- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 16:19:52.77 ID:kuBUbP6/0
- 【美府ニュータウン マンション 一室 薄暗い部屋の中、男は暴力を振るう】
( ^Д^)
o川(;;#)-゚)o
ζ(゚- ゚;ζ「もう……やめて……」
( ^Д^)「……あ?」
ζ(゚- ゚;ζ「……この子は関係無いでしょ」
○( ^Д^) スッ
( ^)ΞΞΞ○))- ゚;ζ バキャ!
ζ(;#)- ;ζ ドサッ
( ^Д^)「俺に指図すんじゃねぇ……」
ζ(;#)- ;ζ「……い、痛っ」
( ^Д^)「聞いてんのか……?」
ζ(;#)- ;ζ
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 16:21:31.03 ID:kuBUbP6/0
- (#^Д^)「聞いてんのかって言ってんだよ!!」
ζ(;#)- ;ζ「……お願いだから、この子に暴力を振るうのは」
(#^Д^)「てめぇ……もう一回殴られてぇか……」
o川(;;#)-゚)o「お父さん」
(#^Д^)
o川(;;#)-゚)o「……お母さんをいじめないで」
○(#^Д^) スッ
( ^)ΞΞΞ○))- (#;;)川o バキャ!
ζ(;#)- ;ζ
(#^Д^)「ガキの癖に……俺に文句があるってのか? ああ?!」
o川(;;#)-;;)o
(#^Д^)「何とか言えよ……」
o川(;;#)-;;)o
(#^Д^)「シカトか? おい、コラァ!!」
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 16:23:01.60 ID:kuBUbP6/0
- o川(;;#)-;;)o
(#^Д^)「上等だよ……糞ガキが……」
⊂ζ(;#)- ゚;ζつ「お願い……やめてください……」スッ
(#^Д^)
(#^Д^)「どけ」
⊂ζ(;#)- ゚;ζつ「……やめてください」
(#^Д^)つ+-- スッ…
(#^Д^)つ+--「殺されたいか?」
⊂ζ(;#)- ゚;ζつ
(#^Д^)つ+--
<ピンポーン
(#^Д^)つ+--「……あ?」
<ピンポーンピンポーン
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 16:24:25.20 ID:kuBUbP6/0
- 【マンション 玄関】
(#^Д^)「チッ……」
(#^Д^)つ ガチャッ
从 ゚∀从
(#^Д^)「んだよ……。今取り込んでんだ。後にしてくんねーかな」
从 ゚∀从「宅急便です」
(#^Д^)
(#^Д^)「ああ? 宅急便って……、お前、何も持ってねぇだろうが……」
从 ゚∀从「ああ、お荷物なら……」
从 ゚∀从 ガサゴソ
从 ゚∀从つy=「ここに」ジャキッ
(;^Д^)そ ビクッ
从 ゚∀从つy=「オラ。部屋ん中入れ」
(;^Д^)「……な、何のつもりだ」
从 ゚∀从つy=「聞こえなかったか? 玄関じゃ話せねぇから、部屋の中入れって言ってんだよ」
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 16:26:17.71 ID:kuBUbP6/0
- (;^Д^)
从 ゚∀从つy=「ああ、助けを呼ぼうとしてんなら止めた方が良い。その場で撃ち殺すぜ」
(;^Д^)
从 ゚∀从つy=「何? 銃声が響くって?」
(;^Д^)
从 ゚∀从つy=「心配すんなよ。うんと金溜めてサイレンサーまで着けたんだ。誰も気づきやしねぇ」
从 ゚∀从つy=「ま、今の時間帯、ご近所さんが誰も居ない事は調べて来てるんだ。サイレンサー着けて無くても問題は無いかも知れねぇがな」
(;^Д^)「何が目的だ……」
从 ゚∀从つy=「だから此処じゃ話せねーんだよ。何度も同じ事言わせんな」
(;^Д^)
从 ゚∀从つy=「さ、俺を部屋に入れるか、その場で殺されるか。選んでくれ」
(;^Д^)
从 ゚∀从つy=「さあ」
(;^Д^)
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 16:28:01.55 ID:kuBUbP6/0
- 【マンション 一室】
从 ゚∀从
o川(;;#)-;;)o
ζ(;#)- ゚;ζ
从 ゚∀从「ほぉ……」
(;^Д^)
从 ゚∀从「ガキんちょと嫁さんボコボコにして遊んでるたぁ、良いご身分だな」
(;^Д^)「……それで、話って言うのは」
从 ゚∀从「話……、そうだな……」
(;^Д^)
从 ゚∀从「俺の顔……見覚え無い……?」
(;^Д^)「……いや、無い」
从 ゚∀从「そうかぁ……。そりゃ残念だ……」
(;^Д^)
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 16:30:28.71 ID:kuBUbP6/0
- 从 ゚∀从「目元とかそっくりなんだけど……」
(;^Д^)「目元……?」
从 ゚∀从「ああ。目元だよ。……ほら、もっと良く見てくれ」
(;^Д^)「え?」
从 ゚∀从「そっくりだろ? 覚えてねぇかな?」
(;^Д^)「……すまん。心当たりが無い」
从 ゚∀从「ま、考えてみりゃ当然だわな」
(;^Д^)
从 ゚∀从「殺した奴の顔なんて、覚えてる訳ねぇ」
(;^Д^)「殺した奴……?」
从 ゚∀从「さあ、本題と行こうか」
(;^Д^)
(;^Д^)「まさか、お前……」
从 ゚∀从「俺が今日此処に来た理由。それは……」
- 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 16:34:26.07 ID:kuBUbP6/0
- 从 ゚∀从つy= ジャキッ
从 ゚∀从つy=「復讐だよ」
ζ(;#)- ゚;ζ「……ッ!」そ ピクッ
o川(;;#)-;;)o
(;^Д^)「……俺を殺すってのか?」
从 ゚∀从つy=「ああ。それだけの為に生きてきた」
(;^Д^)「や、やめろ……」
从 ゚∀从つy=「……可笑しいと思わねぇか?」
(;^Д^)「やめてくれ……」
从 ゚∀从つy=「人殺しの癖に、お前が未成年だったって事だけで、刑が馬鹿みたいに軽くなる」
(;^Д^)「お、おい……」
从 ゚∀从つy=「過去の事も忘れて、普通の生活に戻ってる。お笑いだな」
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 16:36:06.67 ID:kuBUbP6/0
- 从 ゚∀从つy=「挙句の果てに、見ろよ」
o川(;;#)-;;)o
ζ(;#)- ゚;ζ
从 ゚∀从つy=「ガキと嫁さん痛めつけてよぉ……。やっぱ、こういう奴は早々に死ぬべきなんだよな……」
(;^Д^)「あ、あ……」
从 ゚∀从つy=「布木 八雲。短い人生だったな」
从 ゚∀从つy=そ キュッ
( ζ;;@',.;ξД^) ボチュ!
ζ(;#)- ゚;ζ「……あ。……あ!」
从 ゚∀从つy=「悪いな、奥さん。お前も死んで貰うわ」
ζ(;#)- ゚;ζ「……ッ」
从 ゚∀从つy=「理由はどうあれ、コイツの嫁って時点で虫唾が走るぜ」
ζ(;#)- ゚;ζ
从 ゚∀从つy=「恨むなら、このゴミ虫を恨むんだな」
( ζ;;@',.;ξД^)
- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 16:38:03.01 ID:kuBUbP6/0
- o川(;;#)-゚)o「……お母さん?」
ζ(;#)- ゚;ζ「キュー……逃げて……」
从 ゚∀从つy=そ キュッ
ζ(;#)ξ;;@,;'ξ゚ ζ ボチュ!
从 ゚∀从つy=
o川(;;#)-゚)o
从 -∀从「ふぅ……」
从 ゚∀从「……さて、ガキも殺すか」
o川(;;#)-゚)o「お姉ちゃん」
从 ゚∀从
o川(;;#)-゚)o「お父さんとお母さん、ころしたの?」
从 ゚∀从「ああ。お前も殺す」
o川(;;#)-゚)o
从 ゚∀从つy= ジャキッ
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 16:40:08.17 ID:kuBUbP6/0
- o川(;;#)-゚)o
从 ゚∀从つy=
o川(;;#)-゚)o
从;゚∀从つy=
o川(;;#)-゚)o
从;-∀从つy=
从;-∀从 スッ
o川(;;#)-゚)o
从;-∀从
从;-∀从「……チッ!」
o川(;;#)-゚)o
从;-∀从「……まあ、良いか。死体処理屋が何とかしてくれんだろ」
o川(;;#)-゚)o
从 -∀从「じゃあな」
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 16:42:53.82 ID:kuBUbP6/0
- o川(;;#)-゚)o
o川(;;#)-゚)o「お姉ちゃん」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「あ? 話しかけんな。この屑の子供ってだけで殺したくなって来るぜ」
o川(;;#)-゚)o「ありがとう」
从 ゚∀从「は?」
o川(;;#)-゚)o
从 ゚∀从「意味分かんねえよ」
o川(;;#)-゚)o
从 ゚∀从「……どうせお前は処理屋に売られるか殺されるかだ」
从 ゚∀从「精々、今の時間を楽しむんだな」
o川(;;#)-゚)o
从 ゚∀从「……あばよ。とっとと死んでくれる事を願うぜ」
o川(;;#)-゚)o
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 16:44:34.42 ID:kuBUbP6/0
- 【美府ニュータウン 夜の霊園にて 墓石の前に女性が座っている】
从 ゚∀从「父さん……。久しぶり……」
从 ゚∀从つ日「ほら、ビール。買って来たぜ」
从 ゚∀从つ日 カシュ!
从 -∀从つ日 ゴクゴクッ
从 -∀从
从;-∀从「……へへっ。マズイや」
从;゚∀从「やっぱりビールは苦手だな。良くこんなもん飲めたよ、父さん」
从 ゚∀从
从 ゚∀从
从 ゚∀从「俺、さ……。今日、殺して来たよ」
从 ゚∀从「……父さんが生きてたら引っ叩かれてるかも知れねぇな」
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 16:46:05.54 ID:kuBUbP6/0
- 从 ゚∀从「でも、我慢出来なかったんだ。ゴメンな」
从 ゚∀从「父さんを殺した奴がのうのうと生きてるなんて、考えたくも無かったんだよ」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「大丈夫。武器は埋めたし、死体の処理は知り合いに頼んだ」
从 ゚∀从「……少し、変な世界に足を踏み込んだけど。アイツを殺せたんだから、良しと思わなくちゃ」
从 ゚∀从「それに、今日の死体処理を最後にきっぱり縁を切る。しっかりとした組織じゃ無いから、ちゃんと切れると思う」
从 ゚∀从「……あと、父さんには申し訳ないけど。名前、変えた」
从 -∀从、「ゴメン」
从 -∀从
从 -∀从「今日から私は高岡 芽衣子じゃなくて……、ハインリッヒ高岡だ」
从 ゚∀从「どうだい? それっぽい名前だろ? 母さんがドイツ人で良かった」
从 ゚∀从「……名前は変えたけど、俺はいつまでも父さんの娘だから。それだけは変わらないよ」
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 16:48:48.76 ID:kuBUbP6/0
- 从 -∀从「……名前を変えた事で過去の自分を捨てる事が出来ると思う」
从 ゚∀从「だから、もう絶対泣かないし、挫けたりしない。前を向いて歩いてみせる」
从 ゚∀从、「それに……、泣くのはもうコリゴリだよ」
从;-∀从「泣いてばっかしいると、目の下がヒリヒリして堪んないんだぜ? 痛いのなんのって……」
从 -∀从
从 ゚∀从「ああ、そうそう。新しい生活も景気良く始められそうなんだ。結構安定した職業でさ」
从 ゚∀从「こないだ面接に受かっちゃって。めっけもんだよ」
从 ゚∀从「えーっと……、たしか……」
从 ゚∀从 ガサゴソ
从 ゚∀从つ□「……荒巻興信所。この辺の小さい興信所なんだけど……。悪くないだろ?」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「だからさ。心配しないで。俺、うまくやって行けるから」
从 ゚∀从つ日「な? ……ほら、乾杯」
从 -∀从つ日 ゴクゴク
从;゚∀从つ日「……やっぱりマズイわ」
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 16:50:09.93 ID:kuBUbP6/0
从 ゚∀从泣きながら産まれたようです
- 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 16:52:15.42 ID:kuBUbP6/0
- 【一週間後 美府ニュータウン 荒巻興信所】
/ ,' 3 ヨボヨボ
/ ,' 3「えー……。彼女が今日から一緒に働く事になる……」
从 ゚∀从
/ ,' 3「ハインリッヒ高岡さんです。どうぞ、宜しく」
_
( ゚∀゚)「宜しく」パチパチ
▼・ェ・▼「ワンワン!」
从 ゚∀从
/ ,' 3「じゃあハイン君。何か一言……」
从 ゚∀从「これだけか?」
/ ,' 3「はい?」
从 ゚∀从「だから、人はこれだけかって」
/ ,' 3「そうじゃよ。ワシと長岡君。そしてワシの愛犬ビーグル。二人と一匹でこの興信所を切り盛りしておる」
_
( ゚∀゚)「アットホームな雰囲気の職場ですって書いてあったろ?」
/ ,' 3「あー……、でも、面接ではその辺の事を説明しなかったからのう……」
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 16:55:02.57 ID:kuBUbP6/0
- ▼・ェ・▼「クゥーン……」フリフリ
从 ゚∀从
从 ゚∀从「まぁ……、良いか……」
/ ,' 3「どれ。働き始めと言う事で、自己紹介と行くか!」
_
( ゚∀゚)「お! 良いねぇ良いねぇ」
从 ゚∀从「……別にしなくても良いよ」
/ ,' 3「何を言うんだね、ハイン君。親睦と言うのは自己紹介に始まり、セックスに終わるのじゃよ」
从 ゚∀从
_
(*゚∀゚)「はははっ! ご機嫌な下ネタだなジジイ!」
/ ,' 3「ほっほっほ。職場に女の子が入ってくるその日まで溜めに溜めた下ネタじゃからの」
_
(*゚∀゚)「すっげぇキレだったぜ! 高得点も期待出来る!」
/ ,' 3「して、ハイン君。今の下ネタ、何点?」
从 ゚∀从「2」
/ ,' 3「低いのう……」
_
( ゚∀゚)「マジかよ……、超辛口だな……」
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 16:57:14.50 ID:kuBUbP6/0
- 从 ゚∀从「こんな下らねぇ話ばっかりなら、明日から来ねぇぞ」
_
(;゚∀゚)「それは困る……。ほらジジイ! 真面目に自己紹介しやがれ!」
/ ,' 3「そ、そうじゃな! ワシから自己紹介と行くぞい」
从 ゚∀从「ったく。早くしろよ」
/ ,' 3「えー……、ワシの名前は荒巻 富士夫。ご覧の通り、老い先の短い老人じゃ」
_
( ゚∀゚)「俺は長岡 丈太郎。このジジイを若いパワーで補ってる。宜しく頼むよ」
从 ゚∀从「ああ……」
/ ,' 3「で、ハイン君は……?」
从 ゚∀从「んだよ。俺もやんのか?」
_
( ゚∀゚)「自己紹介ってのは皆でやるもんだぜ」
从 -∀从「チッ……」
从 -∀从「……ハインリッヒ高岡だ。宜しく」
/ ,' 3「そ、それだけかのう……」ションボリ
从 ゚∀从「文句あんのか?」
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 16:59:45.46 ID:kuBUbP6/0
- _
( ゚∀゚)「まあ良いじゃねぇか。こう言う場が苦手な奴だっているさ」
/ ,' 3「それもそうじゃな……」
▼・ェ・▼「ワン!」
/ ,' 3「おぉ。ビーグルを紹介するのを忘れておったのう。すまんすまん」
_
( ゚∀゚)「こいつぁビーグル。見ての通り飼い犬だ。お前、犬は好きか?」
从 ゚∀从「どっちでもねぇよ」
▼・ェ・▼「ワンワン!」フリフリ
_
( ゚∀゚)「でも、ビーグルはお前の事気に入ったらしいぜ」
从 -∀从「チッ……」
/ ,' 3「さて……、自己紹介も終わった事だし、仕事と行くかのう」
_
( ゚∀゚)「ん? 今日は仕事あんのか?」
/ ,' 3「アリアリの大アリじゃよ。ほっほっほ」
- 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 17:02:03.37 ID:kuBUbP6/0
- _
( ゚∀゚)「ほー、珍しいなあ」
/ ,' 3「その依頼の内容なんじゃが……、少々面倒での……」
_
( ゚∀゚)「あ? ストーカーとか浮気調査とかじゃねぇの?」
/ ,' 3「行方不明者の捜索なんじゃよ。親族の方が見えられてのう」
_
(;゚∀゚)「はぁ? んなもん警察行けよ警察!」
/ ,' 3「それが、警察が信用出来ないんだと」
_
(;゚∀゚)「興信所なんかより警察の方がよっぽど信用出来ると思うんだが……」
/ ,' 3「なあに。その依頼のお陰でワシは食い繋げるんじゃ。感謝せんとな」
_
( ゚∀゚)「……で、その行方不明者ってのは?」
/ ,' 3「えーっと、確か……、布木 八雲とか言う男だったかのう……」
从 ゚∀从 そ ピクッ
_
( ゚∀゚)「お? どうかしたか?」
从 ゚∀从「……いや、何でもねぇ」
- 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 17:04:43.50 ID:kuBUbP6/0
- / ,' 3「まあ、詳しくは依頼状を見ておくれ」
_
( ゚∀゚)「へいへい」
/ ,' 3「しかし、昨日急いで作ったからの……。不備があったらすまん」
_
( ゚∀゚)「その辺は適当に補完するわ。で、どうすりゃ良いだ? 適当に情報でも集めるか?」
/ ,' 3「その辺は長岡君に一任するわい」
_
(;゚∀゚)「随分と適当だな、おい」
/ ,' 3「良いんじゃよ。こんな真剣な依頼を興信所にする方が悪いんじゃ」
/ ,' 3「見付からなかったら見付からなかったで、『後は警察にお願いします』で逃げりゃオーケーオーケー」
_
(;-∀-)「良く今まで持ってたよな、この興信所」
/ ,' 3「長岡君のお陰じゃよ」
_
(;-∀-)「本当に」
/ ,' 3「じゃあ、ハイン君」
从 ゚∀从「あ?」
- 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 17:07:00.17 ID:kuBUbP6/0
- / ,' 3「長岡君に着いて行って、こんな感じの仕事だってのを肌で感じなさい」
从 -∀从「……ああ」
_
( ゚∀゚)「おう。そいじゃ俺、用意して来るわ。お前さんは適当に座っててくれ」
_
( ゚∀゚) カツカツ
从 -∀从
从 -∀从「……ふぅ」ギシッ
从;゚∀从「……んだよ、随分ボロっちい椅子だな」ギシッギシッ
/ ,' 3「何か言ったかのう? 最近耳が遠くて……」
从 ゚∀从「何も言ってねぇよ、ジイさん」
/ ,' 3「そうか? なら良いんじゃが……」
从 ゚∀从
从 -∀从(……面倒な事になったな。まさか自分が殺した相手の調査をするハメになるとは)
从 -∀从(バレるって事は無いと思うけど……)
从 -∀从「……はぁ」
- 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 17:09:51.84 ID:kuBUbP6/0
- 【美府ニュータウン 二人は街道を行く】
_
( ゚∀゚)「んー……! 良い天気だな!」
从 ゚∀从
_
( ゚∀゚)「……そう思わねぇか?」
从 ゚∀从「何だよ。お前はいちいち話しかけねぇと歩けないのか?」
_
(;゚∀゚)「そんな言い方せんでも……。無言で歩くのも寂しいだろうがよ……」
从 ゚∀从「……チッ」
_
( ゚∀゚)「ま、気にせず話し掛けさせて貰うぜ、ハイン」
从 ゚∀从「あ?」
_
(;゚∀゚)「……なんだよ」
从 ゚∀从「呼び捨て」
_
(;゚∀゚)「へ?」
从 ゚∀从「だから、呼び捨て」
- 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 17:11:40.33 ID:kuBUbP6/0
- _
(;゚∀゚)「何? 俺がハインって呼び捨てにしたのが気に食わないの?」
从 ゚∀从
_
(;゚∀゚)「良いじゃねぇかよ……。これから一緒にやっていく仲間なんだからさ……」
从 ゚∀从
_
(;゚∀゚)「おー、シカトー……。ヘコむねぇ……」
从 ゚∀从「一々うるせぇ野郎だな」
_
( ゚∀゚)b「自慢じゃ無いが、口から先に生まれたので」グッ
从 ゚∀从「……勝手に喋ってろ」
_
( -∀-)「そうさせて頂きますー……」
从 ゚∀从「チッ……」
_
( ゚∀゚)「でよ。ハイン」
从 ゚∀从「あ?」
_
( ゚∀゚)「お前さん、この町初めて?」
- 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 17:14:02.82 ID:kuBUbP6/0
- 从 ゚∀从
从 ゚∀从「ああ。初めてだ」
_
( ゚∀゚)「そうか。じゃあ、この街の事も少し教えないとな」
从 ゚∀从「……良いよ、別に」
_
( ゚∀゚)「そう言うなって。ただ俺が喋りたいだけなんだ。勝手に聞いててくれ」
从 ゚∀从「……じゃあ、好きにしろ」
_
( ゚∀゚)「はいはい。……でさ、何か気づかない? 違和感ない?」
从;゚∀从「勝手に聞いててくれって自分で言ったのに、初っ端から質問してんなよ。もしかしてお前、馬鹿?」
_
(*゚∀゚)「はははっ。馬鹿だよ。大馬鹿」
从;-∀从「やり辛ぇな……」
_
(*゚∀゚)「ほら、早く質問に答えな」
从 -∀从「……人が全く歩いてない。人どころか、車すらあんまり通らねぇ」
