( ´∀`) 10年分、のようです

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/25(金) 21:38:16.68 ID:PIEzgJVV0


聖夜、イエス、聖夜。そう、クリスマス。

口頭で発せられる「せいや」という音を聞いて「性夜」と思い浮かべる。
そういう人はきっと僕だけじゃない。はず。

僕だって、昔はきちんと「聖夜」って変換できてた。
けど、最近がらりと身辺の状況は変わり考え方も変わった。

今年、というか、先週から急に。

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/25(金) 21:40:27.95 ID:PIEzgJVV0


( ´∀`) 「ギコー、来週は暇モナ?暇なら……」

(,,゚Д゚) 「……いや、すまん、今年は無理だ」

( ´∀`) 「……?なぜ?」

(,,゚Д゚) 「……なぜって……」

(*゚ー゚) 「ギコー、来週の事なんだけど」

(,,゚Д゚) 「……こういう事だから」

( ´∀`) 「……」

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/25(金) 21:43:27.08 ID:PIEzgJVV0


( ´∀`) 「モララー、来週は暇モナ?暇なら……」

( ・∀・) 「や、残念ながら、暇じゃないんだ……」

( ´∀`) 「一応聞くモナ。どうして?」

( ・∀・) 「つーちゃん、ちょっとこっち来てー」

(*゚∀゚) 「?なんか呼んだ?来週のこと?」

( ・∀・) 「こういうこと、さ」

( ´∀`)

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/25(金) 21:46:28.44 ID:PIEzgJVV0


( ´∀`) 「ドク……」

川 *゚ -゚) ('A`*) キャッキャウフフ

( ´∀`) 「ドクオ、ドクオ、お前に命ずる。十万億土を踏みしめてこい」

('A`) 「お、もn……え?BL?」

川 ゚ -゚) 「まぁ、シネと言うことかな?」

('A`) 「ど、どうして……」

( ´Д`) 「お前だけは…お前だけはと信じてたのに……」

=一二三 ( ´Д`)

(;'A`) 「え?あ、モナー!ちょ!」

川 ゚ -゚) 「まぁ……うん、男の友情って、そんなものさ」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/25(金) 21:48:00.18 ID:PIEzgJVV0


( ´Д`) 「後はブーn……は去年から裏切ってたからいいモナ…」

( ^ω^) 「おっ、モナー、どうしたお?元気ないお?」

( ´Д`) 「ブーン……一応聞くモナ。来週の予定は?」

( ^ω^) 「来週?ツンとデートだお?」

( ´Д`) 「そらみろ言わんこっちゃない!案の定だ!お前ら皆タンスの角で小指爆砕しろモナ!」

=一二三 ( ´Д`) ウワァァン

( ;^ω^) 「ちょ、モナー!」

( ;^ω^) 「……あー……もう、あのメンバーで独り者は、モナーだけかお……」

ξ゚听)ξ 「なんの話?」

( ;^ω^) 「や、なんでもないお。ちょっと、独り身の友達が、悲しみに狂っただけだお……」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/25(金) 21:51:04.01 ID:PIEzgJVV0


はい、以上が先週の出来事。見事に友人たちは裏切り者へと昇華した。

一応補足しておこうかな。
例年、去年は既に裏切り者が一人いたけど、クリスマスは皆で集まってワイワイやるのが常だった。

それが、ご覧の有様。
去年は一人消え、今年に至っては全滅。

クーリスーマースーが(ryとかいう曲があるけど、その通り。
楽しかった出来事を消し去ってくれた。
…一年で、誕生日以外に大義名分のもとワイワイやれる、楽しみだったのに。

もう、今は、友人たちが「性夜」の街でよろしくやってる今年か頭に浮かばず。
あぁ、なんて言うかな、とにかく、寂しいような。

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/25(金) 21:54:19.35 ID:PIEzgJVV0


そりゃ、別に聖夜が「性夜」に変わろうが、悪いとは言わない。
むしろ、本音を言えば、僕だってそうしたい。
いや、やっぱり、聖夜は「聖夜」じゃなきゃ駄目かな?
でも、好きな人、大切な人と一緒にいるのだけは認めてあげて?

