- 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 20:08:36.17 ID:aj77Ga+t0
- 立ったら投下するつもりだけど、この作品は、
「( ・∀・)「はい、こちら皆様の明るく楽し(以下略)」のようです」
を先に読んでおくのを推奨します
- 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 20:11:09.23 ID:aj77Ga+t0
『あーはいはい。わかったよ、ロリコン君』
(;^Д^)「いやいや!モラ先輩は全然分かってないですよ!」
『大丈夫。ロリコンは皆、そう言うんだ』
(;^Д^)「…ちょっ――そんな『犯罪者は皆自分は悪くないって言う』て感じで……」
(;^Д^)「とにかくっ!」
(;^Д^)「――俺は惚れっぽくもないし流されやすくもなくて、ましてロリコンなんかじゃねーって何度も言ってんじゃねーですかっ!!!」
…の、ようですけど……?
- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 20:14:10.95 ID:aj77Ga+t0
『――あー、もしもし? ちっこいお兄ちゃん?』
( ^Д^)「確かに俺は三男だけど、その“ちっこい”ってのは止めろっつってんだろ」
『まーいいじゃん。んで、今何処?』
( ^Д^)「大学の帰り。自分のアパートの前」
『そりゃちょうど良かった』
( ^Д^)「何がちょうど良いんだ……って?」
( ^Д^)「……なんだ? この俺の部屋の前に我が物顔で鎮座してるデカイダンボールは」
- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 20:17:12.58 ID:aj77Ga+t0
『気づいたか』
( ^Д^)「気づいたか、というか……部屋に入れないんだけど」
ズシッ
(;^Д^)「――しかも重たっ!!」
『早めに中に入れちゃってね。生物だから』
(;^Д^)「くっそ。なんだよ、これ……」
ガチャ …ズルズル
『おっきい兄ちゃんから、だって』
( ^Д^)「……あの人連絡ついたんだなー。ここ三年ぐらい会ってないけど」
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 20:20:11.24 ID:aj77Ga+t0
『私も会ってないよ。それがぽーんと送られてきただけー』
( ^Д^)「ぽーんとか」
『ぽーんと、だよ』
( ^Д^)「はぁ。……んで中身はなんなんだよ…」
『ぽーんと、目玉が飛び出るもの、だよ』
ガサガサ
( ^Д^)「そんな漫画みてーなことがあってたまるか」
『あっ、優しく開けてね。上から』
( ^Д^)「めんどいなぁ。…破っていいよな? ダンボールだし」
ビリビリ…
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 20:23:13.96 ID:aj77Ga+t0
バリバリ バサッ! (ダンボールを開けた音)
(#゚;;-゚)
( ^Д^)「…………」
パタン (ダンボールを閉めた音)
『どう? ちっこい兄ちゃん。驚いた?』
(; Д)「俺、疲れてんのかな……。ダンボールの中に中学生ぐらいの美少女が鎮座してるように見えたんだけど……」
『もっかい開けてみ』
バサリ (ダンボールを開けた音)
(#゚;;-゚)
(; Д)「……ちくしょう」
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 20:26:11.24 ID:aj77Ga+t0
(; Д)「(くそっ、なんだコレ?今まで兄貴が送ってきた物にロクなもんはなかったけど、これは最悪だぞ)」
『んでさー。その子、しばらく預かってくれない?』
(; Д)「(“生物”って“いきもの”ってことかよ。新手のデリバリーヘルスか?そうか、それなら納得。中学生ぐらいに見えるけど――)」
『年齢は十三だって。おっきい兄ちゃんが拾ったらしいよ?』
(; Д)「中学生って予想、大当たり……」
『じゃ、お願いしやーす』
ブチッ
(; Д)「(…なんだコレ?なんだコレ?なんか、昔こんなドラマあったよな……。男三人が子供預かるやつ、)」
(#゚;;-゚) ジーッ
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 20:29:11.80 ID:aj77Ga+t0
(;^Д^) チラッ
(#゚;;-゚) ジーッ
(; Д)「…はぁ」
――かくして。
大学生になって一人暮らしだー、と喜んだ矢先。
俺は同居人を手に入れたわけである。
(; Д)「…マジで、心の底から、――なんだ、コレ……」
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 20:32:12.28 ID:aj77Ga+t0
トゥルルルル!トゥルルルル!
