関連作品:川 ゚ -゚)座り込んで3秒、のようです
- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 14:03:50.26 ID:QTuosFNF0
- / ,' 3
運命、というモンは皮肉なモンじゃ。
幼い子供の命さえも、簡単に奪ってしまうのじゃから。
なんでこんな話をするかというとの、
ワシの孫が今、病床に伏しとるからじゃ。
余命は3週間。
孫は5歳じゃ。ついこの間5歳の誕生日を迎えたところじゃよ。
つまりは、この子は僅か5年と3週間という短い時間で、命が終わるのじゃ。
儚き花の如し、などと、よく言ったもんじゃ。
そんな洒落た言葉を、先人はよく遺せたものよの。
少なくとも今のワシは、そんな気力はないわい。
ああ神様よ。ワシはこの云十年を、あんたに歯向かって生きてきた。
でもの、今までのこと全部忘れて欲しい。
ワシは、生まれて初めて、あんたに願う。
ワシに幸せをくれた、可愛い孫に、
幸せを、やってくれい。
------
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--
- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 14:04:38.71 ID:QTuosFNF0
- 下界には、喜びに叫ぶ者、悲しみに咽ぶ者、さまざまな人間がいる。
私が、神、という職に就いてかれこれ云十億年になる。
その云十億年の間に、人間は生まれ、栄え、文明を作った。
その様は、小さな模型を組み立てていく様にも似ている。
人間、というモノを観察すると、興味深い性質を発見した。
どうやら、それぞれ異なる『意思』を所持しているらしい。
人間はそれを、『心』、『魂』、『人格』と呼んでいるようだ。
それを理解するのは容易かった。
我々も、意思持っている。そして個々に、『倫理的固体』として存在している。
言ってみれば、人間は、この世界の『物理的固体』の中で、一番我々に近いのではなかろうか。
・・・・と、こんな難しい話は置いといて、下界の観察を続けようか。
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 14:05:28.28 ID:QTuosFNF0
- 人間が、『西暦』とよばれる暦を作ってから、彼此2000云年が経った。
私以外の神も、基本的に世界を見るだけ。
中には人間の願いを叶えてやるお人よし・・・・この場合はお神よし、と表現するのだろうか。
そんな輩も存在するのである。
もちろん、そう頻繁に願いを叶えることもできないので、見ているだけの私たちは飽きる。
まあ、云十億年もの時を呆然と眺めるだけというのは退屈だ。
その我々の中で、一端の変態が存在する。
川 ゚ -゚)
この女神だ。現世での名前は『スコチェノフ=ナオエノビッチ=クーリッシュ』だとか。
本人曰く、「長いから略して『スナオクール』でいい」とのこと。
周りの神は、彼女のことを、『クー』と呼んでいる。ここまで短くなっていいものか、と思うのだが。
クーは飽きもせず、毎日そこを覗いている。爛々と目を輝かせながら。
私は、少々ばかし嫉妬深い。でも、こればかりは妬みようがなかった。
なぜなら、
別 に う ら や ま し く な い の で 。
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 14:06:36.53 ID:QTuosFNF0
- とはいっても暇だ。
暇すぎて死ぬ。
あ、神は死ななかった。
そんな、凡そ神らしくないことを思う。
そしてちらりと、見飽きた下界を覗いたのだ。
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- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 14:07:17.59 ID:QTuosFNF0
- このいやらしいまでに白い部屋、病院と呼ばれる建物だ。
幼い子供が、ベッド、寝床のようなモノの上で眠っている。
それを優しく、そして悲哀にくれた表情で見守る、母親。
父は歯噛みをし、立ち尽くしている。
それと・・・・アレは、老人。
おそらく、というか間違いなくあの子の祖父だな。
ちょっと耳を傾けてみる。
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「そんな・・・しぃちゃんが・・・・・・余命3週間・・・・?」
「嘘・・・だろ?」
医者に、余命を告げられたのであろう。
病室に戻ったらしい夫婦は、俯き、呟いている。
老人の方はというと、子供の方をじっと見つめ、厳しい表情。
彼なりの悲しみの表現なのだろう。
ここからは、悲しみの匂いが立ち込めていた。
私の好きな匂いだ。
ちなみに私の嫌いな匂いは、幸せの、喜びの匂い。
