- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 00:25:32.79 ID:jz2p9DxoO
- (ヽ´ω`)「…………」
(ヽ´ω`)「ふう……」
真夜中。王都から少し離れた森に男はいた。
そう。いずれ英雄として世界から称えられる男が
(ヽ´ω`)「こんなもんでいいかお……」
ガサガサっ
(ヽ´ω`)「!!」
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 00:28:09.56 ID:jz2p9DxoO
- (;ヽ´ω`)「ああっ……!」
バブルスライム!!
そう思った時には遅かった。二匹のバブルスライムが男の背後から飛び掛かってきた。
油断………!
(;ヽ´ω`)「あわわ……」
ザシュッ!
(ヽ´ω`)「え?」
(´・ω・`)「大丈夫?」
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 00:30:32.40 ID:jz2p9DxoO
- 剣を手にした男の足元にはバブルスライムの死体が飛び散っている。
(ヽ´ω`)(ハヤブサの剣だお……)
(´・ω・`)「うん。大丈夫そうだ。一応念のために……キアリー!」
(ヽ´ω`)「……ありがとうございますお」
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 00:35:08.42 ID:jz2p9DxoO
- (´・ω・`)「しかしこんな夜中に森をうろつくのは良くないよ
もしかして旅の初心者かな?」
(ヽ´ω`)「あ、そんな感じですお」
(´・ω・`)「僕はショボン。君は?」
(ヽ´ω`)(ショボン……)
(ヽ´ω`)「ブーンですお」
ショボンがブーンを改めて見てみると、
なるほど、確かに旅に不慣れらしい。大きな焦げ後が目立つボロボロの皮のマント、
顔は満身創痍……
(´・ω・`)(レベルは……5、いや……4ぐらいかな)
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 00:38:14.54 ID:jz2p9DxoO
- (´・ω・`)「君は何処を目指しているんだい?」
(ヽ´ω`)「……」
(ヽ´ω`)「ビップ城ですお」
(´・ω・`)「ふむ、ここからは近いけどこんな夜更けに一人で行くのは危険だ」
(´・ω・`)「僕の家にくるといい」
(ヽ´ω`)「家?」
(´・ω・`)「この森を抜けてすぐのシベリアさ」
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 00:43:10.98 ID:jz2p9DxoO
- ショボンに促されるままブーンはシベリアのショボン宅についた。
(´・ω・`)「ただいま」
ガチャリ
ξ゚听)ξ「あ!お兄ちゃん遅い!!」
(´・ω・`)「悪い悪い……先に寝ればよかったのに」
ξ゚听)ξ「よくない!せっかく夕飯作って待ってたのに」
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 00:45:30.34 ID:jz2p9DxoO
- ( ゚∋゚)「クックル!!クックル!!」
(ヽ´ω`)「ひゃあ!」
(´・ω・`)「おっと、悪い悪い。こらクックル、お客だよ」
(ヽ´ω`)「ま、魔物……」
(´・ω・`)「びっくりさせて悪かった…クックルは家族だよ」
ξ゚听)ξ「お兄ちゃん……この人誰?」
- 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 00:49:31.72 ID:jz2p9DxoO
- ショボンは妹のツンに事情を話す。
自分の知らない地方の話をするブーンにすっかりツンは気を許し、目を輝かせて矢継ぎ早に質問をした。
ξ゚听)ξ「うわあ……すっごい!世界って本当に広いわ」
(ヽ´ω`)「はは……僕が見てきたものなんて、ほんの一部だお」
ξ゚听)ξ「でも、あんた弱そうね」
(;´・ω・`)「こら!」
(ヽ´ω`)「いいんですお。本当のことだお」
- 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 00:53:53.75 ID:jz2p9DxoO
- ξ゚听)ξ「ねえねえ、何か特技とかないの?」
(ヽ´ω`)「……手品」
ξ*゚听)ξ「え!?本当にできるの?やってみせてよ」
(ヽ´ω`)「それなら……ああ、そのクックルが身に着けているペンダントを貸してください」
(´・ω・`)「これかい?」
ショボンはクックルからペンダントを外す。
(´・ω・`)「はい」
(ヽ´ω`)「では……」
受け取ったペンダントにハンカチをかぶせる。
1、2、3……
(ヽ´ω`)「はい!」
そして素早くハンカチをとると……
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 00:56:50.33 ID:jz2p9DxoO
- ξ゚听)ξ(´・ω・`)「おお……」
見事にペンダントは消えていた。
(ヽ´ω`)「ふふ」
ξ゚听)ξ「凄い!凄い!」
(´・ω・`)「で、ペンダントは?」
(ヽ´ω`)「ペンダントはここに……」
(ヽ´ω`)「………あれ?」
(;ヽ´ω`)「あわわ……」
ブーンは慌てて自分の体中をまさぐるが、ペンダントは出て来ない。
(ヽ´ω`)「……ああ…」
- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 00:59:27.10 ID:jz2p9DxoO
- (ヽ´ω`)「消えちゃいましたお……」
(#´・ω・`)「なっ……」
大切なクックルのために大金をはたいて買ったペンダント……!
ふざけるな!
とショボンが怒鳴り声をあげる寸前、間の抜けた声が上がる。
ξ*゚听)ξ「アハハハハ!おっかしい!!」
(´・ω・`)「ツン……」
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 01:02:21.72 ID:jz2p9DxoO
- 久し振りに聞いた妹の心から笑う声。
(´・ω・`)(まあ、いいか)
(´・ω・`)(うちの妹の笑顔がこんなに高くつくとはね)
(ヽ´ω`)「おっおっ」
ξ*゚听)ξ「あんた面白ーい!」
(´・ω・`)「…………」
(´・ω・`)「ところでブーンはビップ城に何をしにいくんだい?」
(ヽ´ω`)「王様の御触れを聞いてやってきました」
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 01:07:29.84 ID:jz2p9DxoO
- (´・ω・`)「御触れ?
というとまさか、東の洞窟の財宝探索かい?」
(ヽ´ω`)「はいですお」
(;´・ω・`)「おいおい……本気か?とても君にできるとは思わないが」
(ヽ´ω`)「ビップ城の方でパーティを組もうかと思ってますお」
(;´・ω・`)(こんな低レベルな奴をパーティに入れる物好きなんていないぞ)
ξ゚听)ξ「お兄ちゃん、パーティ組んであげれば?」
ξ゚听)ξ「こう見えてもお兄ちゃん、ビップ城の軍団長なのよ!
いつもは忙しいけど、休みになるとこうして家に来て一緒に過ごしてくれるの」
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 01:11:58.33 ID:jz2p9DxoO
- (;´・ω・`)「悪いなブーン、宮仕えだから王様の許しなくパーティは組めないんだ」
(ヽ´ω`)「気にしないでくださいお」
(´・ω・`)「そうだ。御触れによると招集は三日後だろ?