ガチャ!
( ・∀・)「はい、こちら皆様の明るく楽しい生活の手助けをさせて頂くVIP大学『アドバイス部』でございます」
『……モラ先輩…?』
( ・∀・)「…お、その声は我が気紛れサークル『アドバイス部』の二人目の部員、後輩のプギャー君じゃないか」
『大当たりです……』
( -∀-)「なんだ、お前。まるで家に帰ったら見ず知らずの他人(美少女)が寛いでたみたいな落ち込み具合だな」
『あながち間違ってないのが、なんとも……』
( ・∀・)「…………え?マジで?」
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 20:35:14.51 ID:aj77Ga+t0
『……この国の警察は優秀だ。悪いことは言わない。自首しろ』
( ^Д^)「俺も兄貴にそう言いたいです。で、先輩」
『なんだ後輩』
( ^Д^)「入学・入部早々アレですが、まず俺の相談に乗って貰えませんか」
( ^Д^)「――VIP帝国大学名物、『アドバイス部』部長として」
『――悪い。今トソンがカレー作ってくれてるから。じゃ、頑張れ』
ブチッ ツーツーツー
(;^Д^)「……え?嘘?マジで? 本当に切った? 俺、恋人のカレーに負けたの?」
- 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 20:38:12.43 ID:aj77Ga+t0
( *・∀・)「あーもうっ。どうしてトソンの料理はこんなに美味しいのかなー?」
(゚ー゚トソン「何故なら愛が入ってるからです!溢れんばかりのものがっ!!」
トゥルルルル!トゥルルルル!
( ・∀・)「あー、ちょい待って。賛美の言葉は電話の後に」
ガチャ!
( ・∀・)「はい、マコト」
『――アンタみてぇなのに池袋のトラブルシューターは名乗らせたくない!「マコト死ね」って言葉がここまで似合うシチュエーションも――』
ブチッ
( ・∀・)「…ああ。間違い電話だったよ」
(゚ー゚トソン「そうですか。じゃ、夕飯の続きをしましょう」
- 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 20:41:10.82 ID:aj77Ga+t0
トゥルルルル!トゥルルルル!
『はい、こちら揉め事処理屋、紅真九郎』
(;^Д^)「親身さが一ミリもない揉め事処理屋もいたもんですねぇ!!」
『切っりまーす』
(;^Д^)「待って!お願いだから切らないで!!」
(#゚;;-゚) ジーッ
(;^Д^)「……この子と二人っきりは、辛過ぎる!!」
『あーもう分かったっての』
『じゃー、今からこっち来い。相談しよう』
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 20:44:11.71 ID:aj77Ga+t0
【移動で、五分後】
( ・∀・)「いらっしゃーい」
(゚、゚トソン「どうも、プギャーさん」
(;^Д^)「こんにちはー。……はぁ、なんかトソさんみたいな美人見ると、心が安ら――」
ズブリ
(;うД)「――って、目潰しいってぇぇぇぇえええ!!」
( ・∀・)v 「俺の奥さんに色目を使うな」
(;うД)「社交辞令なのに、うぅ……」
( ・∀・)「まぁ見てもいいけど、一秒につき百万な」
(;^Д^)「高っ!」
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 20:47:15.60 ID:aj77Ga+t0
( ・∀・)「それで、っと、……美少女が、っと……どうした?」
( ^Д^)「その前に質問なんですけど。なんでギプスして足引き摺ってるんですか?」
( ・∀・)「…………アキレス腱が、切れた」
(゚、゚トソン「私のうっかりミスで」
(;^Д^)「一体どういうミスで!?」
(-、-トソン「浮気かと思って、こう……――包丁で、ザックリ」
(;^Д^)「リアルで怖い! モラ先輩は訴えていいと思います」
( ・∀・)「馬鹿な。愛しい人から受けた傷なんか怪我のうちに入らないねっ!!」
( *・∀・)「――むしろ愛の再確認ができたと思って心地良かったぜ!!」
(; Д)「なんだこのヤンデレ夫婦……」
- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 20:50:22.41 ID:aj77Ga+t0
( ^Д^)「……まぁ、二人のエピソードは(怖いから)これ以上聞きませんが」
( ・∀・)「話し足りないぞー」
( ^Д^)「今度の部活でいいでしょ。……問題は、」
コトン
(-、-トソン「どうぞ」
(;^Д^)「あっ、どうも。お茶とか出さなくても――ってなんでカレー!!?」
(゚、゚トソン「出来立てですよ?」
( ^Д^)「え、何このさも当然みたいな反応? 夕食時に押しかけた俺が悪いのか……?」
(; Д)「…しかも普通に旨いしよ……」
( ・∀・)「だろ?」
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 20:53:11.01 ID:aj77Ga+t0
( ^Д^)「……埒が明かないですね。簡潔に説明します」
・家に美少女
・しばらく預かる
・どうしよう?
( ^Д^)「というわけですが、」
( *・∀・)「「押し倒せっ!!」」(゚、゚*トソン
(; Д)「わー、目が爛々と輝いてるー。他人事だと思ってー」
( ^Д^)「で真面目な話、どうしましょう?」
(-、-トソン「そうですね……」
(゚、゚トソン「まずは名前を聞いてあげたらどうでしょう?」
( ^Д^)「名前、か……」
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 20:56:12.71 ID:aj77Ga+t0
【移動に、五分後】
(#゚;;-゚) ジーッ
( ^Д^)「…あの、お前、さ……名前とか、ある………?」
(#゚;;-゚)「…………」
(#゚;;-゚)「ないです。家族も帰る家も戸籍もないです」
(;^Д^)「そうか、そっか……(空気が重い…)」
(#゚;;-゚)「…………」
(;^Д^)「じゃ、じゃ俺、ちょい行ってくるし……」
(#゚;;-゚)「はい」
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 20:59:10.70 ID:aj77Ga+t0
【移動し、五分後】
(゚、゚トソン「それで逃げ帰ってきたわけですか」
(;^Д^)「お恥ずかしい限りですが……」
川 ゚ -゚)「男の屑だな。屑ついでに這い蹲れ。そして私の足を舐めろ」
( ^Д^)「………」
(;^Д^)「……それでモラ先輩、この初対面で足を舐めろと強要してくる偉そうにソファーに腰掛けてる美人さんは、誰ですか?」
( ・∀・)「俺の永遠のライバルだ。『強者』と書いて『とも』と読む仲だな」
(;^Д^)「(全然分からん……)」
( -∀-)「………しいて言えば、女王様だな」
( ^Д^)「それは見たら分かります」
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 21:02:15.25 ID:aj77Ga+t0
川 ゚ー゚)「しかし、顔はいいな。私の奴隷にならないか?」
( ^Д^)「そんな『私の執事をやらないか』みたいな調子で奴隷契約を結ぶつもりはありません」
川 ゚ -゚)「なんだつまらん」
(; Д)「はぁ……」
( ・∀・)「……プギャー。お前は俺が真面目にやってないと思ってるだろうがな」
( ^Д^)「知り合って半月ですけど、一度もモラ先輩の真面目なところを見たことないです」
( ・∀・)「『アドバイス部』去年一年間の成果を知らないな? 自殺者を何人引き止めたと思ってるんだ」
(゚、゚トソン「二度ほど殺人事件も解決してましたね」
川 ゚ -゚)「あらゆるサークルに助っ人参加もしてたな」
(;^Д^)「そんなに高スペックなら、俺の問題にももうちょい親身になって下さいよ……」
- 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 21:05:14.71 ID:aj77Ga+t0
( ・∀・)「いやいや、その為にクーを呼んだんだ」
( ^Д^)「え?」
( ・∀・)「なんと言ってもコイツは――」
川 ゚ー゚)「美少女・美少年大好きさんだからなっ!!」
( ^Д^)「…………」
(; Д)「この人達に頼んだのは間違いだったかもしれない……」
