- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 20:29:09.09 ID:Ti23Q9LT0
- 2012年4月18日水曜日。
ここはニュー速VIPのとあるスレッド。
ξ゚听)ξハッ
レス番号>>4。そこにある一室にて、ツンは目を覚ました。
ξ--)ξ(なんつーか……懐かしい夢を見たもんだわ、まったく)
まだ薄暗い室内。ふるふる、と軽く顔を左右に振って、彼女は再び布団をかぶった。
ξ゚听)ξ(あれから、もう7年くらいになるんだ……)
暗闇の中、天井を見上げ、ツンはそんなことを考える。
今からおおよそ七年前。2005年9月14日。
自分がうまれ、そして『彼』と初めて出会った日。
「ツンデレ」でも「ツン子」でもない、「ツン」が生まれたあの日。
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 20:31:06.92 ID:Ti23Q9LT0
- ――――
―――
――
―
「ふひひwwwwwどーよ?」
「ちょ、おまwwww」
「クオリティタカスwwwwwww」
真っ暗な視界の中で、男たちの笑い声が聞こえていた。
ξ゚听)ξ ?
その日、初めて"顔を与えられた"少女は、ゆっくりと目を開く。
段々と明るくなる視界。
その中に皆一様に眼鏡をした、やたらと細い男たちの姿が映る。
ξ゚听)ξ(ん? ……えーと、これはどういう状況?)
「目を開けたでござるwwww目を開けたでござるぞwwwwwwww」
「俺、お前のとーちゃん、わかる?」
「ちょwwwww父ちゃん俺だからwwwwwwww真顔で嘘いうなしwwww」
ツンは何やらふひひと笑いあう男たちの言葉を聞き、小首を傾げて呟いた。
ξ゚听)ξ<……パパ?
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 20:33:28.71 ID:Ti23Q9LT0
- そのとき、文字にするなら「ずがしゃーん」とでもなりそうな、
そんなSEが辺りに響き渡った。
「……ッ!!」
「―――!!」
「くわせふじこおおおおおおおおおおお!!!」
一瞬の膠着状態の後、あたりの人間たちが見せた動きは様々だった。
大泣きするもの、神に祈るもの、叫びのたうちまわるもの。
ξ;゚听)ξ !!?
そして、それを前に茫然とするしかない少女。
「ツ、ツンたんが俺のことパパっていったああああああ!!」
「バ、バカ言っちゃいけないでござるwwwwww漏れのことに決まってるジャマイカ!!」
「ツンたあああああああん!! あたしだああああ!! 結婚してくれええええええ!!」
ξ;゚听)ξ<え? や、なに……これ?
よく見ると、数名女もいるその空間。大勢いる人間たちの全てがなぜか自分を見ているという、この状況。
正直恐ろしかったが、こういうときになんと言うべきなのか、ということを彼女は知っていた。
ξ゚听)ξ<今北産業
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 20:39:00.86 ID:Ti23Q9LT0
- 騒がしかった人間たちが、その言葉を聞いてぴたりと止まる。
「今、来たから三行で説明してくれ」という意味のその言葉は、
この板の住人に絶大な効力を発揮することを彼女は知っていたのだ。
人間たちは、しばらく顔を見合わせていたが、
やがて、にやりと微笑むと、声をそろえて言った。
「「「おまえの
かおもじ
でけたよ! うぇwwwwっうぇwwwww」」」
叫ぶ住民たち。その顔は皆笑顔で、そしてどこか誇らしげで、
ξ゚听)ξ<おk超把握……って、顔?
言われて少女は、ぺたぺた、と自分の顔を触ってみる。
ξ*゚听)ξ<え? いや、嘘、え? これが……顔?
