- 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/07(日) 21:40:25.88 ID:b2UEf1LS0
- 昔から、他人とは少し違う人生を送ってきた。
例えば、生まれた場所が銀行強盗の現場であったり。
例えば、一つ年上の義理の兄がいたり。
例えば、神隠しに遭ったことがあったり。
そんな感じで、色々変わった経験を積んできたけれど――
今回の経験は、さらに変わっていた。
川 ゚ -゚)の人生は波乱に満ちてるようです
一波目 「空から女の子が落ちてきた」
- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/07(日) 21:47:23.60 ID:b2UEf1LS0
- _,
川 ゚ -゚)
というわけで。空から女の子が落ちてきました。尻から。私の頭の上に。
ついでにアスファルトにしこたま頭を打ったので、記憶が曖昧になりそうだ。
ξ;゚听)ξ「いっつつつ…」
落ちてきた女の子、ていうかクソアマは何やら呻き声を上げているが呻きたいのはこっちだ。
何故人の上に落ちてきておきながら、そんなのんびりとしているのだろうか。さっさと退いて頂きたい。
頭がバミューダトライアングルに入っているおかげで…こう…フレーバー的なものもキツいし。
ξ゚听)ξ「…何か変な所に落ちてきちゃったわねぇ」
川 ゚ -゚)「…悪かったな、変な所で」
なんとか口を開くことができた。にしても人の顔に落ちといてどういう言い草だこの野郎。
ξ;゚听)ξ「わひゃあ!?」
わひゃあて。
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/07(日) 21:53:18.96 ID:b2UEf1LS0
- ξ;゚听)ξ「ご、ごめんなさいね…人が下にいるとは思わなくて」
私も人が落ちてくるとは思いませんでしたことよ。
しかも、私の記憶が確かなら、あなた随分高い所から落ちてきましたよね。
スカイダイビングクラスの高空から落ちてきましたよね。
川 ゚ -゚)「(…よく生きてるな、私)」
冷静に考えればとんでもないことである。
いくら尻から落ちてきたとはいえ、お互いグロいオブジェになっていても何らおかしくなかったはずだ。
…ていうか、そうなっていなければおかしいよね。
ξ゚听)ξ「頭、大丈夫?」
うん、空から落ちてきた人に言われたくないです。
ξ゚听)ξ「結構強く打ったでしょ?一応、落下の衝撃は魔法で軽減したんだけど…」
ああ、そういう意味ですか。物理的な意味ですか。
川 ゚ -゚)「ああ、ちょっと痛むが問題な…」
ん?
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/07(日) 21:59:45.03 ID:b2UEf1LS0
『 ま ほ う 』 ?
ξ゚听)ξ「…どうしたの?私の顔に何か付いてる?」
川 ゚ -゚)「…目と鼻と口」
ξ゚听)ξ「はぁ?」
なんとかごまかし、さっと立ち上がる。頭も痛むし、もう少し座り込んでいたかったのだけど…。
さっきの不穏ワードに、私の中の『嫌な予感センサー』がビンビン反応しているのだ。
「絶対ろくな目に遭わねェーッ!!逃げろォーッ!!」
って。
川 ゚ -゚)ノ + 「じゃ!そういうことで!」
極めて爽やかに手を上げ、私はその場を逃げ出した。
ξ゚听)ξ「待って!」
しかし まわりこまれた!
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/07(日) 22:06:27.12 ID:b2UEf1LS0
- 川 ゚ -゚)ノ + 「……」
ξ゚听)ξ「……」
爽やかに手を上げたままの私と、何やら思い詰めた顔をした不穏ガールの間に沈黙が流れる。
何。何この沈黙。逃げていいってことですか。逃げていいってことですよね。
川 ゚ -゚)ノ + 「じゃξ゚听)ξ「お願い!私と一緒に戦って!」
脳内で「ボン!」と音がした。嫌な予感センサーが異常値を示してぶっ壊れた音である。
ξ゚听)ξ「あなたから、魔力を感じるの…それも、とてつもない量の!」
へぇ、魔力ですか。とてつもない量の。それって体に良いの?悪いの?
