( ゚ヨ゚)魔王ヨーデスのようです

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 19:56:43.51 ID:Ah7Oez1h0

ここは六国の境界に聳える魔王城。
今日も魔王を狙う無謀な人間が玉座の間を訪れます。


( ゚ヨ゚) 「フハハ!来たな勇者またんき!」

(・∀ ・) 「魔王ハーデス、覚悟!!」

( ゚ヨ゚) 「え?違う違う。私の名前ヨーデス」

(・∀ ・) 「え?」

( ゚ヨ゚) 「ヨーデス」

(・∀ ・) 「ヨーデス」

( ゚ヨ゚) 「そーです」

(・∀ ・)

(・∀ ・) 「なんだとぅ?!」

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 19:57:37.98 ID:Ah7Oez1h0

(・∀ ・) 「間違えた!失礼しよう!」

( ゚ヨ゚) 「待って待って。間違いだけど、一応合ってる」

(・∀ ・) ?

( ゚ヨ゚) 「ハーデスは私のご先祖様。何代も前の」

(・∀ ・) 「なんだとぅ?!」

( ゚ヨ゚)つ□ 「ちなみにこれが写真」

(・∀ ・) 「どれどれ…」

 [ ( ゚∋゚) ]

(・∀ ・) 「あー、似てる似てる。無愛想な感じとか」

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 19:58:54.38 ID:Ah7Oez1h0

(・∀ ・) 「それにしても古い写真だな。いつの魔王なんだ?」

( ゚ヨ゚) 「えっとねぇ…」

( ゚ヨ゚) 「我等の始祖、初代魔王アーデスを一代目として…」

( ゚ヨ゚) 「えーと、あいうえおかきくけこ…」

(・∀ ・)

( ゚ヨ゚) 「あ、26代目かな」

( ゚ヨ゚) 「ちなみに私は38代目で、この子が39代目の予定のラーデス」

((( *・ョ・) ヨチヨチ

(・∀ ・)

(・∀ ・) 「あー似てる似てる。無愛想な感じとか」

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 20:00:41.09 ID:Ah7Oez1h0

(・∀ ・) 「よし、状況は把握した」

( ゚ヨ゚) 「うむ」

(・∀ ・) 「しかしおかしい。我が国では魔王はハーデスだと聞いていた」

( ゚ヨ゚) 「うん。よく間違えられるんだよ」

( ゚ヨ゚) 「ハーデスは先代の中でも断トツに悪だったから、魔王=ハーデスなんだよ。名前も似てるし」

(・∀ ・) 「でも魔王なのには変わらんのだな?」

( ゚ヨ゚) 「うむ。由緒正き魔王である」

(・∀ ・) 「ならば!覚悟!魔王ヨーデス!!」

( ゚ヨ゚) 「フハハハ!!来るがいい!勇者またんき!!」

((( *・ョ・) ヨチヨチ

( ゚ヨ゚) 「あ!タイム!ラーデス寝かしつけて来るから待ってて!」 ダッ

(・∀ ・)

(・∀ ・) 「なんだとぅ?!」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 20:03:18.16 ID:Ah7Oez1h0

(・∀ ・) 「……」

( ´・ω・`)つ旦 「粗茶ですが」

(・∀ ・) 「かたじけない」

(´・ω・`) 「いえ。ラーデス様は寝付きが悪いのでしばらくお待ち下さいませ」

(・∀ ・) 「そうか」

(´・ω・`) 「では」

(・∀ ・) 「待て。なんなら貴様と前哨戦でも構わん」

(´・ω・`) 「あ、私バイトなのでそういうのはちょっと」

(・∀ ・)

(・∀ ・) 「なんだとぅ?!」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 20:05:38.45 ID:Ah7Oez1h0

(・∀ ・) 「いかにも側近らしい風格と雰囲気じゃないか」

(´・ω・`) 「バイトとはいえプロの端くれ」

(´・ω・`) 「魔王様の看板を背負う限りは、半端な仕事は許されません」

(・∀ ・) 「なるほど。了承した」

(・∀ ・) 「一人の客として、貴様の態度には感服した。改めて茶の礼をしたい」

(´・ω・`) 「いえ、当然のことで御座いますので」

(・∀ ・) 「しかし始めて飲む茶だ。ブレンドか」

(´・ω・`) 「はい。毒入りで御座います」

(・∀ ・)

(・∀ ・) 「なんだとぅ?!」 バターン

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 20:08:12.25 ID:Ah7Oez1h0

( ゚ヨ゚) 「待たせたな!」

( ゚ヨ゚)

( ゚ヨ゚) 「あれ?勇者は」

(´・ω・`) 「死にました」

( ゚ヨ゚) 「なんだとぅ?!」

(´・ω・`) 「毒入りのお茶で」

( ゚ヨ゚) 「なんと間抜けな」

(´・ω・`) 「魔王様も瞬殺出来る毒でしたので」

( ゚ヨ゚) 「なにそれこわい」

(´・ω・`) 「死体は精霊が連れ去りました。今頃VIP城で蘇生している頃でしょう」

( ゚ヨ゚) 「そうか」

(´・ω・`) 「こちら、精霊がお詫びに支払っていった所持金の半分です」

( ゚ヨ゚) 「律義!」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 20:10:59.99 ID:Ah7Oez1h0

ここは魔王城を囲む六国の一つ、VIP国。
息絶えた勇者は精霊の加護により、この国の王の元で復活するのです。


( ^ω^)「おお勇者よ死んでしまうとは情けない」

(・∀ ・) 「申し訳無い、王よ」

( ^ω^)「よい。あの魔王ハーデスが相手となれば、一筋縄ではいかぬのは仕方あるまい」

( ^ω^)「貴公のことだ。死闘の末の敗北だったのであろう」

(・∀ ・)

(・ ∀・)

(・∀ ・)ゞ

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 20:13:55.19 ID:Ah7Oez1h0

(・∀ ・) 「時に王よ、デレ姫はどちらへ?」

(・∀ ・) (ヨーデスを倒した暁には彼女を我が伴侶に…!)

