- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 10:31:38.48 ID:HLXrPjbIO
- 死にたい。
自殺する勇気はある。
ただ怖いのは、私が死んだ後何も残らずに無になってしまうこと。
彼への気持ちも
彼との思い出も
私が生きてきた痕跡も、きっとみんなの記憶から消えてしまう
…だとしたら、彼の中からも
私が生きてきた意味は何だったのだろう
- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 10:33:02.92 ID:HLXrPjbIO
- 川 ゚ -゚)「また目が覚めてしまった」
そしていつも目覚めた後、10分ほど今日見た夢を振り返る。
彼の顔や声や仕草を思い出したくて
上司に怒られるのは夢の中だけだと祈って
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 10:36:34.30 ID:HLXrPjbIO
- 川 ゚ -゚)「おはよう、しょぼん!」
(´・ω・`)「んー、今何時?」
川 ゚ -゚)「もう10時だよ…早く起きてよ…」
(´-ω-`)「あと1時間」
川 ゚ -゚)「もー…私、7時から起きてるのに…」
(´-ω-`)「…すー…すー…」
川 ゚ -゚)(まぁ、いいか。しょぼんの寝顔がまた見れるんだし)
川 ゚ -゚)「…」
川 ///)ぎゅーっ
別れる前の
悲しいお話。
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 10:38:27.07 ID:HLXrPjbIO
- 川 ゚ -゚)「どこか行こうかな」
そして念入りに化粧をして出掛ける準備。
死にたいと呟く女が、念入りに化粧してるなんて馬鹿だろう?
でも、本当の自分の顔で外に出られないんだ。
何かで塗り潰して、私の本当の顔だけは見せないように
川;゚ -゚)「あ…今あの人と目が合った…?」
川;゚ -゚)「私のこと見てる?私の顔が変なのかな、化粧がおかしいとか…?」
川;゚ -゚)「すれ違ったあの2人は私に対して笑っているの?」
川;゚ -゚)「私が変な歩き方してたからかな」
川;゚ -゚)「私が…私が…」
そして下を向いて歩く。
まさに今の私の人生。
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 10:40:46.53 ID:HLXrPjbIO
- 急いで近くのドーナツ店に入った。
川;゚ -゚)「すみません、カフェオレください」
ζ(゚ー゚*ζ「ご一緒にドーナツはいかがですか?」にこにこ
川;゚ -゚)「あ、いいです…(ドーナツ食べれないんだ…)」
ζ(゚ー゚*ζ「申し訳ありませんでした」にこにこ
にこにこにこにこにこにこにこにこ
川;゚ -゚)(今、この人は私に対して何を思ってるのかな?)
川;゚ -゚)(カフェオレだけ頼むなよブス、とか思われてるのかな?)
川 ゚ -゚)(ごめんなさい、ごめんなさい)
ごめんなさい
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 10:49:02.35 ID:HLXrPjbIO
- ごくん。
カフェオレは少し苦くて、甘党の私には辛い。
だけど初めて飲んだカフェオレは
川 ゚ -゚)(しょぼんと初めて飲んだ)
あの頃は甘く感じていた。
川 ゚ -゚)(しょぼんと初めて)
笑顔で
川 ゚ -゚)(しょぼん)
幸せだった
ガラス越しから見える空は、黒かった。
「あ」
小さなちょうちょが、よろよろと飛んでいくのが見えた。
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 10:51:59.15 ID:HLXrPjbIO
- 別れた理由は、私がレイプされたからで
それをしょぼんに言えなくて
言えば全てが終わってしまうような気がして
(´・ω・`)「なにか隠してないか?」
あの日のしょぼんのセリフは今でも忘れられない
(´・ω・`)「…言え」
言えないよ
(´・ω・`)「浮気したんだろ、なぁ、違うか」
違うよ
( ω )「なんだよこのキスマークは」
助けて
( ω )「なんか言えよ、黙るな」
しょぼん
愛してるよ
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 11:11:17.32 ID:HLXrPjbIO
川 ゚ -゚)「…」
川 ゚ -゚)「頭飛んじゃってた」
カフェオレは何か麻薬みたいな成分が入ってるのだろうか。
いつも私に幻覚を見せてくれる。
川 ゚ -゚)「辛い夢…いや、現実の方が辛いか」
そしてカフェオレを一気に飲み干す。
このまま生きているのなら
幻覚の世界で生きる方がいい
辛い夢だとしても
夢で会いましょう
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 11:15:51.32 ID:HLXrPjbIO
- ( ω )「レイプ…されただと?」
川;゚ -゚)「ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」
( ω )「…なんでそうなったのか経緯を全て具体的に言え」
川;゚ -゚)「ちゅ…中学の同級生で集まってご飯食べに行った時に、ほら、しょぼんにメールしてそろそろ帰るって言った時だよ!先に帰ろうとしたら同級生の男の子が送ってくれるって言ってきて…」
( ω )「はっ…」
川;゚ -゚)「それで、送ってもらってる時に…」
( ω )「どういう風にヤられた?まず始めに何をされた?相手は何回イった?お前は何回イかされた?」
川;゚ -゚)「しょぼん…?」
( ω )「なぁ、お前、わかってたろ?俺、以外の男に、抱かれて、なにが、どうして、なんでだよ!!!」
ドンッ!!!
