ξ゚听)ξはモチつき上手なようです

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 16:16:17.82 ID:YqKroF/b0
それは、冷たい風がようやく和らいだ頃。
日差しが新婚家庭のリビングに差し込んだ朝の事でした。

僕はいつもの様に、妻の作った出し巻き卵と味噌汁と焼き魚へと
順繰りに箸を伸ばしておりました。

ξ゚听)ξ「ねぇ、あなた」

これが僕の妻、ツンです。
美人です。

( ^ω^)「もぐもぐ……どーしたお? ツン」

これが僕、内藤ホライゾン、26歳です。
メタボ予備軍です。今の所は、まだ。

可愛い若奥様に笑いかけながら、僕は味噌汁をゆっくり啜りました。
うん、あったまる。

ξ゚听)ξ「私、実家に帰ろうと思うの」

( ゚ω゚)∵∴ ブーッ!!

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 16:18:28.79 ID:YqKroF/b0
若奥様のこの爆弾発言には、流石の僕も口に含んだ味噌汁を噴霧せざるをえません。

ξ#゚听)ξ「やっ、もう! お行儀悪いわよ」

( ゚ω゚)「ご、ごめんなさいお……」

ξ゚听)ξ「あら素直」

( ;ω;) ブワッ!

ξ;゚听)ξそ ビクッ!

普段『開いてるのか閉じてるのか分からない』と言われるほどに細い僕の目。
しかし、この時ばかりは真ん丸に見開かれ、大粒の涙がぼろんぼろんと零れます。

( ;ω;)「おーん!」

ξ;゚听)ξ「ブーンどうしたの? 私が怒ったから?」

( ;ω;)「おおおおおおお」

学生時代のあだ名で、妻は僕の手を慰めるように撫でました。

その優しさに、再度涙腺が爆発しました。

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 16:20:53.85 ID:YqKroF/b0
ξ;゚听)ξ オロオロ

( ;ω;)「づん……いっちゃやだお……!
      ずっと一緒にいてお……」

ξ゚听)ξ「えっ」

( ;ω;)「お?」

ξ;凵G)ξ ブワッ!

( ;ω;)「お!?」

ツンの目は、僕とは大違いです。
ぱっちり大きく、まつ毛も長くて、ちょっとつり気味なのが可愛い目です。

そこから、僕と同じように、大粒の涙がぽろりぽろりと零れます。
僕よりずっと可愛らしい泣き顔です。

ξ;凵G)ξ「ぶーん! 嬉しいよ!」

( ;ω;)「つん!」

ξ;凵G)ξ「ぶーん!!」

( ;ω;)「つーん!!」

あ、あ、待って。
スレを閉じないで。

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 16:24:26.85 ID:YqKroF/b0
……失礼しました。
新婚家庭の朝の風景は、冒頭にはちょっと刺激が強すぎましたね。

少し早送りをしましょうか。

数十分後。

( うω^)「お……帰省、かお?」

ξぅ听)ξ「ええ」

( ^ω^)「なんだ、僕はてっきり離婚するつもりかと」

ξ゚听)ξ「そんなわけないじゃない」

(*^ω^)「だおねー」

すっかり冷めてしまった朝食を、2人でのんびりと口に運びます。

うん、冷めても美味しい。
この出し巻き卵。

( ^ω^)「……というより、ツンの実家って」

僕はリビングの窓から外を見やります。

( ^ω^)「はす向かいじゃないかお?」

小ぢんまりとした僕達のスイートホームとは道を挟んで、はす向かいには長い長い生垣が。
その生垣の真ん前に、大きく開いた正門が見えます。

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 16:27:37.85 ID:YqKroF/b0
奥には、僕が今まで何度も通い詰めた邸宅があります。
瓦葺木造3階建ての、純和風かつ機能性の高い、全室床暖房でジャグジーバスもある。

そんな若奥様のご実家があるのです。

ξ゚听)ξ「いえ、そっちじゃなくって」

実家が複数あるなんて。
僕のお嫁さんは何者なんでしょう。

ξ゚听)ξ「ちょっと生まれ故郷に顔出ししなきゃいけないの」

( ^ω^)「はぁ。遠いのかお?」

ξ゚听)ξ「とっても遠いわ。でも専用の交通機関があるから、時間はあまりとらないのよ」

きっと自家用ヘリとか、そんなものがあるのでしょう。

( ^ω^)「……僕も、ツンの生まれ故郷を見てみたいお」

ぽろりと、そんな本音が零れました。

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 16:35:05.26 ID:YqKroF/b0
ξ*゚听)ξ「ほんと!?」