それまで家にいるといい。」
(ヽ´ω`)「いいんですかお?」
(´・ω・`)「ああ、僕が仕事の間妹の遊び相手になってやって欲しい」
(ヽ´ω`)「分かりましたお」
ξ*゚听)ξ「やったー!」
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 01:15:20.77 ID:jz2p9DxoO
- 三日間でブーンとツンは随分仲が良くなった。
ツンはブーンよりも三つ年が下だったが、病弱のために友達がおらず。
ブーンの事をお兄さんというよりも友達として接していた。
(ヽ´ω`)
こんな頼りないなりをしているのもその理由の一つだろう
そして楽しい時間はあっという間に過ぎていった
三日後……
- 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 01:18:16.68 ID:jz2p9DxoO
- ξ*;;)ξ「やだやだ!ブーン行かないでよー!」
(;´・ω・`)「こら……ツン聞き分けなさい。ブーンにだってやらなきゃいけない事はあるんだから」
(ヽ´ω`)「ツンちゃん。またすぐに会いにくるお」
ξ゚听)ξ「本当!」
(ヽ´ω`)「本当だお。約束するお……」
(ヽ´ω`)「……またすぐに……」
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 01:19:56.04 ID:jz2p9DxoO
- ξ゚听)ξ「気をつけてねえ!!」
(´・ω・`)「よし、ブーン……クックル行こうか」
( ゚∋゚)「クックル!」
(ヽ´ω`)「はい……」
こうして二人と一匹は城に向かった。
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 01:24:36.25 ID:jz2p9DxoO
- (´・ω・`)「せっかくツンに遊び相手ができたのに…かえって可哀相なことをしたかな」
(ヽ´ω`)「……」
(´・ω・`)「うちは早くに両親が死んでね……ずっと僕はツンの親代わりだったから
兄らしい事はしてやれなかったんだ……」
(ヽ´ω`)「可愛い妹さんですお……」
(´・ω・`)「おい!妹にへんな気起こすなよ!!まだ14歳なんだからな」
(;ヽ´ω`)「ち、違いますお」
(ヽ´ω`)(ツンちゃん……可愛いかったお)
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 01:27:19.33 ID:jz2p9DxoO
- ビップ城
(´・ω・`)「よし、ここを真直ぐいったらホールに出る。そこで王様から詳しくお話しがあるだろう」
(ヽ´ω`)「ありがとうございましたお」
(´・ω・`)「僕は仕事だから、また家に来いよな」
(ヽ´ω`)「はい」
(´・ω・`)「ブーン……」
(´・ω・`)「死ぬなよ」
(ヽ´ω`)「……はい」
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 01:31:07.04 ID:jz2p9DxoO
- ホールには王様の御触れを聞いて大陸中の猛者達が集まっていた
( ・∀・)「ひゃあ〜、やっぱり大陸一の王城ビップともなると違うなあ」
(,,゚Д゚)「こりゃあ、俺らの出番はねえかもな……」
( ・∀・)「見ろ!あそこで料理をガツガツ食ってる奴等!」
( ゚∀゚)「おいお前らたらふく食っておけよ!!」
( ゚∀゚)「ただなんだからなあ!!」
( ´∀`)「ひゃははは!」
从 ゚∀从「ああ、うめえ!」
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 01:35:17.52 ID:jz2p9DxoO
- (,,゚Д゚)「ゲッ……荒くれのジョルジュ達じゃねえか」
(;・∀・)「目を合わせるなよ、どんな因縁つけられるか分かったもんじゃねえ」
(,,゚Д゚)「悪名高いがリーダーのジョルジュは大陸でも1、2のバトルマスターだからな……」
(ヽ´ω`)むしゃむしゃ…
(,,゚Д゚)「あ、誰だあの馬鹿…
ジョルジュ達のテーブルで飯食ってやがる!」
( ・∀・)「知らねえぞ……」
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 01:38:30.84 ID:jz2p9DxoO
- ( ´∀`)「あ?」
( ´∀`)「なんだお前?俺たちが誰だか知らないモナか?」
(ヽ´ω`)「え……」
ガスッ!
モナーの重たい拳がブーンの腹を抉る。
(ヽ´ω`)「かっ……はっ……」
ガスッガスッ!
(ヽ´ω`)「お゛ええっ!」
( ´∀`)「きたねえモナ!」
- 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 01:43:35.73 ID:jz2p9DxoO
- 从 ゚∀从「やめなモナー……飯がまずくなるだろうが」
バキッ!
( ´∀`)「す、すまねえ姐さん!こいつが俺たちのテーブルで勝手するもんで」
( ゚∀゚)「おいおい……モナー、ケチケチするなって」
(ヽ´ω`)「ゴホッ……うえっ……」ハァハァ
( ゚∀゚)「君、名前は?」
(ヽ´ω`)「ブーンですお」
( ゚∀゚)「ブーン君?悪いね、うちの馬鹿がとんでもないことしちゃって
はい、これ……君も遠慮せずに食べて」
ボトッ……
ジョルジュは皿に盛られた肉を床に落す。
(ヽ´ω`)「……」
( ゚∀゚)「ん?何?何?まさか、俺のもてなしを受けないっていうの?」
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 01:46:36.70 ID:jz2p9DxoO
- (ヽ´ω`)「………」
無言で床の肉を拾いあげる。
バキッ!
