エルの翼のようです

50 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 00:36:22 ID:Cutci4yc0
翌日、昨日と変わらず晴天で青空が広がっていた。

( ^ω^)「おはようですお」

ζ(゚ー゚*ζ「おはようブーン君」

寝室を抜け、僕はデレさんに挨拶をした。
収穫祭の日は、僕は家に帰らず教会で寝泊りをしている。

ζ(゚ー゚*ζ「朝御飯できてるから、いっぱい食べてね」

( ^ω^)「ありがとうございますですお」

台所に向かい、パンを手に取り頬張る。
そして、野菜のスープを一掬いし味わう。

ああ、デレさんの作る料理はおいしい。

51 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 00:37:30 ID:Cutci4yc0
朝食を終えた僕は、手袋を手にはめ広場へと向かう。
昨日はあんな事が起きてしまったため、収穫は全然進んでいない。
それよりも気になることは天使だ。
もう目を覚ましたのだろうか?

( ´曲`)「あー、今日も集まってもらって感謝してるっテナー」

( ФωФ)「…………」

( ^ω^)「…………」

僕も含め、皆が無言で村長の話を聞いていた。
恐らく皆が気になっている事はただ一つだろう。

( ´曲`)「では、今日も一日がんばって欲しいっテナー」

( ФωФ)「待て、天使はどうなったのだ?」

( ´曲`)「ワカッテマスに聞いたが、まだ目を覚まさないらしい
      だから、安心して収穫に励んで欲しいっテナー」

(;´_ゝ`)「安心しろと言われても……ねぇ?」

l从・、・;ノ!リ人「妹者は不安なのじゃ」

(;^д)「わ、私も……」

(;´曲`)「皆の不安はよく解る。
      だが、ベリーの収穫はこの村の財政を左右する程の行事だっテナー!
      だからなんとか収穫作業を続けて欲しいっテナー」

52 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 00:38:25 ID:Cutci4yc0
(,,゚д)「じゃあ、俺たちも収穫に参加していいですか?」

(;´曲`)「お前等は門番の仕事があるだろう」

(´゚Д゚)「…………」

(#゚;;-)「ちゃんと仕事するので安心してください村長」

(´゚Д゚)「タカナ……兄ちゃんの分までがんばってくれよ」

(;^д)「う、うん……」

( ´曲`)「んじゃ、収穫を開始して欲しいっテナー」

「…………」

皆、様々な表情を浮かべて東の森に向かっていく。
きっと、天使が目を覚ました時の事を考えているのだろう。

53 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 00:39:19 ID:Cutci4yc0
もし、天使が凶暴だったら。
もし、ワカッテマスさんが天使の機嫌を損ねたら。
もし、収穫中に村が滅ぼされたら。
もし、もし、もし、もし…………

( ФωФ)「ブーン、大丈夫か?」

(;^ω^)「あ、はい! だ、大丈夫ですお」

( ФωФ)「そうか、不安そうな表情を浮かべていたからな」

(;^ω^)「申し訳ないですお……天使の事を考えていて」

( ФωФ)「……不安か?」

(;^ω^)「はいですお」

(;ФωФ)「我輩もだ。
        この年になって、こんな厄介事に巻き込まれるとは思わなんだよ」

僕もこの年で天使に会うだなんて思ってもみなかった。
それは不幸な事なのだろうか?
それとも、ワカッテマスさんが言うように恩返しをしてくれて幸せな事になるのだろうか?

いや、考えていても始まらない。
僕は天使の事を一時的に無理やり頭から追い出し東の森へ走っていった。

54 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 00:40:14 ID:Cutci4yc0
( <●><●>)「…………」

診療所の中、ワカッテマスは目の前のベッドで眠る天使を見つめていた。
朝、目を覚ました時には既に居なくなっているか、天使に殺され永遠に目を覚まさないかと思っていたが、
予想は両方とも外れた。

少なくとも既に居なくなっていたのであれば、彼は今東の森で収穫を手伝っていただろう。
しかし、目の前に天使が居る以上、彼はここから離れることはできないでいた。

( <●><●>)(はたして、この天使は目を覚ますのでしょうか?)

椅子から立ち上がり、眠る天使の顔を覗き込む。
寝息一つたてずに眠る天使の顔に朝日が差し込む。
その人外の美しさに心を奪われかけるが、布団をずらし天使の怪我を見る。

( <●><●>)(昨晩も確認をしましたが、やはり怪我の原因はハーピーであって間違いないでしょう)

腹部の爪あと、体の引っかき傷。
これ等しか外傷がない事を再度確認し、布団をかける。

( <●><●>)(私の推測通り、天使は弱いのでしょうか?
        それとも、本調子ではなかった?
        あるいは病を患っていた?)