( ^ω^)「お!」

ξ*゚听)ξ「良かった、実はブーンにも来て欲しかったのよ」

そういうと、ツンは食べ終わった食器をさげて、夫婦揃いの湯のみに熱いお茶を注いでくれました。

(*^ω^)「じゃあ一緒にいくお!」

ξ*゚听)ξ「ええ!」

……といった会話を、したのは今朝の事です。

現在の時刻はちょうど昼をまわった辺りです。

なのに、どうして。

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 16:37:14.66 ID:YqKroF/b0
ξ゚听)ξ「ブーン? 酔っちゃったの?」

( ゚ω゚)「お」

ξ゚听)ξ「もうすぐ到着だからね。ほら、窓の外に見えるでしょう?」

ええ、見えていますよ、まいはにー。
窓の外に、きんきんきらきら神秘的な銀色の輝き。

ξ*゚听)ξ「にしても、久しぶりだわ」

窓の外には。

ξ*゚听)ξ「ただいま、お月様」

白い砂と、クレーターを湛えた巨大な衛星。

月がずんずんと迫っておりました。




ξ゚听)ξはモチつき上手なようです

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 16:42:11.85 ID:YqKroF/b0
前々から、おかしいとは思ってはいたのです。

僕の妻の嫁入り道具の中に、白木作りの臼と杵が入っていたり。
妙にモチの料理レパートリーが多くて、週に1度はモチを食べていることになったり。

お陰で僕のお腹も、まるでモチのような弾力。
どうしてツンは太らないのか、不思議で仕方ありません。

そもそも、僕のお嫁さんの頭から、ひょっこりと2本兎耳が生えている時点で
『こりゃあ何だか、おかしいぞ』と疑ってかかるべきでした。

不覚です。

つまりAAであらわすと、

  /)/)
ξ゚听)ξ「どうしたの? ブーン」

こうです。
まぁ、何て可愛らしい僕のお嫁さん。

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 16:48:16.85 ID:YqKroF/b0
(*^ω^)「何でもないお! ツン可愛いお!」

ξ*゚听)ξ「ば、ばか……可愛くないもん。
       もう奥さんだもん」

(*^ω^)「じゃあ、美人さんだお」

ξ*゚听)ξ「むぅう……恥かしいからやだ」

はぁ、可愛い。
めっちゃ萌える。

嫁に萌えて何が悪いのですか。

困った事に僕の奥さんは、人目があるところではいちゃいちゃを許してくれないのです。
だからこういう機会は意外と貴重。

逃すはずもありません。

( ^ω^)「にしても、これマジかお」

ξ゚听)ξ「あなた……私が月の兎だって知ってて結婚したんじゃないの?」

( ^ω^)「気づかなかったお」

ξ゚听)ξ「うそん」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 16:52:52.13 ID:YqKroF/b0
ぷちぷちとお喋りしながら、僕たち2人は、月に降り立ちました。

下りる時に『空気がないんじゃないか』と心配しましたが、奥さんいわく

ξ゚听)ξ「ここはドームの入り口だから大丈夫」

だそうです。

タラップを降りたところで振り返ってみると、薄いオレンジ色と、丸っこい円錐形の
乗り物らしきものが3本足で立っています。

僕たちはこんなものに乗って月まで来てしまったのか。
離れて見ると、それは引っくり返したニンジンに似ていました。

グッドデザイン。可愛らしいです。
いかにも月の兎専用ロケットです。

ξ゚听)ξ「さ、ドームに入るわよ」

妻に手を引かれて、タラップから伸びた透明の大きなチューブ内を歩いていた僕は、足を止めました。

白い金属で出来たスライドドアの横に、妻がカードキーのような物を差し込みます。
ぴしゅん、とSFチックな音を立て。
ドアは大きく開きました。

( ^ω^)「……おおー」

ξ゚ー゚)ξ「ようこそ、月面兎ドームへ」

ドアの向こうは、大きな天球が覆った眩い街でした。

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 16:58:23.92 ID:YqKroF/b0
白いレンガと漆喰のような物で統一された家屋に、ドーム越しにライトブルーの光が降り注ぎます。
大きな地球が太陽の光を反射して、その薄青の光を月に届けるのだそうで。

道行く人々は皆、平安時代の着物のような、変わった格好をして。
黒や茶色の兎耳を優雅に揺らしながら歩いております。

ξ゚听)ξ「ここからメインストリートが始まってるのよ」

( ^ω^)「綺麗な街だおね」

ξ゚听)ξ「うん、ここはね」

( ^ω^)「お?」

ここは?