( ゚∀゚)「おい誰が手を使えっていった!!」
(ヽ´ω`)「ひぐっ……」
( ゚∀゚)「おい、犬なら犬らしく食え」
从 ゚∀从「あっはっははは!」
从 ゚∀从「ん?」
从 ゚∀从(なんか……こいつ見覚えがあるな……)
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 01:50:08.76 ID:jz2p9DxoO
- (ヽ´ω`)ムシャムシャ……
ジョルジュ達の行動を止める者は誰もいなかった。
いや、止める事が出来ないと言った方が正しい。
「王様のあおあなりぃぃ!」
兵士の声と共にバルコニーから王様が顔を出す。
/ ,' 3「よく集まってくれた」
( ゚∀゚)「ちっ……せっかく盛り上がって来たのによ」
- 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 01:55:07.27 ID:jz2p9DxoO
- / ,' 3「大臣!」
( ´_ゝ`)「ハッ!」
( ´_ゝ`)「皆を呼んだのは他でもない……
ここから南西の洞窟にあるというへんげの杖をとってきてもらいたいのだ」
( ´_ゝ`)「へんげの杖は魔王討伐に必須の品……
見事成し遂げた者には500万ゴールドを贈呈。更に王宮兵士の地位も与える」
一気に会場がざわついた。
500万……
王宮兵士……それも天下のビップ城の……
( ゚∀゚)「ひひ……」
- 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 01:59:56.59 ID:jz2p9DxoO
- ( ´_ゝ`)「ただしそう一筋縄で行く話ではない。
洞窟の最奥には巨大な魔物が確認されている。
そして厄介なのはその魔物使う毒にだ。我が城の兵士もかなりの被害を受けている。この仕事にはその魔物の討伐も含まれる」
( ´∀`)「毒……」
( ゚∀゚)「ちっ……」
( ´∀`)「僧侶はこの前死んだばっかモナ」
( ゚∀゚)「こんな事なら教会に連れていくんだったなあ……糞」
- 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 02:03:03.61 ID:jz2p9DxoO
- (ヽ´ω`)「………!」
ブーンは大臣の横に立つ男の顔が目に入る。
(´・ω・`)
( ・∀・)「おいあいつ、噂のショボンだろ?」
(,,゚Д゚)「ああ…片田舎からよくもまああの地位まで上り詰めたもんだ」
( ・∀・)「最も勇者に近い男か……うらやましいねえ」
- 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 02:06:55.43 ID:jz2p9DxoO
- 大臣の話が終わるとホール内は活気付いた。
魔物の噂をするもの、パーティを探すもの、
そして、
( ゚∀゚)( ´∀`)从 ゚∀从ムシャムシャガツガツ
あいも変わらず料理にありつくもの
( ´∀`)「!!」
(;´∀`)「ぐぐ……」
从 ゚∀从「おいどうした?」
(;´∀`)「腹が……」
モナーから脂汗が流れる。
从 ゚∀从「ボケっ!食い過ぎなんだよてめえは!」
- 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 02:09:27.47 ID:jz2p9DxoO
- (ヽ´ω`)「あの……」
从 ゚∀从「あん?」
(ヽ´ω`)「体の具合見ましょうか?」
(;´∀`)ぐぐ……
从;゚∀从「はあ?だってお前……」
(ヽ´ω`)「気にしないでくださいお」
床にうずくまるモナーにブーンは手をかざす。
すると……
( ´∀`)「モナ?」
- 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 02:11:49.09 ID:jz2p9DxoO
- ( ´∀`)「すっきりしたモナ!!」
从 ゚∀从「…………」
(ヽ´ω`)「それじゃあこれで……」
ハイン達に背を向け立ち去ろうとしたブーンに声をかけたのは
ジョルジュだった。
( ゚∀゚)「待ちな」
(ヽ´ω`)「……?」
( ゚∀゚)「お前……僧侶のスキルはあるかい?」
- 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 02:14:38.37 ID:jz2p9DxoO
- (ヽ´ω`)「……はい」
( ゚∀゚)「なら決まりだ」
(ヽ´ω`)「え?」
( ゚∀゚)「お前今から俺らなパーティな」
( ゚∀゚)「おっと……まさか断るなんて事はしないよなあ?」
(ヽ´ω`)(…………)
从 ゚∀从(あーあ…可哀相によ)
有無を言わせぬ迫力。
ブーンは力なくうなずいた。
- 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 02:16:14.17 ID:jz2p9DxoO
- (,,゚Д゚)「あいつ……」
( ・∀・)「死んだな」
(,,゚Д゚)「ボロ雑巾になるまでこき使われるぜ。もともとボロボロの格好なのになあ」
( ・∀・)「くわばらくわばら」
- 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 02:19:48.16 ID:jz2p9DxoO
- ブーンが城門から出た所でショボンに声を掛けられた。
(´・ω・`)「やあ、パーティは決まった?」
(ヽ´ω`)「あ、はい……」
(´・ω・`)「何処のパーティだい?」
(ヽ´ω`)「ジョルジュさん達のパーティですお」
(;´・ω・`)「え?」
(ヽ´ω`)「心配しないでくださいお」
「おい!!」
(´・ω・`)(ヽ´ω`)!
- 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 02:23:01.71 ID:jz2p9DxoO
- ('A`)「お、おお、オラはな……」
('A`)「おまえら王族のためにな……
汗水垂らして働いてきたっていうのにな……」
(゚A゚)「首はねえだろう!!!女房も子供もいるんだぞ!!」
男は手に短剣を握っていた……
(´・ω・`)「ドクオ……」
- 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 02:25:51.51 ID:jz2p9DxoO
- (゚A゚)「わあああああ!!」
(´・ω・`)「………!」
ショボンは素早く剣を抜く、
ハヤブサの剣。
ドクオの刃が届く前に、ショボンの剣激が二度入る。
(゚A゚)「がっ……」
ゆっくりとドクオは地面にふした。
- 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 02:29:15.74 ID:jz2p9DxoO
- (ヽ´ω`)(…………)
(´・ω・`)「大丈夫……殺しちゃいない」
(´・ω・`)「こいつはドクオといって、以前まで城で下働きをしていたんだが……
効率も悪くて、さぼってばっかで解雇されたんだ。逆恨みだよ」
(´・ω・`)「っておいおい大丈夫か?」
ブーンは腰を抜かしたのか尻餅をついていた。
(ヽ´ω`)「ちょっと驚いただけですお」
- 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 02:33:21.18 ID:jz2p9DxoO
- (´・ω・`)「まあこんな感じで、僕は城から離れる訳にはいかないんだ
王様の身辺警護もまかされているしね」
(ヽ´ω`)「忙しそうですお」
(´・ω・`)「ところでジョルジュ達は?」
(ヽ´ω`)「カジノですお。明日の朝に宿屋の前に来いって言われたきり別かれました」
(´・ω・`)「なんて奴等だ……
そうだ。兵舎に空き部屋がある。今日はそこで過ごせばいい」
(ヽ´ω`)「ありがとうございますお」
(´・ω・`)「いいんだ。こんな事しかできないしね」
- 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 02:35:01.42 ID:jz2p9DxoO
- ('A`)「ぐ………ぐ……」
(゚A゚)「ゆ……ゆるさねえ……」
(゚A゚)「ゆるさねえ……」
