- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/30(火) 22:43:07.50 ID:ukAQWroO0
- ※※※ブログ20日目※※※
またまた日が開いて申し訳ないです。
色々とごたごたしていて、更新する余裕がありませんでした。
ショボン(仮名)さんの入居が決まったのですが
あまり、こういうブログ等では詳しく言えないちょっとした問題が発生しまして
まぁ、なんとかなるでしょう。
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/30(火) 22:44:51.15 ID:ukAQWroO0
- ※※※ブログ21日目※※※
最近の米欄を見ていると、俺の生い立ちを質問してる方が多くおられますね。
あまり説明することもないんですが
俺は、このアパートで生まれました。
正確には病院ですよ、勿論。
ただ、このアパートで生まれ育ちました。
両親は俺を、世間一般の親達と同じように育ててくれたと思います。
小さな頃は不思議でしたね。どうしてこんな家に住んでいるのか。
実は中学の頃まで、このアパートは借家だと思っていました。
高校になって、両親が亡くなり、弁護士の方から聞いてビックリ。
まわりの部屋に誰も住んでいないのは気になっていたけど、まさかこのアパート自体がうちの所有物だったとは。
それから二十歳になると同時に権利書を渡され、今に至る。
なんという波瀾万丈。
間違いなく伝記が出来る。
ないか。
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/30(火) 22:45:33.50 ID:ukAQWroO0
- ※※※ブログ22日目※※※
きた、なにが来たってトラブルに決まってんだろ。
なんで俺の周りにはトラブルを引っ張ってくる人しか居ないんだろうね。
というわけで、また更新滞ります。
きっと。
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/30(火) 22:46:49.26 ID:ukAQWroO0
- 『……問おう、貴方が私のマスターか』
(つA`)「……zzz」
『……貴方が、私のマスターか?』
そこは、丘だった。
昔だったかもしれない。
もっと遠い未来だったのかもしれない。
安住の地だったのかもしれない。
かつての戦場だったかもしれない。
無数の剣が刺さる、その丘の上に
一人、凛と佇。
『……問おう』
( ^ω^)「貴方が、私のマスターか?」
( ^ω(メ)σ('A`#)「てめぇーか、こらああぁぁああ!!」
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/30(火) 22:48:02.05 ID:ukAQWroO0
('A`)「まぁ、この始まり方は慣れたけどな」
( _ひ)「……また、そんなメタ的発言を……」
('A`)「あ、なんだよ。その判定敗けした元WBCチャンピオンみたいな顔」
( _ひ)「………」フンッ
( ^ω^)「……」ツルツル
('A`)「ところで、なんで来たんだよ。こんな朝っぱらから」
( ^ω^)「一限から必修だお、だから起こしに来てやったんだお」
('A`)「あれ、でもあのクソ迷惑なクソ姉妹がいるでしょ」
( ^ω^)「津川姉妹はサークルの合宿だお。一昨日聞いたじゃないかお。
あと、二重尊敬みたいなかんじで侮蔑するのやめろ」
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/30(火) 23:19:52.79 ID:ukAQWroO0
- 津川姉妹と言うのは、二週間くらい前から、うちのアパートに入居した二人の双子の美人姉妹だ。
妹の方は最近知ったのだが、必修の授業が結構俺と被っているらしく
凄く、なんというか
ξ゚听)ξ『あら、ドクオじゃない。一緒に授業いくぞ、こら』
付き纏われる。
('A`)「それで、久々に豚が起こしに来たわけだ」
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/30(火) 23:20:51.71 ID:ukAQWroO0
- ( ^ω^)「まぁ、そんなところだお」
('A`)「こんなクソ眠いのに、ただ揺すられただけで起きちまうなんてな」
( ^ω^)「ツン達の努力の結果だお」
('A`)「習慣ってのは、恐いねー」
( ^ω^)「はいはい、ブツブツ言ってないで行くお」
gdgd言っても、この幼なじみは折れてくれない。