勿論、僕にだってチャンスが無かったわけじゃない。
友人たちから、「あの子はお前にホの字だぜ?」と言われたことだって、何度かある。
一度も告白されなかったから、意味ないけど!

僕から行けば何か変わったかも、と思うかも知れない。けど。僕は絶対にそうしない。
ある理由があるから。
…この理由から行けば、チャンスは無かったのかも知れないけれど。

その理由は簡単。
僕には好きな人がいるから。

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/25(金) 21:57:29.87 ID:PIEzgJVV0


事の始まりは…今から十年前、小学校4年の頃。
…の、夏。

うん、夏休みだ。
もっと細かく言えば、8月第一日曜日のお祭りの日だ。


( ;´∀`) 「えーと……なんで、抱きついてくるモナ?」

爪;゚ー゚) 「……花火の音が、怖いから」

( ;´∀`) 「……じゃ、なんで来たモナ?」

爪;゚ー゚) 「誘われたから?」

( ;´∀`) 「気持ちはわかるけど……」

爪゚ー゚) 「あと、それから」

( ´∀`) 「?」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/25(金) 21:59:32.08 ID:PIEzgJVV0


爪゚ー゚) 「モナーに会えると思ったから。モナーも来ると思ったから」

( ;´∀`) 「い、イマイチ分からんモナ?」

爪゚ー゚) 「だって夏休み入ってから一度も会ってなかったしー」

( ;´∀`)


一つだけ、聞きたい。前提条件は、相手は前から少しだけど気になってた子。
こうまで言われて、少しでも惚れずに、期待せずにいられるものか?

僕は断言する。
もし、出来るなら、きっとその人は、その人の事はその実ちっとも気にしてなんかいなかったんだって。
出来ないなら、僕と同じように、心を燃え上がらせるはずだって。
理由は、これだけじゃないけれど。

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/25(金) 22:02:26.99 ID:PIEzgJVV0


その年のクリスマス。
僕の住む街にはちょっとした高原…リゾート地があって、そこはクリスマスになるととても綺麗にライトアップされる。
そこに家族と行ったんだけど、そこで。


爪*゚ー゚) そ

爪*゚ー゚) 「モナー!」

=一二三 爪*゚ー゚)´∀`; ) ドスン

( ;´∀`) 「じぃ…あの、家族の手前、これはちょっと…」

爪*゚ー゚) 「……家族?誰もいないよ?」

( ;´∀`) 「え?……あれ?」

爪*゚ー゚) 「……迷子?」

( ;´∀`) 「いや、そんなはずは…」

( ;´∀`) (パパン、ママン、それから弟妹たち、空気を読み違えてるモナ…)

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/25(金) 22:06:02.25 ID:PIEzgJVV0


爪゚ー゚) 「それより、ほら、行こ?」

( ´∀`) 「どこへ?」

爪゚ー゚) 「ツリーを見に行くの!」

( ´∀`) 「……まぁ、折角だし、行くモナ…はいいけど、この手は?」

爪゚ー゚) 「また迷子にならないように!あと、寒いから!」

( ;´∀`) 「だから、迷子じゃないと……」


それから、手をつないで、ツリーのところまで行って、ツリーを見て。
すごく綺麗だった。なんてことはない、普通の事なんだろうけど。
…なんだろうけど、でも、僕にとってはすごく特別で。

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/25(金) 22:09:34.69 ID:PIEzgJVV0