- 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 02:38:31.10 ID:jz2p9DxoO
- 翌日
( ゚∀゚)「おお、早いじゃねえか」
(ヽ´ω`)「おはようございます」
( ´∀`)「さ、」
どさどさ……
ブーンの前に荷物が置かれる。
(ヽ´ω`)「これは……?」
( ´∀`)「見れば分かるモナ……俺達の荷物モナ
そして運ぶのはお前モナ」
(ヽ´ω`)「……」
( ゚∀゚)「さ、行くぞ」
- 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 02:44:25.08 ID:jz2p9DxoO
- 从 ゚∀从「おい、ジョルジュ……本当にあんなきたねえ奴連れていくのか?」
( ゚∀゚)「いいじゃねえか。この大陸だと俺らの噂が広まり過ぎて、パーティに入ろうなんて奴はまずいねえし
雇うとなると金もかかるし、もしあいつが死んだらそれまでってことでよ」
从 ゚∀从「……まあ、お前がそういうなら」
( ゚∀゚)「あ、そうだ。お前これをあいつに渡しておけよ」
从 ゚∀从「え?これって」
ジョルジュはハインに腕輪のような物を渡す
- 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 02:48:18.61 ID:jz2p9DxoO
- 从;゚∀从「いいのか?」
( ゚∀゚)「ああ、どうせカジノで儲けて手に入れたやつだしな」
从;゚∀从「いや、そうじゃなくてさ」
( ゚∀゚)「はあ?まさかお前あいつの事心配してんのか?」
从 ゚∀从「え?」
( ゚∀゚)「魔性の女があんな乞食の心配するとは珍しいねえ」
从 ゚∀从「そういう訳じゃ……」
( ゚∀゚)「とにかく渡しておけよ?死んだ方が役に立つやつもいるんだよ。ひひひ」
- 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 02:54:11.21 ID:jz2p9DxoO
- ジョルジュ達との旅は過酷なものだった。
炊事洗濯の雑用は勿論、野営ようのテントの貼り付け
戦闘の後のマッサージ。意味もなく殴られる事も多々あった。
(;´∀`)「う……体の調子が悪いモナ…」
( ゚∀゚)「ったくまたかよ。とろくせえな!」
(;´∀`)「すまないモナ兄貴……いつの間にか毒を食らってたみたいモナ」
( ゚∀゚)「おいブーン!」
(ヽ´ω`)「はい」
(ヽ´ω`)「キアリー!」
このおかげでブーンはこのパーティでの存在理由を保てた。
- 76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 02:57:25.09 ID:jz2p9DxoO
- ( ´∀`)「しっかし、お前ちっともレベルあがんねえモナ」
(ヽ´ω`)「……すみません」
( ´∀`)「違う!もっと右を強く揉むモナ!」
(ヽ´ω`)「すみません」
ブーン達は順調に後三日程で目的の洞窟に着こうとしていた。
(ヽ´ω`)(流石にバトルマスターだお)
- 79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 03:02:14.16 ID:jz2p9DxoO
- ( ´∀`)「よし、マッサージはもういいモナ
後数時間で出発モナ。適当に暇でも潰していろモナ」
(ヽ´ω`)「分かりましたお」
(ヽ´ω`)ゴリゴリ……
( ´∀`)「何してるモナ?」
(ヽ´ω`)「薬の調合ですお」
( ´∀`)「へー、器用な奴……」
(ヽ´ω`)「皆さんのMPにも限界はあるし、少しでも多く薬草とか毒消し薬を作っておこうと」
( ´∀`)「……」
( ´∀`)(こりゃあいいや……)
- 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 03:04:18.85 ID:jz2p9DxoO
- ( ´∀`)(これだけあればもうこいつはいらないかもな……)
( ´∀`)「ん?その腕輪は?」
(ヽ´ω`)「あ……」
(ヽ´ω`)「ハインさんに……もらったお」
( ´∀`)「姐さんに!?」
- 82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 03:07:00.77 ID:jz2p9DxoO
- (ヽ´ω`)「はい」
( ´∀`)「あっはは!……お前、姐さんに変な気起こすなよ?
兄貴に殺されちまうモナ」
(ヽ´ω`)「……そんなつもりはないですお」
( ´∀`)「それにあの人は魔性の女モナ
前にいた僧侶の奴は姐さんに首ったけになっちまってな……」
- 85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 03:09:58.90 ID:jz2p9DxoO
- 確かあれは戦闘中だったモナ
敵の魔物の群の中にレベルの高い魔導師がいたモナ。
从 ゚∀从「そーれハッスルハッスル!」
从;゚∀从「ハッ!」
魔導師は メラゾーマを 唱えた
(;゚∀゚)「おい!ハイン」
从;゚∀从 「あ、ああ…」
<ヽ`∀´>「危ない姐さん!!」
- 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 03:12:49.39 ID:jz2p9DxoO
- ( ´∀`)「とまあ……後はどうなったかは分かるモナ?」
(ヽ´ω`)「………」
「あっ……アン……んんっ」
(*´∀`)「お、隣りのテントから……始まったモナ」
(ヽ´ω`)ゴクリ…
( ´∀`)「兄貴がうらやしいモナ」
- 87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 03:16:25.19 ID:jz2p9DxoO
- 時を逆上って、ブーン達が出発する日の朝
ビップ城
(´<_` )「ふむ……左大臣の姿が見当たらないが」
川 ゚ -゚)「はい、私共も朝から探しておりますが……」
ミ,,゚Д゚彡「大変でございます右大臣!!」
(´<_` )「何事か……」
ミ,,゚Д゚彡「左大臣様が……その……亡くなりました」
- 89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 03:21:07.38 ID:jz2p9DxoO
- (´<_` )「何!?」
ビップ城 ホール
( ゚_ゝ゚)
シャンデリアの下敷きになって見るも無残な死体があった。
(´<_`;)「そ…そんな……」
川 ゚ -゚)「これはなんと……運の悪い……事故でございましょう」
(´<_` )「いや、待て……これは……鳥の羽」
ミ,,゚Д゚彡「大臣!こんなものが落ちていました」
(´<_` )「それは……」
- 98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 03:54:50.36 ID:jz2p9DxoO
- (´<_` )「ショボン軍団長を呼べ」
川 ゚ -゚)「は?」
ミ,,゚Д゚彡「それが軍団長殿のお姿も見えませぬ」
(´<_` )「なに!」
(´<_` )「手配だ!」
(´<_` )「ショボン軍団長を大臣殺しとして手配せよ」
- 99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 03:58:27.62 ID:jz2p9DxoO
- (´・ω・`)「今頃……お城は騒いでいるかもしれないな……」
( ゚∋゚)「クックル!」
(´・ω・`)「大丈夫、大丈夫さクックル。心配しなくていい」
(´・ω・`)「さあ、急ごうか」
- 103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 04:13:17.20 ID:jz2p9DxoO
- そしてまた時間は戻る
( ゚∀゚)「楽勝だな」
从 ゚∀从「なあ、そろそろお湯に浸かりたいぜ
ベットで眠りてえ」
( ´∀`)「そういえば、近くに村があるモナ」
(ヽ´ω`)(村……)
( ゚∀゚)「おう、確かに見えるな」
(ヽ´ω`)(あれはツンちゃんの……そうか、あの時はショボンさんにルーラで城まで送ってもらったから
)
- 104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 04:17:06.12 ID:jz2p9DxoO