どういう事か、と首を傾げている間に、ツンはこつこつ靴を鳴らしながらレンガ道を進んでいきます。

並んで歩いても、キョロキョロと辺りを見回してしまう僕に、彼女は歩調を合わせてくれて。
いつもとは逆の歩き方に、2人で微笑みあいました。
ああ、幸せ。

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 17:02:22.46 ID:YqKroF/b0
ξ゚听)ξ「ほら、見えてきた。あれよ」

( ^ω^)「お」

ずんずん進んでいくと、またも、真っ白く輝く大きな建物がありました。

山のように大きなそれは、天守閣のついた、典型的な『城』にしか見えません。
僕の奥さんは、その建物にもずんずん入っていきます。

(;^ω^)「ちょ、ここ入っていいのかお?」

外壁の周りには等間隔で、黒い衣装を着た若い男が立っています。
警備の人でしょうか。
きりりと引き締めた顔立ちの彼らは、訓練を受けた人の立ち方でぴっしり背筋をのばしています。

しかし、そんな彼らも、頭の上には兎耳。

マヌケというか、シュールというか。

ξ゚听)ξ「いいのよ。実家に帰るんですもの」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 17:05:17.32 ID:YqKroF/b0
その声に、門の所にいた2人組が気づき、こっちを見ました。

(;><)「……つ、ツン様!?」

( <●><●>)「ツン姫様。一体どうしてここに?」

ξ゚听)ξ「お勤めご苦労様。お里帰りよ」

姿勢を正した2人は、奥様の姿を見つけると、地面に片膝をついて深々と頭を下げました。
ただ、ここは兎ばかりの街で、当然彼らがお辞儀をすると、長い耳がてれんと垂れるのです。

( ><)「お里帰り……なんです?」

茶色い垂れ耳の若者が言いました。
不思議そうに首を傾げています。

( <●><●>)「また急なお話ですね。
        教えていただければお迎えの車をご用意できましたのに」

黒いぴんとした耳の若者が言いました。
こちらはさして驚いた様子もなく、横に立ててあった長い棍をゆっくりと手にしました。

( <●><●>)「……時に、姫様」

ぶん、と、耳元で風が唸ります。

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 17:07:35.23 ID:YqKroF/b0
( ^ω^)「お?」

恐る恐る顔を横に向けると、寸止めどころか、ミリ止め状態の棍が見えました。

( <●><●>)「無様な短すぎる耳……この丸っこい地球人は、下僕か何かですか?」

耳が短いのは無様なようです。
そんな事より、丸っこいとは何だ。
下僕とは何だ。

とんだ兎耳男です。

君は正直、顔は結構整ってるけど、その格好で地球に来たらただのコスプレイヤーなんだぞ。

ξ゚听)ξ「こら。棍を下ろしなさいな。
       こちらは私の旦那様よ」

(;><)「な、なんだってー!? なんです!
      ご結婚なさったなんて、聞いてないんです!」

ξ゚听)ξ「今回のお里帰りは、結婚の報告をするためだもの。
      父様と母様は知ってらっしゃるわよ」

それを聞いて、2人の若者はまた奇妙な声をあげました。

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 17:10:35.95 ID:YqKroF/b0
何か失敗した料理を食べさせられて、その感想を聞かれたような、そんな顔をしています。

( <●><●>)「どうしてまた、地球人なぞ……」

( ><)「そうなんです! こいつら耳が小っさすぎて、きめぇんです!」

僕たちから見たら、その兎耳が大きすぎるのですが、僕は黙っていました。
ずっと考えていたのです。

( ^ω^)「ツン?」

( <●><●>)「こいつ、姫様を呼び捨てに……
        煮えたぎった油でカリッと丸揚げにしてやりましょうか」

ξ゚听)ξ「いいんですってば。
      ブーン、ごめんなさい。どうしたの?」

小首を傾げて僕を見上げる奥様の、可愛らしい事。

( ^ω^)「ツン……お姫様なのかお?」

ξ゚听)ξ「ええ」

あっさり。

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 17:14:06.83 ID:YqKroF/b0
当然とばかりに縦に振られる首に、僕はぽっかり口を開いてしまいます。

