- 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/31(金) 21:44:52.14 ID:mY+y9bXB0
- お題
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1245664761/
716 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/26(金) 00:30:05.86 ID:k6A1cKvyO
>>714
('A`)「ペニ姉が妊娠した」
718 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/26(金) 00:31:40.80 ID:MhD/IXCm0
>>712
アンタの絵大好きだ。愛してる。
>>714
从 ∀从 「少し……頭、冷やそうか……」
720 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/26(金) 00:34:04.43 ID:1nhxBcshO
>>714飛行船
- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/31(金) 21:45:42.65 ID:mY+y9bXB0
- ('A`) 「ペニ姉が妊娠した」
口に出しても実感できない。
有り得ない。
あの厳格で、清廉で、それでいて綺麗なペニ姉が、そんな―――
('A`) 「はぁ…」
なんだか、何も考えられない。
ペニ姉が妊娠、か…。相手は誰なんだろう。
誰…?
考えると、また考えられなくなる。
頭の中がごちゃごちゃしすぎて、黒一色になって、何も考えられなくなる。
真っ白になるんじゃなく、真っ黒に―――
真っ青なきれいな空に、白いモノが飛んでいる。
綺麗なところを、白いモノが突き進む。
ペニ姉は綺麗で、白いモノが…?
(;'A`) (…流石にコレは不味いか…)
ごちゃごちゃしすぎて、変な事を考えてしまったようだ。
軽く、自己嫌悪。
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/31(金) 21:46:39.27 ID:mY+y9bXB0
- 俺が聞いたのは妊娠した、という事実のみで、詳しい事情は今夜するらしい。
所詮はただのご近所さんなんだから、と言ったのに、わざわざうちにきて話してくれるとか。
これだから近所付き合いってのは、面倒なんだよなぁ。家族ぐるみの付き合いってのは、鬱陶しい。
('A`) (だからこそ、ペニ姉と会えたんだろうけど)
どうでもいい。辛い事は、一度に幾つも味わうものじゃない。それが続けば人は壊れる。たぶん。
俺はまだ壊れたくないから、そんなものから逃げるとする。
…ブーンのとこにでも行くか。
('A`) 「というわけで、来てみた」
( ^ω^) 「どういうわけか全くわかんねぇお」
ξ#゚听)ξ 「いくらなんでもいきなりすぎるわよ」
(#´・ω・`) 「そーだそーだ!」
ξ#゚听)ξ 「テメェも同じだろうが!」
(´・ω・`)
そんなこんなで途中でショボンと合流して、流れでブーンの家に来てみた。
が、どうやらタイミングが悪すぎたらしく、ブーンは未だ下着姿だ。
…ペニ姉もそんな風に…?…やめとこう。こういうのは、考えちゃいけない。
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/31(金) 21:47:19.95 ID:mY+y9bXB0
- ( ^ω^) 「で、ドクオ、唐突にここに来た理由を3行で頼むお」
('A`) 「おk」
・(ペニ姉が妊娠
・あ、ペニ姉と面識なかったか
・いっけね! テヘッ
('A`) 「渾身の出来だと思うんだ…」
ξ゚听)ξ 「塵一つ残さず消し飛べ」
( ^ω^) 「…まぁ、要するに、知ってる女の人が妊娠したと。で、察するに、ドクオはその人の事が…」
(;'A`) 「ち、ちげーよ」
(´・ω・`) 「その動揺の仕方が怪しい…」
(;'A`) 「は?してねーし」
ξ゚听)ξ 「怪しい…」
( A ) 「ほんと…ねーから…」
( ^ω^) 「これはいよいよ…だおね」
(# A ) 「ほんと、お前ら…いい加減に…」
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/31(金) 21:48:12.68 ID:mY+y9bXB0
- (*´・ω・`) 「これは嘘をついてる味…」ペロペロ
(;'A`) 「うわぁお前なにほんとに舐めてんのうわああああああああああ!!!!!!!」
(*´・ω・`) 「ほっぺ…舐めちゃった☆」
( ;A;) 「ウッ…オェッ…ウワァアアアアアアアアア!!!!!!!」
( ;^ω^) 「ちょ、まて、ドクオ、吐くならトイレ行ってくれお!」
ξ;゚听)ξ 「ブーン、バケツ、これ、早く!」
(*´・ω・`) ウフフフフフフフ
まぁ、分かってる。コレがこいつらの励まし方だって、な。
だが、ショボンが本気で舐めるとは思ってなかった…
ちょっと勃ってたのは、きっと見間違いだろう。
('A`) 「さて、そういうわけで、きちんと3行し直すわ」
( ^ω^) 「頼むおー」
ξ゚听)ξ 「今度こそ真面目に頼むわ」
从 ゚∀从 「おう、頼むぜwktk」 ゲシッゲシッ
(メメメω#`) 「前が…見えない…もう…蹴らないで…」
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/31(金) 21:49:12.10 ID:mY+y9bXB0
- ξ゚听)ξ 「…ん?」
( ^ω^) 「…お?」
('A`) 「よし、仕切り直し」
( ^ω^) 「ドクオ、ちょっと待っ―――」
('A`) 「・ペニ姉が妊娠
・昔から家族ぐるみで付き合いあるある
・今夜妊娠についてお話 」
从 ゚∀从 「で、それでなんでブーンの家?」
('A`) 「…昔、ちょっとあってな…そういう話、聞きたくないんだ。で、逃げようかと…」
从 ゚∀从 「それだけショックってことは、惚れてたのか?」
('A`) 「さっきから言ってるが、それは無い」
从 ゚∀从 「なら話くらい聞けるだろ?ところが、それをしない。何か特別な理由があるってことだろ?」
(;'A`) 「ッ…!」
从 ゚∀从 「なぁ、いいから、その辺も話せって?友達だろ?」
('A`) 「…あぁ、そうだな」
友達に言うだけなら…壊れないし、黙ってるのは、それは本当に友達―――?
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/31(金) 21:50:04.97 ID:mY+y9bXB0
- ( ^ω^) 「ドクオ、ドクオ」
ξ゚听)ξ 「シリアスになりそうなところ悪いんだけどね…」
('A`) 「…ん?」
( ^ω^) 「なんでここに居るんだお」
ξ゚听)ξ 「なんでここに居るのよ」
从 ゚∀从
从∀゚ 从
从 ゚∀゚ 从
从 ゚∀从 「あ、俺?」
ξ゚听)ξ 「それ以外に誰がいるのよ…」
( ^ω^) 「ナチュラルに溶け込み過ぎだお…」
从 ゚∀从 「まーまー、細かい事は気にすんなって!ハゲんぞ!それじゃドックン、続き!」
(;'A`) 「え?あぁ、おk」
( ^ω^) 「ツン以外不退去罪で告訴すんぞコラ」
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/31(金) 21:51:14.90 ID:mY+y9bXB0
- なんでハインがここにいるかの方が気になるんだけど…
ってボソッといったら普通に蹴られた。いてぇ。
そこの肉塊(元・ショボン)みたいになる前に、話そう。ちょっとテンション下がったけど。
('A`) 「…まぁ、確かに、少しは気にしてた」
('A`) 「そもそも、昔ちょっとした約束をしたことがあるんだ」
('A`) 「いつの間にかそんな約束も気にならなくなってて、でも、今回のせいでふと思い出して」
('A`) 「それで、それで、なんか気まずくなって、怖くなって」
(;A`) 「思い返せば、元々約束を破ったのは俺だったんだ、たぶん」
(;A;) 「俺、俺…」
( ;^ω^) 「おー…」
ξ;゚听)ξ 「よしよし、辛いね、ドクオ…」
从 ゚∀从 「…」
从 ゚∀从 (ドックン泣いてる→胸貸す→フラグktkr!)
从*゚∀从 「よし、ほら、俺の胸d―――」
- 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/31(金) 21:52:24.53 ID:mY+y9bXB0
- (*´・ω・`) 「ほら、僕の腕の中でお泣きよ!」 ダキッ
(;A;) 「うわああああああキモあああああああああああ!!!!!!!!!」
ξ#゚听)ξ 「てめぇショボン何やってんだゴラァ!」 ガシッ ポイ (*´・ω・`) アァン
从 ∀从 「…」 ガシッ (;´・ω・`) コノサッキ…クル!
<ちょ、やめて、それ突くのに必要なの
<あっごめんなさいもう余計なこと言いませあああああああああああああ
<アァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!
( ;^ω^) 「も、もう大丈夫だお!とりあえずペプシSHISOでも飲んで落ち着くお!」
結局この後、俺が落ち着くのに20分ちょっとかかった。ペプシのSHISOが無ければ、もっとかかってたと思う。
やはり、美味しいものは素晴らしい。初期ポーションなら最高だったんだが…と言ったらまた怒られた。
从 ゚∀从 「…ふぅ。で、約束って何なんだ?」
( ^ω^) 「おっ、それ気になってたおー」
('A`) 「…約束ってのは…約束…」
ξ゚听)ξ 「…無理しなくていいわよ?」
('A`) 「いや、大丈夫だありがと、ツン。約束ってのは―――」
約束…あれは―――
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/31(金) 21:53:22.41 ID:mY+y9bXB0
- ―――10年前。
なんてことのない日だったはずだけど。
そのつもりだったけど、特別な日になった日。
('、`*川 「ドクオ」
('A`) 「んー?」
('、`*川 「ちょっといいかな?」
('A`) 「いいよー」
いつもと同じようにみえて、少し妙な感じがした。
けどそれは今だからこそそう思うだけ、かもしれない。
もうあの頃の事は、深く思い出せない。…思い出したくないのかもしれないが。
当時、ペニ姉ことペニサス伊藤の家庭は少し混沌としていた。
母の都村トソンさんは仕事漬け。父親の兄者さんは…失踪同然?
彼女はそのせいでいつも一人で、それでいて母親が教育熱心だったために、清廉で、厳格だった。
('、`*川 「あのね、今日ウチに泊まりに来ない?」
('A`) 「えー、なんでー?ペニ姉がウチに来ればいいじゃん」
('、`*川 「んーとね、それは無理なのよ。ごめんね」
- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/31(金) 21:54:16.32 ID:mY+y9bXB0
- ('A`) 「んー…ママとパパがいいって言ったらいいよー?」
('、`*川 「それじゃ、聞きにいこっか!」
('A`) 「うん!」
別に、泊まりに行く事は珍しい事じゃなかった。逆にペニ姉がうちに来ることもよくあった。
ペニ姉が普段家じゃ一人きりでも、家がすぐ近所だったから、簡単に許してもらっていたし。
寝る前にきちんと戸締りの確認もしてくれたし、夜遅くだけどトソンさんも帰ってきたし。
ところが、その日はいつもと違った。
そして、あの約束に至った。
('、`*川 「というわけで、今日はドックンにウチに泊まってほしいと思っているんですが、駄目ですか?」
J( 'ー`)し 「あら、いいわよ。それじゃ、いつも通り夕ご飯食べてくでしょ?」
('、`*川 「いえ、今日は…その、ドックンに私の料理を食べてほしくて…」
J( 'ー`)し 「あらあら、まぁまぁ…うーん、それじゃ、おばさんも手伝うから、ウチで作りなさい。ね?」
('、`*川 「はぁ…しかし、迷惑じゃありませんか?」
J( 'ー`)し 「何言ってるの、むしろおかずが増えてドクオも喜ぶわ」
('、`*川 「はぁ、では、お言葉に甘えさせていただきます」
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[また規制されそうで怖い] 投稿日:2009/07/31(金) 21:56:25.88 ID:mY+y9bXB0
- ( ФωФ) 「…ドクオ」
('A`) 「なに、トーチャン」
( ФωФ) 「ペニサスちゃん…いい嫁さんになるぞ、あれは」
('A`) 「ふーん」
( ;ФωФ) 「いやいやいや、お前の嫁さんだよ!」
('A`) 「ふーん」
( ;ФωФ) (何か…教育、間違ったかな…?)