- ( ゚∀゚)「よし、行くぞてめえら。あそこで過ごした後は一気に洞窟だ」
( ´∀`)「久し振りに酒が飲めるモナ!」
从 ゚∀从「ハハハっ!」
(ヽ´ω`)「あの、僕知り合いの家に泊めてもらいますお」
( ゚∀゚)「あ?勝手にしろ、どうせ最初からお前を宿屋に泊めるつもりはなかったからな」
( ´∀`)「ギャハハ!」
(ヽ´ω`)「……」
- 105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 04:20:16.68 ID:jz2p9DxoO
- 从 ゚∀从「おいブーン……」ヒソヒソ
从 ゚∀从「これもってけ」
小声でハインがブーンに子袋を手渡す。
(ヽ´ω`)「これは……」
从 ゚∀从「少ないけどそれで知り合いと酒でも飲みな」ヒソヒソ
从;゚∀从「ジョルジュには言うなよ?」
(ヽ´ω`)「……」ペコリ
- 107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 04:22:37.84 ID:jz2p9DxoO
- シベリア村
トントントン
ξ゚听)ξ「はーい」
ガチャリ
ξ*゚听)ξ「あ!」
ξ*゚听)ξ「お兄ちゃん!」
(´・ω・`)「元気だった?」
- 109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 04:27:33.32 ID:jz2p9DxoO
- ξ゚听)ξ「どうしたの?お仕事は?」
(´・ω・`)「ちょっとね……」
ξ*゚听)ξ「ねえ、聞いてよ!お客さんが来てるの?誰だと思う?」
(´・ω・`)「まさか」
(;ヽ´ω`)「おっショボンさん!?」
(´・ω・`)「やっぱり……よかった。無事だったんだね」
(ヽ´ω`)「どういう事ですお?」
(´・ω・`)「実はね……君が心配になって追っていったんだ」
- 111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 04:30:40.49 ID:jz2p9DxoO
- (;ヽ´ω`)「そんな……悪いですお……お城の仕事もあるのに」
(´・ω・`)「いいんだ。僕が決めた事だし……
途中で見失ってしまってね。もしかしたらと思ってここに立ち寄ったら……やっぱりいたか」
ξ*゚听)ξ「やった!今日はたくさんご飯作らなきゃ!」
(ヽ´ω`)「すみません……」
(´・ω・`)「いいんだ。なあクックル?」
( ゚∋゚)「クックル!!」
- 116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 04:34:46.58 ID:jz2p9DxoO
- その夜。三人は一晩中語り明かした。
そして朝……。
(´・ω・`)「本当にいいのかい?無理にジョルジュ達と行く必要はないよ」
ξ゚听)ξ「……もうちょっと居てもいいじゃない」
(ヽ´ω`)「僕の夢ですお……早く、早く英雄になるためには行くしかないんですお」
(´・ω・`)「……そうか」
ξ゚听)ξ「………」
(´・ω・`)「よし、ツン!見送ってあげなさい」
ξ*゚听)ξ「うん!」
- 118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 04:38:13.19 ID:jz2p9DxoO
- (ヽ´ω`)「ツンちゃん……出来ればもう少し喋りたかったお」
ξ*゚听)ξ「そんなのまたうちに来たらいいじゃない!」
(ヽ´ω`)「……」
ξ゚听)ξ「ちょっ、ちょっとそんなに不吉な顔しないでよ!」
ξ゚ー゚)ξ「大丈夫よブーン」
(ヽ´ω`)「……うん」
(ヽ´ω`)「そうだ。これ……ちょっと腕を出して」
ξ゚听)ξ「ん?」
ツンはブーンに左腕を突出す
- 121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 04:41:29.17 ID:jz2p9DxoO
- そしてブーンはツンの左腕にハンカチをかざす
(ヽ´ω`)「1…2……3!」
ξ*゚听)ξ「ああ!」
ツンの顔は花が咲いたように明るくなった。
(ヽ´ω`)「ふふ…今度は成功だお……」
ξ*゚听)ξ「凄い凄い!」
(ヽ´ω`)「それあげるお。ブーンだと思って大切にして欲しいお」
- 122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 04:44:35.85 ID:jz2p9DxoO
- ξ*゚ー゚)ξ「うん!!」
(ヽ´ω`)「次に会う時は、もっともっと特大のマジック見せるお」
ξ*゚听)ξ「約束だからね!!」
ツンが再び左手を出す。握り拳から小指がピンと突出していた。
(ヽ´ω`)「おっ」
ゆびきりげんまん うそついたら はりせんぼん のーます
じゃあ
うん、また
- 124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 04:49:22.86 ID:jz2p9DxoO
- へんげの杖があると言われる洞窟に、ブーン達はついた
ダンジョンのモンスター達は強かったがしかしジョルジュ達は更に強かった。
(;ヽ´ω`)「おっ……わっ……」
从 ゚∀从「ちっ!危ないからどきな!」
从 ゚∀从「イオラ!」
ボンッ
(ヽ´ω`)「助かりましたお…」
从 ゚∀从「うるせえ!ぼうっと突っ立ってんじゃないぞ
次は助けねえからな」
(ヽ´ω`)「……はい」
- 126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 04:55:18.23 ID:jz2p9DxoO
- ( ゚∀゚)(しかしブーンの奴、思いの他頑張ってやがるな)
( ゚∀゚)(……へっ。俺らの「可愛がり」にも耐えてやがるし、なかなかどうして骨があるじゃねえか)
( ゚∀゚)「おいブーン!」
(ヽ´ω`)「はい」
( ゚∀゚)「へんげの杖を持って帰った後はどうするつもりなんだ?」
- 127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 04:59:32.62 ID:jz2p9DxoO
- (ヽ´ω`)「え……?」
( ゚∀゚)「俺らは王宮兵士になんてなるつもりはねえしよ
金を貰ってまた旅を続ける。お前も一緒にくるか?」
ジョルジュには最初にブーンをパーティに誘った時のような威圧感はなかった。
( ゚∀゚)「荷物持ちでもやる気があるならそのうち
正拳突きの一つでも教えてやるぜ?」
(ヽ´ω`)「おっおっ……」
(ヽ´ω`)「ありがとうございますお……」
- 129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 05:03:59.76 ID:jz2p9DxoO
- (ヽ;ω;)「うっ……うっ……」
( ゚∀゚)「おいおい泣くほどのことかよ?」
从 ゚∀从(へえ……ジョルジュの奴も少しは仲間として見直してきてるな)
从 ゚∀从(でもなんでだろう……ブーンの奴を見てるとどうも放っておけないというか……)
从 ゚∀从(まさか、な……いやいやないない)
( ´∀`)「500万ゴールドもあれば当分は贅沢できるモナ!」
- 131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 05:07:16.97 ID:jz2p9DxoO
- ( ゚∀゚)「そうだな!船でも買って南の大陸にでも行くか?」
从 ゚∀从「その前に服だ服!」
( ゚∀゚)「ひひひ!エッチな下着ならいくらでも買ってやるぜ!」
(ヽ;ω;)「う……うっ……」
从 ゚∀从「いつまで泣いてんだよ馬鹿」
( ゚∀゚)( ´∀`)从 ゚∀从「あはははは!」
(ヽ´ω`)「ふふ……」
- 132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 05:12:45.88 ID:jz2p9DxoO
- 財宝は以外にもあっさりと見つかった。洞窟の最奥に宝箱が祭られている。
( ゚∀゚)「あれか……」
「ぐぐぐ………ぐるるる……」
(;゚∀゚)「構えろ!!くるぞ!!」
殺気が広がる……!