- 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 21:08:12.56 ID:aj77Ga+t0
【移動が、五分後】
(;^Д^)「(クー先輩の言った通りに……っと)」
(;^Д^)「なぁ、お前」
(#゚;;-゚)「…………」
( ^Д^)「長旅で疲れただろう。シャワーでも浴びたらどうだ?」
(#゚;;-゚)「一緒にですか?」
(;^Д^)「へ?」
(#゚;;-゚)「………いえ。なんでもありません」
(#゚;;-゚)「それでは有難く」
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 21:11:12.58 ID:aj77Ga+t0
【移動の、五分後】
川 ゚ -゚)「なんで一緒に入らなかったんだ」
( ^Д^)「普通は入りませんよ……。大体、俺は胸はおっきめが好きなんです」
川 ゚ー゚)「ほう。それは私への求愛と思って構わないな?」
(゚、゚トソン「そして私への侮辱ととって相違ないですね?」
( ^Д^)「どっちも違います」
('A`)「……そーいやお前、あの茶髪のキレー系な人とは別れたのか? 女の子の涙が弱点の流されやすい男の代表格君」
( ^Д^)「デレさんとは自然消滅です。――って、」
( ^Д^)「何故俺の中高の先輩であり、この大学に誘った張本人のドクオ先輩がいるんですか……」
('A`)「説明ご苦労、後輩」
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 21:14:13.05 ID:aj77Ga+t0
( ・∀・)「ふふふ。大丈夫だ、お前も知っての通り、ドクオは年下を口説くの得意中の得意なんだぜ?(二次元限定だけどな)」
(;^Д^)「今小声で嫌なワードが聞こえたような……」
('A`)「気にするな後輩。俺は、リアルで彼女とか諦めることにしたから」
( ^Д^)「一年間で何があったんですか。高校の頃はもっと性に対して積極的だったのに」
(、トソン「人は…変わってゆくわ……」
( ^Д^)「ララァ……――って、よりにもよってファーストですか」
川 ゚ -゚)「二人はオタク兼ヤンデレのカップルなんだ。デュアルスキルだな」
( ^Д^)「そんな多重能力者は嫌だ」
( ・∀・)「楽しいぜー?夫婦生活は。多少、命の危険があるが」
( ^Д^)「もう突っ込みませんよ」
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 21:17:10.00 ID:aj77Ga+t0
( ^Д^)「……で、そろそろ風呂から上がる頃だと思うんですが」
('A`)「名前をつけなきゃ駄目だな」
( ^Д^)「名前?ああ……」
('A`)「普通、ヒロインの名前を自由に設定できる場合はゲーム開始直後にするだろ?」
( ^Д^)「ギャルゲと一緒にしないで下さい。……でも、そうですね」
( ^Д^)「名前、ですか……」
川 ゚ -゚)「とりあえず、これを持って行け」
( ^Д^)「? これは……?」
川 ゚ -゚)「着替えだ。湯冷めしては可哀想だろう?」
- 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 21:20:10.38 ID:aj77Ga+t0
【移動を、五分後】
( ^Д^)「(クー先輩……もしかして良い人なのか?)」
(#゚;;-゚)「バスタオル一枚です」
ガサガサ
(;^Д^)「じゃこれを着――――っ!!?」
イベント発生。選択肢は三つ。
・メイド服
・エプロン
・猫耳+尻尾
(; Д)「前言撤回。あの人、最悪だ……。最後のに至っては服ですらない……」
(#゚;;-゚)「?」
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 21:23:15.70 ID:aj77Ga+t0
【移動は、五分後】
川 ゚ -゚)「――で、どれにしたんだ?」
( ^Д^)「一番布地の多いメイド服になりました」
(-、-トソン「なるほど。プギャーさんはメイド萌えですか」
( ^Д^)「違います」
ポン
(^Д^ )「?」
('∀`)「同志よ……」
( ^Д^)「――で、名前の件は?」