_
(*゚∀゚)「おっ。そうそう、正解。気づいてたんだな」
从 -∀从「……最初から感じてたよ」
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 17:16:34.79 ID:kuBUbP6/0
- _
(*゚∀゚)「優秀、優秀。で、その理由は?」
从 -∀从「ベッドタウンだからだろ?」
_
( ゚∀゚)「何だよ。そんな簡単に答えられちまうと詰まんねーな」ボソッ
从 ゚∀从「こんな事も分からないと思ったか?」
_
(;゚∀゚)「聞こえてた?」
从 ゚∀从「ああ」
_
(;゚∀゚)「ゴメンちゃい」
从 -∀从「……で、今から何処に行くんだよ」
_
( ゚∀゚)「坂を上ろうかと」
从 ゚∀从「坂?」
_
( ゚∀゚)「うん、坂。つっても長い階段みたいなもんだがな」
从 ゚∀从「……長い階段」
从 ゚∀从(長い階段なんてあったか? ……そりゃ十年以上経ってれば街も変わるもんな)
- 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 17:18:45.88 ID:kuBUbP6/0
- 【美府ニュータウン 二人は長い階段を上り終える】
_
(;×∀×)「ひぃ……ひぃ……」ヨロヨロ
_
(;×∀×)「っだああああ!! やっと着いたあああ!!」
从;゚∀从「……随分長い階段だったな」
_
(;×∀×)「だろ?」
从 ゚∀从「で、ここは……」
从 ゚∀从 キョロキョロ
从∀゚ 从 キョロキョロ
从 ゚∀从(……何となく分かった。前に電波塔があった場所だ。こんな所に繋がってたとは)
_
(;-∀-)「ふぅ……、火照った体に春風が気持ち良いぜぇ……」
从 ゚∀从(昔はこの辺まで来るのが冒険だったな……。懐かしい)
_
(;-∀-)「おい、ハイン」
从 ゚∀从「あ?」
_
(;-∀-)σ「見ろよ」
- 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 17:21:07.13 ID:kuBUbP6/0
- 从 ゚∀从「……おぉ」
_
(;-∀-)「街が一望出来るだろ? 此処は俺のお気に入りの場所なのさ」
从 ゚∀从「……意外と緑が多いんだな」
_
(;゚∀゚)「ああ。なんか緑化計画みたいなやつをボランティア団体がやってるからな」
从 ゚∀从「ふぅん……」
_
(;-∀゚)σ「ほら、あそこ。あの小さいビルが荒巻興信所」
从 ゚∀从「……結構歩いて来たんだな」
_
(;-∀゚)σ「あと……、見りゃ分かるがあの辺が桜並木で……、その側にあるだだっ広いのが霊園だな」
从 ゚∀从「……ああ」
_
(;-∀゚)σ「そうそう。ジャスコ。ジャスコが出来た。ほら、あれだよ」
从 ゚∀从「デカイな」
_
( ゚∀゚)「おお。まるでテーマパークさ」
从 ゚∀从「……で? なんで此処に?」
_
( ゚∀゚)「え? この街を見せたかったから」
- 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 17:23:07.59 ID:kuBUbP6/0
- 从 ゚∀从
从 ゚∀从「は? 此処に用があるんじゃねぇの?」
_
( ゚∀゚)「無いよ。用があるのはまた別の場所。また下りなきゃだな」
从 ゚∀从
从#゚∀从 ムカッ
从#゚∀从「てめぇ!! ふざけやがって!!」
_
(;゚∀゚)「え、何? 何で怒ってんの?」
从#゚∀从「意味もねぇのにこんな階段上らせたのかよ?!」
_
(;゚∀゚)「いやいや、街見れたじゃん! それで良いじゃん!」
从#゚∀从
从#-∀从「今日お前と初めて会って、一つだけ分かった事がある」
_
(;゚∀゚)「何? イケメンって事?」
从#-∀从「最高に腹が立つ野郎だって事だ」
_
(;゚∀゚)「……早速嫌われちゃった」
- 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 17:25:06.52 ID:kuBUbP6/0
- 从#-∀从「……で?」
_
( ゚∀゚)「うん?」
从#-∀从「本当は何処に行く予定だったんだよ!」
_
( ゚∀゚)「えっと……。孤児院」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「孤児院?」
_
( ゚∀゚)「なんでも、孤児院に布木の娘が居るんだと」
_
( ゚∀゚)「それで、今日入所するみたいだからさ。丁度良いかと思って」
从 ゚∀从(……まさか)
_
( ゚∀゚)「親戚とか居なかったのかね……。いきなり孤児院たぁ穏やかじゃないよな」
从 ゚∀从
_
( ゚∀゚)「ま、正式な入所じゃなくて保護扱いなんだろうけど……ってハイン?」
从 ゚∀从「ん? あっ……、何でもねぇよ……」
_
( ゚∀゚)「? さっきまでプリプリしてた癖に変な奴……」
- 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 17:29:36.21 ID:kuBUbP6/0
- 【美府ニュータウン 内藤愛児園(児童養護施設) 教室】
('、`*川「みんな聞いてー!」
(*゚ー゚)「はーい!」ワイワイ
(,,゚Д゚)「なんだー ごるぁ」ワイワイ
( ^^ω)「なんかあったホマ?」ワイワイ
('ー`*川「みんなに、あたらしいお友だちをしょうかいします」
('ー`*川「さあ、おいで」
o川*゚ー゚)o テクトコ
('ー`*川「はい。じゃあみんなにお名前をおしえてあげてね」
(*゚ー゚) ワクワク
(,,゚Д゚) ワクワク
( ^^ω) ワクワク
- 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 17:31:52.11 ID:kuBUbP6/0
- o川*゚ー゚)o「えっと……、わたしの名前は布木 宮子です。キューってよんでください」
('ー`*川「よくできました」
(*゚ー゚)「キュ、キューちゃん?」
o川*゚ー゚)o「なあに?」
(*゚ー゚)「あ、あたし……。猫田しい。よろしく……」
o川*^ー^)o「しいちゃん……。よろしくね」
(*^ー^)「う、うん!」
(,,゚Д゚)「俺は……、猫田ギコ。……ギコってよんでくれ ごるぁ」
o川*^ー^)o「ギコくんだね。よろしく」
(*゚Д゚)「な、なんだかてれくさいぞ ごるぁ」
( ^^ω)「僕は長谷川 丸太ホマ。キューちゃんよろしくホマ!」
o川*^ー^)o「うん。よろしく」
('ー`*川(……キューちゃん、馴染めそうね。良かった)
- 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 17:33:56.26 ID:kuBUbP6/0
- 【内藤愛児園 職員室】
<ガラララッ…
ξ゚听)ξ「あ、ペニちゃん帰って来た」
('、`*川「ツン……」
ξ゚听)ξ「どうだった? キューちゃん」
('ヮ`*川「それが、全然問題無し! すぐに皆と仲良くなったわ」
ξ゚ー゚)ξ「そっかー、良かった」
('ヮ`*川「あの子も虐待されてたみたいだから、暗い子かなって思ったんだけどね」
( ´ω`)「良かったおー」
('、`*川「あら、居たんですか園長先生」
(;´ω`)「居たんですかとは失礼な」
ξ゚ー゚)ξ「園長先生もずっと心配してたんだから」
(;´ω`)「ソワソワして落ち着かなかったお」
- 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 17:36:45.20 ID:kuBUbP6/0
- ξ゚ー゚)ξ「それじゃあ、あの子達も新しい友達が増えて喜んでるでしょうね」
('ヮ`*川「そりゃもう、大はしゃぎよ」
(*^ω^)「うんうん」
ξ゚ー゚)ξ「良かったですね、園長先生」
(*^ω^)「おっおっ」
('ー`*川「子供達の間で幸せを感じてくれるのに越した事は無いものね」
ξ゚ー゚)ξ「さあ、一人増えたから少しだけ忙しくなるわよ」
('ー`*川「ええ」
( ^ω^)「……あっ、そうそう」
('、`*川「どうしました?」
( ^ω^)「その、キューちゃんの親の事なんだけど」
ξ゚听)ξ「……まさか、もう見付かったんですか?」
- 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 17:39:25.80 ID:kuBUbP6/0
- ( ^ω^)「いや、見付かってないお。見付かったにしても親の所に返す訳には行かないお」
('、`*川「あれだけ痣だらけじゃ、ね」
ξ゚听)ξ「じゃあ、何です?」
( ^ω^)「それが、警察がキューちゃんの親は捜せないって」
('、`*川「え?」
( ^ω^)「捜索願が出てないらしいんだお」
ξ゚听)ξ「なるほど」
('、`*川「親類の方々は出してないんですか?」
( ^ω^)「多分、出してないからそう言ってるんだと思うお」
('、`*川「へぇ……。変な話ね」
( ^ω^)「そうなんだお。変な話なんだお」
ξ゚听)ξ「キューちゃんに親の事なんて聞けないし……」
( ^ω^)「うんお。今はまだ、そっとしておいた方が良いお」
- 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 17:42:12.64 ID:kuBUbP6/0
- ('、`*川「……やっぱり、キューちゃん捨ててどっか行っちゃったんじゃないですかね」
( ^ω^)「その線も考えられるおね」
('、`*川「だってキューちゃん、施設の前でポツーンと立ってた訳ですよね?」
( ^ω^)「うんお。確かにそうだったお」
('、`*川「捜索願も出てないなら、こっちの考えの方が普通なんじゃ……?」
(;^ω^)「ですおねー」
('、`*川「残念ですけど……」
(;´ω`)「じゃあキューちゃんは捨てられた訳かお……」ションボリ
ξ゚听)ξ「最近そういう親が多いからね……」
('、`*川「……で、何で園長先生はキューちゃんの親を探そうとしたんですか?」
(;´ω`)「え? そりゃあ、キューちゃんにあんな事する位だから、親のケアも必要なんじゃないかと思って」
ξ゚听)ξ「相変わらず真面目ですね……」
(;´ω`)「そうかお?」
- 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 17:45:59.22 ID:kuBUbP6/0
- 【美府ニュータウン 養護施設】
_
( ゚∀゚)「おー! 意外と広いもんなんだな」
从 ゚∀从「でさ」
_
( ゚∀゚)「ん?」
从 ゚∀从「ジジイとババアばっかり歩いてるんだが。此処は孤児院じゃねぇのか?」
_
( ゚∀゚)「ジジイセンターと孤児院が複合してるんじゃねぇかな」
从;゚∀从「何だよジジイセンターって」
_
(;゚∀゚)「……ジジイセンターってのはな、あれだ。その、ジジイとかババアとか介護するやつ」
从;-∀从「……老人ホームの事言ってんの?」
_
(;゚∀゚)「そうそう。それそれ。老人ホーム」
从;-∀从「……ったく」
- 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 17:48:56.26 ID:kuBUbP6/0
- _
( ゚∀゚)「で、ガキが居る場所は何処なんだ……?」キョロキョロ
从 ゚∀从「ドアが多すぎて分かんねぇな。地図とかねぇのかよ」
<……ちょっと、アナタ達
从 ゚∀从「……あ?」
(゚、゚;トソン「勝手に入られたら困ります」
_
( ゚∀゚)「おろ? ……まだ俺達、入ってねぇけど」
(゚、゚;トソン「いや、もう入ってます。何か用があるなら、ちゃんと受付を通してくれないと……」
_
(;゚∀゚)「マジで? もう入っちゃってた感じ?」
(゚、゚;トソン「はい」
从 ゚∀从σ「んだよ。このドアの中が施設じゃねぇのか?」
(゚、゚;トソン「このドアは施設ではなく、個室です」
_
( ゚∀゚)「個室ぅ? んだそりゃ」
(゚、゚;トソン「ちょっと……! もしかしたら、中でお休みになってる方が居るかも知れないのでお静かにお願いします……」
- 76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 17:52:20.04 ID:kuBUbP6/0
- 从 ゚∀从「何? こんだけジジババが居る癖に、まだ個室に格納されてるヤツがいるっての?」
ざわざわ
ざわざわ
<ガラが悪いのぅ……
怖いのぅ……>
<最近の若いのは皆こうなのかのぅ……
でも、都村さんは良くやってくれてるしのぅ……>
ざわざわ
ざわざわ
从 ゚∀从「……んあ?」
_
(;゚∀゚)「あんれぇ……? 俺達、場違いな感じ?」
(゚、゚トソン「当然です……。このユニットケアに何の用ですか?」
从 ゚∀从「は? ユニットケア?」
(゚、゚トソン「小規模生活単位型施設の事ですよ。この施設のカテゴリと言いますか、分類と言いますか」
_
( ゚∀゚)「え、何? しょうきぼせいかつ……何だって?」
(-、-;トソン「もう良いです」
- 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 17:54:43.02 ID:kuBUbP6/0
- (゚、゚;トソン「……で、何の用なんですか?」
_
( ゚∀゚)「ああ。そうそう。そうだったな。……俺達は孤児院に用があるんだ」
(゚、゚トソン「孤児院? 児童養護施設の事ですか?」
_
( ゚∀゚)「じどうようご? ま、とりあえずガキを育てる場所だよ。此処と複合してるんだろ?」
(゚、゚トソン「ええ。児童養護施設なら二階ですよ。入り口の案内にも書いてあるんですが」
_
(;゚∀゚)「え? マジで?」
(゚、゚トソン「これからは良く見て下さいね」
_
(;゚∀゚)「すんませんした」
(゚、゚トソン「あと、用がある場合は一度受け付けを通して貰えると助かります」
_
(;-∀-)「は、はい。……すみませんした」
- 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 17:57:32.92 ID:kuBUbP6/0
- 【二階 内藤愛児園】
_
( ゚∀゚)「ここか」
从 ゚∀从「何だよ。ガキの施設にも個室があんのか」
_
( ゚∀゚)「な。下のジジイセンターと全く変わらない作りしてんだな」
从 ゚∀从「ガキに個室たぁ、良いご身分だぜ」
( ^ω^)「……子供達には出来る限り家庭的な環境で暮らして欲しいですから」
_
(;゚∀゚)そ「ほあっ!」ビクッ
( ^ω^)「子供達がゆとりを持てる環境の中で、我々職員は子供達との関係を築き上げたいと思ってますお」
_
(;゚∀゚)「は、はぁ……」
( ^ω^)「で、内藤愛児園に何か御用ですかお? 勝手に入ってきちゃって……」
_
(;゚∀゚)「あ、ああ。少し聞きたい事があって」
( ^ω^)「聞きたい事?」
- 81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 18:00:07.69 ID:kuBUbP6/0
- _
( ゚∀゚)「っと……、その話をする前に……」
_
( ゚∀゚) ガサゴソ
_
( ゚∀゚)つ□「……私、こう言う者です」スッ
( ^ω^)つ□「……荒巻興信所、ですかお」
_
( ゚∀゚)「ま、探偵みたいなもんですわ」
从 ゚∀从
_
( ゚∀゚)「そんでコイツはハインリッヒ高岡。今日からウチで働く事になった新人です」
从 ゚∀从
_
(;゚∀゚)[おい! なんか言えよ!]ヒソヒソ
从 ゚∀从「……よろしく」
_
(;∩∀-)「よ、よろしくって……、お前……」パシッ
( ^ω^)「はあ……。よろしくお願いしますお……」
_
(;゚∀゚)「すんません、コイツ、こんなんでして」
( ^ω^)「いや、全く気にしてませんお」
- 82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 18:03:41.01 ID:kuBUbP6/0
- ( ^ω^)「それで……探偵さん、ですかお? そんな人が何の用で……」
_
( ゚∀゚)「……布木 宮子ちゃん。今日から此処に入所したんですよね?」
( ^ω^)「……もしかして、キューちゃんの親の行方を探して?」
_
( ゚∀゚)「ええ。そんな所です。少しでもお話が伺えないかと」
( ^ω^)「そうですかお……」
( ^ω^)
( ^ω^)「あっ……。紹介が遅れました。私、この内藤愛児園の代表者であります、内藤ホライゾンです」
_
( ゚∀゚)「ああ。所長先生でしたか」
( ^ω^)「一応此処では園長と呼ばれてますお」
_
( ゚∀゚)「おっと、これは失礼」
( ^ω^)「特殊な養護施設ですから、お構いなく」
_
( ゚∀゚)「特殊ですか。……確かに、私の想像してた孤児院とは少し違いますね」
( ^ω^)「最近出来たばかりですから」
_
( ゚∀゚)「ほう。最近」
- 84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 18:06:03.65 ID:kuBUbP6/0
- ( ^ω^)「ええ。東日本大震災の影響で孤児が増えまして……」
_
( ゚∀゚)「あー……、こんな所にまで影響が……」
( ^ω^)「とは言え、此処には親を亡くした子供はまだ居ませんけどね」
_
( ゚∀゚)「と、言うと?」
从 ゚∀从「……捨てられたり、虐待されたガキ共しか居ないって事だろ?」
( ^ω^)「そうですお」
_
( ゚∀゚)「意外と頭良いな、お前」
从 ゚∀从「お前が馬鹿なんだよ」
( ^ω^)「……で、話を戻すと、震災の影響で他の施設の負担を軽減するべく、何か力添えをしたいと思いまして」
_
( ゚∀゚)「そういう経緯で、この孤児院を?」
( ^ω^)「ええ。社会福祉法人渋沢会の支えもあって、無事開園出来た訳ですお」
_
( ゚∀゚)「ほうほう。立派ですな、アナタは」
( ^ω^)「いえいえ。社会福祉士として出来る事をしただけですお」
- 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 18:08:16.48 ID:kuBUbP6/0
- ( ^ω^)「……あっ、そう言えば名刺、お渡ししてなかったですおね?」
_
( ゚∀゚)「おっと、そうでしたそうでした。頂けるんですか?」
( ^ω^)「それが……、私、名刺を職員室に置いて来まして……、取りに行けばあるんですが……」
_
( ゚∀゚)「あー、いえいえ! お構いなく! 突然の訪問ですので、はい」
( ^ω^)、「すみませんお」
_
( ゚∀゚)「気にしないで下さい。……それで、宜しいですかな。件の事を伺っても」
( ^ω^)「構いませんが……、私がお話出来る事はあまり無いかと」
_
( ゚∀゚)「良いです、良いです。少しでもお話が聞ければ、それで」
( ^ω^)「そうですかお?」
_
( ゚∀゚)「ええ。とは言え、アナタからじゃ話し辛いでしょうから私が質問しても宜しいですかね?」
( ^ω^)「構いませんお」
- 88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 18:11:25.14 ID:kuBUbP6/0
- _
( ゚∀゚)「では……。えーっと、その……、キューちゃんでしたっけ?」
( ^ω^)「ええ」
_
( ゚∀゚)「キューちゃんはどういう経緯でこの孤児院に?」
( ^ω^)「ポツンと立ってたんですお。一階の入り口付近に」
_
( ゚∀゚)φ「ほう……。一体誰が……」メモメモ…
( ^ω^)「それは分からないですお」
_
( ゚∀゚)φ「ま、そうだよなぁ……」メモメモ…
( ^ω^)「一応保護はしてみたものの、誰だか分からないので、警察にも色々お願いしてみたんですが……」
_
( ゚∀゚)φ「ほうほう」メモメモ…
( ^ω^)「親の名前が分かっただけだったんですお」
( ^ω^)「そこから勝手に私が住所などを調べまして……」
_
( ゚∀゚)φ「行ったんですか? そこに」
( ^ω^)「ええ。行きましたお。しかし、誰もいませんでしたお」
_
( ゚∀゚)φ メモメモ…
- 90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 18:14:17.48 ID:kuBUbP6/0
- ( ^ω^)「と言う訳で、捜す様に警察にお願いしてみたんですけど……、結局断られてしまいましたお」
( ^ω^)「何でも、親族が捜索願を出してないから捜せない、だとか」
_
( ゚∀゚)φ「なるほどねぇ……、毎日200以上の捜索願が出てるからなぁ……。赤の他人からだったら弾くわな……」メモメモ
( ^ω^)「……私が答えられるのはそれくらいですお」
_
( ゚∀゚)「そうすか。ご協力有難う御座います」
( ^ω^)「こうして興信所の人が捜してるって事は、興信所の方に依頼が来た、と?」
_
( ゚∀゚)「ええ。そんな所です。どうも……、依頼者は警察に話を通してない様でしてね……」
( ^ω^)「その方は親族の方で?」
_
( ゚∀゚)「はい」
( ^ω^)「そうですかお……」
_
( ゚∀゚)「……恐らく、警察に言っても捜してもらえないんでしょ」
( ^ω^)「捜してもらえない?」
_
( ゚∀゚)「借金か何かしてたとか。確か、夜逃げ扱いにされて捜査してくれないんですよね」
( ^ω^)「おーん……」
_
( ゚∀゚)「悪魔で予想ですわ。下らない戯言だと思って聞き流して貰いたいです」
- 93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 18:17:28.65 ID:kuBUbP6/0
- 从 ゚∀从
从 ゚∀从
从 ゚∀从(やっぱ、あん時殺し損ねたガキなのかな)
从 ゚∀从(な訳ねーよな……。処理屋が何とかしてくれてるハズだ……)
从 ゚∀从
从 ゚∀从(いや、でも……、アイツの娘って事はあのガキしか居ない訳で……)
从 -∀从(……何かの間違いだと良いけど)
从 -∀从「はぁ……」
_
( ゚∀゚)「? どうした溜め息なんかついて」
从 -∀从「何でも無……」
<ちょっと? キューちゃん?!
