(#゚;;-゚)ニセモノ家族のようです(・∀・ )

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/07(日) 17:17:25.25 ID:2rSBsl4R0


「お父さん」


(#゚;;-゚)「お父さん、起きて」

(#゚;;-゚)「朝だよ」

( -∀-)「…………」

( う∀・)「……お早う、でぃ」

(#゚;;-゚)「お早う、お父さん、朝ご飯食べる?」

( ・∀・)「食べるー……」

(#゚;;-゚)「顔洗ってからね」

( ・∀・)「うん」

(#゚;;-゚)「お箸自分の分持ってきてね」

( ・∀・)「わかった」

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/07(日) 17:20:29.12 ID:2rSBsl4R0








(#゚;;-゚)ニセモノ家族のようです(・∀・ )







3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/07(日) 17:22:41.71 ID:2rSBsl4R0

【朝の風景】


( ・∀・)「でぃ、今日のご飯はなんだい?」

(#゚;;-゚)「目玉焼きと玉子焼きと温泉卵だよ」

( ・∀・)「どれか一つに絞るっていう選択肢はなかったの?」

(#゚;;-゚)「冗談よお父さん、はい、納豆」

( ・∀・)「えっ、卵は?」

ピンポンピンポーン

(#゚;;-゚)「誰か来たわ」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/07(日) 17:25:41.27 ID:2rSBsl4R0

( ・∀・)「反抗期かい?でぃ」

(#゚;;-゚)「出てくるね」

( ・∀・)

ガチャ
  _
( ゚∀゚)「オス!元気にしてるかモララー!? 飯を食わせろ!」

( ・∀・)「でぃ、塩を持ってきてくれ」

(#゚;;-゚)「わかったわ」
  _
(;゚∀゚)「なんでだよおい!大親友のお出ましだぜ!」

( ・∀・)「うちには大親友を食わせる余裕はない」

(#゚;;-゚)つ.゚。←塩

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/07(日) 17:29:13.41 ID:2rSBsl4R0

( ・∀・)「大体飯を食わせろと言ったって、今のうちには納豆しかないよ」

(#゚;;-゚)つ.゚。
  _
(;゚∀゚)「久々に会ったのにしょっぱい! なんか色々しょっぱい!」

( ・∀・)「わかったら有り金を置いて帰れよ。お前がいるとでぃの教育上よくないんだ」
  _
(;゚∀゚)「明らかにお前の発言の方が教育上良くないだろ! でぃちゃんどう思うよ!?」

(∩゚;;-゚)
  _
(;゚∀゚)「み、耳塞いでる……! ズルイ!」

( ・∀・)「お前何しに来たの?」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/07(日) 17:32:58.71 ID:2rSBsl4R0
  _
(;゚∀゚)「久々に友人の様子見に来たらこの仕打ち……、お前ちょっと見ない間に性格変わったよな」

( ・∀・)「人はね、変わる生き物なんだよジョルジュ……」
  _
( ゚∀゚)(なんか重い……)

(#゚;;-゚)「あ、ジョルジュさん、ぶぶ漬けどうぞ」
  _
(;゚∀゚)「持ってもいないのに進めてこないでよ!」

( ・∀・)「おっと、でぃ、こんな馬鹿に構っている時間はない、もう学校だろ?」

(#゚;;-゚)「本当だ、ごめんねジョルジュさん、構って上げられない」
  _
(;゚∀゚)「いや、うん……えっ……?」

( ・∀・)「気をつけていって来るんだよでぃ」

(#゚;;-゚)「わかったよお父さん」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/07(日) 17:35:58.44 ID:2rSBsl4R0

( ・∀・)「変質者とか、車とか、犬とか、男子とか色々気をつけるんだよ」

(#゚;;-゚)「わかったよお父さん」

( ・∀・)「変なおじさんがwii買って上げようかとかいってもついていっちゃだめだよ
     女優にしてあげるとか言われてもついていかないでね
     何かあったらすぐ逃げるんだよ」

(#゚;;-゚)「わかったよお父さん」

( ・∀・)「それから……」
  _
(;゚∀゚)「なげーよ! 遅刻するだろ!一言ですませろ!」

( ・∀・)「生きて帰ってきてね」

(#゚;;-゚)「わかった、いってきます」

( ・∀・)「いってらっしゃい」
  _
(;゚∀゚)「………………」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/07(日) 17:39:49.27 ID:2rSBsl4R0

*  *  *  *

( ・∀・)「……さて、でぃも学校にいったし、今日は家の仕事するかな、ジョルジュ
     お前も手伝っていけよ」
  _
( ゚∀゚)「なんで俺が手伝わなきゃいけないんだよ」

( ・∀・)「ご飯奢ってあげただろ?」
  _
( ゚∀゚)「それとこれとは…………ていうかそもそも奢ってもらってねえだろ!」

( ・∀・)チッ
  _
(;-∀-)「なんだかなあ……お前、本当に変わったわ」

( ・∀・)「僕は元々こんな性格だよ」
  _
( ゚∀゚)「そうかあ? 少なくとも、でぃちゃん引き取る前のお前はもう少し
     ヘタレだったように思えるぜ」

( ・∀・)「お前ほどじゃないけどな」
  _
( ゚∀゚)

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/07(日) 17:43:52.98 ID:2rSBsl4R0

  _
( ゚∀゚)「ところでお前今日会社は?」

( ・∀・)「休み、たまの休みだから家のたまった家事をしようと思うんだけど
     でぃがほとんどやっちゃってるんだよね」
  _
( ゚∀゚)「へー、出来た娘だな」

(#・∀・)「ああ、でもやらないぞ、絶対に……絶対にだ!」
  _
(;゚∀゚)「怖!!心配しなくても俺ロリコンじゃねーよ!」

( ・∀・)「わからないよ、お前は女ならなんでもよさそうだ」
  _
(;゚∀゚)「お前の中で俺はどれだけ信用がねーんだよ!」

( ・∀・)「イタズラ好きな子供が押しちゃいけないボタンを前にして
     『絶対に押さない!』って言ってるくらいには」
  _
(;゚∀゚)「ほぼゼロじゃねーか!」

( ・∀・)「何を今更」
  _
( ゚∀゚)「おま……」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/07(日) 21:47:17.38 ID:2rSBsl4R0
  _
( ゚∀゚)「再婚する気はねーの?」

( ・∀・)「僕の妻はクーだけさ。それに、家族ならでぃがいる」
  _
( ゚∀゚)「お前がいいならそれでいーけどよぉ、別に。でももったいねえなあ……」

( ・∀・)「何が」
  _
( ゚∀゚)「今度合コンあるんだよ! お前もいかね? お前がいると女がよく釣……」

( ・∀・)つ.゚。
  _
(;゚д゚)「塩まくなよ!」


30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/07(日) 21:50:52.43 ID:2rSBsl4R0

【学校にて】


( ´∀`)「皆さん、来週は授業参観があるモナ、プリントをちゃんとお父さんや
      お母さんに渡して欲しいモナ。特に綺麗なお母さんには絶対に渡すモナ」

(#゚;;-゚)(授業参観……この日、お父さんは仕事だ)

ξ゚听)ξ「ねぇねぇでぃちゃん! でぃちゃんとこはお母さんくるの?」

(#゚;;-゚)「…………」

ξ゚ー゚)ξ「あっ、でぃちゃんとこはお母さんいないんだっけ、ごめんねーwww」

(#゚;;-゚)「…………」フイ

ζ(゚ー゚*ζ「シカトかよ」

从'ー'从「やな感じだよね〜」

ヒソヒソヒソ

(#゚;;-゚)「………………」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/07(日) 21:55:03.46 ID:2rSBsl4R0

川д川「でぃ、でぃちゃん……あんまり気にしない方がいいよ……」

(#゚;;-゚)「……貞子ちゃん」

l从#・∀・ノ!リ人「そうなのじゃ、気にするななのじゃ! あのグループいつも嫌味ばっかで
       むかつくのじゃ!」

(#゚;;-゚)「……うん、ありがとう」

川д川「でもやだなあ、授業参観、なくなっちゃえばいいのにね……」

l从・∀・ノ!リ人「本当なのじゃ、めんどうなのじゃー」

(#゚;;-゚)(このプリント、どうしよう……)



( ´∀`)(担任がいる空気で普通にこんな会話が行われるなんて……
     学級崩壊の前触れモナ?)