空気が一気に張り詰めた。流石のジョルジュにも緊張が走る。すぐにそれはパーティに伝わった。
(;´∀`)(兄貴が震えているモナ……)
从 ゚∀从(久し振りだな……この感覚……死がそこまで近付いているこの感覚……)
(ヽ´ω`)(………)
- 136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 05:19:25.49 ID:jz2p9DxoO
- 身の丈三メートル、決して今までジョルジュ達が闘ってきた中で
一番の大きさではないが、その内に籠る殺気は今までの比ではない
(;゚∀゚)「………」
威嚇するような、唸り声…
( ゚∀゚)ギリッ
一呼吸で心を落ち着かせる。
ばくれつけんっ…!
精神統一により極限まで高まった集中力により、四発の拳が全てクリティカルヒットになった!
魔物が怯んだ瞬間に
ハイン達も続く
- 138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 05:24:25.23 ID:jz2p9DxoO
- (;゚∀゚)ハァハァ…
从;゚∀从「……」
(;´∀`)「も、モナ……」
戦いは既に三十分を過ぎていた
「ぐるるる!」
魔物の口から緑色の毒々しい煙が吐かれた。
前衛のジョルジュら三人が避ける事も叶わず、全身に浴びてしまう。
(ヽ´ω`)「………!」
- 143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 05:32:27.70 ID:jz2p9DxoO
- (;´∀`)「ブーン!」
(ヽ´ω`)「キアリー!」
(;゚∀゚)「よし、補助はブーンにまかせて畳みかけろ!」
そんな調子でまた時間が過ぎていった。
「ぐぐ……ぐ…」
魔物を追い詰めているという手応えは確かにあった。
(;゚∀゚)「ハァハァ……」
かつてこれ程までに苦しんだ戦いを経験したことがなかった。
呼吸をする度、体が痺れるように痛む……。だがそれは魔物も同じはず
(;゚∀゚)「ハイン!」
从;゚∀从「バイキルト!」
(#゚∀゚)「でやあ!!」
せいけんづき
手応えはあった
間も無くモンスターが地面に沈む重たい音がきこる。
(;゚∀゚)「かっ……た……」
- 145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 05:37:32.05 ID:jz2p9DxoO
- (;゚∀゚)「ぐ……うっ……」
(;゚∀゚)(体が重い……目眩も痺れもするし……こんなに強いなんて聞いてねえぜ!)
( ゚∀゚)「おいブーン!」
ジョルジュが振り返る
(;゚∀゚)「回復頼む……俺もハインもMP全然ねえ」
(ヽ´ω`)「おっおっ」
(;´∀`)「………」ガクガク
从;゚∀从「ん?おいモナー?どうした?」
(;゚∀゚)「攻撃を食らいすぎたのか!?無茶するから!」
- 149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 05:41:07.28 ID:jz2p9DxoO
- (;゚∀゚)「ブーン、先にこいつを頼……」
(;゚∀゚)「ブーン……?」
ジョルジュは自分の目を疑った
ブーンが全裸になっていた。
(ヽ´ω`)「おっおっ…」
- 152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 05:44:33.57 ID:jz2p9DxoO
- シベリア村
ショボンの家
(´・ω・`)「………!」
ξ゚听)ξ「どうしたの?」
(´・ω・`)「足音だ……それも凄い数……
軍隊がここに近付いている?」
ドン!!
ドタタタタッ
ξ;゚听)ξ「きゃあ!」
武装した兵士がなだれ込む
(;´・ω・`)「な、なんだ!!私を軍団長と知っての行動か!?」
- 154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 05:46:46.07 ID:jz2p9DxoO
- ミ,,゚Д゚彡「ええ……軍団長殿」
ミ,,゚Д゚彡「いえ。元軍団長殿」
(´・ω・`)「なっ!?」
ミ,,゚Д゚彡「あなたを大臣殺しの下手人として拘束する」
(;´・ω・`)「な!何を言っている!」
( ゚∋゚)「クックル!!」
- 157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 05:50:54.56 ID:jz2p9DxoO
- ショボンを掴もうとする兵士にクックルが飛び掛かった!