案外、こう見えてコイツは、一本筋の通った物を持っている。
それを俺は知っていた。
('A`)「おっ、ショボンさん」
(´・ω・`)「やぁ、おはよう。ドクオくん、ブーンくん」
( ^ω^)ノ「おはよーだおー」
- 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/30(火) 23:21:33.18 ID:ukAQWroO0
- (´・ω・`)「君達は今から学校なんだろ?」
('A`)「そうですね、一限に必修が入ってるんで」
( ^ω^)「必修だから行く、みたいな言い方するなお」
(´・ω・`)「ははは、まぁ大学生の本分は、“如何に効率よく遊ぶ”と“その過程でやりたい事を見付ける”だからね」
('A`)「おい、豚。ここ試験に出るぞ、メモしとけ」
( ^ω^)「あいよ、子泣きジジイ」
('A`)「……」
( ^ω^)「……」
('∀`)「HAHAHA!!!!」(^ω^ )
( ^ω^)「じゃあ、お互いをエグり合ったところで学校いくお」
('A`)「刺し違えただけだったな」
(´・ω・`)つ「まぁ、元気だしなよ。ほら、お兄さんが良いものをやろう」
('A`)「あっ……なんですか?オジサン」
( ^ω^)「ありがとうございます、オジサン」
(´・ω・`)「オジサン泣いちゃうよー、良いのかなー」
- 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/30(火) 23:22:31.34 ID:ukAQWroO0
- ('A`)「つか、なんですか?これ……」
(´・ω・`)「今日は、ツンデレ姉妹が居ないからね。朝食を食いっぱぐれるんじゃないかと思ってさ」
( ^ω^)「ネ申降臨」
('A`)「サンドイッチですか?」
(´・ω・`)「あぁ。まぁ通学の途中にでも片手間で食べておくれよ」
('A`)「ありがとうございます」
(*^ω^)「ありがとだお!!ショボンさん!」
(´・ω・`)「うん。じゃあ楽しんでおいでね。それとこれも持ってお行き」
('A`)「おっ、コーヒータンプラー」
(´・ω・`)「最近はめっきり寒くなってきたからね。コーヒーの煎れ方は独学だから味は保証出来ないけど」
( ^ω^)「もう、ショボンさん嫁に欲しいお」
('A`)「いや、俺が貰うから」
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/30(火) 23:24:32.83 ID:ukAQWroO0
- ショボンさんの差し入れを片手に、歩き始める。のは良いのだが。
随分前に買った細身のジーンズに、単色のパーカーを一枚、それが今日の俺の格好だった。
('A`)「寒い」
( ^ω^)「そりゃそうだお」
('A`)「今だけは、お前の腹巻きが羨ましいよ」
( ^ω^)「自前の腹巻きだお!」
('A`)「贅肉だろ」
( ^ω^)「……まぁ、そうだお」
もう10月になるのだし、確かにパーカー一枚というのは無理のある気温になってきた。
俺としては、別にパーカーが好きなわけではないのだが
なんというか、重ね着が嫌いなのだ。
冬になれば、重ね着も止む無し。
それは分かっているのだけれど
このくらいの気温ならまだ大丈夫、のはず。
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/30(火) 23:25:14.51 ID:ukAQWroO0
- / ,' 3「……」
('A`)「お、荒巻さん。行ってきます」
( ^ω^)「おっ!行ってきますお!」
当初は不安だった荒巻さんの入居も、蓋を開けてみればビックリ。
すごく働き者なのだ。
それに仕事が速い。
まぁ、洗濯と掃除に限るのだが。
('A`)「さてと、一限目はなんだっけかな?」
( ^ω^)「バルケン爺だお」
('A`)「……あれ、一気に俺のモチベーションが」
( ^ω^)「バル爺は、本当に容赦ないから、遅刻出来ないお」
('A`)「分かってんよ」
はぁ、憂鬱だ。一気に憂鬱だ。
俺、この右手に握られてる温かなコーヒーとサンドイッチが無かったらサボってたな。
絶対。
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/30(火) 23:26:27.23 ID:ukAQWroO0
- さて事件が起きたのは、その日の帰り道。
('A`)】「……誰?」
『あぁん?誰?じゃないわよ!!なんでアンタ、私の電話番号、登録してないのよっ!!』
('A`)】「……」
( ^ω^)「どうしたお?ケータイ握ったまま固まって」