_
( ゚∀゚)「ん?」
o川*゚ー゚)o テクトコ
- 97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 18:20:36.59 ID:kuBUbP6/0
- 从 ゚∀从
o川*゚ー゚)o
从 ゚∀从「……やっぱり、か」ボソッ
_
( ゚∀゚)「え?」
<タッタッタッタ……
('、`;川「ちょっと、キューちゃん! いきなりどうしたの……」
从 ゚∀从
_
( ゚∀゚)「ああ……、この子がキューちゃん……」
o川*゚ー゚)o
('、`;川「って……、この方達は?」
( ^ω^)「興信所の方々だお」
('、`;川「興信所?」
o川*゚ー゚)o「……お姉ちゃん」
从 ゚∀从 ピクッ
- 100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 18:23:34.02 ID:kuBUbP6/0
- _
( ゚∀゚)「お、お姉ちゃん?」
从 ゚∀从
_
(;゚∀゚)「お姉ちゃんって……、まさか、お前の事?」
从 ゚∀从「……知るかよ」
(;^ω^)「アナタ……、キューちゃんの知り合いですかお?」
从 ゚∀从「だから、知らねぇって、こんなガキ」
('、`;川「ちょっと……、言い方を考えて……」
o川*゚ー゚)o「……お姉ちゃん、なんでしょ?」
从 ゚∀从「黙れ。お前みたいなガキは知らねぇ」
o川*゚ -゚)o、シュン…
('、`;川「アナタ、子供に対してそんな口を……」
从#゚∀从「あ゛?」キッ
('、`;川そ ビクッ
- 102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 18:26:14.84 ID:kuBUbP6/0
- 从#゚∀从
从#-∀从「……チッ」
_
(;゚∀゚)「ハイン……?」
从#-∀从「俺、帰るわ。じゃあな」
从#-∀从 スタスタ
_
(;゚∀゚)「お、おい……、ちょっと待てって! ハイン!」
_
(;゚∀゚)
_
(;゚∀゚)「行っちまった……」
('、`;川「あの人何なの……?」
_
(;-∀-)「すみません……、良く言って聞かせときます」
o川*゚ -゚)o
( ^ω^)「……キューちゃん、いまのひととしりあいなのかお?」
o川*゚ -゚)o
- 104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 18:29:00.34 ID:kuBUbP6/0
- ( ^ω^)「キューちゃん?」
o川*゚ -゚)o
('、`*川「……キューちゃん。先生もきになるな」
o川*゚ -゚)o「……ない」ボソッ
('、`*川「え?」
o川*゚ -゚)o「知らないっ」タッタッタッタ
_
(;゚∀゚)「あー……」
('、`*川「キューちゃん……」
( ^ω^)「……あの、長岡さん?」
_
(;゚∀゚)「はい……」
( ^ω^)「その……、さっきの人、キューちゃんと何の関係があるのか……」
_
(;-∀-)「あー……、はい……。会ったら聞いときます」
( ^ω^)「お願いしますお」
_
(;-∀-)(トホホ……)
- 106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 18:32:05.50 ID:kuBUbP6/0
- 【美府ニュータウン 公衆トイレにて】
从 ゚∀从つ】 ピッポッパッ
从 ゚∀从】<Prrrrrr……
从 ゚∀从】<Prrrrrr……
从 -∀从】<Prrrrrr……
曝ク ゚∀从】<ガチャッ
( ・∀・】『よう、どうした。もう俺等とは手を切るんじゃなかったのか?』
从 ゚∀从】「おい……てめぇどう言うつもりだ……」
( ・∀・】『は? 何の話?』
从 ゚∀从】「てめぇの処理の事だよ……、しらばっくれんな……」
( ・∀・】『……死体処理なら完璧だろ。何処にも証拠は転がってねぇはずだ』
从 -∀从】「ああ、死体の処理は完璧だった。それは俺も認める」
( ・∀・】『何が言いたい』
- 107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 18:35:27.67 ID:kuBUbP6/0
- 从 -∀从】「ガキ……、殺さなかっただろ……」
( ・∀・】『……ああ。あのガキか。殺さなかったよ』
从#゚∀从】「殺さなかったよ……、じゃねぇ!! こちとら馬鹿みてぇな大金払ってんだぞおらぁ!!」
( ・∀・】『死体処理代しか貰ってないが』
从#゚∀从】「は?」
( ・∀・】『死体処理代しか貰ってないって。それに、俺はそのガキを殺す様に頼まれて無い』
从#゚∀从】「……てめぇ。だからって孤児院にガキ入れる事ねぇだろうがよ」
( ・∀・】『変にあの部屋に居られる方が困るんじゃ? 俺はあのガキが死んだって処理しないぜ』
从#-∀从】「……チッ」
( ・∀・】『言いたい事はそれだけか?』
从#-∀从】
( ・∀・】『ん? どうなんだ?』
从#-∀从】
- 111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 18:37:53.59 ID:kuBUbP6/0
- 从#-∀从】「チッ……、折角お前らの所から抜けて普通の生活が出来ると思ったらこれだよ……」
( ・∀・】『……何の話だ?』
从#-∀从】「……あ゛ー!! もう!! どいつもコイツも!!」
( ・∀・】『愚痴だけだったら切るぞ。もう俺とお前は赤の他人なんだからな』
从#-∀从】「てめぇはムカつくし……、思う様に行かねぇし……」
( ・∀・】『じゃあな。二度と電話掛けてくんなよ』
从#-∀从つ】「便所は臭ぇし――――」
从#゚∀从 彡 ΞΞΞΞ】「――――よっ!!」ブン!!
⊂
从#゚∀从 ガッシャーン!!>
从#゚∀从
从#゚∀从
从#-∀从 「……イライラするぜ」
- 113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 18:40:04.70 ID:kuBUbP6/0
- 【美府ニュータウン 夜の霊園にて 墓石の前に女性が座っている】
从 ゚∀从つ日「父さん……。はい、ビール。ここに置くぜ」コトン
从;゚∀从「お、俺はさ……」
从;゚∀从 ガサゴソ
从;゚∀从つ日「チューハイ。やっぱ無理してマズイもんは飲めねぇや……」
从;^∀从つ日「父さんが生きてたら笑われたかもな……、へへっ……」
从;゚∀从つ日 カシュ
从;-∀从 ゴクゴク
从*-∀从「うん。うまい。やっぱ俺はこっちだな」
从*゚∀从
从*゚∀从「父さん」
从*゚∀从「今日は夜風が気持ち良い日だよ。もう春なんだなって……」
- 115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 18:42:36.77 ID:kuBUbP6/0
- 从 ゚∀从「同じ職場の奴がさ。言ってたんだ。春風が気持ち良いって……」
从 ゚∀从「こうやって、風を感じてみると……、アイツの言ったとおり、風ってのは気持ち良いんだな……」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「そうそう。……新しい職場。良さそうだよ」
从 ゚∀从「よれよれのジイさんと馬鹿でやってるんだけどよ……」
从 ^∀从「ジイさんの下ネタがさ。面白んだ。ちょっと吹きそうになっちまった」
从 ^∀从「あと、もう一人馬鹿が居るんだけどよ……。あっ、そいつは若いんだぜ? 俺と同い年くらい」
从 ^∀从「……で、この馬鹿なんだけど。こいつはさ、喋りがうまいんだよ」
从 ^∀从「ずーっと、ペチャクチャ喋ってるんだけどさ……。アイツの話は飽きねぇな……」
从 ^∀从
从 ゚∀从「……だから、大丈夫」
从 ゚∀从「俺、元気でやっていけるから。もう、絶対泣かないから」
- 119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 18:45:48.17 ID:kuBUbP6/0
- 从;゚∀从「あっ、……でも、少し困った事があって」
从;゚∀从「俺さ……、殺した奴の事を捜索しなくちゃいけない事になったんだ」
从;^∀从「はははっ……、傑作だろ?」
从;^∀从「でも、大丈夫。適当にやってくよ、その辺は」
从;゚∀从「あっ!」
从;゚∀从「……あと、父さんを殺した奴の子供。アイツが生きてたんだ」
从;゚∀从
从;゚∀从「ちょっと困ったよなー……」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「……アイツの子供だって考えると、ムシャクシャしてくるんだけどよ」
从 ゚∀从「何て言うか……、その……。何だろうな、この気持ち……」
从 ゚∀从
从 -∀从「あー……面倒だな……」
从;-∀从「……ってな悩みも出来たけど、大丈夫」
- 120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 18:49:13.14 ID:kuBUbP6/0
- 【翌々日 荒巻興信所】
▼-ェ-▼「Zzz……」グッスリ
/ ,' 3「長岡君」
_
( ゚∀゚)「んお?」
/ ,' 3「ちょっと本腰入れて調べてみたらのう……。布木の事がだんだん分かって来たぞい」
_
( ゚∀゚)「ほ〜。流石はジジイ情報網。一日で調べ上げるとは」
/ ,' 3「なっ! 何じゃ! ジジイ情報網とは何じゃ! 馬鹿にしとるのか、若造が!」
_
( ゚∀゚)「じゃあエロジジイ情報網で」
/ ,' 3「……エ、エロジジイ。ふむ、良かろう」ドキドキ
_
( ゚∀゚)「……で、何が分かった訳?」
/ ,' 3「布木に犯罪歴があると言う事じゃ」
_
( ゚∀゚)「犯罪歴ぃ〜? 万引きとか?」
/ ,' 3「そんな可愛らしいもんじゃ無いわい」
_
( ゚∀゚)「じゃあ何だよ」
- 121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 18:52:08.60 ID:kuBUbP6/0
- / ,' 3「殺人じゃ」
_
( ゚∀゚)「殺人……? マジで?」
/ ,' 3「マジもマジ。大マジじゃ。長い事少年院に居たらしいぞい」
_
( ゚∀゚)「……そっか。……殺人、か」
/ ,' 3「……ああ、そういえば長岡君は」
_
( -∀-)「気にすんなって。少し思い出しただけだよ」
/ ,' 3「なら良いんじゃが……。あっ、そうそう。長岡君。もう一つだけ」
_
( ゚∀゚)「ん?」
/ ,' 3「昨日、調べといてくれって言われた事、調べておいたぞい」
_
( ゚∀゚)「ああ。布木に借金があるかって事か。どうだった?」
/ ,' 3「ビンゴじゃったよ。かなりの額を借りていたらしい」
_
( ゚∀゚)「やっぱりか……。だから警察に捜索願を出さなかった訳だな……」
/ ,' 3「じゃな」
- 122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 18:55:02.92 ID:kuBUbP6/0
- / ,' 3「……あと気になった事と言えば」
_
( ゚∀゚)「まだあるの?」
/ ,' 3「妻の事じゃ」
_
( ゚∀゚)「妻?」
/ ,' 3「布木の妻……、麗子なんじゃが、……何度か生活保護の申請をしている様じゃ」
_
( ゚∀゚)「生活保護か……。やっぱ、夜逃げしたんじゃないの?」
/ ,' 3「ワシもそう思うわい」
_
( ゚∀゚)「となると……、捜すのが面倒になるな……」
/ ,' 3「ふむ……」
_
( ゚∀゚)
_
( ゚∀゚)「あ。一つ調べて貰って良いか?」
/ ,' 3「何? また老人を扱き使うのかい」
_
( ゚∀゚)「元気有り余ってるんだから良いだろ」
+
+ / ,' 3 「ちんちんもまだ勃つしの!」キラキラ
+
- 126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 18:58:41.10 ID:kuBUbP6/0
- _
( ゚∀゚)「ちんちんの話はどうあれ、さしてしんどい調べ物じゃ無いと思うぜ」
/ ,' 3「ほう。では、聞かせてみい。そのちんちんより大切な調べ物を」
_
( ゚∀゚)「布木の殺した奴の名前だよ」
/ ,' 3「ふむ……。そんな事知って、どうするつもりじゃ?」
_
( ゚∀゚)「何かとリンクしてないかチェックしようかと思って。ま、念の為ってヤツだ」
/ ,' 3「な、何じゃ! 念の為でこの老体に鞭を打つつもりか!」
_
( ゚∀゚)「良いじゃねぇか。ちんこ勃つんだろ?」
/ ,' 3「こんなペースで扱き使われたら、ちんちんも無くなってしまうわい……」
_
(;゚∀゚)「そもそも此処はジジイの興信所なんだから、その位の協力はしてくれよ」
/ ,' 3「はいはい……」シブシブ
_
(;゚∀゚)「何で渋々なんだよ……」
- 127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 19:01:37.00 ID:kuBUbP6/0
- _
( ゚∀゚)「あっ……」
_
( ゚∀゚) キョロキョロ
_
(゚∀゚ ) キョロキョロ
/ ,' 3「ん? 何を探しとるんじゃ?」
_
( ゚∀゚)「ハインだよ、ハイン。アイツにも聞かなきゃいけない事があって」
/ ,' 3「高岡君なら、屋上じゃよ」
_
( ゚∀゚)「屋上? 何でまた」
/ ,' 3「朝のスモーキングタイムじゃないかの? 昨日も出勤して早々に屋上へ向かって行ったぞい」
_
( ゚∀゚)「へぇ。分煙に協力してるんだな。意外すぎるぜ」
/ ,' 3「あー。屋上でタバコ吹かすとか、青春じゃのう……。ワシもやってみたかったのう……」
_
(;゚∀゚)「高校生かよジジイ」
/ ,' 3「ワシの青春と言ったら……、竹やり持って……」
_
(;-∀-)「……もうその話は聞き飽きたぜ」
- 129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 19:04:31.54 ID:kuBUbP6/0
- 【荒巻興信所のあるビル 屋上 女性が柵に寄りかかり空を見上げている】
从 ゚∀从y-~~ プカプカ
从 ゚∀从y-
【 o川*゚ー゚)o 】
从 ゚∀从y-
从 ゚∀从y-
从 -∀从y-~~「……はぁ」
_
( ゚∀゚)つ从 ゚∀从y- コツンッ
从;-∀从y-「痛っ……」
_
( ゚∀゚)「よっ」
从;゚∀从y-「……てめぇかよ」
_
( ゚∀゚)「溜め息なんて吐いてると、幸せさんが逃げちゃうよん」
从 -∀从y-「うるせぇ」
- 132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 19:06:58.10 ID:kuBUbP6/0
- _
( ゚∀゚)つ日「ん」
从 ゚∀从y-「あ? んだよ、これ」
_
( ゚∀゚)つ日「缶コーヒー。……ほら」
从 ゚∀从y-
从 -∀从y-「いらねーよ……」
_
( ゚∀゚)つ日「良いから、ほら」
从;゚∀从
从;-∀从つ日「……チッ」
_
( ^∀^)「はははっ。何だかんだ素直なのな」
从 ゚∀从「あ゛?」ギロッ
_
(;゚∀゚)「わ、悪かったよ……」
从 -∀从y-「……調子狂うぜ。ったく」
从 -∀从y-
从 ゚∀从y-「……お前は?」
- 134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 19:09:52.84 ID:kuBUbP6/0
- _
( ゚∀゚)「ん?」
从 ゚∀从y-「お前は何も飲まないのかって」
_
( ゚∀゚)「俺は良いよ。下の自販機、コーヒーばっかりだし」
从 ゚∀从y-「……コーヒー飲めないのか?」
_
( ゚∀゚)「カフェインが胃に来る体質ですので」
从 ゚∀从y-~~~
从 -∀从y- ニヤッ
_
( ゚∀゚)「あっ、お前笑ったろ」
从 ゚∀从y-「笑ってねぇよ」
_
( -∀゚)「いーや。笑ったね。見たもんね」
从;゚∀从y-「うっせぇ野郎だな。笑ってねぇって言ってんだろ!」
_
( -∀゚)「ふーん……?」
从;-∀从y-「……チッ」
_
( ゚∀゚)y-「……俺も吸って良いか?」スッ
从;-∀从y-「好きにしろよ」
- 137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 19:11:55.01 ID:kuBUbP6/0
- _
( ゚∀゚)y-「ほいじゃ、お言葉に甘えましてっと……」
_
( -∀-)y- シュボッ
_
( ゚∀゚)y-~~~「……ふぅー」プカプカ
_
( ゚∀゚)y-「やぁ……、空気が美味いと、タバコも美味いなー……」
从 -∀从y-~~~ プカプカ
_
( ゚∀゚)y-「……お前、何吸ってんの?」
从 -∀从y-「ピアニッシモ」
_
( ゚∀゚)y-「ひゅー! レディだねぇ! カッコイイ!」
从 -∀从y-~~~ プカプカ
_
(;゚∀゚)y-「……シカト?」
从 -∀从y-「ああ」
_
(;-∀-)y-「ヘコむ〜……」
从 -∀从y-「ヘコんでろ、屑」
_
( -∀゚)y-「……あ、そうそう。お前に聞きたい事があるんだけどさ」
从 ゚∀从y-「あ?」
- 139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 19:14:16.88 ID:kuBUbP6/0
- _
( ゚∀゚)y-「布木の娘……、えーっと、キューちゃんだっけ?」
从 ゚∀从y- ピクッ
_
( ゚∀゚)y-「知り合いなん? あの子、お前のこと『お姉ちゃん』なんて呼んでたけど」
从 ゚∀从y-
从 ゚∀从y-「知らねぇよ。あん時初めて会った」
_
( ゚∀゚)y-
_
( ゚∀゚)y-「……本当か?」
从 ゚∀从y-「本当だよ」
_
( ゚∀゚)y-「信じるぜ」
从 -∀从y-
从 -∀从y-「好きにしろよ」
_
( ゚∀゚)y-「ああ。そうさせてもらう」
从 -∀从y-
从 -∀从y-「……おいおい。そんな簡単に信じて良いのか?」
_
( ゚∀゚)y-「ん?」
- 140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 19:16:57.57 ID:kuBUbP6/0
- 从 ゚∀从y-「……だって、可笑しいだろ」
_
( ゚∀゚)y-「何が?」
从 ゚∀从y-「俺、お前と会ってからまだ三日しか経ってない」
_
( ゚∀゚)y-「だな」
从 ゚∀从y-「……なんで信じられるんだ?」
_
( ゚∀゚)y-「何となく?」
从 ゚∀从y-「はぁ?」
_
( ゚∀゚)y-「だって、お前。口悪いし愛想無いけど、悪い奴じゃない気がするから」
从 ゚∀从y-「……そう見えるか?」
_
( ゚∀゚)y-「俺には、な」
从 -∀从y-「……チッ」
_
( ゚∀゚)y-「出た。照れ隠しの舌打ち」
从 ゚∀从y-「あ゛?」ギロッ
_
(;゚∀゚)y-「……悪かったよ」
- 141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 19:19:15.59 ID:kuBUbP6/0
- _
( ゚∀゚)y-~~~ プカプカ
_
( ゚∀゚)y-「あ、ハイン」
从 ゚∀从y-「んだよ」
_
( ゚∀゚)y-「ちょっとしたら内藤愛児園行くぜ」
从 ゚∀从y-「……ああ」
_
( ゚∀゚)y-「そろそろキューちゃんにお話を伺おうかな、と」
从 -∀从y-~~~ プカプカ
_
( ゚∀゚)y-「先生が許してくれれば、だけどな」
从 -∀从 ジュッ
从 ゚∀从「じゃ……、用意してくる」
_
( ゚∀゚)y-「おう」
从 ゚∀从 スタスタ
_
( ゚∀゚)y-
_
( ゚∀゚)y-「……ちゃんと吸殻持って行くんだ。偉いな」
- 167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 20:44:22.89 ID:kuBUbP6/0
- 【内藤愛児園 教室】
(,,゚Д゚)つ□「この本はおれがよむんだ ごるぁ!」
(*゚ -゚)「あたしがよむの!」
(,,゚Д゚)「いやだ ごるぁ」
(;^^ω)「け、けんかはやめるホマ」
(*゚ -゚)つ「かして、かして!」グイグイ
(,,゚Д゚)「うるせー!」
(,,゚Д゚)つ(>- <*) ポカッ
(;^^ω)「ああ!」
(*> -<)
(*; -;) ポロポロ
(*; -;)「ふえぇ……」ポロポロ
- 169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 20:47:34.95 ID:kuBUbP6/0
- (;^^ω)、「し、しぃちゃん……」アワアワ
(*; -;)「えええ……、うぇぇ……」
(;^^ω)、「だいじょうぶホマ?」アワアワ
(*; -;)「えぇぇ……、……」
。・゚ ゚・(*>O<)・゚ ゚・。「……えええええええええんん! ええええええええんん!」ビエーン!