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/07(日) 21:59:54.98 ID:2rSBsl4R0

( ´∀`)「ちなみに、授業参観の国語の授業では、この間書いた『私の家族』
      を一人一人読んでもらうモナからね」

ξ゚听)ξ「えー、マジたるーい」

ζ(゚ー゚*ζ「代表者に読ませればいいじゃん」

从'ー'从「ね〜」

(;´∀`)「そ、そういうわけにはいかないモナ」

(#゚;;-゚)「………………」

( ´∀`)「あ、あと毛利はまだ書きあがってないから、今週中に提出するモナよ」

(#゚;;-゚)「……はい」

ξ゚听)ξ「ぶwwwww」

ζ(゚ー゚*ζ「家族死んじゃってるんだからかけねーじゃんwwwww」

从'ー'从「先生ひどーい」

(;´∀`)「こら!! そういうことは言うなモナ!」

(#゚;;-゚)「………………」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/07(日) 22:07:50.53 ID:2rSBsl4R0
【帰宅】


(#゚;;-゚)「ただいまお父さん」

( ・∀・)「ああ、お帰りでぃ、学校はどうだった?」

(#゚;;-゚)「普通」
  _
( ゚∀゚)「よっ、お帰り!」

(#゚;;-゚)「ぶぶ漬けさんまだいたんですか」
  _
(;゚∀゚)「俺の名前はぶぶ漬けじゃないよ!?」

(#゚;;-゚)「今日はお父さんと久々に外食の予定なので早急に帰ってください」

( ・∀・)「そうだうよ、早く帰れよお前」
  _
(;゚∀゚)「何それ、冷てぇ……俺も連れてってよ」

( ・∀・)「子供か、やだよ。お前も結婚でもすれば? そうすりゃ少し落ち着くだろ」
  _
( ゚∀゚)「でぃちゃん、お嫁にくる?www」

(#゚;;-゚)「嫌です」

( ・∀・)「殺すぞ」
  _
( ゚∀゚)「冗談が通じないんだけどこの親子……」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/07(日) 22:10:41.93 ID:2rSBsl4R0

(#゚;;-゚)(親子……)

( ・∀・)「ん? どうしたのでぃ」

(#゚;;-゚)「なんでもないわ」
  _
( ゚∀゚)「さてはテストで悪い点でもとったか?どれ、お兄さんに見せてご覧!」

( ・∀・)「でぃはお前と違って頭いいんだよ、あとお前もうお兄さんって年でもねえだろ」
  _
( ゚∀゚)「お前の言葉、さっきから胸にくるんだけど!」

(#゚;;-゚)「あのね、お父さん、来週の月曜日なんだけど、お仕事だよね?」

( ・∀・)「え?ああ、うん……どうして?」

(#゚;;-゚)「……なんでもないの」

( ・∀・)「…………でぃ」

(#゚;;-゚)「ごめんね、なんでもないよ、ご飯、やっぱり私が作るね」

( ・∀・)「でぃ、聞いて」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/07(日) 22:15:54.08 ID:2rSBsl4R0

(#゚;;-゚)「…………」

( ・∀・)「僕がでぃを娘にするって言ったとき、約束したよね? 僕の前で
     隠し事や遠慮をしなことって」

(#゚;;-゚)「…………だって」

( ・∀・)「でぃは隠し事があるとき俯く癖があるんだよ、何かあったのかい?」

(#゚;;-゚)「…………あのね」

( ・∀・)「うん」

(#゚;;-゚)「来週の月曜日、授業参観があるの」

( ・∀・)「!!」

(#゚;;-゚)「でも、お父さん仕事だから……」

(*・∀・)「おいジョルジュ! 聞いたか! 授業参観だって! 授業参観!」
  _
(;゚∀゚)「い、いきなり何そのテンション、俺シリアスな空気だから帰ろうと思ったのに」

( ・∀・)「どうして早く言わなかったんだでぃ!お父さん絶対にいくよ!」

(#゚;;-゚)「…でも………仕事は?」

( ・∀・)「世の中には有給というものがあるんだ! 楽しみだなあ!」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/07(日) 22:17:50.55 ID:2rSBsl4R0

  _
( ゚∀゚)「お前そんな授業参観フリークだったっけ」

( ・∀・)「去年は忙しくていけなかったからね、ふふ、楽しみだなあ」

(*゚;;-゚)「………………」

( ・∀・)「じゃあ前祝いに今日はファミレスいこっか!」

(#゚;;-゚)「…………うん!」
  _
( ゚∀゚)「何の祝いだよ」

( ・∀・)「うっさい帰れ!」
  _
( ゚∀゚)「なんだよー」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/07(日) 22:22:12.28 ID:2rSBsl4R0

( ・∀・)「でぃ、何食べたい? お子様ランチ?」

(#゚;;-゚)「お父さん、私そんなお子様じゃないよ」

( ・∀・)「ああそっか、じゃあ何がいい?」

(#゚;;-゚)「ハンバーグ!」
  _
( ゚∀゚)(子供だ……)



差し出された小さな手を握り返して、僕達は近所のファミリーレストランへと向かった
外は少し寒くて、小走りで車の方へと走っていく
でぃは笑っているように見えた。昔に比べて、随分と笑うようになったと思う
あの頃の僕は何もかもが必死で、周りが見えなくなっていたけれど

今となっては、少し、勿体無かったなと、思う

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/07(日) 22:27:45.25 ID:2rSBsl4R0

【5年前】

妻と娘が死んだ


飛行機事故だった

娘のピアノのコンクールで、僕は仕事でいけなかったため
妻と娘の二人が東京へと向かったのだ
そうして、二人が家に帰ってくる途中の出来事だ

信じられなかった
何十人も逝ってしまった悲惨な飛行機事故は、メディアでも大きく取りざたされたものだけど
それでも僕は信じられなかった

僕は遺体が安置されているという現場に向かう
すでにそこには飛行機に乗った人たちの遺族が何人もいて、その中から妻と
娘を探した

本当なはずがないんだ
二人が、僕の家族が、急に消えてしまうだなんてこと、あるわけないんだ

川 - ) (* ∀ )

(;・∀・)「………………っ!!」

青いビニールシートの上に、かけられた布
その中には僕のよく知る顔が、あった

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/07(日) 22:33:55.67 ID:2rSBsl4R0

嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だ!

