( ・∀・)定期テストのようです

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/03(月) 11:54:29.91 ID:kocq+mNIO
ミセ*'A`)リ「………」


( ・∀・)「―で、だからさ…」

(゚、゚トソン「そうでしょうか?…」


ミセ*-_-)リ"ガクッ「………」

ミセ*-_-)リ「………、………」

ミセ*'A`)リ「っは!」


( ;・∀・)「……」

(゚、゚トソン「……」

ミセ*'A`)リ「………ねむひ……」


( ・∀・)定期テストのようです
*3話 2日目午前

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/03(月) 11:55:26.21 ID:kocq+mNIO
ミセ*~ー~)リ「ふああー…あー?」

大きな欠伸をしながらミセリが体を起こした。
目をごしごしと擦り、まだ眠そうにしている。

ミセ*∩ー~)リ「……お腹、すいた」

( ・∀・)「おはよう」

ミセ*゚ー゚)リ「おはよう!」

いい返事。
それにしても、開口一番にお腹すいたっていうのはどうかと。

ミセ*゚A゚)リ「あれ?」

ミセリが言う。
ミセ;゚A゚)リ「そもそもいつ寝たんだっけ?」

( ・∀・)「ああ、兄者たちと戦った後に森歩いてたらミセリが眠いって言い出して」

ミセ;゚ー゚)リ「晩御飯…は?」

( ・∀・)「食べてないね」

ミセ*;ー;)リ「そ…そんな……!唯一おにぎり以外の料理が食べれる時なのに……」

( ;・∀・)「そのくらいで泣かなくても…今トソンが朝食とってきてくれてるから」

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/03(月) 11:56:51.49 ID:kocq+mNIO
ミセ*゚ー゚)リ「朝御飯!」

お、元気になった。
表情がくるくると変わるミセリを見ていると実に面白い。
すごく自分の気持ちに正直なんだろうと思う。
羨ましい反面、少し無防備にも感じるが。

(゚、゚トソン「お待たせしました。ミセリ、起きたんですか?」

校舎前から帰ってきたトソンが僕らに、主にミセリにだけど、声をかけた。
今の僕らの現在地は、東の森に入ってちょっと進んだ場所。
入り組んだ道を通って初めて辿り着くような地点なので、誰かに見つかる心配も、よく森の構造を知っている上級生でない限りはまずない。
トソンが、彼女の手元にあるおにぎりを凝視するミセリにそれを手渡した。
ついでに僕も、頼んでいた分をひとつもらう。

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/03(月) 11:57:54.75 ID:kocq+mNIO
ミセ*゚ー゚)リ「わーい!」

(゚、゚トソン「起きたばかりなのに食欲があるんですね」

ミセ*゚ー゚)リ「だって昨日の夜は何も食べてないんだもん。それに朝は食べないと力が出ないよ」

(゚、゚トソン「まあ、そうですが……」

そう言って、手の中にある自分の分のおにぎりをじっと見つめるトソン。

( ・∀・)「食欲ないの?」

(゚、゚トソン「はあ。一応もらっては来ましたが、朝はいつも食べないので」

ミセリはお腹こそ空きやすいが大食いなわけではないし、僕だって朝はあまり食欲がない方だ。
かと言って、この暑い中持ち歩くと腐ってしまう。

(゚、゚トソン「まあ腐ったなら腐ったで捨てればいいですし、とりあえず持っておきます」

結局、トソンは背中のナップサックにそれを入れたのだった。

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/03(月) 12:00:20.56 ID:kocq+mNIO
ミセ*゚ー゚)リ「今日はどーする?」

口いっぱいにおにぎりを頬張りながら、ミセリが僕に聞いた。
……そういえば。

( ・∀・)「モナーには夜にまた行くって言ってたけど結局は野宿したんだ。挨拶がてらビニールハウスに向かおう」

ミセ*゚ー゚)リ「りょーかい!」

(゚、゚トソン「です」

というわけで、行き先も決まった。
僕はもう食べ終わったがミセリはまだのようなので、もう少しゆっくりしてから行くことにする。

( ・∀・)「そうそう、朝食を抜くと昼食でたくさん吸収されるから太るらしいね」

ミセ*゚ー゚)リ「へー」

(゚、゚トソン「私は適度に運動してますし、生まれつき太りにくい体質ですから平気です」

ミセ*゚A゚)リ「ほう………」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/03(月) 12:01:10.64 ID:kocq+mNIO
( ・∀・)「だろうね。でも逆に痩せすぎじゃない?」