爪゚ー゚) 「ね、モナー」

( ´∀`) 「モナ?」

爪゚ー゚) 「また、いつか、二人で、見に来ようね?」

( ´∀`) 「……約束、モナ」

爪゚ー゚) 「んじゃ、指切り!」

( ´∀`) 「ゆーびきーりげーんまーん」

爪゚ー゚) 「うーそつーいたーら」

爪゚ー゚) 「はーりせーんぼーんのーます!ゆーびきった!」 (´∀` )

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/25(金) 22:15:24.32 ID:PIEzgJVV0


あれから、10年。
約束は、まだ、果たされてないけれど。

でも、僕は今でも約束なんだからと自分に言い聞かせてる。
そうしないと、寂しいから。


いや、まぁ、寂しいことに変わりはないのけれど。
クリスマスの街を、男が一人で当てもなくぶらつく。
これを寂しくないと思ってくれるのなら、別だけど。

先述の通り、友に裏切られた僕は、一人で家に引き篭って悶々としているのも少し気が引けたから、
こうして勇気を出して…カップルへの恨みに身を包んで、街へ繰り出してみた。

はっきり言って、あまりオススメはしない。
目的があるならともかく、僕みたいに目的も無く街のイルミネーションを見たりだとか、
ケーキ屋に入っていって適当に見るだけ見て帰ったりとか、そんなのは、やめておいた方がいい。

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/25(金) 22:17:26.24 ID:PIEzgJVV0


( ´∀`) (…あ、あれは…)

川 *゚ -゚) ('A`*)

( ´∀`) (…幸せそう、モナ…)

( ´∀`) (…)

(*'A`) 「…ん?あれは…モナー?」

('A`) 「おーい!モナー!」

Σ( ´∀`) (気づかれた!)

=一二三 ( ´∀`)

(;'A`) 「モナー!…なんなんだ…」

川 *゚ -゚) 「ドクオ、いいから、行こう…」

(*'A`) 「…うん」

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/25(金) 22:19:42.07 ID:PIEzgJVV0
その後も街をうろついたけれど、行く先々で―――


(*゚Д゚)*゚ー゚)


( ・∀・)*゚∀゚)


( *^ω^)*゚听)ξ


もうやだこの街、というか、この友達。
なんなんだろう。僕を遠まわしに死なせたいのか?
これじゃ、「性夜」じゃないか。

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/25(金) 22:24:07.74 ID:PIEzgJVV0


あー…寂しいなぁ。寂しい。
それと、寒い。師走ももう終わり。そりゃ、寒いはずだ。


…何がしたいんだっけ…僕は。
こうして、冷やかしに入った4軒目の店で買ってしまったケーキを片手に、
誰かと予定がある風に装って、駅前まで来て。

もう、うちに帰ろうかなぁ…。
時計はまだ7時に届かない、でも、お腹も空いたし…。


寒いなぁ。

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/25(金) 22:26:24.87 ID:PIEzgJVV0


うん。寒い。
…あの子は、今も元気かな。また、暖めてくれないかな。
昔みたいに。


―――あ。
そうだ、締めくくりにあそこに行こう。
いつか一緒にと、約束した、あの場所へ。

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/25(金) 22:28:36.21 ID:PIEzgJVV0


思い立ったがなんとやら、僕は早速電車に乗った。
ここからあそこの近くの駅までは30分、往復1時間。
プラス、駅からの移動時間に、向こうでぶらつく時間に…ケーキ、大丈夫かな?


―――


爪゚ー゚) 「電車のー窓はーガタガータなくー」

( ´∀`) 「バンプ?」

爪゚ー゚) 「うん。モナー、好きでしょ?」

( ´∀`) 「そりゃ、好きだけど……」

爪゚ー゚) 「けど?」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/25(金) 22:32:33.81 ID:PIEzgJVV0