( ;∀;)「うわぁああああああああん!!クー!つー!」

僕は泣いた
人目も憚らず、その場で泣きついた
救急隊員みたいな人が止めにかかってきたけど構わずひれ伏した

よくクーに「君は泣き虫だな」とからかわれたものだけど、今はその言葉すら
恋しい
ねえクー、起きてくれよ
ねぇつー、笑ってくれよ

二人とも、僕に笑顔を見せてくれ

だけどビニールシートの上に横たわっている二人は驚くほど白く、冷たいままだった
僕は声がかれるほどに泣き叫び、話を聞いて駆けつけてくれた友人、ジョルジュに
連れられて一先ず待機場所へと戻された

救急隊や警察、ヘリも忙しなく動いている

まだ生き残っている人間がいないかどうか確認しているのだろう

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/07(日) 22:39:18.17 ID:2rSBsl4R0

  _
( ゚∀゚)「お前、辛いとは思うけど、自分も死のうなんて考えるんじゃねえぞ……」

ジョルジュが、宥めるように背中を擦ってくれたけれど、とても答える気にはなれなかった

僕に、家族はいない

父も母も、子供の頃に逝ってしまって、クーも同様に両親を失くしていた
僕達は身を寄せ合うように夫婦になり、そしてつーが産まれたのだ

幸せな家族になろうね、そう約束したのに
現実はどうしてこんなにも辛いものなんだろう

僕一人だけ、残されてしまった

( ;∀;)「うっ……うぅ…………」
  _
( ゚∀゚)「…………ほらジョルジュ、あんな小さい娘も、泣かないでるぜ
     ちょっと落ち着けって……つっても無理か」

ジョルジュの言葉の先には小学生くらいの、女の子が立っていた
ボロボロのワンピースを纏って、怖いくらいの無表情で、ビニールシートの
上に横たわる男女を見つめていた

(#゚;;-゚)「…………」

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/07(日) 22:42:51.39 ID:2rSBsl4R0

( う∀・)「……あ、あの娘の両親かな……グスッ」
  _
( ゚∀゚)「そうかもな、あんな小さいのに、可哀相になあ」

( ・∀・)「ちょっといってくるよ……」
  _
(;゚∀゚)「えっ!? ちょっ、モララー!?」

僕は吸い寄せられるようにふらふらと彼女に近付いていった
彼女は僕が近付いても、微動谷せずその場に突っ立っていた

( ・∀・)「ねぇ、君大丈夫?」

(#゚;;-゚)「…………何がですか?」

( ・∀・)「その二人、君のお父さんとお母さんじゃないの?」

(#゚;;-゚)「せけんてきには、そう呼ばれてます」

女の子は小学一年生くらいだろうか
その割には大人びて見えた

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/07(日) 22:46:46.43 ID:2rSBsl4R0

( ・∀・)「あのね、悲しいときは泣いていいんだよ。僕はそう教わったんだ」

(#゚;;-゚)「別に……悲しいことはないです」

( ・∀・)「どうして?」

(#゚;;-゚)「嫌いだったから、お父さんも、お母さんも」

( ・∀・)「…………」

(#゚;;-゚)「二人とも、わたしのことを嫌ってていつもぶってきた」

(#゚;;-゚)「だから、せいせいしました」

( ・∀・)

( ;∀;)ブワッ

(#゚;;-゚)

( ;∀;)「そっ、そんな悲しいこと言うなよぉおおおおおおお!!うわあああああん!」

(#゚;;-゚)「お、おちついておじさん……」

( ;∀;)「僕はまだお兄さんだあああい!うわあああああああああん!」

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/07(日) 22:51:51.97 ID:2rSBsl4R0

(#゚;;-゚)「お、お兄さん落ち着いて……泣かないで」

( ;∀;)「泣くよぉ!! クーが死んじゃったんだ!つーもいなくなっちゃったんだ!
      僕の家族は消えちゃったんだ!うわあああああああああああああん!」

(#゚;;-゚)「………………」

子供みたいに泣きじゃくって、僕は情けないことにその少女に縋りついた
当時28歳だった僕が、小学生の女の子にだ

今思えば、確かに僕はヘタレだったと思う
少女は僕の頭にそっと手を伸ばして、僕が泣き止むまで頭を撫でてくれた

( ;∀;)「クー!!つーーー!!うわああああああああああん!」

(#゚;;-゚)「……いいこ、いいこ」
  _
(;゚∀゚)(子供にあやされとる……)

どのくらい時間がたっただろうか
僕は泣きつかれて眠ってしまったらしい
気がつけば、病院のソファの上だった

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/07(日) 22:54:47.09 ID:2rSBsl4R0
  _
( ゚∀゚)「お、やっと起きたか」

( ・∀・)「ジョルジュ……?」
  _
( ゚∀゚)「お前起きねーんだもん」

( ・∀・)「ここは……?」
  _
( ゚∀゚)「でぃちゃんの怪我が結構酷かったから、つれてきたんだよ」

( ・∀・)「でぃちゃん?」
  _
( ゚∀゚)「お前が泣き縋ってた女の子。どうも、虐待受けてたらしいな……まったく
     嫌な世の中だよ、本当」

でぃ、ちゃん
涙一つ見せない少女の顔が頭に浮かび上がってきた

(#゚;;-゚)

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/07(日) 22:58:18.04 ID:2rSBsl4R0

( ・∀・)「あの娘、今どこにいるの?」
  _
( ゚∀゚)「今治療中、もうすぐ出てくると思うぜ」

( ・∀・)「そう……あの娘、他に親戚とかは?」
  _
( ゚∀゚)「来る途中聞いてみたけど、どうもいないみたいだな。誰も関わってない
     っつー感じでもあったけど」

( ・∀・)「そうか……じゃあ、あの娘も一人なんだね……」

僕と、同じで

急激に、目頭が熱くなってきた
止めようと思っても止められない。僕は一人になってしまって、クーともつーとも
もう二度と会えない。
そう思うだけで、涙が溢れてきた

一人、一人一人!

( ;∀;)「うぅうう……」

「また泣いてるの?お兄さん……」

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/07(日) 23:04:42.16 ID:2rSBsl4R0

病室から、でぃちゃんが出てきた
白いガーゼが巻かれたその顔は、やはりどこか無表情だった

( ・∀・)「でぃちゃん……」

(#゚;;-゚)「あのね、泣いても状況は変わらないよ。私はそう教わったの」

( ・∀・)「………………うん」

(#゚;;-゚)「いつか、一人にも慣れるよ」

( ・∀・)「君は……」

(#゚;;-゚)「なあに?」

( ・∀・)「君は、寂しくないの?」

(#゚;;-゚)「寂しいって、なあに」

本当にわからないという表情で、彼女は首を傾げた
ああ

ああ、この娘は、今まで寂しいということを感じたことがないのだろうか
いいや、そんなはずはない、そんな人間、いるわけないんだ
じゃあどうして?
そんなの……、そんなの、寂しいと思うことすら忘れてしまえるような環境にいたからに決まってる
じゃないか、ずっと一人が当たり前だったんだ

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/07(日) 23:09:41.19 ID:2rSBsl4R0

( ・∀・)

( ;∀;) ブワッ

(#゚;;-゚)「また泣く」

( ;∀;)「きっ、君も!泣いていいよ!」

(#゚;;-゚)「私は泣かないわ。だって、悲しくないもの」

彼女は笑わない。泣かない。怒らない。まるで感情のない人形みたいだ
僕にはそれが悲しく、虚しい。

僕は小さなその手を握って抱きしめた

(#゚;;-゚)「…………どうしたの?」

( ;∀;)「嬉しいことや、悲しいこと、楽しいこと、辛いこと、この世の中には
      沢山沢山溢れているんだ、でもね……それをきちんと感じれる人間に
      なって欲しいんだ……」