良いんならほっといてほしいし、悪いんならほっといてほしい。つまりほっといてほしい。
ほっといてほしいので、
川 ゚ -゚)ノ + 「じゃ!そういうことで!」
私は再び、爽やかに逃げ出した。
ξ;゚听)ξ「あ、ちょっと!」
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/07(日) 22:14:02.34 ID:b2UEf1LS0
- 私は走った。未だかつてないスピードで。
運動は苦手だけど、今なら小学生記録ぐらいなら塗り替えられそうです。
そして私は風になった。
ξ;゚听)ξ「逃げないでよー!ねーってばー!」
風になったので、隣を箒に乗った魔法少女が超低空飛行でぴったりマークしてくるのも目に入らない。
入らないっつーか、入れない!もう、お前なんか無視だ無視!
ξ;゚听)ξ「ちょっとぐらい話聞いてくれてもいいじゃないのー!」
詐欺師の常套句を吐きつつ、相変わらずぴったりマークしてくる。目に入らないけど。
ああ、こんな場面を誰かに見られたらどうしよう。私もう恥ずかしくてお嫁に行けない。
そんな可哀想な自分を慰めるため、五感をシャットアウトし、帰巣本能のみに頼って走り続ける。
安全安心のセコムが守ってくれている我が家へ向かって。
- 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/07(日) 22:23:31.09 ID:b2UEf1LS0
- 到着!ドアオープン!アンドロック!
以上の行動をコンマ単位の秒数で終え、私は玄関でへたりこんだ。
川;゚ -゚)「はぁ、はぁ、はぁ…」
はっきり言って心肺機能が限界だが、やつと関わった後に訪れるであろう波乱万丈に比べればずっとマシだ。
だって、嫌な予感センサーぶっ壊れてるもの。物故割れてるもの。
なんとか息を整え、麦茶でも飲もうと思いリビングへ向かった。
('A`)「お、ちょうどいいとこに帰ってきたなクー」
リビングに入ろうとしたところで、例の義理の兄にエンカウントした。
一目で血が繋がっていないことがわかる顔をしているのが特徴である。
(;'A`)「なんか失礼なことを思われている気がするな…」
川 ゚ -゚)「それはいつものことだろう、兄さん。で、何がちょうど良かったんだ?」
('A`)「ああ、玄関にお客さんが来てるぞ。学校の知り合いって言ってたから、鍵開けといたぜ」
わわわわわーお!!!
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/07(日) 22:29:17.38 ID:b2UEf1LS0
- 恐る恐る、玄関の方を振り返る私。
ξ゚听)ξ「こんにちはー」
微笑む彼女。
('A`)「最近の女子高生はレベルたけーなー。お前の学校、あんな子ばっかりなの?」
のたまう兄。
川 ゚ -゚)「……」
兄のことは常日頃から憎く思っていたが、今ほど憎かったこともない。
つーか何お前、友達ですの一言でドア開けちゃうの?防犯意識なさすぎじゃねぇ?
なんのための鍵なの?なんのためのドアカメラなの?箒とか持ってんじゃんおかしいじゃん。
ξ゚听)ξ「あ、箒ここかけといていいですか?」
('A`)「どうぞどうぞ」
なんか和やかに会話してるしね!
