- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 05:00:32.40 ID:aYKabVjpO
(ノA`)「ふぁー、暇だなぁ」
平日の昼間だというのに惰眠を貪り、暇だと毒吐く。これこそニートの専売特許だ。
上から見ても、下から見ても、一回回って『ワン』と吠えてみたって、俺は混じり気の無い、ただただ純粋のニート。
ただ一つ、一つだけ他のニートと違うのは
('A`)「相変わらずデケェなぁー」
住んでいる場所だ。
両親が亡くなったのは、一昨年の夏。
身寄りなんて無かった。
祖父母の顔なんて見たことすらない。
俺一人、もうビックリするくらい一人。
まぁ、この事から俺の家の異常性はわかってもらえると思う。
結局、俺に遺されたのは
('A`)「このデカいアパートと俺の身一つか……」
('A`)「貴方に居場所を差し上げます」のようです
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 05:02:17.56 ID:aYKabVjpO
- ※※※ブログ1日目※※※
一応、自分は大学生という名のニートです。
さて、話は極めて現実的になりますがね。
至極単純、お金が無いです。
いや、もう本当にないんです。
両親が遺した保険金と預金のお陰で、今は人間らしい生活を送れてはいるが、大学の学費やらなんやらでね。
私立大学なんてぬるま湯に浸かろうとした一年前の俺をぶん殴ってやりたい。
固定資産税とかもう笑っちゃう。
というか笑うしかない。
泣くのは駄目だ、だって男の子だもん。
でも今まで俺の話を聞いてくれてた皆は、疑問を抱いてると思う。
その疑問に、今お答えしましょう。
('A`)「入居者、0……」
これだよ、入居者未だ0。
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 05:03:04.83 ID:aYKabVjpO
そもそもここに住んでいた人が居たのか、俺には甚だ疑問。
少なくとも、俺が生まれてから見たことが無い。
もし居たのだとしても、今住んでなきゃ意味が無い。
('A`)「泣きてぇ……」
でも、嘆いてばかりもいられない。
俺は新規入居者を探す。
探すしかない。
俺はやるぞ。
('A`)「ハァ……メンドクセ……」
明日から。
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 05:03:53.69 ID:aYKabVjpO
- ※※※ブログ2日目※※※
さて、じゃあ具体的にどうすれば人は来てくれるんでしょう。
どうすれば、このアパートに住もうと思ってくれるんだろうか。
とりあえず入居チラシでも作ってみますか。
('A`)「……よし、出来た」
『おうち無い人、貸しますよ ドクオ』
住所も書いて、連絡先も書いて、これで……
('A`)「いいのか、これで?」
とりあえず、配ってみようか。
駅前とか公園とか出来るだけ人が集まってる場所が良いだろうな。
幸いまだ9月初め。大学はまだ休みだし、人もいるだろう。
でも、家がありそうな人に配って意味ないしなぁ。
住宅経営って難しい。
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 05:05:49.74 ID:aYKabVjpO
- ※※※ブログ3日目※※※
昨日はチラシ配りに行ってきました。
でもね、散々。
具体的に言うとね、今夏休みなのって大学生だけなんだよね。
知らなかったよ。
でも、めげずに駅前で配ってたんだけど
追い掛けられたよ、駅員に。
もう浪速のシューマッハもビックリなスピードで。
いきなり走ったから、ランナーズハイって奴だったのかな。
叫んだんだ。
(#'A`)『ワイは浪速のシューマッハやああぁぁぁあああ!!!!!』
逃げ切れた。
ちょっと泣いた。
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 05:07:04.56 ID:aYKabVjpO
- ※※※ブログ4日目※※※
大学が始まりました。
あと、入居者も一人決りました。
荒巻さんです。
/ ,' 3「………」
('A`)「へ?」
どう見ても、ホームをレスした方です。本当にありがとうございました。
(;'A`)「あのー、家賃の方なんですが……」
/ ,' 3「……」
荒巻さんは、俺に無言で一枚の紙を差し出した。
無論、紙幣ではない。
そこには
『おうち無い人、貸しますよ ドクオ』
今度は割りとガチで泣いた。
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 05:22:27.92 ID:aYKabVjpO
- ※※※ブログ5日目※※※
その後、荒巻さんとは家の手伝いをするということで落ち着きました。
まぁ、盗られるものなんてないしね。
そういえば俺、凄いことに気が付いたんです。
アパートと言えば一人暮らし。一人暮らしと言えば大学生。
つまり大学で配れば良いんじゃね、って事。
そうと決まればチラシ配りだ。
あっ、でも。一昨日と昨日のうちに気合いで全部配ったんだった。
('A`)「なんたる失態ッ!!……ん、あれ?」
『貴方に居場所を差し上げます』
そこにはチラシの束があった。
汚い字で、『貴方に居場所を差し上げます』と書いてあった。
本当に汚い。
でも、ちゃんと住所も連絡先も書いてあった。
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 05:27:37.21 ID:aYKabVjpO
- 先程から電池がありません
充電器は見当たりません
とりあえず、電池が続くかぎりやります
書き込みがなくなったら落としてください
お昼頃にまた来ます
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 06:49:09.38 ID:aYKabVjpO
- ※※※ブログ6日目※※※
姉さん、事件です!!