('A`)】「うん、多分きっと、お願いだから間違い電話であって欲しい」
( ^ω^)「すげぇ日本語だな」
『だからっ!!ツンよっ!!っていうかねぇ!声で気付きなさいよ!!!』
('A`)】「……あぁ」
( ^ω^)「ツンかお」
『今日帰るんだけど、晩ご飯作っててくれない?』
('A`)】「あっ、うん。俺は自炊だから、勿論作るけど?」
『だからぁ!私とお姉ちゃんの分もよっ!!』
- 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/30(火) 23:27:29.41 ID:ukAQWroO0
- ('A`)】「……まぁ、良いけど」
『……なによ、えらく素直ね』
('A`)(いつも朝飯、ご馳走になってるしね)
『それじゃ、今夜には帰るから』
('A`)】「うん。じゃあ」
( ^ω^)「なんか、大変そうだお」
('A`)「仕方ない、朝飯いつも食わして貰ってるからな」
( ^ω^)「んじゃ、ブーンも今日はドクオの家で食べるお」
('A`)「半分だせよ」
( ^ω^)「……ケチくせぇ」
('A`)「1人で五人前平らげる君には言われたくない」
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/30(火) 23:28:34.43 ID:ukAQWroO0
- ( ^ω^)「ところで、ドクオ」
('A`)「……なんだよ」
( ^ω^)「ケータイ貸せお」
('A`)「なんで?」
( ^ω^)「ブーンの番号、ちゃんと登録してるのか無性に心配になった」
('A`)「……当たり前( ^ω^)『今、確実に間があったお』……はい、すいません」
この電話が転機だったのかもしれない。
この日、ツンデレ姉妹が帰ってこなければ。
この日、俺が足りない食材を買いにスーパーに寄らなければ。
あの子と出会うことも、きっと無かったのだろう。
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/30(火) 23:29:15.17 ID:ukAQWroO0
―――そいつは、俺達が家に向かって帰る途中に現れた
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/30(火) 23:29:55.99 ID:ukAQWroO0
- 『パパー、パパー……』
('A`)「ん、迷子か?」
( ><)「パパー、パパー」
そこには、6歳くらいの小さな子供がいた。
顔は中性的で、幼さと相まって、性別が分からない。
そして、次の瞬間。驚くべき事が起きた。
(*><)「パパー!」
その子が俺に向かってダイブ、いや、飛び付いて来たのだ。
('A`)「あーれーーー」
俺のもやしっ子っぷり、そしてこの不意討ち。
俺が後ろに倒れる事は、確定的に明らかである。
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/30(火) 23:31:56.75 ID:ukAQWroO0
- ( ><)「……ぱぱ?」
俺を押し倒してくれた子供が、心配そうに俺を見下ろしていた。
ごめんね、情けないパパで。
っていうか
(゜A゜)「パパちゃうわっ!!!!」
( ^ω^)「ドクオ、ブーンは君との付き合い方を本格的に再考する時が来たと感じているのだが」
('A`)「安心しろ、お前が思ってるようなことは一切ない。俺は混じりけのない純潔だ」
- 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/30(火) 23:32:53.01 ID:ukAQWroO0
- ( ><)「パパ?」
未だ心配そうに見つめる、その子に
苦手な笑顔を死ぬ気で作り『大丈夫だよ』と言った。
(*><)「! パパ、すきー!」
子供は単純だ。それだけでみるみる内に表情が変わり、満面の笑顔になった。
その純粋さが、俺は嫌いでなかった。
でも、これだけは言わせてほしい。
('A`)「んー、でも俺は君のパパじゃないよ?」
( ><)「ぶぅー、パパなんです!」
この問答を繰り返す事5回。
この子は、どうしても俺にパパになって欲しいようだ。
('A`)「どうしたもんかな」
( ^ω^)「交番に連れていってあげるしかないお。後は優秀な我が国の警官が、この子の本当のパパを見付けてくれるはずだお」
('A`)「そーだな。そうするか」
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/30(火) 23:42:56.38 ID:ukAQWroO0
- 俺はその子を連れて、駅前にある交番に向かった。