ミセ*゚∩゚)リ「………」

(゚、゚トソン「食べても身長に栄養が行くみたいなんで」

ミセ* ー )リ「…………」

( ;・∀・)「なるほど……って、ミセリどうしたの?」

ミセ#゚Д゚)リ「どうせ私はチビでデブですよー!!!!」

突然立ち上がって叫ぶミセリ。

(゚、゚;トソン「あ、いえ、そんなことないです。ミセリは小さいけど太ってませんし、むしろ小さくて可愛いです」

フォローになってないぞ。
火に油をそそがれたミセリは、肩をわなわなと震わせて僕を睨み付ける。
え、何で僕なの。

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/03(月) 12:02:32.85 ID:kocq+mNIO
ミセ#゚ー゚)リ「もらってば乙女心ってもんが全然分かってないんだから!」

( ;・∀・)「は…はあ」

いやいやいや。
明らかにトソンの発言の方が問題だったろうに。
シャーッという威嚇の声まで聞こえてきそうな勢いのミセリ。
不謹慎だが猫みたいだなあと思ってしまった。
もちろん口には出さないけど。

ミセ#゚ー゚)リ「昨日だってそう、デレにデレデレしちゃってさ!馬鹿!!すけこまし!!」

(゚、゚トソン「………」

問題がすり代わっている。
あと、すけこましって何だ。

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/03(月) 12:03:46.21 ID:kocq+mNIO
しかし感情的になっているミセリに反論しても無駄なのは、長年の経験から分かっている。
僕は不本意ながらも顔の前で両手を合わせ、頭を軽く下げた。

( ;-人・)「すみませんでした」

ミセ#゚ー゚)リ「何がだー!!!!!」

( ;・∀・)「ええっ!?」

何これ、超理不尽。
と、ここで様子を見ていただけのトソンがやっと口を開く。

(゚、゚トソン「まあ、ミセリ。彼も反省しているようですし。私はそろそろモナーさんのところへ行きたいです」

ミセ#゚ー゚)リ「うー…」

ミセリがトソンの方を向く。

( ;・∀・)「………」

彼女は少し唸った後、再び僕の方へ向き直った。
そして。

ミセ*-A-)リ「ごめん、なんかいろいろ爆発しちゃった」

恐らく、今までにもいろいろ溜まっていたのだろう。

( ;・∀・)「や…、別に構わないけど」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/03(月) 12:06:48.96 ID:kocq+mNIO
(゚、゚トソン「では、行きましょうか」

トソンに言われ、僕とミセリは頷いた。
見上げれば、日の出が早い夏ではあるがまだ辺りは少し明るくなってきたくらいだ。
ここから校舎まで、歩いて25分かな。
そう考えて、朝食をとりに行ったトソンには随分と手間をとらせてしまったことに気付く。
しかしすぐ、そもそも彼女から言い出したことなので気にするようなことではないだろうと思い直した。
それに学年でも体力があることにかけては有名なトソンだ。
現に、帰ってくるのも思ったより早かったし。

(゚、゚トソン「……何ですか?」

( ;・∀・)「………」

っと。
不覚にも、目が合ってしまった。

ミセ*゚ー゚)リ「…………」

次いで、ミセリがじとっとした視線をこちらに送る。
そしてそのミセリの様子に気付いたトソンは僕に嫌のこもった眼差しを向けた。
な……何なんだ………?

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/03(月) 12:07:53.31 ID:kocq+mNIO
( ・∀・)「……はあ」

僕は、周りに気付かれないくらいの溜め息をついた。
そしてどうにかこの雰囲気を変えようと話題を探す。

( ・∀・)「あー………。そういえば今日で2日目なわけだけど、残り人数はどのくらいだろうね」

ミセ*゚ー゚)リ「下級生はやられるの早いからねー。半分くらいかな?」

ミセリが話題に食いついてくれたので思わずホッとする僕。
それに続いてトソンが答える。

(゚、゚トソン「まあ、そんなものでしょう。気になるなら体育館に行きますか?」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/03(月) 12:09:57.00 ID:kocq+mNIO
( ・∀・)「体育館か」