( ´∀`) 「あれは、あのボーカルだからいいモナ。じぃが歌っても……」

爪゚ー゚) 「自分も、カラオケで歌ってた癖に」

( ;´∀`) 「あれは…だって、バンプくらいしか歌えないモナ」

爪゚ー゚) 「……じゃあ、行かなきゃいいのに」

( ;´∀`) 「えー……だって、折角誘われたし、それに」

爪゚ー゚) 「それに?」

( *´∀`) 「じ、じぃに会えると思ったから。会いたかったから」

爪*///) 「そ、それって……」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/25(金) 22:36:39.98 ID:PIEzgJVV0


( *´∀`) 「ふ、ふふ」

爪*///) 「な、何よ……」

( *´∀`) 「wwwwwwwwwwwwwww」

爪;゚ー゚) 「……モナー?」

( *´∀`) 「何を期待してるモナ?」

爪;゚ー゚) 「……え?」

( *´∀`) 「4年前の真似、モナwww」

爪;゚ー゚) 「4年前……?」

( ;´∀`) 「あー……流石に覚えてないモナ?」

爪;゚ー゚) 「……ごめん」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/25(金) 22:40:07.54 ID:PIEzgJVV0


( ;´∀`) 「ほら、夏祭りの時……」 カクカクシカジカ

爪゚ー゚) 「……あー!あった!確かに、あたし、それ言った!」

( ´∀`) 「思い出したモナ?」

爪 ー ) 「うん。で……」

爪 ー ) 「そんなことで、女子の心を弄んで、何か言うことは?」

( ;´∀`) 「……今度からTPOに気をつけます」

爪 ー ) 「よろしい」

( ;´∀`) 「待って!関節は!関節は!それ以上逆には無理!重い!いや軽い!ごめん!g(ry」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/25(金) 22:45:15.04 ID:PIEzgJVV0


( ´Д`) ハッ


「次は〜〜町、〜〜町。左側のドアが開きます。ご注意ください」


( ´Д`) (もう…着いたモナ)


外の寒さに、電車の中の暖かさ。
このコンビネーションは、やっぱり怖い。
いつの間にか寝てしまっていたみたいだ。

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/25(金) 22:46:20.19 ID:PIEzgJVV0


ここからは徒歩。
寒さは、寝起きの頭をはっきりさせるのにはちょうどいい。かな。


寝起きというのは、少し嫌いだ。
頭がぼーっとして、余計なことまで思い出したりするから。
ほら、今も。


爪゚ー゚) 「ね、モナー」

( ´∀`) 「?」

爪゚ー゚) 「あのね……」


6年前、中学2年の頃かな。

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/25(金) 22:51:19.41 ID:PIEzgJVV0


( ´∀`) (着いた……!)


歩き慣れない登り道を登って少し疲れたかな。
でも、その疲れも吹き飛ぶような、とても綺麗なイルミネーションが目に飛び込んだ。
あぁ、やっぱり、綺麗だ。


流石、この街の数少ない自慢の一つ、と言ったところか。
大きなツリーに青を基調とした落ち着いた感じの電飾。頂には大きな星が輝いている。
そのツリーの下まで人を導くように装飾された道。


( *´∀`) 「やっぱり、綺麗モナ」

( ;´∀`) (流石に男一人でこんなの見に来てるのはモナだけモナ?)


周りを見るとはっきりとそう分かって、なんというか……
まぁ、寂しいけど。

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/25(金) 22:52:25.75 ID:PIEzgJVV0
>>42はミスですorz


あの子は、少し遠くへ転校した。
中学生でも会える距離だけど、でも少し遠いところへ。
その「会おうと思えば会える距離」のおかげで、より遠くなった気もする。


自白してしまおう。
僕は、あの子が好きだった。もとい、今でも好きだけど。
結局、それは告げなかったし、今も告げていない。


それから、結局、「約束」も果たされないままだ。
別に…あの子は憶えてないかもしれないから、いいけど。
少し、寂しい。


もっと寂しいこともあったけど。

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/25(金) 22:55:19.74 ID:PIEzgJVV0


( ´∀`) (着いた……!)