(#゚;;-゚)「無理だよ、だって、私、生きていたくないもの」

その言葉を聞いて、僕はまた悲しくなった
さっきまでクーがいなくなって、つーも死んでしまって、僕もいっそ死んでしまいたかったけれど
実際にその言葉を人から聞くと、こんなにも辛い気持ちになるだなんて

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/07(日) 23:13:41.56 ID:2rSBsl4R0

( ;∀;)「だめだよ、そんなこと言ったらだめだ」

(#゚;;-゚)「どうして?」

( う∀・)「それは、これから僕が教えてあげる」

(#゚;;-゚)「……お兄さんが?」

( ・∀・)「うん、でぃちゃん、これから行く所、ある?」

(#゚;;-゚)「…………ない」

( ・∀・)「だったら、僕と一緒に暮らそう」
  _
(;゚∀゚)「ちょおまっ!」

ジョルジュが焦ったように肩に手をかけた
何を言いたいのかは解っている。犬猫貰うんじゃないんだ。ましてや
妻と娘が亡くなったばかりだというのに、何を言い出すんだ、って顔

僕だって、自分がいかに非常識なことを言ってるのかくらいわかっている
だけどそれでも、言わずにはいられなかった
僕はでぃちゃんのことを何も知らないし、彼女も僕のことを何も知らない

だけど、共通してることがある
僕達は互いに家族を失い一人ぼっちだということだ
  _
(;゚∀゚)「何言ってんだよモララー! 犬猫貰うんじゃねえんだぞ!?」

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/07(日) 23:16:44.81 ID:2rSBsl4R0

( ・∀・)「わかってるよ」
  _
(;゚∀゚)「いいや!わかってないね! お前はこの娘を……!」

(#゚;;-゚)「代わりでもいいよ」

( ・∀・)「!」
  _
(;゚∀゚)「でぃ、でぃちゃん……?」

(#゚;;-゚)「お兄さんの死んでしまった家族の代わりでもいいよ。私、住むところがあれば
     それでいいの」

その言葉は酷く猜疑的で、希望のないものに見えたけど、少なくとも僕は救われた
これは僕のエゴだ
何の関わりもない少女に自分の寂しさを押し付けた

僕の単純なエゴ

少女は相変わらずの無表情で僕に手を差し出した

(#゚;;-゚)「これからよろしくね、お父さん」

( ・∀・)「…………うん」

その日、僕達はニセモノの"家族"になった

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/07(日) 23:24:30.71 ID:2rSBsl4R0
【ファミレス】


(#゚;;-゚)「牛肉をミンチにして焼いた物美味しいよお父さん」

( ・∀・)「そうか、よかったね、僕も鳥の羽根を剥いで揚げた物が美味しいよ」
  _
(;゚∀゚)「なんでそんなグロい言い方すんの!? ハンバーグとフライドチキンていやいいじゃん!」

( ・∀・)「僕はねジョルジュ、食べ物のと尊さはちゃんと知ってる子になって欲しいんだ」
  _
(;゚∀゚)「TPOを考えろよ!」

( ・∀・)「TPOって何の略?」
  _
( ゚∀゚)「えっ? えーっと……タイム、プレイス、お……おでん?」

( ・∀・)「ところでジョルジュ、その魚の内臓を取り出して三枚に切ってあげたもの美味しい?」
  _
(;゚∀゚)「だからグロい言い方やめろよー!」

( ・∀・)「お前にTPOを語る資格はない」

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/07(日) 23:30:21.12 ID:2rSBsl4R0

(#゚;;-゚)「ぶぶ漬けさん、塩いります?」
  _
( ゚∀゚)「だから俺の名前はぶぶ漬けじゃないの!ていうか塩ぶつけようとしないで!
     家族団らんの中に入ってすみませんでした!」

( ・∀・)「本当だよ、空気読め」

(#゚;;-゚)「よめ」
  _
( ゚∀゚)「た、逞しいなあおい……」

( ・∀・)「そりゃあ、仲良しだからね、でぃ」

(#゚;;ー゚)「ね、お父さん」



そういって、でぃは笑った
出会ったとき比べて、本当に良く笑うようになった
この子がいたから僕は救われて、今こうして笑っていられる
ずっと、大切にしたい、僕の家族。大事な家族。

111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 17:11:00.72 ID:wVxMD87d0

*  *  *  *


( ・∀・)「じゃあ、食べ終わったことだし帰ろうか」

(#゚;;-゚)「うん、お父さん」
  _
( ゚∀゚)「じゃ、俺も帰るわ」

( ・∀・)「おう帰れ帰れ」
  _
( ゚∀゚)「冷てぇなおい」

(#゚;;-゚)「帰れー」
  _
( ゚∀゚)「でぃ、でぃちゃんまで……わかったよ、帰りますよ鬼畜親子!
     今度来るときは彼女同伴で来てやるよ!」

( ・∀・)「授業参観どんな服がいい?」

(#゚;;-゚)「普通でいいよ、この間買ってたシャアのコスプレとかじゃなければ」

(;・∀・)「えっ、あれかっこいいじゃん……」

(#゚;;-゚)「だめ」
  _
( ;∀;)「せめて無視しないで! 罵ってもいいから無視しないで俺の存在!」

112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 17:12:27.21 ID:wVxMD87d0

( ・∀・)「お前まだいたのか」
  _
( ;∀;)「いますよ!こうなりゃずっといますよ!」

( ・∀・)「うわあ、うざあ」

(#゚;;-゚)「…………お父さん」

( ・∀・)「ん? なんだい、どうしたのでぃ」

(#゚;;-゚)「あのね、本当に、授業参観来てくれる?」

( ・∀・)「もちろん、去年はいけなかったからね」

(#゚;;-゚)「…………うん」

(#゚;;-゚)(来てくれるんだ……お父さん)

( ・∀・)「それとも、行ったらだめ? お父さん若者の空気読めない30代だから?」

(#゚;;-゚)「お父さんは確かに空気読めない泣き虫だけど、大丈夫だよ」

(;・∀・)「む……娘が思った以上に痛烈なフォローしてきた……」

113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 17:14:01.92 ID:wVxMD87d0

ちょっと困ったような顔をして、お父さんは笑った
お父さん、私のお父さん

5年前のあの日、初めて私に手を差し伸べてくれた大人の人
大人といっても、子供みたいに泣いていたけど、それでも、大きな手で抱きしめてくれた
私の手をぎゅっと握って、あの真っ黒な世界から救い出してくれた

お父さん

私の大切なお父さん

  _
( ゚∀゚)「なー、無視すんなってー」

( ・∀・)「いこう、でぃ」

(#゚;;-゚)「うんお父さん」

今もお父さんは昔と変わらず、私に手を差し出してくれるけど
私はそれが不安なの

この手がいつか、私の前から消えてしまうんじゃないかって
それが不安でたまらないの

ねえ、お父さん
お父さんは本当はわたしのこと、…………

それを聞くのが怖くて、いつも私は心にそれを押しとどめる
ニセモノの、家族のふりをする

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 17:15:34.50 ID:wVxMD87d0
【学校にて】

休み時間


l从・∀・ノ!リ人「おっはよー、なのじゃ! でぃちゃん!」

(#゚;;-゚)「妹者ちゃん、おはよう……」

川д川「おはよう、でぃちゃん」

(#゚;;-゚)「うん、貞子ちゃんもおはよう」

l从#・∀・ノ!リ人「もー! 聞いて欲しいのじゃ二人とも!」

川;д川「ど、どうしたの妹者ちゃん?」

l从#・∀・ノ!リ人「授業参観! 来なくていいって言ったのに、うち家族総出でくるって言い出したのじゃ!
       おっきい兄者と父者なんて新しいデジカメ買うなんて言って!
       もー、チョー恥ずかしいからやめてって言ったのに!」