顎に手を当て、思いつきそうなことを片っ端から考える。

( <●><●>)(ワカリマセンね……こればっかりは本人に聞かないと)

再度天使の顔を見、ワカッテマスは椅子に腰をかけた。

55 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 00:41:10 ID:Cutci4yc0
( <●><●>)(もう3時ですか)

ふと、時計を見た時には既に午後3時を迎えていた。
昼食を取ったのがつい先ほどに感じられるほど、時がたつのが早く感じた。

(;<●><●>)(このままただ、座っているというのも疲れますね)

ふいに布団が擦れる音がし、ワカッテマスは天使に視線をやる。

(- ゚,,)rッ「……」

(;<○><○>)「……」

天使が瞳を開いていた。
透き通った碧色の瞳が診療所の天井を見つめていた。

(,,゚ -)「……」

(;<○><○>)「っ!」

天使がこちらを向いた。
思わず後ずさりをし、椅子を倒してしまうワカッテマス。

(,,゚ -)「……」

(;<○><○>)「……」

無言が続くのが怖かった。
自分は死ぬのか? 殺されるのか?
そんな考えが浮かんでは消え、浮かんでは消えていった。

56 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 00:42:12 ID:Cutci4yc0
(;<○><○>)「……」

(,,゚ -)「……」

天使はなにも言わない。
ただワカッテマスを見つめていただけだった。
それなのに、彼は自分の寿命がどんどんと縮んでいっているような感覚に襲われた。

(,,゚ -)「ここは?」

(;<○><○>)「!?」

天使から発せられた声で、体が震えるワカッテマス。
よく透き通る、綺麗な声だった。

(;<●><●>)「こ、ここはシベリア村です」

少しの沈黙が間を支配し、ワカッテマスは思い出したように声を搾り出した。

(,,゚ -)「しべりあむら」

(;<●><●>)「はい、シベリア村です」

(,,゚ -)「……怖がっているのね」

(;<●><●>)「……はい」

(,,゚ -)「ごめんなさい」

なぜ謝る?
ワカッテマスは理解できなかった。

57 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 00:43:12 ID:Cutci4yc0
(;<●><●>)「……」

(- ゚,,)rッ「綺麗な景色ね」

上体を起こし、窓から村の風景を伺う天使。
これからその力で滅ぼそうと言うのだろうか?
ワカッテマスは、ただ呆然と立ち尽くしていた。

(- ゚,,)rッ「怖がらないで、私はなにもしないわ」

(;<●><●>)「……」

(;<●><●>)「本当、ですか?」

(- ゚,,)rッ「ええ」

(;<●><●>)「……幾つか質問してもいいですか」

(- ゚,,)rッ「ええ」

58 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 00:44:09 ID:Cutci4yc0
(;<●><●>)「貴方は天使ですか?」

頷く、肯定。

(;<●><●>)「貴方は我々を殺しますか?」

今度は静かに首を横に振った。否定。

(;<●><●>)「貴方はハーピーに襲われたのですか?」

頷く、肯定。

(;<●><●>)「貴方は天使です、ならばハーピーには勝てたのでは?」

(- ゚,,)rッ「わたしは貴方達が思うほど強くはないわ」

今度は言葉。
成る程、自分の推測は正しかったようだ。
嘘をつかれていないのならば……。

(;<●><●>)「そうですか……ですが、天使とは伝承で昔、我々の文明を滅ぼしたとありますが」

(- ゚,,)rッ「そう習ったわ」

習った?

(;<●><●>)「……どういう事ですか? 天使の世界にも学校があるんですか?」

(ー゚,,)rッ「ええ、驚いた?」

(;<●><●>)「はい……」

59 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 00:45:16 ID:Cutci4yc0
(;<●><●>)「質問を続けます。貴方は我々人間……AAを殺せる力を持っていますか?」

(- ゚,,)rッ「……わからないわ」

(;<●><●>)「なぜですか?」

(- ゚,,)rッ「わからない」

返答不能という事なのだろうか?
それとも、隠しているのだろうか?
これ以上の追求は無駄と判断したワカッテマスは次の質問をする。

(;<●><●>)「貴方は魔法を使えますか?」

頷く、肯定。

(;<●><●>)「どんな魔法ですか?」

(- ゚,,)rッ「色々よ」

60 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 00:46:00 ID:Cutci4yc0
(;<●><●>)「色々? という事は殺傷能力がある魔法は使えるのですか?」

