- 105 名前: ◆MaKenzNFU. 投稿日:2009/12/24(木) 23:49:26.29 ID:D6WGHiOW0
- エピローグ
目を覚ましたら、見たことの無い白い天井がそこにあった。
胸元まで布団らしき重さがあって、気持ちがよかった。
ただ、何個かのチューブが体に取り付けられていた。
右を向いたら、笑顔のショボンが。
左を向いたら、無表情の額に傷痕のあるミセリが。
上半身を起こして正面を見ると、あの【幻の箱庭】の中で寝ていた男。
内藤ホライゾンが、笑顔で佇んでいた。
( ^ω^)「おはようだお。ドクオ。そして……ありがとうだお」
俺は声が出せなくて、「あ」とか「う」とか聞き取れるかわからない言葉を発していた。
(´・ω・`)「おはよう、ドクオ。起きたことだし、僕らはちょっと行こうか、ブーン」
(;^ω^)「ちょwちょいまつお! 僕はドクオと一杯話したいことが……!」
ブーンの首根っこを掴んで、ショボンが部屋を出て行く。
そのとき一度だけ振り向いて、ミセリに見えないように俺に向かってウィンクをした。
ショボンたちが出て行った扉の上には、緑とも蒼ともいえない光を放つ誘導灯があった。
窓際を見ると、一杯のテキーラがショボンの立っていた位置に置かれていた。
- 107 名前: ◆MaKenzNFU. 投稿日:2009/12/24(木) 23:53:33.36 ID:D6WGHiOW0
- ミセリと俺だけが取り残された部屋。
はっきり言うと、現実のミセリとは話したことも無いし、
やさぐれた感じが怖くて何も話す気にはなれなかった。
それでも彼女は、黙って俺の手を握った。
握られた手から、異物の感触と彼女の鼓動が伝わってくる。
やがて、決心したように彼女が口を開いた。
「ずっと……【箱庭】の私の背中から見ていたぞ」
確かに、口調からしてちょっと怖い。それに、目つきもきつい。
そんな言葉は、絶対に口に出せないのだけれど。
でも、彼女の顔は真っ赤で、その台詞をはくのに躊躇したようにも見えた。
彼女がもう一度口を開くまで、黙ってその銀色の瞳を見つめる。
「ちょっ! なんだよその目!」
俺は何も言わない。彼女の言葉を待つだけだ。
ふと、彼女の胸元を見ると、どこかで見たペンダントをつけていた。
「あーもう。私は、ずっと【箱庭】の中でのお前の行動を見ていた」
窓から風が入る。
現実の季節も冬なのか、空気の入れ替えのために開けられた窓から、雪が舞い込んでいた。
真っ赤な顔をしている彼女にとっては、ちょうど良い涼しさなのだろうか。
- 108 名前: ◆MaKenzNFU. 投稿日:2009/12/24(木) 23:56:21.53 ID:D6WGHiOW0
- 「だからお前がどんな人間か知ってるし、どんな思考をしていたのかも知っている」
「それに幻の私が、どんな気持ちでお前の前にいたのかも……」
「こ、これは、別に私がお前のことをどうこうじゃなくて……そう。」
「幻の世界の私の言葉なんだぞっ!」
「それに、この傷痕。こんなのじゃ嫁にもいけないんだぞっ!」
「絶対に責任を取ってもらうからなっ!」
「……ってちっが――うっ! これじゃプロポーズじゃないかぁっ!」