嫉妬深い私には、耐えられない悪臭だ。
退屈していた私は、ここに一石を投じることにした。
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- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 14:08:21.75 ID:QTuosFNF0
- / ,' 3
ワシは見ていた。
息子夫婦が話しているときに、
しぃの目がうっすらと開いていたことを。
だが、ワシは止めることをしなかった。
幼いしぃには、そのような話、わからんじゃろうと、踏んでおったから。
だが、しぃは賢い。
間違いなく、気づく、感づく。
それでも、ワシは、黙っておく。
ワシは、運命に逆らうことができんことを知っておる。
神、なんて存在は気侭で、移り気で、残酷なもんじゃ。
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- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 14:09:35.06 ID:QTuosFNF0
- この幼子は、『しぃ』という名前を持っている。
人間は死の淵に立てば、絶望をする。
つまりこの、しぃ、という幼子は絶望するだろう。
私は、幼い人間を今まであまり見てこなかったので、そう思っていた。
だが、彼女は絶望の気配を見せなかった。
------
(*゚ー゚)「まま!ぼくのびょうき、はやくなおるかな?」
「そうね。しぃちゃんは強い子。頑張れば治るわ」
悲しみの淵に立っていた母親は、子の前で笑顔を作っていた。
そして子供は、まったく死の気配を感じていない。
目の前で広げられる、ほんの少しの幸せな光景。
ああ、腹が立つ。
ああ、憎々しい。
嫉妬深い私は、すこし、悪戯をしてみることにした。
------
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- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 14:10:32.48 ID:QTuosFNF0
- ここは、人間の意思の奥深くの空間。
潜在意識、という密閉空間だ。
私はしぃの母親の、『夢』の中に潜り込んだ。
「どなたですか?」
ζ(゚ー゚*ζ「私?私はね、神様」
「神様!?本当ですか!?」
ζ(゚ー゚*ζ「そう。本物の、神様」
ζ(゚ー゚*ζ「話があれば聞きますよ?」
「神様!お願いです、あの子を、しぃを、助けてください!」
ζ(゚ー゚*ζ「無理」
ζ(゚ー゚*ζ「あの子の身体、もう手遅れよ?
神の力を持ってしても、破壊された人間の身体を修復することなんてできないの。
残念だけど、あきらめなさい?」
私は、口元の笑みをやめずに、そう言った。
「なら、私が代わりになりますから!だからあの子だけは!」
ζ(゚ー゚*ζ「あのね、等価交換の理は、あなたの世界での理屈。
私は神なんだから。錬金術師様にでも頼んでみたらどう?」
- 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 14:12:02.92 ID:QTuosFNF0
- 「そんな・・・」
落胆の表情を見せる母親。
それを見て私は愉快に感じる。
ζ(゚ー゚*ζ「それとね、あなた」
「はい・・・・・・?」
ζ(゚ー゚*ζ「あの子が死ぬことを、何で本人に隠すの?」
「そんなこと・・・」
ζ(゚ー゚*ζ「だってそうでしょう?本人のことよ?だったr」
「言えるわけないでしょう!」
母親の怒号。
私はそれに何の興味も示さず、繰り返した。
ζ(゚−゚*ζ「何で?」
「母親だからよ」
ζ(゚−゚*ζ「本当、面白いわね。人間は」
「笑えばいいじゃない」
ζ(゚−゚*ζ「私、愛情とか、幸福とか、大嫌いだから。
ま、絶望に追い込んでやるわ」
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 14:12:56.22 ID:QTuosFNF0
- それだけ言って、私はそこから離脱した。
ああいう、体中から愛が染み出しているタイプの人間は嫌いだ。
耐え難い悪臭を放つ。
ああ、苛々する。
ああ、忌々しい。
潰して、やろうか。
神はみんながみんな、救いの神だというわけではないのだから。
一石を投じよう。
巨大な、桁違いな、異常な、
一石を、投じよう。
------
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- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 14:13:59.64 ID:QTuosFNF0
- それからしばらくは、あの親子の様子を見た。
母親は、悪夢から目覚め、日常へと戻った。