しょぼんが机を蹴り飛ばした。
川;゚ -゚)「きゃっ…」
( ω )「はぁ…はぁ…」
(´;ω;`)「帰れよ、なぁ、帰れ、帰ってくれ、出ていけ!!!!!」
何故だろう
愛してるのに
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 11:20:41.01 ID:HLXrPjbIO
しょぼんはそれから半年間、私に質問ばかりしてきた。
何度も同じ質問ばかり。
そのくせ会えば私を求めてきた。
終わった後は泣いていた。
この時から
私の人生は終わっていたんだと思う。
私が崩れていく音が聞こえた。
- 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 11:34:48.13 ID:HLXrPjbIO
- 人間関係とはすぐに崩れていくもので
それがたとえ
恋人であろうと家族であろうと
人間というものは
すぐに壊れてしまう
どれだけ死のうと思っても
死にきれない屑が生きてしまっているこの世界には
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 11:42:15.29 ID:HLXrPjbIO
- いつの間にか時計は20時をまわっていた。
川 ゚ -゚)「明日も仕事だから、帰ろうかな」
外に出ると気温が一気に下がって、体が震えた。
恋人達は楽しそうに寄り添って歩いている。
この恋人達はきっと
昔のあたしのように幸せなんだ
もう少しで冬が来るね
って言いながら幸せの道を歩いているんだ
川 ゚ -゚)「なにが幸せだったのか、今気付いたのに、もう遅かったんだ」
私は空に向かって嘆いた。
小さなちょうちょの行方はもう知らない。
- 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 11:48:39.30 ID:HLXrPjbIO
- 幸せの中に居た時は、何も感じなかった。
でも一度堕ちるところまで堕ちてしまえば、あれが幸せだったのかと泣いて後悔する醜い私がここに居る。
川 ゚ -゚)「冬の匂いがする」
そして家路についた。
- 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 11:53:49.77 ID:HLXrPjbIO
- 家に着くと、母もあの男も居なかった。
そして何も食べずにお風呂に入って布団に入る。
川 ゚ -゚)「なんで私は今日も生きたのだろう」
川 ゚ -゚)「結局何もしていない」
川 ゚ -゚)「私は生きてる価値もない」
おやすみなさい
おやすみなさい
しょぼん
おやすみなさい
川 ゚ -゚)「明日こそ、目が覚めないように」
- 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 11:59:22.31 ID:HLXrPjbIO
- ( ω )「…愛してるよ」
嘘
( ω )「こっちに…おいでよ」
うん
( ω )「犯されて…気持ち良かった?」
嫌
思い出したくない
しょぼん、しょぼん
ジリリリリリリリリリ
川 ゚ -゚)「…」
目が覚めた時の
あの嫌な、気持ち
助けてください
- 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 12:07:32.71 ID:HLXrPjbIO
- ガタンゴトン
ガタンゴトン
朝の通勤ラッシュ
揺れる電車
流れる景色
仕事の心配
生きてしまった後悔
昨日の夢
そして満員電車の中から押されるように最寄り駅に降りた。
まだ、後悔の最中だったのに
そして下を向いて仕事へ向かう。
さて、今日は何度死にたいと思うのだろう。
- 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 12:16:03.45 ID:HLXrPjbIO
- ガタンゴトン
ガタンゴトン
今日も仕事が終わったのが21時をまわった頃だった。
帰りの電車は朝の時よりも混んではいない。
所々に空いてる席もあるが、私はいつもの定位置に突っ立っている。
川 ゚ -゚)「今日も、醜いですね、クー」
ガラス越しに少しだけ映る自分の顔を見て、ボソッと呟いた。
ガラスの中の私が、少し笑った。
- 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 12:26:07.32 ID:HLXrPjbIO
- ぶーっ
ぶーっ
携帯が震えている。
川 ゚ -゚)「ん、しぃからメールだ」
内容は明日の夜、ご飯を食べないかと言うことだった。
川 ゚ -゚)「久しぶりだなぁ、行きたいなぁ、でも仕事終われるかなぁ…」