途中、いやに気温が下がってきたため
都合よく空いていた、この子の右手をカイロ代わりにして。
('A`)「そういえば、名前は?」
俺とした事がスッカリ忘れてしまっていた。
俺の左手を握りながら満面の笑みを浮かべている、この子の名前を俺はまだ知らなかった。
(*><)「ビロード!ビロードなんです!!」
元気よく俺の質問に答えてくれたビロード。
なにが嬉しいのか、そのまま右手を―――つまり俺の左手も―――ブンブン振り回した。
( ^ω^)「ビロードは何歳だお?小学校にはもう行ってるのかお?」
すると、ビロードは今度は首をブンブンと振り
(*><)「ビロードは来年から小学生なんです!」
と答えた。
なるほど、つまりこの子の年齢は5歳か6歳って事だね。
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/30(火) 23:47:08.10 ID:ukAQWroO0
('A`)「今日はお父さんとお出掛けしてたの?」
(*><)「パパはいるんです!」
ギュッと抱きつかれた。
俺は子供を生んだ覚えも、子供を産むためのプロセスを踏んだ覚えもない。
( ^ω^)「童貞って言えお」
('A`)「せめて純潔にならないかしら?」
(*><)「パパ!見つけたんです!!」
とまぁ、こういう脈絡のない会話をしているうちに、交番の前に着いたわけだが。
('A`)「留守……だと……」
この話は、そう簡単には終わらないようだ。
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/30(火) 23:49:10.53 ID:ukAQWroO0
俺とブーンは駅前の交番の呆然としていた。
だって考えてみて欲しい。
例えばここに、チンコを丸出しにして女の子に迫る不届き者がいたとする。
( ^ω^)
そして、ソイツはか弱い女の子に、自らの一物をチラつかせてこう言うのだ。
( ゜ω^)「オチンチンビローンwwwwwwwwww」
('A`)「犯罪者だー」
( ^ω^)「ブーンを勝手に犯罪者にするなお」
('A`)「俺が言いたいのは、交番に警察が不在だなんて緊急性の( ^ω^)『ブーンが言いたいのは、状況を想像する時に、犯罪者役にブーンを据えるなって事だお』……すいませんでした」
その時、ビロードの顔色が変わったのを俺は見逃さなかった。
なにかに怯える目。
キョロキョロと定を得ない視線。
- 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/30(火) 23:51:32.98 ID:ukAQWroO0
- 一体何が、そう考えていると元凶と目が合った。
( ^ω^)「……なんだお?」
('A`)「……」チラッ
(;^ω^)「ちょ、なんで目を逸らしたんだお!!」
('A`)「……記念に握手してください」
(;^ω^)「勘弁してくれお!犯罪予告スレとか立てた事ないお!!」
しかし、正直ここ以外の最寄りの交番、と言われても、俺には心当たりがない。
('A`)「とりあえず、家に戻る。ジョルジュにこの子の親の住所を調べてもらって、直接送り届ければ良いだろう」
( ^ω^)「一歩間違えれば犯罪だお?」
('A`)「八人分の食材がパンパンに詰まったスーパーの袋を持ったまま、この子の親を探す方が地獄だよ。俺からすれば」
( ^ω^)「……じゃあ一旦戻るお」
それでも、少し心配そうなアザラシを見て
('A`)「大丈夫、名前が分かってればすぐに見つかるよ。時間が掛かりそうなら、仕方ないけど警察署まで連れていこう」
と、加えて言った。
(*><)「おうち!おうち!!」
さっきまで不安そうな顔をしていたビロードも、いつの間にかまた満面の笑みに戻っていた。
- 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/30(火) 23:52:47.72 ID:ukAQWroO0
『あぁ、だからさ。児童相談所に連絡したら一発だったよ』
そんな電話が掛かっていたのは、俺が8人分の夕食の準備を終え、なかなかブーンに懐かないビロードを眺めていた時だった。
- 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/30(火) 23:54:41.28 ID:ukAQWroO0
- (;^ω^)「ぶっ、ブーンがパパじゃ駄目なのかおっ!?」
(#><)「ダメ!ダメなんです!!」
( ;ω;)「うおーん!!!!」
ξ゚听)ξ「煩いアザラシね。ビロードが怒ってるじゃない」
帰ってらしたんですね、ツンさん。
