさん。これからもブーン君をよろしく」
ξ゚听)ξ「はいはい。これからは私が保護者って訳ね」
(,,゚Д゚)「おら。いつまでもペチャクチャ喋ってるんじゃねー。さっさと行きな」
(;^ω^)「はいお!」
ξ゚ー゚)ξ「じゃ、行くわね」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「ここニューソクから、旅の無事を祈っているよ」
∬´_ゝ`)「また会えると良いわね」
l从・∀・ノ!リ「バイバイなのじゃ!」
( ^ω^)「さようならですお。皆さんの事は絶対忘れませんお!」
………
- 494 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/03(火) 00:50:12 ID:Qbh.0Nqc0
- 【南部 ニューソク 郊外】
ξ゚听)彡^・∋ パカラッパカラッ
( ^ω^彡^・∋「……少し寂しくなるお」パカラッパカラッ
ξ゚听)彡^・∋「あら、私だけじゃご不満?」
(;^ω^彡^・∋「不満じゃありませんお」
ξ゚ー゚)彡^・∋「……二人旅ってのも良い物よ。この広い荒野が二人だけの物って気がしてね」
ξ゚ー゚)彡^・∋「ほら、見て。凄い光景でしょ?」
( ^ω^彡^・∋「……うんお。僕達以外誰も居ない。そんな気にさせてくれるお」
ξ゚ー゚)彡^・∋ パカラッパカラッ
ξ゚ー゚)彡^・∋「……夕日が地平線に落ちて行くわ」
( ^ω^彡^・∋ パカラッパカラッ
( ^ω^彡^・∋「おお……。綺麗だお……」
ξ゚ー゚)彡^・∋「ええ、そうね」
- 495 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/03(火) 00:51:51 ID:Qbh.0Nqc0
- ( ^ω^彡^・∋「……ちなみに、ヴィップまではどの位なのかお?」
ξ゚听)彡^・∋「近いわよ。一日ちょっと走れば着くわ。多分」
( ^ω^彡^・∋「おお! それはラッキーだお」
ξ゚听)彡^・∋「それに王都の近くは治安が良いはずよ。結構な警備が敷かれてて、アウトローだって簡単には近づけないの」
( ^ω^彡^・∋「じゃあニューソクに行く時みたいに襲われる事は無いのかお?」
ξ゚ー゚)彡^・∋「ええ。多分ね」
(*^ω^彡^・∋「おっおっ! ようやく安心の出来る旅になったお!」
ξ゚听)彡^・∋「でも油断しない事よ。いつだって危険は隣り合わせなんだから」
(*^ω^彡^・∋「はいはい、分かってますお」
<パァン! パァン!!
( ^ω^彡^・∋
ξ゚听)彡^・∋「……銃声ね。全速力でこの場から離れるわよ」
( ´ω`彡^・∋「はいお」 シュン
.
- 496 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/03(火) 00:54:54 ID:Qbh.0Nqc0
- 今日の話で分かった事
・三番目のコード使いはは男
・三番目の男の名前はデュカス・サザーランド
・三番目の男は必ず生きている
・宝玉はギコの手へ
・魔力はビンに封じる事が出来る
・ディはもう人を殺せない
・ヴィップの治安は最高!
そして次の話で分かる事……、
それは始まらぬ内にはわからない。
スクォーク77!
全てはスクォーク77から始まる!!
(つづく)
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