- 1 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 19:21:35.07 ID:SMB6vOUc0
ごく最近のことである。
十月某日、名古屋市にある高級ホテルの十七階を歩く男がいた。
彼は名古屋駅に近付くにつれ見えてくるそのホテルの大きさに、電車の中で驚いた。
改札を出て少し歩いた先、入り口から見上げた天に向かって聳えるツインタワーの高さに驚愕した。
──流石は一家。
自分には不相応な場所だ、と緊張しながら彼は歩を進めた。
大理石の床を踏みしめ、如何にも高級ホテルといった風の豪奢なエレベータで十七階まで上った。
扉が開いた先、今から赴こうとしている場所へと続く廊下で、宴会の受付をしている者がいた。
( ´∀`)
机の前に座り、黒の礼服を着ている男は、胸元にネームプレートを付けていた。
「たけし」と書かれており、まだ若そうだが精悍な顔付きをしていた。
カ ゚ー゚ン「えっと……こんばんは。カーン想ブログのカーンです」
この話の主役である彼、カーンはたけしに声をかけた。
- 2 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 19:23:10.34 ID:SMB6vOUc0
事の発端は、スカイプ連合の馴れ合いだった。
一家の「ブーン系やってる人でオフ会やらね?」という冗談交じりの発言を皮切りに、
同じ場で通話をしていた女性作者が真に受け、「オフ会やりましょう」と賛同した。
年収三千万円を超える一家は、「金が余ってるから呼べるだけ呼ぼう」と、
信用できる者にのべつまくなし声をかけた。かくしてオフ会は現実のものとなり、
総勢百名近くの作者、まとめ人、絵師、感想人が集まることになった。
その中の一人、感想ブログで人気を集めているカーンもオフ会へと赴くことになる。
( ´∀`)「はい、カーンさんですね。いつも感想見させてもらってます。
これを胸に付けて入って下さい。開会式まで時間がありますから、
適当に喋って時間を潰しておいて下さい」
カ ゚ー゚ン「はい、ありがとうございます。
たけしさんの作品、いつも楽しく読ませて頂いてます」
カーンはたけしから自分の名前の書かれたネームプレートを受け取り、胸元に付けた。
なるほど、これなら顔を知らなくても誰が誰なのか分かる、と彼は思った。
どこかぎこちなく挨拶を交わし、彼は宴会場の扉を開いた。
- 3 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 19:25:21.97 ID:SMB6vOUc0
扉を開いた先には、白いテーブルクロスをかけられた丸いテーブルが等間隔に並んでいた。
室内は驚くほどの広さで、天井にはシャンデリアが光を受けて煌めいていた。
カーンは集合の時間よりも三十分前にやって来たが、疎らに人が立っていた。
本当に、自分は今オフ会に来ているんだな、と彼は思った。
( ゚天゚)「ゴブリンただのおっさんやんけ」
( ゚東゚)「おっさんちゃうわ、まだ二十代やし」
カ;゚ー゚ン(あ、あれは天国さんにたk、東京さん! 天国さんイケメンすぎだろ!)
入り口から最も近くにいた二人は、天国と東京だった。
天国の容姿はV系の爽やかイケメンで、hydeとGacktともこみちを足して三で割ったような顔だった。
身長はhydeプラス三十センチといったところで、さらさらの前髪が若干顔を隠している。
東京のネームプレートには「ゴブリン」と書かれていた。
カ ゚ー゚ン「こんばんは、カーン想ブログのカーンです。初めまして」
( ゚天゚)「ああ、カーンさん。初めまして、オフ会とか一家馬鹿ですね」
( ゚東゚)「来てるお前が言うんかい」
- 4 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 19:27:41.80 ID:SMB6vOUc0
作者の真似事をしているカーンは、天国を尊敬していた。
故に、憧れの天国とリアルで話すことができて、彼は有頂天だ。
東京のことは眼中になかった。
( ゚天゚)「いやいや、カーンさんは感想上手いし作品も面白くて尊敬しますよ」
おまけに、尊敬していると賞賛されたカーンは心の内で舞い上がった。
私男だけど天国さんになら抱かれてもいい、とカーンは思った。
カ*゚ー゚ン「ありがとうございます」
イケメンで優しくて才能ある作者の天国は、男女問わず好かれている。
カーンは早くもオフ会に来て良かった、と思い始めていた。
名残惜しかったが、今来ている人に挨拶して回ろう、と彼はその場を去った。
時間はまだまだあるのだ、後でまた来ればいい、と。
- 5 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 19:29:48.09 ID:SMB6vOUc0
( ´ω´)「でんちゃん細すぎ」
デン ●ω○)スケ「普通だよ、全然普通だよ」
カ;゚ー゚ン(あれはめろんさんに田助さん!)
壁に背を凭れ腕を組み、いっとうダンディな雰囲気を放つ男、そして病的に細い青年がいた。
めろんは年齢にそぐわない外見をしており、黒のタキシード姿は三十代のそれにも見えた。
なんてハードボイルドで渋い漢なんだ……とカーンは思った。
田助はあまりにも細く、背も小さかったため高校生かと勘違いするほどだった。
聞くところによると不治の病に冒され、憐れな生涯を送ってきたらしい。
スカイプで耳にした噂は本当だったのか、とカーンは神妙な気持ちになった。
カ ゚ー゚ン「めろんさん、田助さん、こんばんは」
( ´ω´)ノ「カーンさんじゃないですか、こんばんはー」
デン ●ω○)スケノ「こんばんはー」
二人は仲が良かった。
- 7 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 19:33:06.29 ID:SMB6vOUc0
( ´ω´)「で、八月にほのさんと下鴨神社行ったんですよ。
糺の森が意外と涼しくて良い雰囲気でした、蚊に刺されまくったんですけどね」
デン ●ω○)スケ「死ねばいいのに」
カ ゚ー゚ン「へぇー、確かお二人とも森見が好きなんですよね」
そういえば、ツイッターでそんなこと言ってたな、とカーンは思い出した。
公然の事実にはなっていないものの、これまでオフ会は頻繁に行われてきた。
連日連夜スカイプで通話を繰り広げ、話題は住所にまで上り、近場ならノリで会うことになる。
最早それが普通になっていて、「恐ろしいものだ」とカーンは思っていた。
が、実際に誘われると気になって仕方がない。葛藤し、彼もまたオフ会に来てしまった。
主催者の一家は百万円以上の費用を全額負担し、今回のオフ会を企てた。
端から端まで何百メートルとあり、窓から見下ろせば目が眩むほどの高さにある豪華な宴会場。
金持ちならではのオフ会、今夜は凄いことになりそうだ、とカーンは思った。
- 10 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 19:36:30.12 ID:SMB6vOUc0
めろん、田助コンビとたわいのない話をしてカーンは移動した。
時間は過ぎ、開会が近付くにつれて人が多くなってきた。
入り口の扉が開き、二人、男と女が並んで入ってきた。
オム*゚ー゚)( 芸)
カ;゚ー゚ン(オムさんと芸さん!!)
二人は壁際に立ち、談笑を始めていた。
そこにカーンは近付く。
カ ゚ー゚ン「こんばんは、オムさん芸さん初めまして」
オム*゚ー゚)「ああ、えっと……」
( 芸)「カーンさん。どうも、初めまして」
スカイプにログインすれば一分と経たぬうちに十人からは声をかけられるというオムライス。
彼女は切れ長の目をしており、どちらかと言えば少しキツそうな顔付きだった。
可憐な乙女を想像していたカーンは少なからず驚いた。
一方、芸はイメージ通り、クールで知的な印象の大人だった。
もうじき結婚するという話も出ている。
- 12 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 19:40:04.24 ID:SMB6vOUc0
オム*゚ー゚)「実は芸さんと来月結婚するんです」
この言葉を聞いたとき、カーンは度肝を抜かれた。
オムさんと芸さんはデキている、などという根も葉もない噂が流れていたが、
それは真実だった。オムライスと芸は二年前から付き合っているらしい。
芸さんは男しか好きにならないんじゃなかったのか……とカーンは落胆した。
( 芸)「結婚資金も貯まったし、いよいよなんです」
カ ゚ー゚ン「そうですか……おめでとうございます」
皆のアイドル、オムライスが嫁いでしまうと知ったカーンは、
ショックを受けながらも本心から二人を祝福した。
ついにブーン系で結婚話か……と複雑な心境になった。
しかし、恋愛の話などごろごろ転がっているのだ。
つい最近、作者同士が恋仲になったという話も広まっている。
創作の場が出会いの場になってどうするんだよ、とカーンは苛立った。
- 17 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 19:43:54.15 ID:SMB6vOUc0
その張本人である二人がいたので、カーンは話しかけることにした。
カ ゚ー゚ン「温泉さん、勇者さん、こんばんは」
オン゚ω゚)セン「こんばんはー」
チノ ゚∀レ1ノv「こんばんは」
めろんと壮絶な、まったくもって大人げない理由で喧嘩をした温泉。
彼は婚約者がいるにも拘わらず、ドクオ勇者の作者こと勇者と交際している。
温泉は女たらしな性格だった。かつ、勇者も彼氏がいるので双方が浮気をしている。
こんなふしだらな人間にはなりたくない、とカーンは侮蔑の念を抱いていた。
カ ゚ー゚ン「付き合い始めてからどうですか?」
オン゚ω゚)セン「ええ、ちょくちょく会ってます。
仕事帰りに食事とか、カラオケに行ったり。順風満帆です」
カ ゚ー゚ン「お幸せに」
ぶっきらぼうに言って、カーンは踵を返した。
- 18 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 19:47:21.69 ID:SMB6vOUc0
次は誰に声をかけよう、と思いながら壁を沿って歩くカーン。
周囲を見渡すと、誰かが包丁を持ちながらテーブルの間を右往左往していた。
ξ゚。゚)ξ「シャウエッセン……シャウエッセン……」ブツブツ
純白のテーブルクロスの上に何かを思い描きながら、彼は歩いていた。
ぼさぼさの髪の毛、よれよれのTシャツ。端から見れば確実に不審者扱いされる風貌。
ネームプレートには「ール」と書かれていた。
カ;゚ー゚ン(うわ、こえぇ……ールさんって危ない人なの……?)