川;д川「い、妹者ちゃん、授業参観の話は……」

罵从・∀・ノ!リ人 ハッ

l从;・∀・ノ!リ人「ご、ごめんなのじゃでぃちゃん……妹者、無神経だったのじゃ……」

(#゚;;-゚)

(#゚;;-゚)「いいの」

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 17:16:51.08 ID:wVxMD87d0

(#゚;;-゚)「それに、私もお父さんが来てくれることになったから」

l从・∀・ノ!リ人「!」

川д川「!」

l从*・∀・ノ!リ人「ほ、本当なのじゃー!?」

川*д川「でぃちゃんのお父さんって私はじめて見るかも! ね、ね、どんな人!?」

l从・∀・ノ!リ人「かっこいいのじゃ!?」

(#゚;;-゚)

(*゚;;-゚)「うん、かっこいいよ」

川*д川「見たーい!」

l从*・∀・ノ!リ人「うちの兄者も父者もビミョメンだから羨ましいのじゃー!」

川д川「うちだって、パパちょっと怖いから……いいなあ」

(#゚;;-゚)「………………えへ……」

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 17:18:14.65 ID:wVxMD87d0

ξ゚听)ξ「ぶっwwwwwガキくさい話してるwwwww」

ζ(゚ー゚*ζ「今時授業参観で盛り上がるか?フツーwwww」

从'ー'从「やめたげなよ〜、せっかくでぃちゃんが久しぶりに家族の話できるんだからwww可哀相じゃんww」

(#゚;;-゚)「…………」

l从#・∀・ノ!リ人「うわ、また出たのじゃ、お前らいい加減うっざいのじゃ!あっちいけー」

ξ゚听)ξ「は? 何切れてンの? マジ意味わかんないし」

ζ(゚ー゚*ζ「きもwwwww」

川;д川「はわわ……や、やめようよぉ……」

从'ー'从「ていうかあ、あんま調子乗らないでくれない? うざいのはそっちだから、マジで」

(#゚;;-゚)「…………」

l从#・∀・ノ!リ人「お前ら何様なのじゃ!? 人の家庭環境に無神経に踏み込んで、最低なのじゃ!」

ξ゚听)ξ「うぜーんだよ! お前こそなのじゃなのじゃ〜って! アニメキャラかよ!」

ζ(゚ー゚*ζ「マジきもいしwwwwww」

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 17:19:29.53 ID:wVxMD87d0

从'ー'从「ていうか、今こいつと話してるんだから話に入ってこないでくんない?」

ドンッ ガシャーン

l从×∀×ノ!リ人「痛っ!!」

(#゚;;-゚)「!」

ξ゚听)ξ「痛っ だってwwwww」

ζ(゚ー゚*ζ「ざまぁー」

川;д川「あわわ……い、妹者ちゃん、大丈夫?」

l从う∀・ノ!リ人「う、うん……グスッ……」
 _,
(#゚;;-゚)「………………」

ξ゚听)ξ「何よ、その顔」
 _,
(#゚;;-゚)「やめて」

ζ(゚ー゚*ζ「はぁ?」

(#゚;;-゚)「妹者ちゃんに、酷いことしないで」

ξ゚听)ξ

ζ(゚ー゚*ζ

118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 17:20:52.04 ID:wVxMD87d0

从'ー'从

(#゚;;-゚)「……何」

ξ゚听)ξ「何wwwwってwwwww」

ζ(゚ー゚*ζ「こいつわかってないよwwww」

从'ー'从「あんたさ、勘違いしてない〜? あんたと関わってるから不幸になってんでしょ、流石」

(#゚;;-゚)「!」

ξ゚听)ξ「そうそう、あんたと関わらなければ、流石だって別にこうして突き飛ばされることもなかったんじゃね?」

l从;・∀・ノ!リ人「おっ、お前ら何言ってるのじゃ!」

川;д川「そんなことないよ! でぃちゃん!」

ξ゚听)ξ「お前自分が皆になんて呼ばれてるか知ってんの?」

ζ(゚ー゚*ζ「疫病神、だよ」

(#゚;;-゚)「…………!」

从'ー'从「あんたと関わると不幸になるから〜」

(# ;;- )

121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 17:22:25.50 ID:wVxMD87d0

ξ゚听)ξ「あんたのせいで、前の両親死んだんでしょ」

ζ(゚ー゚*ζ「そういえば前あんたと話してた2組の子、転んで怪我してた」

ξ゚听)ξ「お前のせいで飛行機落ちたんじゃね?」

从'ー'从「そんなんじゃ、どうせ今の父親も不幸にするよね〜」

ζ(゚ー゚*ζ「また捨てられたりしてw」

(# ;;- )「…………!!」

l从#・∀・ノ!リ人「やめるのじゃ!!」

川#д川「そうだよ! いい加減にしなよ!! 最低!」

(# ;;- )「…………っ……」

ダッ

l从・∀・;ノ!リ人「でぃちゃん!」

川д;川「待って、でぃちゃん!」

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 17:24:00.53 ID:wVxMD87d0

( ´∀`)「おーい、皆、予鈴なったモナ、席つけ……」

ドン

(;´д`)「モナッ!?」

(#∩;;- )

(;´∀`)「な、なんだ毛利……もう授業始まるから席に……ってあれ!?どこ行くモナ!?」

タタタタタタ……

(;´∀`)

(;´∀`)「皆、何があったモナ!?」

ξ;゚听)ξ「…………フ、フン」

ζ(゚ー゚;ζ「あんなにショック受けることないじゃんねー」

从;'ー'从「ちょっと大げさじゃね〜?」

l从#・∀・ノ!リ人「何が大げさなのじゃ! お前らほんと最悪なのじゃ!!」

川#д川「そうだよ! 謝りなよ!」

125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 17:25:39.34 ID:wVxMD87d0

ξ#゚听)ξ「やだ!」

ζ(゚ー゚#ζ「てゆーかでしゃばんなよ!お前らが!」

从#'ー'从「うぜーんだよ!」

l从#・∀・ノ!リ人「友達なんだから、怒るのは当たり前なのじゃ! 謝れ! この! この!」

从>ー<从「痛ぁ!」

ξ;゚听)ξ「ちょっ!やめてよ!」

川#皿川「謝ってー!!」

ζ(゚ー゚#ζ「いい加減にしろっつーの!!」

(;´∀`)「あああ……こ、これが噂の学級崩壊!? み、皆! 落ち着くモナー!!」

126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 17:27:52.20 ID:wVxMD87d0
*  *  *  *  *


学校を抜け出してたどり着いたのは、近所の公園の遊具の中だった
私はそこで膝を抱えて泣いた

違う、こんなの私じゃない
前の私は、もっと、もっと強かったはずなのに

今はこんなにも弱くて、馬鹿みたいに泣いてる

(#う;;-∩)。「グスッ……うっ……」

津出さんに言われた言葉は、今までにも散々言われ慣れた言葉だった
前の父親にも死んでしまった本当のお母さんにも、新しい継母にも、祖母にも、祖父にも、よくそう呼ばれた
私のことを全然知らない人でさえそう呼んだのだ

疫病神、お前がいて本当に最悪の人生だわ
お前なんて生まれなければよかったのに

(#う;;-⊂)。「ううぅぅぅぅうう〜〜〜……」

父親も母親も、汚い物を見る目で私を見た
消えろ、いなくなれって、ぶった、火で炙ったり、蹴ったりしてきた
そのうち、何も感じなくなって、本当に消えてしまいたくなって、そんな時

父親と継母は事故で死んだ

127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 17:29:50.66 ID:wVxMD87d0

『ざまぁみろ』って、思った

ずっとわたしを苛めてたから、天罰が下ったんだって、そう思った
でもそう思った瞬間、怖くなったの

本当に私がいたから、二人とも死んじゃったんじゃないかって
私がいるから死んじゃったんじゃないかって
私には、本当に人を不幸にする力があるのかもしれないって、怖くなった

あるわけないって思う
そんなのアニメや漫画じゃあるいし、って
でも、もしそんな力があったら?
もし、その力で、お父さんまで、不幸にしてしまったら?