- 109 名前: ◆MaKenzNFU. 投稿日:2009/12/24(木) 23:57:23.73 ID:D6WGHiOW0
「だから……だから、その、私は、お前が――」
「ミセリ――――――だ」
幻の箱庭を現実の世界と思っていた男と、現実の世界で幻の箱庭を見つめていた女。
そして、幻の世界で現実の女の心を奪った男の話。
- 110 名前: ◆MaKenzNFU. 投稿日:2009/12/25(金) 00:00:10.13 ID:OmURiyle0
( ・∀・)「今、目の前の現実。疑ってください。あなたも幻の世界の住人かもしれませんよ?」
fin
- 117 名前: ◆MaKenzNFU. 投稿日:2009/12/25(金) 00:17:07.62 ID:OmURiyle0
- プ=プロローグ。エ=エピローグ。他は話数。
そのことを念頭において、全話読んだ人から読んでください。
プ:緑とも蒼とも言えない色の淡い光が、その場を漂っていた。
=エピローグの病室の誘導灯。
1話タイトル:始まっていた話と続けたい日常
=4話。タイトルでネタバレしてしまったでござるの巻。Part1
1話:近年世間で爆発的に増えている交通事故
=4話。実は事故ってました。増えているについては同4話。紙切れの件。
1話:もう結構前の事故なので、その件については詳しく覚えていない。
=3話、4話。記憶喪失してる件。
1話:ランク分けには何か他にも条件があったはずだが。
=4話。記憶喪失してる件。
1話:ブーンの書いた本『レーテ河についての考察』
=5話。レーテ河は「死者が転生のために生前のことを忘れるための河」。
出展はギリシャ神話だったか聖書だったかは忘れた。
客(死者)が記憶を消してやり直す(転生)ための箱庭(河)。
1話:階段を踏み外して……。
=5話。全身にダメージを受けても直ぐに回復。(怪我関連はかなり強引)
1話:ミセリがなんだか馴れ馴れしい。
=4話。既に会ったことがあるため。
これは1話投下後に指摘があった。怪しいと思ってくれてたら幸い。
- 119 名前: ◆MaKenzNFU. 投稿日:2009/12/25(金) 00:18:59.38 ID:OmURiyle0
- 1話:ミセリは苦いの嫌い。
=4話。苦いのが嫌いになった理由。記憶の中のびっくりショートケーキが元。
1話:冬の時期の外なんて寒いだけで、いいことなんてほとんどんないさ。
=4話。頭は覚えてないけど嫌なことがあったと体が経験している。主に紙切れの件。
1話:小さめのコートがピッタリ。
=4話。過去の話。買ってあげてました。
1話:クーの出現。
=3話。ブーンのところに導く役のため。
1話:クーとショボンの会話。
=4話。最後のレス。偽りの結論。
1話:クーが仕事は順調か?とお菓子を食べながら聞いた場面。
=ミスリード用。勝手に色々想像できるでしょう?
1話:ドクオに記憶を消してくれと来た人々の発言。
=5話。お客さんが自殺しようとした理由。
1話:一本しかない黒い大きな傘。
=4話。ブーンがショボンから借りていた傘。
1話:文学少女と考えれば普通なんだろうが、なんだか違和感を覚えた。
=ミスリード用。色々考えられるでしょう?