(;゚Д゚)「あ、あ……」
。・゚ ゚・(*>O<)・゚ ゚・。「ええええええええん!! ええええええええええんん!!」ビエーン!
(;゚Д゚)
(;^^ω)、「し、しぃちゃん……」アワアワ
。・゚ ゚・(*>O<)・゚ ゚・。「ええええええええん!! 痛いいいい!! えええええええん!!」ビエーン!ビエーン!
(;^^ω)、「どうしようホマ……、どうしようホマ……」アワアワ
(;゚Д゚)
- 170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 20:50:47.07 ID:kuBUbP6/0
- (;゚Д゚)「ご、ごるぁ」
o川*゚ー゚)o テトテト
o川*゚ー゚)oつ「しぃちゃん、よしよし」ナデナデ
。・゚ ゚・(*>O<)・゚ ゚・。「ええええええええええんん!!」ビエーン!
(;゚Д゚)「……こんなことくらいで泣くんじゃねーぞ ごるぁ」
o川*゚ー゚)oつ「ギコくん。泣くことはべつにわるいことじゃ無いんだよ」ナデナデ
(;゚Д゚)「え?」
o川*゚ー゚)oつ「お母さんがいってたんだ」ナデナデ
(;゚Д゚)
o川*゚ー゚)oつ「『泣く事は恥かしくないのよ。辛い時には泣いても良いの』」ナデナデ
o川*゚ー゚)oつ「『だって、私達は泣きながら産まれて来たんだから』」ナデナデ
o川*゚ー゚)oつ「って」ナデナデ
- 175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 20:53:59.62 ID:kuBUbP6/0
- (;゚Д゚)「……な、なまいきいってんじゃねぇぞ」
(;^^ω)「ギコくん……?」
(;゚Д゚)「こ、このやろー」
(;゚Д゚)つ狽サ ΞΞΞ o(>- <*川o ドンッ!
(;^^ω)「ああ!」
o(>- <*川o狽サ ドガッ
o(>- <*川o「い、痛たた……」
(;゚Д゚)「あっ……」
(;^^ω)「キューちゃん……、大丈夫ホマ……?」
o(>- <;;;川o タラー
(;^^ω)「あー!! あたまから血が出てるホマ!」アセアセ
(;゚Д゚)「あ……、あ……」
<ガチャ
('、`*川「どうしたの? ちょっとさわがしいぞ、きみたち……、」
('、`;川「ってキューちゃん?!」
- 177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 20:56:30.36 ID:kuBUbP6/0
- 【内藤愛児園 職員室】
⊂('、`*川「はい。これでよし」ポンポン
o川*゚ー゚)o「ありがとう」
('、`*川「ガーゼは取っちゃだめよ」
o川*゚ー゚)o「はい」
ξ゚听)ξ「良かったわ。大事にならなくて」
('、`*川「本当に……」
ξ゚听)ξ「でも、キューちゃん。泣かないのね」
('、`*川「……そういえば」
ξ゚听)ξ「キューちゃん……、いたくなかったの?」
o川*^ー^)o、「いたかった」テレッ
- 178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 21:00:09.94 ID:kuBUbP6/0
- ('、`*川「へいきなの……?」
o川*^ー^)o「へいきじゃないかな……」
('ー`*川「そっか……、つよいんだね……」
o川*^ー^)o「お父さんが泣いちゃいけないって」
('、`*川「えっ……?」
ξ゚听)ξ「キューちゃん……」
o川*^ー^)o「泣くと、たたかれるから」
('、`*川
('、`*川「……いたかったり、いやなことがあったら、がまんしないで泣いていいんだよ?」
o川*^ー^)o「うん。それはしってる」
ξ゚听)ξ「だったら泣いても……」
o川*^ー^)o「なんか、泣きかたわすれちゃった」
ξ゚听)ξ、「……そう」
- 181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 21:03:29.94 ID:kuBUbP6/0
- <ガチャ
('、`*川「ん? 園長先生……」
( ^ω^)「ほら、ギコくん。いわなきゃいけないこと、あるんじゃないかお?」
(,,゚Д゚)「キューちゃん……」
o川*゚ー゚)o「ギコくん……」
(,,゚Д゚)「その、あの……」
(,,゚Д゚)
(,,-Д-)、「ごめんなさい」
o川*^ー^)o ニコッ
o川*^ー^)o「いいよ」
(,,-Д-)「もうしません ごるぁ」
( ^ω^)「おっおっ! よくいえたお、ギコくん」
('ー`*川「……ほら。そしたらなかよくあそんでらっしゃい」
o川*^ー^)o「はーい」
……
- 184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 21:05:36.03 ID:kuBUbP6/0
- ……
('、`*川「キューちゃん……、明るいから大丈夫だと思ったけど」
ξ゚听)ξ「少し、ケアが必要みたいね」
( ^ω^)「何かあったのかお?」
('、`*川「……泣かないんですよ、あの子」
( ^ω^)「泣かない?」
('、`*川「頭ぶつけて、血まで出てたのに泣かないんです」
ξ゚听)ξ「ただ単に強い子かと思ったんだけど……」
( ^ω^)「違うのかお?」
ξ゚听)ξ「ええ。多分」
( ^ω^)「おっ?」
('、`*川「父親に泣いてはいけないと言いつけられてたそうです」
( ^ω^)「あー……なるほどお」
- 186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 21:09:01.31 ID:kuBUbP6/0
- ('、`*川「やっぱり頭の芯まで教育されてしまってるのかも……」
( ^ω^)「うーん……」
ξ゚听)ξ「何度もぶたれてそう言われ続けたのなら、すぐには変わらないかもね……」
( ^ω^)「……この先、辛いのを堪えっぱなしになるなら、どうにかしてあげたいけど」
('、`*川「そうですね……」
( ^ω^)「あっ……」
('、`*川「どうしました?」
( ^ω^)「キューちゃんが『お姉ちゃん』って呼んでた人……」
('、`*川「ああ……。あの女の人」
( ^ω^)「何者なのかお……」
ξ゚听)ξ「その話……、私も気になります……」
('、`*川「どうなんでしょう……。キューちゃんは知らないって言ってましたけど……」
( ^ω^)「知らない訳がないおね……」
- 190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 21:11:30.49 ID:kuBUbP6/0
- ('、`*川「あの子がもう少し此処に慣れたら、もう一回聞いてみましょうよ」
( ^ω^)「うんお……」
('、`*川「お姉ちゃんって慕ってる人が近くに居るなら、少しはあの子の支えになるだろうし……」
( ^ω^)「でも、あの女の人……、キューちゃんを厄介がってたと言うか……」
('、`*川「そこも少し気になりますね……」
( ^ω^)「そう見えただけかも知れないお……」
('、`*川「……次、来たら聞いてみましょう」
ξ゚听)ξ「大丈夫なの? ペニちゃん」
('、`*川「え?」
ξ゚听)ξ「怖い人なんでしょ、あの女の人」
('、`;川「ま、まあ……。怖いよね……」
d('、`;川「でも……、勇気出します」グッ
( ^ω^)「おお……、タフだお、ペニちゃん」
- 193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 21:14:44.78 ID:kuBUbP6/0
- ξ゚听)ξ「でもさ」
( ^ω^)「お?」
ξ゚听)ξ「園長先生が聞けば良いんじゃない? ペニちゃん、女の子なんだし」
('、`*川「女の子って歳でもないけどね」
( ^ω^)「あー……別に聞いても良いんだけど……」
('、`*川「良いんだけど、何です?」
( ^ω^)「今日来たら、僕聞けないお」
ξ゚听)ξ「へ?」
(;^ω^)「これから、渋沢会にちょっと顔出さなくちゃいけなくて……」
('、`;川「あら」
ξ;゚听)ξ「そう言う事はもっと早く言ってくれなくちゃ、困ります」
(;´ω`)「僕もついさっきトイレで思い出したんだお……」
ξ;゚听)ξ「じゃあ今日来たら私たちで対応しないといけない訳か……」
('、`;川「えー……ちょっと不安ね……」
- 195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 21:17:04.34 ID:kuBUbP6/0
- 【複合施設 二階 内藤愛児園】
_
( ゚∀゚)「……勝手に入ったらまた怒られそうだな」
从 ゚∀从
_
( ゚∀゚)「とは言え……、チャイムも無いし、自動ドアだし……、どうやって気づかせれば……」
从 ゚∀从
_
( ゚∀゚)「……自動ドア、開けたり閉めたり繰り返すか? ウィーンウィーンって」
从 ゚∀从「アホかよ」
_
(;゚∀゚)「そ、そんなアホか?」
从 ゚∀从「ああ」
(-、-*川「その必要はありませんよ」
_
(;゚∀゚)そ「ほあっ!」ビクッ
('、`*川「興信所の方々ですか?」
_
(;゚∀゚)「はい、そうです……」
- 198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 21:20:24.15 ID:kuBUbP6/0
- ('、`*川「今日もキューちゃんの親の事で……?」
_
( ゚∀゚)「まあ、そんなとこですわ」
('、`*川「そうですか……。では、こんな所で立ち話もあれなんで、入ってください」
_
( ゚∀゚)「良いんですか?」
('、`*川「ええ」
_
( ゚∀゚)「ではでは、お言葉に甘えて……」
从 ゚∀从
_
( ゚∀゚)
_
( ゚∀゚)「おい、どうしたハイン。来いよ」
从 ゚∀从「あ、ああ……」
_
( ゚∀゚)「変なヤツ……」
从 ゚∀从「うるせぇな……」
- 200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 21:23:11.77 ID:kuBUbP6/0
- 【内藤愛児園 職員室】
_
( ゚∀゚)「あー、すみませんねー。お茶まで用意して頂いて……」
('、`*川「いえ、粗茶ですので……」
_
( ^∀^)つ日「人に入れてもらうお茶に粗茶なんて存在しないですよ。ははは」
_
( ゚∀゚)日 ズズッ
_
(*゚∀゚)「うん、美味い」
从 -∀从日 ズズッ
('、`*川「それで……、今日の話と言うのは……?」
_
( ゚∀゚)「ああ。今日はですね、キューちゃんにお話を伺おうかと思いまして」
('、`*川「……まさか親の話を、ですか?」
_
( ゚∀゚)「デリケートな話題かとは思いますが……」
('、`*川「園長から聞いてませんかね?」
_
( ゚∀゚)「へ?」
- 201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 21:26:14.90 ID:kuBUbP6/0
- ('、`*川「キューちゃん、虐待されてたんです」
_
( ゚∀゚)「ああ……、そう言えば此処には虐待されたり捨てられた子しか居ない、と」
('、`*川「そうです。キューちゃんも例外ではありません」
从 -∀从つ日
从 -∀从日 ズズッ
_
( ゚∀゚)「そうですか……、となると、彼女は親の話をしたがらない訳で?」
('、`*川「いえ、私共も気を使ってその話題を出さない様にしてるので……」
【o川*^ー^)o「お父さんが泣いちゃいけないって」】
【o川*^ー^)o「泣くと、たたかれるから」】
('、`*川「……ただ、キューちゃんの口からは話す事がありますが」
_
( ゚∀゚)φ「……虐待されてたのに?」メモメモ
('、`*川「ええ……」
- 203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 21:29:54.72 ID:kuBUbP6/0
- _
( ゚∀゚)「ほう……、どういった……」
('、`*川「親からの虐待がトラウマ化してないケース……と言いますか……」
_
( ゚∀゚)φ「……それは、何故?」メモメモ
('、`*川「さあ。子供によります。子供が親の事を本当に好きなままか……」
('、`*川「……もう、心配する必要が無いか」
从 -∀从 ピクッ
_
( ゚∀゚)φ「もう心配する必要が無い?」メモメモ
('、`*川「ええ。勝手に子供の中で、解決してしまうんです」
_
( ゚∀゚)φ「解決、ですか」メモメモ
('、`*川「そりゃ、多少はトラウマとして残ってるとは思います。例えば……」
∩('、`*川 スッ
∩('、`*川「こんな風に、何も考えず手を上げただけで、過去に虐待された子供なんかは硬く目を瞑るんです」
∩('、`*川「大人が手を上げる……、すると自分が叩かれる。そういう方程式が自分の頭の中で完成するんですよ」
_
( ゚∀゚)φ「ほうほう」メモメモ
- 204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 21:33:46.79 ID:kuBUbP6/0
- ('、`*川「もちろん、子供は無意識です。無意識の内に防御耐性を取ります」
_
( ゚∀゚)φ「なるほど……」メモメモ
('、`*川「それはトラウマとして体に染み付いてしまってるんです。ある意味、しょうがない事と言いますか……」
_
( ゚∀゚)φ「キューちゃんにはそれが無い、と?」
('、`*川「いえ、あります」
_
(;゚∀゚)φ「あるんか」
('、`*川「私が物を片付ける時、何の気無しにペン立てを上げたんです。そしたら、顔を手で覆い隠しました」
('、`*川「そういった体に染み付いてしまった防御意識は、暴力を振るう人がいなくなっても中々消えません」
_
( ゚∀゚)φ「……つまり、虐待されていた子供特有の行動はする、と?」メモメモ
('、`*川「そうです。ただ、キューちゃんが他の子と違う所は……」
_
( ゚∀゚)φ「違う所は?」
('、`*川「自分に攻撃していた人間の事を、自ら話すと言う事です」
_
( ゚∀゚)φ「それは、珍しいんですかね?」メモメモ
('、`*川「少なくとも私は、子供でそういう子を見た事がありませんね」
_
( ゚∀゚)φ「子供で……?」
- 205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 21:36:29.12 ID:kuBUbP6/0
- ('、`*川「ええ。ある程度、心が成長して来ると目を覆いたくなる様な事も話せるようになります。まぁ人それぞれではありますが」
('、`*川「ただ子供で、しかも、こうも笑顔で話すのは……」
_
( ゚∀゚)φ「あまり、例がないと……」
('、`*川「そうですね……」
_
( ゚∀゚)φ「ふぅーん……」メモメモ
_
( ゚∀゚)φ「……なーんと無く、分かりました」
('、`*川「はい?」
_
( ゚∀゚)φ「要するに、キューちゃんは暴力にはビビるけど、親にはビビって無ぇんだ」
('、`*川「多分、そうです」
_
( ゚∀゚)φ「……どう思います、先生」
('、`*川「え?」
_
( ゚∀゚)φ「だって、キューちゃんの親。行方不明なんでしょ? まだ帰って来る可能性があるわけでしょ?」
('、`*川「はあ……」
_
( ゚∀゚)φ「なのに、何でキューちゃんは安心しきっちゃってるの? まるでもう親からは暴力を振るわれないって確信してるみたいっすよねー……」
从 -∀从 ピクッ
- 208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 21:38:34.99 ID:kuBUbP6/0
- ('、`*川「確かに……」
_
( ゚∀゚)「例えば。……もう居ないとか」
从 -∀从つ日
从 -∀从日 ズズッ
('、`*川「……もう居ない?」
_
( ゚∀゚)「ええ。キューちゃんは知ってるんですよ。自分に危害を加える人間がもう居ない事を」
('、`*川「要するに、もう死んでいると?」
_
( ゚∀゚)「悪魔で可能性の話です。適当に聞き流して下さいな」
('、`*川「はぁ……」
_
( ゚∀゚)「……ふぅむ。今日は面白い話が聞けたな。……どうも、彼の行方を追うより、その周りを調べて行った方が良さそうだ」
('、`*川「……あと、気になる件としては」
_
( ゚∀゚)「おお。何でもどうぞ。少しでも気になることを教えていただけると助かりますわ」
('、`*川「キューちゃんが全く泣かないと言う事でしょうか」
_
( ゚∀゚)「……泣かない?」
- 210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 21:41:10.78 ID:kuBUbP6/0
- ('、`*川「何でも、父親に『泣いてはいけない』と言われたそうで」
_
( ゚∀゚)φ「泣いてはいけない……、か……」メモメモ
('、`*川「ええ。ただそれだけなんですけど……」
_
( ゚∀゚)φ「ちなみにキューちゃんは、父親からも母親からも虐待を受けていたんですか?」
('、`*川「……さぁ。それは分かりません」
_
( ゚∀゚)φ「そうですか……」
_
( -∀゚)「ふぅむ……」
_
( ゚∀゚)「……どう思うよ、ハイン」
从 -∀从「さあな」
('、`*川
('、`*川「あの、ハインさん……」
从 ゚∀从「……あ?」
- 212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 21:44:13.74 ID:kuBUbP6/0
- ('、`*川「キューちゃんがアンタの事を『お姉ちゃん』と呼んでいる件についてお聞きしたいんですが……」
从 ゚∀从「知らねぇよ」
('、`;川「……でも、明らかに知り合いの様な」
从 ゚∀从「知らねぇって」
('、`;川
('、`;川「その……。もし、キューちゃんの知り合いだったら、あの子の支えになっては頂けないでしょうか?」
从 ゚∀从「は?」
('、`;川「キューちゃんは、ああやって笑顔を振り撒いてますけど……、馴れない環境で子供なりに頑張ってると思うんです……」
从 ゚∀从「何が言いてぇんだ?」
_
(;゚∀゚)
_
(;゚∀゚)(おい。空気が悪いぞ。おい)
('、`;川「ですから、あの子の知り合いなら……。たまに顔を見せたり、話しかけたり……」
从#゚∀从「誰があんなガキに会いに来るかよ……ッ」
('、`;川そ ビクッ
- 214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 21:46:18.79 ID:kuBUbP6/0
- ('、`;川「……そ、そんな言い方」
从#゚∀从「んだと……?」
_
(;゚∀゚)「だー!! わー!! ストップ!! ストーーップ!!」
从#゚∀从
_
(;゚∀゚)「ちょっと頭冷やせ、ハイン。なんだよ、突っかかっちゃって……」
从#-∀从
从#-∀从「……チッ」
_
(;-∀-)「ふぅ……。すみませんね、先生」
('、`;川「い、いえ……」
_
(;゚∀゚)「あのー……、先生、もう一つだけ良いですか……?」
('、`;川「は、はい……?」
_
(;゚∀゚)「このタイミングで言うのも変なんですけど……、ちょーっとだけ、キューちゃんに会わせて貰えません?」
('、`;川
('、`;川「しかし……」
- 216 名前:>>213 まじかサンクス 投稿日:2012/02/03(金) 21:48:38.80 ID:kuBUbP6/0
- _
(;゚∀゚)「ね、ちょっとだけで良いです。キューちゃんが嫌がったらすぐに帰りますから」
('、`;川「……うーん」
_
(;゚∀゚)σ「それと……、キューちゃん、コイツの顔見れば何か話してくれたりしないかなーなんて……」
从#゚∀从「はぁ?!」
_
(;゚∀゚)[口裏合わせろ。 少しぐらい俺に協力してくれよー]ヒソヒソ
从#-∀从
从#-∀从
_
(;゚∀゚)「ハインちゃん?」
从#-∀从
_
(;-∀-)(まっ……、良いか)
_
(;゚∀゚)「っつー訳で、大人しくなったんで……、良いですかね?」
('、`;川
_
(;゚∀゚)「ね? 頼みます」
('、`;川
(-、-;川「……うーん」
- 219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 21:50:22.38 ID:kuBUbP6/0
- 【数分後 内藤愛児園 職員室】
从 -∀从
('、`*川
_
( ゚∀゚)「ごめんなー、キューちゃん。急に呼び出しちゃって」
o川*゚ー゚)o「いいよ」
_
( ゚∀゚)「俺、長岡。えーっと、探偵さんってやつだ。かっこいいだろ?」
o川*^ー^)o「かっこいいね」
_
( ゚∀゚)「へへっ。よろしくな」
o川*^ー^)o「うん。よろしく」
_
( ゚∀゚)「で……、俺さ。何個かキューちゃんに聞きたい事があって……。少し、良いかな?」
o川*゚ー゚)o「だいじょうぶだよ」
_
( ゚∀゚)「良かった……。まず始めに……、キューちゃんのお父さんは、どこに行ったか知ってる?」
o川*゚ー゚)o「知らない」
从 -∀从
- 220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 21:52:24.06 ID:kuBUbP6/0
- _
( ゚∀゚)「そっか……。じゃあ、お母さんは……?」
o川*゚ー゚)o「知らない」
_
( -∀゚)「そう……。ちなみに、なんだけど」
o川*゚ー゚)o「うん?」
_
( ゚∀゚)「お父さんとお母さん、どっちが好き?」
o川*゚ー゚)o「お母さん」
_
( ゚∀゚)「それは、どうして?」
o川*゚ー゚)o「お母さんはたたかないからかな」
_
( ゚∀゚)「……お父さんだけは叩くんだ」
o川*゚ー゚)o「うん。お父さんはお母さんもたたくよ」
('、`*川「……そうなの」
_
( ゚∀゚)「いやぁ、それは知らなかったなぁ……」
o川*゚ー゚)o「だって、言ってなかったもん」
_
( ^∀^)「そうだな。ごめんごめん」
- 221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 21:54:23.61 ID:kuBUbP6/0
- _
( ゚∀゚)「じゃあ……、次の質問。良いかい?」
o川*゚ー゚)o「うん」
_
( ゚∀゚)「そんなお母さんはさ……。キューちゃんにとって、どんな人だったのかな?」
o川*゚ー゚)o「どんな人……、うーん……」
o川*゚ー゚)o
o川*゚ー゚)o「やさしかったよ」
_
( ゚∀゚)「優しかった……、か」
o川*゚ー゚)o「お父さんからまもってくれたり、泣いていいって言ってくれたりした」
('、`*川(……泣いて良い、か)
_
( ゚∀゚)「そっか……。じゃあ、そんなお母さんがいなくなって少し寂しいね」
o川*゚ー゚)o「んーと、あんまり」
('、`*川「え?」
_
( ゚∀゚)「寂しくないの……?」
o川*゚ー゚)o「うん」
- 225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 21:56:23.88 ID:kuBUbP6/0
- _
( ゚∀゚)「それは……、どうして?」
o川*゚ー゚)o「えーっとね……」
o川*゚ー゚)o
o川*゚ー゚)o「……お母さんはお父さんが好きだから」
_
( ゚∀゚)「好き……」
o川*゚ー゚)o「だって、お父さんとけっこんしたもん」
_
( ゚∀゚)「そっか。じゃあ、お母さんもあんまり好きじゃなかったんだ……」
o川*゚ー゚)o「うん。でも、やさしいところはすき」
_
( ゚∀゚)「優しい所……、守ってくれたり、泣いて良いよって声を掛けたり……、って事かな?」
o川*゚ー゚)o「そうだよ」
_
( ゚∀゚)「なるほど……。つまり、お母さんは好きだけど、その存在は好きじゃないって訳ね……」
o川*゚ー゚)o「?」
_
( ゚∀゚)(ぶっちゃけ、俺も分かんねぇ。でも、正直に答えてる感じはするんだよなぁ……)
_
( ゚∀゚)(……子供の思考回路ってどうなってんだ?)