お父さんまで、いなくなってしまったら?

(#う;;д;)「うあっ…あっ………あぁぁあああん!」

そう思ったら堪らなく怖くなった

5年前、どうしようもなく淀んだ世界から私を助け出してくれた

たった一人の、私の神様

お父さんがいなくなったら、私はきっと…………

130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 17:36:55.22 ID:wVxMD87d0






どのくらい時間がたっただろう
あたりはすっかり日が暮れて、私は泣き腫らした目で夕焼け空を見つめていた
真っ赤、真っ赤、まっかっか
世界の終わりの色みたい

お父さん、怒ってるだろうな
妹者ちゃんも、貞子ちゃんも心配してるかな、悪いことしちゃったなあ

…………もう、関わらない方がいいのかな

(# ;;- )

「………………でぃ」

(# ;;- ) ビク

瞬間、後ろから肩に、手をかけられた
この手は知ってる

だって、あの日から、ずっと私を支えてくれた手だから

( ・∀・)「……見つけた」

131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 17:39:44.30 ID:wVxMD87d0

(#゚;;-゚)「…………お父さん」

( ・∀・)「先生から連絡が入ったんだ。探したよ」

(#゚;;-゚)「…………ごめんなさい」

( ・∀・)「……おいで」

ぽんぽん、と膝を叩くお父さん
私はのろのろとその腕の中へ入っていった
ぽすん、と腕の中に収まると、懐かしく、あったかい

(#゚;;-゚)「……お父さん」

( ・∀・)「懐かしいなー、この公園、昔ジョルジュとよく遊んだよ」

(#゚;;-゚)「その頃から友達だったの?」

( ・∀・)「うん、幼馴染。馬鹿だけど、イイヤツだよ」

(#゚;;-゚)「……うん」

知ってる

お父さんの奥さんと、娘さんが死んだとき
ジョルジュさんがどれだけ頑張ってお父さんを励ましていたか。

133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 17:42:14.49 ID:wVxMD87d0

元気のなかったお父さんと、ぎくしゃくしている私を和ませようと
必死だったこと、私もお父さんも気づいてる

( ・∀・)「友達ってのはいいものだよ、でぃも大切にしなくちゃいけないね」

(#゚;;-゚)「…………」

( ・∀・)「妹者ちゃんと貞子ちゃん、だったかな。学校で泣きながら謝ってたよ、僕に



(#゚;;-゚)「……!」

( ・∀・)「友達なのに、庇いきれなくてごめんなさいって」

(# ;;- )「…………私のせいでどんってされたのに……妹者ちゃん」

( ・∀・)「いい子だよね、大切にしなきゃね」

(# ;;- )「うん…………」

謝るのは私の方なのに
妹者ちゃんも、貞子ちゃんも私と一緒にいたら苛められるってわかってるのに、一緒に

いてくれて
今までありがとう、大好きだよって、言わなくちゃいけないのに
なのに、私は庇われてばっかり

134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 17:43:06.61 ID:wVxMD87d0

いつからこんな臆病になったんだろう
手に入れたものがあまりにも多すぎて、失うのが怖くなった

でも、それじゃあ前に進めないのよ

(# ;;- )「お父さん」

( ・∀・)「どうしたの」

(#゚;;-゚)「ずっと……聞きたかったことがあるの」

( ・∀・)「なんだい」

(#゚;;-゚)「私のこと、引き取って………………後悔、してないの」

( ・∀・)

( ・∀・)「どうして、そう思うの」

(# ;;- )「だ、だって……初めてお父さんが私に手を差し伸べてくれたとき
     お父さんの奥さんも、娘も、死んじゃってた」

(# ;;- )「わた、しは、その代わりにお父さんの娘になったんだって、お、思ったよ」

135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 17:44:34.45 ID:wVxMD87d0

実際、あの時、私は代わりでいいと言った
どうせ両親が死んだ後、私の行く道は施設か、最悪路頭に迷うくらいしかない
それなら、住むところが保障されている方がいくらかいい
多少の暴力も耐えられる自信はあった

だから、ニセモノでもいい、家族にしてください
そう思ったの

だけど、時間が立つにつれて怖くなった

お父さんといる時間はあまりにも優しく、あったかくて、手放すのが怖くなった

(# ;;- )「い、いつか……私なんて必要なくなって、ま、また新しい奥さんをもらって
     新しい子供が生まれたら」

(# ;;- )「わ、私邪魔だから、用済みだって、もういらないって言われるんじゃないかって……お、思って……」

(# ;;- )「だって、ど、どんなに私が頑張って……娘のふりをしても、なりきっても……」

(#う;;д∩)。「し、死んじゃった本当の娘さんに、か、敵うわけないから……!!」

( ・∀・)「…………!」

140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 18:01:26.16 ID:wVxMD87d0

本当は、ずっとずっと怖かったの
お父さんと離れるのが怖かったの
一緒にいたいの
お父さんが大好きだから、傍にいさせて欲しいの

親子になった日から、私はワザとらしく何回も何回もお父さんと言った
私のお父さんだという事実を確認したくて

だけど、もういつかお父さんに新しいお嫁さんができて、新しい子ができて
家族じゃないって言われてもいい
ただ一緒にいたいの、お父さん、大好きよ

ぎゅうと、後ろからまわされた手に力が入った
肩が生暖かい、湿ってる?

(#う;;-゚)「お、お父さん……?」

(  ∀ )「なんだかなぁ……、もう、本当、僕は馬鹿だ」

( ;∀;)「まったく成長していないんだから……」

(#゚;;-゚)「お父さん、泣いてるの?」

( ;∀;)「泣いてるよ、泣きたいときは泣いていいんだ、そう教えたろ?」

141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 18:02:53.05 ID:wVxMD87d0

(#゚;;-゚)「どうして、泣いてるの?」

( ;∀;)「自分が情けなくてね、でぃ……」

(#゚;;-゚)「どうしたのお父さん」

( う∀・)「僕は新しいお嫁さんを貰う気も、新しく子供を作る気もないんだ」

(#゚;;-゚)「……どうして? お父さんかっこいいから、その気になれば
     ニ、三人一気に落とせるよ」

(;-∀-)「どこからそういう言葉を学んだんだい?」

( ・∀・)「でもね、この考えは絶対に覆らないよ。だって僕には家族がいるからね」

(#゚;;-゚)「……!」

抱え込むような形から、正面を向くようにひっくり返ると、私はちょっと泣き腫らして
赤くなっているお父さんの目を見た
お父さんの目の中には私が映っている

お父さんみたいに、真っ赤に泣き腫らした目

142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 18:05:01.16 ID:wVxMD87d0