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/07(日) 22:39:20.05 ID:b2UEf1LS0
- 結局、怒りを押し殺すことで必死だった私は口を挟むこともできず、魔法少女のリビングへの侵入を許してしまった。
('A`)「せっかく来てもらったのに麦茶しかなくてごめんな」
ξ゚听)ξ「いえ、お気遣いなく…麦茶っていうんだ、これ」
麦茶っていうんだ、ですって。聞きました奥さん。世間知らずにも程がありますわよね。
…などとふざけるのはこの辺にいておこう。薄々思っていたが、彼女はこの世界の人間ではない気がする。
魔法とか、魔力とか、メルヘンな単語を平然とぶちかましているし、箒だって飛ばすし。
きっとどこかの魔法世界から異次元を通ってこの世界にぶっ飛んできたのだ、彼女は。
とかいうことを冷静に考えている私は、やっぱり頭を強く打ちすぎたかもしれない。
川 ゚ -゚)「(慌てない慌てない…一休み一休み…)」
気持ちを落ち着け、自分用のコップを口に運んだ。冷たい飲み物を飲めば、少しは頭も冷えるだろう。
('A`)「あ、わりぃ。お客さんに出した分で麦茶終了したんだわ」
そういうお前が飲んでいるのは麦茶ですよね。今まで家にいたやつがなんで麦茶飲んでんだよ、私によこせよ。
いや飲みかけ貰っても困るけど。
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/07(日) 22:48:33.30 ID:b2UEf1LS0
- ξ゚听)ξ「あの…ちょっと、話があるんですけど…」
魔法少女がアクションを起こしてきた。恐らく、兄さんを部屋から追い出そうとしているのだろう。
そして私が一人になったところで美味しく頂くつもりなのだろう。そうは問屋が卸さん!
('A`)「ああ、んじゃ俺は…」
川 ゚ -゚)「聞かれて困るような話もないだろう。兄さんもいてくれて構わない」
気付いてくれウスノロ兄貴!私とこの女の間で行われている、エアーパンチの応酬に!
('A`)「いや、今ちょっと上でポーズかけてっからさぁ。続きやりたくてしょうがないんだわ」
義妹の身の安全よりゲームかよ!バカかよ!
どうしようもないグズ兄さんをなんとかリビングに留める算段を立てていると、魔法少女から意外な一言が飛び出てきた。
ξ゚听)ξ「いえ、お兄さんにも聞いて頂きたい話なんです」
('A`)「え?俺も?…まぁ、いいけど…」
…かくして算段を立てるまでもなく、兄さんはリビングに留まることになったのだった。私の思惑とは全く違う形だが。
- 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/07(日) 23:01:08.70 ID:b2UEf1LS0
- ξ゚听)ξ「まず、謝らせてください。私、本当は彼女の友達じゃないんです」
そう言ってぺこりと頭を下げる魔法少女。それを認めてくれたのは、私にとって僥倖だ。
友達じゃないとわかれば、さすがの兄さんも彼女のおかしさに気付くはずだ。
ていうかそもそも不法侵入だし。
('A`)「ああ、そうなんだ。まぁよくあることだから気にしないで」
よくはねぇよ!…と言いたいところだが。意外と兄さんの言葉は否定できない。
冒頭でも述べた通り、私の周りでは少々エキセントリックな事がよく巻き起こる。
同じ手口で我が家に侵入してきたやつは、過去に何人もいたのである。
('A`)「大抵ろくなやつじゃなかったよなぁ」
川 ゚ -゚)「…そこまでわかっているんなら、さっさと彼女を追い出して欲しいんだけどな」
経験則で考えれば、彼女もろくなやつじゃないとすぐにわかるだろうに。
('A`)「まぁそうなんだけど。なんか違う気がするだろ、この子は」
…言い忘れていたが、こういう時だけどうでもいい勘が働くのがうちの兄である。
本人曰く、私と一緒に変なことに巻き込まれているうちに開花した能力らしい。どうでもいい。
- 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/07(日) 23:08:16.34 ID:b2UEf1LS0
- ('A`)「話ぐらい聞いてやれよ。通報はその後でも遅くないし」
私が変なことに巻き込まれてからでは遅いんですが、その辺りの認識はどうなのでしょうかね。
この女は魔法少女なんだぞ、箒とか飛ばすんだぞ。しかも多分この世界の人間じゃないし。
と、言おうと思ったのだが。
ξ゚听)ξ「実は私…この世界の人間じゃないんです」
その前に本人がカミングアウトしていた。どうでもいいが、普通の人間が聞いたら完全に電波ちゃん認定な台詞だな。
ちなみに、うちの兄は普通ではないので、
('A`)「へー。さすがにそりゃ初めてのパターンだな」
と納得していた。
ξ;゚听)ξ「へーって…」
そして魔法少女のほうが困惑していた。ざまぁみろ、とちょっと思った。
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/07(日) 23:17:37.10 ID:b2UEf1LS0
- ξ゚听)ξ「…まぁ、納得してくれたみたいだからいいですけど」
川 ゚ -゚)「待て。私は全然納得してない」
百歩譲って、魔法少女であることとか、異世界から来たことは認めてやってもいい。
ただ、それと私が巻き込まれることは全く別問題だ。
私と一緒に戦って!とてつもない魔力を感じるの!