ξ゚。゚)ξ「板東英二……伊良部……」ブツブツ
独り言を呟き続けるールから逃げるように、カーンはその場を去った。
ールの作品に登場する狂ったツンのモデルが作者自身であることはあまり知られていない。
- 19 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 19:50:36.19 ID:SMB6vOUc0
モソフ ゚ -゚)ル「泡沫さんの感想は温かくてストレートで大好きです」
シ ゚末゚)「ありがとうございます。僕もスカイハイさんの的確な感想には舌を巻くばかりです」
Σ カ ゚ー゚ン「もそぷるさん! 泡沫さん!」
同じ感想ブログをやっているスカイハイ、泡沫の姿を見つけ、カーンは歓喜した。
ブーン系にのめり込むあまり、取得単位数は地を這い、留年フラグを打ち立てたスカイハイ。
腐女子である彼女だが、外見は至って普通の、眼鏡の似合う女性だった。
余談ではあるがブーン系作者の留年率は異常に高い。
約四割の学生作者が留年している、あるいは留年が決定している。
泡沫は作者としても感想人としても優れており、多くの者から好かれている。
彼は眼鏡の似合う爽やかな青年だった。歳は若そうだが、芯の通っている顔付きだった。
モソフ ゚ -゚)ル「カーンさん、こんばんは!」
シ ゚末゚)「こんばんは、お初にお目に掛かります」
- 22 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 19:54:13.64 ID:SMB6vOUc0
カ ゚ー゚ン「実は僕、泡沫さんやもそぷるさんのブログを見て感想をやろうと思ったんですよ。
お二人の感想は本当に感情が伝わってくるっていうか、温かいですよね」
モソフ ゚ -゚)ル「僕は思ったことを書いているだけなんですが、そう言って頂けると嬉しいです」
シ ゚末゚)「僕もストレートに書いているだけで、やっぱりブーン系が好きなんです」
スカイハイ、泡沫と取り留めのない会話を繰り広げ、時間は過ぎていった。
やがて開会式の時間が訪れ、会場には百人近いブーン系関係者が集まった。
見渡す限りの人混み。それぞれ仲の良い者同士、グループが形成されていた。
カーンは感想人同士、スカイハイと泡沫と一緒にいた。
イ´^っ^`カ「えー、本日はご多忙の中、お集まり頂き誠にありがとうございます。
歴史あるブーン系に携わってきた皆様に、本日は心ゆくまでお楽しみ頂けますよう、
様々な企画をご用意致しました。それまでどうぞ、ご自由に料理を堪能下さい」
照明を落とされた会場で、スポットライトを浴びながら企画者である一家は短い演説を行った。
皆に注目されながらも、一流商社に勤める一家は緊張することもなく饒舌に語った。
人前で喋ることなど一家にとっては日常茶飯事で、こういった会場には何度も足を運んだことがあるのだ。
イタリア製の高級スーツを着込み、如何にも金持ちといった風貌。
髪はふさふさで、顔は文句なしのイケメン。女性作者から大人気なのも頷ける出で立ちだった。
- 26 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 19:56:36.82 ID:SMB6vOUc0
等間隔で並ぶテーブルに料理が配膳された。
立食で気軽に会話できる形式を取り、皆が様々な話をしていた。
イ´^っ^`カ「ぐへへへへ、これがええんか、ええのんか」
デン´;ω;)スケ「もげぇ、良いです」
カ;゚ー゚ン(何やってんだあの二人は……)
ドMである田助が、一家に踏まれていた。
一家は近頃仕事が死ぬほど忙しくて何も書けない、と言っていたが、
実のところ毎夜の如くスカイプで女性作者と通話を繰り広げ、馴れ合っているだけである。
カーンもその通話に参加したことがあるが、ただ一家がちやほやされていただけなので嫌悪感を覚えた。
お前は書き溜めもせずに何をやっているんだ、と。
しかし、自分も馴れ合っているカーンは何も言うことができなかった。
- 27 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 19:57:34.81 ID:SMB6vOUc0
(M・ω・)「おっぱい揉ませて下さい!」
( ゚天゚)「お前死ねよ」
近くのテーブルで、万物が土下座しながら女性絵師に懇願していた。
言わずもがなであるが、万物のおっぱい好きはキチガイじみている。
スカイプで延々と、自分の妄想する"おっぱいワールド"なるものを語って相手を辟易させた事もある。
"おっぱいワールド"には"五つのおっぱいトレジャー"がある。天に浮かぶ太陽の如きおっぱい、
宝石の如く輝き夜を照らすおっぱい、母乳の泉、おっぱいの生る木、等々。
マジキチだ、と罵られたのは言うまでもない。
ナナ、。メ「まんものさん気持ち悪いです」
ノフ ゚ー゚マ「近寄らないで下さい」
ク*´3ソ「万物は十回死ねばいいと思う」
(M;ω;)「お願いします! 何でもしますから! 俺におっぱいを揉ませてくれ!」
カ;゚ー゚ン(うわぁ……気持ちわりぃ……)
必死に懇願する万物を遠目に見て、カーンはドン引きしていた。
- 28 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 19:58:57.61 ID:SMB6vOUc0
モソフ ゚ -゚)ル「僕、天国さんの所に行ってきますね」
カ ゚ー゚ン「あ、じゃあ僕も一緒に行きます」
無類の天国好きであるスカイハイは、一番会いたかった天国の下へ行くと言った。
同じく天国が好きなカーンは、スカイハイに対抗心を燃やし、付いていくことにした。
シ ゚末゚)「僕は田助君に会いに行きます、また後で話しましょうね」
何故田助なのか、カーンは分からなかった。
後ほど感想人同士で再び集まろう、ということになり、三人は別れた。
モソフ ゚ -゚)ル「天国さん、お久しぶりです」
カ ゚ー゚ン「こんばんはー」
( ゚天゚)「ああ、もそぷるさん、カーンさん。どうも」
( ゚東゚)「どうもこんばんはー、天国さんはもうちょっと愛想良くしようよ」
天国は常に無愛想だが、イケメンなのでどうやってもクールに見えてしまう。
- 31 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 20:02:15.05 ID:SMB6vOUc0
(M#・ω・)「おっぱい揉ませてもらえなかった、何でだよ!」
ヤリ・∀・チン「万物さん恥ずかしくないの……」
(M・ω・)「男がおっぱい揉みたいと思うのは至極当然の事っつうか、この世の真理だろ。
恥ずかしがる要素なんてどこにもねーんだよ。土下座してでも揉めればいいんだよ!
あー、空からおっぱい降ってこねぇかなあ……」
万物が逆ギレしながら天国のいる所に戻ってきた。
異能者が相手をしてやると、万物はその変態性を遺憾なく発揮した。
やはりマジキチだ、とカーンは思った。
カ ゚ー゚ン「それにしても、異能者さんもイケメンですね」
ヤリ・∀・チン「えー、いや全然普通ですよ」
( ゚天゚)「こいつ何股もしてますからね」
ヤリ;・∀・チン「いやしてないですから!」
若年者の異能者は、高校生でありながら毎晩セックスをしている。
見た目はギャル男系で今風の長い茶髪に整った眉、モバゲーやVIPでネゲットしている輩だ。
現行などそっちのけで性欲ばかり満たしている。
- 33 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 20:06:01.32 ID:SMB6vOUc0
(M・ω・)「だから空からおっぱいが降ってくれば皆幸せになれるんだよ、カーンさんもそう思うだろ?」
カ;゚ー゚ン「いや……空からおっぱいが降ってくるとか理解できないです……(こいつきめぇな)」
親から勘当され、やむなく一人暮らしをしている万物は妄想することでしか生きられなかった。
心は顔に表れるというように、万物の顔は気持ち悪かった。
早くどっか行ってくれ、とカーンは思った。
( ゚天゚)「こんなアホ相手しちゃ駄目ですよカーンさん」
( ゚東゚)「万物は病気やから放っといたらええんですよ」
天国と東京が関西弁で言った。東京のくせに関西弁とは如何に。
東京はヤの付く人間から金を借り、日本海に遠洋漁業にかり出されて帰ってきた後、
大阪に定住することになった。複雑な人間関係の中で日々を過ごし、ストレスが溜まっているらしい。
そのせいか東京の髪は薄くなっている。
それに気付いたカーンは「まだ若いのに大変だな……」と心の内で言った。
- 35 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 20:09:58.02 ID:SMB6vOUc0
デン ●ω○)スケ「天国さん踏んで下さい」
( ゚天゚)「踏み潰してあげます」
どこからともなくやって来た田助に、天国がドSっぷりを発揮した。
天国は「げしげし」と言いながら、本気で踏んでいた。というより、田助の上に乗っていた。
デン´;ω;)スケ「もげぇ、ありがとうございます、ありがとうございます」
目眩くSMワールドが繰り広げられ、周りの者は狼狽していた。
ヤリ;・∀・チン「えぇー、田助さんなんで喜んでんの……」
( ゚東゚)「東京さんは誰にでもSですね」
(M・ω・)「男同士のSMなんて見たくねーよ!」
カ;゚ー゚ン(ブーン系変態ばっかだな……)
天国グループとの会話はもういいや、とカーンは踏み潰されている田助を尻目に別のグループを探した。
- 39 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 20:12:27.20 ID:SMB6vOUc0
すぐ隣に、絵師グループが出来上がっていた。
ク*´3ソ「だから最近のブーン系は流石萌えが足りないと思うわけですよ。
絶対に兄者が受け、なんて風潮は許せません。時には兄者だって激しく攻めるべきなんです。
それなのに最近の兄者は受けばかりで、まったくどうなってるのかしら」
ナナ、。メ「くそみそさん落ち着いて」
ノフ ゚ー゚マ「流石兄弟への愛情ハンパないね……」
ペ、。ル「腐女子自重しろよ」
絶賛馴れ合い自重中のペルソナは、二つ返事でオフ会を承諾した。
スカイプでは女性にしか声をかけないということで、「プレイボーイ」と呼ばれており、
この場でも女性にばかり言い寄っていた。「指の動きが気持ち悪い」と一蹴されているが。
カ ゚ー゚ン「皆さんこんばんはー、カーン想ブログのカーンです」
ク*´3ソ「おー、こんばんはー」
くそみそはいい歳をした大人だが、意外と若く見え、身長はhydeよりも低かった。
ちなみに、くそみそはオフ会の常習犯である。
「私はまだまだ若いのだ」と誇示するように、若い男作者と幾度もリアルで会っている。
- 42 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 20:16:21.50 ID:SMB6vOUc0
ナナ、。メ「学校の先生が全然指摘してくれなくてさ」
ノフ ゚ー゚マ「えー、ちゃんと言ってくれればいいのに」
ななめの髪はストレートのセミロングで、眼鏡をかけていた。
ふまの髪はゆるふわウェーブのセミロングで、眼鏡をかけていた。
二人はとても仲が良く、スカイプのみならずスティッカムでも同時配信をするほどである。
ここでカーンは気付いた。眼鏡をかけている人が異常に多い、と。
ブーン系の眼鏡率は九割を超えており(女性は十割)、裸眼族は眼鏡越しの尊敬の眼差しを向けられる。
この会場ではコンタクトを使用している者も多いが、やはり八割近い人間が眼鏡をかけていた。
カ;゚ー゚ン(なんかすごい疎外感……)
ク*´3ソ「うちの冷蔵庫たんが機嫌悪くてねー」
ペ、。ル「ちっちゃい弟者が詰まってるんじゃない?」
カーンは一人だけ、裸眼だった。
眼鏡をかけてない者を探しに、彼は絵師グループ+αの元を去った。
- 43 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 20:19:19.98 ID:SMB6vOUc0
合゚~「大麻さんが戻ってきてくれたからエスカルゴも安泰ですね。
これからはエスカルガー三人で支えていきましょう!」
タイ・ω・`マ「誰得な国家資格、取得するの本当に大変だったんですよ」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「大麻さんも大変でしたね、お疲れ様でした」
|::━◎┥「街狩りさんも最近ご多忙みたいですね」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「ええ……仕事が忙しくて、なかなか書く時間が取れないんです」
カ ゚ー゚ン(あ! エスカルガーと歯車さん!)