- 227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 21:58:12.30 ID:kuBUbP6/0
- ('、`*川(……心を塞いでしまってるのかしら。それとも、ちゃんと人を好きになる事が出来なくなっちゃったの?)
('、`*川(でもこんなの絶対、健全な子供の思考じゃない……)
从 -∀从(……。)
_
( ゚∀゚)「……ありがとう、キューちゃん」
o川*゚ー゚)o「もうおしまい?」
_
( ゚∀゚)「ああ。おしまいだ」
o川*^ー^)o「そっか」
('、`*川
('、`*川「キューちゃん」
o川*゚ー゚)o「うん?」
('、`*川「一つ、良いかしら」
o川*゚ー゚)o「良いよ」
- 228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 21:59:31.01 ID:kuBUbP6/0
- ('、`*川「キューちゃん、このお姉さんの事知ってるの?」
从 ゚∀从「……あ?」
o川*゚ー゚)o
o川*゚ー゚)o「知らない」
('、`*川「……本当に?」
o川*゚ー゚)o「うん、知らない」
从 ゚∀从
从 -∀从
('、`*川「じゃあ、何で『お姉ちゃん』って呼んだの?」
o川*゚ー゚)o「……間違えたから」
('、`*川「間違えた?」
o川*゚ー゚)o「うん」
('、`*川「それって、何と間違……」
从 ゚∀从「おい」
('、`*川「え?」
- 230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 22:01:23.91 ID:kuBUbP6/0
- 从 ゚∀从「このガキも知らねぇって言ってるじゃねぇかよ」
('、`*川「……ガキ何て言い方。アナタ、子供の前くらい口に気をつけたらどうです?」
从 ゚∀从「……あ?」
('、`*川「だから、子供の前では言葉に気をつけろって言ってるんです」
从 ゚∀从「んだよ……説教か?」
('、`*川「……常識の話をしているんです」
_
(;゚∀゚)(出たー。またこの空気。出たー、出たー)
从 ゚∀从「っるせぇアマだな……」
('、`*川「ちょっと……、私は真剣に……」
从 ゚∀从 ガタッ
从 ゚∀从「俺、帰るわ」
_
(;゚∀゚)「へ?」
- 231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 22:03:25.74 ID:kuBUbP6/0
- 从 ゚∀从 スタスタ
_
(;゚∀゚)「お、おい……、ハイン……」
_
(;゚∀゚)
<バタンッ
_
(;゚∀゚)「……またかよ」
('、`*川「……あの人、本当にキューちゃんの事知らないんですか?」
_
(;゚∀゚)「え、ええ。本人は知らない、と言っております……」
('、`*川「まさか、信じて……?」
_
(;-∀゚)「い、いやー。これでも、信じようとしてるんですけど……」
('、`*川「……何故信じようと?」
_
(;゚∀゚)「……アイツ、根は良いヤツなんで」
('、`*川「はい?」
_
(;゚∀゚)「いや……、何でも無いっす……」
(-、-*川「全く……、頼みますよ……」
_
(;-∀-)「トホホ……」
- 233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 22:05:34.39 ID:kuBUbP6/0
- ('、`*川
_
(;-∀-)∩「じゃ、じゃあ俺もそろそろ失礼します……。お茶美味しかったです……」
('、`*川
('、`*川「キューちゃん」
_
( ゚∀゚)「へ?」
('、`;川「キューちゃんが居ない」
_
( ゚∀゚)「おろ……、そういや……」
('、`;川「教室に帰ったのかしら……」
_
( ゚∀゚)「どうでしょう……」
('、`;川「私、少し教室見てきます」
_
( ゚∀゚)「いなかったら俺も探しましょうか……?」
('、`;川「お願いします……」
_
( ^∀^)「ええ。お安い御用ですよ」
_
( ^∀^)
_
(;^∀^)(二回目になっちゃうけど……、トホホ……)
- 235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 22:07:10.82 ID:kuBUbP6/0
- 【美府ニュータウン 夕暮れの霊園にて】
从 ゚∀从 スタスタ
o川*゚ー゚)o テクトコ
从 -∀从 スタスタ
o川*゚ー゚)o テクトコ
从 -∀从 ピタッ
o川*゚ー゚)o ピタッ
从 -∀从
o川*゚ー゚)o
从 -∀从
从 ゚∀从 スタスタ
o川*゚ー゚)o テクトコ
从 ゚∀从 ピタッ
从 ゚∀从「……おい。ガキ」
- 236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 22:09:38.19 ID:kuBUbP6/0
- o川*゚ー゚)o
从 ゚∀从「何で着いて来るんだよ」
o川*゚ー゚)o「……お姉ちゃん」
从 ゚∀从「消えろ。顔も見たくねぇ」
o川*゚ -゚)o、「でも……、お姉ちゃんとおはなししたくて……」
从 ゚∀从「あ?」
o川*゚ -゚)o
从 ゚∀从「お話だあ? ふざけんな……」
o川*゚ -゚)o
从 ゚∀从「てめぇがアイツの子供ってだけでムシャクシャしてくるのに……」
从 ゚∀从
从 -∀从「……ふざけるなよ」
o川*゚ -゚)o
从 -∀从「てめぇの親父の所為で俺がどれだけ苦しんだと思ってんだ……」
从 -∀从「てめぇの親父の所為で俺が……、俺がどれだけ涙を流したと思ってんだ……」
- 239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 22:11:41.31 ID:kuBUbP6/0
- o川*゚ -゚)o
从 -∀从「お前に……、俺の気持ちが分かるか……? あ?」
o川*゚ -゚)o
从 ゚∀从「父さんの居た日々が脳裏に焼きついて……、それでも必死に忘れようとして……」
从 ゚∀从「やっぱり、忘れられなくて……、父さんが死んだ悲しさが自分の中で憎しみに変わるのが分かって……」
从 ∀从「そんな自分が嫌で……、馬鹿みたいに泣いて……。自分が嫌になる俺が許せなくて……」
从 ∀从
从 ∀从「お前に分かる訳、ねぇだろ……」
o川*゚ -゚)o「ごめんなさい……」
从 ∀从
从 ∀从「……消えろ」
o川*゚ -゚)o
从 ∀从「早く消えろよ」
o川*゚ -゚)o
- 242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 22:14:04.26 ID:kuBUbP6/0
- 从 ∀从「それとも……同情か?」
o川*゚ -゚)o
从 ∀从「俺を知らねぇって嘘ついて……、俺を助けたつもりなのか……?」
从 ゚∀从「あ? 言ってみろよ、ガキが」
o川*゚ -゚)o「……お姉ちゃんにたすけてもらったから」
从 ゚∀从「やめろ」
o川*゚ -゚)o
从 ゚∀从「やめろよ」
o川*゚ -゚)o
从 ゚∀从「俺はてめぇの親、ぶっ殺してんだぞ?」
从 ゚∀从「確かに、てめぇにとって父親は邪魔だったかも知れねぇ……。けどよ……」
从 ゚∀从「……俺は母親も殺したんだぞ? 母親はてめぇの味方だった。さっきてめぇはそう言ってただろうが」
o川*゚ -゚)o
从 ゚∀从「あ? 何とか言えよ」
- 245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 22:16:14.81 ID:kuBUbP6/0
- o川*゚ -゚)o
从 ゚∀从「おい……。黙ってちゃ分かんねーだろうが」
o川*゚ -゚)o
从 ゚∀从「おい」
o川*゚ -゚)o
从#゚∀从「お゛い゛ッ!!」
o川*゚ -゚)oそ ピクッ
从# ∀从
从# ∀从「……辛ぇんだよ。お前を見てるのが」
从 ∀从「ムカつくし、辛ぇんだよ。……糞ッ。んだよ、これ」
o川*゚ -゚)o「……でも」
从 ∀从「あ……?」
o川*゚ -゚)o「お姉ちゃんは……、好きだから……」
o川*゚ -゚)o「……さようなら」タッタッタ!
从 ∀从
- 249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 22:18:26.14 ID:kuBUbP6/0
- 【日は暮れて、ハインは墓石の前に座る】
从 ゚∀从「なあ、父さん」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「俺さ、後悔してんのかな」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「アイツ殺した事……、後悔してんのかな」
从 ゚∀从「分かんねーよ、俺……。でも、ずっともやもやしてて……」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「あのガキ見てたらさ……、なんか……」
从 -∀从「……どうなんだろ」
从 -∀从
从 -∀从「俺さ。やっぱり……、あのガキに俺と同じ思いをさせたのかな……」
- 253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 22:20:22.19 ID:kuBUbP6/0
- 从 -∀从「そりゃ確かに……、あいつは少し可笑しいよ」
从 -∀从「自分に優しくしてくれた母親が死んだ事を、別に何とも思って無ぇ」
从 -∀从「俺からしてみたら……、イカレてるよ……」
从 -∀从
从 -∀从「それでも……、俺はあのガキの母親をぶっ殺したってのは……事実で……」
从 ゚∀从「それって……。俺もアイツと同じなんじゃないかって……」
从 ゚∀从
从 ゚∀从
从 ゚∀从「ははっ……。俺も何が言いてぇか分かんねぇや……」
从 ゚∀从
从 ゚∀从
从 ゚∀从「……分かんないよ」
- 256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 22:22:31.13 ID:kuBUbP6/0
- 【内藤愛児園 職員室】
(-、-*川「……疲れた」
ξ゚ー゚)ξ、「お疲れ様ペニちゃん……。はい、お茶」コトン
(-、-*川「ありがと」
( ^ω^)「それにしても良かったお。キューちゃんが帰って来て」
(-、-*川「ええ……、ホントに。あっけない位にひょっこり帰って来ちゃって」
ξ゚听)ξ「結局、どこに行ってたの?」
('、`*川「分からないわ。何にも教えてくれないのよ」
ξ゚听)ξ「……そっか」
( ^ω^)「いやあ、僕の居ない間に色んな事があったんだおね……」
('、`*川「何ですか他人事みたいに」
(;^ω^)「あうあう……。ゴメンお」
- 257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 22:24:56.00 ID:kuBUbP6/0
- ξ゚听)ξ「それで……分かったの?」
('、`*川「え?」
ξ゚听)ξ「キューちゃんがお姉ちゃんって呼ぶ、あの人の事よ」
('、`*川「駄目。教えてくれないわ」
ξ゚听)ξ「そう……」
('、`*川「……あっ」
ξ゚听)ξ「何?」
('、`*川「もしかしたらさ……」
ξ゚听)ξ「うん」
('、`*川「キューちゃん、ハインさんに会いに行ってたのかも」
( ^ω^)「一人でかお?」
('、`*川「何だかんだ言いつつ、7歳ですよ。それに、あの子は結構しっかりしてる」
ξ゚听)ξ「そうね……。キューちゃんなら別に可笑しくないか……」
('、`*川「此処じゃ一番年上だもんね……」
- 259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 22:27:23.22 ID:kuBUbP6/0
- ( ^ω^)「ああ……そうそう……。ちょっとだけ話変わるけど……」
('、`*川「はい?」
( ^ω^)「もう少し落ち着いたら、キューちゃんを学校に通わせなくちゃいけないお」
('、`*川「あー……、そうですね……」
ξ゚听)ξ「でも何だか、しばらくは落ち着かなさそう……」
( ´ω`)「んー……、それを言われると……」
('、`*川「落ち着かない、か……」
('、`*川
('、`*川「……あと、これは興信所のお兄さんが言ってたんですけど」
( ´ω`)「どうしたお?」
('、`*川「もしかしたら……、親はもう死んでるんじゃ無いかって……」
ξ;゚听)ξ「え?」
('、`*川「……きっとその辺は、興信所の方が解決してくれると思う」
(;´ω`)「なーんだか大変な事になってきたお……」
(-、-*川「本当に」
- 261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 22:30:42.73 ID:kuBUbP6/0
- 【翌日 荒巻興信所 依頼者と興信所員の会話】
(;><)
_
( ゚∀゚)
/ ,' 3
(;><)
/ ,' 3「どーも、最近耳が遠くてのう……。もう一度言っていただけませんかい」
(;><)「ですから……、僕が親族なんて嘘だったんです……」
_
( ゚∀゚)
_
( -∀-)「オーケー、オーケー。悪い冗談だ……。そうだろう?」
(;><)「い、いや……。冗談じゃなくて……。すみません」
_
(;゚∀゚)「待て。マテマテマテマテ……。えーっと……、アナタ、本当に布木の親族でも何でも無いの?」
(;><)「はい……。ただの知り合いです……」
- 263 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 22:32:58.56 ID:kuBUbP6/0
- _
(;゚∀゚)「おいおい……。ちょっと待てよー……」
(;><)「はい?」
_
(;゚∀゚)「じゃあ……、アンタ、何で布木を探すように依頼したわけ?」
(;><)「その……、布木が多額の借金を抱えてた事って……、知ってます……?」
_
(;゚∀゚)「あ、ああ。馬鹿みたいに借金が膨れ上がってるのはこっちで調べたぜ」
(;><)「えーっと……」
(;><)
(;><)「それが……、恥かしい話……」
/ ,' 3「恥かしい話……?」
(;><)「僕……、布木の連帯保証人になっちゃって……」
_
(;-∀-)「えー……、つまり、こう言う事か」
_
(lil>∀<)「布木が消えちゃったんです! このままだと、僕が多額の借金を背負う事になるんです!」サー…
_
(。>∀<)「やばいんです! でも、借金があると警察は協力してくれないらしいんです!」ポロポロ
_
(*>∀<)「だから、興信所に依頼するんです!」パァァ!