( ><)「ここ、兎ドームは月面一豊かな都市なんです!
      ツン様はその姫君、つまり、月で最もやんごとなき御家の姫様なんです!」

( <●><●>)「そう、腐れ地球人のあなたとは袖擦りあうことすらないお方です。
        大人しくドームから出て窒息なさい」

2人は、いや、今更だが、ここは2匹と呼ぶべきなのでしょうか。

ともかく彼らは両側からきぃきぃぴぃぴぃと小言を並べておりました。

後から聞いた事だが、月の者たちは40年以上前
僕たちが月に侵略しに来た事について大層ご立腹のようで。

言わずもがな、それは僕の所為ではないのですが。

たしかにそう考えれば、あの人類にとっての大きな1歩は彼らから見て
『隣人の土地に入った記念にビデオ撮影をし、勝手に旗を立て、石を拾って帰っていく』
という、大変無礼なものだったのでしょう。

敵意むき出しの彼らから逃れるように、ツンは僕の背を押して城の中へと入っていきました。

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 17:20:31.32 ID:YqKroF/b0
(;^ω^)「ちょっ……待ってお、ツン。
      ってことは、君は実は兎で、月からやってきて、故郷ではお姫様だったって事かお?」

ξ゚听)ξ「ええ、まぁ」

(;^ω^)「ぼ、僕はお姫様と結婚したのかお……」

どうりで可愛らしいはずです。

ξ゚听)ξ「ごめんなさい。隠してたつもりはなかったんだけど」

( ^ω^)「気づかなかった僕も僕だお。気にしないお」

それより、こちらこそごめんなさい、お姫様。
あんな小さな家で暮らさせてしまって。
召使の1人もいませんで。

思い返せば、お姫様にあるまじき主婦っぷりでありました。

炊事洗濯をてきぱきこなし。
僕の薄給でやりくりするために駅前のスーパーのタイムセールに出陣し。
合間には内職をちまちま。

そんなハイパー良いお嫁さんなのでございます。
ひかえおろう。

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 17:24:19.01 ID:YqKroF/b0
そう、そうなのです。
彼女はお姫様。僕はサラリーマン。

なんという身分違いの恋なのでしょう?

( ;ω;)「つん……今まで苦労させてごめんお……」

ξ;凵G)ξ「いいのよ、ブーン!
       あなたさえいてくれればいいの!」

( ;ω;)「つーん!」

ξ;凵G)ξ「ぶーん!」

くどいって言わないで下さい。
僕はともかく、奥さんが傷ついてしまいます。

そんなこんなをしているうちに、僕とツンはお城の大きな部屋に着きました。

観音開きの扉を抜けると、吹き抜けの広々とした間。
奥にある緩やかで幅の広い階段の上に、とても立派な椅子が2つありました。

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 17:27:04.43 ID:YqKroF/b0
近づいていくと、その椅子に座っている2人がにっこり微笑みました。

ζ(゚ー゚*ζ「あらまぁ、ブーン君」

( ^ω^)「デレさん」

ξ゚听)ξ「おかぁさん、でしょ」

(;^ω^)「お、そうだお。お久しぶりですおーお義母さん」

居住まいを正して、僕は会釈いたしました。

彼女こそ、ツンのお母様であり、僕の義母であるデレさんです。

( ^ω^)「お? ってことは……お義母さんは……?」

ζ(゚ー゚*ζ「ええ、私がこの兎ドームの女王をしているのよ」

やっぱりです。
はて、女王という事は、彼女の旦那様は?

爪'ー`)y‐「あぁ、ブーン君も連れてこられたのかい?」

これがツンのお父様。フォックスさんです。
愛煙家で、いつもタバコを手放しませんが、娘に嫌われて以来
電子タバコに変えたという、殊勝なパパなのであります。

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 17:30:56.29 ID:YqKroF/b0
( ^ω^)「こんにちはですお。連れてこられた……というと、まさか!」