カーンは彷徨い歩き、変態紳士のグループを見つけた。
途中、独りで壁に背を凭せ掛けている者がいたが、話しかけてもつまらなそうなので無視して来た。
これだけの人数がいれば、はみ出してしまう人間もいるのだ。
カ ゚ー゚ン「皆さん、こんばんは」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「カーンさん、こんばんはー」
- 46 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 20:22:39.13 ID:SMB6vOUc0
正直に言って、街狩りの顔は恐かった。髪の分け目はベジータのようにMだったし、
威圧的で、どことなく常に怒っているようで。しかし物腰は柔らかかった。
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「カーンさんに感想を頂いたときは嬉しかったです。ありがとうございました」
カ ゚ー゚ン「いえいえ、面白いと思ったから、書かずにはいられなくなっただけです」
合゚~「僕もエスカルガーとして頑張ります!」
|::━◎┥「パルフェを超える泣きゲーに出会ったことがないんですよ。
そもそも超えるという概念がおかしいのですが、それでも見つからないんです」
タイ・ω・`マ「戯画はもう駄目になってしまいましたね」
歯車は無類のエロゲー好きであり、自作品はエロゲーに多大な影響を受けているという。
毎回>>1のAAの元ネタを当ててくれる読者を密かに楽しみにしているらしい。
大麻は自宅で大麻を栽培しており、危険物取扱者の資格を持っていれば問題ないと思い込んでいる、
ちょっぴり間抜けな人だった。公害防止管理者も同様に、燃やして煙を吸う際に必要だと勘違いしたのだ。
- 49 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 20:25:54.03 ID:SMB6vOUc0
ツ*゚ー゚ム「一家さん愛してます」
(゚ニ゚シャ「一家さんは私の夫です」
(^g^)d「一家禿げろ」
イ´^っ^`カ「はっはっは。僕の体は一つしかないんだから取り合うのはいけないよ」
カ ゚ー゚ン(成金一家とその取り巻きだ)
彼らは冗談抜きで毎夜通話をし、毎週の如く週末にはオフ会を行っている。
女性作者は玉の輿を狙い、一家に言い寄っている。
彼らは一人を除き、現行を放り出し、馴れ合いに精を出している。
現行書けよお前ら、と思いつつ何も言うことができなかったカーン。
自分はなんて臆病で、無力で、いや卑怯なのだろうと思った。
ならばせめてこの場で一言。
カ ゚ー゚ン「皆さんこんばんは。書き溜めの調子はどうですか?」
イ´^っ^`カ「ん、カーン君じゃないか。仕事が忙しくてね、書く時間がないんだよ」
確かに一流商社に勤める一家は忙しいのだろうが、馴れ合いっている間に書き溜めができるはずだ。
やはり駄目だな、と思い、カーンは挨拶もそこそこに後を去った。
- 53 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 20:29:31.85 ID:SMB6vOUc0
カ ゚ー゚ン(ふぅ……煙草でも吸いに行くか)
テーブルの上に並べられた豪華な料理を口にして、カーンはバルコニーへと向かった。
何故かどのテーブルにもシャウエッセンだけ無かったのは、ールが全て食べ回ったせいだった。
一番近くの扉を開け、バルコニーに出ると強い風が吹いた。
十七階とはとはいえ、地上数百メートルもあるのだ。
視線の先にはネオンサインの煌めく街。眺めは最高だった。
が、バルコニーには形容しがたい異臭が漂っていた。
ハナ´・ω・`タバy━・~「お、こんばんは」
ホノ ゚ -゚)y━・~「……こんばんは」
花束が、ガラムという名の煙草を吸っていた。
無愛想なほのぼのもそこにいた。
カ;゚ー゚ン「あ、こんばんは。僕も一服に来たんです」
アウトローな二人に遭遇してしまったな、とカーンは思った。
- 55 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 20:32:59.90 ID:SMB6vOUc0
花束はフツメンだったが今時の学生らしく髪が長く、ツンツンしていた。
最近彼女ができただの毎晩セックスしているだの自慢して鬱陶しがられている。
カ ゚ー゚ンy━・~「そういえば花束さん、まとめサイトお疲れ様でした」
ハナ´・ω・`タバy━・~「うん、もうブーン系でやりたいことは全部やったかな。
後は死ぬまで人生を楽しむよ」
ホノ ゚ -゚)y━・~「……頑張れよ、ニコ中」
ハナ´・ω・`タバy━・~「ほのもな」
花束の吸うガラムの異臭に顔をしかめながら、カーンは衝撃の事実を聞いた。
花束とほのぼのは重度のヘビースモーカーで、末期癌に冒されているそうだ。
半年もしない内に死ぬらしい。二人とも顔色が悪かった。
ブーン系には病人が多い。
アルバイターや心開くなど、病死してしまった。
偉大な作者が死んでしまうのは悲しいが、別にこの二人ならいいか、とカーンは思った。
カ ゚ー゚ンy━・~「……お疲れ様でした」
けれど、せめて何か言っておくべきだと思ったカーンはそう言った。
- 56 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 20:35:19.94 ID:SMB6vOUc0
バルコニーから会場へと戻ると、何やら人集りの出来ている場所があった。
何事だろうと近寄ってみると、ドリンクバーが「真・コミカルアドベンチャー」をながら投下していた。
否、ながら公開である。
ドリンクバーはズボンを脱ぎ、ちんこにドクオのAAが描かれたコンドームをはめ、
右手にはブーンの描かれた軍手を指人形代わりにはめていた。
从´・ω・`从「リアルタイム投下です、もっと見て下さい。主にドクオを」
衆目に晒された己の粗チンをむくむくと膨らませ、ドリンクバーは気味悪がられていた。
カ;゚ー゚ン(げえー! やりすぎだろ! っていうか犯罪だろ!)
「どうしてドクオの髭はそんなにウェーブしてるんだお?」「精子を受け止めるためさ」
\ドッ/ \キモーイ/ \通報しますた/
松田優作に似たドリンクバーは、駆けつけた警察官に猥褻物陳列罪で捕まった。
- 59 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 20:38:43.70 ID:SMB6vOUc0
一時騒然となったが、宴会は滞りなく進められていた。
(゚、゚トソ「まさか逮捕者が出るとは思いませんでしたね」
イ*゚ー゚)ク「ドリチンならやりかねないと思ってた」
(ド><)「さすがは生粋の変態なんです」
ミ´∀`)「通報したの俺なんだけどね」
カ ゚ー゚ン「しばらくはドリンクバーさんの作品読めないんですね……」
カーンはほの茶連合に混じっていた。
「月一作は投下しないと作者とは言えない」と豪語する作者の鑑トソいつを筆頭に、
巧妙にマニアを寄せ集めスレを伸ばす頭文字、村上春樹的短編量産機ドードー、
濃い地の文に設定が一部人気のミガワリ、等々。
真面目に書く作者が集まっているので、カーンは彼らを慕っている。
- 60 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 20:40:54.22 ID:SMB6vOUc0
(゚、゚トソ「仕事が忙しすぎて、以前のように書けないんですよね。モンハンはやってるんですけど」
トソいつは土方をやっていて、現在は八ッ場ダムの現場主任。
民主党マニフェストの煽りを喰らい、右往左往しているらしい。
モンハンで狩りをするとき、敵を鳩山と思い込んで切り刻んでいるとのこと。
イ*゚ー゚)ク「僕はネトラジの方が調子に乗ってきて、ブーン系も書いてるんですけどね」
頭文字は、なん実Vでエロゲやオナホを話題とした一人ラジオにも精を出しているらしい。
顔はイケメンだが考えていることはただの変態である。
ラノベの賞に何度も応募しているが、軒並み落選している。
(ド><)「ミガワリさんは最近どうですか? 僕は、もうすぐ中間テストで生徒達の質問が多くて」
ミ´∀`)「素行の悪いクソガキ共を片っ端から殴ったらPTAから苦情が来て大変ですよ」
ドードーは偏差値70を超える私立名門高校の教師。ミガワリは偏差値30程度の底辺中学校の教師。
同じ職業ではあるが、二人は対照的な教師だった。ドードーは文学賞に短編を応募し、
見事に受賞したそうだ。ミガワリは転職を考えなければいけない時期である。
なかなか面白い話が聞けた、と満足したカーンは丁重な挨拶を交わし、一行と別れた。
- 63 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 20:44:48.43 ID:SMB6vOUc0
(゚q 。川「うあいおーはへはほほはひほふぁ」
lw´‐ _‐ノv「酔っぱらい自重しろよ」
人混みの中を少し歩くと、またもやほの茶連合と出くわした。
ブーン系の問題児、酒乱のカンザイ。
何を書いているのか分からないが逃亡の数だけはブーン系一のシュー。
カ;゚ー゚ン「こんばんは……カンザイさん、完全に酔ってますね」
lw´‐ _‐ノv「カーンさん、こんばんは。こいつ、さっきから飲みまくってるんですよ」
(゚q 。川「おえあおふぁはへあんあへえほ」
カンザイは各テーブルに置かれていた赤ワインを次から次へと鯨飲していた。
もはや完全に呂律は回っておらず、人語を操ることは不可能なレベルにまで達している。
作品は面白いというのに、人間的に駄目な部分が多すぎて困る輩だ。
こいつは相手にしていられないと思ったカーンは足早に逃げた。
- 64 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 20:46:36.05 ID:SMB6vOUc0
( "ゞ)「ひぐらしさん、いつぞやの対談ありがとうございました」
('、`*川「いえいえ。というか、ちょっとやりすぎました。ごめんなさい」
(///*川「別にヤリすぎたって意味じゃないんだから変な勘違いしないでよね!」
(;"ゞ)「そ、そんなこと微塵も思ってないから!」
Σ カ;゚ー゚ン(ああー! ひぐらしさんに悪魔戦争さん!)
ブーン系随一の短編名手、ひぐらし。その正体はペニサスブログの中の人だった。
短編のみならず長編までもが名作揃いという化け物じみた作者である。
その愛嬌のあるユーモアセンスは万人から好かれている。実はいい歳したおっさんだが。
一方の悪魔戦争は期待の新人としてブーン系の未来を担う作者である。
二人はブログの企画として行われた対談によって急速に仲が良くなった。
カ ゚ー゚ン「悪魔戦争さん、ひぐらしさん、こんばんはー」
('、`*川「あ! 元ドイツ代表のゴールキーパーさんじゃない! こんばんは!」
カ;゚ー゚ン「そのネタでいじるのやめて下さいよ!」
- 67 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 20:49:36.52 ID:SMB6vOUc0
カ ゚ー゚ン「ペニサスブログを休止された時は悲しかったです……お疲れ様でした」
('、`*川「ああー、実はあれ、ただ飽きただけなんですよ。ネタ考えるのも面倒だし」
(;"ゞ)「ま、まあ飽きたならしょうがないですよね。好きだったんですけど……」
飽きたと言っているひぐらしだが、本当の理由は別にある。
夏、室内にアブラゼミが舞い込み、縦横無尽に飛び回ってトラウマになり、鬱病になった。
塞ぎ込んでしまったひぐらしは何もアイデアが思い浮かばず、結果、休止を選んだ。
ブログでアブラゼミをよくネタにしていたのは並々ならぬ確執があったためである。
ペ、。ル「ひぐたーん!」 「ペルソナさん!」Σ('、`*川
三人で話し込んでいると、ペルソナが走って来た。
おっさん二人は見苦しい熱い抱擁を交わした。
あまり知られていないことだが、ペルソナはひぐらしを女性だと勘違いして擦り寄っていたのだ。
「辛いとき、いつもひぐたんが励ましてくれた」「悲しいとき、いつもひぐたんが慰めてくれた」
などと宣っており、ペルソナは陰で馴れ合っていた。
ひぐらしがおっさんだと気付いても、別に男でもいいや! と開き直っていた。
とりつく島もない、と悪魔戦争と一言交わし、カーンはその場を後にした。
- 68 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 20:53:24.21 ID:SMB6vOUc0
ホノ ゚ -゚)「もう、別れよう」
処 ゚ -゚)「そんな……どうして」
カ ゚ー゚ン(ん……? ほのぼのさんと鋼鉄処女さん……、修羅場か?)