( ・∀・)「でぃは僕のことが嫌いかい?」

((#゚;;-゚)) フルフル

( ・∀・)「僕もでぃのことが好きだよ」

( ・∀・)「あの頃の僕は、全てを失って、何かを取り戻そうと必死だった
     どんなにもがいても、手をすり抜けていって、いっそのこと
     僕は死んでしまいたかったのかもしれない
     だけど、そんな僕に、何の不満も言わず、君は付いて来てくれた
     新しい家族になってくれた、僕に色んなものを与えてくれた」

(#゚;;-゚)「…………」

再び、ぎゅっと抱きしめられた

( ・∀・)「その時から、君は僕の家族だよ、ニセモノなんかじゃない、ホンモノの家族だ

     僕の大切な、家族」

(# ;;- )「……私で、いいの?」

( ・∀・)「でぃがいいよ」

143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 18:06:36.37 ID:wVxMD87d0

(# ;;- )「私、疫病神だよ、いつか、お父さんのこと、不幸にするかも、それでも、いいの?」

( ・∀・)「疫病神?」

ふっと、柔らかく笑う声が聞こえた

( ・∀・)「でぃは初めて会った時から、僕の神様だよ」

(#う;;-∩)「う…………」

。゚(# ;;д∩)゚。「うわぁあああああああああああああああああああああん!!」

私も、私もだよ


大好きな、お父さん

大好きな、私の神様


144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 18:08:24.23 ID:wVxMD87d0

*  *  *  *  *


【授業参観日当日、朝】


( ・∀・)「おい! なあ、ネクタイの色どうよ! これ!」
  _
( ゚∀゚)「いいんじゃね?」

从 ゚∀从「じゃね? はいダーリンあーん」
  _
( ゚3゚)「ん〜」

从 ゚∀从「やっだーwwwもう! ん〜〜」

(#・∀・)「お前らUZEEEEEEEEEEEEEEEEE! 
     外でやれこのバカップル!」
  _
(#)゚∀゚)「おいおい嫉妬かy……メメタァ!」

从;゚∀从「ダーリーン!?」

(#・∀・)つ「ていうかお前らなんで当たり前のように僕の家にいるかな!
      で、どうよネクタイ! これ、変じゃない!?」

146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 18:09:57.85 ID:wVxMD87d0
  _
( ゚∀゚)「いんじゃね、お前顔いいからシャアの服とか着ていかない限り大丈夫だよ」

(;・∀・)「あれかっこいいじゃん!」
  _
( ゚∀゚)「どうでもいいけど、時間大丈夫なのか?」

(;・∀・)「うおお! 馬鹿どもにに構ってる暇なかった! さっさと帰れよお前ら! じゃあな!」
  _
(;゚∀゚)「馬鹿どもっておま……いってら〜」

从 ゚∀从「いってらっしゃ〜い」



ジョルジュと、最近出来たらしいジョルジュの彼女(多分すぐ振られる)に見送られて
僕は家を出た
今日は記念すべき娘の参観日、そりゃあ、張り切るに決まってるじゃないか
車のミラーでもう一度変なところがないかチェックして、発進する

( ・∀・)「間に合えよ〜〜」

この間、でぃに言われたことは僕には衝撃的だった
ずっと家族だと思っていたから

147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 18:12:16.20 ID:wVxMD87d0

当時7歳の少女が突然家族になれなんて言われて、素直に受け入れられるわけもない
けれど、僕はそのことを疑いもしなかった
結果、彼女は、心にずっと大きな蟠りをもっていたというのに

( ・∀・)「…………」

腕時計を見ると、授業開始まであと10分
でぃの学校はここから徒歩で15分だから、ギリギリ間に合うだろう

( ・∀・)「…………家族、か」

なあ、クー、つー、君たちは僕を怒るだろうか
本来の家族である君たちが逝ってしまったその日に、幼い少女を家族に迎えてしまった

僕のことを怒るだろうか

怒るかもしれない、でも、それでもいつかは
仕方ないなあ、君は。と呆れながら、笑って許してくれる日がくることを信じてるよ
だって君たちもまた、僕の大切な家族だからね

148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 18:13:32.27 ID:wVxMD87d0






教室につくと、圧倒的に母親の方が多かったが、やはり父親や、中には兄弟なんかもいた
僕は自分が浮かないか少し心配だったけど、この分だとあっさり潜り込めそうだ
授業はすでに始まっていて、前の方の席の子が作文を読んでいた
テーマは『私の家族』だそうだ

( ・∀・)(よかった、でぃの番はまだ来てないみたいだ……あ、いたいた、でぃー
     お父さんはここだぞー)

ネーネー、アノヒトカッコイイー
  
   ホントダー  ダレノオトウサン?

(#゚;;-゚)

(#゚;;-゚)(お父さん、来てくれたんだ)

( ・∀・)ノシ

(#゚;;-゚)ノシ

 ディチャンノオトウサン?
   
    エー、カッコイー  イイナー ウラヤマシー

150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 18:16:07.70 ID:wVxMD87d0

(#゚;;-゚)

(*゚;;-゚)=3 エヘン

ヒソヒソ
l从・∀・ノ!リ人「でぃちゃんのお父さんやっぱかっこいいのじゃー」

ヒソヒソ
川д川「ね、羨ましい」

(*゚;;-゚)テレ

l从;-∀-ノ!リ人「それに比べてうちは……」

  パシャパシャ
(*´_ゝ`)「いっもっじゃーーー!お兄ちゃんは見てるぞー!」

(´<_` )「落ち着け兄者、教室内でフラッシュをたくと迷惑だから、ビデオカメラ

にしとけ、妹者!ピースだ!」

∬´_ゝ`)「まあ、うちの子が一番可愛いわよね〜」

、@#_、_@
 (  ノ`) 「あんたらうるさいね! 静かにしな!!」


151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 18:17:37.89 ID:wVxMD87d0

l从∩∀∩ノ!リ人「も〜〜、恥ずかしすぎるのじゃ〜〜……」

(#゚;;-゚)「元気で羨ましいけど……」

川д川「そうだよぉ、うちなんて……」

( ゚д゚ )

( ゚д゚ )(ずっと見てるぞ!貞子……!!)


川∩д∩川「微動だにせず、ずっと見てるよ……もぅ……怖い」

(#゚;;-゚)「熱心でいいと思うけど……」


( ´∀`)「えー、それでは、つつ、次は、も、毛利さん(落ち着け、落ち着くモナー!
      新人教師でも学級崩壊に立ち向かったんだから!)お、お願いしますモナ!」

( ・∀・)(きた!)

(#゚;;-゚)「はい」

l从・∀・ノ!リ人 ガンバレー

川д川 ガンバレー

167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 18:50:56.69 ID:wVxMD87d0

(#゚;;-゚)

(#ー;;-ー) スゥ

(#゚;;-゚)「6年3組 毛利でぃ 題、私の大好きなお父さん」


(#゚;;-゚)「『私には、血の繋がったお父さんとお母さんはいません
     お母さんは私が子供の時に、死んでしまいました
     それからはお父さんが新しい女の人をつくってその人たちのところで暮らしていました』」

(;´∀`)「ちょっ!?」

 ザワザワ…………

   ザワ…… ドウナッテルノ…… アラマア……

( ・∀・)「………………」


(#゚;;-゚)「『だけど、私が7歳のとき、その人たちも事故で死んでしまいました
     私は別に悲しくなかったけど、これからどうしようかなあと思いました』」

(;´∀`)(あわわわわ……)

171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 18:53:27.42 ID:wVxMD87d0

(#゚;;-゚)「『そんなとき、私の今のお父さんが、手をさしのべてくれました
     血の繋がりもない私に、一緒に暮らそうっていってくれました
     すごく、嬉しかったです』」