出来たらチャイムを鳴らして欲しかったです。
ξ゚听)ξ「あら?忘れてたわね。じゃあちょっと行ってこようかしら」
('A`)】「入ってから鳴らしても意味ないだろjk……それで、ジョルジュ。もう一度、詳しく頼む」
- 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/30(火) 23:57:34.96 ID:ukAQWroO0
- 『だから、伊藤ビロード。つまりビロードちゃんは、母親から日常的に虐待を受けている恐れがあるんだ』
『児童相談所が報告を受けたのは2年前。その子の父親が病死してから暫くして、夜中にビロードちゃんを叱る声と、ビロードちゃんの泣き声が聞こえると近所から連絡があったらしい』
('A`)】「……」
『それからもう暫く経って、幼稚園の先生がビロードちゃんの身体の至る所に痣があるのを発見。
児童相談所に連絡すると同時に、母親から事情を聞くも、母親は【教育方針】のゴリ押しだそうだ』
('A`)】「成る程ね」
『まぁ、色々と調べてみたら結構母親も可哀相なんだよな。若い時に子供を産んで、そしたら父親が病死。
結婚後の為にと貯めておいた貯金も、その治療の為にと泣く泣く切り崩して』
('A`)】「結局父親は助からなかった、と」
『まぁ、そうだな。それで母親は夜のお仕事ってパターンだ。やりきれないな』
('A`)】「そっか。了解、ありがと」
『今まで、お情けで、夫の社宅に住まわせて貰ってたみたいだったんだが。
こんな時代だしな。つい昨日追い出されたらしい。その時にハグれたみたいだな』
『児童相談所から母親に出来るだけ早く連絡するってさ。
多分母親がお前のとこに引き取りに来ると思うから。住所伝えちまったけど、この場合は良いよな?』
('A`)】「あー、充分だよ。ありがと」
- 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/30(火) 23:59:24.83 ID:ukAQWroO0
- さて、なんだか穏やかじゃないな。
( ;ω;)「どーしてブーンをパパとして認めてくれないんだお」
(#><)「わかんないんです!!」
俺の隣でちょっと早めの親娘喧嘩をしているアザラシを眺めて、今日何度目とも分からない溜め息を吐いた。
('A`)「おい、ブーン。風呂沸いてるから入ってこい」
( ^ω^)「おっ、今日はボクが先なのかお?いつもは、ブーンが入った後は湯が少ないって怒るお?」
('A`)「ん、まぁ良いから。入ってこいよ」
( ^ω^)「おっ、勧められたもんは受け取らない訳にはいかないお」
('A`)「夕食前に風呂とか贅沢だけど今日は特別だ、さっさと行けよ、豚」
( ^ω^)「優しくするのか、けなすのか、どっちかにしろお。対応に困るお」
('A`)「後が詰まってんだ、早くしろよブタ野郎」
( ^ω^)「後者なんだな、この野郎」
- 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/31(水) 00:01:47.72 ID:ci1jhflL0
- (*^ω^)「じゃあビロードもブーンと一緒にお風呂に行くお!」
( ><)「………」
子供っていうのは凄く純粋な生き物だ。
大人びた子や、自分の気持ちを口に出したり表現するのが苦手な子。
そんな子達でも、顔の表情だけは素直に現れる。
ビロードも例外ではない。
その顔はどう見ても、歓迎的な物ではなかった。
('A`)「アホか、湯船にお前が入って、どこにビロードが入る余裕がある?早く行け」
( ^ω^)「……はい」
さて、邪魔者がいなくなった所で
ξ゚听)ξ「………」
あ、そいえばいらっしゃったんですね。
『ツンちゃーん!』
ξ;゚听)ξ「………」オロオロ
逃げてきたな、こいつめ。
- 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/31(水) 00:03:23.99 ID:ci1jhflL0
- 『一緒にお風呂はいろー♪』
('A`)「………」
ξ;゚听)ξ「……」
('A`)「行ってらっしゃい」
ξ;;)ξ「……はい」
さて、これで本当に邪魔者は居なくなった。
ゆっくりとビロードちゃんの話も聞ける。
と言っても、俺の聞きたい事はただ一つだけだった。
- 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/31(水) 00:04:04.76 ID:ci1jhflL0
('A`)「ねぇ、ビロード」
( ><)「なんですか」
――――ビロードは、お母さん好きかい?