手から伝わるのは、生まれて初めての感触。
なぜだか頬が緩む。顔全体が変に温かい。
それを見ていた住民の顔が、一瞬で緩み、そして彼らは再び叫んだ。
「「「ハッピーバースデイツン、俺らまじクオリティタカス!!!」」」
「いえー」とか「うぇーい」とか「乳首はだめでござるwwwwだめでござるよwwww」とか、
いろんな声が聞こえる。
ハイタッチしながら、右手を天高く掲げながら、住民たちはこの板ができて何回目になるかわからない、
自分たちの"才能の無駄遣い"が成功したことを心から喜び、称え合った。
- 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 20:44:52.84 ID:Ti23Q9LT0
- 住民の、みんなの笑顔と、叫び声。
それを見たり聞いたりしていると、ぼんやりとした頭が、だんだん冴えわたってくる。
そうだ、自分はたしか、この前まで「ツンデレ」とか「ツン子」とか呼ばれていたのではなかったか?
ここは、たしかニュー速VIP板。
2ちゃんねる最大の隔離空間にして、自らをニートと称する人間たちが集まる場所。
ξ*゚听)ξ<ちょっと何かってに私の顔文字決めてんのよ!
腰を両手に当て、彼女は叫ぶ。
ξ*〃〃)ξ<べ、別に嬉しくなんか無いんだからね!
「「「ツンデレktkrええええええええええええええええ!!!」」」
顔を真っ赤にする少女と、再び盛り上がる住民たち。
「ふん。これだけめでたいと、私も野菜をレイプせざるをえないな……!」
「早打ちやー! 祝いの早打ちやでー!!」ドピュドピュ
「ちょっと友達になった警官とケンカしてくるお!」
クオリティはヌクモリティを呼び、そしてまた、新たな"才能の無駄遣い"を生み出す。
新参だろうが古残だろうが平等に夢は広がりんぐ。ずっとそれが続き、ゆえに我らは不滅。
そこがこの場所。ニュー速VIPと呼ばれる、この板。
それがこいつら。VIPPERなんて名乗ってる、愛すべきバカニートども。
ξ*゚听)ξ<ふ、ふんだ。なによ……あんたらなんて、あんたらなんてねえ
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 20:48:45.21 ID:Ti23Q9LT0
- 人差し指をびっ、と立て、ツンがバカばっかりの自らの"親"たちになにか辛辣なセリフを送ってやろうとしていると、
「ぶううううううううううううううん!!!」
―――聞きなれた声が、辺りに響いた。
ξ*゚听)ξ!<……あ!
旦 旦
⊂(*^ω^)つ<本日も乙だお、もまいらー!! お茶がはいりましたおー!!
両手を広げて空を飛ぶ、アザラシみたいな顔をした生命体。
空中から大量のお茶を投下している、彼の名はブーン。
この板のマスコットであり、象徴。そしてまたの名を……
「おいすー内藤ホライゾン!」
「ホライズンだよ、バカ!」
「え? ……名字西川じゃね!?」
お茶を受け取ったり、顔面や股間で受け止めたりしながら、
住民たちはまたしょーもないことでわいわいと騒ぎだす。
そんな住民たちのいつもの盛り上がりを見回しながら、
お茶を投下し終わったブーンは、その円の中心へと降り立った。
(*^ω^)<ところで、今日はなんの"お祭り"だおー? kwskお願いするお!
いつも通りの無邪気な笑顔で微笑む彼に、住民たちは「よくぞ聞いてくれた」とばかりにふひひと笑い合った。
- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 20:56:01.98 ID:Ti23Q9LT0
「ブーン、おまえちょっと来てみwww」
「腰抜かすなよなあwwwwww」
「勃起すんじゃねえずwwwwwww」
(*^ω^)<……おー?
何やら悪い笑顔を浮かべるVIPPERどもと、首を傾げるブーン。
ξ;*゚听)ξ<ちょ!! あんたら!!?
そして、大量のVIPPERに持ちあげられ、お神輿待遇でブーンのもとに連行される少女。
「「わっしょいわっしょい!!」」ワショーイワショーイ
ξ;*゚听)ξ<ちょ、え? 離しなさいよあんたら! お神輿じゃないんだからねッ!!
正真正銘のツンデレでありながら、ツンデレまがいな悲鳴をあげるツン。
やがて住民たちはブーンの目の前に、抵抗する彼女を投下する。
きれいな姿勢で、しゅたっと地面に着地しながら、ツンはあらためて目の前の生き物と向きあった。
ξ*゚听)ξ<あ、あの……えと……
なんと言ったものか、とツンは考える。
「顔できたんだけど、どう?」とか? ……そんな髪型変えたみたいなノリでいいのか?