( ^ω^)「おお、勇者よ!忘れていた!」

(・∀ ・) 「?!デレ姫に何か?!」

( ^ω^)「デレは一昨日、隣国の第二王子を婿にとった」

(・∀ ・)

( ^ω^)「今頃北の城でキャッキャウフフの新婚ライフを送っているだろう」

(・∀ ・)

(・∀ ・) 「…なんだとぅ」


勇者は少し、大人になりました。

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 20:17:21.14 ID:Ah7Oez1h0

そして、勇者またんきは再び魔王城へ。
失恋の経験値は、彼のレベルを3も引き上げました。
ですので、彼の行く手を阻むことの出来る魔物はもういません。


(・∀ ・) 「魔王ヨーデス!!」

( ゚ヨ゚) 「フハハ!!また懲りずに来たか勇者またんきよ!!」

(・∀ ・) 「俺の話を聞けぇ!!」

( ゚ヨ゚)

( ゚ヨ゚) 「なんだとぅ?!」

(・∀ ・) 「五分だけでもいい!!」

( ゚ヨ゚) 「事情があるようだな。いいだろう」

(・∀ ・) 「失恋した!!!」

( ゚ヨ゚)

( ゚ヨ゚) 「なwwwんwwwだwwwとwwwぅwwwwww」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 20:22:15.42 ID:Ah7Oez1h0

( ゚ヨ゚) 「それはなんとも虚しい話だ」

(・∀ ・) 「分かるか、魔王よ」

( ゚ヨ゚) 「ああ。私も、婚約者に逃げられたクチだ」

( ゚ヨ゚) 「愛するものに去られる気持ちは痛い程わかる」

(・∀ ・) 「貴様もか…。男とは虚しい生き物だな……」

( ゚ヨ゚) 「いや、私は一応女だが」

(・∀ ・)

(・∀ ・) 「なんだとぅ?!」

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 20:27:09.20 ID:Ah7Oez1h0

( ゚ヨ゚) 「この姿は戦いの為の、より魔物に近い姿だから」

( ゚ヨ゚) 「人間の貴様には見分けはつかないだろうが」

(・∀ ・) 「ではあのラーデスとかいう子供は……」

( ゚ヨ゚) 「私が腹を痛めて産んだ」

(・∀ ・) 「なんだとぅ…」

( ゚ヨ゚) 「気にする必要は無い。私が魔王であることに違いはないからな」

(・∀ ・) 「そこは大丈夫だ。女と知ってむしろ力いっぱい殴りたい」

( ゚ヨ゚) 「お前本当に勇者か」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 20:32:05.58 ID:Ah7Oez1h0

(・∀ ・) 「それはそうと、俺に毒を盛ったあの魔物はどこだ!」

( ゚ヨ゚) 「今日もシフト入っているぞ」

(・∀ ・) 「なんだとぅ?!どこに居る?!」

(´・ω・`) 「お呼びで御座いますか」

(・∀ ・) 「来たな!借りは返させて貰うぞ!」

(・∀ ・) 「魔王の前にまずは貴様から…!」

(´・ω・`) 「あ、時間なんで帰ります」

(・∀ ・)

( ゚ヨ゚)

(・∀ ・) ( ゚ヨ゚)「「なんだとう?!」」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 20:37:14.72 ID:Ah7Oez1h0

(・∀ ・) 「本当に帰ったな」

( ゚ヨ゚) 「バイトだから」

(・∀ ・) 「仕方ない。貴様を倒せば奴も路頭に迷うだろう」

( ゚ヨ゚) 「下衆!」

(・∀ ・) 「覚悟!!」

(´・ω・`)つメ 「…失礼」 シュバッ

(・∀ ・)

(・∀ |・)

(・∀ |! i|・) 「なん・・・だと?」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 20:42:59.90 ID:Ah7Oez1h0

( ゚ヨ゚) 「どうした。背後からいきなりとは」

(´・ω・`) 「タイムカード切るの忘れてて。まだ勤務中だったのでとりあえず」

( ゚ヨ゚) 「律義!」

(´・ω・`) 「これ、所持金の半分です」

( ゚ヨ゚) 「律義!」

(´・ω・`) 「ではまた明日」

( ゚ヨ゚) 「はい、お疲れ様」

( ゚ヨ゚)

( ゚ヨ゚) 「ちょっと可哀想な死に方だったな」

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 20:46:53.17 ID:Ah7Oez1h0

またもや魔王の側近に敗れた勇者またんき。
再び国王の元に送り返されてしまいました。


ζ(゚ー゚*ζ イチャイチャ

('A`) イチャイチャ

(・∀ ・) 「なんだこの状況」

ζ(゚ー゚*ζ 「お父様が腰を痛めて療養中ですのでしばらくは私達が代わりですの」

('A`) 「勇者殿、お一人で臨まれるその心意気には感服いたしますが、やはり無理があるのでは?」

('A`) 「我が国としては、勇者様に協力は惜しみませんぞ」

ζ(゚ー゚*ζ 「やだ!王子ったらとっても王様らしいですわ!」 イチャ

('A`) 「ふふふ、褒めても何も出ないぞこいつぅ」 イチャ

(・∀ ・)