- 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/31(水) 00:07:02.00 ID:ci1jhflL0
- 数十分後、水浴びしたアザラシが出てきた。
(*^ω^)「さっぱりしたお!ご馳走様だお!」
('A`)「ん、じゃあツンさん達呼びに行ってきてくれ」
( ^ω^)「了解だおー」
『ガチャガチャ』
あら、豚にしては仕事が早いな。
ξ#゚听)ξ「最悪よ!!!!」
そこには、般若のような顔をしたツンがいた。
ζ(゚ー゚;ζ「ごめんねー、まさか湯沸し器が壊れてるなんて思ってなかったから……」
成る程、この季節にお湯だと思って冷や水だった時の衝撃たるや想像に難くない。
ツンが激怒している原因はコレか。
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/31(水) 00:09:02.68 ID:ci1jhflL0
- ξ゚听)ξ「湯船借りるわよ。沸いてるんでしょ」
('A`)「……へぁ?」
ξ゚听)ξ「こんなんじゃ風邪ひいちゃうもの。何か文句ある?」
('A`)「ないです」
ζ(゚ー゚*ζ「あっ、わたしもー」
ξ゚听)ξ「ビロード!アンタも入るわよ!来なさい」
(;><)「えっ、えぅ、わかんないんです!」
ξ゚听)ξ「風呂に入るのよ、来なさい。ドクオ、ビロードの着替え、用意しときなさい」
('A`)「イエス マム!」
しかし、これはこれで好都合かもしれない。
何故なら、ジョルジュの連絡から考えて、そろそろ
『ピンポーン』
('A`)「お、来た来た」
ビロードの母親が来る頃だからだ。
- 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/31(水) 00:09:58.77 ID:ci1jhflL0
('、`*川
- 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/31(水) 00:11:16.93 ID:ci1jhflL0
- その人を初めて見た時、俺が感じたのは
素直に、化粧の濃さだった。
特に目もとから目尻にかけて、たっぷり塗りたくられたアイシャドーは
目を覆いたくなる程だった。
なんというか、化粧で逆に年を食ってるように見える。
勿論、生まれてこの方毒男を続けてきた俺に、女性の身嗜みについての知識なんて物は存在しない。
しかし、それでも分かってしまう程なのだ。
('、`*川「初めまして、ペニサスと言います……ごめんなさい、うちのビロードが迷惑を掛けたみたいで」
('A`)「いえいえ、初めまして。俺はドクオと言います。このアパートの大家をしてます」
('、`*川「そうですか」
いかにも興味なさげ。というか、疲れてるのかな。
なんというか無気力、これが彼女の形容詞に一番合っている気がする。
('A`)「ビロードは今、俺の友人にお風呂に入れてもらってます。悪く思わないで下さい。ビロードが何故か、凄く懐いてくれたので、色々とお節介を焼いてしまいました」
('、`*川「そう、ですか。では、外で……」
('A`)「いえいえ、中にどうぞ。都合友人が居ますが、お気になさらずに。アザラシの剥製が置いてあるとでも思っていて下さい」
('、`*川「あ、はい」
- 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/31(水) 00:12:08.36 ID:ci1jhflL0
- とりあえず、俺の部屋に上がってもらう。
( ^ω^)「おっ、ビロード君のお母さんかお?」
('、`*川「……喋った……剥製が」
( ^ω^)「てめぇ、またいらん事言っただろ」
('A`)「記憶にございません」
- 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/31(水) 00:13:46.14 ID:ci1jhflL0
- ―――それでですね
俺は、こう切り出した。
('A`)「ビロードへの虐待についてちょっとだけ聞きたい事があって」
場の空気が凍っていくのが分かる。
あー、ヤバい。ちょっと癖になる。
( ^ω^)「なんの冗談だお?虐待?」
('、`*川「………」
('A`)「いや、冗談じゃないよ。虐待、ビロードの腕に痣あったじゃん。見なかったの?」
( ^ω^)「……失念してたお」
今度は一気にダークになった。
俺としてはブーンにまで、こういう空気になられると困ってしまうのだが。
('、`*川「教育方針よ、アンタ達ガキが口を挟む必要ないわ」
とまぁ、こう返されるのは火を見るより明らかで。
(#^ω^)「バカかお!あんなちっさい子に手を上げたのかお!!」
と、こちらもこうなっちゃう訳です。
- 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/31(水) 00:14:41.14 ID:ci1jhflL0
- ('A`)「まぁまぁ、落ち着けって」
ブーンはすぐに熱くなる。直情家なんだ。
( ^ω^)「ボクが落ち着くのは、この目の前の奴がビロード君にごめんなさいする時だお」
そんな時のコイツは正直言って手に負えない。
一度、自分の物差しで間違っていると認識すれば、本当に、驚く程折れないのだ。
('A`)「お前な、他人の事情('、`#川『アンタみたいなガキに何が分かるっていうのよ!!!』……あっ、すいません。俺じゃないんですよ」
無気力、そう思っていてペニサスさんが吠えた。