いや、姉さんとか居ないんだけどね。
でも事件がありました。
昨日は大学でチラシ(後からメールアドレスも書き足しました)を配ったんですが
今日ログインしてみると、一通メールが着ました。
直接会って話したい、との事なので行って来ます。
差出人の名前は控えますが、巻き毛で釣り目の可愛い女性です。
胸よりもムスコが膨らむのは男の性でしょうか。
とりあえず、これから忙しくなるようなのでブログの更新が滞るかもしれません。
落ち着いたら更新します。
では行って来ます。
ぷろろーぐ おわり
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 06:49:57.12 ID:aYKabVjpO
- 第一話
次の日。大学の昼休みに俺は待ち合わせに指定されたカフェテリアに向かった。
('A`)「あっ、あのぉ……」
ξ )ξ
('A`)「あのー鬱田って言います。メールをくれた津川さんですか?」
ζ(゚ー゚;ζ「はっ、はいっ!えっ、えっ?私、なにかしましたかっ?」
あれ、津川さんはなんだか戸惑ってるみたいだ。
スッゴいソワソワしてる、なにこいつ、抱き締めたい。
('A`)「あれー、メールくれませんでした?」
σζ(゚ο゚*ζ「わっ、私がですかっ!?」
あれれれー、おかしいなぁ。
『私です、貴方にメールしたの』
('A`)「へ?」
ξ゚听)ξ「津川ツンです、そこに居るのは双子のデレ」
そこにはえらいキツめで美人な、女性が立っていた。
- 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 06:50:44.75 ID:aYKabVjpO
- ('A`)「あー、どうりで。ごめんね」
ζ(゚ー゚;ζ「いいえっ! あのっ、ツンちゃんのお姉ちゃんで、デレといいます」
ξ゚听)ξ「チッ」
なに、コイツ。舌打ちしてる。
俺の愛玩になんて目付きしてんの?
ξ゚听)ξ「デレはもう良いから。行きましょ、鬱田さん」
('A`)「はぁ」
双子って、案外仲悪いんだな。
ξ゚听)ξ「ごめんね、恥ずかしいところ見せちゃって」
('A`)「別に良いよ。兄弟とか姉妹とかってあんなもんでしょ」
俺、一人っ子だけどね。
- 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 06:51:32.77 ID:aYKabVjpO
- ξ゚听)ξ「ドクオ、君だよね?確か」
('A`)「うん」
ξ゚听)ξ「改めまして、私は津川ツン。春期の経済セミナーで同じだったんだけど覚えてない?」
記憶にございません。
('A`)「ごめん、あんまり人付き合いとかしてないから」
ξ゚听)ξ「あっ、うん。別に良いわよ。それで、メールした事なんだけどね」
('A`)「部屋、貸してほしいの?」
ξ゚听)ξ「……うん、出来るだけ早く」
('A`)「ふーん、どうしてウチなの?」
ξ゚听)ξ「それ……答えなきゃ駄目?」
なんか複雑っぽいな。めんどくさ。
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 07:14:12.76 ID:aYKabVjpO
- ('A`)「別に。ただね、なんでウチなのか純粋に疑問に感じただけだから」
ξ゚听)ξ「そっか。あのね、家賃って一応書いてあったけど、ほんとにあの値段で良いの?」
('A`)「ん?別に良いよ。食っていけたら良いし」
ん、なんだか津川さんはモジモジしだした。
ξ゚听)ξ「あの……家賃払うの、一ヶ月だけ待ってくれない?」
―――あぁ、なるほどね
つまりアレだ。津川ツンさんは今お金が無い。
でも、一人暮らししたい事情がある。ただ単にしたいだけかもしれないけど。
それで、大学生の俺が経営するアパートを選んだわけだ。
融通が効くから。
('A`)「俺としては、纏めて払ってもらえれば問題ないよ」
ξ*゚听)ξ「ほんとっ!?」
('A`)「うん」
大学生というだけで、社会ではある程度のステータスになる。
と同時に、一種の身分証明になるわけだ。
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 07:15:02.26 ID:aYKabVjpO
- ('A`)「じゃあ適当に契約書作ってくるよ」
ξ;゚听)ξ「てっ、適当?」
('A`)「契約書なんて適当で良いんだよ。あっ、あとで学生証見せてね」
それじゃ、とだけ言って俺は早々に話を切り上げた。
ξ;゚听)ξ「こっ、これからよろしくお願いします!」
('A`)「おう」
これで我がアパート、二人目の入居者が現れた。
('A`)「……あ」
デレさんの連絡先聞けば良かった。
ξ;゚听)ξ「おっ、おっきぃー」
('A`)「そう?」
生まれてからずっとこのアパートに住んでいたせいか、凄さがよくわからない。
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 07:24:32.94 ID:aYKabVjpO
- ξ;゚听)ξ「どっ、どうしよう!わっ、私もっと犬小屋みたいなのを想像してたのにっ!」
('A`)「ん、それなら別に良いじゃん」
ξ;゚听)ξ「なんでココが、あんなチンケな家賃なのよっ!」