爪'ー`)y‐「ふふふ。そうさ、僕も」

( ^ω^)「お義父さんは狐ドームとかから来たんですかお!?」

爪;'ー`)y‐「いや、そんなドームないし、残念ながら僕は地球人だよ……
       狐の耳なんて生えているように見えるのかい?」

釣りあがった細い瞳を眇めながら、義理の父は言いました。
この顔ですもの、てっきり狐かと思いましたのに。

しかし、彼の頭からはツンともデレさんとも違って、長い兎耳も、とんがった狐耳を生えていません。
僕は彼の事を地球の同胞として認めざるをえなくなりました。

爪'ー`)y‐「僕は婿養子なんだよ。だから、普段はこっちに暮らしてるんだよねぇ」

ζ(゚ー゚*ζ「お客様がいらしたり、特別な用事が無い時は、夫婦してこっちで暮らしているのよ」

なんという事でしょうか。
僕は全く気付きませんでした。

2人とも、いつもあの生垣の奥の大豪邸に住んでいらっしゃると思っていたのです。

マヌケな話ではありますが、本当なのですから仕方がありません。
きっと、あのニンジンロケットに乗って移動していらっしゃるのでしょう。

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 17:34:11.06 ID:YqKroF/b0
ζ(゚ー゚*ζ「今回のお里帰りはね、私達がツンにお願いして来てもらったの」

( ^ω^)「どうしてですかお?」

首を傾げる僕に、奥様は笑いかけました。

ξ*゚听)ξ「そ、それは勿論。ブーンとの結婚を公表するためよ!
       さっき門番にも言ったでしょう?」

(;^ω^)「お!? 国民は知らされてないのかお!」

ζ(゚ー゚*ζ「基本、王国とは言っても、議会で政治を行っているのよ。
       あまり王家に政略結婚の意図はないのね。
       民も祝福こそすれ、反対は余程じゃなきゃしないわ」

随分仲の良い王家と民です。

僕は感心いたしました。
こんな良いところで、僕の奥さんは生まれ育ったのでしょうか。
ハイパー良いお嫁さんになるのも頷けます。

ζ(゚ー゚*ζ「さ、ブーン君にもこちらの服を用意したから、着替えて頂戴ね!
       すぐに結婚を発表するわ」

(;^ω^)「えー! 早いですお!
      まだ心の準備が……」

妻が兎であることも、故郷が月であることも、お姫様であることも、僕はつい先ほど知ったのです。

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 17:36:58.39 ID:YqKroF/b0
おたおたと慌てる僕の肩に、ぽんと手が置かれました。
見ると、フォックスさんが笑っております。

爪'ー`)y‐「まぁま。どうせやらなきゃぁいけない行事なんだよ。
      着替えは手伝ってあげるから、こっちにおいで。兎の服は面倒なんだ」

僕が、彼と、彼の娘をきょろきょろ見比べ、失語している間に
フォックスさんは僕の背中を押して廊下に出て行ってしまいました。

(;^ω^)「ま、ま、待ってくださいおー」

爪'ー`)y‐「ブーン君……君の苦労はわかるさ。
      僕も、ここに連れてこられるまではさ、
      デレが月のお姫様であることはおろか、兎だって事も知らなかったんだ」

( ^ω^)「ですおねー」

爪'ー`)y‐「うん。兎の耳がついてるなんて、変わった子だなぁとは思ってたけど……まさか、ねぇ?
      んじゃ、まずこれを着なきゃいけないから、下着以外は脱いでー」

( ^ω^)「はいですおー」

着物と実にそっくりな、民族調の服に袖を通します。
肌触りは薄くて滑らかで、絹と化繊の間のような感じです。

ベルトのような金具付きの帯で留めて、細い行灯袴のようなものに足を通します。
後ろをヒモで固定すれば、面倒ながらも、ちゃんと道行く兎が着ていたように仕上がりました。

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 17:42:10.58 ID:YqKroF/b0
( ^ω^)「おお。門番さんみたいになったお」

爪'ー`)y‐「彼らは武人というか、警察みたいなもんだから、色は黒なんだけどね。
      それに君は上着も着ないと」

どうやらフォックスさんの話によると、地球と同じく
兎たちもある程度は職業によって服の色を変えているらしいのです

( ^ω^)「じゃあ、この服も色に意味があるんですかお?」

僕は両腕を広げて、自分の体を見下ろしました。
この建物や、城下町や、石畳と同じ、綺麗な白色です。

良く見ると、純白というよりも、白金色とでもいいましょうか?
まさに『お月様の色』なのです。

爪'ー`)y‐「ああ、それはねぇ」

フォックスさんは、上から羽織るらしい長い上着のようなものを出しながら、振り向いて笑いました。

爪'ー`)y‐「王様の色だよ」

( ゚ω゚)∵∴ ブーッ!!