よく似た顔をした二人が、険悪なムードで会話をしていた。
ほのぼのと鋼鉄処女が三国志を機に結婚した、というのは冗談ではなく事実だった。
順風満帆な新婚生活を続けていたらしいが、ここに来て別れ話をしているらしい。
理由は言わずもがな、ほのぼのの死期が近いためだろう。
それを知らない鋼鉄処女はただ戸惑うばかりだった。
鋼鉄処女さんも大変だな、とカーンは思った。
こんな重い話に付き合うのは辛い、と感じたカーンは歩みを止めずに通り過ぎた。
- 70 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 20:55:07.75 ID:SMB6vOUc0
/ ゚、。/「1つ。都会では見ず知らずの人のことを簡単に信じてはいけません。
2つ。…自分も、今迷ってる最中です」
从黒゚∀从「流石ニーイチさん、格好いいです。今夜セックスしませんか?」
/ ゚、。/「3つ。尻軽女にホイホイついていってはいけません」
カ;゚ー゚ン(げ! ニーイチさんと腹黒さんだ)
ブーン系の問題児である二人が揃っていた。
腹黒は持ち前のビッチぶりを遺憾なく発揮し、ニーイチを誘惑していた。
しかし、マイペース過ぎるニーイチはクソほども役に立たない教訓を叩き込んだ。
フツメンのニーイチだが、言動が格好良いと惚れた腹黒は尚も籠絡せんとしていた。
/ ゚、。/「4つ。…実は、今迷ってる最中です」
腹黒は露出度の高い、真っ赤なドレスから脚を晒していた。
何だよこいつら、と思いながら、カーンはその場を通り過ぎた。
- 75 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 21:00:16.57 ID:SMB6vOUc0
(^q^)「芝さんと会えて僕、今マジですげー緊張してますからね」
シ*ノωノ)バ「私もずっと緊張しっぱなしです」
Σ カ ゚ー゚ン「樹海さん! 芝さん!」
実力派作者が二人、がちがちに緊張しながら喋っていた。
のっぴきならぬほど逃亡している樹海は、俺ペットこと芝が大好きだった。
本当に好きな者の前で緊張するのは当たり前で、樹海はかつてないほどに饒舌さが失われていた。
(^q^)「おや、カーンさん。こんばんは」
シ*ノωノ)バ「こんばんは」
カ*゚ー゚ン「こんばんはー。お会いできて光栄です」
カーンは二人が大好きだった。
- 79 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 21:03:11.90 ID:SMB6vOUc0
カ ゚ー゚ン「僕、芝さんを初めて知ったのって仔ブーンのスレなんですよ」
シ*ノωノ)バ「あー、懐かしいですね。最近絵描いてないなあ……」
(^q^)「僕は俺ペットで初めて知りましたね。すげー良い話だと思いました」
芝は絵師としても作者としても活動しており、実にハイスペックだった。
仔ブーンのスレは彼のイミフにもまとめられ、多くの人間をその可愛らしい絵で魅了した。
俺ペットは漫画化もされ、今尚読まれ続けているロングヒット作である。
カ ゚ー゚ン「樹海さんはエロビデオと刺すの続き書いて下さいよw」
(^q^)「いや、今は戦略的撤退を決め込んでいるだけで、もう少ししたら書きますよ」
樹海は処女作の樹海、ライ麦畑、そして新人合作のトップバッターを務めた作品で人気のある作者だ。
その高い文章力は評価されているが、如何せん逃亡が多い。
何をしているのかというと、週に六回はセックスしているため書く時間がないらしい。
樹海はブーン系一、二位を争うイケメンリア充だった。
- 81 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 21:06:00.99 ID:SMB6vOUc0
km <●><)kz「カーンさんは感想が上手くて羨ましいです」
(猫・ω・)「感想とかどうやって書けばいいの。面白いとか良かったとしか書けない」
カ ゚ー゚ン「思ったことを書けばいいんです。
一言でも何百行でも、面白い作品だと自然と言葉が出てくると思いますよ」
樹海、芝と別れた後、カーンは絵師二人組を見つけた。
プロのイラストレーターをやっている紙屑と、紙屑のアトリエに勤めることになった子猫。
紙屑は小説家でもあり、出版された本はベストセラーにもなっているらしい。
ブーン系でも実はあの作品が自分のものなんです、と言われてカーンは驚きを隠せなかった。
カ;゚ー゚ン「まさかあの超人気作品が紙屑さんだったなんて……失礼な発言をしてすみませんでした」
km <●><)kz「いえいえ。とても参考になりましたよ」
ブーン系には事実を隠している者が多い。
- 84 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 21:08:55.16 ID:SMB6vOUc0
,.:::.⌒⌒:::::ヽ
(::::::::::::::::::::::::::::)
(::::::::::::::人:::::::::ノ
(:::: (^ω^):::::: )「仕事が忙しすぎてブーン系に割く時間がないwwwwwww」
ミ異゚Д゚彡「俺も仕事忙しすぎてギャルゲ作れないwwwwww」
カ;゚ー゚ン「げぇーッ! アフロさんと異世界さん!?」
あまりの豪華メンバーに、カーンは思わず大声を出してしまった。
なんといったって、数々の名作を残してきたアフロと、異世界がいるのだ。
声を出さない方がおかしいだろう。
,.:::.⌒⌒:::::ヽ
(::::::::::::::::::::::::::::)
(::::::::::::::人:::::::::ノ
(:::: (^ω^):::::: )「おいすーwwwwwwあんた誰wwwwww」
ミ異゚Д゚彡「感想ブログやってるカーンさんだwwwwww失礼でしょwwwwww」
二人は酔っぱらっているようで、テンションが高く、常に笑いながら喋っていた。
カ;゚ー゚ン「初めまして! カーンと申します。お二人の大ファンです」
- 88 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 21:12:11.28 ID:SMB6vOUc0
去年四月、アフロは小説家になった。
初めはプロの厳しい世界に管を巻いていたが、その実力は着実に評価され、
今では出版する度に文学賞を総ナメするほどの人気作家となっている。
スランプに陥ったとき、アフロはブーン系もやっている小説家の知人に相談して乗り切った。
その知人の正体を知っている人間は、ブーン系にごく僅かしかいない。
,.:::.⌒⌒:::::ヽ
(::::::::::::::::::::::::::::)
(::::::::::::::人:::::::::ノ
(:::: (^ω^):::::: )「マジで空贈る書く暇ねぇwwwwwwwwww」
ミ異゚Д゚彡「休暇取ったらどうっすかwwwwwwww」
カ ;ー;ン「アフロさん愛してます。好きです。空贈るいつまでも待ってます」
,.:::.⌒⌒:::::ヽ
(::::::::::::::::::::::::::::)
(::::::::::::::人:::::::::ノ
(:::: (^ω^):::::: )「サンクスコwwwwwwwwwwww」
とにかく、仕事が落ち着くまではブーン系を書く暇などないのだそうだ。
空贈るの続きは、まだしばらく先のことになるらしい。
- 90 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 21:15:14.73 ID:SMB6vOUc0
浅 ^∀^)「べるさんのメイキング凄すぎで後半何やってるのか解りませんでしたw」
ベ、。ル「お恥ずかしい限りです。もうちょっと解りやすい解説ができたらいいんですけど。
私なんて浅棗さんの足下にも及びませんよ」
カ ゚ー゚ン「絵が描けるっていいですよね、羨ましいです」
今や絵師連合のレベルは上がりに上がり、ハードルの高すぎるものとなっている。
カーンも絵を描いてみようと思ったが、あまりの下手くそぶりに五分と経たないうちに投げ出した。
故に、カーンは絵師全員を尊敬しており、浅棗とゆきだまのべるに声をかけた。
浅 ^∀^)「最初は誰だって上手くはないですよ。私だってそうでした」
ベ、。ル「継続して描いていれば絶対に上達するはずです」
そう言われてもあなた方のレベルには絶対に追いつけないです、とカーンは思った。
カ ゚ー゚ン「お二人の絵、大好きです。これからも楽しみに待っていますね」
- 92 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 21:17:43.78 ID:SMB6vOUc0
( ゅωゅ)「少し前にめろんちゃんから薦められて八尺様読んだんですけど、
月に願うとつかれやすいを足して二で割ったような感じで、
設定っていうか文章に凄い引き込まれました」
( ゚ω゚ )「ありがとうございます」
( afo)「十オナさんは何か書かれているんですか?」
(;ゅωゅ)「それが麻雀SSが想定よりも随分長くなってしまいまして、
本当は早くブーン系も書きたいんですけどちょっと先になりそうです。
もちろんできるけ早く書き溜めるつもりではいるんですけどねぇ……」
加齢臭の漂うおっさんが三人。
ブログが大人気の十オナ、独特の作風が人気の21グラム、頻繁に消えるafo。
彼らはとうに三十路を迎え、やがて四十代に至ろうとするブーン系の年輩者である。
カ ゚ー゚ン「現行待ってるんだから早く書いて下さいね、おっちゃん」
(;ゅωゅ)「いやー、本当に申し訳ないです。
でもそうやって急かされると義務を感じて余計書けなくなるというか、
そもそも自分は作者なんて思ってなくてのんびりやろうかなあ、というか……」
おっちゃんはいつだって口数が多くて愛嬌があった。
- 94 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 21:20:53.52 ID:SMB6vOUc0
カ ゚ー゚ン「そういえば、afoさんはどうしてブログを畳んでしまったんですか?」
( afo)「何のことでしょうか」
ブーン系が嫌になったというafoは、最も長く付き合ってきた夢紡ぐを一家に取られて傷心した。
そんな下らない理由から休止を決意し、しかしオフ会にはやって来た。
もう一つ。やる夫系で自分の作品が掲載され、ワニブックスから謝礼金を貰い、
口外してはならないと契約を結んだafoは金の手に入らないブーン系など馬鹿馬鹿しい、
と見限った理由もあったりするそうな。
( ゅωゅ)「それにしても、afoさんもすっかり大御所になってしまいましたね。
デレ奴隷を読んだときからこの人は間違いなくデカいことをやってくれるぞ、
なんて思っていたんですが、まさかやる夫系で本が出されるとは」
おっちゃんは話し始めると止まらなかった。
-=≡( ´ω´)ノ「おっさーん! 俺を抱いてくれー!」
21グラムのおっさん信者であるめろんが、彼方から走りながらやって来た。
顎髭のダンディなめろんにあるまじき行動だったが、おっさんになら抱かれてもいいらしい。
( ゚ω゚ )「お断りします」
(ぅω; )≡=- 「ちくしょー!」
- 99 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 21:23:35.65 ID:SMB6vOUc0
キレ ゚∀イ「おい、さっさと粗チン晒せよ」
(ムラUビト)「いやいやいや、さっきドリンクバー捕まったじゃん。
いくら何でもヤバイって、というかなんでこの場で晒すことになってんの?」
キレ ゚∀イ「そりゃお前がいつまで経っても晒さないから今やろうって言ってんだよ」
カ ゚ー゚ン「村人さん、男なら堂々と晒しましょうよ」
キレイと村人の間には友情と敵対心の狭間で揺れる何かがあった。
三国志で完膚無きまでに打ちのめされた村人は、粗チンを晒すはずだったが、
いつになっても公開するそぶりを見せなかった。
よって、業を煮やしたキレイは「せっかく人が集まってるんだから今此処でやれ」と凄んだ。
(ムラUビト)「いやいや、代わりに何か別のことやるから勘弁して。
そうだ、逆立ちして会場一周してやるよ、それでいいだろ? な?」
キレ ゚∀イ「えー、そんだけじゃ面白みに欠けるだろ。パンツ一丁でやれ」
何度も渋っていた村人だが、敗者に拒否権はないと言われ観念した。
白のブリーフ一枚で痩身を晒しながら、ふらふらと逆立ちで歩く村人は会場の話題になった。
- 103 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 21:25:48.53 ID:SMB6vOUc0
アル・ー・)ファ「村人さん、はっちゃけてますねぇ」
( 十)「ひょろひょろですね。もっと鍛えればいいのに」
ソバ^ー^)ヤ「なかなか楽しいもんですね、オフ会も。懐かしの面々にも再会できましたし」
Σ カ;゚ー゚ン「qあwせdrftgyふじこlp;」
古参作者三人を目にし、カーンは発狂しかけた。
アル・ー・)ファ「ん……? カーンさん?」
カ;゚ー゚ン「ふぁい! ひぃ! こんばんは!?」
アルファ、蕎麦屋、十死を前に冷静でいられるとなると大物だが、カーンは新参だった。
緊張のあまり噛んでしまい、まともな思考すらできない状態に陥っていた。
- 105 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 21:28:17.54 ID:SMB6vOUc0