ああ、そういう事か。
('A`)「相場なんて知らないし、今は暮らしていけたら良いんだよ」
ξ;゚听)ξ「そんなっ、でもっ」
('A`)「じゃあ上げようか?家賃」
ξ゚听)ξ「……まぁ、こんなものよね」
('A`)「ん、じゃあ案内するからね」
さて、納得して頂いたところで軽く間取りを説明しようか。
うちのアパートは三階建て、全てが三LDK。
ワンフロアに部屋は6つあって、左右で間取りが対称になっている。
外から見れば、和館なのに中の造りはどう見ても洋室。
- 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 07:25:44.67 ID:aYKabVjpO
- ('A`)「んで、津川さんの部屋はここね」
津川さんには三階の部屋を使ってもらうことにした。
南側の一番日当たりの良い部屋だ。
ξ*゚听)ξ「うわぁ……」
やっぱり一人暮らしっていうのは憧れるのかな、津川さんは自分だけの部屋にウットリしているご様子だ。
('A`)「俺の部屋はこの階の一番北側から二つ目だから」
ξ;゚听)ξ「えっ」
('A`)「なにかあったら気軽に聞いて。別に聞かなくて良いけどね」
ξ;゚听)ξ「待って」
('A`)「御近所付き合いとかもしなくて良いよ。いないからね」
ξ;゚听)ξ「はぁ、だからちょっと待ちなさいって!」
('A`)「あれ、まだなにかあるの?」
ξ;゚听)ξ「あっ、アンタの隣で良いわよ」
あれ、おかしいな。誰も住んでないってとこに突っ込むだろ、普通。
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 07:33:34.60 ID:aYKabVjpO
- 俺は後になって後悔することになる。
この時、なにが怖いのかを聞いておかなかった事を。
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 07:36:17.80 ID:aYKabVjpO
- とりあえず、津川さんを部屋にあんないし、家具の設置を手伝って一段落。
一人暮らしの学生なんて殆ど身一つだと思っていた通り
やはり荷物は少なかった。
('A`)「はぁ、疲れた」
それでもやはり半ニート生活を送る俺にとっては中々の運動で
('A`)「あー、ありがとうございます」
/ ,' 3 モミモミ
荒巻さんが俺の肩を揉んでくれている。
荒巻さんについては、彼女に言及するべきか迷ったが、取り敢えず言わないでおいた。
プラスになるわけがないからだ。
追々話していけば良いだろう。
これから、どうなっていくかはわからないが、きっと良い方向に向かっているんだと思う。
そしたらフラグとか立っちゃったりして……フヒヒ。
- 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 07:39:00.17 ID:aYKabVjpO
- 『ピーッ』
('A`)「なんだ?」
いきなりの電子音に少しびびりながらも、それがファックスだということに気が付いた。
('A`)「誰だよ、こんな時間に」
見当は付いていた。
最近地上げ屋、所謂【頬に傷のある人】達からの立ち退き催促がたびたびあるのだ。
('A`)「ったく……」
なんて書いてあるのやら、見る前から気が重い。
('A`)「なに言われても、立ち退かないけどね。って、あれ?」
そこには
『ツンに手を出すな、お前を殺す』
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 07:41:06.43 ID:aYKabVjpO
('A`)「あれ?」
/ ,' 3
立派な殺人予告が書かれていた。
('A`)「フラグ立った?」
脂肪のな。
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 07:45:20.58 ID:aYKabVjpO
『ほら、起きろよ坊主。朝だぞ』
(つA-)「んぁ……」
『おはようさん』
(つA`) ゴシゴシ
(#^ω^)「いい加減起きるお!朝っぱらから呼び出しておいて、なに寝てるんだお!!」
('A`)「……なんだ、スバルかと思ったらフカヒレか」
(#^ω^)「なに、その色んな意味ですれすれの寝言っ!?」
(つA`)「………」
(;^ω^)「なっ、なんだお」
('A`)「なんだ、鮫かと思ったら豚か」
( ^ω^)「ちょっと表出ろや」
- 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 07:47:08.34 ID:aYKabVjpO
さて、津川さんの入居から一日経った。
隣の部屋から物音がしない事を考えると、まだ彼女は夢の中なのか
それとも、既に現実という荒波に攫われてしまったか。
('A`)「構わん、俺は寝る」
( ^ω^)「させるか、させてなるものか」
- 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 07:49:51.25 ID:aYKabVjpO
- ( ^ω^)「大体、ドクオから呼び出すなんて珍し過ぎるお」
('A`)「そうだっけ」
( ^ω^)「そうだお、だから僕もこんな朝っぱらからわざわざ来てやったんだお」