何も変わらない。
母親も、父親も、彼女に絶え間なく愛情を注いでいる。
もうすぐ、その子は死ぬというのに。
人間――なんて無駄の多い存在でしょう。
母親は、しぃに笑顔を向けている。
しぃも当然、笑顔。
絶え間ない悪臭。
なぜだろう。
なんでこの人間たちは、絶望しないのか。
なんでこの人間たちは、懇願しないのか。
わからない。
わからない。
―――憎々しい。
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 14:15:43.05 ID:QTuosFNF0
- ここはとある人間の、潜在意識。
私は、その空間の持ち主を探した。
卑しく、口元を吊り上げて。
------
(*゚ー゚)
いた。
間違いない。
死にゆく子供だ。
ζ(゚ー゚*ζ「こんにちは。良い子のしぃちゃん」
今から私がしようとしていること。
それは、
純粋で無垢な少女を、
突き落とすこと。
すなわち
『死の原理』を教えること。
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 14:16:47.76 ID:QTuosFNF0
- そういえば、少々前に、あの変人・・・いや変神に忠告された気がする
川#゚ -゚)『子供には、死の原理を教えるな!』
そういえばあの時はそうやって邪魔されたんだっけ。
ま、いいわ。今は邪魔が入らない。安心。
(*゚ー゚)「おねーさん、だーれ?」
ζ(゚ー゚*ζ「ん?私?神様」
私はそう言うと、衣をひらりと舞わせる。
(*゚ー゚)「わー!綺麗!かっこいい!」
純粋に笑う少女。
ζ(゚ー゚*ζ「どう?すごいでしょ?」
ちょっと自慢げな私。
いけないいけない。私の欠点はこういう幼さだった。
(*゚ー゚)「すごーい!かみさまかっこいい!」
本当に純粋に笑っている。
私はというと、なんとも微妙な気分だ。
この純粋な幼子を、
絶望に追い込むのだから。
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 14:17:30.61 ID:QTuosFNF0
- ζ(゚ー゚*ζ「しぃちゃん」
(*゚ー゚)「なあに?」
ζ(゚ー゚*ζ「貴女はね、もうすぐ死ぬのよ」
(*゚ー゚)「しぬ?なにそれ?」
ζ(゚ー゚*ζ「貴女は消えてなくなるの」
(*゚ー゚)?
ζ(゚ー゚*ζ
分からないらしい。
それは無理も無い。
世界に生を受けて5年で、死を知る人間というのは稀であろう。
そうだ!この私が死を教えてやればいい!
そして、この幼子が絶望する様を見てやろう。
また悲しみの芳しい匂いがするだろう。
それも幼子のものだ。新鮮でたまらない香りがするだろう。
私は思わず舌をなめずった
- 22 名前:ここからながら 投稿日:2009/07/12(日) 14:18:46.01 ID:QTuosFNF0
- ζ(゚ー゚*ζ「死ぬっていうのは、壊れること」
(*゚ー゚)「こわれる?」
ζ(゚ー゚*ζ「そう。壊れて無くなっちゃうの。おもちゃみたいに、ね。
怖いでしょ?恐ろしいでしょ?」
(*゚−゚)「こわれる・・・」
先ほどまで元気だったしぃは、ようやく顔を強張らせた。
その表情は、私が興奮するほど、恐怖に強張っていた。
ζ(゚ー゚*ζ「それが、もうすぐ貴女の番なの。わかる?」
(*゚ー゚)「なんで?」
素朴な質問。
私は呆気に取られてしまった。
全く予想外の質問。
そして暫くの間。
ζ(゚ー゚*ζ「神様の間でね、決まったの」
事実を、述べた。
一神の力では、覆しようのない事実。
(*゚ー゚)「なんで?」
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 14:22:32.12 ID:QTuosFNF0
- これに対しても、『なんで?』とは。
よく分からない。
人間は、こんなに死を恐れないモノだったか。
いや、死を認識できないモノだったか。
ζ(゚ー゚*ζ「決まったことなの」
(*゚ー゚)「なんで?ぼくがしぬとなにかいいことがあるの?」
ζ(゚ー゚*ζ「それは」
なんでだろう。
この女の子は、他の人間と違うのではないか。
幼いモノは、漠然とした恐怖を恐れるのではなかったのか。
分からない、分からない。
そして搾り出した答え。
ζ(゚ー゚*ζ「貴女が死ぬとね、誰かが助かるの」
『死の原理』に関わること。
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 14:28:23.66 ID:QTuosFNF0
- (*゚ー゚)「たすかるの?だれかが?」
ζ(゚ー゚*ζ「そう。助かるの。貴女が死ぬことで」
(*゚ー゚)「じゃあぼく、がまんする!」
ζ(゚ー゚*ζ
なんて、ことでしょう。
人間という臆病なモノ、その中で最も弱いとされる幼子が、いとも簡単に死を受け入れる。
信じられない!信じられない!