それは俺だけでなく、隣のコイツにも少なからず影響して
( ^ω^)「……」
これでやっと落ち着いて話が出来る。
そこで、ブーンにジョルジュから聞いた伊藤家の家庭事情を掻い摘んで聞かせた。
('A`)「納得、出来てないよね」
( ^ω^)「勿論だお」
('、`*川「………」
ただ、少し落ち着いたのか、ブーンは静かになった。
- 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/31(水) 00:15:22.70 ID:ci1jhflL0
- ('A`)「俺達はただの他人です。俺達には、ペニサスさんの虐待を咎める権利もなければ、罰する権利もない。
でも今日一日、ビロードのパパ代わりをしたんだ」
('、`*川「………」
('A`)「少しだけ、お話を聞いていいですか?」
('、`*川「……」
ペニサスさんは、小さく、一度だけ頷いた。
- 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/31(水) 00:16:47.08 ID:ci1jhflL0
- *************************************:
夫は優しい人だった。真面目で、今まで贅沢なんてした事ない、なんて話してたわ。
私は当時20歳で高校にも行かず、就職もせずに遊び歩いてる時に出会った。
最初は興味本位でからかってただけなんだけど、いつの間にか本気で好きになっちゃって。
私が、強引に押し切って結婚。
すぐにビロードが生まれて、私が子育て、彼が仕事って過ごしてたの。
確か二歳って言ったら、お乳を飲まなくなった頃ね。
愛くるしくて、本当に可愛かった。
全部順調だったのにね。
夫が倒れるまでは。
- 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/31(水) 00:18:16.18 ID:ci1jhflL0
- 私は必死に看病したわ。出来る限りの事はしたつもり。
子供が大きくなったら挙げようって言って貯めていた結婚預金も全部潰して、出来る限りの事をしたわ。
それでも駄目だった。
それから暫く、なんとか生活してたんだけどね。
そろそろ、本当に不味いと思って夜の仕事をする事にしたの。
その頃からかな。
ビロードがパパを探すようになったのは。
( ><)『ママ!パパはどこですか!!』
('、`*川『あははー、パパかー。どこだろね、ビロードが探してきてよ』
(*><)『はいっ!』
その子供故の純粋さが。
純粋故の残酷さが。
('A`)「なるほど」
辛かった。
- 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/31(水) 00:20:02.09 ID:ci1jhflL0
- ('、`*川「それから少しずつ、手を上げる事が多くなってきたわ」
( ^ω^)「……だから、ビロードはドクオをパパと呼んでたんだおね」
('A`)「……みたいだな」
『ガシャン』
風呂場の方から凄い音が聞こえた。
ビロードがはしゃいで遊んでいるのだろうか。
ふぅ、ペニサスさんが一気に息を吐いた。
('、`*川「これだけよ。もう話すことはないわ」
('A`)「………」
静寂、どうしようもない静寂が辺りを包む。
半人前の俺やブーンではどうしようもないのだ、と
ペニサスさんが目で語っていた。
俺としては一つ、切り札があるのだけれどそれを今明かして良いものか。
('、`*川「じゃあそろそろビロードも出るだろうし、お暇させて『アンタがビロードの母親?』? っていうか貴方こそ誰よ?まぁ良いわ。そう、私が母親よ」
- 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/31(水) 00:23:34.26 ID:ci1jhflL0
- 次の瞬間、耳を塞ぎたくなるような怒声。
ブーンの他にこんな声量を持つ人物は、このアパートに一人しか居ない。
ξ#゚皿゚)ξ『ふっざけるんじゃないわよおおぉぉおおお!!!!!』
そういうとツンは、ペニサスさんの頬を思い切りぶった。
ξ#゚皿゚)ξ「アンタ、バカじゃないの!?自分の都合で、自分の子供を傷つけて!!おまけにアンタ自身を傷ついて」
やられた。俺やブーンに分からなくても、まだ居たじゃないか。
男手一つで育てられ、そして家族の大切さを誰よりも知ってる人が。
ξ#゚听)ξ「なによ、その不幸顔。父親の愛情も知らないで、母親からの愛情も知らないで育とうとしてるビロードの方がよっぽど不幸よ!!」
('、`*川「………」
この一言は文句なく効いたはずだ。
ペニサスさんはビロードが憎いわけじゃない。
それを俺は知っている。
- 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/31(水) 00:24:24.28 ID:ci1jhflL0
- >>64 訂正 ξ#゚皿゚)ξ「アンタ、バカじゃないの!?自分の都合で、自分の子供を傷つけて!!おまけにアンタ自身“も”傷ついて」
- 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/31(水) 00:26:18.80 ID:ci1jhflL0
- **************************************
('A`)「ねぇ、ビロード」
( ><)「なんですか」
――――ビロードは、お母さん好きかい?