('A`)「そうか……ありがとな」
(;^ω^)「いや、一応ドクオは僕の大切な友人の一人だし……」
('A`)「ブタ」
( ^ω^)「さっきの言葉、そのまま返却願おうか」
ここにいる可哀相な顔のアザラシは
内藤ホライズン。まぁ、俺とは腐れ縁のようで、中高大学と一緒。
( ^ω^)「久々に地の文に殺意が湧いたお」
- 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 07:51:21.90 ID:aYKabVjpO
- ('A`)「まぁ、とりあえずこれを見てくれ」
( ^ω^)「なんだお」
俺は、昨晩送られてきた脅迫状らしき物をブーンに見せた。
( ^ω^)「お前……」
('A`)「なぁ、ブーン。俺、どうするべき?」
( ^ω^)「自首するお、そしたらこれの送り主も許してくれるはずだお」
('A`)「へ?」
( ^ω^)「強姦かお?脅迫かお?なんにしても、ブーンはドクオのために実刑食らう事を切に願うお」
('A`)「いや、俺は何にもしてない(#^ω^)『皆まで言うなおっ!』……聞けよ」
( ^ω^)「大丈夫、ドクオのエロゲコレクションはブーンが大切に保管しておいてあげるお」
('A`)「お前、そこまで……分かった。自首、するよ」
( ^ω^)「フヒヒ……さぁ、どいつを攻略してやるかおっ!真剣恋かおっ!?京か?京がええんか!?」
('A`)「お前刺してから自首するわ」
( ゚ω ゚)「アーッ!」
- 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 07:53:34.15 ID:aYKabVjpO
- ('A`)「話が進まない。とりあえず、このご丁寧に新聞切り貼りして送られてきた【脅迫状?】をなんとかしたいんだよ」
( ^ω^)「警察持っていけお」
('A`)「いやだよ、めんどくさい」
『ふーん』、ブーンはそう言って少しだけ笑った。
('A`)「なんだよ、気持ち悪い」
( ^ω^)「なんでもないお。ただ、相変わらずドクオは……まぁ、良いお」
ブーンはそれ以上何も言わなかった。
ただ、俺には少しだけわかった気がする。
ブーンが言おうとしたことが。
『ドクオは相変わらずめんどくさがりで』
『うるせー、ほっとけよ』
『それで、ほんの少しだけ優しいお』
『……そうかよ』
- 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 07:56:59.46 ID:aYKabVjpO
- 「……クオ、ドクオ」
( ^ω^)「ドクオ、ドクオ」
('A`)「んあ、なんだよ」
( ^ω^)「ぼーっとするなお。とりあえずボクは津川って人に心当りがないか、それとなく聞いてみるべきだと思うお」
('A`)「まぁ……そりゃな」
( ^ω^)「んじゃ、大学行くお。バルケン野郎はすぐに出席とるから、遅れられないお」
('A`)「わかった」
- 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 07:58:16.08 ID:aYKabVjpO
その日の夜、俺は鍋にすることにした。
勿論津川さんを自然に呼び出すためだ。
('A`)「買い出しメンドクセ……」
('A`)「いいや、もう生協で買うかな」
そこで、俺は見覚えのある人影を見た。
ζ(゚ー゚;ζ ゴソゴソ
('A`)「あれ、津川さん。なにしてんの?」
ζ(゚ο゚*ζ「!? びっくりしたぁ!えっと、ドクオさん?」
('A`)「はい、ドクオですよ」
ζ(゚ー゚*ζ「妹がお世話になってます」
ほんとなにコイツ、可愛すぎるよ。
('A`)「いや大家なだけで、別に世話とか全然してないですけどね」
ζ(゚ー゚*ζ「あはは。私、ツンちゃんが一人暮らしするって聞いて、凄くビックリしたんですよ」
('A`)「そうなの?結構切羽詰まってたみたいだったけど?」
ζ(゚ー゚*ζ「……」
- 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 07:59:26.95 ID:aYKabVjpO
- ('A`)「あぁ、そういえばさ。お父さんのロマネスクさんだっけ?」
ζ(゚ー゚*ζ「あれ?ドクオさん、なんで私達のお父さんの名前を……」
('A`)「ん、契約書にサイン貰ってるからね」
ζ(゚ο゚*ζ「あぁ、なるほど」
('A`)「寂しがってるんじゃない?」
ζ(゚ー゚*ζ「すごく」
('A`)「……やっぱりね」
ζ(゚ー゚*ζ「でも、私達お母さんがいないんで」
('A`)「へっ、そうなの?」
ζ(゚ー゚*ζ「あれ、契約書にそういうのって書いてないんですか?」
('A`)「え」
言えない、契約書なんて適当とか言えないよ。
- 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 08:00:32.72 ID:aYKabVjpO
- >>48 冒頭修正
その日の夜、俺は鍋をすることにした。
- 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 08:01:48.34 ID:aYKabVjpO