(- ゚,,)rッ「わたしは使えないわ……」

(;<●><●>)「そうですか」

(- ゚,,)rッ「わたしが使える魔法は守るための魔法だから」

(;<●><●>)「成程、では守るための魔法を使えるならなぜハーピーに負けたのですか?」

(- ゚,,)rッ「色々あったの」

(;<●><●>)「……その色々を答えられますか?」

しずかに首を横にふった。

(;<●><●>)「ありがとうございます。 おかげで少し貴方という存在がワカリマシタ」

(ー゚,,)rッ「……よかった」

61 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 00:47:00 ID:Cutci4yc0
この天使は、伝承のように人を滅ぼす力を持っていない。
村は滅ぼされずに住むという事。
安心をした。
私たちは助かったのだ……恐らくだが。
ワカッテマスは薬棚から小さな酒瓶を取り出し一気に中身を飲み干した。
体にアルコールを入れないとやっていられない。
なぜだかそんな気分になったからだ。

( <●><●>)「……怪我の具合を見ていいですか?」

(- ゚,,)rッ「どうぞ」

布団をどけ、天使の怪我を再確認する。
包帯に少し血が滲んでいた。

( <●><●>)「……体の具合はどうですか?」

(- ゚,,)rッ「眩暈が」

( <●><●>)「血を失ったからでしょうね。
        恐らくですが、多量の血液を失ってます」

(- ゚,,)rッ「輸血パックとかありますか?」

(;<●><●>)「ゆけ…なに?」

(- ゚;)rッ「いえ、なんでもないです……忘れてください」

(;<●><●>)(魔法アイテムかな?)

62 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 00:47:52 ID:Cutci4yc0
( <●><●>)「……」

(- ゚,,)rッ「? どうかしましたか?」

( <●><●>)「いえ、本当に天使なんだなと思いまして」

(- ゚,,)rッ「……はい、わたしは天使です」

( <●><●>)(天使……伝承の存在がこうして目の前に居るというのもなにかの巡り合わせでしょうか?)

額に手を当て、今後の事を考える。
果たして村の皆は、この話を聞いてどう思うか。
天使の話を聞いても信じるだろうか?
否、自分自信も天使の話を全て信じてはいない、きっと信じはしないだろう。

けれども、あの天使は人を殺す程の力は持っていないかも知れない。
我々でも太刀打ちできるかも知れない。
いや、力を隠しているかもしれない。
殺傷能力のある魔法を本当は使えるかもしれない。

(;<●><●>)(困った、考えれば考える程深みにはまっていくようだ)

魔法が使えなければ?

(;<●><●>)(……魔法?)

(;<●><●>)(そうだ! せめて魔法さえ使えなければ!)

魔法以外にも使えたら?
その時はその時だろう、ワカッテマス=クルクトよ。

63 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 00:48:39 ID:Cutci4yc0
( <●><●>)「一つ、お願いがあります」

(,,゚ -)「なんでしょうか?」

横になった天使が、顔だけワカッテマスの方を向く。
眠気を感じているのだろう、少しうとうととしている。

( <●><●>)「魔法を封じる物を身につけて貰ってよいでしょうか?」

(,,゚ -)「怖いですか」

( <●><●>)「正直に言えば怖いです。
        ですが、貴方の話を聞いていない村の者はもっと怖いと思います。
        ですので、せめて魔封じのアイテムだけでも身につけて貰えませんか?」

(,,゚ -)「……わかりました」

( <●><●>)「ありがとうございます」

(,,゚ -)「先生」

( <●><●>)「はい?」

(,,゚ -)「ごめんなさい、今すぐにでも出て行った方がいいのに」

恐らく貧血の影響で眩暈がし、立てそうにないのだろう。

( <●><●>)「気にすることはないですよ」

64 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 00:49:44 ID:Cutci4yc0
ワカッテマスは天使の寝ているベッドに行き、天使の手を取る。