( ・∀・)「………………」

(#゚;;-゚)「『最初は、変な人だなぁって思いました。
     なんの関係もない私にどうして優しくしてくれるんだろうって思いました
     だけど、だんだんお父さんはすごい寂しがりやさんなんだって思うようになりました』」

(;´∀`)「…………」

(#゚;;-゚)「『夜に、お父さんが前のお父さんの家族の写真を、抱きしめて泣いていたことを知ってます
     私はそれを見て、私はお父さんの前の家族の代わりなんだなあって思いました
     そう思うと、少し悲しかったです』」

( ・∀・)「でぃ……」

(#゚;;-゚)「『でも、この間、お父さんが言ってくれました。でぃは僕の大切な家族だよって
     私はすごく嬉しかったです
     本当に嬉しくて、泣いてしまいました

     血の繋がりはないけれど、私たちはニセモノなんかじゃなくて、ホンモノの
     家族なんだって、今ではちゃんとそう思います』」

174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 18:55:33.91 ID:wVxMD87d0

( ´∀`)

( う∀・)

(#゚;;-゚)「『私のお父さんは料理下手で、泣き虫です
      でも休みの日には必ずどこかへ遊びに連れてってくれて、一緒にいてくれます
      私はそんなお父さんが大好きです

      世界で一番、大好きです。  6年3組 毛利でぃ』」

 パチ………… パチ……

   パチ…………

( ;∀;) パチパチパチパチパチパチパチ!
  ノヾ

( 。´∀`)。 パチパチパチパチパチパチパチパチ!
  ノヾ

 パチパチパチパチパチパチ!
 パチパチパチパチパチパチ!
 
 ヨカッタヨー    ホントウニスキナノネェ

180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 18:58:50.14 ID:wVxMD87d0

(*゚;;-゚)「…………」

l从・∀・ノ!リ人「でぃちゃん!よかったのじゃ!」

(#゚;;-゚)「うん、ありがと」

川д川「でぃちゃんのお父さん泣いてるよ?」

(#゚;;-゚)「……泣き虫だから」

(#゚;;ー゚)(今も、昔も、ね……)

   『これからよろしくね、でぃちゃん!』

   『……どうして泣いてるの?』

   『嬉しいからだよ!』

   『変なの』

   『ふふっ』

(#ー;;-ー)

(#゚;;ー゚)

( う∀`)「ええーと……それじゃあ次……津出さん……」

181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 19:00:23.90 ID:wVxMD87d0


*  *  *  *  *


【放課後】


 ザワ……ザワ……
 
   オカアサンミテター?  オツカレサマ

カッコヨカッタゾー  サスガオレノムスコ

( ・∀・)「お疲れ様、でぃ」

(#゚;;-゚)「待っててくれたの?」

( ・∀・)「うん、一緒に帰ろうと思って」

(#゚;;-゚)「……うん。帰る」

( ・∀・)つ「いこう」

(#゚;;-゚)つ「うん」



(#゚;;-゚)つ⊂(・∀・ )

187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 19:04:37.69 ID:wVxMD87d0

( ・∀・)「作文、よかったよ」

(#゚;;-゚)「うん、意外性のある出だしで観客をひきつけようと思って」

( ・∀・)「えぇ……そ、そんな綿密なプランを……?」

(#゚;;-゚)「嘘よ、お父さん」

( ・∀・)

(#゚;;-゚)「他の人なんてどうでもいいの、お父さんに聞いてもらいたかったの」

( ・∀・)「でぃ……」

(#^;;ー^)「大好きよ、私のお父さん」

( ・∀・)「…………ははっ、敵わないな、でぃには」

照れたように笑うお父さん
そんなお父さんに笑いかけると
私は昔のように、ぎゅっとその手を抱きしめて、帰路へと着いた

カラスが鳴いてる
二人でお歌うたって帰りましょう

大好き、私の大切な家族(おとうさん)

188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 19:05:58.23 ID:wVxMD87d0





(#゚;;-゚)ホンモノ家族のようです(・∀・ )





                           終わり

192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 19:06:48.55 ID:wVxMD87d0
(別にいらない)後日談


l从・∀・ノ!リ人「でぃちゃん、お早うなのじゃー」

(#゚;;-゚)「お早う、妹者ちゃん」

川д川「おはよー」

(#゚;;-゚)「うん、お早う、貞子ちゃん」

ζ(゚ー゚*ζ「お早う、でぃちゃん!」

ξ゚听)ξ「おはよー!」

(#゚;;-゚)「………………」

ζ(゚ー゚*ζ「今日の宿題やったー?」

ξ゚听)ξ「あ、私やったよー! でぃちゃん見る?」

从'ー'从「今日一緒にご飯食べようよ〜」

((#゚;;-゚))「…………いい」

194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 19:08:19.77 ID:wVxMD87d0

ζ(゚ー゚*ζ「そう?残念〜」

ξ゚听)ξ「じゃあ、また今度ね!」


(#゚;;-゚)

(#゚;;-゚)「……?」

l从・∀・ノ!リ人「あんまり気にしない方がいいのじゃ、でぃちゃん」

(#゚;;-゚)「どうしたの?あの子達」

川д川「うん、とね、でぃちゃん、2組のギコくんって知ってる?」

(#゚;;-゚)「知らない」

川д川「あ、うん……そのギコくんね、でぃちゃんのこと好きみたい」

(#゚;;-゚)

(#゚;;-゚)「でも、知らない人よ、私」

川д川「うん、でもギコくんはでぃちゃんが好きなのね、で、津出さんがそのギコくんの
    ことを好きだったみたいなの」

(#゚;;-゚)「へえ」

197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 19:10:38.51 ID:wVxMD87d0

川д川「その、だから今まで焼き餅焼いて、でぃちゃんをいじめてた?みたいな……」

(#゚;;-゚)

l从#・∀・ノ!リ人「でもあれなのじゃ! でぃちゃんのお父さん格好よかったから
       きっとギコくんなんてどうでもよくなったのじゃ! 津出のやつ!」

川д川(ギ、ギコくんかわいそう!)

(#゚;;-゚)「よくわからないけど、知らない人だし、どうでもいいわ」

川;д川(かわいそう!)

(#゚;;-゚)「それより、二人に言いたかったことがあるの」

l从・∀・ノ!リ人「なんなのじゃー?」

(#゚;;-゚)「あのね」

(#゚;;-゚)

(#゚;;-゚)「友達になってくれてありがとう。二人とも大好き」

199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 19:12:42.75 ID:wVxMD87d0

l从・∀・ノ!リ人 川д川

(#゚;;-゚)「これからも、その……お友達でいてださい」

(#ー;;-ー) ペコリ

l从*・∀・ノ!リ人 川*д川

l从・∀・ノ!リ人「あったりまえなのじゃ!」

川д川「うん! ずっと友達だよ!」

(#゚;;-゚)

 『お友達は大切にね』

(#゚;;-゚)(わかってるよ、お父さん)

203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/02/08(月) 19:14:14.03 ID:wVxMD87d0

その頃のお父さん

  _
( ;∀;)「モララァアアアア!俺が目玉焼き醤油派だったばっかりに! 
      ハインに振られたぁあああああ!」

(#・∀・)「うっぜええええ! もう帰れよ!」



l从・∀・ノ!リ人「じゃ、遊ぼうなのじゃ!」

川д川「何して遊ぶー?」

(#゚;;-゚)「今日は外がいい」

l从・∀・ノ!リ人「じゃ、外いくのじゃ!」

川д川「おー!」

(#゚;;-゚)「おー!」




今度こそ終わり


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