ζ(゚ー゚*ζ「お母さんは、私達が生まれてすぐに死んじゃって、お父さんに育てられたんですよ」
('A`)「そうだったんだ、ごめんね」
ζ(゚ー゚*ζ「良いんですよ、私達は三人で凄く幸せでしたから」
('A`)「なるほど、ね」
大体、確証は無いが読めてきた。
一応アイツにもちょっと探ってもらおうかな。
ζ(゚ー゚*ζ「ドクオさん、気を付けてくださいね」
('A`)「えっ、なにが?」
ζ(゚ー゚*ζ「お父さん、昨日凄く荒れてましたから。
夜道で後ろからズバって……」
ζ(゚ー゚*ζ「なーんてね」
津川さん。その冗談、今の俺にはまったく笑えません。
- 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 08:03:17.17 ID:aYKabVjpO
ζ(゚ー゚*ζ「あっ、ドクオさん。今日はお鍋ですね」
('A`)「あぁ、水炊きですけどね。津川さんが入居くれたのでお祝いを兼ねて」
ζ(゚ー゚*ζ「そうなんですか、良いですね。そういうのって」
('A`)「来ますか?津川さんも」
ζ(゚ー゚*ζ「えっ……ツンちゃんも来るんですか?」
('A`)「あぁ、来てくれるらしいですよ」
ζ(゚、゚*ζ「そっ、そうなんだぁー。じゃあお邪魔しようかなー」
('A`)ノシ「んじゃ、お待ちしてますよー」
はぁ、今日は大所帯の晩ご飯になりそうだな。
- 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 08:05:06.00 ID:aYKabVjpO
ξ*゚ー゚)ξ「こっ、こんばんはー。お邪魔しますね」
('A`)「いらっしゃい。適当に座っててね。もう少しで皆集まると思うから」
ξ;゚-゚)ξ そわそわ
ξ;゚听)ξ「あ、あのっ!そのっ!!」
('A`)「ん、なに」
ξ*゚ー゚)ξ「おっ、お招き頂きありがとうございますっ!」
('A`) うずうず
('A`)「こんなサービスっ、めったにしないんだからねっ!!」
( ^ω^)「死ね、そして腐れ」
('A`)「黙れ、銀河の果ちぇまれ☆飛ばすぞ」
- 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 08:06:10.49 ID:aYKabVjpO
ξ;゚听)ξ「あのー、この人は?」
( ^ω^)「あぁ、ブーンだお」
('A`)「本名は内藤ホライズン、周りはブーンって呼んでるんだ」
( ^ω^)「よろしくですお」
('A`)「二つ名(笑)は多摩川の焚魔ちゃん」
( ^ω^)「なんだお、その生後二ヵ月で生涯を終えそうな名前は」
ξ゚听)ξ「タマちゃんね」
( ^ω^)「いいえ、内藤です」
- 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 08:07:36.28 ID:aYKabVjpO
('A`)「さてと、鍋の準備も整ったし、後はもう一人を待つだけだな」
ξ゚听)ξ「もう一人って?」
('A`)「津川デレさん」
( ^ω^)「誰?」
ξ;゚听)ξ「えっ、デレも来るのっ!?」
('A`)「来ます、誘ったから」
( ^ω^)「だから誰だお?」
ξ゚听)ξ「ちょっと黙れ、焚魔(笑)」
( ^ω^)「あっ、はい」
('A`)「津川さんの双子のお姉さんだよ」
( ^ω^)「あぁ、把握したお」
( ^ω^)(それくらいさっさと言えお。このアバズレ)
- 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 08:09:30.54 ID:aYKabVjpO
- ξ;゚听)ξ「ちょっと、何勝手に呼んでるのよ!」
('A`)「良いじゃない、まだ【津川さん】は【津川さん】の部屋に来たことないんでしょ?」
( ^ω^)「……」
ξ゚听)ξ「……」
('A`)「……」
('A`) ナッ、ナンダヨー
ξー匆)ξ「はぁ、ツンで良いわよ。皆そう呼ぶからね」
('A`)「やだ」
ξ;゚听)ξ「なっ、なんでよっ!?」
('A`)「恥ずかしい」
- 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 08:10:47.32 ID:aYKabVjpO
( ^ω^)「まぁまぁ、ドクオも“ツン”もお互い下で呼び合えば良いお」
('A`)「そうだね、内藤」
ξ゚听)ξ「良い事言うわね、内藤君」
( ;ω;)「二人してヒドイお」
ξ;゚听)ξ「あぁ、そんな泣かなくても……」
( つω;)「おっ、おっ」
ξ゚听)ξ「ごめんね、タマ」
( ;ω;)「内藤ですお〜〜〜〜〜!」
- 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 08:13:55.61 ID:aYKabVjpO
さて、デレさんが今遅刻してるのには理由がある。
何故なら、集合時間を三十分遅らせてあるからだ。
('A`)「ねぇ、ツンさん。聞きたいんだけど、お父さんってどんな人?」
ξ;゚听)ξ「なによ、いきなり」
('A`)「いや、デレさんがね。お父さんの事、凄く慕ってるみたいだからさ。
ちょっと興味湧いたんだ」
ξ゚听)ξ「ん、まぁウチの家族はちょっと異常だから」
( ^ω^)「異常?」