( <●><●>)「貴方が誰であれ、ここに寝ている限りは私の患者です。
        ただ、体を治す事だけを考えていてください」

(,,゚ -゚)「ありがとうございます」

弱弱しい力が、手のひらを通じてワカッテマスに届く。
目の前の天使は恐らく本当に弱っているのだろう。

( <●><●>)「そうだ、貴方の着ていたローブ……一応洗っておきました」

机の上に置いたボロボロのローブを取り出し天使に見せる。
なにか不思議な力が施されているかと思ったが、ただの布製のローブだった。

(;゚ -゚)「ぼろぼろですね」

( <●><●>)「他に着替えは……さすがに持ってはいないですよね」

(;゚ -゚)「もってないです」

( <●><●>)「私の昔着ていたローブがありますが、どうでしょうか?」

クローゼットから青色のローブを取り出し、見せる。
首をすっぽりと覆うような形のローブで、腹部には薬剤等を巻きつけるためのベルトがついている。

(;゚ -゚)「そこまでしてもらって……申し訳ありません」

( <●><●>)「気にする必要はありません……」

ローブをたたみ、隣のベッドの上に置く。

65 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 00:50:35 ID:Cutci4yc0
( <●><●>)「うとうととしていた所、申し訳ないです。
        お眠りください」

(,,゚ -゚)「はい、お言葉に甘えさせてもらいます」

瞳を閉じ、天使は寝息一つたてずに眠り始める。

( <●><●>)(美しい……)

太陽の光を頬に受け眠る天使。
穢れをよせつけないような純白、まさしく人外の美しさ。

(;<●><●>)(ハッ!)

気がつけば、天使の頬に手を伸ばしていた。

(;<●><●>)(何を考えているんだ私は! 殺されるかも知れないんだぞ!)

薬棚に向かい、もう一本小さな酒瓶を取り出し飲み干す。

(;<●><●>)(恐ろしい、居るだけでも心を奪うというのか)

66 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 00:51:22 ID:Cutci4yc0
午後7時、あたりは暗くなり星が見えていた。

(;ФωФ)「今日はくたびれたのだ」

( ´曲`)「皆、今日は本当によくがんばってくれたっテナー!
      本当に感謝してるっテナー!」

(;^ω^)「さ、さすがにへとへとだお……」

僕は最後のベリーの籠を下ろし、地面に腰を下ろした。
午後4時からはずっと、ベリーの籠を東の森から村の広場まで運び続けくたくただ。
おかげで天使の事を考える余裕もなかった。

l从つ-゛ノ!リ人「兄者、妹者……もう眠いのじゃ」

( ´_ゝ`)「おんぶしてやっから、背中に乗りな」

(;^д)「今日はよくがんばったね」

¥ ・∀・¥「そうだね、タカナちゃんもよくがんばってたよ」

皆が口々に労わり始める。
僕もロマネスクさんと村長さんに労わりの言葉をかけ、立ち上がる。

67 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 00:52:13 ID:Cutci4yc0
( ´曲`)「……天使については明日の朝報告する。
      だから今日は、ゆっくり休んでくれ」

(;゚_ゝ゚)「あいだだだだ! い、妹者降りてくれ! こ、腰が!」

村長の話を兄者さんが遮った。
今日は無理をしたのだろう、涙目になりながら腰をさすっていた。

(;´曲`)「大丈夫か? 兄者君」

(;´_ゝ`)「この年でもうギックリ腰か……」

(;ФωФ)「単なる腰痛だろ、なんせ人手が足りなくて東の森からここまで君やブーンがずっと
       ベリーの籠を持ってきていたんだからな」

(;゚д)「声を掛けてくれれば手伝ったのに」

(;´曲`)「いやいや、普通に門番の仕事して貰うほうが大事っテナー」

(#゚;;-)「そうだよ兄さん、突っ立ってるだけだけど大事な仕事なんだよ」

(#゚;;-)(まあ、僕はベリーの籠を運びたくないだけなんだけどね)

(,,;Д;)「ちくしょー、俺も収穫してぇよ……毎年毎年楽しみにしてたのによぅ」

(;ФωФ)「泣くほどの事か?」

(#゚;;-゚)「ほっといていいですよ、仕事中にも泣いてましたから」

(;ФωФ)「…………」

68 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 00:53:27 ID:Cutci4yc0
( ´曲`)「ま、皆さんお疲れ様っテナー!
      明日も残りのベリーを収穫するからがんばって欲しいっテナー」

( ^ω^)「はいですお」

今年の収穫作業は人手不足の影響でほとんど進んでいない。
それでもなんとか全体の半分近くは収穫できたのでは? という話だ。

しかしこれ以上収穫が遅れると、ベリーが熟しすぎて品質が落ちてしまうらしい。
よって、明日は最後の収穫になるらしい。

( ´曲`)「じゃあ解散」

(;´_ゝ`)「妹者ー寝るなーがんばって家まで歩こうなー」

l从-、-ノ!リ人「がんばるのじゃー」

手をつなぎ、よたよたと歩く兄者さんと妹者ちゃん。

(,,゚Д゚)「タカナ、今日は恐らくがんばったんだろう! 抱っこしてやるぞ」

(;^д)「は、恥ずかしいよお兄ちゃん」

(#゚;;-)「……変態」

(#゚Д゚)「あ゙!?」

喧嘩をしそうな雰囲気にげっそりした表情を浮かべるタカナ。

69 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 00:54:09 ID:Cutci4yc0
(;ФωФ)「あー腰いて……」

ロマネスクさんは杖をついて、腰をずっと摩っている。
明日は大丈夫なのだろうか?