歩き慣れない登り道を登って少し疲れたかな。
でも、その疲れも吹き飛ぶような、とても綺麗なイルミネーションが目に飛び込んだ。
あぁ、やっぱり、綺麗だ。


流石、この街の数少ない自慢の一つ、と言ったところか。
大きなツリーに青を基調とした落ち着いた感じの電飾。頂には大きな星が輝いている。
そのツリーの下まで人を導くように装飾された道。


( *´∀`) 「やっぱり、綺麗モナ」

( ;´∀`) (流石に男一人でこんなの見に来てるのはモナだけモナ?)


周りを見るとはっきりとそう分かって、なんというか……
まぁ、寂しいけど。

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/25(金) 22:57:27.78 ID:PIEzgJVV0


暫く見て回って―――最悪の事態となった。
やっぱり、こいつら、僕が嫌いなのかな?


(,,゚Д゚) 「……モナー」

( ;´∀`) 「げ……ギコ」

(,,゚Д゚) 「げ、ってなんだよ、げ、って……それより、一人か」

( ´∀`) 「……勿論」

(;゚Д゚) 「あー……なんていうか、えーと……」

(*゚ー゚) 「……モナー、君、だっけ?」

( ´∀`) 「?そうモナ」

(*゚ー゚) 「こんばんは」

( ´∀`) 「こんばんは」

(*゚ー゚) 「……」

( ´∀`) 「……」

(*゚ー゚) 「……」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/25(金) 23:00:25.14 ID:PIEzgJVV0


( ´∀`) 「……ギコ、ちょっと」

( ´∀`) (えーと……今、何が起きた?)

(,,゚Д゚) (まぁ……よく分からん。が……)

(,,゚Д゚) 「……モナー、その、なんだ、今から飯でも食いに行こうぜ?」

( ;´∀`) 「いや、彼女さんは?」

(,,゚Д゚) 「いや、どのみちどこかで飯食べるつもりだったし…しぃ、駄目か?」

(*゚ー゚) 「そう、それを私も言おうとしてたの」

(*゚ー゚) 「一人でこんなの見に来るなんて可哀相だし!」

(;゚Д゚) 「……そ、そうか。どうする、モナー」

( ;´∀`) 「流石に……モナ」

(,,゚Д゚) 「ん、そうか……」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/25(金) 23:06:12.99 ID:PIEzgJVV0


( ;´∀`) 「そ、それじゃ!」

(;゚Д゚) 「おぉ……」

=一二三 ( ;´∀`)


( ;´∀`) (……ここまで来れば……)

( ・∀・) 「あれ?モナー?」

( ;´∀`) 「モ、モララー」

( ;・∀・) 「まさか…一人で?」

=一二三 ( ;´∀`)

( ;・∀・) 「あっ……」

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/25(金) 23:11:50.59 ID:PIEzgJVV0


('A`) 「ん?モn」

( #´∀`) 「この裏切り者!」

('A`) 「え?」

( #´∀`)⊃#)A`) ブァ

(#)A ) 「な、なんで……?」

川;゚ -゚) 「ど、ドクオ!?」

=一二三 ( ´∀`)

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/25(金) 23:14:12.09 ID:PIEzgJVV0


( ^ω^) 「おっ!m」

=一二三 ( ´∀`) お前は無視!

( ´ω`)

ξ;゚听)ξ


普通に考えれば。
この街の人間なら、というかカップルとか、クリスマスに浮かれた連中なら。
そりゃ、ここに来るよね。何やってんだろう、僕は。泣きそうだ。

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/25(金) 23:16:04.53 ID:PIEzgJVV0


( ;´∀`) 「つ、疲れた……」 ヒィ


ケーキをできるだけ揺らさないようゆっくりと、それでいて迅速に走る。
太ももの裏とかにすごく負担はかかったけど…でも、人の少ないところへ歯は来れた。
…もうここでケーキ食べちゃおうかなぁ。お腹、空いたし。