ξ゚听)ξ「あぁ、そんなマイナスな意味じゃなくてね。なんだか凄く繋がりが強いのよ」
('A`)「仲が良いって事?」
でも前大学でツンさんが姉の津川さんに向けてた目は友好的なものに見えなかったし。
仲が良い家族、には見えなかったけど。
- 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 08:15:12.57 ID:aYKabVjpO
ξ゚听)ξ「まぁね、でも最近じゃちょっとうんざりしてて」
( ^ω^)「あぁ、わかるお。一緒にお風呂入ろうか、とかだお」
ξ゚听)ξ「えっ、一緒にお風呂なんて普通よ」
( ^ω^)「なにこの家族怖い」
ξ゚听)ξ「最近じゃ気が付いたら隣で寝てたしね。そういうのがウザったくなって」
ξ゚听)ξ「お父さんの方針で鍵とか付けてないから。自分だけの部屋、“居場所”っていうのがなかったのよ」
(;^ω^)(確かに、ボクもかーちゃんにやられたら死ねるお)
ξ゚听)ξ「でも、好きよ。父さんも、あとデレもね」
('A`)「お父さんってどんな感じなの?」
うーん、少しだけツンさんは言い淀んだ。
ξ゚听)ξ「良く言えば正義漢、男気溢れる真面目な人かな。まぁ悪く言えば堅物ね」
('A`)「……ふーん」
なんとなく、だけど引っ掛かった。
凄く些細なことだと思うんだけど。
- 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 08:17:18.32 ID:aYKabVjpO
『ピンポン』
( ^ω^)「おっ、もう一人の津川さんも来たみたいだお」
('A`)「はいよー、いっらっしゃんせー」
『ガチャガチャ』
( ^ω^)「いっらっしゃんせー」
『ガチャガチャガチャガチャ』
('A`)「あら?」
( ^ω^)「お?」
('A`)「鍵掛けた?」
( ^ω^)「掛けてないお」
('A`)「んー、なんだろ?」
ξ;゚ο゚)ξ「あぁ、もう。デレったら……。引くんじゃなくて押すのよ!」
( ^ω^)(そこかお……)
- 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 08:18:59.41 ID:aYKabVjpO
『パタッ』
ζ(;ー;*ζ「ツンちゃあああん!開かないよー!」
ξ゚听)ξ「まったく、バカじゃないの。引いて開かないなら押しなさいよ」
ζ(;ー;*ζ「だってぇー!!」
ξ゚听)ξ「相変わらずドジね」
('A`)「まぁまぁ、それじゃ全員揃ったことだし、乾杯しますかね」
( ^ω^)「僭越ながら私が音頭をとらせて頂きますお」
( ^ω^)「では、ツン、おっと。津川さんの……」
ξ゚听)ξ「ツンで良いわよ、タマ」
(*^ω^)「おっおっ!ではツンの入居を祝って……乾杯ー!」
('A`) カンパイ
ξ*゚听)ξ「かんぱーい!!」
- 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 08:22:35.86 ID:aYKabVjpO
それから、俺達の宴は夜中まで続いた。
途中、ツンさんが酔っ払ったらしく寝始め
津川さんも心配だからここで寝ると主張し
ブーンは気が付いたら、バスルームの湯船で寝ていた。
とりあえずお湯張りのスイッチを押しておく。
残された俺は、仕方ないのでソファーで寝転がっていたのだが
やはり女性が一つ屋根の下にいるという状況は
精神的によろしいものではなく
なんとなくの寝苦しさから、煙草を吸いにベランダに出た。
まだ秋口とはいえ、外の風は薄手のシャツ一枚には冷たく
足がブルブルと笑いだした。
しかし、そんな冷気に晒された所為か
頭は逆に冴えてくる。
- 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 08:23:54.57 ID:aYKabVjpO
('A`)「お前を殺す、か」
ラブレターもないが、脅迫状を貰った事なんてのも勿論なかった。
('A`)「………」
でも、なんとなく分かったような気がする。
今日の二人を見ていて。
('A`)「どうやって殺されるのかな、俺」
それも良いかもしれない。別に生きてて良かった、なんて感じた事もない。
('A`)「ねぇ、どう思う?」
俺は話し掛けた。
俺の背後、ベランダのガラス越しに包丁持ってこちらを窺っている
どうしようもなくツンさんの事を愛している
('A`)「なぁ、デレさん」
ζ(゚、゚*ζ「………」
- 74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 08:26:20.36 ID:aYKabVjpO
ζ(゚ー゚*ζ「いつから気が付いてたの?」
('A`)「ん、あのファックスがデレさんだと分かったのはついさっきだよ」
ζ(゚ー゚*ζ「そっか、どうして気が付いたの?」
('A`)「俺さ、今まで1人で暮らしてきたから。
掃除とか洗い物とか、その日のうちにやっちゃいたいタイプの人なんだよね」
ζ(゚ー゚*ζ「……なるほどね」
('A`)「先に言っとくけど、その包丁さ。ビックリするくらい切れないからね」
ζ(゚ー゚;ζ「へ?」
('A`)「鶏肉切るのに三時間掛かったからね」
ζ(゚ー゚;ζ「えぇー!」