(*><)「大好きなんですっ!!」
****************************************
- 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/31(水) 00:28:24.77 ID:ci1jhflL0
- ('A`)「ツン、ビロードはちゃんと知ってるよ。お母さんの愛情をさ」
ξ゚听)ξ「……ふん、私だって分かってるわ」
('、`*川「……」
ξ゚听)ξ「あの子、思春期の女の子みたいにタオル巻いてお風呂に入ってきたのよ」
( ^ω^)「………」
なるほど。それで、気が付いたのか、ツンは。
ξ゚听)ξ「無理やり剥ぎ取ったら痣だらけでね、どうしたのって聞いたら少しだけ話してくれて」
ξ゚听)ξ「そしたら居てもたってもいられなくなって、飛び出してきたの」
うん、飛び出してきたのは良く分かりますよ。貴方の格好を見れば嫌でも。
ξ゚听)ξ「それで、どんな馬鹿親か見てみたら、本当に馬鹿親でビックリしたわよ。
そのアイシャドー、目のクマを隠すためなんでしょ?」
('、`*川「………」
無言の肯定。
- 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/31(水) 00:30:59.52 ID:ci1jhflL0
- ξ゚听)ξ「男なら気が付かないかもしれないけどね。
貴方みたいに綺麗なのに化粧が濃いのは肌荒れかクマを隠すためって相場は決まってんのよ」
ξ゚听)ξ「寝ずに子供のために働き続けるような母親が、子供に暴力なんて」
―――馬鹿以外に言い様がないわ
と、ツンは言った。
そして、ペニサスさんは泣いた。
(;、;*川「………」
涙で、アイシャドーが落ちるのも忘れて泣いた。
('A`)「ペニサスさん、やり直しって、案外いつでも出来るものだよ?」
(;、;*川「でも……私達にはもう……。夫のお陰で借りれていた社宅からは追い出されて、行く宛てもないし」
ありがたい。ここだね、俺の切り札の出番は。
- 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/31(水) 00:32:02.60 ID:ci1jhflL0
『ここに、住まない?』
- 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/31(水) 00:33:29.05 ID:ci1jhflL0
- ('、`*川「え?」
('A`)「うちのアパート、まだまだ空き部屋があるし、取り敢えず、二人の生活が安定するまで家賃は良いよ」
('、`*川「え、でも……」
信じられない、そんな顔だった。
('A`)「おいでよ、俺達でビロードの面倒見れることもあるだろうしさ」
- 74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/31(水) 00:34:13.45 ID:ci1jhflL0
('A`)「貴方達に居場所を差し上げます」
- 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/31(水) 00:39:16.48 ID:ci1jhflL0
- ペニサスさんは、ありがとう、そう一言だけつぶやいた。
騒がしかった部屋に再び静寂が訪れる。
だけど、今度はいやに静寂ではなかった。
これにて、一件落着と、俺はすぐにでもこの部屋を出ていきたかった。
いや、出ていかないと、本当に殺されそうだ。
出来れば今のうちに―――――
/ ,' 3「………」
あ、あれ、荒巻さん。いつのまに。しかも、その手にあるのはバスタオル。
まさか。
- 81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/31(水) 00:44:22.89 ID:ci1jhflL0
- 荒巻さんは、そっとツンさんの後ろからバスタオルを掛けた。
いや、良い仕事はしてるんだよ?でも如何せん、俺が退避してからに。
次の瞬間、三度に渡って静寂が破られる。
ξ///)ξ「みっ、みるなああぁぁぁああああ!!!!!!!」
ツンさんが裸で絶叫した。もう爆発する勢いで。
- 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/31(水) 00:49:44.36 ID:ci1jhflL0
- こうして、このアパートにまた新しい住人が増えた。
可愛い女の子と、ナチュラルメイクが似合うお姉さまだ。
また少し、騒がしくなったような気がする。
でも、これで良いんだ。
俺のだけの城は、俺だけのものではなくなってしまったけれど
これで良い、そう思える人達と出会えたから。
三話 おわりん
戻る 次へ