- 267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 22:35:38.34 ID:kuBUbP6/0
- _
(*>∀<)
(;><)
_
( ゚∀゚)「って訳だろ?」
(;><)「はい」
_
( ゚∀゚)「消えた男! そして、その妻! 何故か警察に協力を要請しない依頼者! まさしく、謎が謎を呼ぶ失踪!!」
(;><)そ ビクッ
_
( ゚∀゚)「……その謎の一部がこーんな情けない事だったとはなぁ」
(;><)「す、すみません……」
/ ,' 3「で……、何で嘘を吐こうと思ったんじゃ?」
(;><)「だ、だって……」
/ ,' 3「だって?」
(;><)「こんな理由だから……、断られたらどうしようかと……」
_
( ∩∀-)「……っかー! だっせーな、お前!」ペシッ
(;><)「うぅ……」
- 269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 22:37:44.42 ID:kuBUbP6/0
- / ,' 3「そもそもな」
(;><)「はい?」
/ ,' 3「信用出来る奴だったんか? 布木は」
(;><)「い、いや……、乱暴で……、信用出来るってタイプじゃ……」
/ ,' 3「なのに、なーんで連帯保証人なんかになってしまったんじゃい」
(;><)「怖くて……、断れなくて……」
/ ,' 3「情けないのぅ……、最近の若いのは……」
(;><)、「はい……」シュン
/ ,' 3「ワシが若い頃なんかはなぁ……、こんな事で……」クドクド
_
(;゚∀゚)(あーあ。始まっちゃった……)
_
(;゚∀゚))))「……じゃ、俺。席外すわ」ソローソロー
/ ,' 3「集団就職でやって来た青臭い小僧っ子だって……、その位の事は……」クドクド
(;><)「は、はぁ……」
……
- 270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 22:40:14.26 ID:kuBUbP6/0
- 【荒巻興信所のあるビル 屋上】
从 ゚∀从y-~~ プカプカ
从 ゚∀从y-~~
_
( ゚∀゚)つ从 -∀从y-~~ コツンッ
从 -∀从y-~~「……いっ」
_
( ゚∀゚)「よっ!」
从 -∀从y-~~
_
( ゚∀゚)「いやぁ、ジジイの話が長引きそうだったからさ、抜けて来ちった」
_
( ^∀^)「ジジイ、急に説教臭くなる時があるからさ。エロい癖に、ああ言う所はジジ臭いって言うか……」
从 -∀从y-~~
_
( ゚∀゚)
从 -∀从y-~~
_
( ゚∀゚)「どした?」
从 -∀从y-~~
- 274 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 22:42:05.17 ID:kuBUbP6/0
- _
( ゚∀゚)「機嫌悪ぃの?」
从 -∀从y-~「ほっとけ」
_
( ゚∀゚)「生理?」
从 ゚∀从y-~~「あ?」ギロッ
_
(;゚∀゚)「わ、悪かったよ……」
从 ゚∀从y-~~「……少し考え事してただけだよ」
_
( ゚∀゚)「もしかして……、キューちゃんの事か?」
从 ゚∀从y-~~
从 -∀从y-~~「うるせぇな……。違ぇよ……」
_
( ゚∀゚)「そうか……」
从 -∀从y-~~
从 -∀从y-~~「お前……、深く突っ込まないんだな……」
_
( ゚∀゚)「ん? ……突っ込んで欲しいの?」
- 275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 22:44:04.95 ID:kuBUbP6/0
- 从 -∀从y-~~「……そんなんじゃねぇよ」
_
( ゚∀゚)y- スッ
_
( -∀-)y- シュボッ
_
( -∀-)y-~~~ プカプカ
_
( ゚∀゚)y-~~「あのさ……」
从 -∀从y-~~「んだよ」
_
( ゚∀゚)y-~~「疲れない?」
从 ゚∀从y-~~「は?」
_
( ゚∀゚)y-~~「本当はガラじゃねぇんだろ? こう言う態度っつーか、なんっつーか……」
从 ゚∀从y-~~「……急になんだよ」
_
( ゚∀゚)y-~~「……分かるよ。顔見りゃ」
从 ゚∀从y-~~
从 -∀从y-~~「……チッ。本当にうるせぇ野郎だな」
_
( ゚∀゚)y-~~「自慢じゃないけど、口から産まれたんでね」
- 276 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 22:46:17.03 ID:kuBUbP6/0
- 从 -∀从y-~~「つーかよ、お前、何で俺に構うんだよ。いちいち面倒臭ぇぞ」
_
( ゚∀゚)y-~~「……何か、ほっとけなくて」
从 ゚∀从y-~~「意味分かんねーよ。赤の他人だろうが」
_
(;゚∀゚)y-~~「まぁ、そうなんだけどさ。……少し似てるんだよ」
从 ゚∀从y-~~「何にだよ」
_
(;゚∀゚)y-~~「……昔の俺、って言うの? 」
从 ゚∀从y-~~「は?」
_
(;゚∀゚)y-~~「何か恥かしいな……」
从 ゚∀从y-~~「昔のお前が俺と似てるって……?」
_
(;-∀-)y-~~「ああ。だから、なんとなく……、ほっとけなくてさ」
从 ゚∀从y-~~「……何処が似てるんだよ」
_
(;゚∀゚)y-~~「えーっと……、自分を隠してる所って言うか……」
_
(;-∀-)y-~~「……本当は誰かを頼りたいのに、我慢してる所? って言うの?」
_
(;-∀-)y-~~「んと……、つまり……、自分を隠して強く見せてる。みたいな感じ?」
- 281 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 22:48:12.43 ID:kuBUbP6/0
- 从 ゚∀从y-~~「……んだよそれ。お前には俺がそう見えるってのか?」
_
(;゚∀゚)y-~~「やっぱ、違う?」
从 ゚∀从y-~~ プカプカ
_
(;゚∀゚)y-~~「おーい、おーい。ハインさーん……」
从 ゚∀从y- ジュッ
从 ゚∀从「うるせぇ」
_
(;゚∀゚)y-~~「ゴメン」
从 ゚∀从「お前に何が分かるって言うんだよ……」
_
( ゚∀゚)y-~~「……ハイン?」
从 ゚∀从
从 -∀从「悪い。……俺、戻るわ」
_
( ゚∀゚)y-~~「ちょっと待ってくれ」
从 ゚∀从「あ?」
_
( ゚∀゚)y-~~「少し、昔話しねぇか?」
- 283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 22:51:03.29 ID:kuBUbP6/0
- 从 ゚∀从「昔話?」
_
( ゚∀゚)y- ジュッ
_
( ゚∀゚)「……俺さ。両親、殺されてんだ」
从 ゚∀从
_
( ゚∀゚)「ビビった?」
从 ゚∀从「……、まあ」
_
( ゚∀゚)「いつ位だったかなあ……、確か……、俺が小3の時だ」
从 ゚∀从
_
( ゚∀゚)「俺、俗にいう鍵っ子でよ。父ちゃんも母ちゃんも、仕事してたんだ」
_
( ゚∀゚)「でさ。学校終わって、家に帰って……、親が帰って来るまでファミコンして……」
_
( ゚∀゚)「大体八時くらいかな? ……いつもなら、帰って来る時間。なのに、ちっとも帰って来ねぇ」
- 286 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 22:53:11.06 ID:kuBUbP6/0
- 从 ゚∀从
_
( ゚∀゚)「ばあちゃんに電話してよ。で、ばあちゃんに来て貰って……」
_
( ゚∀゚)「あー、そうそう。ばあちゃん、色んな所に電話してたなあ」
从 ゚∀从
_
( ゚∀゚)「でよ、後から聞いたんだけど、そん時既にばあちゃんは想像ついてたんだってよ。父ちゃんと母ちゃんがどんな状況なのかが」
从 ゚∀从「え?」
_
( ゚∀゚)「平成七年。三月二十日。覚えてねぇか?」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「……いや、分からねぇ」
_
( ゚∀゚)「ま、そうだよな」
- 290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 22:56:01.74 ID:kuBUbP6/0
- 从 ゚∀从「……その日、何かあったのか?」
_
( ゚∀゚)「地下鉄サリン事件だよ。流石にこれで分かるだろ?」
从 ゚∀从「……あ、ああ」
_
( ゚∀゚)「今考えて見ると、在り得ねぇよな……」
从 ゚∀从「在り得ない……?」
_
( ゚∀゚)「おう。だって、死者が15人。その15人に父ちゃんも母ちゃんも入ってるんだ。もはや奇跡の領域だよ」
从 ゚∀从、
_
( ゚∀゚)「あの日から、急に父ちゃんと母ちゃんが居なくなった。けど、不思議と悲しいって気持ちはあまり無かったな」
_
( ゚∀゚)「多分……、ちゃんと理解出来てなかったんだと思うわ。ガキだったし、馬鹿だったし」
_
( ゚∀゚)「でもな。めっちゃくちゃ寂しかった。もう、死んじまうくらい寂しかった」
从 -∀从
_
( ^∀^)「だせぇけどよ……、毎日泣いてたよ。はははっ」
_
( ^∀^)「んで、もっとダサいのは大学卒業する位までこの事を引きずってたって事かな」
- 291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 22:58:10.14 ID:kuBUbP6/0
- _
( ゚∀゚)「周りの奴等にツンケンツンケンしてさ。何処と無く寂しいのを隠そうとして」
_
( ゚∀゚)「それがまた、隠し切れて無いの自分で分かるんだわ。そんで、またイライラしてばっかりだ」
_
( ゚∀゚)「ったく。……だーれも俺の事なんかに興味無いのに。いやぁ、お笑いだわな」
从 -∀从
_
( ゚∀゚)「……どうだい? 俺も苦労してるだろ?」
从 -∀从「……ああ」
_
( ゚∀゚)「へへっ。あんまし人に話した事無いんだぜ、これ」
从 ゚∀从「えっ?」
_
( ^∀^)「ナイショな」
从 ゚∀从
从 ゚∀从、 シュン
_
( ^∀^)、「もう、父ちゃん母ちゃんの亡霊からは逃げられたんだけどよ……。ペラペラ喋られると恥かしいや」
从 ゚∀从「どうやって逃げたんだよ、その亡霊から」
_
( ゚∀゚)「……さあ。俺にも分からねぇ。時間が解決したのかも知れねぇな……」
- 294 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 23:01:37.53 ID:kuBUbP6/0
- _
( ゚∀゚)「……でもよ。やっぱり時間だけでは解決してくれないものが一つだけあるんだ」
从 ゚∀从「解決してくれないもの……?」
_
( ゚∀゚)「恨みだよ」
从 ゚∀从
_
( ゚∀゚)「やっぱさ、憎いんだよな」
_
( ゚∀゚)「悲しみとかって時間が解決して行くもんだと思うんだけど、恨みってのはそうはいかねぇ」
_
( ゚∀゚)「だから……俺は今でも恨み続けてるよ」
从 ゚∀从「その……、犯人をか?」
_
( ゚∀゚)「ああ」
_
( ゚∀゚)
_
( ゚∀゚)「……それだけじゃない。俺は、人を殺す奴も軽蔑する」
从 ∀从 「……っ」 トクンッ
_
( ゚∀゚)「ああ言う奴等は分かって無ぇのさ。大切な人を失う悲しみや寂しさを」
_
( ゚∀゚)「……そんな事も分からない奴は、どうかと思うよ」
- 297 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 23:03:38.14 ID:kuBUbP6/0
- 从 ∀从
_
( ゚∀゚)「そう思わねぇか?」
从 ∀从 「ああ。そう思う」
_
( ゚∀゚)「だよなー……」
从 ∀从
_
(;゚∀゚)「あ、なんか辛気臭くなっちまったな……、ゴメン」
从 ∀从「いや。……じゃあ俺戻るわ」
从 ∀从 スタスタ
_
( ゚∀゚)「あー……、ハイン」
从 ∀从「あ?」
_
( ゚∀゚)「今日は書類の処理とかやっといてくれ。膨大な量だから、一日で終わらそうとか思うなよ」
从 ∀从「分かった」
从 ∀从 スタスタ
_
( ゚∀゚)「……ハイン?」ボソッ
- 299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 23:06:13.87 ID:kuBUbP6/0
- 【美府ニュータウン 夕暮れの霊園 女性は墓石を磨く】
从 ゚∀从つ□ キュッキュッ
从 ゚∀从つ□「少し、汚くなっちまったな……」キュッキュッ
从 ゚∀从つ□「ごめんなー、気がつかなくてさ……」キュッキュッ
从 ゚∀从つ□ ピタッ
从 ゚∀从
从 ゚∀从「あのさ……、今日言われちったよ」
从 ゚∀从「人を殺す奴は、大切な人を失う悲しみも分からないって」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「俺も、そう思う。人間の屑だと思う」
从 ゚∀从「父さんも、そう思うだろ?」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「なあ……、そう思うだろ?」
- 304 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 23:08:27.55 ID:kuBUbP6/0
- 从 ゚∀从 ハッ
从 ゚∀从「……ゴメンな、少し落ち込んだだけだよ」
从 ゚∀从つ□ キュッキュッ
从 ゚∀从つ□「大丈夫。心配しないで」キュッキュッ
从 ゚∀从つ□ キュッキュッ
<ガサッ
从 ゚∀从つ□ ピタッ
从 ゚∀从「……あ? 猫か?」
o川*゚ー゚)o
从 ゚∀从
o川*゚ー゚)o「お姉ちゃん……」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「……何の用だ、ガキ」
- 306 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 23:10:18.69 ID:kuBUbP6/0
- o川*゚ー゚)o「……べつに、用ない」
从 ゚∀从「は?」
o川*゚ー゚)o
从 ゚∀从「用も無ぇのに、こんな所に来たのか?」
o川*゚ー゚)o
从 ゚∀从「……まさか、俺の顔を見に来たって言うんじゃねぇだろうな」
o川*゚ー゚)o
从 ゚∀从「おい。答えろよ」
o川*゚ー゚)o
从 ゚∀从「おい」
o川*゚ー゚)o「……ごめんなさい」
从 ゚∀从「……言ったよな。俺はお前の顔を見たくねぇんだ。お前が嫌いなんだ」
o川*゚ -゚)o、 シュン
从 ゚∀从「頼む。消えてくれ」
- 308 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 23:12:24.19 ID:kuBUbP6/0
- o川*゚ -゚)o「……でも」
从 ゚∀从「……何でだよ」
o川*゚ -゚)o
从 ゚∀从「お前、此処まで言われてんだぜ? 言葉の意味分かってんのか? キチガイなのか?」
o川*゚ -゚)o
从 ゚∀从「……何でだよ。何なんだよ……」
o川*゚ -゚)o
从 ゚∀从「なあ……俺、お前の親殺してんだぜ? それも、目の前でだ」
从 ゚∀从「まさか、見てなかったのか? あ?」
o川*゚ -゚)o「……見てた」
从 -∀从
从 -∀从「分かんねぇ……、お前が分かんないよ……」
o川*゚ -゚)o
从 -∀从
- 310 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 23:14:02.58 ID:kuBUbP6/0
- 从 -∀从「……なぁ、教えてくれ」
o川*゚ -゚)o
从 -∀从「何で、俺に付き纏うんだ……?」
o川*゚ -゚)o
从 -∀从「何か理由があるんだろ? そうなんだろ?」
o川*゚ -゚)o
o川*゚ -゚)o「……また、来ます」
从 ゚∀从「は?」
o川*゚ -゚)o「さようなら」タッタッタ
从 ゚∀从
从 ゚∀从「やめろよ……、もう来るんじゃねぇよ……」
从 ゚∀从「……もう、来るんじゃねぇよ」
从 ゚∀从
从 -∀从「馬鹿かよ。糞が……」
- 311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 23:16:07.29 ID:kuBUbP6/0
- 【内藤愛児園 職員室】
('、`*川「キューちゃん。ちゃんと話しなさい」
o川*゚ -゚)o
('、`*川「どこに行ってたの? こんなおそい時間まで」
o川*゚ -゚)o
ξ゚听)ξ「キューちゃん。ちゃんと話してくれないと、せんせいたち困るよ?」
('、`*川「キューちゃん。話して、ね?」
o川*゚ -゚)o「……公園」
ξ゚听)ξ「公園?」
o川*゚ -゚)o「ともだちと遊んでた」
('、`*川「……うそつかないの!」
ξ゚听)ξ「ペニちゃん……」
('、`*川「ハインさんに会いにいってたんでしょ? ちがう?」
- 316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 23:18:11.20 ID:kuBUbP6/0
- o川*゚ -゚)o
('、`*川「正直にいいなさい」
o川*゚ -゚)o
('、`*川「キューちゃん」
o川*゚ -゚)o「……知らない!」
o川*゚ -゚)o タッタッタ
<バタン
('、`*川
(-、-*川「……ったく」
ξ゚听)ξ「意外と問題児ね、キューちゃん」
('、`*川「もー……、最初は良い子だと思ったのに……」
ξ゚ー゚)ξ、「うーん、良い子って言えば良い子なんだけどねー……」
('、`*川「はぁ……。……何者なんだろう、ハインさん」
ξ゚听)ξ「やっぱり、キューちゃんの知り合いな訳?」
('、`*川「そうとしか考えられないでしょ……」
- 318 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 23:20:11.71 ID:kuBUbP6/0
- ξ゚听)ξ「そっか……」
('、`*川「……あー、無力感」
ξ゚听)ξ「え?」
('、`*川「だって、私達よりもハインさんの方が良いって事でしょ?」
ξ゚听)ξ、「……まぁ、そうよね」
('ー`*川「……情けない」ヘラッ
ξ゚听)ξ「ペニちゃん、落ち込んでるの?」
('ー`*川「まあね」
ξ゚ー゚)ξ、「元気だして」
('ー`*川「……まだまだ、あの子達の親代わりにはなれそうにも無い」
ξ゚ー゚)ξ「……そんなこと」
('ー`*川「良いのよ」
<Prrrrrrrr……
('、`*川「あら……、電話」
- 319 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 23:22:26.56 ID:kuBUbP6/0
- 】⊂('、`*川 ガチャッ
【('、`*川「はい、内藤愛児園ですが……」
_
( ゚∀゚)】『どうもどうも、僕です。荒巻興信所の長岡ですー、どうもー』
【('、`*川「あっ、どうも……。どうされましたか?」
_
( ゚∀゚)】『いやね、明後日もう一回伺っても良いかなって』
【('、`*川「ええ、構いませんが……」
_
( ゚∀゚)】『本当ですか! いやぁ、どうもどうも。助かりますー』
【('、`*川「でも、今までアポ無しで来てたのに……、なんでまた」
_
( ^∀^)】『いやぁね。今までアポ取ってなかった事、ジジイにバレまして。意外と厳しいんですわ、そう言う事に』
【('、`*川「ジジイ……?」
_
( ^∀^)】『あー、ジジイってのはウチの代表の荒巻の事で……。まぁただのエロジジイなんですけどね』
【('、`*川「は、はあ……」
_
( ゚∀゚)】『おっと、失敬。横道にそれましたな』
【('、`*川「いえ、お気になさらず」
_
( ゚∀゚)】『じゃあ、明後日伺わせて貰いますー。お願いしますー』
- 321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 23:24:53.70 ID:kuBUbP6/0
- 【('、`*川「はい、了解しましたー……、では……」
】⊂('、`*川 カチャ
ξ゚听)ξ「誰?」
('、`*川「興信所の人。明後日来るって」
ξ゚听)ξ「あら」
('、`*川「あっちもあっちで忙しいみたいね」
('、`*川
('、`*川 ボー…
ξ゚听)ξ「……ペニちゃん」
('、`*川「ん?」」
ξ゚ー゚)ξ、「お茶、入れようか?」
('ー`*川「……気、使わせちゃった?」
ξ゚ー゚)ξ「そんなんじゃ無いわ」
('ー`*川「そう……」
……
- 323 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 23:27:13.55 ID:kuBUbP6/0
- 【美府ニュータウン 夜の霊園 墓石の前に女性が座り込んでいる】
从 ゚∀从「……なあ、父さん」
从 ゚∀从「俺、最近分からなくなって来てるんだ」
从 ゚∀从
从 ゚∀从
从 ゚∀从「……一つ聞いていいかな」
从 ゚∀从「あのガキは……、何で俺に付き纏うんだろう」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「だって、可笑しくない?」
从 ゚∀从「俺、こんなに冷たいんだぜ? あんなに厳しく当たってるんだぜ?」
从 ゚∀从「……馬鹿だよ」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「大馬鹿だよ、あのガキは」
- 324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 23:29:05.19 ID:kuBUbP6/0
- ・ .,. ;:;: ,.:;,;,:,:,; ;., ;,::;
;:;;: , .,., .,. ;:;:。 ,.:;,;,:, *:,; ;.,;,::;;。,... .. ;:
;:;;: , .,., .,. ;:;: :. :. .: : -‐- :. .:.::. .:.: :. .:.: ,.:;,;,:,★:,; ;.,;,:: .,...
;:;;: , .,., *., . : ,r'´. `ヽ: .. : :. .:.::. .:. . . ;:;: ,.: ;,;
+ .: ..: :' ..:. ゙; ::: :. :. .:.:. .::;:;;: , .,., .,. ;: ; ,;,:,:,; ;.,;,::;;,... .. ;:
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- 326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 23:31:49.28 ID:kuBUbP6/0
- 从 ゚∀从
从 ゚∀从「なんか今日は月が綺麗だなー……」
从 ゚∀从「雲なんて一つも無いし……」
从 -∀从
从 -∀从「俺さ」
从 -∀从「アイツ殺せば楽になるって、思ってた。現に殺した後はすっげースッとした」
从 -∀从
从 -∀从「でも……、だんだん……、辛くなってきて……」
从 -∀从
从 ゚∀从「ははっ、何言ってるんだろうな」
从 ゚∀从「自分で決めた事なのに。これしかないと思ってやった事なのに」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「……馬鹿だよな」
从 ゚∀从「人の事、言えない位……、馬鹿だよ」
- 327 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 23:33:03.09 ID:kuBUbP6/0
- 【翌日 荒巻興信所】
▼・ェ・▼「キャンキャン!」フリフリ
_
(*゚∀゚)「おー! 何だビーグル。ご機嫌じゃねぇか!」
▼・ェ・▼「ワンワンワン!」フリフリ
_
(*゚∀゚)「何かあったのかー?」
▼・ェ・▼「ワン!」フリフリ
_
(*^∀^)「ははっ! 犬語分かんねーーー!!」
/ ,' 3「おーい、長岡君やー」
_
( ゚∀゚)「何だよ、ジジイ。俺は今忙しいんだよ!」
/ ,' 3「ビーグルと戯れてるだけじゃろ……」
_
(;゚∀゚)「……ケッ、自分は良く使う癖に!」
/ ,' 3「ワシは良いの」
_
(;-∀゚)「糞……」
- 329 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 23:35:59.89 ID:kuBUbP6/0
- / ,' 3「ほれ。分かったぞい。布木が殺した人の情報が」
_
( ゚∀゚)「おっ、マジで?」
/ ,' 3「ジジイ情報網を舐めるでない」
_
(;゚∀゚)「何だかんだ気に入ってるんじゃねぇか、ジジイ情報網」
/ ,' 3「まあの」
_
( ゚∀゚)「で、聞かせてくれよ。その情報を」
/ ,' 3「布木が殺した人物。それは高岡 悠斗。38才の会社員じゃ」
_
( ゚∀゚)「高岡……。ハインと同じ苗字か……」
/ ,' 3「ワシも気にかかって、彼の娘を調べてみたんじゃよ」
_
( ゚∀゚)「どうだった?」
/ ,' 3「娘はおったんじゃが……、名前は高岡 芽衣子。全くの別人じゃ」
_
( ゚∀゚)「そっか……。ちなみに、布木はどうやって高岡 悠斗を殺したんだ?」
/ ,' 3「金属バットで後ろから……カッツーン!」
_
( ゚∀゚)「……親父狩りって奴か?」
/ ,' 3「おそらくの」
- 331 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 23:37:36.99 ID:kuBUbP6/0
- _
( ゚∀゚)「ふぅむ……。そっか……。ありがとよ……」
_
( -∀-)
_
( -∀-)「……んー」
/ ,' 3「どうした? アンニュイモードか?」
_
( -∀-)「いーや。その娘さんも、寂しい思いをしたんだろうな、と」
/ ,' 3「……そうじゃな。……あっ」
_
( ゚∀゚)「んあ?」
/ ,' 3「あともう一つ。布木の妻の事じゃ」
_
( ゚∀゚)「おう。何だ調べてたのか」
/ ,' 3「多少は気になるからの」
_
( ゚∀゚)「で、何が分かったんだ?」
/ ,' 3「彼女が捜されていない理由じゃ」