そんなこんなで夕食を終え、午後8時、ペニ姉の家へ。
この2時間後が契機の始まり。
3時間後、約束を交わした。
( 、 *川 「ドクオ」
('A`) 「なーに?」
( 、 *川 「ごめんね…私が弱いから…利用しちゃって、ごめんね」
('A`) 「?」
玄関のドアをノックする音。決して五月蠅くは無い。
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/31(金) 21:58:29.86 ID:mY+y9bXB0
- それでいて、確かに家中に響き渡る音。
続いて、声。これも、決して五月蠅くは無い。
ただし、そこからは確かな恐怖が、威圧感が感じられた。
( ・∀・) 「都村さーん?いや、兄者さーん?どっちでもいいんだけどさー、開けてくんない?」
( ・∀・) 「夜中だしさー、あんま迷惑かけたくないっしょ?」
( ・∀・) 「それとも居留守ですかー?www」
(;'A`) 「ペニ姉、呼んでるよ…?」
( 、 *川 「いいから…じっとしてて…」 ギュッ
(;'A`) 「…」
彼女の体は震えていて、俺は幼さのせいか、何も出来なくて…
( #・∀・) 「…いい加減にしろよ?」 ガンッ
(;'A`) 「ヒッ」
(;、;*川 ギュッ
(;'A`) 「…」
- 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/31(金) 21:59:49.45 ID:mY+y9bXB0
- 唯一できたのは、トーチャンに電話すること。
出来るだけ音をたてず、こっそりと。
気付かれればどうなるか、それは全く想像できなかったから、ひっそりと。
( #・∀・) 「はぁ…居るのは分かってんだよ、電気つけっぱだぞ?オラ、出て来いよ」
( ФωФ) 「ほう…吾輩の気配が、読めたか」
( ;・∀・) 「なっ…誰だよオッサン!」
( ФωФ) 「この家に泊まりにきてる我が可愛い息子のトーチャンだ」
( ;・∀・) 「は?」
( ФωФ) 「とりあえず、うん、そこ、ドア壊れてるよね」
( ;・∀・) 「あぁ、で?」
( ФωФ) 「ごめんなさいしないといけないよね」
( ;・∀・) 「は?」
( ФωФ) 「は?じゃなくて、ごめんなさい、でしょ?」
( ・∀・) 「…あ?」
( ФωФ) 「あ?じゃなくて」
( #・∀・) 「は?」
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/31(金) 22:02:25.41 ID:mY+y9bXB0
- ( ФωФ) 「あぁ、なんだ、日本語が不自由なの?でもごめんなさいくらい言えるでしょ?ご・め・ん・な・さ・い」
( #・∀・) 「あのさー…俺が誰だか、分かってる?」
( ФωФ) 「クソ雑魚チンピラでしょ?」
( #・∀・) 「…クソが!」 ブンッ
( メФωФ) 「痛っ」 ベチッ
( #・∀・) 「ほら、痛いだろ?失せろよクズ」
( メФωФ) 「…ごめんなさい、は?」
( #・∀・) 「まーだ殴られ足りない?今度コレ使う?ナイフ使うよ?」
( メФωФ) 「…見せてみなさい」
( #・∀・) 「ほら」
( メФωФ) 「あー…君のアレと同じで短いね(笑)」
( #・∀・) 「良し、うん、お前ちょっとマジうぜぇ」 ヒュッ
( メФωФ) 「危なっ」 サッ
( #・∀・) 「…避けんなよ、カス」
( メФωФ) 「…まぁ、これ十分だよね」
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/31(金) 22:06:11.41 ID:mY+y9bXB0
- ( #・∀・) 「は?」
( メФωФ) 「いや、正当防衛。そんなんで刺されたら吾輩死んじゃうよ。だから、十分だよね」
( #・∀・) 「で?」
( メФωФ) 「急迫不正の侵害に対して、自己または他人の利益を守るため、やむを得ずした行為は、罰しない」
( #・∀・) 「は?」
( #ФωФ) 「というわけで、正当防衛パーンチ!」 ブンッ
⊃)# ∀ ) ブベッ
( #ФωФ) 「正当防衛ナックル!」 ゴッ
(# ∀ #(⊂ ブベッ
( #ФωФ) 「正当防衛―――」
(゚、゚;トソン 「ちょ、ロマさん、何やってんですか!」
…まぁ、そんなこんなでなんとかそのチンピラは追い払えた。
というか、警察の人いわく、警察病院に即入院、後遺症残るかも…とのことだった。
やり過ぎ気味のトーチャンは、辛うじて正当防衛が認められてたなぁ。
そして、時が来た。
ここからが肝心の約束の中身だ、長くてごめん。
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/31(金) 22:08:00.96 ID:mY+y9bXB0
- (;、;*川
(;'A`) 「トーチャン来たし…トソンさんも帰ってきたから、もう大丈夫だよ…ペニ姉…」
(;、;*川 「ごめんね…ドクオ、ごめんね…」
(;'A`) 「いいよ…ペニ姉も怖かったんだよね…」
(;、;*川 「ごめんね…」
(;'A`) 「…」
結局自分では何もできなかったのと、謝罪と。
それらがどうしようもなく、俺が情けないように感じて。
そうして、決意した。
(;、;*川 「ごめんね…」
(;'A`) 「…もう謝らなくてもいいよ…何もできなかったし…」
(;、;*川 「…」
(;'A`) 「ペニ姉…」
もう終わったのに、それでも尚俺にしがみ付いて泣く、厳格、清廉の筈のペニ姉を見て。
強く見えてたのに、その弱さに触れて。
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/31(金) 22:10:38.36 ID:mY+y9bXB0
- (;、;*川 「ごめんね…」
('A`) 「もういいって…それに、僕、決めたんだ」
(;、;*川 「?」
('A`) 「もうペニ姉が謝らなくていいように…」
('A`) 「僕、強くなるから。それで、ずっと一緒にいて、ペニ姉を守ってあげるから」
('A`) 「だから、もう謝らなくていいし、怖くないよ」
(;、;*川 「…」
(;、;*川 「…ほんとに?」
('A`) 「…うん!」
(つ、;*川 「…」 ゴシゴシ
('、`*川 「じゃあ、お願いね、ドクオ、約束よ?」
(*'A`) 「うん!」
これが、約束。
まぁ、要点だけまとめると、ペニ姉と一緒にいて守ってあげる、ってことだな。
今思うと、これ、なんか告白みたいだな。
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/31(金) 22:12:44.71 ID:mY+y9bXB0
- ('A`) 「…と、まぁ、これがその約束だ」
( -ω-) スー…スー…
ξつ-)ξ 「んー…」
(*´・ω・`) 「ふぅ…はぁ…」
('A`) 「…」
从 ゚∀从 「まぁ…青いな、うん」
('A`) 「…あぁ、なんとでも言ってくれよ…」
从 ゚∀从 「まぁ、そう言わずにさw …で、約束を破った、ってのはどういうことだ?」
('A`) 「ん、あぁ、アレはだな、えっと―――」
从 ゚∀从 「まぁ、その前に、だ。ちょっと待ってくれ」
从#゚∀从 「おいちょっとお前ら起きろ!」
( つω-) 「んー…」
ξつ-)ξ 「起きてるわよ…」
(´・ω・`) 「僕はきちんと起きてたよ」
从#゚∀从 「うっせぇお前は黙ってろ」
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/31(金) 22:15:04.71 ID:mY+y9bXB0
- ( ^ω^) 「おっ、で、破ったってどういうことだお?」
('A`) 「んー…まぁ、そんな気がするってだけなんだけどな…」
ξ゚听)ξ 「まぁ、それは私たちも考えてあげるわ。とりあえず話しなさい」
从 ゚∀从 「だな。とりあえず、先ず話せって」
(´・ω・`) 「早くしてよー」
从 ゚∀从 「…」
<プチッ …ア…アアアアアアアアアアアア!!!!!!!
(;'A`) 「…まぁ、いいや…続き、というか、破ったって思うあたり、話すわ」
从 ゚∀从 「あぁ、頼むわ」
('A`) 「まぁ、こっちは手短に済ますけどな」
('A`) 「あれは…そうだな、4年前か」
('A`) 「5年前、急にメールが来てな。『たすけて』って。でも、授業中でな」
('A`) 「真面目だったから、その時は無視…いや、メールは返したけどな。」
('A`) 「その返事が『何でもない、急にゴメンね』とか、そんなんだったから、結局そのまま放置しちゃって…」
( ^ω^) 「おー…まぁ、何でもないって言うなら…」
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/31(金) 22:18:26.59 ID:mY+y9bXB0
- ξ゚听)ξ 「…ブーン、本音と建前、分かる? ドクオ、続き」
('A`) 「あぁ。で、その頃くらいからなんか態度が変わって…」
('A`) 「それから、なんか余所余所しくなって…疎遠になって、か」
('A`) 「それで、ここ1年くらいはほとんど連絡なくて、久々の連絡があれだったから」
('A`) 「あの時何もできなかったのが…きちんと対応しなかったのが、約束を破った、みたいになったのかなって」
('A`) 「…まぁ、そんなとこ…だな」
从 ゚∀从 「…ふむ」
ξ゚听)ξ 「うーん…」
( ^ω^) 「おー…それは、たぶんドクオが悪いお」
('A`) 「…やっぱり…か?」
( ^ω^) 「だって、助けてって言われたんだお?約束してたんだお?」
( ^ω^) 「だったら、せめてそこで終わらずに後で電話するとか、すればよかったんじゃないかお?」
('A`) 「あー…それもそうだな…」
( ^ω^) 「だおだお。」
ξ゚听)ξ 「…ブーンの言うことも一理あるわね。…ところで、なんてメール返したの?」
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/31(金) 22:20:46.97 ID:mY+y9bXB0
- ('A`) 「え?」
ξ゚听)ξ 「助けて、のメールの返事よ」
('A`) 「あぁ、確か…『今授業中だから、あとで電話しようか?』みたいな、そんな感じ」
ξ゚听)ξ 「で、返事が『何でもない』だけ?」
('A`) 「俺も気になってさ、一応『ほんとに大丈夫?遠慮しないでよ?』って返事し直したんだよ」
('A`) 「そしたら返事は『いいから授業に集中しなさい』とかでさ、あぁ、大丈夫そうだな、って」
ξ゚听)ξ 「…ふむ」
从 ゚∀从 「…意地張っちゃった、ってとこ…か?」
ξ゚听)ξ 「そうね、有り得るわね」
( ^ω^) 「…」
( ^ω^) 「…すぐに話を聞いてもらえると思ってたのに、後でって言われて、がっかりしたんじゃないかお?」
ξ゚听)ξ 「…それも有り得るわね」
从 ゚∀从 「いや、後で電話するって言ったのを拒否ったってのを見ると、そうでもないんじゃないか?」
ξ゚听)ξ 「だから、意地よ、意地。すぐに話を聞いてもらえると思ったのに、もういいや、みたいな。ある意味スネた感じ?」
从 ゚∀从 「それなら、ドクオにゃ何ら非は無いだろ?きちんと話聞こうと思ってたんだから」
- 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/31(金) 22:22:28.40 ID:mY+y9bXB0
- ( ^ω^) 「だから、約束してたんだお?けど、破られたように感じた、と」
从 ゚∀从 「いやいや、だから、拒否ったのは向こうだろ?ドクオは守ろうとしてたし」
( ^ω^) 「けど、結局はこうなってしまったお?なんなら、その時授業を抜ければ良かったんだお」
ξ゚听)ξ 「授業を抜けるって…今ならともかく、高校時代にそこまで自由にできると思う?」
( ^ω^) 「だったら、授業が伊藤さんより大事だったってことかお?」
ξ゚听)ξ 「…それは違うでしょ」
从 ゚∀从 「…」
( ^ω^) 「なら、伊藤さんが授業より大事だったなら、授業を抜ければ良かったお?トイレとでも言えば簡単だお」
ξ゚听)ξ 「…あんた、それh―――」
从#゚∀从 「そんなこと、ドクオがするわけねぇだろ?」
( ;^ω^) 「おっ…」
从#゚∀从 「あの時のドクオがどんな気持ちだったか、忘れたのか?」
( ;^ω^) 「いや、それは…」
从#゚∀从 「希望の高校落ちて、滑り止めの高校へ行って。大学こそはって、入学早々思いつめてた時期だぞ?」
( ;^ω^) 「おー…」
- 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/31(金) 22:25:24.32 ID:mY+y9bXB0
- 从#゚∀从 「友達なのに、そんなことすら忘れたか?あ?」
( ;^ω^) 「お、覚えてるお!ただ…」
从#゚∀从 「ただも何もねぇよ。言い訳すんな」
( ;^ω^) 「…」
从#゚∀从 「黙ってんz―――」
('A`) 「いいよ、ハイン、もう。ありがとう」
从#゚∀从 「でもよ…」
('A`) 「いいから。ハイン怒ると怖いから、ちょっと落ち着いて」
从 ゚∀从 「…」
从´゚∀从 「…あぁ、ゴメン」 コワイッテ イワレタ
ξ゚听)ξ 「…まぁ、そんなの私たちがいくら考えたって、答えなんて出ないわよ」 アーハイハイ ヨシヨシ
(メ´・ω・`) 「…で、どう、ドクオ、ちょっとは気、楽になった?」
('A`) 「…ん、あぁ」
( ;^ω^) 「おー…ドクオ、ごめんお」
('A`) 「…いいって」
- 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/31(金) 22:27:58.01 ID:mY+y9bXB0
- 从 ゚∀从 「で、気が楽になったところで、ドクオには一つ決めてもらおうか」
( ^ω^) 「お?」
ξ゚听)ξ 「そうね。ドクオ、今日、どうするの?説明、あるんでしょ?」
('A`) 「んー…やっぱ、なんか嫌…かな」
ξ゚听)ξ 「…まぁ、それなら仕方ないわね。無理しない方がいいし」
从 ゚∀从 「だな。会って、余計な感情が出てくると余計に辛くなるしな」
( ^ω^) 「おっ、なら、パーっと飲むお!気晴らしだお!」
('A`) 「いや、俺はまだ未成年…」
( ^ω^) 「ブーンたちは成人だから問題ないおw」
从 ゚∀从 「よし、なら、ちょっと買いだしn―――」
(´・ω・`) 「ちょっと待った」
ξ゚听)ξ 「? なによ、ショボン」
(´・ω・`) 「ドクオは、きちんと伊藤さんに会った方がいい」
( ^ω^) 「どうしてだお?」
从 ゚∀从 「余計に辛い思いしたらどうすんだよ」
- 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[規制とかサルとか怖いですね] 投稿日:2009/07/31(金) 22:29:48.02 ID:mY+y9bXB0
- (´・ω・`) 「きちんと会って、その辺も確かめるべきじゃないかな?」
(´・ω・`) 「このまま聞かないで置くって言うのもいいと思うよ」
(´・ω・`) 「ただ、それで悔いは残らない?」
('A`) 「…悔い?」
(´・ω・`) 「そう、悔い。子供が出来るってことは、家庭が出来るってこと。そうなれば、そう簡単には会えないかもしれない」
(´・ω・`) 「あとでいくら気になっても、もう確かめられないかもしれない。それでいいの?」
从;゚∀从 (コイツ…急にマトモな事を…)
( ;^ω^) (ハイン、やりすぎたんじゃないかお?)