もっと、もっと怖がらせなくては、
ζ(゚ー゚*ζ「いなくなるのよ?怖くないの?」
(*゚ー゚)「いなくなるのはこわいよ!でもね!ぼくのおかげでだれかがたすかるんでしょ!」
ζ(゚ー゚;ζ「ええ、そうね」
(*゚ー゚)「じゃあぼく、へいき!」
おかしい。なにかがおかしい。
この幼子は何を言っているのか。
受け入れることなど、出来るはずがない。
それも、未熟な人間が。出来るはずがないのだ。
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 14:30:51.22 ID:QTuosFNF0
- ζ(゚−゚*ζ「・・・・・そう」
不可解を目の前に、私は戦慄した。
この子は、何かが違う。
不可解。
神を持ってしても、不可解。
私はその子の前から、逃げるように姿を消した。
------
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- 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 14:34:10.07 ID:QTuosFNF0
- ζ(゚−゚;ζ
うう、苛々する。
なんて子供だ。
下手な大人よりも頑丈な意思を持っている。
こうなれば、周りの人間から壊していくしか無いか。
神にも、思い通りにいかないことがあるのは知っていた。
でも、人間ごときに、阻まれるというこの異常さに、私は不快感を感じた。
父親は、もう限界のようだ。
となると、あの表情一つ崩さない――
祖父か。
------
---
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 14:38:13.25 ID:QTuosFNF0
- / ,' 3
余命は、あと2週間をきった。
ワシには、この子の死しか見えておらん。
つい昨日、しぃが目を覚ました。
起きたしぃを見てみると、目が変わっていた。
物理的ではない。論理的に。
なんじゃろう。まるで―――
世界の理を全て知った、
賢者のような。
または、
死を見据えているような。そんな目。
------
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--
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 14:40:56.35 ID:QTuosFNF0
- ζ(゚ー゚*ζ
老人は、相変わらず部屋の隅の椅子に座っている。
視線の先には、孫がいる。
この老人は、すでに孫の死を受け入れているかのようだ。
深く刻まれた皺に、そう記されているような気がした。
さて、今夜あたり、老人の潜在意識に潜り込んで、揺すってみよう。
また、面白い光景が見られるかもしれない。
------
---
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 14:47:44.07 ID:QTuosFNF0
- 潜在意識の中に入り込んでみた。
この老人の潜在意識は、激しく入り組んでいる。
喩えるならば、迷宮のような空間。
子供のように平原が続くわけでもなく、
大人のように建物が立ち並ぶわけでもない。
迷宮だ。
ζ(゚ー゚*ζ「どこ、かしら」
迷宮の奥へと突き進んでいく。
無機質な色の壁が続く。
しばらく行くと、なぜか老人は出迎えに来た。
/ ,' 3「なんじゃ、久しぶりのお客さんじゃの」
ζ(゚ー゚*ζ「あら、何の疑いもなく出迎えていいの?」
/ ,' 3「構わんよ。別に入られてどうということはない」
ζ(゚ー゚*ζ「私は――」
/ ,' 3「神様じゃろ?分かるわい」
なかなかに鋭い。
私は早いところゆすぶりをかけることにした。
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 14:52:16.76 ID:QTuosFNF0
- / ,' 3「老人に揺すぶりなんてするもんじゃないぞ」
ζ(゚ー゚;ζ!!
/ ,' 3「お前はワシにしぃの死を教えにきたんじゃろう?