_
( ゚∀゚)「捜されてない理由?」
- 333 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 23:39:08.66 ID:kuBUbP6/0
- / ,' 3「どうも、勘当されていたらしい」
_
( ゚∀゚)「勘当?」
/ ,' 3「そうじゃ。布木と結婚する際にの、相当揉めたらしいぞい」
_
( ゚∀゚)「まー……、人殺しの妻になるってんだからな……」
/ ,' 3「その上、彼女には友達も居ないし、近所に知り合いも居なかった」
_
( ゚∀゚)「そうなん?」
/ ,' 3「これはワシが自分の足で聞き込んで来て、明らかになった事じゃい」
_
(;゚∀゚)「うおー。ジジイすげぇ。この足で聞き込みとか正気の沙汰じゃねぇぞ」
/ ,' 3「そ、そうかの……」ドキドキ
_
( ゚∀゚)「感動した!」
/ ,' 3「勘当だけに?」
_
( ゚∀゚)「いや、そんなうまくねぇし。ちょっとズレてるし」
/ ,' 3「そ、そうか……」シュン
- 335 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 23:41:07.74 ID:kuBUbP6/0
- _
( ゚∀゚)「……ま、話を戻せば布木の妻はそうとう不幸な女だったって事だ」
/ ,' 3「じゃの」
_
( ゚∀゚)「何とも言えねぇな」
/ ,' 3「……そのー、長岡君や」
_
( ゚∀゚)「んあ?」
/ ,' 3「一つ頼まれて良いかの」
_
( ゚∀゚)「面倒なことじゃなければ」
/ ,' 3「面倒な事じゃ」
_
(;゚∀゚)「……話だけは聞きましょう」
/ ,' 3「あのな。ハイン君の事なんじゃけど……」
_
( ゚∀゚)「ハインの?」
/ ,' 3「あの子。年金払ってないんじゃ」
_
( ゚∀゚)「はい?」
- 337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 23:43:19.31 ID:kuBUbP6/0
- / ,' 3「うぅむ……。給料から差し引いて上げたいんじゃがのぅ……」
_
( ゚∀゚)「何それ。この興信所、社会保険の加入義務シカト決め込んでんの?」
/ ,' 3「小さいので」
_
( ゚∀゚)「信じられない。アンビリーバブル……。人雇ってんのに、どうなってんだ……」
/ ,' 3「つー訳で、ハイン君の住民票と所得証明書。取って来て欲しいんじゃよ」
_
( ゚∀゚)「え。年金払うだけでそんなにいるの?」
/ ,' 3「わからん。でも、持っておいた方が良い気がするしの」
_
(;゚∀゚)「ちゃんと調べてから言えよ……」
_
(;゚∀゚)
_
(;゚∀゚)「つーか、俺。ちゃんと払えてる?」
/ ,' 3「長岡君は大丈夫じゃ。随分前に手続きした気がするわい」
_
(;゚∀゚)「そうなの。良かった」
/ ,' 3「源泉徴収見る?」
_
(;゚∀゚)「別にいいや」
- 340 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 23:45:41.89 ID:kuBUbP6/0
- _
(;゚∀゚)「ちょっと待て、俺の手続きした事あるのに覚えてねぇの? やり方」
/ ,' 3「ジジイじゃから覚えてない」
_
( ゚∀゚)「すんげぇ説得力」
/ ,' 3「だから、取ってきてくれ。市役所行けば良いから」
_
(;゚∀゚)「いや、めんどい。ってか何で俺? アイツに行って貰えばいいだろ」
/ ,' 3「年金払いたくないって言われそうじゃからのぅ……、怖い……」
_
(;゚∀゚)「まー……確かに……」
/ ,' 3「じゃ、宜しく。ついでに個人での年金の払い方も聞いて来てくれると助かるのう」
_
(;゚∀゚)「でも、本人じゃないと取れなくない? 特に住民票とか」
/ ,' 3「親族って事で適当に偽装すれば何とかなる! 大丈夫じゃ!」
_
(;゚∀゚)「親族でも取れないんじゃないの?」
/ ,' 3「大丈夫。ほれ、行って来なさい」
_
(;-∀-)「……本当に取れんのかね」
/ ,' 3「早くせんか」
_
(;-∀-)「はいはい」
- 341 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 23:47:57.94 ID:kuBUbP6/0
- 【美府市 美府市役所】
_
( ゚∀゚)「妹なんですけど……、大丈夫ですかね?」
川д川「何か身分の分かる物お持ちですか?」
_
( ゚∀゚)「免許書でも?」
川д川「ええ。構いませんよ」
_
( ゚∀゚)つ□「はい」スッ
川д川つ□「どうも」
川д川つ□ チラッ
川д川つ□「はい、結構です」
_
( ゚∀゚)つ□「ああ、どうも」
_
( ゚∀゚)(うっわー。名前と生年月日変えただけなのに大丈夫だったわ)
_
( ゚∀゚)(しかもちょっとしか見てねぇだろ。市役所のセキュリティーってゆるゆるだなー)
川д川「……えーっと、高岡ハインリッヒさんでしたか?」
_
( ゚∀゚)「ええ。妹です」
- 345 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 23:49:38.13 ID:kuBUbP6/0
- 川д川「その様な方は見付かりませんが……」
_
( ゚∀゚)「え? まだ住民登録してないのかな……」
川д川「どうでしょうか……。ご確認してみるのが一番かと」
_
( ゚∀゚)「は、はい……」
_
( ゚∀゚) ピクッ
川д川「どうされました?」
_
( ゚∀゚)「あ、いや。少し考え事を……」
_
( -∀-)
_
( -∀-)
_
( -∀゚)「あの、スミマセン」
川д川「はい?」
_
( ゚∀゚)「……高岡 芽衣子って名前で探して貰えません?」
川д川「へ?」
_
( ゚∀゚)「実は売れないグラビアアイドルでして。さっきのは芸名でした」
川д川「は、はぁ」
- 346 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 23:51:09.10 ID:kuBUbP6/0
- 川д川 カタカタ
川д川「高岡 芽衣子さんですね?」
_
( ゚∀゚)「ええ」
川д川「えーっと……、つい最近、美府に戻って来てますね」
_
( ゚∀゚)「……戻って来てる?」
川д川「ええ。出生は美府なんですけど、一旦美府を離れて、最近戻って来られている様です」
_
( ゚∀゚)「そうですか……」
川д川「あれ? お兄さんなのに、ご存知無い?」
_
(;゚∀゚)「ややっ、そんな事ありませんよ? ちゃーんと知っておりました」
川д川「本当ですか……?」
_
(;゚∀゚)「本当です」
川д川
川д川「まあ良いでしょう。すぐに出しますから、少し待っていてください」
_
(;゚∀゚)「はいはい」ホッ
- 348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 23:53:05.25 ID:kuBUbP6/0
- ……
川д川「はい、どうぞ」
_
( ゚∀゚)つ□「どもども」
_
( ゚∀゚)
_
( ゚∀゚)つ】 ピポパ
_
( ゚∀゚)】<Prrrrrrrr……
_
( ゚∀゚)】ガチャッ
_
( ゚∀゚)】「おう、ジジイか? 一つ聞きたい事があってよ」
_
( ゚∀゚)】「その、布木の事件。美府で起きてたりする?」
_
( ゚∀゚)】「うん、うんうん。あー、そう。ちなみにいつ頃の事件?」
_
( ゚∀゚)】
_
( ゚∀゚)】「あー、そう。ありがとう。切るわー。はいはい」
_
( ゚∀゚)つ】ピッ
_
( -∀-)
_
( -∀-)「……それしか考えられねぇよな」
- 353 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 23:54:57.05 ID:kuBUbP6/0
- 【荒巻興信所 屋上】
_
( ゚∀゚)y-~~~ プカプカ
_
( -∀-)y-~~~「来たか……」
从 ゚∀从「……んだよ、急に呼び出して」
_
( ゚∀゚)y-「おう。すまんな」
从 ゚∀从「どうしようもない用件だったら帰るぞ」
_
( ゚∀゚)y-「んー……、もしかしたらどうしようもない用件かも知れん」
从 ゚∀从「?」
_
( ゚∀゚)y-「変な事、聞くぜ?」
从 ゚∀从「?? ああ……」
_
( ゚∀゚)y-「お前の父ちゃんってさ、高岡 悠斗?」
从 ゚∀从 トクンッ
_
( ゚∀゚)y-~~~
从 ゚∀从
- 356 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 23:56:47.08 ID:kuBUbP6/0
- 从 ゚∀从
_
( ゚∀゚)y-~「……あとさ。お前の本当の名前って、高岡 芽衣子だったりする?」
从 ゚∀从
_
( ゚∀゚)y-~「違うなら、良いんだ。違うなら」
从 ゚∀从
_
( ゚∀゚)y-~「ただ……、正直に話して欲しい」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「そうだよ」
_
( ゚∀゚)y-~
从 ゚∀从「俺の父さんは高岡 悠斗。……そして、俺の名前は高岡 芽衣子だ」
_
( ゚∀゚)y-~「素直だな」
从 ゚∀从「……ああ。何でだろうな。絶対に言わないつもりだったのに」
_
( ゚∀゚)y- ジュッ
_
( ゚∀゚)つ日「ま、飲めよ。缶コーヒー」スッ
从 ゚∀从
- 360 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/03(金) 23:58:50.50 ID:kuBUbP6/0
- _
( ゚∀゚)つ日「ほら」グイ
从 ゚∀从つ日 スッ
_
( ゚∀゚)「……ゴメン。まだ、聞きたい事があるんだ」
从 ゚∀从つ日 カシュッ
从 -∀从日 チビッ…
_
( ゚∀゚)「良いか?」
从 -∀从「ああ」
_
( ゚∀゚)「お前の父ちゃんは布木に殺された。違うか?」
从 -∀从「いや、違わない。殺された」
_
( ゚∀゚)「そっか……」
从 -∀从
_
( ゚∀゚)「……俺さ。あんまり、考えたく無いんだけど。考えちまうんだよ」
从 -∀从
_
( ゚∀゚)「お前が布木の失踪に関与してるんじゃ無いかって……」
从 -∀从日 チビッ…
- 363 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 00:01:13.52 ID:BqjSMFXg0
- _
( ゚∀゚)「……俺の勘違いかな」
从 -∀从
从 -∀从「いや、勘違いじゃない」
_
( ゚∀゚)
从 -∀从
_
( ゚∀゚)「やっぱさ。殺したん?」
从 -∀从「ああ。奥さんも殺した」
_
( ゚∀゚)「……じゃあ、キューちゃんがお前にベッタリなのも、何となく分かる気がするな」
_
( ゚∀゚)「何となく。何となく……、なんだけど」
从 -∀从
从 ゚∀从「なあ」
_
( ゚∀゚)「ん?」
从 ゚∀从「軽蔑するか?」
_
( ゚∀゚)「少しな」
从 -∀从、
- 369 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 00:03:20.02 ID:BqjSMFXg0
- _
( ゚∀゚)
从 -∀从
_
( ゚∀゚)「……復讐、なのか?」
从 ゚∀从「え?」
_
( ゚∀゚)「復讐なのか?」
从 ゚∀从「ああ。復讐だった。必ず殺してやろうと思って、殺した」
_
( ゚∀゚)「……どうなんだ? すっきり、した?」
从 ゚∀从「その時はな」
_
( ゚∀゚)「……その時は?」
从 ゚∀从
_
( ゚∀゚)「今は違うって事か?」
从 ゚∀从
从 ゚∀从
从 ∀从「俺だって、分からないよ」
- 372 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 00:05:49.90 ID:BqjSMFXg0
- _
( ゚∀゚)「分からない?」
从 ∀从「……あのガキ見てると胸は痛くなるし、お前の話聞いて自分は最低だって思うし」
从 ∀从「元気でいるって父さんと約束したのに……、悩んでばっかりだし……」
从 ∀从「馬鹿だよ。俺、馬鹿なんだ。分からないんだ」
_
( ゚∀゚)「我慢、してるんか?」
从 ∀从
_
( ゚∀゚)「……やっぱ、辛いんだよな」
从 ∀从「辛いよ。本当に辛いよ」
_
( ゚∀゚)
从 ∀从「何が辛いって……、自分が分からないのが一番辛い」
_
( ゚∀゚)「弱いのな、お前。ずっと隠してたんだ。弱いの」
从 ∀从
_
( ^∀^)「……ま、俺は弱いくらいの女の方が好きだから良いんだけどよ」
从 ∀从「良く笑えるな」
- 375 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 00:07:37.31 ID:BqjSMFXg0
- _
( ゚∀゚)「え?」
从 ∀从「……俺はお前が軽蔑する、人殺しだぞ」
从 ∀从「大切な人を失う悲しみも分からない、馬鹿な奴なんだぞ」
_
( ゚∀゚)「まー……そうだな……」
_
( ゚∀゚)
_
( ゚∀゚)「でも……、本当は分かってんだろ?」
从 ∀从「分かってねぇよ。分かってねぇから、あのガキに俺と同じ思いをさせてるんじゃねぇか」
_
( ゚∀゚)「いや、キューちゃんはお前の事を救いの人だと思ってる」
从 ∀从
_
( ゚∀゚)「それはお前も分かってるんだろ? 分かってて見てないんだろ?」
从 ∀从
_
( ゚∀゚)
_
( ゚∀゚)「……ほんっと、奇妙だよな。なんかのドラマみてぇだ」
- 378 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 00:09:45.85 ID:BqjSMFXg0
- 从 ∀从「……俺、どうしたら良いか分かんないんだ」
_
( ゚∀゚)
_
( -∀-)
_
( -∀-)「例えばなんだけど……、どうして欲しい訳?」
从 ∀从「……え?」
_
( ゚∀゚)「やっぱさ、ほっとけないんだ」
从 ∀从
_
( ゚∀゚)「お前、俺なんだよ。……いや違うな」
_
( ゚∀゚)「お前は……、俺以上に、俺なんだ」
从 ∀从
_
( ゚∀゚)「そんな奴、ほっとけ無い。たとえ、人殺しでも」
从 ∀从「でも……」
_
( ゚∀゚)「俺も馬鹿だよ。自分で言った事と矛盾してんだもん」
_
( ゚∀゚)「……変な話、お前がしょっ引かれなければ良いとも思ってる」
- 381 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 00:11:34.35 ID:BqjSMFXg0
- _
( ゚∀゚)「何でかって言うと……、お前が普通の生活を送る事を望んでるヤツが居るから……、て言うの?」
_
(;゚∀゚)「……中々うまく言えねーな」
从 ∀从「……そんなヤツ、居るかよ」
_
( ゚∀゚)「居るぜ」
从 ∀从「誰だよ」
_
( ゚∀゚)「キューちゃんだ」
从 ∀从
_
( ゚∀゚)「今、お前があの子の目の前から居なくなったら悲しむと思うぜ」
_
( ゚∀゚)「……それに、言っちゃなんだが、……俺だって悲しい」
从 ∀从「は?」
_
(;゚∀゚)「ははっ。感情移入しちまってる所為かな? なーんか、さっきから矛盾しっぱなしだけどよ……」
从 ∀从
_
(;-∀-)「……ま、人間の感情なんて、矛盾で出来てる様なもんだしさ」
_
(;-∀-)「あー。俺も、何言ってるか分かんねぇ」
- 384 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 00:13:54.40 ID:BqjSMFXg0
- 从 ∀从
_
(;゚∀゚)「……まあ、今は何も考えられないよな。俺も何だか考えられなくなっちまったよ」
从 ∀从
_
( ゚∀゚)「……そしたらさ、今日は帰ろうぜ。これからの事はゆっくり決めれば良い」
从 ∀从
_
( ゚∀゚)「な?」
从 ∀从
_
( ゚∀゚)「……それで、明日また話そうや。何でも聞くよ」
从 ∀从
_
( ゚∀゚)「お前がお前の中で納得行くまで、この事はナイショ……。俺とお前のナイショってヤツだ」
_
( ゚∀゚)「いいか?」
从 ∀从「……ありがとう」
_
( ^∀^)「良いって」
……
- 387 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 00:16:26.47 ID:BqjSMFXg0
- 【美府ニュータウン 夜の霊園】
从 ゚∀从
从 ゚∀从「父さん。俺、言っちまった。ぶちまけちまった」
从 ゚∀从「……父さんにも言ってない様な事まで」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「何でだろうな。何で言っちまったんだろうな」
从 ゚∀从「分かんない事だらけだよ」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「でも、少し楽になった。アイツのお陰で」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「馬鹿だけど、優しいんだ」
从 ゚∀从「……ま、馬鹿なのは人の事言えないけど」
- 389 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 00:18:22.48 ID:BqjSMFXg0
- 从 ゚∀从「アイツに話聞いて貰ったらさ……、自分が認めたく無い事も認められちゃって……」
从 ゚∀从「不思議なんだよ。変な事言うけど」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「……あのガキの事だって。そうだ」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「確かに、モヤモヤする。アイツの子供ってだけで、虫唾が走る」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「……でも、謝らないとな。何か、謝んないといけない気がするんだ」
从 ゚∀从「全部の事を謝らないといけない気が……」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「でも、もう来ないよ。あれだけ冷たくしたんだもん……」
从 ゚∀从「……それに、俺も素直になれない気がするし」
- 391 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 00:19:46.26 ID:BqjSMFXg0
- 从 ゚∀从
从 ゚∀从「アイツがいりゃ……、素直になれんのかな……」
从 -∀从「……はぁ」
从 -∀从
从 -∀从「俺も、女だよ。馬鹿みてぇ」
从 -∀从
从 -∀从「みーんな馬鹿。馬鹿ばっかり」
从 -∀从
从 -∀从
从 ゚∀从「……俺、自首するよ」
从 ゚∀从「全部清算してから、自首する。明日、あの馬鹿にも言う」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「そんで……、あのガキにも、言う」
从 -∀从「言えねぇかも知れないけど……、さ」
- 394 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 00:21:26.58 ID:BqjSMFXg0
【翌日 荒巻興信所にて 女性と老人の会話】
- 396 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 00:23:38.75 ID:BqjSMFXg0
- 从 ゚∀从 スタスタ
从 ゚∀从「おはよっす……」
/ ,' 3
从 ゚∀从
/ ,' 3
从 ゚∀从「……ジイさん?」
/ ,' 3「……ハイン君」
从 ゚∀从「んだよ改まって……」
/ ,' 3「やはり、まだ知らないかね?」
从 ゚∀从「……何の話だ?」
/ ,' 3「そうか……、知らない様じゃの……」
从 ゚∀从「話が見えねぇよ、ジイさん」
/ ,' 3「落ち着いて聞いて欲しいんじゃが……」
- 400 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 00:25:02.02 ID:BqjSMFXg0
- / ,' 3「長岡君が……」
从 ゚∀从
/ ,' 3
/ ,' 3「―――――――――――――――
从 ゚∀从
.
- 403 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 00:26:32.65 ID:BqjSMFXg0
.
- 405 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 00:27:31.60 ID:BqjSMFXg0
- 【内藤愛児園 職員室】
【('、`*川「……はい。ええ」
【('、`*川
【('、`;川「……ええ?!」
【('、`;川「あ、いえ……私共は構わないんですが……。はい……」
ξ゚听)ξ「……何事ですかね」
( ^ω^)「ちょっとタダ事じゃなさそうだけど……」
【('、`;川「……はい。分かりました」
【('、`;川「いえ。わざわざお知らせ頂き、有難う御座います。ええ、はい……」
【('、`;川「……はい、では、はい」
】⊂('、`;川 ガチャッ
( ^ω^)「何処からの電話だったのかお?」
('、`;川「荒巻興信所です」
- 407 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 00:29:11.54 ID:BqjSMFXg0
- ( ^ω^)「ああ。今日来る予定だって……」
('、`;川「それが、今日来れなくなったみたいなんですよ」
( ^ω^)「あら。お忙しいのかお?」
('、`;川「……轢かれちゃったみたいです」
ξ゚听)ξ「轢かれた? 誰が?」
('、`;川「長岡さん。あの、男の人よ」
(;^ω^)「えっ?」
ξ;゚听)ξ「ひ、轢かれたって……、車に……?」
('、`;川「トラック」
(;^ω^)「ト、トラックかお……」
ξ;゚听)ξ「……いつ轢かれた訳?」
('、`;川「昨日の夜だって」
ξ;゚听)ξ「……そう」
- 409 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 00:30:27.20 ID:BqjSMFXg0
- (;^ω^)「そ、それで……。大丈夫なのかお……?」
('、`;川「意識不明なんですって……」
ξ;゚听)ξ「そんな……」
('、`;川「それに、いつ意識が回復するかも……」
(;^ω^)「……植物人間ってやつかお?」
('、`;川「そこまでヒドイ状態なのかは……、ちょっと分からないんですけど……」
<Prrrrrrr……
('、`;川「……電話」
ξ;゚听)ξ「ほら、ペニちゃん出て」
】⊂('、`;川 ガチャッ
【('、`;川「もしもし……」
【('、`;川
【('、`;川「あっ、はい。いえ、大丈夫です……」
- 412 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 00:32:12.90 ID:BqjSMFXg0
- 【('、`;川
【('、`;川「えっ……いえ、居ません……」
【('、`;川「はい。はい……、分かりました……」
】⊂('、`;川 ガチャ
ξ;゚听)ξ「今度は誰?」
('、`;川「さっきと同じ。荒巻興信所の荒巻さん」
(;^ω^)「何かあったのかお?」
('、`;川「ハインさん、来てないかって」
(;^ω^)「居なくなっちゃったのかお?」
('、`;川「さ、さあ……。どうなのか……」
│*゚ -゚)o コソッ
('、`;川
('、`;川「……キューちゃん?」
│ミ ., バッ
- 415 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 00:34:02.82 ID:BqjSMFXg0
- ( ^ω^)「……どうしたお、ペニちゃん」
('、`;川「まさか、キューちゃん……」
('、`;川 ダッ!
ξ;゚听)ξ「ちょっ……、何処行くのよ!」
(;^ω^)「な、何だお……?」
<タッタッタッタ……
ξ;゚听)ξ
ξ;゚听)ξ「……行っちゃった」
(;^ω^)ポカーン
ξ;゚听)ξ ポカーン
(;^ω^)「……何処行っちゃったお?」
ξ;゚听)ξ「さ、さあ……」
- 417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 00:36:22.93 ID:BqjSMFXg0
- 【施設外 歩道】
('、`;川「どわっ……、雨降ってる……」
('、`;川「……あの子どこ行った?」
('、`;川 キョロキョロ
('、`;川「……あ」
o川*゚ -゚)o タッタッタッタ
('、`;川「あんにゃろ。ちゃっかり傘差してやがる……」ボソッ
('、`;川「ちょっと!! キューちゃん何処行くの!」タッタッタッタ
('、`;川「キューちゃん!」タッタッタッタ
('、`;川
('、`;川 キョロキョロ…
('、`;川「……見失った」
(-、-;川「はぁ……」
(-、-;川「後でゲンコツ」
- 420 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 00:38:24.11 ID:BqjSMFXg0
- | |! ! | !| !l |! !| ! !l|! !| ! | !l | !l |! |!l| ! | |! ! | !| !l |! !| ! !l|! !|
! ! | !| ! l |! |! ! | ! |!l ||! ! | !| !l |! |! l| ! |!l ||! ! | !| !l |! |! l| ! |!l
| ! ! | ! |!l |! _/__/_ // !l |! ! | ! |!l |! !| | !|!l |! !| !! ! | ! |!l |!l |! !| !|
|! ! | !| / / ー――――――――――― |! ! | !| !l |!