いや、考えてみると、そもそもこうやって"顔合わせ"するのは、始めてなわけで。
そもそも目の前の彼は、自分のことが誰なのか分かっているんだろうか?
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 20:57:22.88 ID:Ti23Q9LT0
(*^ω^)<おー? 新参さんかお? 僕はブーンいいますおー、よろしくお願いするおー
ξ゚听)ξ
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 21:01:32.35 ID:Ti23Q9LT0
- そんなことだとは思っていた……けど。
ξ゚听)ξ
(;^ω^)<お?
ξ 凵@)ξ
うん、別に……期待なんて……期待……なんて、してない、し……
(;^ω^)<お? おー? あの……
::ξ 凵@)ξ:<期待なんて……期待……なんて……!!
震える少女。群衆の内から出てきた一人の男が、ブーンへと近づき、耳打ちした。
(;^ω^)<お? ……あれ、ツン子ちゃんなのかお!?
「おまwwwww声デカスwwwwwwwwwwwwww」
カッチーンという高い音が、ツンの脳内で響き渡った。
ξ#;;)ξ<<期待なんて!! 最初っからしてなかったんだからね!!!
叫んだツンは、そのままどこかに走り去って行った。
(;^ω^)<ツ、ツン子ちゃあああああん!?
- 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 21:08:49.10 ID:Ti23Q9LT0
「あーあー、やっちゃった」
先ほどブーンに耳打ちした男が、ため息を吐きながら呆れた声で言う。
(;^ω^)<お? おー? ぼ、僕、どうすればいいんだお?
残されたブーンは、オロオロしながら周りの人間たちに訊ねた。
「さーね、シラネ。でも」
(;^ω^)<おー? でも……?
少し冷たく突き放すように言った男は、しかし泣きそうなブーンの顔を見るなり、にっと笑った。
「俺らは、VIPPERだ。やることに迷ったら、そんときにすることは決まってるジャマイカ」
( ^ω^)<お……?
きょろきょろ、と辺りを見回すブーン。
目に映る、様々な人々。その様子は、皆、そわそわしているように見える。
まるで、何かを"待っている"かのような―――
(*^ω^)<お!
一瞬考えたあと、ブーンは皆が何を自分に期待しているのかを察し、そして叫んだ。
(*^ω^)<安価だお!! 僕はこのあとどうすればいいのか、教えてほしいお!
隣に立つ男は、それに頷いた。それでいい、というように
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 21:10:55.17 ID:Ti23Q9LT0
(*^ω^)<指定安価は>>34だお!
例1「ツン子を追いかける」
例2「中出し義母レイプ」
例3「とりあえずチャーハン作る」
etc……おまいらのクオリティでブーンを助けてください!
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 21:30:03.74 ID:Ti23Q9LT0
- >>34
表示される、安価。
(;^ω^)て<……お!?
戸惑う少年。そして―――
「「「おkwwwwwww超wwwwwww把握wwwwwwwwwwwwww」」」
―――喜び騒ぐおバカたち。
(;^ω^)<お? お?
先ほどブーンに耳打ちした男が、ブーンの肩をぽん、と叩く。
「ブーン、わかってるな? 俺たちの鉄の掟」
(;^ω^)<おー……「踏んだ安価は、絶対だ」?
「That's Right」
親指立てて、発音良くいう男。
後ろの住民たちも、そろえて親指を立て、声をそろえる。
「「「ぐっどらっく!!」」」
- 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 21:39:22.03 ID:Ti23Q9LT0
- きらきらと輝く笑顔を向ける、VIPPERたち。もうこうなったらやらざるを得ない。
覚悟を決めたブーンは、両手を広げて走り出した。
==⊂(;^ω^)つ<<逝ってきますお! ぶううううううん!!
「がんばってこーい」
「俺だって安価で腹筋1000回やったんだからなー!」
「俺10000回やったしwwwwww」
「俺100000回wwwwwww」
「「それは、嘘だろ」」
「はい……」
手をぶんぶん振るおバカたちを背に、走り去るブーン。
「さて……俺らも移動するか」
「え? どこにでござる?」
「決まってんだろ……」
男は歯をむき出しにし、笑う。
「こんな面白いこと、見にいかない手はねえ!!