爪;'ー`)y‐「うわぁー! 汚いな君は!」

( ゚ω゚)「ご、ごめんなさいお……」

爪'ー`)y‐「おや、素直だ」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 17:46:30.93 ID:YqKroF/b0
(;^ω^)「お、王様、ですかお!?」

爪'ー`)y‐「そうさぁ。お姫様は結婚したら女王様。
      女王様の旦那様は?」

(;^ω^)「王様……ですお、ね」

フォックスさんは満足そうに頷きました。

爪'ー`)y‐「だろう? だから、王様が嫌なら、ツンと離婚するしかないんだよー」

( ゚ω゚ )「おことわりですお!」

爪;'ー`)y‐「う、うん……そうだろ? ごめん、あんまりその顔でこっち見ないでくれ」

くわり、と目を見開きながら、僕は考えました。

ツンの居ない部屋で、ツンが作ったものではない味噌汁をすすり。
ツンの居ない布団で眠り、ツンに行ってきますを言わないで家をでる、ですって?

( ゚ω゚ )「おことわりですおぉおおおおお!!!」

爪;'ー`)y‐「わかったよ! 僕が悪かったよ!」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 17:49:54.01 ID:YqKroF/b0
深呼吸しろ、と言われて、僕は深く呼吸をいたしました。
ついでに水も飲め、と言われて、コップ1杯のお水を戴きました。

( ^ω^)「お?」

お水を口に入れた瞬間、僕はびっくりいたしました。

甘いのです。

いいえ、水自体がジュースのように甘いわけではないのでした。
味わってみると、普通の無味無臭の液体ですが、どういう事やら
口に含んで、飲み込む瞬間、それは確かに『甘い』と思える。そんな不思議なお水でした。

爪'ー`)y‐「月の水は美味しいでしょう」

( ^ω^)「すごいですお……何だか、甘いっていうか」

爪'ー`)y‐「うん。それが兎ドームの名産みたいなものなんだ。
      僕も初めて飲んだときはびっくりしたよ。
      まあ、王様見習いは少しくらい月の事を知っておいたほうがいいね」

ああ、そうか。
フォックスさんも、元は僕と同じ地球の民間人なのです。
下々の民なのであります。

(*^ω^)「お義父さんは、どこでお義母さんと知り合われたんですかお?」

爪'ー`)y‐「ああ、大学だよ」

(*^ω^)「そうなんですかおー」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 17:55:17.65 ID:YqKroF/b0
爪'ー`)y‐「うん、彼女は地球人の生態を詳しく学ぼうと留学してきていてねぇ。
      まさか塔大医学部で月の兎に出会うとはね」

んん? 何か不審な単語がございました。

( ^ω^)「お義父様。失礼ですが、その大学の正式名称は……」

爪'ー`)y‐「? 塔狂大学だけど?」

( ^ω^)「医学部?」

爪'ー`)y‐「イエス」

( ゚ω゚)「ノット下々ぉ!」

フォックスさんがビクリと体を強張らせました。

なんて事だ。裏切られた気分です。
僕は下々オブ下々。
まさに下々の王様、下々キングだったと言うのですか!

あ、ここ、朗読してみてください。
下々が早口言葉感を演出しておりますよ。
うふふ! たのしいですねぇ!
こりゃ傑作じゃわいな!

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 18:02:23.81 ID:YqKroF/b0
爪;'ー`)y‐「あ、あの、話を戻すんだけど……」

( ´ω`)「どうぞ……お願いしますお……」

がっかりと、僕は肩を落としてしまいました。
ああ、門番の黒耳の言うとおりです。

僕は地球人の中でも特別に優れた所のない男なのです。
月の姫様には似合わないのでしょうか。

爪'ー`)y‐「ここのドームは、地下で野菜や穀物を栽培して、それで交易してるんだ。
      肉も魚も、あれば食べるけれど、基本は菜食だね。主食はお餅」

やっぱりお餅でした。

爪'ー`)y‐「水が美味しいから、野菜も美味しくできるんだね。
      地下だけど、人工で太陽みたい装置があってさぁ。
      地球のものとは種類が違うけど、美味しいものばっかりだね」

なかなか豊かな土地のようでした。

( ^ω^)「水はどこから取ってるんですかお?」

爪'ー`)y‐「なんかマグマの代わりに氷を噴出す、火山みたいなのが地下にあってねぇ。
       石油や石炭みたいに、その氷を採掘するんだ」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 18:10:14.75 ID:YqKroF/b0
氷火山は地下でしょっちゅう噴火しており、水の循環は滞りないというのです。