('A`)「さっき使った包丁が、片付けたらなくなってたからさ
もしかしたら、なんて思ったんだよ」
- 79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 08:28:30.26 ID:aYKabVjpO
ζ(゚ー゚*ζ「……そっか。ドジしちゃったなー。本当はね、ちゃんと買ってあったんだよ」
('A`)「忘れちゃった?」
ζ(^ー^*ζ「そうなの、私ツンちゃんや、お父さんと違ってドジだからさ」
('A`)「あぁ、気にしないでよ。今まで言ったこと全部適当だし」
ζ(゚ー゚*ζ「……どういう事かな?」
('A`)「ほんとはね、あのファックス。君かロマネスクさんだって最初から分かってたんだ」
ζ(゚ー゚*ζ「どうして?」
('A`)「ん、だってさ。あぁ、見てみる?ちょっと待ってね」
('A`) ゴソゴソ
('A`) ハイ
- 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 08:29:29.80 ID:aYKabVjpO
『ツンに手を出すな、お前を殺す』
ζ(゚ー゚*ζ「?」
('A`)「その下だよ」
送信元:津川ロマネスク
('A`)「君ってさ、病的にドジだね」
- 85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 08:32:36.01 ID:aYKabVjpO
ζ(゚ー゚*ζ「……ふふ、うふふ。そうかもね」
('A`)「それに、病的にツンさんの事を愛してる」
ζ(゚ー゚*ζ「悪い?」
('A`)「全然」
ζ(゚ー゚*ζ「でもね、もう終わり。私はこれで終わるから」
('A`)「どうして?」
ζ(゚ー゚*ζ「だって、貴方を殺すんだもん。
私の可愛いツンちゃんを、殺人者の妹にするのは気が引けるけどね」
('A`)「ふーん。じゃあ思いっきり刺してね。
ソイツ、マジで尋常じゃないくらい切れないから」
部屋の中で物音がした。
誰かが起きたのか。
あぁ、ブーンか。やっと起きたのかアイツ。
溺死されたら天国行けないしね。
- 88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 08:35:44.59 ID:aYKabVjpO
ζ(゚ー゚*ζ「大丈夫よ。あと、ついでにあのアザラシちゃんも殺しておいてあげるから」
('A`)「はぁ、でも弱ったな。そのアザラシちゃん、今君の後ろにいるよ」
ζ(゚、゚;ζ「うそっ!?」
('A`)「うん、うそ」
ζ(゚ー゚#ζ ピクピク
あれ、なんか津川さんがピクピクしてらっしゃる。
からかい過ぎたな。
ζ(゚、゚*ζ「もう良い。殺すわ」
そんなに怒らなくても。
―――それにさ
強ち嘘でもないしね。
- 90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 08:37:06.69 ID:aYKabVjpO
『デレッ!!なにしてんのよっ!!』
ζ(゚、゚;ζ「!?」
('A`)「ブーンじゃなくて、ツンさんだったよ。後ろにいたの」
きっと、二人の話し声に目が覚めたのだろう。
珍しく長くしゃべった甲斐があった。
ξ;゚听)ξ「なにしてるのよっ!?」
ζ(゚、゚;ζ「ツンちゃん!?見ないでっ!!」
よしよし、このままツンさんが津川さんを説得して、ハッピーry
ζ(゚ー゚*ζ「死ぬしかない、わ」
('A`)「ちょっと待て」
ζ(゚、゚*ζ「放っておいて。私は死ぬのよ、もう。
ツンにこんなところを見られてしまったら……」
('A`)「思い直せ、よく考えろ。実はそんなに悪い事してなくね?うん、してない。してないね」
- 92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 08:38:55.47 ID:aYKabVjpO
- ξ゚听)ξ「デレは、いつも勝手よね」
ζ(゚ー゚*ζ「ツンちゃんこそ。私に黙って一人暮らしだなんて」
ξ゚听)ξ「ちょっと嫌になったのよ。自分の居場所が欲しくなったの」
ζ(゚ー゚*ζ「私の事、嫌いになったの?」
ξ゚听)ξ「いいえ、大好きよ。でもね、やっぱり一人の時間も欲しかった」
そりゃそうだ。三人だけの家族。
一人だけの姉。
大切に決まってる。
ξ゚听)ξ「だから、“お姉ちゃん”!」
理屈じゃない、のだろう。
ζ( ー *ζ「そっか……」
ζ( ー *ζ「でもね、やっぱり駄目なの。
私はツンちゃんの一番じゃなきゃ、嫌なの」
―――だからね
ζ(^ー^*ζ「最後に“お姉ちゃん”って呼んでくれて、ありがとね」
- 93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 08:40:30.82 ID:aYKabVjpO
- ξ゚听)ξ「え……」
デレさんはそのまま自分の首元へ包丁を―――
('A`)「言ったでしょ、これ半端なく切れないって」
気が付けば、その切っ先は俺の右の掌で止まっていた。
ζ(゚ー゚*ζ「ドクオ君……」
('A`)「大丈夫、津川さん。ツンさんはきっとこの世の誰よりも、君の事が好きだよ」