いくぞ、者ども!! 新しい宴じゃあああああああああ!!」
- 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 21:48:48.28 ID:Ti23Q9LT0
- ブーンは走る。
まだこのスレッドのどこかにいるはずの、ツンを求めて。
……彼女にラリアットをブチかますべく。
⊂(;^ω^)つ(とはいったものの……ツン子ちゃん、きっと怒ってるお)
ツーーーξ 凵@)ξーーーン
⊂(;^ω^)つ(お)
見えたのは、後ろ姿。
先ほど見たばかりの、金色の綺麗な巻髪。
(踏んだ安価は、絶対だ)
頭に響くは、VIPの掟。
やるしかない。
加速する身体、加速する自分。
加速する……両腕。
⊂(#^ω^)つ(超、加速式……究極!! ぶうううううんラリアットオオオオオオ!!!)
加速する腕を、傷ついた少女に命中させんと走るブーン。
しかし、神の啓示か、ブーンの無意識が拒絶したものか。
⊂(;^ω^)つ<お!!?
右足が、何かにとられ、そして……
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 22:00:29.41 ID:Ti23Q9LT0
- グルグル((⊂(;@ω@)つ))グルグル<<お? お? おおおおおお!!?
超高速で、回転し始める、ブーンの体。
ξ;゚听)ξ<え? ちょ、ブーン!!?
彼は、回転を続けながら、少女の元に向かう。そして、そのまま、しょげている彼女に突っ込んだ。
フラフラスルオー( @ωξ;*゚听)ξエ!?
両腕を、彼女に当てる形で……そう、調度抱きついているような、そんな感じになってしまった。
( @ω@)(目、目が、目が回る……お)
ξ*////)ξ<<え? あ、ああああ、あのあの、ぶっ、ブーン!!?
抱きつかれて真っ赤になっているツン。
しかし、目を回すブーンが、そんなことをしるはずもなく。
( @ω@)(つ、ツン子ちゃん……そうだお、謝らないと)
ξ*////)ξ<<あっ、あの……
( @ω@)<お、ツンk……ちゃん
ξ*////)ξ<な、なに……?
( @ω@)<さ、さっきはごめん……だお。許してほしいおー
ξ*////)ξ<は、はいぃ!!
- 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 22:05:40.66 ID:Ti23Q9LT0
- 少し、離れた場所から、によによしているバカたちが、その光景を見ていた。
「あれって、どうでござるのかwww」
「まあ、あのスピードでつっこんだら、ラリアットってことでいいだろwww」
「リア充しねええええええええ」
「……」
「ん? なにお前黙ってんの?」
「いや、僕は曲を作ってるんだけどさ、これ、タイトルにしてみようかなって」
「ちょwwwどんなタイトルになるんだよ」
「『ダブルラリアット』、とか?」
「ちょwwwwwwなんだそのタイトルwwwwwwwwww」
「その発想はなかったわwwwww」
「鬼才あwwwらwwwwわwwwwるwwwww」
- 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 22:16:10.44 ID:Ti23Q9LT0
- 少し時間が経って、落ち着いた二人は、なぜかくっついて座っていた。
(;^ω^)<あ、あのツン子ちゃ……
なんでこんな状況になってるのか、よく把握できないでいるブーンが、
隣の少女に、とりあえずラリアットをかけようとしたことを弁明しようとすると、
少女は、ぴ、と人さし指を立てると、少年の唇にあててその言葉を遮り、
そして、照れたように笑った。
ξ*゚ー゚)ξ<ツン子じゃなくてさ、できればツンって呼んで。
さっき、そう読んでくれたでしょ?
(;^ω^)<お? ……えーっと、ツン、ちゃん?