とか言われても。ねぇ。って感じである。
('A`)「ふーん。なんかすごいんだな、クーは」
ξ゚听)ξ「そうなんです!すごいんです!」
だから打ち解けるのやめろ。
ξ゚听)ξ「こんな魔力を持ってる人なんて、私の世界でも全然いないんですよ!大魔導士の…」
川 ゚ -゚)「だから、そういう話はどうでもいい。私には関係ない」
ξ゚听)ξ「…確かに、そうね。じゃあ、一緒に戦ってほしいって話だけど…」
川 ゚ -゚)「それもいい。私の答えは決まってるからな」
席を立ち、言い放つ。
川 ゚ -゚)「お断りだ」
- 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/07(日) 23:25:20.41 ID:b2UEf1LS0
- ('A`)ノ「じゃ、俺が話聞くよ」
いやなんでそうなるんだよ!今せっかく私がカッコ良く決めたのに!
('A`)「だって気になるし…話聞くだけならタダだろ」
世の中タダより怖い物はないということを兄さんはまだ知らないのだ。
だが私は知っている。「試供品なんですけど〜」って渡された化粧品の請求書が後から届いたことがあったし。
しかしこの正論を兄さんに説いている暇はない。私だって忙しいんだ。
川 ゚ -゚)「…じゃ、私は部屋に行くから。話なら二人で勝手にやってくれ。」
と、言ってリビングを出ようとした瞬間――。
ξ;゚听)ξ「危ない!伏せて!」
魔法少女の叫び声と。
(;'A`)「おお!?窓が!?」
兄さんの叫び声と、ガラスの割れる音と。
( ФωФ)「…やっと見つけたのである」
ダンディなおじさまの声が、聞こえた。
- 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/07(日) 23:33:07.42 ID:b2UEf1LS0
- え…いや…え?
何この展開。
(;'A`)「やべぇ!ガラス代どうしよう!」
川;゚ -゚)「そ、それはやっぱり二人で割り勘に…」
でもガラス代っていくらぐらいするんだ!?ガラスの相場なんか知らないし…。
っていうかいやいやいやいやそうじゃないだろ!
ξ;゚听)ξ「っく!もう追いついてきたのね…次元を超えれば、少しは時間が稼げると思ったのに!」
( ФωФ)「いや、時間は稼げているとも。我輩以外はまだ手こずっておるからな」
ξ゚听)ξ「ああそう…じゃ、満更無駄でもなかったのね」
テンパる義兄妹をよそに、シリアスなふいんきを醸し出す不法侵入者二人。
壊れたはずの『嫌な予感センサー』が再び動き出す。
曰く、「このままだと家全部壊されっぞォー!!」
川;゚ -゚)「おいちょっと!これ以上家壊すのは勘弁してくれ!」
センサーに後押しされ、思わず私は頼み込んでいた。無駄とわかっているのに。
- 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/07(日) 23:39:34.86 ID:b2UEf1LS0
- ( ФωФ)「…ほう。こちらにも、これほどの魔力を持った者が居るとは…」
うわぁ…なんか似たような台詞をさっき聞いた気がするよぉ…。
( ФωФ)「丁度いい。この世界のレベルを知っておくとするのである」
おじさまが、び、と私を指差した。人を指差しちゃいけないって学校で習わなかったのか?