その持続力はブーン系一、百話を超える作品を二本も書き上げようとしているアルファ。
外れのない、良作のみを生み出す神懸かり的な発想力を持つ蕎麦屋。
二人は同期作者の誼で、切磋琢磨しながら現在までブーン系に身を置いてきた。
蕎麦屋は結婚後、一児の父親となり、経営しているうどん屋が軌道に乗ってきたため休止気味である。
しかし、現在でも妄想現実の続編を書き続けており、一部の根強いファンが支援を続けている。
( 十)「蕎麦屋さんも大変ですねぇ……」
ソバ^ー^)ヤ「子どもの面倒に仕事、なかなか書く暇がありません。絶対に完結はさせますが」
カ ゚ー゚ン「十死さんも戻ってきてくれて、蕎麦屋さんも続けてくれるなんて嬉しい限りです」
十死。彼は代表作である十死で最終話後編のみを残して逃亡した。
ブーン系に帰ってくるまで、創発板に住み着き、
嘆いている読者を陰で愉しげに嘲笑していたのは知られていない。
そう、あれは新手の釣りだったのだ。
やがて大規模な釣りは収拾がつかなくなり、良心の痛んだ十死は完結を決意した。
アル・ー・)ファ「私も年内にはアルファを完結させたいところですが……
色々と企画もあるので、来年になるかもしれません」
アルファ完結は来年になるらしい。
- 107 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 21:31:13.55 ID:SMB6vOUc0
(,,゚Д゚)「花束さん、抱いてくだしあ!」
ハナ´;・ω・`タバ「えええ、悪いけど俺、男に興味はないから」
ダ ^ω^ラ「ギコワロスwwwwwwww」
(,,;Д;)「くそお! 笑うなブンダーラさん!」
カ;゚ー゚ン(今更だけどブーン系変態ばっかだな……)
無類の花束好きであるギコ見たは、花束にアタックしたものの玉砕した。
花束が相手ならケツを差し出しても構わないそうだ。
意外とブーン系には同性愛者が多い。
少し前、ギコ見たはノンフィクションの作品を投下したが、
実はノンフィクションではなく全て出鱈目であるらしい。
カ ゚ー゚ン「それにしても、ブンダーラさんは最近活発ですよね」
ダ ^ω^ラ「まとめサイトも休止が多いし、ちょっとでもブーン系に貢献できたらな、って思うんです」
ブンダーラ、今期待の新人である。
期待の新人である。
- 110 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 21:33:36.14 ID:SMB6vOUc0
(‡`Д´)Ψ「借金の額がどんどん増えてヤバイことになってきました」
(^q^)「路頭に迷うことになったら僕が保護してあげますよ」
ホノ ; -;)「ヴァニラさん無茶しすぎです」
人体実験、棺桶死オサム、パラドックスなどの超人気作者ヴァニラ。
ブーン系においては右に出る者がいないほど有能だが、現実ではひどいことになっている。
現在、大学六年生で(更に留年決定)親への借金は百五十万円にまで膨れているらしい。
カ;゚ー゚ン「ヴァニラさん死ぬしかないじゃないですか!」
(‡`Д´)Ψ「生命保険かけて……いやいや、何とかなりますよ」
本格的に死亡フラグを立てているヴァニラは、樹海の近所に住んでいる。
いざという時は樹海のヒモになることも覚悟しているらしい。
目眩く夢の同棲生活に、樹海は心ときめかせている節がある。
ちなみに、近所に住んでいるにも関わらず、二人は一度もリアルで会ったことがない。
ある意味奇跡、いや健全な二人だからこそである。
九州住まいの作者は総じて凄腕ばかりであることは周知の事実。
- 113 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 21:36:45.72 ID:SMB6vOUc0
(‡`Д´)Ψ「この前なんか風呂入りながらipodで音楽聴いてたら湯気で壊れちゃって……」
ホノ ;∀;)「またですかwwwwwwwww」
(^q^)「貴方ドジっていうレベルじゃないですよ」
カ;゚ー゚ン「多額の借金の裏にはそんな馬鹿みたいな理由が……」
如何にしてヴァニラの借金額は増え続けたのか。
ドジっ子ヴァニラは家電用品を頻繁に故障させ、その都度新しい物を買い替えている。
ipodを買い直した回数は五回、携帯電話は八回、プリンターは三回、等々。
数万円の出費でも積み重なれば何十万円となる。
(‡`Д´)Ψ「トイレに携帯落として、買い替えてその日の内にまたトイレに落とした時は死にたくなりました……」
(^q^)「アホじゃないですかwwwwwwww」
ヴァニラは生粋のエンターテイナーで、人生までも面白かった。
- 115 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 21:39:21.37 ID:SMB6vOUc0
チャ*><)ハン「くそみそさん、就職の件は本当にありがとうございました」
ク*´3ソ「いえいえー、夢を追ってる人がいるとほっとけなくて」
(猫・ω・)「たくさん絵描いてもっと上手くなろう」
カ;゚ー゚ン「ブーン系の絵師さんって本職の方多いですよね」
少し前に復帰した絵師である炒飯は就職先が決まったところだ。
くそみその勤めているエロゲメーカーに、くそみそのコネでイラストレーターとして就職した。
これでまた一人、本職の絵師がブーン系に増えたことになる。
チャ*><)ハン「同居人は四月までにブログ内でなんとか完結させようと思います……」
炒飯は文章ではなく全てを絵で仕上げている現行を持っている。
今までも同じように絵スレを立ててきたこともあり、その可愛らしい絵は人気である。
-=≡ペ、。ル「子猫たーん!」 「寄るなぺるほも」(・ω・猫)
ペルソナが子猫を狙ってやって来たが一蹴され、泣く振りをしながらUターンした。
のべつまくなし女性に近寄ってしまうのは、もはや病気である。
- 116 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 21:41:49.87 ID:SMB6vOUc0
デン*●ω○)スケ「みったーん!」
Σク*´3ソ「でんちゃん!」
デン*●ω○)スケ「踏んで踏んでー」
ク*´3ソ「もーしょうがないわねー、私だってSになるときはあるんだから」
カ;゚ー゚ン(もうなんなの田助さんは……踏む方も踏む方だよ……)
田助は好きな人に踏んでくれと頼み回っているようだった。
床に寝そべってくそみそに踏まれている彼の背中を見ると、靴跡で汚れていた。
ク*´3ソ「これが! いいのかしら! この! 汚らわしい! 雄豚が!」
デン´;ω;)スケ「もげぇ、良いです! もっと罵って下さい!」
チャ;><)ハン「何なのこの人達……」
(猫・ω・)「二人ともこわい」
カ;゚ー゚ン「まったくです」
会場は大いに盛り上がっていた。
- 119 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 21:44:19.16 ID:SMB6vOUc0
デン ●ω○)スケ「ただいまー、また踏まれてきた」
カ ゚ー゚ン「どうも、こんばんはー」
/ ゚、。韮「おかえりー、そしてこんばんは」
シ ゚末゚)「おかえりなさい。カーンさん、先程ぶりです」
田助の行動に興味を持ったカーンは、田助に付いていった。
この場所に来るまで、田助はふまとななめに踏まれていた。
そして絵師の韮、感想人の泡沫のいる場所まで辿り着いた。
カ ゚ー゚ン「どうもどうも、お久しぶりです。韮さん、初めましてー。韮さんの絵大好きです」
/ ゚、。韮「初めまして、ありがとうございます」
韮。絵師である彼女だが、何故かような臭みのある食材の名前なのか。
答えは簡単だった。彼女は韮の花のように可愛らしい外見だった。
彼女の描く絵と同じように、ただひたすらに可愛かった。
正直に言うと、カーンは韮に惚れかけていた。
が、ブーン系で恋愛など言語道断である、と韮への想いをシャウエッセンと共に噛み砕いた。
- 120 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 21:47:00.28 ID:SMB6vOUc0
デン ●ω○)スケ「韮ー、変な森の時はありがとう」
/ ゚、。韮「役に立てたなら嬉しいよ」
シ ゚末゚)「田助君もいつの間にか大物になりましたね」
カ ゚ー゚ン「三人は仲が良いみたいですけど、何か繋がりでもあったんですか?」
田助、韮、泡沫。彼らは旧友であり、困ったときは互いに助け合ってきたらしい。
変な森完結の裏には韮の多大なる知識の援助があったそうだ。
陰の田助軍団である。
デン ●ω○)スケ「鼻者も金魚もいなくなっちゃったねぇ」
/ ゚、。韮「金魚なんていきなり消えるんだもん、何か一言あってもいいのに」
流石兄弟はぐだぐだとゆく、僕とじじい、思抱機械などで人気のあった金魚は逃亡した。
ブーン系を捨て、リア充になった。人間としては正しい道だ。
猫と恩返し、おかしい等の作者、鼻者と呼ばれていた者も同じくリア充となった。
カ ゚ー゚ン「いつか、帰ってきてほしいですね」
田助軍団は個人的に好きな人ばかりだ、と思ったカーンはそう言った。
- 123 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 21:49:14.50 ID:SMB6vOUc0
- / /
@ ^ω^)「やっぱり厨二バトルっていいもんです」
文●^ω^)「今のブーン系にはエロが足りないと思うんです」
@ ゚ -゚)「文丸さんってエロいことばっかり考えてるんですね!」
玉 ゚x)「エイプリルフールも十万ヒット記念も同人誌配布でしたもんね」
文●^ω^)「エロなくしてブーン系は成り立ちません!」
カ ゚ー゚ン「おー、まとめさん同士で集まってますね」
シ ゚末゚)「やはり作者は作者同士、絵師は絵師同士といったように集まるみたいですね」
同じように、カーンと泡沫も感想人同士で集まろうということになり、二人は並んで歩いている。
感想人を探しているが、これだけの人数がいると見つけるのはなかなか大変だった。
辺りを見回せば大勢のブーン系関係者がいて、誰もが楽しそうに談笑していた。
かつて、これほどまでに大規模なオフ会が行われたことなどなかっただろう。
- 129 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 21:52:58.19 ID:SMB6vOUc0
モソフ ゚ -゚)ル「この後、何かイベントがあるって一家さんが言ってましたけど何でしょうね」
(異゚Д゚)「ただ食って喋るだけっていうのも、楽しいですけど味気ないですから、
きっと大がかりな事をするんじゃないでしょうか」
(・∀ ・)「一家さんのことだから金かけてやってそうな気がします」
カ ゚ー゚ン「ちらっと小耳に挟んだんですけど、絵師連合と合作したとかなんとか」
シ ゚末゚)「そういえば田助君も参加したって言ってました。詳しくは教えてくれなかったんですが」
( ゅωゅ)「合作となるとどういう形で公開するんでしょうね、この場でしか見られないのかな」
¢(’e’)「楽しみですね」
カーンと泡沫は人混みの中から感想人を探し出し、新たなグループで会話をしていた。
スカイハイ、異食、またんき王、泡沫、十オナ、メモ。皆、実力のある作者でもあった。
感想人は作品を多視点から分析するので自然と力が付くのかもしれない。
夜の七時から宴会は始まり、気が付けば早くも二時間が経過しようとしていた。
開会式の時に何か企画がある、と一家が言っていたが、そろそろ始まってもおかしくはない時間だった。
- 130 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 21:54:43.82 ID:SMB6vOUc0
テーブルの上の皿に盛られている、生ハムメロンの乗ったリッツみたいなのをカーンは食べた。
流石に高級ホテルだけあって味は文句なしの美味さだった。
もう一つ食べるか、と手を伸ばした時、会場に備え付けられているスピーカーから声が聞こえた。
「えー、皆様、今私のいる舞台の前に集まって下さい。本日のVIPゲストがお越しになられました」
一家の声だった。声は四方から聞こえてくるため、舞台がどこにあるのか分からない。
VIPゲストとはいったい誰だ? あらかた声をかけて回ったが、有名な人はほとんどいたはずだ。
御三家、中堅トライアングル、梅雨作者、夏トリオ、古参新参問わず会場にいた。
カ ゚ー゚ン「ゲストって、誰でしょう?」
モソフ ゚ -゚)ル「見当もつきませんね……」
( ゅωゅ)「皆さん移動を始めてますね、私達も付いていきましょうか」
会場にいた人々は一家の指示通り、ある一点を目指して進んでいた。
最奥に位置する場所へと向かっているらしい。
カーンを含む感想人一行は人の流れに沿って道を進んだ。
- 131 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 21:56:09.45 ID:SMB6vOUc0
急造したステージなのだろう、あまり高さのない舞台に、金色に輝く衝立。
群がった人集りの合間を抜けて、余裕のある場所から舞台を臨んだ。
スタンドマイクの前に一家が佇んでおり、会場を眺めているようだった。
一家が何処かを見ながら頷くと、会場の照明が落ちた。
薄暗くなった中でただ一点、一家だけがスポットライトを浴びて目立っていた。
イ´^っ^`カ「皆様、ご注目下さい。懐かしの作者と再会できましたでしょうか?