というのも、残りの生徒の人数が貼り出されているのが体育館。
1日毎に更新され、食事の歳に任意に提出する、倒した者の生徒証を元に集計をとっている。
任意なので確かなデータではないが、見ていて損はないだろう。

( ・∀・)「じゃあ、ビニールハウスに寄った後、行ってみようか」

ミセ*゚ー゚)リ「だね」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/03(月) 12:11:11.06 ID:kocq+mNIO


歩みを進めること15分くらい。
僕らはビニールハウス前へと辿り着いた。
相変わらずでかい。
中に入っても広い。

( ´∀`)「!」

足を踏み入れてすぐ、奥からモナーが姿を現す。

ミセ;゚ー゚)リ「昨晩は来るって言ってたのに、ごめんね」

ミセリが謝るのを聞き、モナーは答えた。
( ;´∀`)「いや、無事でよかったモナ。どうも昨晩から西の森での敗北者が一気に増えたみたいで心配だったモナ」

聞いてみれば、この場所は西の森と校舎を繋ぐ直線上にあるため、そこを行き来する人はよく見えるらしい。
負けたことは、その人の仕草や表情からなんとなく分かるのだとか。

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/03(月) 12:12:48.53 ID:kocq+mNIO
(゚、゚トソン「ふむ…。弱い者いじめですかね」
( ・∀・)「どういうこと?」

(゚、゚トソン「恐らく、年下ばかりを狙う上級生が西の森にいるのでしょう」

なるほど。
年下、とは言っても西の森に下級生はあまりいない。
となると、その上級生というのは少なくとも13年生以上。
それにしても、学年が上がるにつれ後輩を倒した際の評価は少なくなっていくというのに、まあ暇な奴がいたもんだ。

( ´∀`)「まあ、そういうわけだから森に戻るなら気を付けるモナ」

やっぱりモナーは心配性だな。

( ・∀・)「うん」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/03(月) 12:14:11.07 ID:kocq+mNIO
ミセ*゚ー゚)リ「快晴だー」

ふと、隣にいたミセリが呟く。
確かにビニールの向こうに広がる空は一点の曇りもない青色。

ミセ*゚ー゚)リ「こんな日はどうしても眠くなっちゃうんだよね」

( ・∀・)「寝るなよ」

即座に突っ込むと、彼女は軽くふくれて見せた。

ミセ*゚3゚)リ「えー!」

えーってなんだ、えーって。

( ;・∀・)「一番早く寝て一番遅く起きたのにまだ寝足りないの?」

(゚、゚トソン「ミセリはいつも9時には寝てますよ」

トソンが口を挟む。

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/03(月) 12:15:24.75 ID:kocq+mNIO
って、9時ってかなり早くないか。
…しかも起きるのは8時だったはず。

ミセ*゚ー゚)リ「えへ」

可愛いらしい笑みを浮かべるミセリ。

( ;・∀・)「いやいやいや……もう少し生活習慣を見直した方がいいよ」

( ´∀`)「11時間睡眠とか羨ましいモナ」

(゚、゚トソン「あ、水もらいますね」

今朝水がなくなったことを思い出したのか、トソンがモナーに声をかけた。
彼の返事を聞くと、彼女は昨日教えてもらった飲み水用の水道に足を向ける。
あ、そうだ。
ミセリのはまだ残っていたが、僕の方のペットボトルはもう空っぽだったっけか。

( ・∀・)「僕も行ってくる」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/03(月) 12:17:27.99 ID:kocq+mNIO
( ´∀`)「モナ」

ミセ*゚ー゚)リ「いてらー!」

モナーとミセリに告げると、僕はトソンと同じ方向へと向かった。
しかしこうやって辺りを見回してみると、本当に様々な種類の食物が栽培されていることが分かる。
僕が彼女の後を追うように水飲み場までやってくると、ペットボトルに水を汲んでいたトソンが横目で僕の方を見ながら言った。

(゚、゚トソン「ついて来ないでください」

( ;・∀・)「僕のペットボトルも空なんだから仕方ないでしょ」

しかしそんな僕の答えに溜め息をつく彼女。
そして再び口を開いた。

(゚、゚トソン「冗談も通じないんですか」

( ;・∀・)「………」

…やりにくい。
実にやりにくい。
っていうか真顔で冗談言うなよ…。
気を取り直し、僕はトソンの隣の蛇口を使ってペットボトルに水を補給し始める。
それとほぼ同時に彼女は水を入れ終わったようで。