とかなんとか、絶賛テンパり中の頭で考えていると。
今割られたばかりのガラス片が、ふわふわと空中に浮かび始めた。
(;'A`)「おいおい…これって…」
もはや嫌な予感センサーに頼るまでもない。この後の展開なんか、楽に予想できる。
ああ、もう。ある意味、よくある展開過ぎて嫌になる。
( ФωФ)「行け」
予想通り、ガラス片は私目掛けて飛んで来た。
…えーと。
死ぬよね。私。
ξ;゚听)ξ「ダメッ!!」
目の前が、赤くなった。
- 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/07(日) 23:49:37.60 ID:b2UEf1LS0
- 川;::-゚)「ッ…!!」
温かい液体が、私の右目に降りかかった。
正体は言うまでもなく血液。
誰の?
彼女の。
ξ )ξ「う…く…」
体中にガラス片を喰らった魔法少女が、私の前に崩れ落ちる。
川;::-゚)「おい、ちょっと…」
呼び掛けようとして、名前も聞いていなかったことに気が付いた。
(;'A`)「ツンちゃん!」
おい何でお前が名前…そういえばインターフォンで話したんだったっけ…。
兄さんはツンとやらに駆け寄り、何度も名前を呼びながら体を揺さぶる。
そんな異常な光景を、ゆっくりと眺めていた私の耳に、声が聞こえた。
( ФωФ)「バカな女である」
ぷつんときた。
- 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 00:01:30.90 ID:phtXGznR0
- 確かに彼女はバカな女だろう。彼女は私なんかを庇うべきではなかったのだから。
だって私は彼女に協力する気なんてさらさらなかった。
こうやって命を助けられた今も、その気持ちは変わらない。
だけど。
それをバカ呼ばわりする権利が、このデカブツにあるのか?いや、ない。反語表現で否定してやる。
川::::-゚)「いきなり来て、いきなり死ぬとか、わけわかんないだろ…」
だいたい今の一撃だけ防いでどうするつもりなんだ?次の一撃を喰らったら私はたちまち死ぬんだぞ。
どうせ助けるつもりなら――
川#::-゚)「最後まで責任持って助けろよおおおおお!!!」
(;ФωФ)「!?」
(;'A`)「え…うおっまぶしっ!!」
- 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 00:09:33.66 ID:phtXGznR0
- ツンの体が、白い光に包まれていた。
今まで見たこともないような、眩い光。LED何個分だろう…。
しばらくして、光が消えると。
ξ゚听)ξ「…?」
ツンが、何事もなかったかのように立っていた。
…えーっと…なんとかなったっぽいな。うん。さすが強大な魔力を隠し持つ私。
(;ФωФ)「なんということだ…これほどの上位治癒術を扱えるとは…!」
なんかものすごい驚いてるけど、私のほうが驚いていますよ。ていうか上位の魔法だったんだこれ。
ξ゚听)ξ「何、この感じ…力が溢れてくる…!」
(;'A`)「……」
兄さんがものすごく何か言いたそうな顔をしていた。
言いたいことはなんとなくわかる。ので、代弁しておいた。
川;::-゚)「お約束すぎる…」
(;'A`)「よなぁ…」
- 88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 00:14:54.34 ID:phtXGznR0
- ξ゚听)ξ「この力…もしかして…」
ツンこと魔法少女が、私のほうをものごっついキラキラした笑顔で見つめてきた。
え、いや、ちょっと。私にそっちのケはないんだが。
ξ*゚听)ξ「…私に、協力してくれる気になったのね!」
あるあ…ねーよ!!!成り行き成り行き!あくまで成り行きだから!