爪゚ー゚) 「……モナー、だよね?」

Σ( ;´∀`) ヒッ

爪;゚ー゚) 「なんでビクつくの?」

( ;´∀`) 「え?あ、いや……」

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/25(金) 23:18:25.20 ID:PIEzgJVV0


爪゚ー゚) 「そんなに動揺しなくても……久々に会えて嬉しいのはわかるけどさー」

( ;´∀`) 「いや、そうじゃなくて……」

爪゚ー゚) 「?……へー嬉しくないんだ。私は嬉しいのになー」

( ;´∀`) 「そうでもなくて……なんでココにいるモナ?」

爪゚ー゚) 「え?いや、なんとなく?モナーこそ、なんで?……しかも、一人で?」

( ´∀`) 「僕もなんとなく、だけど……じぃこそ、なんで一人モナ?彼氏さんは?」

爪゚ー゚) 「あー、あんなの、去年別れたよ?」

( ´∀`) 「……聞いてないモナ?」

爪゚ー゚) 「言ってないもんw」

( ´∀`) 「……」

爪゚ー゚) 「……」

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/25(金) 23:21:11.99 ID:PIEzgJVV0


爪゚ー゚) 「ということは、今ここにいるのは、お互い独り身の寂しいもの同士、ってことかな?」

( ´∀`) 「そうなる……モナ」

爪゚ー゚) 「んー……ね、モナー」

( ´∀`) 「?」

爪゚ー゚) 「ご飯でも食べない?」

( ´∀`) 「そうしたいけど、ほら、これ買っちゃったし」


そう言って、ケーキの箱を掲げる。白状すると、これを機に「なら家へ〜」みたいな展開を期待してる。
実を言うと、ケーキは二つ買ってある。
理由は「なんとなく」だけど…これは、まさか、サンタさんの力?

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/25(金) 23:24:27.79 ID:PIEzgJVV0


爪゚ー゚) 「あー…そっか、仕方ないね。それじゃ……」

( *´∀`) dkdk

爪゚ー゚) 「帰ろっか?」

( ´Д`)

爪*゚ー゚) 「ふふっ、冗談だよw」

( ´Д`) 「……?」

爪*゚ー゚) 「ね、それじゃ、モナーの家で食べよ?」

( *´∀`) 「喜んで!モナ!」

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/25(金) 23:27:46.26 ID:PIEzgJVV0


爪゚ー゚) 「あ、でも、その前に。約束、したでしょ?ね、イルミネーション、今度は二人で見て回らない?」

( *´∀`) 「……!勿論!モナ!」

爪゚ー゚) 「じゃあほら、また迷子にならないように、手、繋ごう?」

( ;´∀`) 「だからあれは迷子じゃないと…」

爪゚ー゚) 「嫌?」

( *´∀`) 「……むしろ、繋ぎたいモナ」

爪*゚ー゚) 「ふふ」


10年、待ち続けた約束を、やっと実現できた。
すごく嬉しい。泣きそうだ。二人で、やっと。
二人で見れたこともうれしいけど、それ以上に、じぃが約束を覚えてたことも、うれしい。


爪゚ー゚) 「あ、モナー、言い忘れてた」

爪*^ー^) 「メリークリスマス!」

( ´∀`) 「……」

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/25(金) 23:29:22.16 ID:PIEzgJVV0


えぇと、これは、サンタさんのプレゼントかな?
ここで何か、言わなきゃ。今まで長い間伝えられなかった気持ちも。
だって、これは、最高の状況だと思う。


あぁ、でも、どうしよう、言葉が、思いつかない。やっぱりメリークリスマスで返すべきかな?
でも、好きだって、伝えたくも思うし。
―――あぁ、そうか。何も、そんなに欲張らなくていいや。


今は、たった一言でもいいや。
その一言に、ありったけの想いを込めよう。
10年分の、気持ちを込めた、ただ一言でいいよね。


( *´∀`) 「メリークリスマス!」


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