ξ;゚听)ξ (病院連れてった方がいいんじゃない?)
('A`) 「…確かに、な。でも、嫌なんだよ。何か。それに、怖い」
('A`) 「これ以上、傷付くのは…怖いんだ」
( ^ω^) 「ふむ…なら、一人が怖いなら、誰かついて行くお?」
ξ;゚听)ξ 「流石にそれは無理があるわよ…」
( ;^ω^) 「おー…」
(´・ω・`) 「いや、手はあるよ」
- 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[そろそろ眺めに間隔を] 投稿日:2009/07/31(金) 22:30:45.63 ID:mY+y9bXB0
- ( ^ω^) 「お?」
(´・ω・`) 「赤の他人だから駄目なんだから…ドクオにとって特別な人が行けばいいんだよ」
(´・ω・`) 「『この人は僕の特別な人です』みたいな紹介ついでに、みたいな、さ」
(´・ω・`) 「なに、そこまで変なことでもない。伊藤さんのついでに、自分も紹介したい人がいる、みたいな、さ」
ξ゚听)ξ 「厳しいだろうけど…なんとかなりそうかもね」
(´・ω・`) 「でしょ?だから…」
(*´・ω・`) 「僕がいっしょn―――」
从*゚∀从 「よし、ならアタシが行ってやるよ!」
('A`) 「え?ハインが?」
从*゚∀从 「ツンにはブーンがいるだろ?」
ξ/// )ξ 「ちょ、ちょっと、ハイン!」
从///∀从 「だ、だからさ、俺が行ってやるよ」
('A`) 「…いいのか?」
从///∀从 「も、もちろん、だ」
('A`) 「…ありがとう、ハイン」
- 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/31(金) 22:34:39.77 ID:mY+y9bXB0
- 从///∀从 「い、いや、べ、別に礼を言われるほどのことでもねーよ」
(´゚ω゚`) (ぜったいゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさない)
(´゚ω゚`) 「あー、やっぱねーわ。ありえねーって。そういう場に部外者が行っちゃ駄目だろjk。うん言いだしといてなんだけど最低だわ」
('A`) 「…だよな…」
从 ゚∀从 「…」
( ^ω^) (…ツン)
ξ゚听)ξ (…) コク
<え?なに、ちょ、ツン?おいブーン、たすけt…
<アアアアァアァァァァッァァアァッァアッァアァアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!
( ^ω^) 「…そこは、ドクオが決めるべきだお」
('A`) 「…ハインさえ、よければ、俺はいいかなと思うんだけど」
从*゚∀从 「…お、俺はいくらでもいいぞ!」
( ^ω^) 「だってお。どーするお?」
('A`) 「…ハイン、頼む。ごめんな、こんなこと頼んで」
从*゚∀从 「い、いや、いいって!むしろありがとうな!」
('A`) 「…?」
- 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/31(金) 22:37:58.39 ID:mY+y9bXB0
- なんだかハインの様子が変だか、まぁいい。
誰かいてくれると思うだけで、少し気が楽だ。
これがいいことかどうかわからないけど…でも、ペニ姉の話、聞けそうだ。
いや、でもほんとにこれでいいのか…?
ペニ姉は本当に特別な人が出来たんだろう、それを話しに来るわけで、こっちは部外者付き…か。
いくら「付き合ってます」みたいな報告だからって、そりゃ俺人生初だけど…あれ?ちょっとまて、コレ…
('A`) 「…あ、ちょっと、不味い事に気づいたんだが…」
( ^ω^) 「お?」
('A`) 「いや、俺、ほら、彼女いない歴=年齢じゃん、それがそんな場で急に彼女連れてったら、さ」
('A`) 「なんか…すごい変なとこまで話飛びそうで…大丈夫かな?」
( ^ω^) 「おー…大丈夫なんじゃないかお?」
('A`) 「そうかな…な、ハイン、本当に大丈夫か?」
ξ゚听)ξ 「ハインなら一旦帰ったわよ?『場が場だからもっと落ち着いた服に着替えてくる!』って」
( ^ω^) 「おー、行く気満々だおね」
('A`) 「…まぁ、なんとかなる、かな…で、ショボン生きてる?」
(´ ω `) 「辛うじて…」
- 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/31(金) 22:41:06.04 ID:mY+y9bXB0
- まぁ、肝心のハインが乗り気みたいだし、なんとかなるだろう。きっと。
あとの不安はトーチャンカーチャンだが、騒ぎすぎなければいいけど。
ペニ姉は…想像できない。いや、ある意味この人が一番はしゃぎそうだ。
さて、あれから2時間、ハインが戻ってきた。
普段と全然違う、装飾が少なく大人しめの色合い。
なんか…いいな。
从 ゚∀从 「おう、待たせたな!」
ξ゚听)ξ 「あら、おかえり。…かなり落ち着いてるわね…」
( ^ω^) 「おー…本当にハインなのか疑えるレベルだお」
从#゚∀从
(^ω^; ) アウアウ
ξ゚听)ξ 「まぁ…確かに、ハインがそんな服持ってるとは思わないわね」
从;゚∀从 「ツンまで言うか…」
从 ゚∀从 (ドクオが前に大人しめの子がタイプって言ってたから…)
ξ゚听)ξ (あぁ…頑張るわね)
从 ゚∀从 (ったりめーだろw)
- 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/31(金) 22:44:43.99 ID:mY+y9bXB0
- ('A`) 「ん…まぁ、いいと思うけどなぁ…」
从*゚∀从 「だろ!?」
('A`) 「うん。普段みたいなジーンズじゃなくてスカートって、すごくいい」
从*゚∀从 「そ、そうか!よかった!ありがとうな!」
('A`) 「?…え、あぁ、うん」
ξ゚听)ξ (ちょっとくらい気付きなさいよ…)
( ^ω^) (ドクオ…)
(´゚ω゚`)
('A`) 「さて…もうそろそろ1時間前…ってとこだが、そろそろ行くか?」
从 ゚∀从 「まだ早くないか?」
('A`) 「んー…ペニ姉が来てから説明すんのもなんだし、早めに行って先顔合わせといた方がいいんじゃないか?」
ξ゚听)ξ 「そうね。その方がいいかもね。万が一駄目だったら、戻ってこれるでしょ?」
('A`) 「だな」
从 ゚∀从 「うーん…なら、行くか」
- 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/31(金) 22:50:35.51 ID:mY+y9bXB0
- というわけで、出発することになった。
あぁ、やばい、結構ドキドキしてきた…
けど、ハインも居る。たぶん、大丈夫。壊れない。
('A`) 「んじゃ、行ってくるな」
从 ゚∀从 「邪魔して悪かったな、ブーン、ツン」
ξ///)ξ 「ちょ、ちょっと」
( ^ω^) 「おっ、気にしなくていいお。もう事後だったお」
ξ# )ξ
(;^ω^) 「…ほんとごめんなさい」
('A`) 「じゃ、また今度な。もしかしたら戻ってくるかも知んないけど…」
ξ゚听)ξ 「はいはい、行ってらっしゃい。あ、ハイン、ちょっと」
从 ゚∀从 「ん?」
ξ゚听)ξ (ドクオの両親の前でアピールしまくりなさい。こ周りから埋めるのも一つの手よ)
从;゚∀从 (あー…まぁ、やれるだけやってみるよ)
ξ゚听)ξ それじゃ、行ってらっしゃい。
从 ゚∀从 「おぅ!」
- 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/31(金) 22:53:40.14 ID:mY+y9bXB0
- ('A`)ノシ
从 ゚∀从ノシ
( ^ω^) 「…ふぅ、大丈夫かお、ほんとに…」
ξ゚听)ξ 「まぁ…なんとかなるんじゃないかしら」
( ^ω^) 「おー…だといいけど」
ξ゚听)ξ 「まぁ、二人を信じましょう」
(´・ω・`) 「さて…それじゃ僕も行こうかな」
ξ゚听)ξ 「…どこへ?」
(´・ω・`) 「決まってるだろ?二人を追って、ドクオの家へ。間違いがあっちゃいけないからね」
ξ゚听)ξ 「…ブーン」
( ^ω^) 「ショボン、わるいけど、ここに残ってもらうお」
(´・ω・`) 「ククク…できるかな…?」
( ^ω^) 「フンッ!」 バッ
(´・ω・`) 「クックック…」 ヒラッ
ξ;゚听)ξ 「クッ…このっ!」 バッ
(´・ω・`) 「甘い、甘い」 サッ
- 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/31(金) 22:55:05.34 ID:mY+y9bXB0
- (´・ω・`) 「ククク…それじゃ、ごきげんよう、お二人さん!」 ダッ
ξ;゚听)ξ 「クソ、逃げられた!ブーン、追って!」
( ^ω^) 「合点承知だお!」 ダッ
と、まぁ、こんなことがあったとかなかったとか。
まぁ、とりあえず俺たちは家に着いた。着いてしまった。
あぁ、心臓が、鼓動が―――
从 ゚∀从 「ドクオ、何やってんだよ」
('A`) 「ん、あぁ、やっぱちょっと、な…ホントにいいのか?」
从 ゚∀从 「いいって言ってんだろ?ほら、行こうぜ?お前が入ってくれないと俺どうしようもないし」
('A`) 「ん、あ、分かった」
そうして深呼吸。よかった、ハインがいて。
たぶん一人だったらこの場で引き返してたな…
あとでハインにはまたお礼言おう。
('A`) 「…ただいまー」
从 ゚∀从 「お邪魔しますー」
- 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/31(金) 22:58:40.96 ID:mY+y9bXB0
- J( 'ー`)し 「はいはいお帰りなs…あらあらまぁまぁ」
(;'A`) 「…何だよ」
J( 'ー`)し 「可愛いお嬢さんを連れて…」
J( 'ー`)し 「…デリヘルっていうやつかしら」
从; ∀从 デッ…
(;'A`) 「ちょ、ちげーよ!」
J( 'ー`)し 「あら、ごめんなさい…ならなに、そういうサービス他にもあるのかしら?」
(;'A`) 「彼女だよ、彼女!」
从*゚∀从
J( 'ー`)し 「彼…女…?あらやだ、幻聴かしら」
;'A`) 「ちげーよ、本物!事実!」
从*゚∀从 (やばい今なら大概のとこは許せそう)
J( 'ー`)し 「本当に…?」
从*゚∀从 「あ、はい、ドックンと、じゃない、ドクオさんとお付き合いさせていただいてます、ハインと申します」
J( 'ー`)し 「あらまぁ…さっきはごめんなさいね。カーチャンです」
- 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/31(金) 23:02:49.89 ID:mY+y9bXB0
- J( 'ー`)し 「それで…本当にお付き合いしてるのかしら?」
从*゚∀从 「はい!」
J( 'ー`)し 「なら…キスでもしてもらいましょうか」
(;'A`) 「おい、カーチャン!」
J( 'ー`)し 「付き合ってるなら、出来るでしょ?」
(;'A`) 「…」
从 ゚∀从 「…あの、すみません、それはちょっと…」
J( 'ー`)し 「どうしてかしら?」
从 ゚∀从 「いくらドックンのお義母さんの前でも、無理です。人前でそういうのはするなと育てられたので」
(;'A`) (ナイス!ハイン!)