¥ ・∀・¥「そんじゃ、お休みなブーン」

( ^ω^)「あ、お休みなさいですお」

マニーさんはいつもと変わらない様子だ。
疲れてはいるのだろうが、疲れを顔に出していない。
ただ、足取りは結構重そうだ。

( ´曲`)「明日もよろしく頼むぞブーン」

( ^ω^)「はいですお! 一生懸命がんばりますお」

( ´曲`)「よろしく頼むっテナー!」

広場を後にした僕は、教会へと向かい
裏口から教会へと入った。

70 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 00:54:56 ID:Cutci4yc0
ζ(゚ー゚*ζ「お帰りブーン君、晩御飯できてるよ」

僕を出迎えてくれたのは、デレさんとデレさんの作ったご飯。
焼いた魚と野菜のスープ、パン。
これが今日の晩御飯。

( ^ω^)「魚、釣りに行ったんですかお?」

ζ(゚ー゚*ζ「うん、今日はブーン君疲れてると思ったから……
       お肉を食べさせたくて」

台所の脇に置いてある釣竿を指差しながら、デレさんは微笑んだ。

( ^ω^)「僕なんかのために、ありがとうございますだお」

ζ(゚ー゚*ζ「気にしないで、ブーン君にもブーン君のお母さんにも私は何度も助けられたんだから」

(;^ω^)「僕、なんか助けましたっけ?」

ζ(゚ー゚*ζ「教会の前の掃き掃除とか、いつも助けて貰ってるわ」

ζ(^ー^*ζ「それに、お家で取れた野菜とか沢山分けてもらったし」

(;'ω`)「今、野菜をお分けできなくて申し訳ないですお」

畑仕事は親父がやっていた。
けど、今はやっていない。
畑だった場所は雑草が生え放題に生え、既にそこがかつて畑だったとは思えないほどになっている。

71 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 00:55:40 ID:Cutci4yc0
ζ(゚ー゚*ζ「気にしないでブーン君」

(;^ω^)「ほんと、申し訳ないですお」

ζ(゚−゚;ζ「ごめんね、気を使わせちゃったみたい」

(;^ω^)「い、いえ! なんて事ないですお」

僕はここで話を途切れさせ、食事を貪る。
僕の食べっぷりをデレさんはにこにこして眺めていた。
なんだか少し恥ずかしい。

(*^ω^)「ご馳走様でしたお」

ζ(゚ー゚*ζ「綺麗に食べてくれると、作った身からすると嬉しいわ」

(*^ω^)「デレさんの料理はおいしいですから」

ζ(゚ー゚*ζ「嬉しいな、そう言ってくれると」

将来結婚するなら、デレさんみたいな人と僕はしたい。
料理ができて、やさしくて、最高の人だと僕は思う。

72 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 00:56:30 ID:Cutci4yc0
ζ(゚−゚*ζ「……ねぇブーン君、天使様はどうなったのかな?」

ふいに質問が飛んできた。
僕には答えようのない質問が。

(;^ω^)「わかりませんお」

ζ(゚−゚*ζ「そっか……」

(;^ω^)「デレさんは天使についてどう思ってるんですか?」

ζ(゚−゚*ζ「正直、分からないわ……もしかしたら歴史書みたいに無慈悲に人を殺すかも知れないし
       教会が言うように、罰を下したのかもしれない」

ζ(゚−゚*ζ「落ちてきた天使様はどんな人なんだろうね?」

(;^ω^)「分からないですお」

ζ(゚−゚*ζ「……ごめんね、こんな事聞いて」

(;^ω^)「い、いえ……教会に勤めているんだからある意味当然かと思いますお」

ζ(゚−゚*ζ「……そうかもね」

ζ(゚−゚*ζ「でも、やっぱり怖いわ。
       朝、起きたら村が焼け野原になっているかも知れない。
       今日寝たら、永遠に目を覚ます機会を失うかもしれない」