が、すぐに数人の兵士におさえこまれてしまう
(;´・ω・`)「ツン!奥に行っていなさい」
ξ;゚听)ξ「いやあ!」
ミ,,゚Д゚彡「言い逃れはできませぬ」
ミ,,゚Д゚彡「大臣の亡骸のそばにはその魔物と思われる羽と、そして……」
(;´・ω・`)「それは………」
ミ,,゚Д゚彡「その魔物が身に着けていたペンダントだ」
- 158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 05:55:07.70 ID:jz2p9DxoO
- へんげの杖の洞窟
(;゚∀゚)「おい、何をふざけて……」
(ヽ´ω`)「……」
ブーンは質問に答えずに自分の体にしきりに何かをふりかけている。
(;´∀`)ガクガク…
(;゚∀゚)「ふざけてる場合……か……あ…れ?」
(;゚∀゚)「オエエッ!」
おかしい……
呼吸がみだれる。頭が重い。吐き気がする。体が痺れる。
ジョルジュは地面に膝をつく
(;゚∀゚)ハァハァ
- 160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 05:59:01.48 ID:jz2p9DxoO
- 从;゚∀从「おい……ジョルジュ?」
(ヽ´ω`)「こんなもんかお……次はハインさん」
ブーンは今度はハインにそれをふりかける
从;゚∀从「冷たいっ!なんだよそれ」
(ヽ´ω`)「聖水だお。ハインさんに貰ったお金で買ったお」
从;゚∀从「は?」
- 162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 06:04:39.38 ID:jz2p9DxoO
- ハインに聖水をかけ終えるとブーンはまっすぐ宝箱に向かった
(ヽ´ω`)「へえ……これがへんげの杖かあ…きったねえの」
从;゚∀从「おい!ブーン!」
体が痺れて思うように動けない
混乱する頭でブーンを見つめる
(ヽ´ω`)「よいしょ……と」
先程倒した魔物の腕の肉をナイフで切り取る。
ジョルジュとモナーの元へ行くとそれを絞るように握る。
血が滴りジョルジュ達にかかる。
(; ∀ )「何……を」ハァハァ
- 163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 06:09:52.69 ID:jz2p9DxoO
- ピーッという口笛の音が洞窟を反響する。
从;゚∀从「おい、口笛なんてふいたら……」
(ヽ´ω`)「ん?だからちゃんと聖水をかけておいたお」
口笛の木霊が終わると遠吠えや唸り声が反響しかえってくる。
間も無く魔物の群は現れた。
(;´∀゚)「ぎゃああああ!!」
血の臭いを嗅ぎ付け、ジョルジュとモナーの肉を貪りはじめる。
ぐちゃぐちゃ
くちゃくちゃ
今度は悲鳴が反響する。
- 167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 06:12:34.38 ID:jz2p9DxoO
- 从;゚∀从「ハッ!」
ハインの前にジョルジュが立っていた。
しかし、おかしい。ジョルジュはそこで獣についばまられているのに。
( ゚∀゚)「おっおっおっ」
乱暴にハインの衣服をはぎ取る。勿論抵抗はできるはずもない
- 170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 06:16:23.01 ID:jz2p9DxoO
- ( ゚∀゚)「ハインさん……股から黄金水が滴っているじゃないですか」
( ゚∀゚)「ああくさい」
从;゚∀从「や……や…め」
そそりたつにくぼう
( ゚∀゚)「いやあ興奮するなあ」ハァハァ
( ゚∀゚)「恋人の悲鳴を聞きながら恋人に犯されるなんて、想像するだけでイキそうだ」
- 174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 06:21:10.22 ID:jz2p9DxoO
- ハインの叫びはやがて掠れていく。
体を揺らしながら、ぼうっと隣りで横になる恋人の姿を眺めていた。
ジョルジュと目が合った……と思ったらそれは勘違いで、彼の目はとっくに空っぽになっていた。
黒い窪み。
( ゚∀゚)「ハァハァ……」
从 ∀ 从
( ゚∀゚)「ずーっとこの時を」
( ゚∀゚)「僕は待っていた」
( ゚∀゚)「嬉しさのあまりにさっきはみっともなく泣いてしまった」
( ゚∀゚)「後少しだと思うとついつい嬉し泣きがね」
- 177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 06:25:00.92 ID:jz2p9DxoO
- 从 ∀ 从
ふいにブーンが脱ぎ捨てた皮のマントに目が行く。
大きな焦げ後
ああそうか、このマント……
だから見覚えがあったのか
( ゚∀゚)「ふうふうっ……」
( ゚∀゚)「僕はねハインさん……さっきの戦闘中には一回もキアリーは使ってないんだ」
- 178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 06:30:21.02 ID:jz2p9DxoO
- ( ゚∀゚)「戦闘中ずっと苦しかったでしょう?」
( ゚∀゚)「無理もないよ、あんなに動きまわっちゃあっと言う間に毒が体に回るじゃないか」
( ゚∀゚)「あの魔物が毒を吐くよりも前にハインさん達は毒に侵されていたんだよ」
( ゚∀゚)「僕はずっと毒を作っていたからね
モナー、だっけ?旅の間、あいつの食事に毒をいれながら、本場に備えて実験をしていたけど……」
( ゚∀゚)「大成功」
( ゚∀゚)「ってあれ?聞いてる?」
へんじがない ただの しかばねのようだ
- 183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 06:35:12.18 ID:jz2p9DxoO
- ビップ城 牢獄
(´・ω・`)「………」
度重なる拷問にもかかわらずショボンは口を開かずにいた。
無論それは彼が犯人ではないから当然である
バサバサバサ
鉄格子をはめられた窓から小鳥が顔を出す
嘴に加えた手紙をそっと落した
(´・ω・`)「これは……」
- 185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 06:37:35.89 ID:jz2p9DxoO
- お前が留守の間に妹は預かっている。
可愛いい妹さんだね。今、一緒にお前の家で遊んでる。
お兄ちゃんに会いたいって言ってるよ
ドクオ
- 189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 06:41:35.62 ID:jz2p9DxoO
- (´・ω・`)
紙をくしゃくしゃにしてメラを唱える。
静かな炎がショボンに灯った。
城から煙が上がる。
「脱走だーー!!」
(#´゚ω゚`)「どけえええ!!!」
王国、いや大陸一を謳われるショボンを止める事は出来なかった。
呪文を唱える毎に死体の山は出来上がる。
- 195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 06:45:49.29 ID:jz2p9DxoO
- シベリア村
ショボン宅
(#´゚ω゚`)「ツン!!大丈夫か!?」
ξ゚听)ξ「え?」
(;´・ω・`)「え?あれ?」
ξ゚听)ξ「どうしたのお兄ちゃん?」
(´・ω・`)「あ……その……」
(;´・ω・`)(しまった!冷静に考えるべきだった……
そもそも奴はこの家を知っている訳はないじゃないか)
- 196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 06:49:20.85 ID:jz2p9DxoO
- (;´・ω・`)(迂闊だった……)
と、安堵の吐息を漏らした瞬間。
恐るべき違和感を覚える
(´・ω・`)「……あれ」
(´・ω・`)「ツン、お前……」
振り返ると最愛の妹は右手に短剣を握っていた。
すぐには理解出来なかった。
真直ぐに突出る妹の腕
それを反射的に容易く切り落とすショボン
- 199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 06:51:59.73 ID:jz2p9DxoO
- ξ;゚听)ξ「ああああっ!!」
ボトッと腕が落ちる。
(;´・ω・`)「あ……あ…」
流石に体が強張った。
なんと脆い。人間とはなんと脆い体なのか……
初めて人を斬った。
- 201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 06:55:09.36 ID:jz2p9DxoO
- この感触……。
必死に吐き気を抑える。
ξ;゚听)ξ「お……な、なんで……」
(;゚A゚)「なんで分かった嗚呼嗚呼ああああああ!!」
- 205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 06:59:48.46 ID:jz2p9DxoO
- (´・ω・`)「妹は……左利きだ」
妹は突然、醜い男に姿を変える。
(゚A゚)「腕ええ……俺の腕えうえいあうう……」
(´・ω・`)「っ……」
腹を見る……僅かにドクオのナイフが掠っていた。
そこまで痛みはない
「ちぇっ」
ショボン達のやり取りを窓の外から眺める影
(ヽ´ω`)「流石に無理かあ」
- 208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 07:02:35.35 ID:jz2p9DxoO
- (´・ω・`)「おい!妹は何処だ!!」
(゚A゚)「うわあああ!!おっかあ!いてえいてえよ!」
(´・ω・`)(話にならんな……)
ガチャリ
(;ヽ´ω`)「ショ、ショボンさん……!」
(´・ω・`)「ブーン!」
(ヽ´ω`)「大丈夫かお!?」
- 211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 07:06:53.22 ID:jz2p9DxoO
- (´・ω・`)「ブーン……こそ、どうして―」
(゚A゚)「ああっ……!おい早く……」
「ショボンさん危ないお!」グサッ!