川 ゚ -゚)「…うん、明日は早めに終わろう。たまには遊びに行かないとダメだよね」
そしてしぃにメールを返信した。
- 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 12:32:32.31 ID:HLXrPjbIO
- 家に帰ると、母親と男は眠りについていた。
私はそーっと起きないように買ってきたパンを食べ、お風呂に入り、布団に入った。
川 ゚ -゚)「…」
J('∀`)し「クー?」
川 ゚ -゚)「!」
川 ゚ -゚)「ごめん、起こしちゃった?」
J('∀`)し「…おかえり」
川 ゚ -゚)「…」
川 ゚ -゚) 「…ただいま」
今日も仕事はミスばかり。
何十回と上司に叱られた。
今日は18回死にたいと思った。
だけど、少し温かい気持ちになった。
川 ゚ -゚)「おやすみなさい、明日は過ちを犯さないように」
- 76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 12:43:40.24 ID:HLXrPjbIO
- 「俺、彼女出来たんだ」
「好きでもなんでもない」
「愛し方なんかもう忘れた」
「だからお前も幸せになれよ」
幸せになんかなれないよ
ジリリリリリリリリリ
川 ゚ -゚)「また目が覚めてしまった」
川 ゚ -゚)「死にたい」
今日の夢は、夢じゃなく昔の思い出で、起きてから10分間、涙を流して今生きている自分に憂いだ。
- 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 12:49:40.02 ID:HLXrPjbIO
- 今日も満員電車に揺られる。
ただいつもと違うのは、足を踏まれたぐらいかな。
耳から流れる音楽は、今日も私を闇に引きずり込んでいく。
しょぼんが大好きだった歌。
- 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 12:54:13.46 ID:HLXrPjbIO
- (゚∀゚#)「まじかよ…信じられねぇよ…」
川;゚ -゚)「す…すみません」
(゚∀゚#)「なぁ、俺の仕事を邪魔したいのか?なんでそんなミスばかりするんだよ!」
川;゚ -゚)「すみません…」
(゚∀゚#)「はぁー…もういい、役立たず!」
川 ゚ -゚)「…」
聞こえる。私の壊れていく音。
- 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 12:59:45.79 ID:HLXrPjbIO
- ドクン
ドクン
ドクッ
…ドクン
私の心臓はもう、動くことさえも辛いみたいだ。
川 ゚ -゚)「いいよ、楽になりたいのなら」
川 ゚ -゚)「疲れたでしょ、あたしは大丈夫だよ」
川 ; -;)「我慢しないで…私はもう生きたくなんかないから…」
それでも心臓は動き続けている。
私に、生きろって言いたいの?
私が生かされてる「意味」は何?
- 85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 13:13:10.82 ID:HLXrPjbIO
- 5時半になり、私は溜まっている仕事を明日にまわし、しぃとの待ち合わせ場所へ急いだ。
川;゚ -゚)「ご…ごめん!遅れた!」
(*゚ー゚)「大丈夫だよw私こそいきなり誘ってごめんね。クーに会いたくなって。」
しぃは私の唯一の親友。
高校の時からの友達で、私が一時期いじめられてた時も、違うクラスだったにも関わらず休み時間になると毎時間会いに来てくれた。
川 ゚ -゚)「大丈夫?寒くない?お腹の赤ちゃんは大丈夫?」
(*゚ー゚)「大丈夫だよねーwほらクー姉ちゃんに言ってやんなさいw」
川*゚ -゚)「ごめんごめんw」
この時だけは昔に戻れたような気になるんだ。
何も考えず、未来は幸せだと思っていたあの幸せな高校時代に。
- 87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 13:21:07.38 ID:HLXrPjbIO
- しぃはいつも笑ってあたしの話を聞いてくれた。
川 ゚ -゚)「なぜそんなにいつも私を励ましてくれるの?」
と聞いたら
(*゚ー゚)「んー、美人だからかなw」
と笑った。
しぃは私よりも強い。
1年付き合ってた彼氏に孕まされ、挙げ句の果てに彼氏は音信不通。
それなのにしぃは
(*゚ー゚)「彼の子を産みたいの」
(*゚ー゚)「そしたらひょっこり帰ってくるかもしれない」
(*゚ー゚)「ごめんなさいって言われて、土下座されて…」
(*゚ー゚)「そこで私は笑うの、そうすれば彼も笑うの。」
そう言ってお腹をさすった。
もし戻って来なかったら?