(・∀ ・) 「完全に死に絶えたい」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 20:51:33.19 ID:Ah7Oez1h0

失恋の傷を抉られた勇者は大人の階段を全力疾走で駆け上りました。
レベルは上限を振り切り、かつての中ボスを全裸で倒せるほどになりました。


(・∀ ・) 「魔王!」

( ゚ヨ゚) 「貴様も懲りん奴だ!再び切り刻んでやろう!」

(・∀ ・) 「話がある!」

( ゚ヨ゚) 「くくく…命乞いか?」

(・∀ ・) 「俺をここに住まわせろ!!」

( ゚ヨ゚)

( ゚ヨ゚) 「お前は何を言っているんだ」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 20:58:41.00 ID:Ah7Oez1h0

( ゚ヨ゚) 「なるほど確かに。今仮に私を倒したら、一度は城に戻ることになる」

( ゚ヨ゚) 「そうすれば再びバカップルのイチャイチャを見るハメになる」

(・∀ ・) 「半年でいい!そうすれば整理もつくし、王の腰も良くなってるはずだ!」

( ゚ヨ゚) 「他に頼れる奴はおらんのか。親とか」

(・∀ ・) 「…親は、居ない」

( ゚ヨ゚)、「そうか…」

(・∀ ・) 「旅立ちの時に、ツボに入ってたヘソクリ持って行ったら、勘当された」

( ゚ヨ゚)

( ゚ヨ゚) 「これだから勇者は」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 21:02:29.73 ID:Ah7Oez1h0

勇者を哀れに思った魔王ヨーデスは、お城に住まわせてやることにしました。
お城の魔物達は虎視眈々と勇者の首を狙いましたが、中々倒すことが出来ません。


(,,゚Д゚) 「ゴルァ!!」

ミ,,゚Д゚彡 「くそったれ!数だ!数で押せ!!」

(・∀ ・) 「おおおおおおおおお!!!」


レベル上限をぶっちぎった勇者も、魔物に囲まれれば命の危険には変わりません。
毎日必死で戦いました。
もしも死んでしまったら、お城に運ばれてしまうからです。
そして、魔王に禁じられていたので、魔物を殺すことも出来ませんでした。
この城を追い出されたら本当に行く場所が無いので、逆らうわけにも行きません。

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 21:08:37.66 ID:Ah7Oez1h0

そんなこんなで、半年の月日が流れました。
上限いっぱいのため、レベルは上がりませんでしたが、戦いに没頭した勇者は姫のことを気にしなくなっていました。


(・∀ ・) 「くく、今なら、貴様を倒しても問題無い!」

( ゚ヨ゚) 「恩知らず!」

(・∀ ・) 「所詮俺と貴様は勇者と魔王」

(・∀ ・) 「相入れぬ存在だったのだ」

( ゚ヨ゚) 「同じ釜の飯を食った仲なのに!」

(・∀ ・) 「バイト!俺の装備を!!」

(´・ω・`) 「ははっ!」

( ゚ヨ゚) 「もうお前魔王になれよ」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 21:16:25.20 ID:Ah7Oez1h0
(´・ω・`) 「勇者殿、こちらを」

(・∀ ・) 「ふはは!この日の為に新調した鎧と剣だ!」

( ゚ヨ゚) 「まぁよい!自慢の装備ごと吹き飛ばしてくれる!!」

(・∀ ・) 「魔王覚悟!!」

( ´・ω・`)つ白

( ´・ω・`)つ白 ポチッ

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 21:17:13.47 ID:Ah7Oez1h0


                         な ん だ と ぅ ? ! 
                               ヽ`
                              ´
                               ´.
                           __,,:::========:::,,__
                        ...‐''゙ .  ` ´ ´、 ゝ   ''‐...
                      ..‐´      ゙          `‐..
                    /                    \
        .................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::´                       ヽ.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.................
   .......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙       .'                             ヽ      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;......
  ;;;;;;゙゙゙゙゙            /                           ゙:                ゙゙゙゙゙;;;;;;
  ゙゙゙゙゙;;;;;;;;............        ;゙                              ゙;       .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙
      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;.......;.............................              ................................;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙
                ゙゙゙゙i;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;l゙゙゙゙゙
              ノi|lli; i . .;, 、    .,,            ` ; 、  .; ´ ;,il||iγ
                 /゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li   ' ;   .` .;    il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
                `;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `,  ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
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41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 21:22:39.19 ID:Ah7Oez1h0

( ゚ヨ゚) 「驚いた」

(´・ω・`) 「鎧に爆発物を仕込んで置きました」

( ゚ヨ゚) 「周到!」

(´・ω・`) 「というか、既に何度も殺されてる僕から装備を受け取るのもどうかと」

( ゚ヨ゚) 「もう少し賢さにステ振りされるべきだな」

(´・ω・`) 「こちら、所持金の半分です」

( ゚ヨ゚) 「相変わらず!!」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 21:28:54.18 ID:Ah7Oez1h0