気になるあの子に話しかけられましたでしょうか?
今夜のオフ会を、より素晴らしいものにするため、私はゲストをご招待致しました」
周りからは笑い声が聞こえてきたが、何が気になるあの子だハゲ、とカーンは思った。
イ´^っ^`カ「今日、私は皆様に心ゆくまで楽しんで頂けるよう、人気ある有名な方をお呼びしました。
それは、そう。私とて適わない、独特の作風で笑いを提供するあの方です。
私も最近書いていませんが、あの方にお会いして再びやる気が湧いてきました」
前置きが長い、さっさと本題に移れ、とカーンは思った。
イ´^っ^`カ「真似しようと思っても真似できない。まったく素晴らしい技術をお持ちです。
樹海君の話によると森見登美彦に多大な影響を受けているとのことですが、
いやはや、本当に真似できないのです。私もギャグ作者として誰よりも名を馳せましたが、
唯一感服する相手がいるとすれば、やはりあの方です」
カーンは学生時代の無駄に話が長くて鬱陶しがられる校長を思い出した。
- 135 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 21:58:32.85 ID:SMB6vOUc0
延々と自慢話を続ける一家に疲弊した頃、ようやくゲストが姿を現すことになった。
イ´^っ^`カ「それでは、本日のVIPゲスト……不審者さん、お越し下さい!」
オム*゚ー゚)「不審者さん!? 結婚して下さい!」
(;芸)「ちょっとオムさん!?」
ク*゚3ソ「不審者さん!!? 俺だー! 結婚してくれ!」
(;^g^)d「なん……だと……?」
近くにいた不審者ファンのオムライスが求婚した。
不審者の作品を完全に暗記する程の不審者マニアであるくそみそは興奮していた。
gdホリは狼狽していた。
やがて舞台裏から現れたのは、黒のニット帽、黒のセーター、黒のジーンズ、
そして……黒のローファーを穿いた不審者。
(;´_ゝ`)「えっと……なんでこんな大舞台に私は立っているんでしょうか……。
皆さん、初めまして……不審者です」
スタンドマイクの前に立った全身黒一色の不審者が、紛う事なき女性の声で、そう言った。
- 137 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 21:59:40.44 ID:SMB6vOUc0
カ ゚o゚ン「……」
開いた口がふさがらない、というのはこういう事だった。
不審者は絶対に男だ、と思っていたのだ。
不審者たる者怪しい姿をした男でなければならないのだ。
それが現実はどうだ。ニット帽からはみ出した黒髪は艶があり、
整った顔立ちは万人から好意を寄せられるようだった。
声だって高くて、聞いていて癒されるようだった。
(;´_ゝ`)「逃亡した奴がこんな立派な舞台に立つのはおかしいかもしれませんが……
一つだけ、言いに来ました。棺桶売りは来年になったら再開します。
それまでどうか、もしも待ってくれている方がいたら、待っていて下さい」
静まりかえった会場の中、耳に入ってくる彼女の言葉にハッとした。
棺桶売りが再開、来年になったら。
カーンは涙が出るほど嬉しくなった。
同時に、会場から溢れんばかりの歓声が上がった。
女性と知って求婚する者、棺桶売り復活宣言に喜ぶ者、キチガイみたいに叫く者。
間違いなくこの時、オフ会で最大の盛り上がりだった。
- 143 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 22:02:50.40 ID:SMB6vOUc0
( ´_ゝ`)「それじゃあ、ありがとうございました。来年からは、全力で頑張ります」
カ ;ー;ン「不審者さーん! 好きだー!」
誰もが叫んでいるように、マイクから離れて舞台を降りようとしている不審者にカーンも言った。
イ´^っ^`カ「はい、ありがとうございました。不審者さんには頑張って頂きたいですね。
続きまして、作者と絵師によるアニメ合作を公開したいと思います。
壁面に九つ、ウインドウが埋め込まれています。各自見やすい場所まで移動して下さい」
シ ゚末゚)「なるほど、アニメと来ましたか」
カ ゚ー゚ン「これはブーン系初でしょうね」
モソフ ゚ -゚)ル「PVなら流行った時期ありましたよね。ナギさんもやってましたし」
アニメ合作。作者はシナリオを書き、絵師は原画を担当したのだろう。
どんな作品が出来上がったのだろう、とカーンは胸を躍らせた。
- 148 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 22:04:31.96 ID:SMB6vOUc0
感想人一行はステージの近くにあったウインドウの近くに集まった。
壁に埋め込まれたウインドウはとても大きく、遠目から見ても問題は無いほどだった。
イ´^っ^`カ「この合作には多くの時間を費やしました。特に絵師の方には何万枚も描いて頂き、
大変手間の掛かったものとなっております。それでは、絵師代表のくそみそ氏から一言」
画面に映るのはステージの様子。モニタリングされた一家がそう言った。
ク*´3ソ「ど、どうもこんばんは。くそみそです。今回のアニメ合作では画風を合わせるのに苦労しました。
多くの絵師さんと共同で作業して、大変だったけど上手く描けたと思っています。
作者さんの書いた話を表現しきれているか不安ですけど、精一杯頑張りました」
後で聞いた話によると、絵師連合総出で制作したらしい。
それぞれ役割を分担した。ラフ、ペン入れ、着色、背景、構成を別々に担当し、効率を上げた。
作者陣も普通の合作形式で話を書き上げ、VIPで投下も予定している。
イ´^っ^`カ「アニメ合作はYou Tubeに動画をアップする予定です。
それでは、ごゆるりとご堪能下さい」
ウインドウの画面から一家が消え、映画並みの大仰なタイトルが表示された。
「〜アニメ合作〜
ブーンはどこまでも果てしなく歩き、運命に抗い生きるという事について考えるようです」
詰め込み過ぎだろ、とカーンは思った。
- 149 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 22:06:49.33 ID:SMB6vOUc0
一言で言えば、凄かった。
約四十五分間のアニメは、一時もクオリティが衰えることなく、食い入るように画面を見つめた。
合作に携わった料理人、不審者、アフロ、運命喧嘩、btcm、生きるの作者。
シナリオは文句の付け所がないほど完璧。
「人生」をテーマに、それぞれの作者の特色を最大限に引き出していた。
アフロや不審者のギャグは爆笑を誘い、btcmや料理人、運命喧嘩のバトルは燃えに燃え、
生きるのシリアスには人生を考えさせられた。
一貫したストーリーになっており、繋ぎはとてもスムーズだった。
絵師連合は本気を出したのか、神懸かり的な作画だった。
キャラクターはぬるぬる動き、宮崎駿も認めそうなほど出来が良かった。
普通に映画として放映しても違和感のないぐらい。
スタッフロールを眺めながら、涙を流す者も少なくなかった。
制作関係者の中に、普通の企業があった。音響として関わっていたらしい。
これは間違いなく一家が頼んだことだろう。
カ ゚ー゚ン「いやあ……凄かったですね……」
シ ゚末゚)「素晴らしかったです」
- 151 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 22:08:40.23 ID:SMB6vOUc0
スタッフロールが流れ終わり、照明で会場が明るくなったとき、甲高いアニメ声の悲鳴が聞こえた。
間違いなく夢紡ぐの声だった。なんだ、一家が金ずくでセクハラでもしたのか、とカーンは思ったが、
声のした方を向くと……誰かが床に伏していた。
\(b^o^e)/
ツ*;ー;ム「いやああああああああああああああ!」
ち*゚∀゚)ー「beさんが死んでるさね……」
(。,,゚Д゚)「何故……」
イ´;^っ^`カ「そんな、馬鹿な……ありえない……こんなことが……」
カ;゚ー゚ン「な……」
カーンがその場に駆けつけると、目を疑うような光景が広がっていた。
beさんが、ぴくりとも動かない。顔からは血の気が失せ、どんどん白に染まっていく。
- 159 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 22:11:54.02 ID:SMB6vOUc0
時を同じくして、ほのぼのもバルコニーから身を投げて死んだが誰も気付かなかった。
翌日の夕刊の社会面に小さな記事として載った。
カ;゚ー゚ン「紡ぐさん! 落ち着いて下さい! 何があったんですか!」
ツ*;ー;ム「いやああああああああああああ! 死体!」
夢紡ぐは横たわる死体、beさんを見て発狂していた。
ち*゚∀゚)ー「アタシが気付いた時にはもう死んでたさね」
(。,,゚Д゚)「……照明が点く前には死んでいたようですね」
丸い部屋がbeさんの脈を調べ、冷たくなった体から判断した。
(三'A`)「外傷は無いみたいですね」
\(b^o^e)/
イ´;^っ^`カ「どうして……あり得ない……」
やけに一家が狼狽していた。
- 163 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 22:13:36.23 ID:SMB6vOUc0
カ ゚ー゚ン「一家さん……貴方、何をそんなに焦っているんですか?」
イ´;^っ^`カ「何がだい? 私は至って普通だ。いや、死体を前に冷静でいられないだろう?」
カ ゚ー゚ン「……」
ち*゚∀゚)ー「とにかく、警察に連絡しないといけないさね」
イ´;^っ^`カ「いや、待ってくれ。警察になど頼っても仕方がない。
ここは我々でbeさんの死んだ謎を解決しようじゃないか」
やはり、怪しい。
死人が出たのなら警察に頼るのが普通だ。
にも関わらず、一家はそれを拒んだ。
外傷は見あたらないが、これは殺人事件かもしれない。
そして、一家が関係している、とカーンは直感した。
\(b^o^e)/
- 166 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 22:16:54.84 ID:SMB6vOUc0
(。,,゚Д゚)「がっ……ぐぅ……」
カ ゚ー゚ン「……?」
丸い部屋の様子がおかしい。
突然胸を押さえ、苦しみだした。
やがて丸い部屋の身体はみるみる大きくなり、内側から何かが飛び出した。
それは、ライフル。それは、長柄の刀。それは……機械の翼。
カ;゚ー゚ン「な……」
最早、丸い部屋は人間とはかけ離れた姿になっていた。
そこに、騒ぎに気付いた野次馬の中を突っ切って、樹海が現れた。
樹海もまた、両腕がライフルと同化しており、背中からは機械の翼が生えていた。
(^q^)「丸い部屋さん……俺はアンタを倒す」
(。,,゚Д゚)「臨むところだ。"ティンダロスの猟犬"に勝てると思っているのなら、かかってくるがいい」
何が起こっているのか、カーンには理解出来なかった。
- 173 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 22:18:38.91 ID:SMB6vOUc0
目を疑うような戦闘が始まった。
(。,,゚Д゚)「パゼストバイティンダロス──」
(^q^)「アンキャッチャーインザライ──」
二人は中空を舞い、翼から極太のレーザーを放つ。
レーザーを躱そうと飛翔するが、それはどこまでも追尾してきた。
ティンダロスの猟犬、鋭角の存在する場所にのみ発生し、対象者をどこまでも追跡する。
ライ麦畑の非捕捉者、死にゆく者を助けず、見殺しにする。
二人は互いの必殺技を繰り出し、しかし共に回避を続けていた。
- 175 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 22:21:33.10 ID:SMB6vOUc0
しかし、巧みに回避を続けていた樹海だが、
変則的な軌道で迫り来るレーザーに追い詰められ──
(;^q^)「ぐっ!?」
被弾し、轟音と共に爆発が起こった。
(。,,゚Д゚)「……やったか」
勝利を確信した丸い部屋だが、朦々と立ち込める煙が晴れた時──
(^q^)「甘いですよ」
(。;゚Д゚)「なっ!」
翼を丸めて身を守っていた樹海が飛び出した。
- 181 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 22:24:27.84 ID:SMB6vOUc0
樹海の振りかざしたビームサーベルが振り下ろされる。
(。;゚Д゚)「ぐぅっ!」
紙一重で躱し、距離を取ろうと後方へ飛び立つと──
(^q^)「避けろ! ナッパァーッ!」
(。;゚Д゚)「ガッ──」