73 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 00:57:15 ID:Cutci4yc0
それだけ言うと、デレさんは俯き無言になる。
この人も怯えているのだろう。
天使を称えてはいるが、やはり内心は恐ろしいのだろう。

こんな時、なんて言えばいいのか僕には分からない。
声をかけてあげればいいのか、むしろかけてはいけないのか……

結局悩んだ末出した答えは。

(;^ω^)「おやすみなさいですお」

逃げる事。

74 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 00:58:05 ID:Cutci4yc0
午後8時半

ワカッテマスは遅めの夕食を終え、椅子に深く腰掛けた。

( <●><●>)(やはり握り飯の中身は梅が一番だという事はワカッテマス)

梅干の種を吐き出し、ゴミ入れに放り込む。
本当は鍋でも作ろうかと思ったのだが、薬棚の置くから梅干の詰まった瓶を発見し
鍋の事が頭からふっとんだ。

(,,゛-゚)「ん……」

天使が目を覚まし、小さな声を上げる。
それを合図に、ワカッテマスは椅子から立ち上がりベッドに近づく。

( <●><●>)「目が覚めましたか」

(,,゚ -)「はい」

( <●><●>)「なにか食べますか?」

(,,゚ -)「……少し、なにか頂けるでしょうか?」

( <●><●>)「握り飯ならありますが、どうですか?」

(,,゚ -)「いただけますか?」

( <●><●>)「どうぞ」

75 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 00:59:11 ID:Cutci4yc0
握り飯を一つ取り、天使に渡す。
天使は何も疑わず、それを口にする。
毒が入っているかも知れないとは考えないのだろうか?
いや、そもそも毒なんぞ効かないのかも知れない。
ワカッテマスはそこで考える事をやめ、握り飯を食む天使を観察する。

(;゚ -)(しょっぱい……)

ワカッテマスは塩気の強い物が好きだった。

( <●><●>)「おいしいですか?」

(;゚ -)「あ、はい……」

( <●><●>)「握り飯は初めてですか?」

(;゚ -)「いえ……」

( <●><●>)「そうですか」

塩気の強い握り飯に悪戦苦闘をする天使を見、口に合わないかと心配したが杞憂だったようだ。
もっとも天使本人にとっては、少々辛い食事にはなっているのだが。

76 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 01:00:06 ID:Cutci4yc0
( ´曲`)「ワカッテマス、居るか?」

ふいに診療所のドアが叩かれる。
ワカッテマスはドアまで向かうと、ドアを開け外へと出る。

( <●><●>)「お帰りなさい兄さん」

(;´曲`)「天使は目を覚ましたのか?」

( <●><●>)「ええ、会話もしました。
        我々に敵意は今のところなさそうですね」

(;´曲`)「本当か? それはよかったっテナー」

( <●><●>)「そうですね」

(;´曲`)「で、大丈夫なのか? 今は敵意はなくてもいずれ……」

( <●><●>)「恐らくですが、あの天使にはこの村を破壊する力はないかと……」

(;´曲`)「何故そう言いきれる」

( <●><●>)「天使、本人の話ですよ」

(;´曲`)「信じるのか?」

( <●><●>)「ええ……色々考えましたが、信じる事にします」

(;´曲`)「だが、村の者が信じるとは限らんぞ」

( <●><●>)「ワカッテマス……ちゃんと行動するつもりですよ」

77 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 01:00:57 ID:Cutci4yc0
(;´曲`)「何をする気だ?」

( <●><●>)「魔封じのアイテムを身に着ける約束をしました。
        これで、恐らくは大丈夫でしょう」

(;´曲`)「魔法以外に何か使えたら?」

( <●><●>)「ワカリマセン」

(;´曲`)「いい加減な」

( <●><●>)「引き出せる情報には限界があります、むしろここまで喋ってくれただけ有難いと思うしかないのですよ」

(;´曲`)「……何を聞いたか知らんが、村に災いを招くような事だけは簡便してくれっテナー」

( <●><●>)「……もしくは幸福がもたらされるか」

(;´曲`)「あ゙? 幸福だと?」

( <●><●>)「……恩返しですよ、もしかしたらという……ね」

( ´曲`)「してくれそうなのか?」

( <●><●>)「さあ?」

肩をすくめ答える。
そんなワカッテマスを見て、テナーは呆れた表情を浮かべた。

78 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 01:02:11 ID:Cutci4yc0
( ´曲`)「お前、何を考えている」