半年の長い戦いを経て、またもや敗北してしまった勇者。
久方ぶりの帰郷は、少々不本意な形になってしまいました。


( ^ω^)「長い戦いであったが、やはり勝てぬか…」

(・∀ ・) 「次こそは、必ず!」

( ^ω^)「この国で魔王に対抗出来るとすれば貴公のみ」

( ^ω^)「他に策が無いわけでは無いが…」

(・∀ ・) 「心得ております!」

ζ(゚ー゚*ζ 「…お父様、余り勇者様に重荷を背負わせぬよう…」

ζ(゚ー゚*ζ 「勇者様、けして無理はなさらないでくださいね」

ζ(゚ー゚*ζ 「あなたが死んで戻る度、心痛める者がいることも、忘れませんよう…」

(・∀ ・) 「…ッ。ありがたき、お言葉…」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 21:31:46.72 ID:Ah7Oez1h0

(・∀ ・) 「ところで王女様、顔色が優れぬようですが…」

ζ(゚ー゚*ζ 「…うふふ。お分かりになりますか?」

(・∀ ・) 「?」

( ^ω^)「まだ寝ていろと言ったのだがな」

(・∀ ・) 「まさか!何かの病を?!」

ζ(゚ー゚*ζ 「いえ、わたくし、二日前に出産しましたの」

(・∀ ・)

ζ(゚ー゚*ζ 「あの人に少し似た、かわいい子ですのよ?」

(・∀ ・)

ζ(゚ー゚*ζ 「今乳母に見させていますわ。良かったら勇者様も抱いて見ませんこと?」

(・∀ ・)

(・∀ ・) 「オメデトウ!」

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 21:35:15.21 ID:Ah7Oez1h0

幸せそうに子を抱く姫の姿は、勇者のHPとMPに深く突き刺さりました。
傷心を抱えた勇者は酒屋をはしごし、最後はパフパフ嬢の部屋に転がり込んだのです。

そして、数日後。


(・∀ ・) (いい匂いだ)

('、`*川 「あら、起きたの?もうすぐ朝ごはん出来るわよ」

(・∀ ・) 「ああ」

('、`*川 「昼になったら仕事にいくわ。お小遣い置いておくから、好きに使って」


勇者はヒモになりました。

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 21:41:39.73 ID:Ah7Oez1h0
ところ変わって魔王城。
勇者の襲撃も無くなり、魔王達は静かな毎日を満喫しておりました。

しかし、その平穏も、長くは続かないのです。


( ゚ヨ゚) 「なんだとぅ?!」

(´・ω・`) 「再度申し上げます。VIP国を中心に、周囲六国の連合軍が、魔王城へと進軍を始めました」

( ゚ヨ゚) 「なんだってわざわさこんな戦争をし掛けて来たのか」

(´・ω・`) 「勇者が役立たずだったからじゃ無いでしょうか」

( ゚ヨ゚) 「あれより役に立たないし奴か居ないだろうに」

(´・ω・`) 「ちなみに、勇者は今ヒモになってるらしいです」

( ゚ヨ゚)

( ゚ヨ゚) 「波乱万丈!!」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 21:46:28.60 ID:Ah7Oez1h0

(´・ω・`) 「毒殺、斬殺、爆殺を経験した人間は中々いないでしょうからね」

( ゚ヨ゚) 「私も大概化け物だけれど、ちゃんと死ぬ分勇者よりはマシか」

(´・ω・`) 「でも、ヨーデス様、第二形態とかあるんでしょう?」

( ゚ヨ゚) 「無いよ。これが最終形態」

(´・ω・`) 「真の力を開放とか」

( ゚ヨ゚) 「隠し事とかできない性格だから」

(´・ω・`) 「能ある鷹は爪を隠すんですよ」

( ゚ヨ゚) 「それはお前、所詮隠せる程度の能だってことだろう」

(´・ω・`) 「ものは言いようだ」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 21:48:35.06 ID:Ah7Oez1h0

( ゚ヨ゚) 「ところで、相手の指揮官は何者だ?」

(´・ω・`) 「VIP国王女デレ姫の婿、ドクオ王子でございます」

( ゚ヨ゚) 「話聞いてるだけに複雑!」

(´・ω・`) 「いかがなさいましょう」

( ゚ヨ゚) 「死の森に軍を配置。適当に追い払え。チリが積もった山など、吹けば飛ぶ」

(´・ω・`) 「はっ!」


そのころ勇者は、


(・∀ ・) タンッ タンッ ターッン


スロットで遊んでいました。

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 21:52:05.71 ID:Ah7Oez1h0

ドクオ王子率いる連合軍は、奮闘も虚しく、戦果をあげることが出来ずにおりました。
その原因は、魔王の城をぐるりと囲む、通称「死の森」。
磁場が狂い、方向感覚を失い、まっすぐ歩くことすら困難な場所なのです。
ここを無事に通るには、魔王の恩恵を受けるか、特殊なアイテムを手に入れなければなりません。