- 95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 08:42:02.42 ID:aYKabVjpO
('A`) 二人は、『家族』なんだからさ
- 98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 08:43:14.28 ID:aYKabVjpO
('A`)「それに、津川さんもここに住むといいよ。
言ってたよね、ツンさん。鍵とか付けないから、居場所が無いって」
('A`)「ここはオートロックだからね、ツンさんの隣も空いてるし」
('A`)「おいでよ」
『君の居場所、あげるよ』
- 102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 08:46:55.37 ID:aYKabVjpO
- ('A`)「あー、ダルい」
ξ#゚听)ξ「ちょっと!大家さんも手伝ってくださいよっ!!」
('A`)「はいはい」
今日、三人目の入居者が越してくる。
ζ(゚ー゚*ζ「手、大丈夫ですか?」
('A`)「ん、大丈夫ですよ。ほらね」
グーパーを左手で繰り返す。
ζ(゚ー゚*ζ「本当に、先日はすいませんでした」
('A`)「いいですよ、津川さん。俺も収入が増えたし、お互い水に流しましょう」
ζ(゚ー゚*ζ「……ありがとう、ございます」
('A`)「んじゃ、もう一頑張りしますかね。あっ、両手で持つような重さはちょっと……」
ξ#゚听)ξ「だあぁぁあ!ドクオ!男なら頑張りなさいっ!」
賑やかだ、賑やか過ぎる。
きっと、これからもっと賑やかになる。
- 105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 08:48:53.79 ID:aYKabVjpO
( ^ω^)「ドクオ」
('A`)「なんだよ、居たなら手伝えよ」
( ^ω^)「手、大丈夫かお?」
('A`)「ああ?大丈夫だって言ってんじゃん」
( ^ω^)「ポケットに突っ込んでる方だお」
('A`)「ん、ああ。こっちも自家発電出来るくらいにはな」
( ^ω^)「……そうかお」
('A`)「おう」
( ^ω^)『ドクオは相変わらずめんどくさがりで』
('A`)『うるせー、ほっとけよ』
( ^ω^)『それで、ほんの少しだけ優しいお』
('A`)「貴方に居場所を差し上げます」のようです
一話 おわりだよー
- 126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 09:13:36.99 ID:aYKabVjpO
('A`)「はぁ、疲れた」
ξ゚听)ξ「お疲れ様」
ζ(゚ー゚*ζ「お疲れ様でしたー」
('A`)「それで、なに?この状況」
( ^ω^) ズルズル
('A`)「お前に聞いてんだよ。タマ。何食ってんだ」
( ^ω^) チュパチュパ
( ^ω^)「何言ってんだお。引っ越しと言えば蕎麦。蕎麦食ってるんだお」
('A`)「俺が聞きたいのは、どうして俺の部屋か、ってところなんだけどな」
( ^ω^)「堅いこと言うなお。今度言うこと聞いてやるから許せお」
ξ゚听)ξ「にゅるしぇお」
ζ(゚ー゚*ζ「ゆりしぇお」
('A`)「あぁ、許しますよ。もう」
- 127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 09:26:44.70 ID:aYKabVjpO
- 『ピピピ』
('A`)「………」
( ^ω^)「ドクオ、電話だお」
('A`)「いや、出ない。最近電子音には良い想い出がなくてね」
( ^ω^)「じゃあボクが出るおっ!」
('A`)「あっ、ダメ。フラグ立っちゃったら責任とれよ」
『ビー!ビー!ビー!』
ξ#゚听)ξ「うるさいわよ!ドクオ!!」
('A`)「俺じゃないのに」
( ^ω^)『おっ?ジョルジュかお?久しぶりだお。
どうしたんだお?そんなに慌てて。ドクオ?いるお、わかったお』
('A`)「ん、ジョルジュか」
( ^ω^)「だお」
- 129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 09:28:41.13 ID:aYKabVjpO
- ('A`)『ん、あぁ、頼んでた奴ね。あの件なら解決したんだよ。
へ?なんだって?』
『出てくるのであるっ!!うちの娘を誑かした不埒な輩めっ!!』
(#゚∀゚)『だから、ヤバいんだよ!津川ロマネスクって奴はっ!!』
『チャカでもポン刀でも、持って来いやー!!』
('A`)『……みたいだな』
(#゚∀゚)『ヤクザの事務所にガサ入れまくってるブッ壊れた野郎だ!拳銃でも日本刀持ってても勝てないぞ!!』
('A`)『……あぁ、みたいだね』
- 132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/18(日) 09:31:43.13 ID:aYKabVjpO
- ('A`)「どうする?ドクオ」
( ^ω^)「は?」
('A`)「責任とってCG集めしてこい。鮮血エンドだけどな」
(;^ω^)「へ?」
ξ゚听)ξ「行ってらっしゃい、ドクオ」
ζ(^ー^*ζ「行ってらっしゃい、ドクオさん」
( ;ω;)「内藤ですおおおお!!!!!」
戻る 次へ