ξ#゚听)ξ「さぁロマネスク!!彼女の力を借りた私にもはや敵はないわ!!無敵よ無敵!!」
そんなにパワーアップしたのかよ、私の魔力すごいな。
(;ФωФ)「ちぃっ!!まさかこれほどとは…侮っていたのである!!」
またしても勝手に盛り上がる不法侵入者二名。
なんだか大丈夫らしいので、私と兄さんは傍観者に徹することにした。
川::::-゚)「とりあえず血を洗いたい」
('A`)「タオルならあるけど」
ξ#゚听)ξ「喰らえロマネスクウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!!」
(;ФωФ)「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
勝手に盛り上がった二人は勝手にクライマックスを迎えた。
- 94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 00:22:25.31 ID:phtXGznR0
- ドカーン!!!
そしてクライマックスと共にリビングは吹っ飛んだ。
川 ゚ -゚)「あー…」
もしかしてこれって夢だったりしないかなぁ。だといいなぁ。
(;'A`)「…ま、まぁ…みんな無事で良かった!うん!」
ξ゚ー゚)ξ「ええ…本当に」
ええ…本当に。(ニコッ
じゃねーよ。家どうすんの家。変なのを退けたんだから、問題は次のフェイズに移行しますよ。
ξ゚听)ξ「ありがとう、クー…」
なんか名前知られてるし。
なんだ、心を読む魔法とかそういうのか。プライバシーもへったくれもないな魔法。
ξ゚听)ξ「いや、さっきお兄さんが名前呼んでたから…」
そういえば何回か呼ばれていた気がする。よかった、魔法にもプライバシーはあったんだね。
ξ゚听)ξ「そういう魔法もあるけどね」
前言撤回。
- 99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 00:29:14.32 ID:phtXGznR0
- ξ゚听)ξ「あなたの力がなかったら、ロマネスクを退けることはできなかったわ」
川 ゚ -゚)「はぁ…いや、まぁそれはいいんだけど…」
家を直して欲しい。割と切実に。
ξ゚听)ξ「あ、それなら魔法で…」
と、そこまで言ったところでツンの頭の上に電球が浮かんだ。ような気がした。
何だろう、また『嫌な予感センサー』が働き出したぞ。
ξ゚听)ξ「直せるんだ・け・ど!これには大量の魔力が必要なのよねー。そして今の私にはそれだけの魔力はないわ」
(;'A`)「そんな…じゃあ、家は直せな…はっ!まさか!」
いや、何その不自然な流れ。グルか。グルなのか。いつの間に。
ξ゚听)ξ「私に正式に協力してもらえば、クーの魔力で家を直せるんだけどなー」
('A`)「なんだって!じゃあさっそくツンちゃんと契約しようよ!」
川;゚ -゚)「なんだそれ!いやなんだそれ!」
もはや恐喝じゃねーか!
ていうかさっきはちゃんと魔力受け取れたじゃん!そういう感じでやればいいじゃん!
ξ゚听)ξ「嫌」
子供かよ!
- 107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 00:35:53.96 ID:phtXGznR0
- ξ゚听)ξ「ほら、この契約書のここに署名と捺印をするだけでいいから」
どこから取り出したのか、やけに古めかしい羊皮紙を突きつけられた。
…これどこの文字だよ。全く読めないぞ。こういう場合はなんか私に不利な契約条件があるに違いない。
どうせ生涯契約だろうしさぁ、なんで魔法ってこう縛り付けようとするの?
もっとこう、マンスリーマンション的な契約はないのか?様々なニーズにお応えできるようにだな、
ξ゚听)ξ「あったら契約する?」
川 ゚ -゚)「あぁしてやるとも。あればな」
ξ゚听)ξ「じゃ、はい」
今度は一回り小さい羊皮紙が出てきた。
ξ゚听)ξ「こっちのが一ヶ月契約だから」
川 ゚ -゚)「……」
えっと…。
('A`)「早く契約しろよ、ご近所の目が痛いだろ」
川 ゚ -゚)「…ハンコ取ってくる」
私が世界に負けた瞬間だった。
- 113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 00:39:39.47 ID:phtXGznR0
川 ゚ -゚)の人生は波乱に満ちてるようです
一波目 「空から女の子が落ちてきた」
お わ り
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