ちなみに、死の森は自殺の名所でもあります。


(;'A`) 「くっ!アンデットモンスターばっかりだ!」

(屍'A`) 「ぐおー!」

(`・ω・´) 「この!ドクオ王子に手出しはさせん!!」 ブンッ

(;'A`) 「危な!アンデットはあっちだから!」

(`・ω・´) 「我らの王子がアンデット顔なわけがない!」

(;'A`) 「テンプレートなボケしおって!読者なめんなよ!「このネタどっかで見た」とか言われちゃうぞ!」

(`・ω・´) 「問題ありません!それでこそドクオ王子です!」

(;'A`) 「扱いがシンプル過ぎて複雑ゥ!!」


メタ発言に逃げる程、連合軍は追い詰められておりました。

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 21:54:56.30 ID:Ah7Oez1h0

( ゚ヨ゚) 「死の森とアンデット如きに手こずるとは」

(´・ω・`) 「その程度でございましょう。むしろ良く保っていると讃えてもよろしいかと」

( ゚ヨ゚) 「せーっかく戦闘形態でまっているというのに」

( ゚ヨ゚) 「勇者も完全に腑抜けたよーですし、いっそVIP侵略するか」

(´・ω・`) 「ついに、ヨーデス様自ら…ッ!」

( ゚ヨ゚) 「夏になったら可愛いビキニで泳ぎたいし、今のうちにちょっとは運動せんとな」

(´・ω・`) 「魔力だけでなく女子力も高いですな、魔王様」

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 21:57:45.37 ID:Ah7Oez1h0

魔王は戦力の半分を城に残し、VIPへの進軍を始めました。
なにしろ魔王が直接戦っているので、その勢いは留まるところを知りません。

そしてついに、魔王は王都へと辿り着いたのです。


( ^ω^)「デレ!その子を連れて早く逃げなさい!」

ζ(゚ー゚*ζ 「私はこの国の姫です!夫や国民が戦う中逃げるなど出来ません!」

( ゚ヨ゚) 「いい心がけだ…中々見所のある姫君ではないか」

( ^ω^)「!?!?」ζ(゚ー゚*ζ


王と王女を守るはずの兵士達は、皆いつの間にか床に倒れておりました。
王様は剣を握ります。
愛娘と、愛孫をせめて少しでも守れるようにと、力いっぱい握ります。

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 21:58:01.95 ID:Ah7Oez1h0

( ^ω^)「とうとう、ここまで…」

( ゚ヨ゚) 「会うのは初めてだな。VIPの王よ」

( ^ω^)「魔王…ハーデス!!」

( ゚ヨ゚)

( ゚ヨ゚) 「あれ?勇者に聞いてなかった?」

( ゚ヨ゚) 「私、ハーデスじゃなくて、ヨーデス」

( ^ω^)「「ヨーデス?」」ζ(゚ー゚*ζ

( ゚ヨ゚) 「そーです」

( ^ω^)「最近あんまり見かけなくなって寂しいよね」

ζ(゚ー゚*ζ 「ええ、VIPでスレタイ検索しても見つからないことが大半ですわ」

( ゚ヨ゚) 「合ってるけど違うから。それようですだから」

( ゚ヨ゚) 「なんなのお前らの国民性。メタフィクションの使い過ぎは良く無いんだぞ?」

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 21:59:11.11 ID:Ah7Oez1h0

( ゚ヨ゚) 「まあいい。王よ。貴様らの命を差し出せば国民の命は奪わずにおいてやろう」

( ^ω^)「…貴様ら、というのは?」

( ゚ヨ゚) 「貴様と、王女、そしてその、稚児だ」

ζ(゚ー゚*ζ 「待って!せめてこの子だけは!」

( ゚ヨ゚) 「乳飲み子とはいえ、王族の血筋。生かしておけば後が厄介」

ζ(゚ー゚*ζ 「そんな……」

( ゚ヨ゚) 「逆に、国民全てを差し出せば、貴様ら三人だけは救ってやろう」

( ^ω^)「ぐぬぬ…三秒で出来たAAの分際で……」

( ゚ヨ゚)

( ゚ヨ゚) 「うっせぇ!!」

ζ(゚ー゚*ζ (気にしてるんだ…)

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 21:59:57.57 ID:Ah7Oez1h0
( ゚ヨ゚) 「いいから選べ!国民か!王の血筋か!」

( ^ω^)…

ζ(゚ー゚*ζ 「お父様…」

( ゚ヨ゚) 「くくく…」

( ^ω^)…

ζ(゚ー゚*ζ 「父様…」

( ^ω^)…

ζ(゚ー゚*ζ 「お父様がどこぞの定期スレのように…」

( ゚ヨ゚) 「発言がヤンチャ過ぎよ
お姫様」

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 22:01:33.92 ID:Ah7Oez1h0

( ゚ヨ゚) 「姫が余計なことを口走る前に、答えを出せ、王よ」

( ^ω^)…

ζ(゚ー゚*ζ 「お父様、私はこの命、産まれたその時から国民の為のものですわ」

ζ(゚ー゚*ζ 「…でも……この子は……」

( ^ω^)「分かっている。みなまで言うな」

( ゚ヨ゚) 「くくく…」

(´・ω・`) 「魔王様…」

( ゚ヨ゚) 「…どうしたバイト。興が冷めるぞ」

(´・ω・`) 「申し訳ありません。やはり、真正面から挑んで、勝てる相手ではありませんでした…」

( ゚ヨ゚) 「?!」

(´ ω `) ドサッ

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 22:05:01.91 ID:Ah7Oez1h0

側近アルバイトは、床に崩れ落ちました。
そして、その影に立っていたのは……


(・∀ ・) 「選ぶ必要はありませぬ、王よ」

(・∀ ・) 「あなたはただ、私に命じればいい」

( ゚ヨ゚)