前方からは1.00口径ライフル弾、後方からは極太のレーザーが丸い部屋に襲いかかる。
爆音が会場に響き、天井のシャンデリアが衝撃波によって砕け散った。
(^q^)「やりましたね」
己こそが勝者であると、樹海は笑みを湛えた。
- 183 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 22:27:28.92 ID:SMB6vOUc0
が、その時。鼻が曲がりそうな程の悪臭が漂ってきた。
(;^q^)「くせぇ! 何だこれ!」
樹海は気が付かなかった。
テーブルの脚が作り出す鋭角から湧き出る藍色の煙に。
そう。ティンダロスの猟犬とは本来実体を持たず──
(。,,゚Д゚)「甘いのはアンタだ」
(^q^)「!?」
ようやく実体を持った丸い部屋が、樹海の背後で呟いた──。
- 185 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 22:30:16.12 ID:SMB6vOUc0
イ´^っ^`カ「素晴らしい、最高のショーだと思わんかね!」
カ ゚ー゚ン「これは……どういうことですか」
会場を見回せば、至る所で戦っている者ばかり。
銃声、爆音、悲鳴、怒号。
人間らしい人間など、数えるほどしかいなかった。
皆、一様に人外じみた動きをしている。
イ´^っ^`カ「ははは、今だから教えてやろう。これは人体実験だよ。
君たちは人体実験の被験者にされたんだ。
馴れ合い厨を絶滅させるためにも、ね」
カ ゚ー゚ン「人体実験だと……?」
カーンは一家の言葉を疑った。
いったい何をすれば、あんな……人間を逸してしまう存在が出来上がるのか。
- 189 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 22:34:56.89 ID:SMB6vOUc0
イ´^っ^`カ「我が社が極秘で行っている人体実験……人間の機械化だ。
現代のブラックジャックと謳われる医師と共同で行っている。
親友のbtgrから提唱され、私は今回の企画を思いついた」
驚いたことに、一家とbtgrは親友だというのだ。
表では犬猿の仲を演じていただけに過ぎないのか、裏では馴れ合っていたらしい。
そんなbtgrから提案されたのが──
イ´^っ^`カ「現在の腐りきったブーン系を再生する、馴れ合い厨同士に殺し合いをさせることだ」
カ;゚ー゚ン「馬鹿な! アンタ自身が一番腐っているだろう、何を抜かしやがる!」
イ´;^っ^`カ「え、いや、ほら俺は仕事が忙しいし」
カ;゚ー゚ン「関係ないだろ! 自分のことは棚に上げんのかよ!」
- 190 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 22:38:47.75 ID:SMB6vOUc0
うおっほん、とわざとらしく一つ咳払いし、
イ´^っ^`カ「とにかく、だ。馴れ合い厨を絶滅させるべく、私は現代のBJに薬を作ってもらった。
遺伝子・細胞変革の薬だ。飲めば身体は機械化され、更にブーン力に依存する能力を得る。
料理に混入させてもらったよ。私はホテルの料理長とコネがあるのでね」
ブーン力に依存……先の樹海と丸い部屋の戦い。
確かに丸い部屋は、ティンダロスの猟犬の能力を得ていた。
カ;゚ー゚ン「なんだと……不可能だ。身体を機械化するなんて、どこのツン止めだよ」
イ´^っ^`カ「可能だ。現代医学に機械工学は目覚ましい進歩を続けている。
……beさんが死んでしまったのは驚いたが、上手く適合しない者もいるのだろう。
まだまだ改善の余地があるようだ」
カ#゚ー゚ン「貴様! 人間を何だと思ってやがる!」
イ´^っ^`カ「人間ではない。馴れ合い厨だ」
カ#゚ー゚ン「だから自分の発言が矛盾してるって気付けよ!」
イ´;^っ^`カ「俺は特別な存在だからいいんだよ!」
- 194 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 22:42:19.64 ID:SMB6vOUc0
樹海と丸い部屋は尚も死闘を繰り広げていた。
薬の副作用により闘争心を燃やし、二人は戦い続ける。
背後を取られた樹海は、丸い部屋の零距離射撃によって片翼となり、傷を負った。
丸い部屋は今や、機械仕掛けのティンダロスの猟犬と化している。
(。,,゚Д゚)「残念だが、実体を持たぬ俺は不死だ。仮初めの肉体を殺したところで何の意味もない。
降参するなら今のうちだ、命は取らないでいてやる」
(メ^q^)「──ジュカイファンタズム」
(。,,゚Д゚)「ぬ……?」
樹海は己が最強の技を披露した。
白の眩い光が発生し、世界は塗り替えられた。
樹海切符という世界に。
(^q^)「ここは俺の世界。俺もお前も、ルールに縛られることになる。
樹海切符を読んだことがあるかな? 戦闘はターン性になり、ライフと移動範囲は固定される。
敗者は永遠にこの世界、『樹海』に閉じ込められる。アンタが不死ならば、閉じ込めればいいだけだ」
二人の立つ一帯は激しく隆起していて、暗緑の木々が鬱蒼と茂っていた。
- 195 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 22:46:06.95 ID:SMB6vOUc0
(。,,゚Д゚)「なるほど、考えたな」
(^q^)「ライフは同値。ならばここから先は」
(。,,゚Д゚)「純粋な力勝負というわけか」
(^q^)「いいや、互いの武装は同じ。故に、知略で勝る僕が勝つ」
(。,,゚Д゚)「ふん、逃亡を続けるお前が、俺に勝てるとでも思っているのか?
一つ言っておくが、俺はまだ全力を出していないぞ」
(^q^)「馬鹿め、この世界では攻撃力は武装に依存する。
能力など何の意味もない」
(。;゚Д゚)「なに……!」
(^q^)「さあ──ゲームを始めようか」
今此処に、ダンジョンバトルの火蓋が切られた。
- 198 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 22:48:52.21 ID:SMB6vOUc0
・1ターン目
■■■■■
■■丸■■ (。;゚Д゚)「おいちょっと待て! アイテムおかしいだろ!」
■□□□■
■□□□■
■□□□■
■□□□■
■□□□■
■□□□■
■■樹■■ (^q^)「何が? ここ俺の世界だもん」
■■■■■
樹海 丸い部屋
530000/530000 530000/530000
E機械仕掛けの翼 E機械仕掛けの翼
E荷電粒子砲 E荷電粒子砲
E1.00口径ライフル E1.00口径ライフル
Eビームサーベル Eビームサーベル
お手当て草
大きなうまい棒
大きなうまい棒
大きなうまい棒
大きなうまい棒
足踏みスイッチ
- 199 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 22:51:24.59 ID:SMB6vOUc0
ぐつぐつと煮える鍋の置かれた炬燵に足を入れる五人がいた。
ク#゚3ソ「不審者さん! 俺と結婚して下さい! 実は俺レズなんです!」
オム*゚ー゚)「いいえ! 私と結婚して下さい! 芸さんとはもう別れました!」
(;芸)「オムさん嘘でしょ!?」
(^g^)d「不審者さんなら私を選んでくれると信じています」
(;´_ゝ`)「いや、あの……」
gdホリの能力によって、不審者をかけた鍋パーティーが繰り広げられているのだ。
レズだと宣っているくそみそだが、彼女の能力によって
炬燵の近くでは阿部さんと道下がホモセックスをしている。アッーとか喘ぎ声が聞こえてくる。
この場は混沌としていた。が、平和ではあった。
可憐な乙女である不審者は三人から求婚され、狼狽えるばかり。
やっぱりオフ会になんて来るんじゃなかった、と不審者は後悔した。
( ;_ゝ;)「勘弁して下さい……」
- 201 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 22:54:04.81 ID:SMB6vOUc0
アル・ー・)ファ「蕎麦屋さん、私は貴方のみを強敵(とも)としてきました。
私の前に立ちはだかるのは貴方しかいないのです。
貴方の屍を越えなければ、私は最強の武人とは言えません」
ソバ^ー^)ヤ「私を倒すというのですか……やめておいた方がいいですよ」
ここにもまた、一家の薬による作用を受ける者が二人。
闘争心を滾らせ、アルファは蕎麦屋に挑まんとしていた。
アル・ー・)つZ「私のアルファベットに切り裂けぬものなどありません」
アルファの能力、言わずもがな。
本人はZを使用できる力を持っていた。
対する蕎麦屋は──
ソバ^ー^)ヤ「貴方ともあろう方が、私の能力を理解できないとは思っていませんが……
覚えているでしょう? 私は、妄想を現実にすることができる」
この場にいる作者で、最強と言っても過言ではない能力を持っていた。
ソバ^ー^)ヤ「DATの欠片を持つ私に、貴方が勝てるとでも?」
アル・ー・)ファ「生憎ですが、DATの欠片なら私も持っています」
- 203 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 22:57:06.30 ID:SMB6vOUc0
DAT──それは世界を構成する欠片。
表合作参加者のみが扱うことのできる、強力なバックアップアイテム。
アルファと蕎麦屋は、どちらもDATの欠片を持っていた。
アル・ー・)ファ「確かに、貴方を倒すのは骨が折れそうだ。
しかし、そんな貴方だからこそ、私の相手として不足はありません」
ソバ^ー^)ヤ「しょうがないですね。
そこまで言われたのなら、こちらからお手合わせ願いましょうか」
アル・ー・)つZ「いざ、参ります」
アルファが、風のように疾駆した。
ソバ^ー^)ヤ「リリィ──」
透き通るような蕎麦屋の声と共に、妄想が実現と化した。
白い狐、リリィ。バルカン砲、グレネード、パイルバンカー等を搭載した武装バイク。
かつて、ドクオが戦車や戦闘ヘリを撃墜して回ったそれである。
ブーン系作者の、頂上決戦が始まろうとしていた────
〜to be continued
- 205 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 22:59:27.29 ID:SMB6vOUc0
ち* ∀ )ー「ようやく見つけたさね──」
──たけし。
( ´∀`)「おやおや、ちかたんじゃないですか」
ち* ∀ )ー「気安く呼ぶな、反吐が出る」
ちかたんとたけし、二人の間には大きな溝があった。
そう、自己満合作、もといマジ切れ合作の騒動である。
ち ゚∀゚)ー「貴様を殺す」
( ´∀`)「穏やかではありませんね」
ち ゚∀゚)ー「己の罪を悔いるがいい」
禍々しい斧槍を片手に、ちかたんがたけしに斬りかかった。
- 208 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 23:02:29.45 ID:SMB6vOUc0
( ´∀`)「荒巻──」
ネオファイターのたけしが、幻竜荒巻を召喚した。
_,,..,,,,_
./ ,' 3 `ヽーっ
l ⊃ ⌒_つ
`'ー---‐'''''"
ち ゚∀゚)ー「ハッ。そんなどこぞのデパートでお手頃価格で買える怪獣フィギュアみたいなのに何ができるのさ!」
,,从.ノ巛ミ 彡ミ彡)ミ彡ミ彡ミ彡)ミ彡)''"
人ノ゙ ⌒ヽ 彡ミ彡)ミ彡)ミ彡)'
,,..、;;:〜''"゙゙ ) 从 ミ彡ミ彡)ミ彡,,)
_,,..,,,,_ ,,..、;;:〜-:''"゙⌒゙ 彡 ,, ⌒ヽち*゚∀゚)ー ミ彡"
./ ,' 3::::::゙:゙ '"゙ ミ彡)彡''" ミ彡
l ⊃ ``゙⌒`゙"''〜-、:;;,_ ) 彡,,ノ彡〜''"
`'ー---‐'''''" ゙⌒`゙"''〜-、,, ,,彡⌒''〜''"人 ヽノ
"⌒''〜 し(__)
- 211 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 23:07:09.65 ID:SMB6vOUc0
(゚q 。川「あんあほへあんはふへひはははあひへくうお」
/ ゚、。/「1つ。貴方は私を怒らせてしまいました。
2つ。貴方は今から死んでしまいます」
此処でもまた、因縁の対決が始まろうとしていた。
ぱーぺき騒動に便乗したカンザイ。
彼はニーイチをコケにし、まったく反省する素振りを見せなかった。
故に、寛容なニーイチでもカンザイだけは許すことができなかった。
ニーイチは懐から(懐に入れておくのは紳士の嗜みらしい)携帯電話を取りだした。
/ ゚、。/「もしもし孝明? 今すぐ来て!」
そう、彼は一家の薬によって得た能力で、剣道五段の友人を召喚しようとしたのだ!