ξ*゚听)ξ<ツン。ツンでいいよ
(*^ω^)<おー……えっと、ツン
ξ*゚ー゚)ξ<うむ、それでよろしい。
辺りにの空間を、夕日の赤が照らしている。
そんな時間なのに、なんで夕日の光があたりを照らしているのかといえば……
「やるでござるなあwwwwやるでござるなあwwww」
「AA職人なめてんじゃねえよバーローwwwwwww」
空気を読んだ、おバカの活躍があったとか、なかったとか。
- 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 22:23:31.74 ID:Ti23Q9LT0
(*^ω^)<ツン、えっと。顔ができて、おめでとう、だお!
ξ*゚听)ξ<ありがと、ブーン。えっと、あのね……
(*^ω^)<お?
夕日に染まった少女の顔が、なんだかさらに赤みをおびているように見える。
よくその意味が分かっていない少年に、少女は顔を近づけていく。
ξ*゚听)ξ<わたしね、顔ができたら……してみたいこと、あったんだ……
(*^ω^)<……お? してみたいことってなんだおー?
ξ*////)ξ<あ、あのね……
だんだんと近づいてくる、少女の顔。
これが彼女の顔か、と改めて少年は思う。
顔の両脇の、金色の巻き毛と、デルタを使った三角の口。
(*^ω^)<……ツン、かわいいおー
思わず、思ったことが声に出てしまう。
ξ*////)ξ<ぶ、ブーン……!!
- 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 22:31:24.88 ID:Ti23Q9LT0
「見ろ、野菜レイプしてきたぞ、今日はカブラだああああああ!!」
「20発目!! 記念すべき20発目でござるよおおおおおおお!!!」
「警察官の友達つれてきたよおおおおおおおおおおお!!!」
(*;^ω^)ξ*;////)ξ !!?
夕日の背景をブチ破って、駆け込んでくる野郎三匹。
それにたいし、いいふいんき(なぜか変換できない)の二人はドン引き。
「「「てめえら空気嫁ええええええええええええwwwwwwwww」
少年少女のリア充事情なんてなんのその。
今日もおバカにVIPクオリティをまきちらす、VIPPERの姿がそこにあった。
- 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 22:38:44.23 ID:Ti23Q9LT0
- ―
――
―――
――――
ξ#--)ξアイツラ サイキンミナイケド コンドアッタラキットナグル
ξ#-听)ξ<……あれ?
気がつけば、スズメの鳴く声が辺りに響いていた。
薄暗かった室内も、いつの間にか外の光に照らされて明るくなっている。
ξ*-听)ξ(あー、ちょっと浸りすぎ、かな?)
この時間になってしまうと、もはや眠る気にはなれない。
枕元に置いてあったプレゼントの箱をとると、ツンは部屋の外へと出ることにした。
川 ゚ -゚)<あ
ξ゚听)ξ<あれ?
ドアを開けてすぐ、なぜか見慣れた黒髪ロングが目に飛び込んできた。
素直クール。出身はVIPではないが、
長年自分たちとともに、このニュー速VIPで活躍してきた、仲間である。
見れば、彼女の右手にもきれいな包装のされた箱。
ξ*゚ー゚)ξ<なに、もしかして……あんたも早起きしちゃったってくち?
川 - -゚)<……ああ、ツンもか
- 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 22:43:28.55 ID:Ti23Q9LT0
ξ*゚ー゚)ξ<にひひ、まーね。なんか……灌漑深いっていうかさ
川 ゚ -゚)<ふん、きみの口からそんな言葉がでてくるとはな。
今日は雨かもしれない。
ξ#゚听)ξ<なによー、あんただってそうだったんでしょー!?
川 ゚ -゚)<まあな。……あいつが、もう10年だ
それだけ愛されてきたんだと思うと、な
ξ゚听)ξ
ξ゚ー゚)ξ
川 ゚ -゚)<……なんだ、その顔
ξ゚ー゚)ξ<あんたってさあ、素直クールなのに、ときどき素直じゃないよね?
川 ゚ -゚)<私はいつだって素直だよ
- 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 22:45:08.94 ID:Ti23Q9LT0
- ξ*゚ー゚)ξ<それにしちゃあ「愛されてきた」ってさ、ずいぶん他人行儀な表現じゃない?
川 - -゚)=3<きみほどではない、ということだ
ξ;゚听)ξ<な、なによー! や、つーか別に愛してなんか……!!