(・∀ ・) 「魔王を倒せ、と」

( ^ω^)「…勇者殿!」

ζ(゚ー゚*ζ 「勇者様!」

( ゚ヨ゚) 「来たか、勇者!」


それまでの腑抜けっぷりを誤魔化し倒すその姿、まさに威風堂々。
上下緑ジャージに文化包丁と鍋の蓋を携えたその男は、誰よりも勇者だったのです。

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 22:08:34.68 ID:Ah7Oez1h0

( ^ω^)「勇者殿!どうか魔王を打ち倒してくだされ!」

(・∀ ・) 「御意!!」 タンッ

( ゚ヨ゚) 「来い!勇者ァ!!」


ついに実現した、勇者と魔王、人間と魔族の頂上決戦。
初撃。打ち合った文化包丁と杖から放たれた余波は壁を軋ませ、天井を震わせます。

魔王は即座に距離を取り杖から炎を放ました。
勇者は鍋の蓋でそれを払い、再び間を詰めます。
ちなみに、勇者が持つの鍋の蓋はティファールです。取っ手が取れます。


(・∀ ・) 「秘剣技、三舞大蛇!!」

( ゚ヨ゚) 「甘い!」


勇者が三度、鋭く包丁を振るうと、その衝撃波が蛇のようにうねり、魔王を襲います。
左右、上からの攻撃を魔王は難なく杖でいなしました。
ちなみに、魔王の杖は100円ショップで210円で買ったものです。税込です。

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 22:11:36.56 ID:Ah7Oez1h0

技での陽動により生まれた隙を、勇者は見逃しませんでした。
魔法の力を使い、亜音速で移動。
魔王の腹を横薙ぎにします。

しかし、これも210円の杖に防がれます。
杖が丈夫なわけでも、包丁がなまくらなわけでも、ましてや勇者が未熟な訳でもありません。
ただただ、魔王ヨーデスが、人知を超えた力を持っているだけなのです。


(・∀ ・) 「こいつは、刃渡りは足りないが、結構な業物だ…」

(・∀ ・) 「改めて、貴様を恐ろしいと思うぜ。ヨーデス」

( ゚ヨ゚) 「それは私のセリフだ」

( ゚ヨ゚) 「もしその包丁が、かの勇者の剣だったならば、私は無事では済まなかった」


勇者の剣は、スロットでつくった借金のかたに取られていました。
ギャンブルは怖いのです。

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 22:15:04.01 ID:Ah7Oez1h0

( ゚ヨ゚) 「さて、次はこちらから行こう!!」

( ゚ヨ゚) 「炎よ!!」

(・∀ ・) 「ッ!当たり前に詠唱省略しやがる!」


杖から噴き出す炎は、数個の塊のなって勇者を襲います。
勇者は、二つを剣圧で弾き、一つを躱し、残りをティファールで無理矢理にかき消しました。

魔法は本来、儀式により精霊と取引をすることで超常の力を生み出すものです。
理想は魔法陣を描き、供物を揃え、祝詞を唱えることですが、それでは戦いに使えません。

そこで編み出されたのが、呪文の詠唱のみに簡略化した手法です。
効果は下がりますが、その分素早く使うことが出来るようになりました。
そして、それをさらに短くしたものが、魔王の使った詠唱省略魔法なのです。


(・∀ ・) 「省略してもこの火力…さすが魔王と言ったところか!」


魔法の元になるのはMPという肉体エネルギーと精神エネルギーをブレンドし、昇華させたものです。
なので、使い手が強ければ強い程、簡単な魔法でも高い効果が望めます。
ついでに、MPは休めば回復するので近年の化石燃料の値上げを気にすることもありません。

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 22:18:56.47 ID:Ah7Oez1h0

(・∀ ・) 「嵐斬り!閃斬り!一陽斬り!単ザク斬り!巳神斬り!笹餓鬼!禍貫きィ!!」

( ゚ヨ゚) 「風よ!光よ!炎よ!大地よ!蝶よ!花よ!災厄よ!!」


激しい戦いが続きます。
勇者は荒々しくも丁寧に魔法攻撃を捌き、隙を見つけては反撃しました。
対する魔王は細々しくも大胆に魔法を展開し、勇者の攻撃を杖で弾きます。

王様と王女さまは、その戦いを祈るように見守りました。


(・∀ ・) 「狛斬り!!」


魔法を放ったあとの刹那の空白を、勇者は捉えました。
威力が低い分、軽く素早い斬撃を放ちます。
これが魔王の右太ももを掠めました。
この戦いにおける、初めての出血でした。

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 22:23:21.90 ID:Ah7Oez1h0

このチャンスを逃す勇者ではありません。
魔王が牽制で放った火炎弾をあえて躱さずに踏み込みました。

左半身のジャージが焼け、その内側の皮膚も同様でした。
肉の焦げる匂いが、王様達にも届くほどに香り立ちます。


( ゚ヨ゚) 「?!」

(・∀ ・) 「武津斬りィィィ!!」


代償は、魔王の左腕でした。
ヨーデスは咄嗟に魔法の防御を発動したものの防ぎ切れず、割れた肉の隙間から一瞬骨が覗きます。
それから血が止めどなく流れ出し、魔王の足元に落ちて行きました。


( ゚ヨ゚) 「癒しよ!」

(・∀ ・) 「命司りし精霊よ、我が肉体の綻びを紡ぎ癒したまえ!」


魔王、勇者それぞの傷が魔法により修復されていきました。
しかし、治療の魔法に出来るのは痛みを抑え、傷口を簡単に塞ぐのみ。
失われた血や体力は時間をかけねば戻らず、その場で完全に治すことは出来ないのです。