(;'A`)「アレ?後輩のくせに俺のこと無視?」
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 21:26:16.09 ID:aj77Ga+t0
('A`)「――そもそもさ、名前とか以前に戸籍とか大丈夫なのか?」
川 ゚ -゚)「ふむ。私もノリにノッていて失念していたが、現実で十三歳の女の子はマズイな」
(゚、゚トソン「家族もいるでしょうしね。“拾った”と言っても」
( ・∀・)「だから俺は止めたのに…」
(;^Д^)「俺一人が悪いみたいな雰囲気にするの止めて下さい!!あと、家族も戸籍もないそうです!!」
川 ゚ -゚)「…………家族がない?」
川 ゚ -゚)「なら、今日はまだいいだろう」
( ^Д^)「え?」
( ・∀・)「……ああ」
( -∀-)「そこまで言うってことは、已むに已まれぬ事情が、ってやつだろうよ。だからまだ様子見でいいんじゃねぇの?」
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 21:29:38.23 ID:aj77Ga+t0
【移動か、五分後】
( ^Д^)「お前ってさ――」
(#゚;;-゚)「話したくありません。思い出したくありません。聞かせたくありません」
(;^Д^)「あー、もう。違うって。経緯とかは今日は別にいい」
(#゚;;-゚)「!」
( ^Д^)「俺は女の子には超優しいんだって。嫌だと思うことはしないっての」
(#゚;;-゚)「自分で言いますか」
( ^Д^)「前の彼女によく言われたんだよ」
(#゚;;-゚)「お世辞でしょう」
(;^Д^)「お前に俺の何が分かるというんだ……」
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 21:32:15.18 ID:aj77Ga+t0
(#゚;;-゚)「――そう。それです」
(#゚;;-゚)「私はあなたのなんですか」
( ^Д^)「なにって……」
(#゚;;-゚)「私はあなたのことを知らない。同じように、あなたも私のことを知らない」
(#゚;;-゚)「なら、もう関わり合いになる必要はないでしょう」
(#゚;;-゚)「使わないのなら、適当に捨てて下されば結構です。今までだってそうやって生きてきたのですから」
(;^Д^)「(どうしよう。思いの他境遇が暗いっぽい……。家出だと思ってたのに…)」
(;^Д^)「(帰りてぇ……ここ俺の家なのに、何一つ安らげねぇ……)」
- 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 21:35:09.66 ID:aj77Ga+t0
( ^Д^)「……ん? 安らぐ?」
( ^Д^)「…………」
ζ(-、-*ζ『恋人関係も今日で終わりだね』
ζ(-、-*ζ『私とあなたは、本来何の関係もない。もう会えないだろうし』
ζ(-、-*ζ『でも前に言ったよね。「私を好きになりたい」って』
ζ(゚ー゚*ζ『今思うと、すっごく嬉しかった』
ζ(^ー^*ζ『私は多分、あの時からずっと――嘘偽りなく幸せだったよ』
( ^Д^)「……ああ、そっか。そういうことか。だから俺か」
( ^Д^)「いつものパターンか。仕方ないかなー。俺、そんな感じのキャラだもんなー」
( Д)「…まーた俺は女の子に流されちゃうのか……。笑えないなぁ……」
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 21:38:12.67 ID:aj77Ga+t0
( ^Д^)「――確かに、俺はお前のことを知らない」
( ^Д^)「どういう境遇でここにいるとか、なんで俺の家に来たとか、全部」
( ^Д^)「でも……“これから知ろうとすることは”できるだろ?」
(;#゚;;-゚)「!!」
( ^Д^)「あーその反応。さては、友達いないだろ、お前。多分恋人もいないなぁ?」
(#゚;;-゚)「そんなもの……」
(# ;;-)「必要、ないから……」
( ^Д^)「必要ないけど、いた方が全然楽しいぞ?」
(#゚;;-゚)「……楽しい?」
( ^Д^)「おかげで俺は毎日超楽しい」