川 ゚ -゚)<きみは、いつだってそのまんまツンデレだな
ξ*--)ξ<そ、そんなことないんだからねっ!!
川;゚ -゚)<……きみのプロ根性には、たまに恐れすら抱く
ξ*゚听)ξフフン<ったり前でしょ、伊達にずーっとツンデレやってないんだから!
川 - -゚)=3<私もまだまだ若い、か
ξ#゚听)ξ<そーいうこと……って、ん? あたしがおばさんだって言ってる!?
- 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 22:53:53.53 ID:Ti23Q9LT0
- 怒るツンを前に、話の内容を変えるためか、クーはツンの手元に目を移した。
川 ゚ -゚)<で、ツンのプレゼントの内容はなんだ?
てっきり私はは、自分にリボンを巻いて
「わ、私がプレゼントよっ! お嫁にしなさいよねっ!!」とかやるものとばかり……
ξ;゚听)ξ<<やらんわ!! ボソッ……む、いや、それも悪くない、かな?
川 ゚ -゚)<そうか、ドクオの発案なんだが……残念だ
ξ#--)ξ<……あいつあとでしばく
ため息を吐きながら、ツンは自分の箱を、しみじみと見た。
ξ゚听)ξ<何年前だっけ、覚えてる? 『ハッピーマテリアル』って曲
川 ゚ -゚)<ん? あー、覚えてるよ。あれだろう?
「光る風を追いこしたら、きみにきっと会えるね」
ξ*゚听)ξ<そそ、これは、"光る風"ってやつ
川 ゚ -゚)?
ξ*--)ξ<あとのお楽しみ、ってこと
- 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 23:01:30.53 ID:Ti23Q9LT0
ξ゚听)ξ
ξ゚ー゚)ξ
ツンは、箱に目をやると、再び、少し口元を緩めた。
この箱に入っているのは、VIPに住む皆から、秘密裏に集めていたもの。
最近は創作板にいることが多い自分たちと、VIPの愛すべきバカたちを繋ぐ、光る風。
「ツンをツンツンする 」
「ラリアット!ラリアット!」
「このノリいいなwww 」
少しずつ、あつめたヌクモリティと。
「 \,,人.∧,,人.∧,,人.∧,,人.∧/
≪ ギャアアアアアアアアアー ≫
/"Y'‘W"Y'‘W"Y'‘W"Y'‘W\
/⌒\
⊂二二二( ^ω^)二( )⊃
| / / /
( ヽ ノ ( )
ノ>ノ U U
三 レレ」
あいも変わらずのクオリティ
- 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 23:07:26.35 ID:Ti23Q9LT0
ξ゚听)ξ(ブーン、私たちが生きてきたVIPは、まだここにあるよ)
「ツンたんぺろぺろ(^ω^) 」
ξ*゚听)ξ(いっぱいのおバカと)
「ツン子に向かってラリアット 」
ξ*--)ξ(相変わらずの鬼畜安価)
「10年前ぐらいの2ちゃんねる思い出す」
「7567」
ξ*゚听)ξ(過去の記憶も、これからここで続く文化も)
「wwwww」
「このノリいいなwww 」
ξ*゚听)ξ(草が生えれば、みんなクオリティ)
- 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 23:12:00.26 ID:Ti23Q9LT0
川 ゚ -゚)<ツン? どうした?
顔を上げれば、クーが自分の顔を不思議そうに覗きこんできている。
ξ゚听)ξ<……なんでもないわ、じゃ、行くわよ
川 ゚ -゚)<行くって……どこへだ?
ξ゚听)ξ<決まってるじゃない、ブーンの家
川;゚ -゚)<なっ……まだ随分早いぞ?
ξ*゚听)ξ<早かろうが遅かろうが、いっしょよ、今日はあいつの誕生日なんだからね!
川;゚ -゚)<む……まあそれもそう……なのか?
あごを撫でながら、頭の上に大きな「?」を浮かべているクー。
それを前に、少女は拳を握って、言った。
ξ*゚听)ξ<よし、そうと決まれば、あいつらもみんな起こしちゃおう!!