(゚A゚)「か……ふ…」
(ヽ´ω`)「危ない所だったお!」
(´・ω・`)「助かった……ありがとうブーン」
(ヽ´ω`)「こいつ、あの時の事を根に持って……」
(;´・ω・`)「ツンを巻込んでしまった……くっ」
- 213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 07:10:56.89 ID:jz2p9DxoO
- (ヽ´ω`)「ツンちゃんなら大丈夫だお」
(´・ω・`)「え?」
(ヽ´ω`)「町外れの廃屋にいたのをたまたま見つけて保護しましたお」
(ヽ´ω`)「それでショボンさんが危ないって思って」
(´・ω・`)「そうだったのか……」
急に力が抜けたようにショボンがへたれこむ
- 214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 07:14:17.96 ID:jz2p9DxoO
- (ヽ´ω`)「しっかりしてくださいお!」
(´・ω・`)「はは……安心したのかな……急に力が抜けて……
ここまで大分体力も使ったし」
(ヽ´ω`)「……ん?この傷は……」
(´・ω・`)「油断していたよ……ドクオにやられたんだ
まあ、掠り傷さ」
(ヽ´ω`)「ふふ……ならよかった」
- 217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 07:19:33.43 ID:jz2p9DxoO
- 町外れ 廃屋
ξ゚听)ξ「お兄ちゃん!」
(´・ω・`)「ツン!」
(ヽ´ω`)「……」
ξ;;)ξ「怖かったよう、いきなり変な男にさらわれて……
ブーンがきてくれなかったらあたし……!」
(´・ω・`)「もう大丈夫だ」
(ヽ´ω`)ハァハァ…
ξ;;)ξ「もう私、お兄ちゃんと離れたくない」
(´・ω・`)「ツン………」
(´・ω・`)「駄目だ……僕は……自首しなきゃ…」
- 220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 07:23:22.11 ID:jz2p9DxoO
- ξ;゚听)ξ「え!?」
(´・ω・`)「ここにくるまでに……沢山人を殺してしまった」
ξ゚听)ξ「お兄ちゃん……?」
(´・ω・`)「でも、その前に……」
(ヽ´ω`)ハァハァ…
(ヽ´ω`)「なんですかお?」
(´・ω・`)「君は……へんげの杖を手に入れたんだね」
(ヽ´ω`)「……」
- 221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 07:26:39.85 ID:jz2p9DxoO
- (ヽ´ω`)「気付いていましたか」
(´・ω・`)「そうか……残念だ……」
(ヽ´ω`)「いいんです」ハァハァ
(ヽ゚ω゚)「そろそろ我慢できなくなってきてたし」
ξ゚听)ξ「え?ブーン?お兄ちゃん?」
- 224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 07:29:51.29 ID:jz2p9DxoO
- (ヽ゚ω゚)「ツンちゃん。前に約束したよね?
凄いマジックを見せるって」
ξ゚听)ξ「え?うん」
(ヽ゚ω゚)「世紀の大消失マジック……」
(ヽ゚ω゚)「今回消しますものは……」
(ヽ゚ω゚)「美しき兄妹愛!!」
- 228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 07:37:49.02 ID:jz2p9DxoO
- ブーンの体が動いたのをショボンは見逃さなかった。
しかし、自分の体が思うように動かない事に、その時初めて気付く。
(#´゚ω゚`)「うおおっ!!」
毒か、まさか……ドクオのナイフ……。
ブーンには始めから何処かおかしい所があった。
あんな夜中にバブルスライムの出る森に一人でいた。あの姿が頭に浮かぶ。
(ヽ゚ω゚)「そうそう、クックル……」
ブーンがショボンの懐にもぐりこむ
(ヽ゚ω゚)「不味かったお!」
何かを放り投げる。ツンの瞳には羽根が写っていた。
ふいにブーンの体が浮かぶ。そしてショボンを持ち上げるようにして飛び上がる。
- 230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 07:42:24.96 ID:jz2p9DxoO
- 鈍い音が天井に響いた。
頭の割れた音。
(´゚ω゚`)「……あが」
そして、壁に打ち付けられたショボンの体はブーンと一緒に床に落ちる。
ブーンは床に落ちきる前にのしかかるショボンの体を素早くどける。
ξ;゚听)ξ「………え」
何が起こったのだろう。
二人の体浮いた。
お兄ちゃんが天井にぶつかった。
落ちた。
- 234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 07:47:37.23 ID:jz2p9DxoO
- ξ;゚听)ξ「お兄ちゃん!!」
ツンがさっとショボンに駆け寄る。
(´ ω `)「つ……ん」
薄れ行く意識の中で妹の左腕が見えた。
こんな腕輪……あげたっけな?
あれ?この腕輪……メガンテの腕輪じゃないか
ξ゚听)ξさくっ
(´ ω `)
妹の首に突き刺さった剣。ハヤブサの剣
ツン は くだけちった
- 235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 07:49:42.48 ID:jz2p9DxoO
「ちくしょおおおおおお!!!!」
- 239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 07:54:48.99 ID:jz2p9DxoO
- (ヽ´ω`)「ごほっ……ごほっ……」
(ヽ´ω`)「ふう……危ない危ない……もう少し脱出が遅れていたら巻込まれていたお」
廃屋は爆発木端微塵になり消し飛んでいた。
メラメラと炎が揺れ煙が上がる。
(ヽ´ω`)「うっ……うう……ああ……」
(ヽ´ω`)「ぎもぢぃなあ」
ツンが光を放つ瞬間から、ずっと射精が止まらない。
ずっとずっと望んでいた。あの子がああなる瞬間を
(ヽ´ω`)ふう……
(ヽ´ω`)「さて」
- 241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/06(月) 08:01:53.35 ID:jz2p9DxoO
- 廃屋跡に大きな炭が転がっていた。 やりすぎたなあ、ブーンは反省する。
炭はかろうじて人の形をとどめている。
その横に落ちている剣を拾いあげた。
(ヽ´ω`)アチチ…
消し炭の丁度人で言えば首に当たる部分に刃をあてる。
さっと力を入れて刃をひくと、意外にあっさり
切れるというより崩れるようにして頭がとれた。
(ヽ´ω`)「焦げ臭いや」
果たしてお城の人がこの頭がショボンのものであると認めてくれるのだろうか?
ブーンはそんな事をぼんやりと考えていた。
おしまい
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