1話:ミセリが見つめたペンダント
=4話、5話。ハインから買ったペンダント。エピローグの異物。
- 120 名前: ◆MaKenzNFU. 投稿日:2009/12/25(金) 00:21:08.79 ID:OmURiyle0
- 2話:冒頭に見ていた夢。
=5話。夢の方が現実だったという話。賢い人なら気づくかも。
2話:「――だい――庭――は?」
=5話。「どうだい箱庭の中の君は?」
2話:「――――けど――――――ぞッ!」
=5話。「可愛いけど、可愛いけど、これ私じゃないぞッ!」
2話:上の発言の後の鈍い音。
=5話。ミセリがモララーを殴った音。
2話:椅子に脛をぶつけて、死ぬかと思った。
=5話。ダメージを受けても直ぐに回復。
2話:いつの間にか俺の記憶は処理されていたのだろうか。
=4話。半分当たり。記憶喪失の件。
2話:紹介状のコピーさえあれば、改竄が簡単に行えるのだ。
=ミスリード用。ミセリの依頼が実は違法依頼でどうのこうのと想像してくれたら幸い。
2話:ただの【ボケ】。
=ドクオの推察どおり、当たり。箱庭内のミセリはボケてるだけ。
- 122 名前: ◆MaKenzNFU. 投稿日:2009/12/25(金) 00:23:19.56 ID:OmURiyle0
- 2話:目の前にある現実が、全てではないんだよ? ちゃんと裏も見なきゃ。
=5話。裏も見ましょう。賢い人なら何か気になるはず。多分。
2話:荒巻の自殺未遂。
=5話。わかんねーよというツッコミは甘んじて受ける。
2話:この娘は俺を癒そうとしているのだろうか。
=ミスリード用。元ネタをやった人のため。
2話:手の皹割れ。
=3話。ブーンが皹割れている姿を見た時の反応。
また、皹割れがさも重大なことであるかのようによんでくれたら幸い。
2話:【奇跡の力】を使うための【対価】
=ミスリード用。記憶の皹割れと関連して何か条件があるという読みをしてくれたら幸い。
2話:ミセリの発言「生贄や人柱達の街」
=5話。そんな感じのもの。
- 123 名前: ◆MaKenzNFU. 投稿日:2009/12/25(金) 00:25:00.36 ID:OmURiyle0
- 3話:冒頭の夢
=5話。夢のほうが現実。
3話:自――――はスト――――に――――いる
=「自動操縦状態の時は、ストーリーを真実かのようにしゃべっている」
3話:――――――じゃない
=「騙しているみたいで、気分のいいものじゃない」
3話:この顔→(´▼ω▼`)
=同3話後半。サングラスかけたショボン。
3話:ブーンのひび割れた姿。
=ミスリード用。記憶の皹割れが重大なことかのように見てくれたら幸い。
3話:ドクオの仮説。
=ミスリード用。色々とそっちに意識が行くように。
3話:ミセリがいないことに気づき、病室へ。
=ミスリード用。この辺からミセリでてきてません。後述します。
3話:ショボンたちに話をしている人。
=ミスリード用。ミセリが話していると読み違えてくれると幸い。
3話:言葉を隠すなら会話の中ってね。
=実はメタ発言。1話、2話に地の文の割合が多い理由。伏線が多めに隠されている。
(多めになるように書いたけど、実際多いかは確認していない)
3話:一番信用できる現実から、疑ってみることだ。
=5話。疑いましょう。賢い人なら(ry
3話:意識が闇に沈んだ後の発言「起きなよ。形――D――O」
=5話。形式番号D9-O。オチ用の伏線が露骨になってきた。
3話:真実は、最も恐ろしいもんだ。君の行く道は険しいよ
=5話。この辺から作者が迷走する。正直、書いてて「これ伏線なのか?」と混乱してた。
- 125 名前: ◆MaKenzNFU. 投稿日:2009/12/25(金) 00:27:15.52 ID:OmURiyle0
- 4話タイトル:偽りの始まりの話
=5話。タイトルでネタバレしてしまったでござるの巻 Part2
4話:記憶の皹割れをしたミセリ
=ミスリード用。記憶の皹割れが重大なことかのようn(ry。
4話:最後のレスのドクオの推察
=全部嘘さ! でもクーの考えは当たり。
5話冒頭:夢を夢と切り捨てるな。
=5話。今まで見てきた夢が真実。
5話:ショボンの発言「やっぱり、真実には辿りつけなかったようだね」
=5話。1〜4話の話の大半は偽りです。
エ:異物の感触
=ペンダントです。現実世界のミセリは幻の世界を見ることができるので、事前に買うことができる。
Q.タイトルになってるけど、ドクオは結局なにを奪ったの?
A.これを書いてる作者とあなたの時間です。
冗談はさておき、
・箱庭での客の記憶。
・ブーンの記憶。
・現実のミセリの心。
など。
以上で解説終わり!
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