分かりきっとるよ。前にも来たからの。お前みたいのが」
この老人、異常なまでに鋭い。
/ ,' 3「なあ神様よ。この老いぼれの願いを叶えるだけの力があるなら、聞いておくれ」
ζ(゚ー゚*ζ「ええ、どうぞ」
/ ,' 3「あの子を助けてくれ」
ζ(゚ー゚*ζ「無理ね」
/ ,' 3「じゃろうの」
老人は、初めから答えを知っていたかのように言った。
この老人は、一体何者か。
ζ(゚ー゚*ζ「あなた、何者?」
/ ,' 3「一端の人間じゃい」
つかみ所がない。
- 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 14:56:36.17 ID:QTuosFNF0
- ζ(゚ー゚*ζ「っ!」
私はすこし、横暴な手段に出た。
軽く私の後ろの壁を破壊したのだ。
/ ,' 3「タ・・・・・・・」
ζ(゚ー゚*ζ?
/ ,' 3「タタリじゃあああああああああああああああああああああああ!!!!」
ζ(゚ー゚*ζ「いやタタリじゃないわ。あ、でも私は良い神様じゃないし、あれ?」
/ ,' 3「冗談じゃ」
ζ(゚ー゚#ζ
このジジイ。
神を馬鹿にしているのか。
ああ、もう!
最近不可解が多すぎる!
/ ,' 3「どうせ貴様は、しぃの心も揺さぶりにいったんじゃろ?」
ζ(゚ー゚*ζ「あんた何処まで見透かしてるの?」
/ ,' 3「あの子は、強い子じゃ。死を恐れるような子じゃないわい」
ζ(゚−゚*ζ「・・・・・・・」
- 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 14:59:33.55 ID:QTuosFNF0
- ζ(゚−゚#ζ
ああ、ここからも愛情の悪臭が!
くそっ!くそっ!
なぜこうも上手くいかないのだ。
何かがおかしい。
なんで、この期に及んでそんな余裕があるのか!?
私は、このジジイの潜在意識からも、離脱した。
------
----
--
- 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 15:02:07.69 ID:QTuosFNF0
- / ,' 3
余命、しぃの、余命。
もう、残り数日じゃ。
神様。
5年という短い間では、
この子に幸せを教えてやれません。
どうかこの子に、
幸せを、与えてやってください。
------
----
--
- 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 15:06:21.73 ID:QTuosFNF0
- ζ(゚ー゚*ζ
私は、というと、下界から天上に帰ってきていた。
下界に面白いことを探しにいったのに、ああも上手くいかないとは。
ああ、苛々する。
川*゚ ー゚)
だというのにこの変神は・・・
妬ましい!くそっ!
そう思っていると、クーは、下界へ向かった。
ふん、下界に面白いことなんてないよ、と言ってみるものの、
やはり気になってしまうもので、私は下界を覗いてみた。
----
--
- 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 15:11:12.39 ID:QTuosFNF0
- ζ(゚−゚*ζ「何よまったく。あいつばかり楽しそうでずるいじゃない」
クーはというと、下界の『公園』と呼ばれるところで、人間と話していた。
嫉妬深い私は、お約束のようにツメを噛んでいた。
ζ(゚−゚#ζ「ちっ!」
太い人間が、クーと話している。
クーは楽しそうに笑っている。
・・・・というか異常なほどにテンションが上がっている。
羨ましい、なんて感情を抱いてしまった。
悔しい。
クーと話していた太い人間が去っていき、また一人、ベンチの方へと歩いてきた。
アレは―――この間の。
------
---
- 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 15:12:43.51 ID:QTuosFNF0
- / ,' 3
ワシは荒巻という。
下の名前なぞ言っても仕方の無いことじゃ。
ワシには二人の孫がおる。
10歳と5歳じゃ。可愛い盛りじゃよ。
言ってみりゃ、孫の存在がワシの幸せさね。
その孫、下のほうがの、今幼稚園のプールに行っとるんじゃよ。
プールには、入れんがの。
単純に言わせてもらう。
下の孫が白血病じゃ。
もう手遅れじゃ。どうこうしようとも思っとらん。
じゃが、孫を最後に喜ばせてやりたいものよ。
自称孫思いの、爺としては、の。
------
---
- 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 15:18:13.41 ID:QTuosFNF0
- 『荒巻』。
彼はそう名乗った。
間違いない。あのジジイだ。