そんなこと、聞けなかった。
- 90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 13:32:03.27 ID:HLXrPjbIO
- (*゚ー゚)「ところで、しょぼん君とはどうなったの?」
川 ゚ -゚)「んー、好きだよ」
(*゚ー゚)「それはわかってるよw」
(*゚ー゚)「しょぼん君には、会いに行ってないの?」
川 ゚ -゚)「会いに行ったら、彼女とヤってるとこに出くわしそうで嫌なんだ」
(*゚ー゚)「そっか。うん、でも戻りたいんでしょ?」
川 ゚ -゚)「…ねぇ、しぃ」
(*゚ー゚)「どうしたw」
川 ゚ -゚)「女って、本当に馬鹿な生き物だよ」
(*゚ー゚)「…だね」
川 ゚ -゚)「次はちょうちょに生まれ変わってやる」
川 ゚ -゚)「そして、高く高く、誰にも見えないところまで飛んで、しょぼんへの想いを叫ぶんだ」
川 ゚ -゚)「そして、力尽きて死んで、私は生きる目標を果たしたぞって思いながら落ちていきたい。」
(*゚ー゚)「大丈夫、クーなら出来る。私が保証する。」
そして私達は顔を見合わせて笑った。
お互いの未来に、光なんて来ないことは知っていたから。
- 91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 13:42:38.21 ID:HLXrPjbIO
- とうとう私のところにも冬が来た。
空から落ちてくる小さな小さな結晶は私の掌で溶けて、水になり私の肌へ浸透し、私の体の一部になっていく。
川 ゚ -゚)「置いていかないで」
空を見上げると、私を避けるように雪が落ちてくる。
雪にはどうやら、私が見えてないらしい。
(´・ω・`)「俺は冬が大好きなんだ」
川 ゚ -゚)「なんで?」
(´・ω・`)「2人で居れば、ポカポカだからね」
川*゚ -゚)「じゃああたしも冬が大好き」
冬なんて、大嫌いだ
- 93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 13:50:58.21 ID:HLXrPjbIO
- 家に着くと、母が悪酔いしてるみたいで、私はそそくさと逃げるようにして部屋に入った。
叫び声が聞こえる。
私は布団に潜り込んでイヤホンをつけ、音楽を聞こうとした。
パリーン
ガシャーン
ドンッ
あぁ…暴れてる…
家中の陶器やガラス、鏡などが割られていく音が家中に鳴り響く。
その時だった。
('A`;)「クー!」
川;゚ -゚)「!?」
('A`;)「母が倒れた、母が、母が!!」
川 ゚ -゚)「…」
脳出血だった。
- 95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 13:58:38.91 ID:HLXrPjbIO
- 病院に運ばれた母に意識はなく、今は眠っているみたいだった。
('A`)「とりあえず俺は実家に帰るから、また見にくるわ」
そう言って男は帰って行った。
川 ゚ -゚)「母さん」
J('-`)し「…」
川 ゚ -゚)「…」
その時のあたしの頭の中では、
このまま死んでしまえば楽になれるのに
ということばかり考えていた。
あなたの子供として、最悪だと思う。
だけど、きっと死んだ方が毎日楽しいよ。
少なくとも、今よりは。
- 96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 14:08:51.64 ID:HLXrPjbIO
- 川 ゚ -゚)「すみません、母が倒れたので今日と明日お休み頂いてもよろしいですか?」
(゚∀゚)「あぁ…それは大変だ」
(゚∀゚#)「しかし、こんな忙しい時期に…ったく…」
ツー…
ツー…
川 ゚ -゚)「…」
J('∀`)し「あー」
川 ゚ -゚)「!」
J('∀`)し「そこのテレビは同じことしか言わないんだよ。このスカート重いんだ、外しておくれ」
川 ゚ -゚)「か…母さん…?」
母さんが指していたテレビは、自分の血圧と脈拍をはかっている画面で、スカートとは固定用ベルトだった。
そして腕に刺さっていたたくさんのチューブの針が、母の手によって抜かれていて、ベッドは血だらけになっていた。
J('∀`)し「あんたは誰だ?」
- 97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 14:15:20.86 ID:HLXrPjbIO
- すぐに医者を読んで、針を差し直してもらった。
J('-`)し「すー…すー…」
( ^ω^)「今は鎮静剤で良く眠ってるお、もう大丈夫だお」
川 ゚ -゚)「…」