( <●><●>)「そんな事よりも、今年のベリーの収穫状況はどうですか?」

(;´曲`)「駄目だな、今年は例年の半分ちょいといった感じだろう」

( <●><●>)「それはまた……」

(;´曲`)「頭が痛いっテナー! このままじゃこの村はいずれ借金地獄だっテナー!」

( <●><●>)「そんなに状況は深刻ですか」

(;´曲`)「ああ、深刻だよ」

( <●><●>)「ふむ、何か考えないといけませんね」

(;´曲`)「早く、徴兵された若者が帰ってきて欲しいもんだっテナー」

( <●><●>)「果たして、いつになる事やら」

(;´曲`)「ああ駄目だ、頭いてぇ……俺はもう寝るっテナー」

( <●><●>)「お休みなさい兄さん」

(;´曲`)「はあぁぁ、胃も痛てぇ……」

79 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 01:02:55 ID:Cutci4yc0
診療所の扉を開け、ワカッテマスが中へと入ると
握り飯を半分程食べた天使が、窓越しから景色を見ていた。

( <●><●>)「やはり、口に合いませんでしたか?」

(,,゚ -)「いえ、食欲が……」

( <●><●>)「怪我のせいでしょうね、無理にでも食べた方がいいですよ」

(;゚ -゚)「わかりました」

塩気の強い握り飯を食む。
逆に病気になりそうだとも思ったが、作って貰った手前そんな事は言えず天使は黙々と握り飯を食んだ。

(;゚ -゚)(梅干……)

中身の梅干は輪をかけて塩気が強かった。

(;゚ -゚)「あの、お水貰えませんか?」

( <●><●>)「どうぞ」

ピッチャーからコップに水を入れ、天使に手渡す。
その水を一息に飲み干す天使、口の中の塩気がだいぶ取れた気がした。

80 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 01:03:49 ID:Cutci4yc0
( <●><●>)「食事を終えた後は休むのが一番です」

天使の両手を布巾で拭き、布団をかける。
天使は静かに頷くと、窓越しから夜景を眺め始める。
眠気はまだないのだろう。

( <●><●>)「貴方の住む所の夜景はどんな感じだったのですか?」

(- ゚,,)「星が近かったです」

( <●><●>)「星が近い?」

(- ゚,,)「ええ……ここより、ずっとずっと」

( <●><●>)「そうですか」

( <●><●>)「そうだ、貴方にお話しした魔封じのアイテム、あれを取りに行ってもよろしいでしょうか?」

(,,゚ -゚)「……態々知らせてくれるのですね」

( <●><●>)「どういう意味ですか?」

(,,゚ -゚)「いえ、寝てる間にそのアイテムをつけられてると思っていましたから」

( <●><●>)「同意も無しでつけるのもいかがなものと思いますからね」

(,,゚ー゚)「……貴方は優しい人なのですね」

( <●><●>)「そうなのでしょうか? ワカリマセン」

それだけ言い、ワカッテマスは診療所を出る。
行き先はロマネスクの店、彼なら魔封じのアイテムを持っていたはずだから。

81 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 01:04:44 ID:Cutci4yc0
( <●><●>)「ロマ、起きていますか?」

ランプ片手に扉をノックする。
しばらくすると、扉の奥から此方に向かってくる音がした。

( ФωФ)「ワカッテマスか……我輩に何用だ?」

( <●><●>)「魔封じのアイテムを持っていましたよね……譲って貰えませんか?」

( ФωФ)「なんに使うつもりだ?」

( <●><●>)「天使につけるのですよ」

(;ФωФ)「なに!? どういうつもりだ貴様」

( <●><●>)「同意は得ています……知的生命体らしく私の話を聞いてくれましたから」

( <●><●>)「それに、魔法が使えないとなれば……少しは安心感が生まれるのでは?」

「どうですか?」と言われ考えるロマネスク。
たしかに多少の安心感は生まれるだろう。
だが、天使とは未知の存在……それ以外にも様々な力を持っている可能性もなくはない。
魔封じだけではロマネスクは心配だった。

82 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 01:05:26 ID:Cutci4yc0
(;ФωФ)「魔封じだけで足りると思うのか? お前は」

( <●><●>)「手を握りました」

(;ФωФ)「は?」

( <●><●>)「柔らかい手でした……まるで幼子の手がそのまま成長したような。
        そんな感じでした」

( ФωФ)「何が言いたい」

( <●><●>)「ロマ、子供の手は何故柔らかいか知ってますか?」

( ФωФ)「筋力だろう? 成長と共に手に筋肉がつき、硬くなってゆく」

( <●><●>)「はい。
        ですが、あの天使の手は柔らかいのです」

( ФωФ)「女だからでは?」

( <●><●>)「女性でも、あそこまでの柔らかさはないでしょう」

( ФωФ)「……お前……手フェチにでもなったのか?」

( <●><●>)「はっ?」

( ФωФ)「名画の手を見て勃起したりはしてないだろうな?」

83 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 01:06:32 ID:Cutci4yc0
( <●><●>)「手なんてどうでもいいのですよ……肝心なのは、力がないという事です」