!l |! !| !| !l |! / ! |!l |! !| l | !| ! !l|! !| ! | !l | !l!l |! !| !| !l |! ! | ! |!l |! !|
|! ! | !| !l |! !| ! !l|! !| ! | !l | !l |! |!l| ! | |! ! | !| !l |! !| ! !l|! !|
!l |! !| !| !l |! ! | ! |!l |! !| l | !| ! !l|! !| ! | !l | !l!l |! !| !| !l |! ! | ! |!l |! !|
l ! | ! l | ! ! | !| | ! ! ゛ゞ.ヾ ゞヾゞ;ゞゞヾ ゞ;,.ゞ :,, ゞ;ゞヾ;; !| l|! !| ! |! ! | !|
l | ! ! .ヾ ゞヾゞ;ゞゞヾ ゞ;,.ゞ :,,ヾゞヾ;ゞゞノヾゞ:ヾヾ ゛ゞ.ヾ | !l | !l |! !| |
! ! | !| ! ! ヾゞ..ヾ .ゞ,'ヾ ゞヾゞヾ ,,.ゞヾ::ゞヾ .ゞ,'ヾ ゞヾゞ ;ゞヽ,.ゞ:,,ヾゞヾ !| ! | !|
l | ! ! ゛ゞ.ヾ ゞヾゞ;ゞゞヾ ゞ;,.ゞ :,,ヾゞヾ;ゞゞノヾゞ:ヾヾ ゛ゞ.ヾ ゞヾゞ; !| | l
|! ! | .ゞヾゞ;ゞ ヾ;ゞゞゞ;ゞ:ヾゞ゛;ヾ;ゞ ,',;:ヾゞ;ゞヾ.: ゞヾ., .ゞヾゞ;ゞ ヾ;ゞゞ |! ! | !|
! ! ., .ゞヾゞ;ゞ ヾ;ゞゞゞ;ゞ:ヾゞ゛;ヾ;ゞ ,',;:ゞヾゞ;ゞヾ.: ヾ:ヾゞヾ., .ゞヾゞ;ゞ ヾ;ゞゞ; l | ! l
!| !| ゛ゞ.ヾゞヾヽ,.ゞ:,,ヾゞヾ;ゞゞヽ,.ゞ:, ,ヾゞヾ;ゞゞ\ヾゞ: ヾヾ゛ ゞ.ヾゞヾヽ,.ゞ:,,ヾゞヾ;ゞゞノ | ! l
| ! ! ゛ゞ.ヾ ゞヾゞ;ゞゞヾ ゞ;,.ゞ :,,ヾゞヾ;ゞゞノヾゞ:ヾヾ ゛ゞ.ヾ ゞヾゞ;ゞゞヾ ゞ;ゞヾ;; !|
! ! ヾ., .ゞヾゞ;ゞ ヾ;ゞゞゞ;ゞ:ヾゞ゛;ヾ;ゞ ,',;:ゞヾゞ;ゞヾ.: ヾ:ヾゞヾ., .ゞヾゞ;ゞ ヾ;ゞゞ; l |
| !| ゞヾ ゞヾ .ゞ;ゞヾ;ゞゞ; ,,ゞ.ヾ\\ ゞヾ:ゞヾ ノノ ゞヾ . ゞヾ ゞヾ .ゞ;ゞヾ;ゞゞ;ゞ ヾ;ゞゞ !
! ! | !| ヾゞ..ヾ .ゞ,'ヾ ゞヾゞヾ ,,.ゞヾ::ゞヾゞ:ヾ ゞ:.y.ノヾゞ..ヾ .ゞ,'ヾ ゞヾゞ ;ゞヽ,.ゞ:,,ヾゞヾ !|
| ! ! | ! |!l ゞヾゞ___\\ ゞ ゞヾゞ;ゞゞヾゞ;ゞiiiiii;;;;::::: イ.ヾゞ, .,; ゞヾゞ___// ;ゞゞゞ;ゞゞヾゞ; | !|
|! ! | !| !l ;ゞヾゞ;ゞヾ;ゞゞヾ ゞ;ゞ iiiiii;;;;;::::: :)_/ヽ,.ゞ:,,ゞヾゞ__;::/ ゞヾゞ;ゞヾ;ゞ |! !| !|!
!l |! !| !| !l |! ! | ! |!l |! !| lゞヾゞ;ゞ ヽ;iiiiii;;;;::::: :|;:/ ヾ;ゞゞ;ゞ ヾゞ ! | ! |!l |!l |! l|!
- 421 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 00:40:09.67 ID:BqjSMFXg0
- 【美府ニュータウン 霊園 雨の降りしきる中、傘を差す事無く女性が立っている】
从 ∀从 ザー…
从 ∀从
从 ∀从「……チッ」
从 ∀从
从 ∀从「言ったじゃねぇかよ。明日、話そうって」
从 ∀从「俺、ちゃんと決めてきたんだぜ? この先の事」
从 ∀从
从 ∀从
从 ∀从「また、分からなくなっちまうよ」
从 ∀从「……なあ。俺、また分からなくなっちまうんだよ」
从 ∀从
从 ∀从
- 426 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 00:41:45.11 ID:BqjSMFXg0
- 从 ∀从
o川*゚ -゚)o タッタッタッタ
o川*゚ -゚)o
从 ∀从
o川*゚ -゚)o
o川*゚ -゚)o「……お姉ちゃん」
从 ∀从
o川*゚ -゚)o「風邪ひいちゃう」
从 ∀从「帰れよ」
o川*゚ -゚)o
o川*゚ -゚)o「やだ」
从 ∀从「……何でだよ」
o川*゚ -゚)o
从 ∀从「何で俺に構うんだよ……、やめろよ……」
- 428 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 00:43:21.52 ID:BqjSMFXg0
- 从 ∀从「やめてくれよ。なあ……。もう、やめてくれよ……」
从 ∀从「……帰ってくれ。な?」
o川*゚ -゚)o
o川*゚ -゚)o「やだ」
从 ∀从「帰れ……」
o川*゚ -゚)o「やだ」
从 ∀从「帰れよ……」
o川*゚ -゚)o「やだ」
从 ∀从「頼む、帰ってくれ……」
o川*゚ -゚)o「やだ」
从 ∀从「帰れよ……ッ!」
o川*゚д゚)o「やだ!!」
从 ∀从
o川*゚ -゚)o
- 433 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 00:45:20.93 ID:BqjSMFXg0
- 从 ∀从「なんなんだよ……」
从 ∀从「なんで……、一々……お前は……」
从# ∀从
从# ∀从「……俺みたいなヤツに構ってんじゃねぇぞ!! あ?!」
o川*゚ -゚)o
从# ∀从「おいッ!! 何とか言えよ゛ッ!」
o川*゚ -゚)o
o川*゚ -゚)o
o川*゚ -゚)o「お母さん言ってた」
o川*゚ -゚)o「『泣く事は恥かしくないのよ。辛い時には泣いても良いの』」
o川*゚ -゚)o「『だって、私達は泣きながら産まれて来たんだから』って」
从 ∀从
o川*゚ -゚)o「お母さん、言ってた」
从 ∀从「ざけんな……」
从 ;∀从「……よ」ポロッ
- 435 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 00:47:19.75 ID:BqjSMFXg0
- o川*゚ -゚)o
从 ;∀从 ポロポロッ
从 う∀从「ひっ……」グシグシッ
从 う∀从 ヘナヘナ…
从 う∀从 ペタンッ
:::从 ∩∀从:::「……ヒィ―――――――……、、……、」ポロポロポロ…
o川*゚ー゚)o
:::从 ∩∀从:::「ヒィ―――――――……、ヒィ――――――――……、……、、,,」ポロポロポロ…
o川*゚ー゚)o「……地べたにすわったら、おしりぬれちゃうよ」
:::从 ∩∀从:::「…ヒィ―――――――……、あっ……あっあっ………、、,,」ポロポロポロ…
o川*゚ー゚)o「となり座っていい?」
:::从 ∩∀从:::「おっ、まえ……、ばか、、っだよ……」ポロポロポロ…
o川*^ー^)o「うん。お父さんに良く言われてた」ペタンッ
:::从 ∩∀从:::「ばかっだよ……、ばかっ……おっ……あぁぁ……ああ……」ポロポロポロ…
o川*^ー^)o「かさ、入って?」
- 438 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 00:49:18.83 ID:BqjSMFXg0
- :::从 ∩∀从:::「っな……なんでっ……」ポロポロポロ…
:::从 ∩∀从:::「おれっ……ころしてんっ……だぞ……」ポロポロポロ…
o川*^ー^)o「うん」
:::从 ∩∀从:::「おまっ……えのこともっ……殺そうと……したんだぞっ……」ポロポロポロ…
o川*^ー^)o「うん」
:::从 ∩∀从:::「わかってん……のかよっ……」ポロポロポロ…
o川*^ー^)o「うん」
:::从 ∩∀从:::「ああぁぁ……あっ……、うぅぁ……」ポロポロポロ…
o川*^ー^)o「……もっと寄らないと、ぬれちゃうよ」
:::从 ∩∀从:::「あああああぁぁ……、、ばがっだよ……お゛ま゛え゛……」ポロポロポロ…
o川*^ー^)o「知ってる」
:::从 ∩∀从::: ポロポロポロ……
o川*^ー^)o
…………
……
…
- 442 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 00:51:04.66 ID:BqjSMFXg0
- !| i| i| |i !| i ! i ! ! i i
i i| ! i i |! i ! ! i i i! i!
|! i ! ! i |! i ! ! i i! i!! ! i |!
i! i! i i| i i! i! ! i i
!i i| !| i! |i i! i! i! i i!
!| i i |! i! |i ! i i
! ! i |! i! i! i! i! i! i! i! i! ! i i
i i ! i|! | |! i! |i i!
i| i| |i !| i ! i ! ! i i i! |i
!| i ! i ! ! i i | i| |i !|
_ __ _ i | i| |i ' !|
:l. | ̄ | ! . i | ̄ | _ i|! , ---, __. _ , ‐┐ __ ._
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- 445 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 00:53:00.52 ID:BqjSMFXg0
从 ゚∀从泣きながら産まれたようです おしまい
- 455 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 01:00:39.32 ID:BqjSMFXg0
从 ゚∀从泣きながら産まれたようです の あれから
- 459 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 01:03:02.72 ID:BqjSMFXg0
- 【翌日 荒巻興信所】
从 ゚∀从
▼・ェ・▼「クゥーン……」
/ ,' 3「……そうか」
从 ゚∀从「ああ。そう言う訳だから」
/ ,' 3「ハイン君が決めた事なら、ワシは何も言わんよ」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「……ゴメンな、ジイさん」
/ ,' 3「ん?」
从 ゚∀从「あんまり、面と向かっては言えなかったけどさ……」
从 ゚∀从「俺、ジイさんの事、結構好きだったぜ」
/ ,' 3「ほう。嬉しい事を言ってくれるのう……」
/ ,' 3「……でも、何で今言う気になったんじゃ?」
从 ゚∀从「何でだろうな……。もしかしたら、吹っ切れたのかも」
/ ,' 3「そうかいそうかい……。なら良かったわい」
- 460 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 01:04:11.93 ID:BqjSMFXg0
- / ,' 3「……時に、ハイン君」
从 ゚∀从「何だよ」
/ ,' 3「長岡君の病室には行ったかね?」
从 ゚∀从、「いや、行ってねぇ」
/ ,' 3「一度、行ってみてはどうだね」
从 ゚∀从
/ ,' 3「君の話からすると、長岡君は親身になってくれた様じゃが……」
从 ゚∀从「あ、ああ……」
/ ,' 3「彼が目を覚まさなくても、一度顔を出すのは礼儀じゃないかの?」
从 ゚∀从「……だな」
/ ,' 3「それに……」
从 ゚∀从「ん?」
- 464 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 01:06:03.97 ID:BqjSMFXg0
- / ,' 3「本当は……、長岡君の事、気になってるんじゃないの?」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「は」
/ ,' 3「チューとか、したかの?」
从 ゚∀从「馬鹿じゃねぇの? 空気読めよ」
/ ,' 3、「うっ……、空気読めってのは結構辛いぞい……」
从 ゚∀从
从 -∀从 ニヤッ
/ ,' 3「……あ、笑った」
从 -∀从
从 -∀从「俺さ。この興信所で働けて、良かったよ」
/ ,' 3「何じゃいきなり……」
从 ゚∀从「ただ思った事を言っただけだ」
- 469 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 01:08:15.04 ID:BqjSMFXg0
- / ,' 3「ほっほっほ……、なんだか一晩で随分と変わったの、ハイン君」
从;゚∀从「そうか?」
/ ,' 3「……ジジイの戯言じゃよ。はよ行き」
▼・ェ・▼「クゥーン……」スリスリ
从;゚∀从「……お、おい」
/ ,' 3「おー……、ビーグルは寂しい様じゃな」
从;゚∀从「あんまり遊ばなかったのに……」
▼・ェ・▼「クゥーンクゥーン……」スリスリ
/ ,' 3「犬ってのは人が理解出来ない部分も見抜くからの」
从;゚∀从「は?」
/ ,' 3「ほれ。さっさと行かんか。日が暮れるぞい」
从;゚∀从「お、おう。世話になったな」
/ ,' 3「本当じゃ。あと、年金は払うようにの」
从 ゚∀从「年金?」
/ ,' 3「こっちの話じゃ」
- 472 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 01:10:07.94 ID:BqjSMFXg0
- 【美府中央病院 病室】
_
( -∀-)
从 ゚∀从「よう」
_
( -∀-)
从 ゚∀从「ビックリしたぜ。お前が轢かれたって聞いた時」
_
( -∀-)
从 ゚∀从「一日経ってようやく落ち着いたけどさ……。滅茶苦茶取り乱したって言うか……」
从 -∀从
从 -∀从「って、そんな話をしに来たんじゃ無かったな」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「あのさ。俺、自首する事にしたから」
- 477 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 01:12:15.88 ID:BqjSMFXg0
- _
( -∀-)
从 -∀从「お前の話を聞いて、……何て言えばいいのかな」
从 -∀从「……悔い改めてぇ、って思ったんだ」
从 ゚∀从「ははっ。言葉にしてみると、意外と軽いんだな……」
从 ゚∀从「……伝わってると、良いけど」
_
( -∀-)
从 ゚∀从
从 ゚∀从「一つ、聞いてくれるか?」
从 ゚∀从「俺さ……、馬鹿なりに、人を殺す事について考えてみたんだ……」
从 ゚∀从「人を殺すって事は、その人の人生を奪うって事だ。当たり前だけど、それって大きな事だと思う」
从 ゚∀从「でも俺は、それよりも大きな事があると思うんだ」
从 ゚∀从「それは……、残された人たちの人生って言えば良いのかな……」
- 479 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 01:14:34.31 ID:BqjSMFXg0
- 从 ゚∀从「……殺されたヤツってのは、言わばその先が無いんだ」
从 ゚∀从「ただ、殺されたって言う真実は、周りの人間に深く刻み込まれる」
从 ゚∀从「ただ死んだんじゃ、駄目だ。殺されたっていう事が重要なんだ」
从 ゚∀从「人が人の命を奪うって事が……、感情を倍々にするっつーか……」
从 -∀从、「……駄目だ。沢山考えて来たんだけどな……。うまく言えない」
从 -∀从「えーっと、要するに何が言いたいかって言うと……」
从 -∀从
从 ゚∀从「人を殺す事で一番重く圧し掛かるのは、死よりも感情なんじゃないかなって……」
_
( -∀-)
从 ゚∀从「……そんだけ」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「結局はお前の言うとおりなんだよ」
从 ゚∀从「それが分かってるヤツは人を殺したりなんかしない」
从 ゚∀从「俺は、自分が経験してるにも関わらず、その本質を分かってなかったんだ」
从 ゚∀从「馬鹿だな」
- 481 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 01:16:40.45 ID:BqjSMFXg0
- _
( -∀-)
从 ゚∀从「もし、俺の言葉聞いてたら……、お前も驚くかな」
从 ゚∀从「……さっきジイさんに言われてよ。一日で随分変わったなって」
从 ゚∀从「何でかなって、少し思い返してみたんだ。電車に揺られながらよ」
_
( -∀-)
从 ゚∀从「で、俺なりの答えを見つけた」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「笑うなよ?」
_
( -∀-)
从 -∀从「……泣いたから」
从 ゚∀从「泣いたからなんじゃねーかって」
_
( -∀-)
- 486 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 01:19:03.10 ID:BqjSMFXg0
- 从 ゚∀从「あのガキの所為でボロボロ泣いちまってよ」
从 ゚∀从「……泣き止んだら、頭がスーってさ。靄が消えたみたいな」
从 ゚∀从「多分、その所為なんじゃねぇかって」
_
( -∀-)
从 -∀从「ちょっと、ガキ臭ぇよな。泣いて、成長って」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「……ま、そう言うこった。特に落ちも無い話でゴメンよ」
_
( -∀-)
从 ゚∀从
从 ゚∀从「あと、……ありがとうな」
从 ゚∀从「お前がいなかったら俺、駄目になってたと思う……」
从 ∀从 ウルッ
从 ∀从「一回泣いたらすぐこれだ。るいせん、ほぐされちまってよ……」
- 490 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 01:22:11.02 ID:BqjSMFXg0
- 从う∀从 グイッ
从 ゚∀从「……じゃ、行くわ」
_
( -∀-)
从 ゚∀从「父さんの墓にも花添えたし、ジイさんにも挨拶したし……」
从 ゚∀从「お前が、最後だ」
_
( -∀-)
从 ゚∀从
_
( -∀-)
从 ゚∀从「……せめて、元気なお前と別れたかったな」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「じゃ……」
_
( -∀-)つ从 ゚∀从 グイッ
从 ゚∀从
_
( -∀-)つ
- 494 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 01:24:46.05 ID:BqjSMFXg0
- _
( -∀-)つ
_
( ゚∀゚)つ パチッ
从 ゚∀从
_
( ゚∀゚)つ「……まだ」
从 ゚∀从
_
( ゚∀゚)つ「まだ、泣かしてないヤツがいるんじゃないの?」
从 ゚∀从
_
( ゚∀゚)つ
从 ゚∀从
从 ∀从
……
- 496 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 01:26:02.07 ID:BqjSMFXg0
- 497 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 01:26:34.49 ID:BqjSMFXg0
- 【幾つか時が経ち 内藤愛児園にて】
( ^ω^)「おっおっ。キューちゃんにお別れは言ったかお?」
(,,゚Д゚)「いったぞ ごるぁ」
( ^^ω)「さみしいホマ」
(*; -;)「ふえぇ……」
(,,゚Д゚)「しぃもいいかげんなきやめ ごるぁ」
(*; -;)「らって……」
ξ゚ー゚)ξ「しぃちゃん。また会えるんだからさ」
(*; -;)「うん……」
(,,゚Д゚)つ「早くえがおになれ ごるぁ」ポカッ
(*; -;)「いたっ……」
ξ゚听)ξ「これ。ギコくん」
- 498 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 01:28:02.42 ID:BqjSMFXg0
- ξ゚听)ξ「まったく……」
( ^ω^)「そろそろ……、会ってる頃かお?」
ξ゚听)ξ「うーん……時間的にまだじゃないですかね……」
( ^ω^)「そうかお」
( ^ω^)
((( ^ω^))) ソワソワ
ξ゚听)ξ「どうしました?」
(;^ω^)「な、なんか落ち着かなくて」
ξ゚ー゚)ξ「……実は私もです」
(;^ω^)「やっぱりかお?」
( ^^ω)「ぼくもおちつかないホマ!」
(,,゚Д゚)「おれもだ ごるぁ」
(*; -;)「ふえぇ……」
(;^ω^)「おっおっ。子供でも落ち着かないなら大人が落ち着くはず……」
ξ゚听)ξ「逆です」
- 501 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 01:29:52.37 ID:BqjSMFXg0
- 【複合施設 一階 ロビー】
('、`*川「そろそろかな……」
o川*゚ー゚)o「来るの?」
('、`*川「多分もうすぐ……」
o川*^ー^)o ニコッ
('ー`*川「……うれしい? キューちゃん」
o川*^ー^)o「うれしい」
('ー`*川「そう。先生もうれしいよ」
o川*^ー^)o「うれしいの?」
('ー`*川「そりゃうれしいよー」
o川*^ー^)o「なんで?」
('ー`*川「だって、キューちゃんがうれしいんだもん」
o川*^ー^)o「えへへ」
- 502 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 01:31:43.35 ID:BqjSMFXg0
- <カッカッカッ……
('、`*川「……あっ、来た」
o川*゚ー゚)o
('、`*川「どうも。この度は里親になって頂き……」
('、`*川「……ええ」
('ー`*川「ふふっ……」クスッ
('ー`*川「すみません……、なんか可笑しくて……」
('ー`*川「……アナタが興信所で働いてた頃が懐かしいですよ」」
('ヮ`*川「勿論です。私たちも、精一杯サポートさせて頂きます」
('ヮ`*川「何か困った事があれば、当施設を頼ってください」
('ー`*川「……じゃ、キューちゃん。お別れだね」
o川*゚ー゚)o「うん」
('ー`*川「バイバイ」
o川*^ー^)o「バイバイ」
……
- 505 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/02/04(土) 01:33:14.98 ID:BqjSMFXg0
――――――――――さ、行くか。
うん。
――――――――――あっ……家に帰る前に興信所に寄って良いか?
いいよ。
――――――――――お前の顔を見せたいヤツがいてさ。大切な人なんだ。
それって、だれ?
――――――――――それは……
从 ゚∀从泣きながら産まれたようです の あれから おしまい
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