从 ゚∀从 「そういうわけで、すみませんが無理です」
J( 'ー`)し 「…」
J( 'ー`)し 「ドクオ、でかしたわ」
(;'A`) 「…え?」
J( 'ー`)し 「それで、今日はどういった御用件で?」
- 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/31(金) 23:07:25.23 ID:mY+y9bXB0
- 从 ゚∀从 「はい、ドクオさんがお世話になった方がご懐妊なされたということで、その説明があると伺いまして」
从 ゚∀从 「前々からご挨拶させていただこうと思っていたのですが、なかなか踏ん切りがつかなかったもので」
从 ゚∀从 「ですから、この機会に乗じて、『折角だからめでたいことを同時に報告しよう』ということでして」
J( 'ー`)し 「…まぁ、おめでたいことはいくら重なっても困らないものねぇ」
J( 'ー`)し 「いいわ、上がっていきなさい」
从 ゚∀从 「よろしいんですか?」
J( 'ー`)し 「将来の娘ですもの…さぁ、お上がりなさい」
从*゚∀从 「それでは、失礼します!」
(;'A`) (あっれ今ものすごい話が飛躍しt)
从*゚∀从 「ドクオ!早く!」
(;'A`) (…まぁ、いいか)
(;'A`) 「分かった、今行く」
なんか絶対変な方向へ今話飛んだ…よな?
はぁ…だから乗り気じゃなかったんだよ…
…ま、今更悔やんでも仕方ない、か。
- 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/31(金) 23:13:40.81 ID:mY+y9bXB0
- ( ФωФ) 「ん、ドクオ、帰ったか」
('A`) 「ん、あ、ただいま、トーチャン」
( ФωФ) 「うむ。で、そちらのお嬢さんは?」
从 ゚∀从 「あ、初めまして。ドクオさんと(ry、ハインと申します」
( ФωФ) 「ふむ…ハインちゃん、か。うむ。ようこそ、である」
('A`) 「トーチャン、ペニ姉から何か連絡あった?」
( ФωФ) 「む、予定通りの時間に来ると言っておったぞ」
('A`) 「そうか…」
( ФωФ) 「ふむ…ドクオ、ちょっとちょっと。あ、ハインちゃんはそこらでくつろいでおいてくれ、である」
从 ゚∀从 「はい、分かりました」
('A`) 「…何?」
( ФωФ) (…どこまでいった?あれか?もうあれか?結婚するつもりであるか?)
(;'A`) (ちょ、トーチャン!)
( ФωФ) (ドクオ…逃がすなよ?)
(;'A`) (…)
- 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/31(金) 23:19:23.35 ID:mY+y9bXB0
- ( ФωФ) (お前は吾輩と違って奥手だから…ペニサスちゃんがああなったって聞いた時はお前もう駄目かと思ったぞ)
(;'A`) (…信用…無いのな…)
( ФωФ) (…まぁ、吾輩もうハインちゃんは娘のつもりだから。逃がすなよ?)
(;'A`) (…)
ほら、なんか変な事になった…
まったく。カーチャンもトーチャンも気が早すぎだ。
あとでもしこれが芝居だって分かったら、俺…ガクガクブルブル
J( 'ー`)し 「あら、もうトーチャンにも挨拶したのね」
从 ゚∀从 「あ、はい」
J( 'ー`)し 「それにしてもよかったわぁ…ドクオにもこんな可愛い彼女が出来て」
从*゚∀从 「か、可愛いだなんて、そんな…///」
( ФωФ) 「ふむ、普段のドクオがどんな感じか、教えてもらえんか?あまり学校でのこととか話してくれなくてな」
从*゚∀从 「いいですよ!」
J( 'ー`)し 「あら、それなら馴れ初めとかも聞きたいわ」
从*゚∀从 「是非!」
- 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/31(金) 23:20:57.58 ID:mY+y9bXB0
- ハインのアドリブ能力、というか記憶力には驚いた。
俺と初めて会った時のことだとか、事細かに覚えてた。
記憶力、いいんだなぁ。
そんなこんなで、世間話が暫く続いて。
ふと気が付けばもう約束の時間の10分前になっていた。
やべぇ…すごく緊張してきた。
―――そして、その時は、来た。
実際に顔を合わすのは…最後はどのくらい前だっただろう。
見た目もやはり変わったんだろうか。…俺の知ってるペニ姉では、無くなったのだろうか。
(゚、゚トソン 「こんにちはー、トソンですー」
( ФωФ) 「む、来たようである」
('、`*川 「こんにちは…」
J( 'ー`)し 「はい、いらっしゃい」
(;'A`) 「…ペニ姉…」
('、`;川 「…ドク…オ」
久しぶりに会ったペニ姉は―――やっぱり、厳格で、清廉な雰囲気だった。
ただ―――少しだけ、違う。その身に、命を宿しているのが、一目でわかった。
- 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/31(金) 23:22:11.71 ID:mY+y9bXB0
- (;'A`) 「あ…久し振り」
('、`;川 「うん…久し振り」
( ФωФ) 「む、まぁ、とりあえず座るといい」
(゚、゚トソン 「はい、失礼します」
('、`;川 「…」
J( 'ー`)し 「本当に久しぶりね…さて、先ずはおめでとう、ね。それで…その辺の、ほら、いきさつとか、教えてくれるんでしょう?」
('、`;川 「…はい」
(゚、゚トソン 「…では、先ず」
(-、-トソン 「ロマネスクさん、カーチャンさん、ドクオくん、誠に申し訳ございませんでした」
(;、; 川 「…すみませんでした」
(;'A`) 「…へ?」
( ;ФωФ) 「む?」
J( 'ー`)し 「…?」
唐突の謝罪。なにをいってるのか、わからない。
なんだよ、めでたい話じゃないのか…?わからない、わからない。
やっぱり、聞かなきゃ良かった、逃げれば良かった!
- 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[そろそろ区切りますかねっ] 投稿日:2009/07/31(金) 23:24:37.36 ID:mY+y9bXB0
- ( ;ФωФ) 「いや、いきなり謝られても分からんよ!」
J( 'ー`)し 「そうよ、先ず落ち着いて。順を追って説明してくれる?」
(゚、゚トソン 「はい」
('、`;川 「おかーさん、私が説明すr―――」
(゚、゚トソン 「いいから。お母さんに任せなさい、ね?間違いがあったら、そこを訂正してくれればいいから」
(;'A`) 「…」
(゚、゚トソン 「あれは、4か月前。この子が珍しくコンパとやらに行ったんです」
(゚、゚トソン 「就活の息抜き…でしょうかね。ほんとうに珍しい事です」
(゚、゚トソン 「そこで、ある男性と出会ったそうです。名前は伏せますが…」
(゚、゚トソン 「この子も、コンパで男性と知り合うなんて初めてだから、調子に乗ってしまったというか、油断したというか」
(゚、゚トソン 「とにかく、本当に馬鹿な子です。私の事は思えないくらい、浅はかな、愚かな―――」
( ;ФωФ) 「ちょ、トソンさん、落ち着いてください」
(゚、゚トソン 「…」
(゚、゚トソン 「すみません、取り乱しました」
(゚、゚トソン 「それでは、続きをお話しします」
- 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/31(金) 23:26:57.47 ID:mY+y9bXB0
- はは、もうすでについて行けない、はなしに。
いや、ついていきたくない?
もういやだ、いやだ、嫌だ、いやだ――――
从 ゚∀从 (…ドクオ、大丈夫か?)
(;'A`) (…ハイン?あぁ、ごめん、ありがとう。大丈夫だ)
…ハインがいてくれて良かった、危なかった。もう少しで、壊れそうだった。
ふぅ、ホントに、良かった。
ハイン、ありがとう。俺は本当にいい友達を持ったよ。
(゚、゚トソン 「…まぁ、とにかく、この子は所謂『お持ち帰り』されたんです」
(゚、゚トソン 「そして…言わずもがな、です。相手も相手です、初めての子を相手に、避妊もなしに。カスが」
( ;ФωФ) 「トソン…さん?」
(゚、゚トソン 「はぁ、すみません。頭に血が昇って、つい…」
( ;ФωФ) 「…カーチャン」
J( 'ー`)し 「一旦、休憩にしましょう。あなたも辛いでしょうが、ドクオも、ペニサスちゃんも辛いんです」
J( 'ー`)し 「ここらで一旦、この子たちに一息入れさせてあげましょう」
(゚、゚トソン 「…ありがとうございます」
- 79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/31(金) 23:29:20.41 ID:mY+y9bXB0
- ('、`;川 「あの…ところで、そちらの方は…?」
从 ゚∀从 「…あ、私はドクオの…彼女のハインといいます」
('、`;川 「…彼女…?ほんと?」
(;'A`) 「あ、あぁ、うん、ほんとだよ」
('、`;川 「…ふーん…」 ジロジロ
从;゚∀从
('、`*川 「…フッw」
(;'A`) 「な、なんだよ…」
('、`*川 「いや、別にw」
(゚、゚トソン 「気持ちを代弁するなら、『あのドクオがよくこんな子捕まえれたわね』、ってところかしら」
(;'A`) 「…」
( *ФωФ) 「wwwwwwwwww」
(;'A`) 「…トーチャン」
J( ゚∀゚)し 「wwwwwwwwwwww」
(;'A`) 「誰っ!?」
- 81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/31(金) 23:31:28.51 ID:mY+y9bXB0
- ん、なんとかペニ姉も少しリラックスできたみたいだ。よかった。
ハインが居て本当に良かった、うん。
とは言え、「まだマシ」というレベルだが。
(゚、゚トソン 「…さて、それじゃそろそろ続きの方、お話しさせていただいていいですか?」
( ФωФ) 「…む、うむ」
J( 'ー`)し 「アレだったらまた適当に休憩挟むからね」
(゚、゚トソン 「はい、ありがとうございます。では…」 ゴホン
(゚、゚トソン 「…この子、そんなにお酒を飲んでことなくて、結構飲んじゃたんでしょう」
(゚、゚トソン 「それでも、意識はわりとはっきりしてたみたいです。いや、記憶…ですかね」
(゚、゚トソン 「それでも、理性は飛んでいた、というか。それでも、その辺り、覚えていたみたいで」
(゚、゚トソン 「帰ってきて、酔いがさめた辺りで、顔面蒼白になって…それで、話してくれましたよ」
(゚、゚トソン 「とはいえ…時すでに遅し、でしたけどね」
( ФωФ) 「…相手は?」
(゚、゚トソン 「…相手は…あのカスは…!」
J( 'ー`)し 「そろそろまた休憩、かしら?」
(゚、゚トソン 「…いえ、すみませんが、もう少しなので、このまま話させてください」
- 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/31(金) 23:36:46.81 ID:mY+y9bXB0
- J( 'ー`)し 「…分かったわ」
(゚、゚トソン 「ありがとうございます。では、続き、話します」
(゚、゚トソン 「最初は私も楽観的でした。一回目でデキるはずがない、なんてね」
(゚、゚トソン 「この子が中々でしたから、そう思い込んでました。ところが、この有様でして」
(゚、゚トソン 「それで慌てて連絡を取ろうとしましたが、どうにも…」
(゚、゚トソン 「フサギコって名前だとかは分かりましたが、覚えがない、の一点張りで」
(゚、゚トソン 「この子はこの子で…ね」
( ФωФ) 「む…?」
(゚、゚トソン 「…この子は、純粋すぎるんですよ。それでいて、優しすぎる」
(゚、゚トソン 「あんな過程だと言うのに、生じた命に罪は無い、とかなんとかで、おろさない、とか」
(゚、゚トソン 「まぁ…私もそうで思いますけどね、バカですよ、まったく。養育費だって、取れるかどうか…いや、分捕りますけど」
(゚、゚トソン 「まぁ…そんなところです、かね」
( ФωФ) 「…ふむ」
J( 'ー`)し 「お疲れ様」
(゚、゚トソン 「いえ…お恥ずかしい話で、すみません」
- 84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/31(金) 23:39:59.74 ID:mY+y9bXB0
- ( ФωФ) 「…それで、産む、というのは、本気なんであるか?」
('、`;川 「…はい」
J( 'ー`)し 「…まだ学生で、それは無理でしょう。分かるでしょ?」
('、`;川 「…」
J( 'ー`)し 「どうしても、というなら、それはあなたとトソンさん、それから相手の人の問題だから、私は止められないわ」
J( 'ー`)し 「けどね、忠告しておくわ。現実はそう甘いものじゃない、分かるでしょ?」
('、`;川 「…」
J( 'ー`)し 「もうあまり時間は無いでしょうけど…よく考えなさい?」
('、`;川 「…はい…」
J( 'ー`)し 「…それから、トソンさん、ここからは私たち大人だけで話しましょう」
(゚、゚トソン 「わかりました」
J( 'ー`)し 「トーチャン」
( ФωФ) 「…うむ。…ハインちゃん、折角来てくれたのに、申し訳ないである。こんな話聞かせて…」
从 ゚∀从 「あ、いえ…そんな…」
( ФωФ) 「まぁ、ゆっくりしていってくれ、である」
- 85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/31(金) 23:42:33.31 ID:mY+y9bXB0
- 从 ゚∀从 「はい、お言葉に甘えさせていただきます」
( ФωФ) 「うむ」
産む?膿むって?うむって?