なにやらクーは荒巻と話している。
それも親身になって。
このときばかりは、私の悪心ぶりが自分でも分かったような気がする。
クーの意思は、空を飛んでいく。
私はそれを目で追った。
行き先は、『VIP幼稚園』。子供が通う、学舎のようなものだ。
その行き先を、目を凝らして見てみる。
(*゚ー゚)
この間の子供だ。
安らかに、眠っている。
近くには水を張った池のようなもの。俗に言うプールというやつである。
なるほど。あのジジイ、クーに助けを求めたか。
面白い。ちょっと邪魔してやる。
------
----
- 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 15:25:01.68 ID:QTuosFNF0
- クーの意思はしぃの身体から飛び去り、戻って行った。
それを見送ってから、私は暫く観察する。
(*゚ー゚)パチッ
目を開いた。
そして、
(*゚ー゚)「ぼく、もうしぬかもしれないけど、
さいごのいちにちを、ぱぱとままと、じぃじとおにいちゃんといたい!」
そう言った。
この子は、何故こんなに強いのか。
「わかった!海にいくぞ!しぃ!」
今まで目立たなかった父親が、そう言った。
何故だろう?もう死ぬというこの子供に、なぜそこまで愛情を注ぐのか。
わからない。
家族は車で――もちろん、先ほどのジジイも乗せて――海へと向かった。
------
---
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 15:31:57.07 ID:QTuosFNF0
- ζ(゚ー゚*ζ
私はというと、またしぃの潜在意識に潜り込んでいた。
車の中で眠りこんでいたので、入り込むのは容易かった。
(*゚ー゚)「きたね!かみさま!」
ζ(゚−゚*ζ「何で?何で貴女は怖くないの?」
(*゚ー゚)「こわくないわけじゃないよ!
ぼくだってこわいんだよ!」
ζ(゚−゚*ζ「じゃあどうして、貴女は死を受け入れるというの?」
(*゚ー゚)「だって――」
(*゚ー゚)「ぼくは、ぱぱとままのこだから!!
おにいちゃんのいもうとだから!!」
ζ(゚ー゚*ζ「そんなこt」
(*゚ー゚)「それとじぃじのまごだからっ!!」
ζ(゚−゚*ζ!
この子は、強い。
恐らくクーも、苦労したはず。
この子を理解するのに。
- 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 15:34:54.93 ID:QTuosFNF0
- ε=ζ(゚ー゚*ζフー
仕方ない。
私もここは一肌脱いで
悪神改め―――
この子を、守ってあげますか。
ζ(゚ー゚*ζ「あなたは、強い子ね」
(*゚ー゚)「うん!ぼくはつよいよ!」
ζ(゚ー゚*ζ「じゃあ、この一日が終わるまで、私が守ってあげる」
(*゚ー゚)「あ、さっきのかみさまみたいだ!」
ζ(゚ー゚*ζ「私だって神だもの。煮てるかも知れないわ」
(*゚ー゚)「ありがとうね!かみさま!!」
ζ(゚ー゚*ζ
私は照れくさくなって、この空間から素早く抜け出した。
------
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- 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 15:38:35.15 ID:QTuosFNF0
- / ,' 3
しぃは、すうすうと寝息を立てている。
少し前までの、死んだような寝息ではない。
なんというか、健康的じゃ。
ワシはどうやら、一度に神を2回使ってしまったらしい。
さっきの抜けたねーちゃん神で、
もう一方は、恐らくあの巻き毛神だろう。
何はともあれ、神様、感謝するわい。
後は、ワシらが、この子に幸せを教えてやるからの。
------
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- 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 15:44:14.86 ID:QTuosFNF0
- ζ(゚ー゚*ζ
この世界の海、というのは、やはり綺麗だ。
どれだけ年を重ねても、変わらない色。
他のところでは海の色が変色しているらしいが、まあそれはいいだろう。
車の戸が開く。
そこから元気よく出てくる少女。
それを慌てて追いかける家族。
ε=ζ(゚ー゚*ζ「ホントに元気ねあの子」
見ていて呆れるほどに、元気に砂浜を駆け回っている。
(*゚ー゚)「うわーい!」
水着を着て、水際を走り回る少女。
きっと、美しい女神様の私でさえ、あの子には叶わないだろうな。
/ ,' 3「これこれしぃ!あんまりはしゃぐと転ぶぞ!」
ジジイも、心なしか表情は晴れやかだ。
ζ(゚ー゚*ζ