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/03(月) 12:18:25.00 ID:kocq+mNIO
(、゚トソン「案外、鈍いんですね」

( ・∀・)「え?」

耳元で囁かれ、しかし、振り向いた時にはもうトソンはモナーたちの方へと駆けて行った後。
結局僕はその言葉の意図が掴めないまま、かといって今更聞き返すこともできない。
満タンになったペットボトルの蓋をきつく閉め、歩いてみんなの元に向かったのだった。

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/03(月) 12:19:55.40 ID:kocq+mNIO
ミセ*゚ー゚)リ「お帰り!」

僕が戻って来たのを確認し、ミセリが言った。

( ・∀・)「ただいま」

ほんの数分しか経っていないというのに変な話だが、お帰りと言われたのでただいまと返しておく。
そのまま、ちら、とトソンの方を見た。

(゚、゚トソン「―…んですが、いいでしょうか」

( ´∀`)「うん、それは本当に好きにしてもらって構わないモナ。どうせ僕は――…」

んー…、あ!
ここで、僕はある考えに至る。
もしかして………?
いや、でも、…まさかね。

ミセ*゚ー゚)リ「もら、どうかした?」

ミセリが不思議そうに僕に聞く。

( ・∀・)「いや、なんでもないよ」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/03(月) 12:21:11.89 ID:kocq+mNIO
ミセ*゚ー゚)リ「そう?なんかぼーっとしてたから。ああでも、もらにはよくあることか!」

( ;・∀・)「え」

それは自分の世界に浸っていることが多いということだろうか。

( ;・∀・)「よくあるの?」

ミセ*゚ー゚)リ「うん!」

…そんな嬉しそうに言われましても。
全然自覚がなかったが、しかしながら上の空の時が多いってことは隙が多いってことじゃないか。
今後とも気を付けよう、と一人心に誓った。

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/03(月) 12:24:36.53 ID:kocq+mNIO


それからモナー含む4人で昨日別れた後のことなどを話し、一息どころか二息も三息もついた頃。

(゚、゚トソン「では、体育館に行ってみます?」

立ち上がり、トソンが僕とミセリに言う。

ミセ*゚ー゚)リ「うん!そろそろ行こーか!」

対して元気よく答えるミセリの言葉に、僕も首を縦に振った。
体育館は運動場の南側にある。
つまり、まずは校舎の方へ行かなければならないわけだが。

( ・∀・)「ついでに職員室でお昼ももらっていこうか」

(゚、゚トソン「そうですね」

僕の意見にトソンが同意する。
ミセリはそのやり取りを聞いて昼食のことを思い出したのか、うずうずしている様子。
恐らくお腹が空いてきたのだろう。
言っても、朝に食べたのが7時前、今はまだ10時くらいだぞ。

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/03(月) 12:26:38.84 ID:kocq+mNIO
( ・∀・)「あと、生徒証を提出しなくちゃね」

まだひとつもそれを提出していないことを思い出し、僕は言った。
昨日の朝食をとりに行ったのはミセリ。
彼女と僕のナップサックは兼用で、且つ普段は僕が持っているからできなかった。
そして夕食はとりに行ってないし、今日の朝食は、

(゚、゚トソン「私は朝に出しましたよ」

トソンが答える。

ミセ*゚ー゚)リ「いくつ持ってたっけ?」

( ・∀・)「あー…っと、ニダーと兄者と弟者とで3つだ」

…まだまだ少ない。
2人で組んでいるため、普通の人の2分の3倍は集めなければ高い評価はもらえない。
ちなみに、トソンは一緒に行動してはいるが生徒証は個別に持っているから、組んでいるのとは違う。

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/03(月) 12:27:35.98 ID:kocq+mNIO
運動場に着くと、数人の生徒が戦っていたり、またそこから離れた場所で話をしていたりという光景が見られた。