いやいやいや、子供が出来たんだ、産むものなんだろう。きっと。
相手がいないのに?どうするの?
壊れた。厳格?いやいや、厳しくなかったね、そういえば。至って普通だった。
清廉?いやいや、あれはきっと妄想だったんだ、思いこみ。憧れへの、思いこみさ。
あぁ、なんだ、普通の人だったのか。
じゃあ。あの約束は、意味をなさなかったんだね。いや、違う。
それどころか、むしろ、こっちが勝手に思い込んでいたんだろう。
はは、なんだ、なやんでるひつようなかったなー。
( A ) 「ははっ…あーすっきりした」
从 ゚∀从 「…?ドクオ?どした?」
( A ) 「ん、いや、うん、今日はありがとうな、ハイン」
从;゚∀从 「お、おい、なんか変だぞ…?」
( ∀ ) 「ん、あぁ、ちょっと出てくるわ」
- 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/31(金) 23:49:10.93 ID:mY+y9bXB0
- 从;゚∀从 「へ?いや、ちょっ、どこ行くんだよ、ドクオ!」
( ∀ ) 「んー?探し物」
どれ、ちょっと父親の顔みてみたいなー。
あくまで、興味本位で。いやいや、だってさ、ペニ姉の子供の父親だぜ?
あいさつしとかないとなー。
('、`;川 「ど、ドクオ?」
( ∀ ) 「んじゃ、行ってきまーすwww」
从;゚∀从 「あ、おい!」
ん、なんか、気分、よくなってきた!
はは、すごい、なんかすごくいい!さぁ、早く、走って行こう!
('、`;川 「ロマネスクさん、カーチャンさん、大変です!」
从;゚∀从 「ドクオがどっか行っちゃいました!」
( ;ФωФ) 「な、なんだと!」
J( 'ー`)し 「!」
- 88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/31(金) 23:50:54.32 ID:mY+y9bXB0
- ―――走り出して、どのくらい経っただろう。どのくらい進めただろう。
50m10秒だから、えーと、今が、えーと、12分ちょっと走ったから、
えーと、1800mの記録が…忘れた。どのくらい走れたんだっけ?
(;'A`) 「ヒィ…フゥ…もう…無理…走れない…」
こんなことなら、普段からもっと体力付けておくべきだった。
なんか、かっこ悪いな、これじゃ…
しかし、息切れのお陰で、少し冷静になれた。
('A`) (あー…やべぇ、何やってんだろ、俺。恥ずかしー…)
('A`) (探し物って、厨二病全開じゃん…うわぁ…)
そんな事を考えながら、息を落ち着かせつつ、それでも歩き続ける。
少しでも離れたい…歩いてるうちに、ギコとか言うやつに会うかもしれない。
それに、あんまり離れていないうちに見つかるのは…恥ずかしすぎる。
('A`) (ふぅ…かなり…落ち着いてきた…)
体力は無いけど、自慢できることがある。この回復の早さ。
気が付けば繁華街の近くまでやってきていた。
一応…周りを注意深く見ながら歩こう。
- 89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/31(金) 23:54:12.26 ID:mY+y9bXB0
- ミ,,゚Д゚彡 「―――んでよー、なんかさーこの前たべた女の親がさー、妊娠した、どうしろって言ってきてよぉ」
( ^Д^) 「ちょwwwやべぇじゃんwwwゴムつけろよwww」
ミ,,゚Д゚彡 「だってよ、向こう初めてなんだぜ?一回目くらい生だろwwww」
( ^Д^) 「最初で妊娠wwwwwフサ強ぇwwwwwwwwww」
ミ,,^Д^彡 「wwwwwwwwww」
( ゚∋゚) 「おい、お前ら、ちょっと下ネタストップ」
ミ,,゚Д゚彡 「wwww …なんでだよ」
( ゚∋゚) 「息子がヤバい。シンボル・オブ・ザ・メンがヤバい。直立不動」
( ^Д^) 「発情すんなwwwwwwww」
(#゚∋゚) 「生とか初めてとか興奮すんだろボケ!」
ミ,,^Д^彡 「wwwwwwwwww」
( ^Д^) 「wwwwwwwwww」
あれ、なんか聞こえた気がする。
…いやいやいや、「フサ」だけだもんな。「フサギコ」じゃないもんな。
…違う…よな?いくらなんでも、ご都合主義がすぎるだろ…?
- 90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/31(金) 23:59:30.26 ID:mY+y9bXB0
- ( ^Д^) 「フサ、フサ、ちょっと実況してみてくれよwww」
ミ,,^Д^彡 「実名やばいだろwww」
( ^Д^) 「いいからwww音声をリアルにwww」
( ;゚∋゚) 「おい、早まんな!落ち着け!俺の息子も落ち着け!」
ミ,,゚Д゚彡 「では…ゴホン」
ミ'、`*彡 「フサさん…私、初めてで…」
ミ,,゚Д゚彡 「いいからまかせて…ペニサスちゃん」
ミ'、`*彡 「…あっ…そこ…恥ずかしいです///」
ミ,,゚Д゚彡 「ここ…すごいことになってるよ?」
ミ'、`*彡 「…アン…///」
ミ,,゚Д゚彡 「…ああ…入れるよ…?ペニサスちゃん…」
ミ'、`*彡 「…はい…///」
ミ,,゚Д゚彡 「あぁ…すごk―――( ;゚∋゚) 「はいストッp (#'A`) 「はいストォォオオオオオオップ!」
( ;^Д^) 「…は?いやお前誰?」
ミ;゚Д゚彡 「ンだよお前…」
- 93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/01(土) 00:06:44.57 ID:lcyxNieP0
- (#'A`) 「はいそこのダスキン!お前今『ペニサス』つったな?『ペニサス伊藤』だな?」
ミ;゚Д゚彡 「は?ちょ、なんで知って…」
(#'A`) 「はいアウトー!お前ちょっとこい!うん、来い!俺の家に来い!今すぐ!」
ミ#゚Д゚彡 「は?マジうぜぇ、ちょ、うぜぇ、放せよオイ!」
(#'A`) 「黙秘権も認めませーん!黙ってこいモップ!」
ミ#゚Д゚彡 「あ?ちょ、あんま調子乗んなよ?」
(#^Д^) ⊃)#'A`) 「うるせブアッ!」
(#^Д^) 「おいフサ、こいつ知り合いか?」
ミ#゚Д゚彡 「知るかよ」
(#^Д^) 「んでも女の名前知ってたじゃん」
ミ#゚Д゚彡 「あー…吐かせりゃ良くね?」
(#^Д^) 「おっけーい!クックル!やんぞ!」
( ゚∋゚) 「…ウッ」
(#^Д^) 「おい!」
( ゚∋゚) 「…おk」
- 94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/01(土) 00:11:27.73 ID:lcyxNieP0
- (#^Д^) 「んじゃ先ず俺から―――」
('、`;川 「ドクオ!」
(;'A`) 「ッ! ペニ姉!」
ミ#゚Д゚彡 「あー…?あー、ンだよ、なんか来たんだけど」
(#^Д^) 「あ?あ、コイツがあれか?言ってた女か?」
ミ#゚Д゚彡 「あぁ、そうだ」
( ゚∋゚) (ヤバい胸おっきい可愛い)
( *゚∋゚) (この子が…ハァハァ)
(#^Д^) ⊃)*゚∋゚) (くそフサうぜぇマジそのうち下剋上するけど今こr) ベァッ!
(#^Д^) 「お前はまた何考えてんだよ!」
ミ#゚Д゚彡 ⊃)*゚∋゚) 「不埒なkトィエァッ!」
(#^Д^) 「…で、何、邪魔なんだけど、どっか行ってくんない?」
('、`;川 「すみません、この子がなんか言ったみたいで…すみません、連れて帰りますんで」
ミ#゚Д゚彡 「いやいやいや…そうもいかねぇって。お前もどうせ金せびりに来たんだろ?」
('、`;川 「違います、この子を探しに来ただけです。もうそのことは放っておいてください。一人ででも育てられますから」
- 96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/01(土) 00:15:10.65 ID:lcyxNieP0
- ミ;゚Д゚彡 「…は?」
('、`;川 「それでは、失礼します。ドクオ行くよ?」
ミ;゚Д゚彡 「いやいや、ちょっと待てって、は?産むの?は?」
('、`;川 「…その辺はもう関係ありませんから…では」
ミ;゚Д゚彡 「…いやいや…は?…いや、は?何言ってんの?は?いや関係ねーならいーけど、は?」
( ゚∋゚) (…このパターン…後で裁判所を通じて金取られるパターン!)
( ゚∋゚) (…フサ、フサ)
ミ;゚Д゚彡 (…あ?)
( ゚∋゚) (6行上)
ミ;゚Д゚彡 (…はあああああ?やべーじゃん、俺やべーじゃん、どーする!?)
( ゚∋゚) (転ぶ→お腹ぶつける→\(^o^)/)
ミ;゚Д゚彡 (…それは流石にやべーだろ!)
( ゚∋゚) (ですよねー。行ってきまあああああす!) ダッ
ミ;゚Д゚彡 「ちょ、馬鹿!おいプギャーそいつ止めろ!」
(#^Д^) 「あ?お、まかせろ!」 ダッ
- 98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/01(土) 00:21:19.95 ID:lcyxNieP0
- ( ゚∋゚) 「うわちょっと追いかけてくんなよ!(棒)」
(#^Д^) 「いいから止まれゴラァ!」
( ゚∋゚) 「うわあ今の怒鳴り声にびっくりして躓いた前の人危なあああい!!!!!(棒)」
('、`;川 「―――え?」 ドンッ ドシャッ
(;'A`) 「―――ッ!!! ペニ姉!」
( 、 ;川 「…え?なに、これ、痛い…?え?」
( ゚∋゚) 「え、ちょ、大丈夫ですか!?誰か、救急車お願いします!自分も探してきます!(棒)」 ダッ
(#'A`) 「あ、おい、待てよおいわざとだろ!」
流石に、典型的パターンもこうも続くと、どうすればいいかわからない。
どうすればいいかわからない、けど、アイツ捕まえてこなきゃ!
そう思って走り出そうとして、腕を捕まれた。
( 、 ;川 「ドクオ…助けて……!」
(;'A`) 「ぺ、ペニ姉!」
あぁ、そうだ、先ずペニ姉助けなきゃ。
救急車、先ず、救急車。さっきのアイツは信用できないから、まず、きゅうきゅうしゃ。
それで、次は、えーと、あぁ、どうすればいいんだっけ―――?