なので、勇者はいっそ死んで復活した方が早いのですが、妙に盛り上がってすっかり忘れていました。

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 22:27:01.04 ID:Ah7Oez1h0

(・∀ ・) 「魔王も、血は赤いのだな!」

( ゚ヨ゚) 「貴様の焼ける匂いも、豚と変わらんな!」

(・∀ ・) 「ほざけ!」


ζ(゚ー゚*ζ 「お父様」

( ^ω^)「どうしたデレ」

ζ(゚ー゚*ζ 「正直この真面目な流れ面倒臭くなってきました」

( ^ω^)「私も私も」

ζ(゚ー゚*ζ 「ギャグで途中から真面目に走る風潮はどうかと思うんですよ」

( ^ω^)「自虐は敵を作らないように言おうね」

( ゚ヨ゚) 「お前ら大概にしろ!」

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 22:31:51.94 ID:Ah7Oez1h0

そんなこんなで、魔王と勇者の戦闘は佳境を迎えます。
魔王は秘奥技によりマップ兵器並の広域魔法を指先一つで放てるようになり、
勇者は質屋を強襲し勇者の装備を取り戻していました。

互いのHPとMPが限界に差し掛かる頃には、王都は戦闘の余波で瓦礫の群となっていました。


ζ(゚ー゚*ζ 「王都が……」

( ^ω^)「例え城が崩れ街が朽ちようとも、人がいる限りVIPは死なぬ」

( ^ω^)「今は祈ろう。勇者の勝利を」

ζ(゚ー゚*ζ 「お父様…」

( ^ω^)(頼むぞ…このVIPを……)

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 22:35:10.80 ID:Ah7Oez1h0

魔王と勇者は更地と化した城で、最期の戦いに臨んでおりました。
血肉を、心を削り合う戦いは苛烈を極めます。


(・∀ ・) 「バーカ!バーカ!」

( ゚ヨ゚) 「うっせ!この恩知らず!!」

(・∀ ・) 「お前の顔変なんだよ!」

( ゚ヨ゚) 「うっせ!!お前の失恋話Twitterで拡散すんぞ!!」

(・∀ ・) 「やめろ!影でクスクス笑われそうだからやめろ!」

( ゚ヨ゚) 「へーんだ!!魔王のフォロワー1000人超えてるもんね!!すぐ広まるぞ!」

(・∀ ・) 「自慢するにしては中途半端!」

( ゚ヨ゚) 「大半はスパムとbotだけどな!」

(・∀ ・) 「寂しい!」

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 22:38:55.27 ID:Ah7Oez1h0

( ゚ヨ゚) 「大体お前戦う理由無いじゃん!!」

(・∀ ・) 「あるわ!」

( ゚ヨ゚) 「言ってみろバーカ!!」

(・∀ ・) 「世話になったパフパフ嬢を助けたい」

( ゚ヨ゚) 「律義!」

(・∀ ・) 「姫のことだって嫌いになった訳じゃ無いし!」

( ゚ヨ゚) 「健気!」

(・∀ ・) 「何よりこの国が大好きだ!」

( ゚ヨ゚) 「主人公!」

(・∀ ・) 「あと、がんばれば借金ごまかせるかなって」

( ゚ヨ゚) 「やっぱり下衆!!」

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 22:42:22.12 ID:Ah7Oez1h0

(・∀ ・) 「というわけで死ねええ!!」

( ゚ヨ゚) 「お断りだぁぁぁぁ!」

(・∀ ・) 「いいじゃん!」

( ゚ヨ゚) 「子供いるし!」

(・∀ ・) 「あの世で会わせてあげるから!」

( ゚ヨ゚) 「悪役!」

(・∀ ・) 「大丈夫!痛かったら右手挙げて!やめるから!」

( ゚ヨ゚) 「絶対無視される!」

(・∀ ・) 「生きるって大変だろ!死ね!」

( ゚ヨ゚) 「お前が死ね!」

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 22:46:00.64 ID:Ah7Oez1h0

(・∀ ・) 「ええいしぶとい!!」

( ゚ヨ゚) 「負けるわけにはいかない!」

( ゚ヨ゚) 「私が消えたら悲しむ人が沢山いる!!」

(・∀ ・) 「なんだとぅ?!」

( ゚ヨ゚) 「ほら!検索して見当たらないと寂しいから!」

(・∀ ・)

(・∀ ・) 「それ、ようですじゃん」

( ゚ヨ゚)

( ゚ヨ゚) 「そうだけど」

( ゚ヨ゚) 「いきなり冷めるなよ」

(・∀ ・)「それがメタ発言というものだ」

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 22:49:52.68 ID:Ah7Oez1h0

(・∀ ・) 「まどろっこしい!!こうなったら残った力で必殺技だ!!」

( ゚ヨ゚) 「ぐ、もうMPが!」

ヽ(・∀ ・)ノ 「魔王敗れたりィ!!」

ヽ(・∀ ・)ノ       -    ヒュッ

`゙`・;` ')ノ  パチュン

(,;∵ヨ゚)  ペチャチャ

( うヨ゚)  グシグシ

( ゚ヨ゚)