私は、神という職に就いて初めて、愛、というものがいい香りに感じた。
- 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 15:45:07.82 ID:QTuosFNF0
- >>55
http://boon-fiare.seesaa.net/article/123304429.html#more
ブーンがまとめブログを武器に 様がまとめてくれていました。
どうぞ
- 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 15:53:24.76 ID:QTuosFNF0
- (*゚ー゚)「うみだー!ちべてー!」
「しぃちゃん!あんまり深いとこ入っちゃだめよ!」
/ ,' 3「ワシがついとる!安心せい!」
「はーい」
ζ(゚ー゚*ζ
あんなに楽しそうに。
この光景を見ていると、まるで母になったような気分。
こんなに人間を愛しいと思ったことはないだろう。
あの母親も、しぃ、という少女のことをこんな気持ちで見ていたのだろう。
だから、死を伝えなかった。
そう思うと、私のやったことは本当にいけないことだと悟る。
彼女が彼女の時間を終える前に、謝っておこう。
ドドドドドドドドドドドドドドドド
海の向こうから、不穏な影。
津波だ。
このままでは、この周辺一帯にいるものは死んでしまうだろう。
- 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 16:06:05.21 ID:QTuosFNF0
- そういえばさっき地震が起きたとかどうとか。
まあ、その程度のことは、私にかかれば大したことは無い。
この出来事は、神の決定ではない。
ζ(゚ー゚*ζ打ち消しちゃえ☆」
シュパアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
/ ,' 3「タタリじゃあああああああああああああああああああああああああ」
一人悪ふざけしているジジイを発見。
ちなみに津波は打ち消せた。
というか、私の早とちり。
津波はかなり小さかった。
ζ(゚ー゚*ζ「恥ずかし・・・」
/ ,' 3。0(ざまあ見るのじゃ)
ζ(゚ー゚#ζキッ
/ ,' 3
全く、このジジイだけは理解しがたい。
でも、このときだけは許してやろう。
今の私は、優しい女神様なのだから。
- 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 16:08:43.57 ID:QTuosFNF0
- ζ(゚ー゚*ζ「貴方たちは、何も気にせず、その子に幸せを教えてあげなさい!」
ζ(゚ー゚*ζ「今日だけは私が守ってあげるから!!」
そう、言ってみる。
もちろん聞こえる人間はいない。
ただ、一部例外を除いては。
/ ,' 3「了解じゃ、神様」
さて、邪魔な神は遠くで見守るとしましょう。
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- 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 16:15:33.04 ID:QTuosFNF0
- もう、この子の一日は、終わる。
日も暮れた。現在は帰路についている。
しぃは、幸せそうに笑っている。
いままで皺しか見せなかったジジイも、笑顔だ。
母と父は、前の席で黙っている。
(*゚ー゚)「あのね」
おっと、最後の言葉か。
私は覗くのを止めよう。
(*゚ー゚)・・・・・・・!
/ ,' 3・・・・・・。
「・・・・・・・・」
この子の、最後の会話。
愛した、愛された彼女との最後の会話。
神であろうと、踏み入ってよい領域ではない。
と、思うだろう。
私は彼女の最期の言葉だけ、聞き取ることができた。
それは、
- 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 16:21:08.02 ID:QTuosFNF0
- (*゚ー゚)「みんなありがとうね!ぼく、たのしかった!」
ごくありふれた、しかし最高に意味のある言葉だった。
(*-o-)
そして、彼女は眠りにつく。
終わりの、時だ。
(*゚ー゚)『かみさまかみさま!』
ζ(゚ー゚*ζ「どうしたの?お別れは済んだ?」
(*゚ー゚)『うん!たのしかったもん!ないちゃだめなんだよ!』
(*゚−゚)『ないちゃだめだけど』
(*;−;)『ぼくはつよいこなのに』
ζ(゚ー゚*ζ「貴女は本当に強い子よ。
だからこそ、泣きなさい。
泣かない子供なんて、いないんだから」
(*ぅー゚)「ううん。ぼくもうだいじょうぶ!」
ζ(゚ー゚*ζ「・・・・・・そう」
本当に、この子は強い。
神をもってしても、到底辿り着けることはないだろう。