- 100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/01(土) 00:23:51.91 ID:lcyxNieP0
- ―――あれから1ヶ月。ペニ姉の体調もかなり良くなった。
残念ながら宿した命は…だけど、後遺症の心配は無いらしい。
それだけが唯一、幸いだった。
肝心のあの鳥は、消息がつかめない。
トソンさんが色々と動いてくれたみたいだけど―――
(゚、゚トソン 「駄目ね、全然消息がつかめない」
('A`) 「…あの、あのフサとか言う奴なら何か知ってるんじゃないですか?」
(゚、゚トソン 「…そうよ、だけどね…」
(#'A`) 「だけども何もありませんよ!…こんなの、どう考えても法に引っかかるじゃないですか!」
(゚、゚トソン 「…そうよ」
(#'A`) 「…じゃあ…!」
(゚、゚トソン 「でもね、無理なのよ。私個人では、どうしようもないわ。」
(゚、゚トソン 「ああいうことをやれって指示したんでしょ、って聞いてもね、『そんなことしてない、むしろ止めようとした』の一点張りだし」
(゚、゚トソン 「居場所を知ってるなら言わないと法で罰せられるわよ、と言っても『知らない』の一点張り」
(゚、゚トソン 「警察も、偶然の事故だってことで取り扱ってくれなかったわ。あとは民事だ、自分たちでやれ、ってね」
( 、 トソン 「もう…完全に手詰まり、よ」
- 102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/01(土) 00:27:54.91 ID:lcyxNieP0
- ―――とのこと。
全く、警察は何やってんだろう。そう思った。
俺は法律には全く疎いから分からないが、こんなの許されるべきじゃない!
肝心のペニ姉は、わりと元気で、安心している。
「どうせ父親もいない命なら、こっちの方が良かったのかもね」、とさえ言っていた。
…いや、これは元気なんだろうか。いや、きっと、大丈夫。
―――肝心の俺は。
俺は、どうなんだろう。立て続けに色々あり過ぎて、どうなんだろう。
ブーンやツン曰く、意外と大丈夫そう、らしい。ただ。
从 ゚∀从 「…ドクオ」
('A`) 「…ん?」
从 ゚∀从 「いや…なんでもない、大丈夫かなって」
('A`) 「…それ、もう今日だけで6回目だぞ?」
从 ゚∀从 「…ごめん、しつこいよな、ごめん」
('A`) 「いや…いいよ、気を使ってくれてありがとう」
ハインだけは、こんな感じで気にかけてくれている。
凄くいいやつだ。こんな友達がいて、本当に、よかった。だからこそ、意外と平気でいられるのかも知れない。
- 104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/01(土) 00:33:29.06 ID:lcyxNieP0
- だけど。
どうしても、忘れられない。わすれるわけにはいかない。
あの鳥、どうにかしなきゃ、ペニ姉に、謝らせなきゃ。
そう思って、ずっと自分でも色々と探してた。
直接あの鳥を探したり、フサの家を探したり。
けれども、中々みつからない。どうしたものか―――
( ФωФ) 「ドクオ、ちょっと」
('A`) 「なに?トーチャン」
( ФωФ) 「…お前、最近探しまわってるそうだな」
('A`) 「…何を?」
( ФωФ) 「あのフサとかいう奴を、だ。家を。それと、鳥。クックル、だったか」
('A`) 「…うん。ペニ姉に、謝らせようと思って」
( ФωФ) 「…それで、ペニサスちゃんが余計に傷付いたら?会わなくて済むのに、会わせて、傷付けたら?」
('A`) 「流石の俺でもそのくらい分かるよ…だから、せめて、一筆書かせようと思って」
( ФωФ) 「…ふむ。…が、これ以上はやめておけ」
('A`) 「…なんで?」
- 105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/01(土) 00:34:31.31 ID:lcyxNieP0
- ( ФωФ) 「…なんででも、である」
('A`) 「…分かったよ」
( ФωФ) 「うむ」
何故かはわからないが、トーチャンから凄まじい気迫を感じた。何故だろう。
流石にトーチャンを怒らせるほど無謀じゃないから、俺が探すのはもうやめにしよう。
俺自身が探すのは、ね。
('A`) 『…あ、もしもし、ショボン?』
(´・ω・`) 『ドクオか…うん、用件は分かってる。そして、きちんと掴めたよ、フサの家』
('A`) 『…!マジか!頼む、教えてくれ!』
(´・ω・`) 『勿論だよ。そのために調べたんだからね。場所は―――』
(´・ω・`) 『でも、気を付けてね?アイツの家は、よくあるパターンだけd('A`) 『ありがとう、ショボン!ほんとありがとう!』 ブツッ
(;´・ω・`) 『あ、ちょっ、ドクオ!? …あー…』
(*´・ω・`) (まぁいいや、お礼言われちゃったwwwエヘヘwww)
よし、これで準備はOKだ。
あいつら、腕っ節は強かったが、話し合うだけだ、余裕だろう。
さぁ、行こう。
- 107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/01(土) 00:37:59.63 ID:lcyxNieP0
- 从 ゚∀从 「こんにちはー、お邪魔しますー、ハインですー!」
J( 'ー`)し 「あらあら、いらっしゃい。ここのところ、毎日ね?」
从 ゚∀从 「はぁ…こんなときだから、ドクオの傍にいてあげたくって」
J( 'ー`)し 「あらまぁ…ちょっとまってね、ドクオ今呼ぶからね」
( ФωФ) 「む、その必要は無いぞ。直接部屋に行くといいのである。ハインちゃん、こんにちは」
从 ゚∀从 「こんにちは、ロマネスクさん」
今日は、走らない。逃げるわけでも、追うわけでもないから。
それに、今走って肝心なところで疲れてちゃ、意味がないからね。
この一歩一歩が、さらに俺に覚悟させるような、そんな心地もする。
从;゚∀从 「大変です!ドクオがいません!」
( ;ФωФ) 「むぅ!アイツ、あれほど止めたのに!」
J( 'ー`)し 「大変ねぇ…」
( ;ФωФ) 「カーチャン、流石にもっと焦るべきである!」
J( 'ー`)し 「いいえ、焦らなくていいわ。頼れるヒーローがいるじゃないですか。ここに、ね?」
( ;ФωФ) 「…ふむ」
- 108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/01(土) 00:41:54.39 ID:lcyxNieP0
- 从;゚∀从 「あ、あの、私探しにいってきます!友達にも言わないと!行ってきます!」 ダッ
J( 'ー`)し 「…『行ってきます』ねぇ…いいわぁ…順調にお嫁さんに近づいてる…!」
( ;ФωФ) 「カーチャン、それはまだ早すぎるである」
J( 'ー`)し 「あらあら、私ったら…それじゃ、あなたも、そろそろ」
( ФωФ) 「…うむ」
J( 'ー`)し 「服は…アレ、ね?」
( ФωФ) 「うむ。…アレを着るのも、10年ぶりである」
J( 'ー`)し 「それじゃ、急いで用意するわね」
( ФωФ) 「いや、そう急がなくてもいいである」
J( 'ー`)し 「…あら、どうしてかしら…?」
( ФωФ) 「ヒーローは遅れてやってくる、そうであろう?」
J( 'ー`)し 「まぁ…それもそうねぇ」
( ФωФ) 「うむ!」
J( 'ー`)し 「でも、あんまりゆっくりしてると、ドクオが大切じゃないみたいに思えるわぁ」
( ;ФωФ) 「…」 ソレヲカーチャンガイウカ…
- 114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/01(土) 01:00:17.87 ID:lcyxNieP0
- (;'A`) 「ハァ…ハァ……やっと、着いた」
まさか普通に歩いただけでこんなに疲れるとは思わなかった。
いや、きちんと距離考えなかった俺が悪いんだけど…
まさか、1時間もかかるとは、思ってなかった。挙句に坂道の連発とは。
(;'A`) (ふぅ…さて、ここで合ってるはず。……よし、行こう)
息を整えて、深呼吸。
別に暴力沙汰なんて起こすつもりは無いんだ。ただ、事の顛末を話して、謝らせるだけ。それだけだ。
もう一度、深呼吸。そして、チャイムを鳴らす。
('A`) (物凄く立派な家だな…広いな。純和風でこの広さ…か)
『はい。どちらさまでしょうか?』
('A`) 「あ、ドクオを申します。フサさんはいらっしゃいますか?」
『…お知り合いですか?』
('A`) 「ペニサス伊藤の件で話がある、とお伝えいただければ分かると思います。」
『…少々お待ちください』
- 115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/01(土) 01:04:44.69 ID:lcyxNieP0
- ('A`) (…にしても、ほんと広い家だな…政治家かなんかか?)
『…フサはご存じない、とのことですが』
('A`) 「そんなはずありません。『ペニサス伊藤の件で話がある』と、お伝えいただければ分かるはずなんですが」
『知らない、ということです』
('A`) 「だから、そんなハズh―――」
『知らねえって、何度言えばわかんの?なぁ』
(;'A`) 「いや、だから、知らないはずは無いんですが」
『あ?だから知らねぇtt――-え?は?……分かりました』
(;'A`) 「…?」
『…フサさんがお会いになるそうです。…どうぞ』
良く分からんが…扉が開いた。コレ、自動か…?
まぁ、それはどうでもいい。さぁ。ここからが勝負だ。
しつこく、また深呼吸して、中に入る。
中に入ってみると、外から見るよりもより広く感じた。
なんだこの家…やっぱ政治家か、何かか?
戸惑っていると、案内役?みたいな人が来た。
- 117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/01(土) 01:07:52.08 ID:lcyxNieP0
- ( メд゚ ) 「…どうぞ、こっちです」
(;'A`) 「あ、は、はい」
びっくりした…なんだこの人、ガタい良すぎだろ。
やっぱアレだ、この家政治家だ。この人はきっとSP的な、警護的な人だろう。
…まさか、ヤのつく…じゃないよな?
( メд゚ ) 「…ココです」
(;'A`) 「あ、はい、ありがとうござい…ます」
軽くお礼を言うと、そのままその人はどこかへ行ってしまった。
やはり忙しいんだろうか。
…いや、ちょっとまて、やっぱあの人顔に大きな傷が…え?
そんなことを考えていると、不意に声をかけられた。
それもそうだ、用があると言ってこっちから乗り込んでおいて、部屋にまで来て、
それで黙ってたら当然だよな。
ミ,,゚Д゚彡 「…で、何の用だよ」
('A`) 「…ペニ姉のことだよ」
ミ,,゚Д゚彡 「…誰だよ」
- 119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/01(土) 01:12:19.90 ID:lcyxNieP0
- ('A`) 「…とぼけんなよ、ペニサス伊藤、だ」
ミ,,゚Д゚彡 「あー…で?」
(#'A`) 「『で?』じゃねーよ…あのあとどうなったか、分かってんだろ?」
ミ,,゚Д゚彡 「…?さぁ…?」
(#'A`) 「テメェ…!」
ミ,,゚Д゚彡 「あー…いいや、用済んだ?帰ってくんない?」
(#'A`) 「直接じゃなくていい…せめて、一筆書け。謝罪文を。そうすりゃ帰る」
ミ,,゚Д゚彡 「いや、めんどくせーし、いいや。じゃ、帰ってくんない?」
(#'A`) 「書くまで帰らない。言ったの聞こえなかったか?」
ミ,,゚Д゚彡 「俺そんなん書く気ないし。以上、分かった?帰れって」
(#'A`) 「い や だ。書け。いいから、書け」
ミ,,゚Д゚彡 「あー…よし、ミルナー!こいつ帰るって!案内して!」
(#'A`) 「は?」
( メд゚ ) 「…わかりました」
(#'A`) 「ちょ…放せよ!」
- 120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/01(土) 01:14:00.78 ID:lcyxNieP0
- ミ,,゚Д゚彡 「…ん、ミルナ、ちょっと放してやって」
( メд゚ ) 「…?はぁ、わかりました」
(#'A`) 「…ッ、お前、いきなりなにすん―――」
ずしっと、体の芯に響くような一撃。すごくいたい。
なんだよ、政治家ルートじゃないのか、ヤのつくルートかよ…
胃の中身を吐きそうになって、それを抑えるのに必死になってるときに、一言。
ミ,,゚Д゚彡 「あー、もうここ来んなよ?クックルの居場所とかも教える気、無いしさ。俺も謝る気ないし」
ミ,,゚∀゚彡 「もともと、避妊考えてなかったのはむこうもだろ?んじゃいーじゃん」
ミ,,゚∀゚彡 「クックルのお陰で生まずにすんだっしょ?金かからなくていーじゃんwwwww」
あぁ、吐きそう。いたいのもあるけど、許せない。
せめて、一発くらい返さないと、気が済まない。
拳を握って、振りかぶって―――
(#'A`) 「…ぁぁぁぁああああああああああああ!!!!!!!」 ブンッ
ミ,,゚∀゚彡 「当たんねーwwwwww」 ヒョイ
躱された。
- 121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/01(土) 01:15:03.72 ID:lcyxNieP0
- ミ,,゚∀゚彡 「あー、よし、んじゃこっちももう一発くらいやっとくかwwwwミルナ、お前もやっとけwwwww」
( メд゚ ) 「…分かりました」
ミ,,゚∀゚彡 「ミルナのは重いぞーwwww腹括れwwwww」
フサがそういうや否や、ミルナとかいうのが深く腰を落として、深呼吸。
見た感じでわかる。これは…凄いのが来そうだ。
分かってても、駄目だ、さっきの吐き気が残ってて、動けそうにない。そうこうしてるうちに、拳が放たれ―――止まった?