私は呆然とその場で立ち尽くし、母を見つめた。
( ^ω^)「脳出血だから、もしかしたらどこかに障害が出たかもしれないお。明日、MRIに入って再検査するお」
川 ゚ -゚)「…」
人間というものは
すぐに壊れてしまう生き物だ
心だけでなく体も
- 100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 14:24:38.34 ID:HLXrPjbIO
- ( ><)「大丈夫、お母さんはきっとよくなるわ」
川 ゚ -゚)「はい」
( ><)「毎日お母さんに日記を書いてあげなさい。クーちゃんが居ない時にお母さんが目を覚ましても寂しくならないようにね」
川 ゚ -゚)「…」
川 ゚ -゚)カキカキ
「母さんへ。今日は良い天気でした。ぐっすり寝てるみたいなのでもう帰ります。おやすみなさい。」
そして私が立ち上がろうとしたその瞬間だった。
J('∀`)し「く…くー?」
母の意識が普通に戻ったのは、鎮静剤がなくなった時だった。
- 102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 14:30:45.58 ID:HLXrPjbIO
- J('∀`)し「あれ、なんで私こんなとこに…」
川 ; -;)「母さん!!!!」
母の意識が戻ったのは入院して1週間のことで、1日3本までしか使えない鎮静剤を、1日6本使っていたから起こった一時的な知的障害だった。
そろそろ、雪が積もりそうだ。
- 108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 14:47:03.18 ID:HLXrPjbIO
- ある日の仕事帰り。
しぃから電話が入った。
川 ゚ -゚)「もしもし?」
(;゚ー゚)「く…くー…」
川;゚ -゚)「しぃ!どうしたの!」
(;゚ー゚)「陣痛のペースが…早くなって…」
川;゚ -゚)「早く病院行かなきゃ!」
(;゚ー゚)「私…このまま死ぬ」
川;゚ -゚)「何言ってるの…」
(;゚ー゚)「産むのが怖くって…う…産んでからも…怖くって」
川 ; -;)「…」
川 ; -;)「しぃ、死んじゃダメ!あたしたちはお婆ちゃんになっても、ずっとずっと一緒に高校時代の時のように笑って過ごすの!それで幸せになるの!幸せに、幸せになれるの!」
(*;ー;)「くー…」
川 ; -;)「そっち行くから、頑張って!!」
無我夢中でタクシー拾ってしぃの家に向かった。
私の中に「死んじゃダメ」なんて気持ち、まだ残っていたんだね。
- 110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 14:58:08.72 ID:HLXrPjbIO
- 2009年12月7日
3056g
49cm
元気な男の子が産まれた。
その子は産まれてすぐにしぃの顔を見た途端、泣き止んで笑ったらしい。
助産婦さんが
お母さんに会いたかったんだねw
と言われた時に、しぃは嬉しくて涙を流した。
彼にそっくりなその子は、幸せそうな顔だった。
産声をあげたあの瞬間は、忘れられない。
新しい命が、これから生きていく命が、私の近くで誕生した奇跡をなんて言えばいいのだろう。
こんなにもこんなにも、胸がいっぱいで、しぃの前であんなに泣いたのは初めてだった。
- 112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 15:08:11.95 ID:HLXrPjbIO
- 川*゚ -゚)「寝てるねーw」
(*゚ー゚)「可愛いでしょwさすが私の息子!!」
川*゚ -゚)「早くも親バカですねw」
(,,゚Д゚)「すー…」
(*゚ー゚)「…彼にね、そっくりなの。」
川*゚ -゚)「ふーん」
(*゚ー゚)「もしかしたら、彼かもしれない。」
川*゚ -゚)「えーw」
(*゚ー゚)「ほらね、あたしの前にひょっこり現れたでしょw」
(*゚ー゚)「さすが、私が好きになった男ね」
川*゚ -゚)「ふふっ」
(*゚ー゚)「…私とても幸せ。陣痛の時クーに電話したでしょ?あの時思ったの。私は一人で産んで一人で泣いて、ずっとこのまま一人だと思ってた。だけど違ったんだ。馬鹿だなあたし。」
川*゚ -゚)「3人だもんねーw」
(*゚ー゚)「へへw」
(,,゚Д゚)「すー」
- 114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 15:15:05.98 ID:HLXrPjbIO
- (*゚ー゚)「この子もきっと、幸せになれるよね」