( ・∀・)「やってるね……ん?」

運動場のすぐ隣には西の森。
その近くで、一人のよく見慣れた女性徒の姿があった。

(゚、゚トソン「渡辺さんでしょうか」

言われて、確かにあの独特の雰囲気は4組の渡辺さんのものであることに気付く。

ミセ*゚ー゚)リ「私、渡辺さんのことよく知らないかも」

まあ、接点無さそうだし。

( ・∀・)「彼女は面白いよ」

ミセ*゚ー゚)リ「面白い…?」

僕とミセリが話をしている間に、トソンが渡辺さんの方へと近づいていった。
それにつられ、僕らも彼女の元へと向かう。

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/03(月) 12:29:16.19 ID:kocq+mNIO
从;'ー'从「あれれ〜?本当に無いみたい…」

遠目からでは分からなかったが、どうやら何かを探しているようだ。
トソンがそんな彼女に声をかける。

(゚、゚トソン「渡辺さん」

从'ー'从「あ!トソちゃんだ〜!」

トソちゃんって。
少しにやつくと、トソンに気付かれて睨まれた。

从'ー'从「モララーくんと……えっと、ミ…ミ……ミステリーちゃんだっけ〜?」

ミステリー…それはミセリのことだろうか。
当のミセリはそれを聞き、若干眉間に皺を寄せている。
これは……。

(゚、゚トソン「ミセリです」

トソンが訂正する。

从'ー'从「ああ〜そっか!ごめんね、ミセテリちゃん。渡辺です、よろしく〜」

ミセテリ…だと……?
ああ、嫌な予感。

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/03(月) 12:29:59.39 ID:kocq+mNIO
ミセテリと呼ばれたミセリが、口角をつりあげて笑う。

ミセ#^ー^)リ「よろしく、春日部さん」

確実に目が笑っていない。
しかも春日部って……。
しかしながらそんなミセリの様子にも気付かない渡辺さん。

从'ー'从「やだな〜。ミセテリちゃん、私の名前間違ってるよ〜?」

(゚、゚トソン「………」

ミセ#゚Д゚)リ「………」

( ;・∀・)「………」

彼女の表情とか言い方から判断して、嫌味で言っているわけではなく純粋にそう思っている様子。
……空気が読めないって怖い。

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/03(月) 12:32:59.09 ID:kocq+mNIO
ぐるり、と渡辺さんに背を向け、ミセリが僕の方に向き直る。

ミセ#゚―゚)リ「…全然面白くないんだけど」

小さな声で不満を漏らす。
僕も合わせて小声で答えた。

( ;・∀・)「いや、少し馬鹿だけど純粋な子なんだよ?」

ミセ#゚―゚)リ「うー…」

納得のいかない様子だが、反論してこないところを見ると理解はしてくれたみたいだ。
軽く息をつくと、再び渡辺さんの方を向く。

ミセ*゚―゚)リ「渡辺さんだよね、よろしく」

从*^ー^从「えへへ、友達が増えたよ〜」

ミセ*゚―゚)リ「………」
ミセ*- -)リ「………」
ミセ*゚ー゚)リ「…うん」

ミセリが自然な笑みを見せた。
同時に胸を撫で下ろす僕。

(゚、゚トソン「それで、何かを探しているようでしたが」

トソンが彼女に尋ねる。

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/03(月) 12:34:23.95 ID:kocq+mNIO
从;'ー'从「あ、そうなの〜!生徒証を落としちゃったみたい」

え?
それは、

( ;・∀・)「……かなりマズいような」

从;'ー'从「そうなの〜」

そもそも落とす方がどうかしているが、そこは渡辺さんなので仕方がない。
生徒証を落としたら、それを誰かに拾われた時点でアウトだ。
早く探して見つけなければならない。

(゚、゚トソン「どこで落としたのですか?」

从;'ー'从「西の森だと思う……」

( ;・∀・)「それはまた見つけにくい場所に……」

しかも西の森と言えば下級生の溜まり場だ。

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/03(月) 12:35:36.92 ID:kocq+mNIO
よし。

( ・∀・)「一緒に探そうか?」

从'ー'从「本当!?ありがとう〜!あ、でもトソちゃんとミセテリちゃんは…」

(゚、゚トソン「私たちも構いませんよ」

ミセ*゚ー゚)リ「うん」

トソンの言葉に、名前の間違いを無視することに決めた様子のミセリも頷いた。

从*'ー'从「ありがとう!」

それにしても、予定ってとことん狂うものなんだなと思う。
モナー、今日もなんだか行けない気がしてきたぞ。


3話 終わり


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