( ФωФ) 「はいここでトーチャン登場!」
(;メд゚ ) 「なっ…!」
ミ;゚Д゚彡 「だ、誰だよオッサン!」
( ФωФ) 「誰か、だと…?それはな…」
( ФωФ) 「このドクオの頼れるヒーロー兼トーチャン、ロマネスクである!」
(;メд゚ ) 「…はぁ?」
ミ;゚Д゚彡 「…はぁぁあああ?」
助かった…のはいいけど、なんだろう、むしろ辛い。
トーチャン、有難う…そしてもうちょっと空気読んで…
あなたの息子は、別の事でダメージ喰らいました。
- 124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/01(土) 01:19:02.32 ID:lcyxNieP0
- ミ,,゚∀゚彡 「あー、よし、んじゃこっちももう一発くらいやっとくかwwwwミルナ、お前もやっとけwwwww」
( メд゚ ) 「…分かりました」
ミ,,゚∀゚彡 「ミルナのは重いぞーwwww腹括れwwwww」
フサがそういうや否や、ミルナとかいうのが深く腰を落として、深呼吸。
見た感じでわかる。これは…凄いのが来そうだ。
分かってても、駄目だ、さっきの吐き気が残ってて、動けそうにない。そうこうしてるうちに、拳が放たれ―――止まった?
( ФωФ) 「はいここでトーチャン登場!」
(;メд゚ ) 「なっ…!」
ミ;゚Д゚彡 「だ、誰だよオッサン!」
( ФωФ) 「誰か、だと…?それはな…」
( ФωФ) 「このドクオの頼れるヒーロー兼トーチャン、ロマネスクである!」
(;メд゚ ) 「…はぁ?」
ミ;゚Д゚彡 「…はぁぁあああ?」
助かった…のはいいけど、なんだろう、むしろ辛い。
トーチャン、有難う…そしてもうちょっと空気読んで…
あなたの息子は、別の事でダメージ喰らいました。
- 125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[>>124は無視して…] 投稿日:2009/08/01(土) 01:20:06.75 ID:lcyxNieP0
- (#メд゚ ) 「…ォォオオオッッッ!!!」
繰り出されたミルナの拳は、さっきのよりもずっと凄そうだった。
たぶん、トーチャンに簡単に止められたのが、癪に障ったんだろう…と思う。
( ФωФ) =3
対するトーチャンは、軽く息を吐いて、まるでハエでも追い払うかのように、ミルナの手を払った。
本当に軽い動作。しかしながら、完全にミルナの攻撃を流していた。
(;メд゚ ) 「…ッ!」
慌てて体勢を立て直そうと、後ろに下がるミルナ。
間髪入れずに、今度はトーチャンが動いた。
( ФωФ) 「今度は我輩ね。正当防衛ビーンタ」
またも同じく、本当に軽く見える動作。
軽く、速い。トーチャンのビンタ。…ビンタ?
(;メд ) 「ガハッ!」
- 127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/01(土) 01:24:58.41 ID:lcyxNieP0
- ( ФωФ) =3
あの軽そうなビンタからは想像もできないようなダメージがミルナに。
すげぇ…トーチャンすげぇ…!
(;'A`) 「…でも、なんでビンタ?」
( ;ФωФ) 「…年を取るとパンチとか手首に負担かかるのだ…」
(;'A`) 「…なんか…ごめん…」
ミ;゚Д゚彡 「…ミルナが…ビンタ一発で…?」
( ФωФ) 「…で、君はどうする?」
ミ;゚Д゚彡 「…クッ…」
( ФωФ) 「ドクオの代わりに、我輩が聞こうか。謝罪文、書く?」
ミ;゚Д゚彡 「…嫌だ…」
( ФωФ) 「ごめん聞こえなかった。書くの?書くよね?」
ミ;゚Д゚彡 「グ…」
( ФωФ) 「さぁ、答えなさい。書く?書くって言っちゃいなよ」
ミ;゚Д゚彡 「…い、嫌だ!」
- 136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/01(土) 01:58:49.55 ID:lcyxNieP0
- ...( ・∀・)
<カケ!カクトイエ!
<イヤダ!ゼッタイイヤダ!
( ・∀・) 「…?」
( #ФωФ) 「いい加減書くと言うのである!」
ミ;゚Д゚彡 「ぜってぇ嫌だ!」
( #ФωФ) 「貴様!」
ミ;゚Д゚彡 「うるせぇ!誰か!誰かいないの!コイツラどうにかして!」
( #ФωФ) 「えぇい、全員倒してきたわ!無駄なこと言わず書くと言え!」
ミ;゚Д゚彡 「ウソォ!?」
...( ・∀・)サクッ ( #ФωФ) 「嘘じゃnあ―――」
( ;ФωФ) 「なっ…!?」
(;'A`) 「うわっ、トーチャン!?」
完全な不意打ちだった。
みたところ、傷は浅そう…深そう?よくみえない。
…ただ、頭に血が上るのは、分かった。
- 138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/01(土) 02:04:12.25 ID:lcyxNieP0
- (#'A`) 「…ぁぁあああああ!!!!!」
( ・∀・) 「んー…やっぱりか。変わってねェな、あんたら親子」
(#'A`) 「あ?お前なんて知らねーよ!」
( ・∀・) 「あー、そう。こっちは覚えてんだよね」
(#'A`) 「知るかッ!」
叫んで、駆けて、右腕を振りかぶる。
一気に距離を詰めて、その速さで殴りぬける!
( ・∀・) 「んー、お前にも恨み、あるんだよね」
(#'A`) 「ああああああ!!!!!!」
( ・∀・) 「同じナイフで親子を…これもある意味親子丼、ってか?」
(#'A`) 「ああああああああああああ!!!!!!!!!」
( ;ФωФ) 「ドク…クッ!そんなもん捨てろ!」 ガッ
( ;・∀・) 「あ…!?クソッ!」
何か言っているが、聞こえない。何か持っていたが、見ない。視界はただアイツだけを捉えている。
ただ、辛うじてトーチャンが何かを弾くのを、見た。アイツに隙が出来たのも、見た。
- 139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/01(土) 02:07:59.55 ID:lcyxNieP0
- (#'A`) 「…ッラァッ!」
( ;・∀・) 「ガッ!」
出来るだけ加速して、その速度のまま体重を乗せて、振りかぶった右腕を思いっきり、
握った右の拳を思いっきり叩きこむ。
…が、クリーンヒット、は出来なかった。アゴに逸れた。
(#'A`) 「フッ!」
( ;・∀・) 「ングッ!」
勢いをつけ過ぎて、バランスを崩しかける。
そのまま、無理やり体を捻り、左手を突き上げる。
今度もアイツの右頬に当たった。
(#'A`) 「ェアッ!」
( ;・∀・) 「流石にそう何度も喰らわねーよ!」
突き上げた左腕、そのまま無理やり肘を突き出し、振り下ろす。
が、今度は避けられてしまった。
( #・∀・) 「っしゃ今度はこっち―――」
- 141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/01(土) 02:09:42.21 ID:lcyxNieP0
- (#'A`) 「ガッ!」
( ;・∀・) 「ッッ!」
何か言ってたみたいだが、気にしない。
頭を振り下ろす。頭突き。
これは当たったみたいだ。今度は、鼻。
(#'A`) 「…ハァ…フッ!」
( ; ∀ ) 「グッ…ゲホッ!ゴヘッ!」
一呼吸置いて、右腕で突く。
当たった場所は首よりちょっと下、
それでも、相当苦しいのか、アイツは膝を着いた。
( ; ∀ ) 「ゲハッ!ハッ!ゴホッ!」
(#'A`) 「…ハァ…ハァ……ッシッ!」
( ; ∀ ) 「グッ!」
追い打ちをかけるように、今度は蹴りあげる。
何処に当たったかはもうどうでもいい。
アイツは、ひっくり返って仰向け。馬乗り。
- 142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/01(土) 02:10:22.86 ID:lcyxNieP0
- そして―――殴る。
とにかく、殴る。
とことん、殴る。
(#'A`)
殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。
殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。
殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。
( ; ∀ ) 「…ッ…クソ…が…!」
何か言ってる。いままでとおなじように、むし。
殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。
殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。
だんだん腕が疲れてきた?気にしない。
まだまだ、殴る。
まだ、殴る。
あぁ、腕が疲れてきた。息も、切れてきた。
それでも、まだ止めない。
まだ、足りない!
- 143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/01(土) 02:13:29.12 ID:lcyxNieP0
- (#'A`) 「…このっ!…クソ…ッ!…が!」
( ; ∀ ) 「グッ!…ガッ!…カッ!」
はぁっ…!今までたまってた物が、どんどんこみあげてくる、ふきだしてくる。
だいじな人が傷付いたこと、トーチャンが刺されたこと、あぁ、そうだ、思い出した。
コイツ、あの時の。モララー、だったか。そうだ、コイツが始まり…!
(#'A`) 「はぁっ…疲れた…な…!」
( ; ∀ ) 「はっ…へへ…んじゃ…」
( #・∀・) 「次はこっちの番、だよな?」
(#'A`) 「…ッ!…あああああああああッ!!!!!!!」
ぜんぜん余裕そうだった、それがよけいにむかついた。
あぁ、視界の隅に、うつった。モララーの。トーチャンの血のついた、ナイフ。
手がつかれた。向こうも使ったんだ、こっちもつかおう。そうして、手を伸ばして―――
从 ∀从 「もう…もういいだろ、ドクオ…やりすぎだよ…」
从 ∀从 「少し……頭、冷やそうか……」
(#'A`) 「あ?…あ、あ…」
- 144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/01(土) 02:16:29.79 ID:lcyxNieP0
- 从 ∀从 「やりすぎ、だよ、ドックン、落ち着いて…もう、落ち着いて…」
(;'A`) 「…ハ…ハイ…ン?」
从 ゚∀从 「そうだよ、ハインだよ、ドックン。落ち着いて、ね?」
(;'A`) 「…あ…あ、あぁ…うん、よし、うん…」
从 ゚∀从 「…」 ギュッ
モララーから離れると、ハインが、抱きついてきた。
あぁ、暖かい。急に、頭に上った血が、降りてゆく。込み上げたモノが、何処かへ沈んでいく。
あぁ、暖かい。
(;'A`) 「…ハイン…?もう、大丈夫…だから」
从 ゚∀从 「…ん、あぁ、分かった」
大丈夫、落ち着いたと伝えると、ハインは離れた。
少し、残念な気がした。
もう少し、あのままで居たかった、かな。
(;'A`) 「うん、もう、大丈夫。落ち着いた。もうだいzy――-」
( #・∀・) 「…そっちだけ落ち着かれてもさぁ…はっ、どーにもなんねーよなぁ?」
- 146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/01(土) 02:18:45.20 ID:lcyxNieP0
- しまった。まだだ、まだ、終わってなかった。
まだ、モララーは余裕だったんだ。
こっちは、もう、落ち着いてしまった。ハインも居る。対して、向こうは、怒りに満ちている。
( #・∀・) 「さーて…それじゃ、俺の番、だよなぁ?ははっ、腹、括れよ?」
そういい、ナイフを拾う。
あぁ、不味い。非常にまずい。
ハイン、ハインだけでも、すぐに、俺から離さないと。
(;'A`) 「ハイン!離れて!」
从 ゚∀从 「いや、大丈夫だよ」
( #・∀・) 「さーて…どこから、かなー?」
(;'A`) 「ハイン!」
从 ゚∀从 「ドックン、大丈夫、だから。」
从 ゚∀从 「絶対に、大丈夫。安心して?」
( #・∀・) 「それじゃー、せっかく動かないでいてくれてるし」
そういい、モララーはナイフを振り上げる。
あぁ、ハイン、本当に、逃げて。俺はいいから…!