川 ゚ -゚)「なれるよ。でも不幸にもなる時も必ずくる」
(*゚ー゚)「それを支えてくれる人、見つかるかな?」
川 ゚ -゚)「しぃもその一人でしょ?」
(*゚ー゚)「あ、そっか…」
川 ゚ -゚)「堕ちて行った人を拾いあげてくれる人が居れば幸せ。」
(*゚ー゚)「この子には生まれてきたこと、後悔させたくないな」
川 ゚ -゚)「難しいねww」
(*゚ー゚)「大丈夫!彼の子だし、きっと楽観的に育つw」
川*゚ -゚)「親としてそれで良いのかww」
(*゚ー゚)「あとは、クーの問題だけだねw」
川 ゚ -゚)「んー、…大丈夫!」
(*゚ー゚)「?」
- 115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 15:19:34.31 ID:HLXrPjbIO
- それから私はしょぼんに長々と彼への想いを綴ったメールを送った。
電話じゃ彼女に悪いと思ったから。
そしたらいきなりしょぼんから着信入って、思わず出てしまった。
- 119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 15:27:42.82 ID:HLXrPjbIO
- (´・ω・`)「久しぶり」
川 ゚ -゚)「久しぶり」
(´・ω・`)「いきなりあんなメール、びっくりするだろ」
川 ゚ -゚)「ごめんごめんw」
(´・ω・`)「…なんか元気になったみたいだな」
川 ゚ -゚)「そうかしら、大人になったと言いなさい」
(´・ω・`)「じゃあ俺も大人になったんだな」
川 ゚ -゚)「?」
(´・ω・`)「ごめんな、俺お前にひどいこと言ってたな。あん時は自分の気持ちでいっぱいで、クーの気持ち全然考えてなかった」
川 ゚ -゚)「いや、何もかも壊れたのは私の所為だから、もうね、うん、お互い大丈夫。」
川 ゚ -゚)「彼女は?」
(´・ω・`)「連絡ないけど、まだ付き合ってる」
川 ゚ -゚)「そっか、私はいつでもフリーだからね」
(´・ω・`)「戻る気はないよw戻ったらまた昔のキチガイの俺に戻りそうだからw」
川 ゚ -゚)「ん、そうか…。」
- 121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 15:40:29.02 ID:HLXrPjbIO
- (´・ω・`)「お互い、幸せになろう」
川 ゚ -゚)「やだ、って言ったら怒る?」
(´・ω・`)「怒る。お前が幸せになれたら、俺も幸せになれるんだから」
川 ゚ -゚)「じゃあ一生幸せになってやんない」
(´・ω・`)しょぼん
川 ゚ -゚)「私はあなたと幸せになりたかった、とだけ伝えておきましょう」
(´・ω・`)「ははw」
川 ゚ -゚)「…」
(´・ω・`)「…」
(´・ω・`)「なんか、付き合ってる時を思い出すな」
川 ゚ -゚)「うん、でも何かが違うね」
(´・ω・`)「別れてるからだろうな」
川 ゚ -゚)「ふふw」
- 122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 15:41:38.48 ID:HLXrPjbIO
- (´・ω・`)「じゃあ、そろそろ切るな」
川 ゚ -゚)「うん、またね、かな?」
(´・ω・`)「わからんwそれはもう無いかもしれないし、あるかもしれない」
川 ゚ -゚)「いつかどこかで偶然会えたら、笑って話そうね」
(´・ω・`)「了解」
川 ゚ -゚)「じゃあね」
(´・ω・`)「好きだよ」
川 ゚ -゚)「…あたしも好き」
そして私は電源ボタンを押した。
頬に涙が流れた。
- 124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 15:52:20.90 ID:HLXrPjbIO
- そして何ヶ月か経った今も、私はしょぼんが大好きだ。
仕事は昔と変わらず、憂鬱。
毎日怒られ、泣いてしまった時もある。
だから今も私は毎日電車に揺られている。
彼の大好きな歌を聞きながら。
「クー!」
川 ゚ -゚)「は…」
川;゚ -゚)「!」
川 ゚ -゚)「………」
川 ゚ -゚)「えへ」
川*゚ -゚)「会いたかったよ」
今、あなたは幸せですか?
- 125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/10(日) 15:53:35.78 ID:HLXrPjbIO
川 ゚ -゚)メンヘラのようです
終わり
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