( ФωФ)「証明できるのか?」

( <●><●>)「いえ、できませんが」

それがなにか? とでも言いたげな表情にロマネスクは少々呆れる。
この男はたまにこうして、無茶苦茶な事をほざいていくのだ。
けれども、その言葉の裏には様々な思考が巡っているのをロマネスクは知っている。
決して彼は冗談で言っているのではない。
それは分かるのだ。
けれども、今回ばかりは彼の言葉を信じる事が躊躇われる。

( <●><●>)「まあ、天使の肉体検査等は追々するとして魔封じのアイテム、渡してください」

(;ФωФ)「肉体検査って……お前」

( <●><●>)「仕方がないでしょう……そうでもしないと、天使の命を狙いにくる輩が出るかもしれません。
        天使は危険がないという事を知るのが村のためでもあり、天使のためでもあるのですから」

(;ФωФ)「追い出せばいい話ではないか」

( <●><●>)「報復されたら?」

(;ФωФ)「むっ……」

( <●><●>)「無下に扱うのも考え物なのですよ……」

(;ФωФ)「解った。 魔封じのアイテムは渡す」

84 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 01:07:19 ID:Cutci4yc0
家の中に戻り、魔法アイテムの棚を開ける。
そこには奴隷用の魔封じの腕輪が保管してあった。
鍵を掛ける事により、付けられた者が自分の意思では外す事のできないアイテム。
果たしてこんな物を渡してよいのだろうか?
だが、魔封じのアイテムはこれしか存在しない。

(;ФωФ)(まいったな……天使が激怒しないといいのだが)

腕輪を持ち、家を出る。
ワカッテマスに腕輪を渡し、腕輪の説明をする。

( <●><●>)「成程、奴隷用ですか……むしろこれの方がいいかも知れませんね。
        安心感というものが生まれますから」

(;ФωФ)「だが、力ずくで破壊されたらどうするのだ?」

( <●><●>)「私の推測では、天使にそんな力はないでしょう」

(;ФωФ)「推測通りならよいのだがな」

( <●><●>)「そうですね」

腕輪を受け取りロマネスクの家を後にする。

85 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 01:08:03 ID:Cutci4yc0
診療所に戻ると、天使はまだ窓越しから夜景を眺めていた。

( <●><●>)「貰ってきました」

(,,゚ -゚)「腕輪ですね」

( <●><●>)「奴隷用の腕輪です……これしかなかったようです。
        腕に嵌めて、鍵をかけると自分の力では取れなくなるタイプです」

(,,゚ -゚)「そうですか」

天使は表情一つ変えず、ただ淡々と答えた。

( <●><●>)「つけてもいいのですか?」

(,,゚ -゚)「それで、皆さんが恐怖を感じないのであれば……」

( <●><●>)「では、付けさせて貰います」

天使の左手を取り、腕輪をはめ鍵をかける。
まるで手枷のようだ。
腕輪の印象はそんな感じだった。

(,,゚ -゚)「……」

( <●><●>)「これで終わりです……申し訳ないですね」

(,,゚ -゚)「いえ……」

それだけ言うと、天使は夜景をまた眺め始める。

86 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/02/23(木) 01:08:59 ID:Cutci4yc0
( <●><●>)「では、私は先に寝させてもらいます」

(,,゚ -゚)「はい……」

( <●><●>)「ではお休みなさい」

(,,゚ -゚)「お休みなさい……先生」

別室に向かいベッドの上に寝転ぶ。
昨日はまったく眠れなかったが、今日はよく眠れそうだ。

だが、問題はまだ色々ある。
天使の事、お金の事、稼ぐ方法の事。

それを考えるとなんだかまた眠れなくなりそうな予感がした。

( <●><●>)(お金ですか……)

稼ぐ方法は、正直なところない。
ベリーが駄目となると、最悪子供を奴隷に出すという方法が出る。

( <−><−>)(いや、それだけは駄目です……)

なにも浮かばない。
だがそんな時、脳裏に一枚の羽が過ぎった。


それは囁きのように感じられた。


第二話  囁き  END


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