- 147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/01(土) 02:21:10.62 ID:lcyxNieP0
- ( #・∀・) 「それじゃ、いっきまーs―――」
バキン。
降り下ろそうとした瞬間。
何かが、折れる音。止まる、モララーの動作。
_
( ゚∀゚) 「はい、そんな凶器はポイしようねー。ポイじゃなくて、ポキッ、だったねー」
( ;・∀・) 「…は?
(;'A`) 「…へ?」
从 ゚∀从 「…な?大丈夫だったろ?」
(;'A`) 「え、あん、うん…え?誰?」
从 ゚∀从 「ん、兄ちゃん」
( ;・∀・) 「は、いや、は?パキンて、おい、ナイフを素手で、パキンて…」
_
( ゚∀゚) 「それから、もう一つ。男なら不意打ちとか、凶器とか、そんなん無しで―――」
_
( #゚∀゚) 「正面から拳でやれ!」
( ; ∀ ) 「ガッ…」
- 148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/01(土) 02:22:55.22 ID:lcyxNieP0
- _
( ゚∀゚) 「…っと。んー…ま、いいか」
(;'A`) 「…すごい…」
从 ゚∀从 「おつかれ、兄ちゃん」
_
( ゚∀゚) 「おう!」
本当に、すごい。
俺があれだけやってもまだ反撃しようとしてきたモララーを、一撃で。
…いや、俺が異様に力弱いのか…?ショックだ…
从 ゚∀从 「…ん、兄ちゃんが力強すぎるだけだから、あんま気にすんなよ?」
(;'A`) 「ん、お、あぁ…」
从;゚∀从 「…まぁ…正直、あんだけやって…って思ったけど」
('A`) 「orz」
なんか心読まれてた…
それだけならまだしも、ハインにまで言われるとは…
恥ずかしいやらなんやらで、複雑だ。
/ ,' 3 「ふむ…そろそろ、いいかのう」
- 150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/01(土) 02:25:01.95 ID:lcyxNieP0
- 从 ゚∀从 「うん、いいよ、じーちゃん」
(;'A`) 「また増えた…」
/ ,' 3 「ほっほ…ロマ、老いたの、お前も」
( ;ФωФ) 「む…面目ないである」
('A`) 「トーチャン…知ってる人?」
( ;ФωФ) 「むぅ…まぁ、な」
( ´∀`) 「ロマ、ロマ。モナも居るモナよ」
从 ゚∀从 「父さん!」
( ;ФωФ) 「む、モナー!?」
(;'A`) 「また…トーチャン、誰?」
( ;ФωФ) 「ちょっとした知り合いである」
( ´∀`) 「モナモナ」
/ ,' 3 「ふむ…まぁ、いいや。それじゃ、そろそろケリをつk―――「ちょっと待った!」
(;'A`) 「こ、今度は誰!?ハインの家族!?」
从;゚∀从 「いや、俺んちはこれで終わりだぞ!?」
- 155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/01(土) 02:35:48.88 ID:lcyxNieP0
- (;´・ω・`) 「はぁ…はぁ…ドクオ、大丈夫!?」
( ;^ω^) 「大丈夫かお!?」
ξ;゚听)ξ 「生きてる!?」
(;'A`) 「お前らかよ…つか、ツン…」
(`・ω・´) 「ようし、そこまでだッ!神妙にしろッ!」
(;'A`) 「…誰?」
(´・ω・`) 「ん…父上」
(;'A`) 「あ…そう…」
( ;ФωФ) 「シャキンか!」
(;`・ω・´) 「ロマ…ロマか!どうした!血が出てるぞ!」
(;'A`) 「また知り合い!?」
( ;ФωФ) 「うむ…」
/ ,' 3 「ほっほっほ…賑やかになってきたの」
(;゚Д゚) 「おぅ…賑やかだな…」
ミ;゚Д゚彡 「親父!」
- 157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[支援ありがとうございます] 投稿日:2009/08/01(土) 02:38:36.70 ID:lcyxNieP0
- (;゚Д゚) 「ん、フサか…なんだこれは」
ミ;゚Д゚彡 「そ、それがよ、コイツラがいきなり、よ…モララーもやられたし…」
(;゚Д゚) 「…?」
/ ,' 3 「ふむ…かくかくしかじか、じゃよ」
( Д ) 「…? フサが妊娠させた…?」
ミ;゚Д゚彡 「ちょっ…!」
(#゚Д゚) 「フサ、ちょっと話し聞こうか」
ミ;゚Д゚彡 「え、あ、あの…」
(;'A`) 「…」
正直、ちょっと展開について行けない…。
なんか一気に人増えたし…。
なんなんだよ、これ…
('A`) 「…で、これはいったい、どういうことなんだ?」
从 ゚∀从 「ん、あぁ、これはな…まず、俺がドクオの家に行ったけど、お前が居なくなっててな」
从 ゚∀从 「そんで、義父さんとかに言って、探しに出て、な」
从 ゚∀从 「ショボンとかに連絡して、そんで、場所が分かったわけだ」
- 159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/01(土) 02:41:28.29 ID:lcyxNieP0
- 从 ゚∀从 「あとは、相手が相手だから、ドクオが心配になって、zじーちゃんに連絡して、駆け付けたってわけだ」
('A`) 「そうか…心配掛けて、ごめんな?」
从 ゚∀从 「いいよ、別に。でも、今度から言ってくれよ?…『友達』…だろ?」
('A`) 「ん、あぁ、分かった。…んで、ショボンは?」
(´・ω・`) 「んー…
・ドクオに場所教える
・ドクオが突撃したから、ブーンとかツンとか集めて父上と合流
・今に至る
ってとこかな。」
(;'A`) 「あぁ、そう…あんま説明になってないぞ…」
/ ,' 3 「さて…ギコ、どうする?」
(;゚Д゚) 「ん…あ、隠居!? どうする、と言われましても…」
/ ,' 3 「ドクオ…君、だったね?」
(;'A`) 「はい」
/ ,' 3 「彼が言うには、金とかいいから、謝罪文みたいなの書いて謝れ、じゃ。どうする?」
(;゚Д゚) 「まぁ…元々はコイツが悪いんだし、金も出しますよ。きちんと謝らせます」
/ ,' 3 「ふむ…どうする、ドクオ君」
- 160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/01(土) 02:42:48.94 ID:lcyxNieP0
- (;'A`) 「はぁ…いや、きちんと謝るなら、それでいいですけど…」
/ ,' 3 「それだけでいいのかのう…意外とさっぱりしてるね、君」
(;'A`) 「まぁ…本人を無視してやってますんで、そんなもんかな、と」
(´・ω・`) 「あ、本人いるよ?」
(;'A`) 「!?」
(´・ω・`) 「ペニサス伊藤さん、どうぞー」
('、`*川 「…はぁ」
(;'A`) 「な…?ペニ姉…?」
ショボンの野郎、何考えてやがんだ。
こっちは内緒で全部済ますつもりだったんだが…
…いや、ほんとどうしようか。
(`・ω・´) 「ふむ…で、どうするんだい?」
('、`*川 「…私は…私も、それでいいです」
('、`*川 「本音を言うと…謝罪とか、何も要らないんですけど」
('、`*川 「それだと、ドクオの行動が無駄になりますから」
- 163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/01(土) 02:45:45.96 ID:lcyxNieP0
- / ,' 3 「ほぅ…どうして何も要らないのかのう?」
('、`*川 「もう…思い出したくないですし。それに、終わったことですから」
/ ,' 3 「…本当に、それでいいのかのう?」
('、`*川 「はい。…これも、経験ですから…。今度は、失敗しないようにすればいいですから」
/ ,' 3 「…そうか、ふむ、なるほど、のう」
_
( ゚∀゚) (…中々の…覚悟…?いや、これは、中々の人材…胸も…)
('、`*川 「…あの、…何か?」
_
( ゚∀゚) 「ん、あ、いや…あの…」
('、`*川 「…はい?」
_
( *゚∀゚) 「あの、よろしければ、今度、食事でも…」
(;'A`)
( ;^ω^)
ξ;゚听)ξ
( ;ФωФ) (何言ってんの―――!?)
从;゚∀从
/ ,' 3
(;`・ω・´)
- 165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/01(土) 02:48:23.42 ID:lcyxNieP0
- ('、`*川 「はぁ…別に、いいですけど」
(;'A`)
( ;^ω^)
ξ;゚听)ξ
( ;ФωФ) (ええええええええええええええええええええええええ!?)
从;゚∀从
/ ,' 3
(;`・ω・´)
もう、この辺の流れはいったい何なんだろうね。
ほんと、何言ってんだろう、この人は。
そして、ペニ姉も、何考えてんだろうか。やっぱりおかしくなってる…
/ ,' 3 「むぅ…まぁ、これで、一件落着、でいいかのう?」
(;゚Д゚) 「え?あ、こっちはもういいけど…」
(;'A`) 「え、あの、こっちももうこれ以上は何も…」
/ ,' 3 「ふむ、ならばこれで解散、としようかの。ギコ、お前は後で行動計画と経過を報告するように」
(;゚Д゚) 「は、はぁ」
/ ,' 3 「うむ、ならば、これで一件落着!解散!」
(;`・ω・´) (おい俺必要あったか…?)
- 167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/01(土) 02:51:40.47 ID:lcyxNieP0
- / ,' 3 「あ、そうだ、ドクオ君、ちょっとちょっと。ジョルジュも」
('A`) 「え?あ、はい」
/ ,' 3 (君さ、ハインの事、どうおもっとるの?)
('A`) (はい…?どう、と言いますと?)
_
( ゚∀゚) (好きか嫌いで言うと?)
('A`) (いや…友達としては、好き…ですけど)
/ ,' 3 (友達としては?)
_
( ゚∀゚) (じゃあなに、そんな軽々しい理由でウチの妹に彼女役やらせたの?)
(;'A`) (…え?あ、いや、そんな…え?)
/ ,' 3 「ロマネスク、ちょっとドクオ君借りるわ」
(;'A`) 「え?ちょ」
( ФωФ) 「む、うむ」
_
( ゚∀゚) 「はい、じゃあ、行こうか。うん」
(;'A`) 「え、ちょ、えー…」
結局、この騒動は、こんなgdgdな、くだらない結末を迎えることとなった。
- 170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/01(土) 02:55:21.04 ID:lcyxNieP0
- そうして、2か月経った。
もう2か月。
あのあとの事は、イマイチ思い出したくない部分もある。
とりあえず、フサギコ…ギコからはきちんと謝罪文…が送られてきた。
そして、別にいいと言ったのに、金も。
慰謝料と、トーチャンと俺の治療費だと。治療費の事忘れてたよ、トーチャン…ごめん。
それから…もう一つ、変わったことがある。
ハインと、俺の事。俺の心境。
あのあと、ジョルジュさんと荒巻さんと懇切丁寧なお話をした後、色々とあって―――
从 ゚∀从 「ドクオ、お待たせ」
('A`) 「ん、あぁ、いや、俺も今来たとこだよ」
从 ゚∀从 「…のくせに、500mlのジュース、空なのか。早飲みだなw」
(;'A`) 「…ん、いや、まぁ…」
从 ゚∀从 「ま、いーや。行こうぜ?」
(;'A`) 「ん、だな、行くか」
- 172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/01(土) 02:59:19.73 ID:lcyxNieP0
- ('A`) 「…あ」
从 ゚∀从 「…?どした?」
('A`) 「いや…ほら、飛行船」
从 ゚∀从 「あ、ホントだ。なんか、珍しいな!」
('A`) 「だなー」
綺麗な空に、白いモノ。飛行船。
高い高い空を飛ぶ。それは一見して希望のように。
―――いつまでも、どこまでも。
('A`) ドクオのよくある、くだらない事件のようです
おわり
戻る