( ゚ヨ゚) 「カワイソス」

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 22:51:18.80 ID:Ah7Oez1h0

(´・ω・`) 「ご無事ですか?!魔王様!」

( ゚ヨ゚) 「お前が撃ったのかバイト」

(´・ω・`) 「はい。昔特殊部隊におりましたので」

( ゚ヨ゚) 「流石は魔王直属のバイト」

(´・ω・`) 「お褒めに預かり光栄でございます」

(´・ω・`) 「それよりも、早く避難致しましょう」

(´・ω・`) 「間もなく勇者は精霊の加護で完全復活するでしょう」

( ゚ヨ゚) 「そうだな。今の私とお前だけでは万全の勇者と戦うのは困難だ」

( ゚ヨ゚) 「帰るぞ!バイト!」

(´・ω・`) 「ははっ!その前に、こちら所持金の半分でございます!」

( ゚ヨ゚) 「どこまでも律義!」

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 22:54:02.95 ID:Ah7Oez1h0

( ^ω^)「勇者殿!!」

(・∀ ・) 「申し訳ない、王よ。みすみす魔王を取り逃がした…」

( ^ω^)「何を申す。貴公がおらねば、この国は魔王の手に落ちていた」

( ^ω^)「改めて、礼をさせて欲しい」

ζ(゚ー゚*ζ 「勇者様、私からもお礼を言わせて下さい」

(・∀ ・) 「姫……」

ζ(゚ー゚*ζ 「ほら、貴方も勇者様にお礼を」

( 'a`) 「だぁーうー」

(・∀ ・)

(・∀ ・) 「ワー!カワイー☆オッケーィ☆」

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 22:56:20.20 ID:Ah7Oez1h0

こうして、魔王の襲撃は失敗に終わってしまいました。
しかし、久々に思いっきり体を動かした魔王様は満足げです。
なんでもウェストが−3cmになったとか。

さて、それから平穏な日々がしばらく続いたある日。
魔王の城に乗り込む無謀な人間が現れました。


(・∀ ・) 「魔王!覚悟!!」

ミセ*゚ー゚)リ 「フハハ、よく来たな勇sy…またお前か!!」

(・∀ ・)

ミセ*゚ー゚)リ 「パフパフ嬢とよろしくやってたんじゃないのか。何しに来た」

(・∀ ・) 「お前誰だ?!」

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 22:57:18.54 ID:Ah7Oez1h0

ミセ*゚ー゚)リ 「私だ」

(・∀ ・) 「お前だったのか」

ミセ*゚ー゚)リ 「騙されたな」

(・∀ ・) 「まったく気付かなかった」

ミセ*゚ー゚)リ 「暇を持て余した」

(・∀ ・) 「いや、誰だよ!?」

ミセ*゚ー゚)リ 「え?私だよ私」

(・∀ ・) 「詐欺か!」

(´・ω・`) 「ヨーデス様、戦闘形態になるの忘れてます」

ミセ*゚ー゚)リ 「あ」

l!( ゚ヨ゚)il  シュンッ

( ゚ヨ゚) 「私だ」

(・∀ ・)

(・∀ ・) 「なんだとぅ?!」

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 22:58:26.02 ID:Ah7Oez1h0

( ゚ヨ゚) 「さぁ!かかってこい!」

(・∀ ・) 「待って、凄くやりにくい」

( ゚ヨ゚) 「ぬ?女だって平気で殴るんだろお前」

(・∀ ・) 「ブスはね。美少女は別」

( ゚ヨ゚) 「下衆!」

l!ミセ*゚ー゚)リil 「じゃあこのまま戦えばいいのか」

(*・∀ ・) 「構わん!やれ!思いっきり蹴ってくれ!!」

ミセ*゚ー゚)リ

ミセ*゚ー゚)リ 「心から気持ち悪い!!」

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 22:59:51.37 ID:Ah7Oez1h0

l!( ゚ヨ゚)il 「いいから、さっさと戦うぞ」

(・∀ ・) 「なんだとぅ?!」

( ゚ヨ゚) 「戦いに来たんじゃないのか」

(・∀ ・) 「そうだけど、正直戦うよりいちゃつきたい」

( ゚ヨ゚) 「お断りします」

( ゚ヨ゚) 「そもそも私、500歳は超えてるぞ」

(・∀ ・) 「なんだt…」

(・∀ ・)

(*・∀ ・) 「ロリババァ!!」

( ゚ヨ゚) 「滅べよもう」

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 23:00:48.47 ID:Ah7Oez1h0

( ´・ω・`)つy=、´  ターン

;(・∀ ・)、´ ∵ , カシュッ

(・∀ ・) 「なん・・・だと?」 バタッ

( ゚ヨ゚) 「バイト良くやった」

(´・ω・`) 「また居着かれても困るので」

(´・ω・`) 「こちら、所持金の半分です」

( ゚ヨ゚) 「やっぱり!」

(´・ω・`) 「ついでに死の森攻略アイテムも取り上げて起きました。少なくとも来る頻度は下がるでしょう」

( ゚ヨ゚) 「周到!」

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 23:02:37.93 ID:Ah7Oez1h0

ここは、六カ国の境界に聳える魔王の城。
今日も今日とて、魔王ヨーデスを狙い無謀な人間が門を叩きます。
ただ、一つ、これまでと違うのは…


(・∀ ・) 「魔王!結婚しよう!」

( ゚ヨ゚) 「なんだとぅ?!どうやって死の森越えてきた!」

(・∀ ・) 「愛のパワー」

( ゚ヨ゚) 「迷惑!」

(・∀ ・) 「さぁ!早くロリババァスタイルで結婚しよう!」

( ゚ヨ゚) 「断わる!!」

(・∀ ・) 「なんだとぅ?!」

(´・ω・`) 「はぁ…」


魔王の狙われ方が少々おかしくなった、ということです。

99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 23:03:25.96 ID:Ah7Oez1h0



            ( ゚ヨ゚)ノシ  お わ り  (・∀ ・)ノシ



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