- 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 16:28:56.63 ID:QTuosFNF0
- 思わず、私は彼女を抱きしめた。
ζ(゚ー゚*ζ「いいのよ?泣いても」
(*゚ー゚)「へいき!だってぼくは、ぱぱとままのこどもだったから!」
(*゚ー゚)「ぼくはおにいちゃんの、いもうとだったから!!」
(*ぅー;)「ぼくは!じぃじの、まごだったから!!」
ζ(゚ー゚*ζ「・・・・・・そう。がんばりなさい」
そして、貴女は、次の世界へと旅立つ。
ある者はホタルとなり、ある者はネコとなる。
ある者は男となり、ある者は女となる。
そしてある者は、神になり、現世の忘れ物を守っていく。
ζ(゚ー゚*ζ「貴女の強い意志は、次の世界を開く」
ζ(゚ー゚*ζ「その強い意志が本物なら、貴女は残された家族にまた会えるわ」
(*;ー;)「うん!ぼく、みんなとまたあいたい!」
ζ(゚ー゚*ζ「さあ、進みなさい。次の世界へ」
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- 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 16:31:31.94 ID:QTuosFNF0
- / ,' 3
拝啓、神様。
しぃが死んで、10年が経ちました。
ワシは、しぃの分まで元気でやっとります。
本当は、逆だったはずだがのう・・・・・・。
そっちで、しぃは元気でやっとりますか?
ワシらのことを、見守っていますか?
忙しくなければ、お返事ください。
敬具
荒巻 スカルチノフ
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- 74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 16:36:49.86 ID:QTuosFNF0
- 拝啓 じぃじ
お手紙ありがとうございます。
頑張って生きていますか?
ぼくもがんばっています。
天上界にはね、いろんな神様がいるんですよ。
それで、ぼくは何故か神様に抜擢されちゃいました。
すごいでしょ!?ぼくが神様ですよ?
だから、僕はずっと、じぃじを、
パパを、ママを、おにいちゃんを、見ていますよ。
じぃじが悲しい顔をするとき、ぼくも悲しくなります。
みんながさびしそうにすると、ぼくも寂しくなります。
僕はずっと、貴方がたのそばにいます。
忘れないでね、じぃじ。
ぼくはじぃじのまごだよ!
荒巻 しぃ
(*゚ー゚)
/ ,' 3(*゚ー゚)ぼくはじぃじのまごだよ!のようですζ(゚ー゚*ζ FIN
- 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 16:38:33.72 ID:QTuosFNF0
『その後のビッチ神』
- 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 16:43:11.44 ID:QTuosFNF0
- 「あんたいい加減人間にちょっかいかけるのやめなさいよ!」
ζ(゚ー゚*ζ「うっさいなー。いいじゃない別に」
「ほんと性格悪いわねあんた!」
ζ(゚ー゚*ζ「私は悪い人間を成敗してるだけでしょ!?」
「はいはいそうね」
ζ(゚ー゚*ζ「やれやれ、あの時から10年経ったというのに、言われることは変わらないわね・・・」
『デレさーん!デレさーん!』
ζ(゚ー゚*ζ「はぁい!なーにー」
『ここはどうすればいいんですか!?』
ζ(゚ー゚*ζ「ああココはね、こうしてこうしてこうする」
『すごいですー!ありがとうございます。ぼく感激です!』
ζ(゚ー゚*ζ「あのさー。そろそろ僕、という一神称やめません?」
ζ(゚ー゚*ζ「ねぇ?しぃ」
(*゚ー゚)「仕方ないじゃないですかー!ぼくは物心ついたときからこうですよー」
ζ(゚ー゚*ζ「これから先長いんだから、せめて私以外の人と喋るときはやめなさい」
- 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/12(日) 16:44:47.66 ID:QTuosFNF0
- (*゚ー゚)「はーい」
ζ(゚ー゚*ζ「あっ!またあほなことしてる奴発見!」
(*゚ー゚)「えぇ」
ζ(゚ー゚*ζ「殲滅するわよ!ストレス解消に!」
(*゚ー゚)「了解です!」
改心したようで、改心していない、ビッチ神様でした。
┼ヽ -|r‐、. レ |
d⌒) ./| _ノ __ノ
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制作・著作 NHK
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