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 21:42:11.29 ID:aj77Ga+t0
( ^Д^)「お前、今楽しいか?」
(#゚;;-゚)「……別に」
( ^Д^)「そっか。――じゃ俺と友達になろう」
(#゚;;-゚)「友達?」
( ^Д^)「そう。友達だ」
( ^Д^)「家族はいない。帰る場所はなくて、戸籍すらない」
( ^Д^)「幽霊みたいなもんだよな」
(#゚;;-゚)「はい」
( ^Д^)「じゃ、友達になろう」
(;#゚;;-゚)「???」
- 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 21:45:10.30 ID:aj77Ga+t0
- ( ^Д^)「だって、友達がいたら、もう寂しくないだろ?」
(# ;;-)「っ!」
――ああ、この人は。
私の言葉が全部強がりだと知ってて、
ずっと寂しくて、寂しくて寂しくて誰かに傍に居て欲しいことを、初対面で見抜いて。
誰も今まで言ってくれなかったことを、
こんなにも簡単に……
:(# ;;-):「…………友達、ですか。そうですか……」
今までの誰とも違う。
友達。
――友達、かぁ……
( ^Д^)「……嫌か?」
:(# ;;-):「っ……まさか」
ずっと、欲しかったんです。――友達。
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 21:48:10.89 ID:aj77Ga+t0
( ^Д^)「…そりゃ良かった。じゃあ、今日からここがお前の家だ」
( ^Д^)「そして、お前の友達一号が――俺」
( ^Д^)っ「プギャーだ。よろしく」
(# ;;-)「東郊でぃ、です……」
(#// -/)「一応、名前はでぃと言います……。よろしくお願いします……」
( ^Д^)「よろしく、でぃちゃん」
( ^Д^)「出て行く気になったら、いつでも行けばいいから」
( ^Д^)「…でもそれまでは一緒にいよう」
( ^Д^)「一緒に、楽しいことを沢山しよう。今までの分を取り返すぐらいに」
(#// -/)「はい……」
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 21:51:14.34 ID:aj77Ga+t0
( ・∀・)「――口説きの最中失礼、友達二号、モララーだ」
(;#゚;;-゚)「へ?」
(゚、゚トソン「友達三号、トソンです。及び、」
川 ゚ -゚)「不覚にもカレーを堪能していて遅れを取り四号となったクールだ。それでこの人間のようなものが、」
('A`)「……どうも。“人間のようなもの”のドクオです。友達五号。そして最後に、」
lw´‐ _‐ノv「悪魔の数字の友達六号。黒魔術部部長、シュール」
(;#゚;;-゚)「は、はぁ……」
(#゚;;-゚)「凄いですね。プギャーさんは、友達沢山です」
(;^Д^)「………いや、不法侵入メンバーの最後の一人は俺も知らないんだが……誰?」
lw´‐ _‐ノv「クールの姉です。淳しまーい」
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 21:54:12.38 ID:aj77Ga+t0
( ・∀・)「まーそういうことよ、でぃちゃん」
(#゚;;-゚)「………?」
( ・∀・)「お前が何かよく分からないけど……まぁ、」
( -∀・)「俺達の独断と偏見により、今日からお前は俺達の友達だ!」
(#゚;;-゚)「…………」
馬鹿だなぁ、とは思ったけど。
なんて適当なんだろう、と尊敬を通り越して呆れたけれど。
私は、
(*^;;-^)「…はい!」
嬉しくて、仕方なかった――。
- 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 21:57:14.46 ID:aj77Ga+t0
( ^Д^)「やれやれ」
――そんなこんなで。
俺は新たに同居人、もとい、友達を手に入れたわけである。
…その後俺のあだ名が「ロリコン」になったのは言うまでもない。
( ^Д^)「……まぁ、いっか」
VIP大『アドバイス部』
本日の活動、これにて終了!!
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