不思議なものです。
僕たちは毎晩月が出ていることを知っているけれど
その地下に氷の火山があるなんて、ちぃっとも知りませんでした。

爪'ー`)y‐「エネルギーは氷火山の水力と、ドーム自体がソーラーパネルみたいなもので。
      それから、足りない時は外の砂漠地帯の風車から、風力で……」

この辺になってくると、僕にはもう良くわからない単語ばかりです。
GDPやらGNPやら、レート、穀物の金額、国民の数と人口密度と……

(;^ω^)「ストップですお! もう、着替え終わりましたおー!」

爪'ー`)y‐「あれ、そうかい?
      それじゃ、こっちでの振る舞いやら常識は、僕がまた折を見て教えよう。
      なーに、僕もデレのお義父様からご教授いただいたんだよ」

勉強、特に現代社会や経済が嫌いだった僕は身震いいたしました。
塔大卒にそんな事を教えてもらったあとでも、僕のこの矮小な脳味噌は
果たして壊れないで居られるでしょうか?

爪'ー`)y‐「さっきの、玉座があった部屋のバルコニーから、拡声器で婚約を発表するんだ。
      ツンがスピーチした後に2人で手を振るだけでいいからね」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 18:16:02.20 ID:YqKroF/b0
( ^ω^)「お……緊張しますお……」

爪'ー`)y‐「だーいじょうぶ。僕のときも、大した事は起きなかったよ」

大していないことは起きたのでしょうか。

爪'ー`)y‐「柔らかいトマトみたいな野菜を投げつけられたかな」

不安です。
この上なく不安であります。

玉座の部屋に入ると、こちらも着替えていたようで。
僕の着ているのと同じ色の着物を着たツンが立っておりました。

流石、兎のお姫様です。
綺麗に着こなした着物の色は、彼女をより輝かしく見せています。

ξ゚听)ξ「あら、案外似合ってるわ」

( ^ω^)「お腹でてるからお……」

ツンがちょくちょく作ってくれるモチ料理のお陰で、より立派になった僕のお腹は
着物のようなこの民族衣装にしっくり馴染みました。

ξ゚ー゚)ξ「そうね。じゃあ、行きましょうか?」

( ^ω^)「お、ツン」

ξ゚听)ξ「なぁに?」

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 18:22:29.86 ID:YqKroF/b0
( ^ω^)「あの、僕で良いのかお?」

ξ゚听)ξ「え?」

僕の可愛いお嫁さんは、兎の耳を揺らして振り向きました。

ξ゚听)ξ「……どういうこと?」

( ;ω;)「だって、僕はただのサラリーマンで、給料も低いお。
      それにツンのお父さんと違って頭も悪いし、お姫様の旦那様にふさわしくないお!」

僕の目から、また涙が零れました。

今日は何回泣いたのでしょう。
それでも涙は枯れないし、僕は悲しくて、顔を伏せました。

白い床に、涙が落っこちて、砕けます。

ξ゚听)ξ「ううん、そうね」

奥様は、なにやら顎に手をやって、暫し考え込む素振りを見せました。
そして、ぱちんと両手を打って、こう言いました。

ξ゚听)ξ「じゃ、離婚しましょっか!」

( ゚ω゚)∵∴ ブーッ!!

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 18:26:22.81 ID:YqKroF/b0
ξ゚听)ξ「ブーン、汚い……」

( ゚ω゚)「今度ばっかりは謝らないおぉお!!!
     そこは普通『馬鹿ね、そんなこと無いわよ』って言うところだおー!」

僕はびっくりしすぎて、危うく心臓が止まるところでした。

僕を殺すのに、鉄砲も刀も要りません。
離婚届1枚あれば、僕は悲しみのあまりバナナでスベって転んで死んでしまうでしょう。

だって夫婦なのです。

そんな、血も涙もない。

( ;ω;)「今隣で投下されてる『色々すごいようです』を見てくれお!
      モララーの愛されっぷりを! うらやましいお!」

ξ゚听)ξ「何のことかわからないけど、自分で言い出したんでしょうに……」

お嫁さんは、ポケットからハンカチをとりだしながら、僕の傍にやってきました。

泣いている僕の顔を、その可愛い花模様のハンカチで乱暴に拭いながら。

ξ゚听)ξノ「あなた、バカねぇ」

( ;ω;)「お……」

そうです。
僕はバカなのです。

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 18:32:53.78 ID:YqKroF/b0
ξ゚听)ξ「私は『お嫁に行った』のよ?」