川;゚ -゚)<……は?
- 79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 23:21:21.14 ID:Ti23Q9LT0
('A`)<あれ? お前ら何してんの?
―――ドクオ
(´・ω・`)<ツン? クーに……どうしたの、早いね
―――ショボン
_
( ゚∀゚)<あれ? ひんぬーときょぬーと、あとおっぱいじゃない奴らも…?
―――ジョルジュ
('、`*川 *(‘‘)* ミセ*゚ー゚)リ (゚、゚トソン ?
―――テンプレのみんな
川;゚ -゚)<あれ? 私の姉妹……ま、いいか、あいつらは違うIDから来そうだしな……
ファンオオイシナ アイツラ
ξ*゚听)ξ<そう、あと、IDの違うやつらも、見てないで一緒に行くよ!!
(*'∀`)<ふひひ、じゃ、手でも広げてみるか
(*´・ω・`)<「ぶーん」って? はは、いいね
_
( ゚∀゚)<ハインー? あー……朝弱いからな、後でくるか。たぶん別のIDだろうけど
- 84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 23:29:10.48 ID:Ti23Q9LT0
ぶーーーーーーーーーーーーーーーーー
⊂(*'A`)つ ⊂(*´・ω・`)つ
_
⊂(*゚∀゚)o彡゜ ⊂('、`*;川つ⊂*(*‘‘)*つ
⊂川;- -゚)つ⊂ξ*゚听)ξつ
⊂(゚、゚#トソン つ⊂ミセ*>ー゚)リつ
−−−−−−−−−−−−−−−−ん!!!!!
- 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 23:34:53.12 ID:Ti23Q9LT0
光る風を追い越したら 何が待っているのかな
- 87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 23:36:42.83 ID:Ti23Q9LT0
(;^ω^)<<ちょwwwwwえ? なにこの大所帯wwwwwwww
ξ*゚听)ξ<何って、あんたの誕生日でしょ? 今日
(;^ω^)<おまwwwwwそりゃそうだけどwwwwww
え? なんか、名無しさんもいっぱいwwwww
ξ*゚听)ξ<誕生日なんだから、あんたが好きなのはAAだけじゃないのよ?
(;^ω^)<おー……
(*^ω^)ヽテレッ
- 89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 23:42:36.52 ID:Ti23Q9LT0
ξ*゚听)ξ<ほれ、プレゼント
(*^ω^)<お? なんだお、これー
ξ*゚听)ξ<あたしたちの"ハッピーマテリアル"よ
(*^ω^)<おー? ……お! これ……
ξ*゚ー゚)ξ<これさえあれば、みんな笑顔になれる。
「雨降りでも平気、虹になる」の
(*^ω^)<まさにハピマテってわけかお!
……たしかに、これさえあれば、空だって飛べそうだお!
- 91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 23:52:38.45 ID:Ti23Q9LT0
- 始まる"祭り"。主役は前に出て、あいさつを始める。
(*^ω^)<お……えっと、本日は、コホン、本日は、その……
難しいことを言おうとする、主役。しかし、やっぱりそんなことが即興でできるはずもなく。
だから、彼は、自分にいえるだけの精一杯の感謝を、皆に伝えることにした。
(*^ω^)<今日は……みんなに集まってもらってうれしいお。
お前らのヌクモリティとクオリティに、すっごく、感謝だお!
身体が、少しだけ震えているのを感じる。
緊張ではなく、うれしくて、ちょっとだけ泣いてしまいそうなのだ。
だから、彼は泣いてしまう前に、一番言いたいことだけ、伝えておくことにした。
(*;ω;)<クオリティ……高すぎだお、お前ら
響き渡るクラッカーとともに、楽しそうな来客たちの声が部屋を満たす。
- 92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 23:55:14.10 ID:Ti23Q9LT0
「「「ハッピーバースデイブーン、俺らまじクオリティタカス!!!」」」
次の十年も、きっと幸せでありますように。
ブーンたちと、お前らに幸あれ。
- 96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 23:56:50.85 ID:Ti23Q9LT0
ξ*゚听)ξツンの、ハッピーマテリアルのようです
おしまい
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