( うω;)「お?」

ξ゚听)ξ「『ブーンをお婿さんに貰った』ワケじゃないの」

その二つが、どう違うというのでしょう?
お姫様と下々キングが結婚する事に変わりはないというのに。

ξ゚听)ξ「あの、ここまで言ってもわからないかしら?」

( ´ω`)「わかんないお……」

つまりね、と。
お嫁さんは耳をぴょこんと揺らしました。

そして、僕の後ろを、白く細い指で、示しました。

( ^ω^)「お?」

ξ゚听)ξ「私が跡を継がなくっても良いって事よ」

後ろには、沢山の若者がおりました。

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 18:36:00.84 ID:YqKroF/b0
川 ゚ -゚)「ツン姉さん、何をもめているんだ?」

ノハ*゚听)「それが地球人かー。本当に耳が短いんだなぁ」

o川*゚ー゚)o「ヒーちゃん、じろじろ見たら失礼だよぅ」

lw´‐ _‐ノv「ふぅむ。なかなか恰幅が良いな。どれ、腹に触らしてみよ」

川 ゚ 々゚)「ちきゅーじん? こわいの?」
  _
( ゚∀゚)「怖くねーって! 俺はアヤカの貧乳のが恐怖だね」

从;'ー'从「ふぇ、ひどいよぅジョルジュ君ー」

从 ゚∀从「よしよしアヤカ。俺が揉んででかくしてやるよ」

(;-_-)「ちょっと、みんな……お客さんのまえだよ?」

('、`*川「どうせ家族になるんでしょー?」

殆どが女の子で構成された、集団でした。

僕はまたまた首を傾げました。
なぜなら、彼らに生えている耳は、ツンと同じ色。
全員同じ、『お月様色』。

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 18:45:53.69 ID:YqKroF/b0
( ^ω^)「つん?」

ξ゚听)ξ「ええ」

( ^ω^)「え、全員、かお?」

ξ゚听)ξ「そう」

( ^ω^)「マジで?」

ξ゚听)ξ「ええ。全員、私と血の繋がった兄妹」

( ゚ω゚)∵∴ ブーッ!!


            \  汚 ね ぇ ! /

          ξ゚听)ξζ(゚ー゚*ζ爪'ー`)y‐_
川 ゚ -゚)ノパ听)o川*゚ー゚)olw´‐ _‐ノv川 ゚ 々゚)( ゚∀゚)从'ー'从从 ゚∀从(-_-)('、`*川

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 18:49:22.94 ID:YqKroF/b0
( ゚ω゚)「お義父さーん!?」

爪'ー`)y‐「なんじゃらほーい」

( ゚ω゚)「さっき、王様になる、とか、言いましたおね!?」

爪'ー`)y‐「王様だよぉ? 王様見習い。
      ここは議会を取り入れた王国だからねぇ。
      王様と女王様も議会の決定権を持ってるのさ。まあ、議員さんみたいなものだね」

なんてことなのでしょう。ということは。

ξ゚听)ξ「そ、王様も女王様も複数いるのよ。
      みんなで政治をして、みんなで協力していくの。リーダーも、長子とは限らないわ」

公平でしょ? とウインクしてみせる奥様に、僕はくらりと気が遠くなりました。

そして、僕は……

いいえ。
僕と、僕の可愛い可愛いお嫁さんは。

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 18:54:07.13 ID:YqKroF/b0








                  /)/)
                ξ*゚听)ξノシ(*^ω^)ノシ



           \ ワ ァ ア ア ア ア ア ア ア ア ア ッ /

\地球人氏ねー!/         \ツン姫さまー! お気を確かに!/

 \糞虫ー!/   \ド低脳!/    \饅頭!/   \ママー、なんであいつ耳短いのー?/

     \きめぇんです! きめぇんです!/   \ビロード、落ち着きなさい!/






60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/01/23(土) 19:00:18.92 ID:YqKroF/b0



ξ゚听)ξ「あなたー、ご飯よー」

(;^ω^)「またお餅かお?」

幸せな結婚生活を、送らせていただきましたお!



ξ゚听)ξはモチつき上手なようです  おわり?




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