- 216 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 23:11:01.56 ID:SMB6vOUc0
(゚q 。#川「おあえあひふふへはははへあいおは!!」
一家は言った、料理に薬を混入させたと。
カンザイは赤ワインを片っ端から鯨飲して回った。
赤ワインにも当然、薬は混入していた。
よって、カンザイの薬の服用量はとんでもないことになっている。
会場で最も化け物じみた姿をしている者は、間違いなくカンザイだった。
目は赤以外ないほど真っ赤で、髪は床に届いて尚垂れている、
両腕は大砲、背中からは十メートルほどの翼、脚はキャタピラになっていた。
(゚q 。#川「ひえ!」
ガンダムも吃驚の超極太ハイメガキャノンがニーイチを殺しにかかった。
/ ゚、。/「3つ。もしかしたら死ぬのは私かもしれません」
- 218 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 23:13:34.73 ID:SMB6vOUc0
ギア ゚∀ス「ギアスが命じる! 万物、公開オナニーをしろ!」
ギアスの命によって、万物の目がアニメ的効果で紅くなったような気がする。
/ヾ
ゝイ丿
/ /
/ /
/ /
/ / / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
シコ (M・ω・)、 / /< おっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱい
/ ヽ、 / / \______________________
シコ ( ) ゚ ゚/ヽ、/⊂//
\ ヽ、 ( /⊂// シコ
\ ⌒つ /
(  ̄/ / シコ
| |O○ \
| | \ \
| ) | )
/ / / /
/ / ∪
∪
ギア;゚∀ス「きめぇ! やめとけばよかった!」
- 219 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 23:17:49.42 ID:SMB6vOUc0
一方その頃、樹海と丸い部屋。
・38ターン目
■■■■■
■■■■■
■■■■■
■■■■■
■丸■■■
■■樹■■
■■■■■
■■■■■
■■■■■
■■■■■
樹海 丸い部屋
530000/530000 529854/530000
E機械仕掛けの翼 E機械仕掛けの翼
E荷電粒子砲 E荷電粒子砲
E1.00口径ライフル E1.00口径ライフル
Eビームサーベル Eビームサーベル
お手当て草
大きなうまい棒
大きなうまい棒
大きなうまい棒
大きなうまい棒
足踏みスイッチ
- 221 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 23:19:59.96 ID:SMB6vOUc0
(。;゚Д゚)「おいこれ勝負つかねーぞ! 1ターンで3とか5しかダメージ与えられないって何だよ!」
(^q^)「なんか知らんけど機械の身体になって防御力上がってんだもん」
(。;゚Д゚)「アイテム持ってても持ってなくても変わらねぇ! そもそもなんでライフが53万なんだよ!」
(^q^)「丸い部屋さん降参して下さいよ」
(。,,゚Д゚)「ここで退いたら恥ずかしいから嫌だ」
(^q^)「じゃあ攻撃しますね」
『樹海の攻撃! 丸い部屋に3ポイントのダメージ!』
『丸い部屋の攻撃! 樹海に5ポイントのダメージ!』
(。;゚Д゚)「やっぱ終わんねぇ! 微妙に痛いしもう嫌だ!」
(^q^)「だから降参して下さいよ」
(。,,゚Д゚)「閉じ込められるのは絶対に嫌だ」
二人の戦いはまだまだ終わりそうになかった。
- 223 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 23:23:52.03 ID:SMB6vOUc0
漆黒の鉄の鎧。街狩りの元来の姿とは似ても似つかない。
ベジータのようなM字型の髪の分け目は今や犬科を思わせる耳のよう。
両肩には巨大な砲門、腰には長柄の刀が四本──蜘蛛のように見える。
街狩りは己が最強の武装──"アーマーシステム"を発動させていた。
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「死ねえええええええ合成士! BBBlade!」
合゚~「ぎゃー」
ブチ切れた街狩りは同胞、合成士を横薙ぎに切り裂いた。
- 224 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 23:25:28.42 ID:SMB6vOUc0
ミ異゚Д゚彡「アフロさんちょっとバトってみませんかwwwwww」
,.:::.⌒⌒:::::ヽ
(::::::::::::::::::::::::::::)
(::::::::::::::人:::::::::ノ
(:::: (^ω^):::::: )「おkwwwwwwww」
異世界とアフロ、彼らは薬の副作用を受けることなくマイペースなままだった。
身体が変なことになっており、自分の内に眠る能力を試したくて仕方がない。
興味本位で異世界はアフロに戦いを挑んだ。
ミ異゚Д゚彡「んじゃ行きますよwwwwww名も無き炎の剣と呼ばれた神具!wwwwwwwww」
破壊の管理者──フッサールが、己の命を犠牲に一国を守った際に用いた神具。
破滅の剣──災いの杖レーヴァティン。
かつて世界を焼いたとされるその神具を、異世界は発動した。
──風と接続。
吹き荒れる熱風。リング状の炎が瞬く間に周囲を焼き尽くす。
風の封印を解き放った炎の剣が、真の姿を現す。
- 226 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 23:28:04.44 ID:SMB6vOUc0
それは、太陽の光。
光さえも照らす炎の究極の姿。
,.:::.⌒⌒:::::ヽ
(::::::::::::::::::::::::::::)
(::::::::::::::人:::::::::ノ
(:::: (^ω^):::::: )「うおっまぶしっ!wwwwwwwwテラアツスwwwwwwww」
ミ異゚Д゚彡「あっつwwwwwwww腕焼けるwwwwwwwwww」
,.:::.⌒DAT:ヽ
(:DAT::DAT:::::)
(DAT::::人:::::::::ノ
(:::: (^ω^):::::: )「助けてDATwwwwwwwww」
フッサールへの「想い」が込められたDAT。
それはアフロ、異世界を灼熱の太陽から護る──
- 227 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 23:30:27.77 ID:SMB6vOUc0
全てを灰燼に帰す炎が収束したとき、一面は何もかもが溶けているかと思われた。
が、DATの力によって全てが復元されていた。
世界を構成する欠片の力を侮ってはいけない。
ミ異゚Д゚彡「死ぬかと思ったwwwwwwwwwもうバトルとかやめwwwwwwwww」
,.:::.⌒⌒:::::ヽ
(::::::::::::::::::::::::::::)
(::::::::::::::人:::::::::ノ
(:::: (^ω^):::::: )「そりゃこっちの台詞だwwwwwwwwちょっくら人生リプレイしてくるおwwwwwwww」
ミ異゚Д゚彡「いってらwwwwwwww俺も異世界に旅しに行こうwwwwwwwww」
アフロは再び青春を謳歌するため、高校生時代へ時間旅行へと出かけた。
異世界はドクオ達の手助けをするため、異世界へと舞い込んだ。
そして二人はいなくなった。
- 229 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 23:32:37.20 ID:SMB6vOUc0
アル;・ー・)ファ「くっ……流石ですね、蕎麦屋さん」
ソバ^ー^)ヤ「貴方が私を倒すことは不可能だと言ったでしょう。
. 私は貴方を一瞬で殺すこともできる。
. ただ、貴方が死んでいる妄想をすればいいだけなんです」
縦横無尽に駆け回るリリィを、アルファはWによるFの乱れ打ちによって破壊に成功した。
リリィのパイルバンカーを背に受けた、創痍の身体で尚アルファは立ち向かう。
アル・ー・)ファ「しかし、貴方はそれをしない。そんな姑息な手段で勝とうと思っていないのでしょう?」
ソバ^ー^)ヤ「無論。これまでは唯の余興。今度は私自身が相手をしましょう」
突然、蕎麦屋のスーツが破れた。
全身の筋肉が急激に発達し、赤黒く変色した体躯が露出される。
鋼鉄をも越える強度。肉弾戦ホルダースキル最強の能力──オーガ。
アル;・ー・)ファ「母者の……」
ソバ^ー^)ヤ「この身体を、アルファベット如きで穿つことができるでしょうか」
かつて、父を憎んだ憐れな子、ジョルジュの姿と重なった。
- 236 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 23:46:13.54 ID:SMB6vOUc0
アル・ー・)ファ「ならば、私とて全力を出さねばなりません──」
──ニドキング、ニドクイン。
ソバ^ー^)ヤ「っ!!」
[♂キ`゚皿゚]
〔♀キ゚¬゚〕
轟音と共に、十メートルを超える体長の怪物が其処に現れた。
人間など一撃の下に葬り去る攻撃力を持つ、最強のポケモン。
ソバ^ー^)ヤ「面白いですね、現実にポケモンを見ることができるとは……
. 私も召喚することはできますが、それでは面白くありません。
. 私自身で戦うと、先程言ったばかりですからね」
アル・ー・)ファ「いけ! ズト! フリさん! ナナセ! バリー!」
ヾ(¬`・∧)¬ ボンッ |ミ゚<>゚〉 ボンッ 《●`ー) ボンッ (○'ー')о ボンッ
○ ボンッ ○ ボンッ ○ ボンッ ○ ボンッ
ソバ;^ー^)ヤ「ちょ、出し過ぎですよ!」
アルファは最強の布陣で蕎麦屋を迎え撃つ────
〜to be continued
- 241 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 23:48:28.15 ID:SMB6vOUc0
( ゚天゚)「死ねコラ、社会のゴミ」
( ;東;)「痛い! やめて下さいよ天国さん!」
頭の後ろで腕でを組み、床で身を守るようにして丸まっている東京。
彼はいじめられっ子がチンピラに絡まれカツアゲを拒んだ末ボコボコにされているかのように、
天国に本気で足蹴にされていた。
天国は通常の十倍はドSぶりが増していた。
一家の薬による副作用である。
が、いつもと変わらぬ光景であった。
( ゚天゚)「路頭に迷って路地裏で汚い残飯でも漁ってろ」
( ;東;)「俺だって働いてるもん! ホームレスになんかなりません!」
東京と天国は平和だった。
- 244 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 23:51:01.42 ID:SMB6vOUc0
無言で佇み、約五メートルの距離を置いて対峙する二人がいた。
( ФωФ)「……」
ξナ匚゙)ξ「……」
正義のヒーローとナギ。
二人を包む沈黙はしかし、ナギによって破られた。
ξナ匚゙)ξ「正義のヒーローさん。私は貴方を斃したい。
私の力がどの程度なのか……きっと、今なら勝てる気がするんです」
エスパークーを完結させ、今や底知れぬブーン力を秘めたナギ。
最大の好敵手として、正義のヒーローを選んだ。
( ФωФ)「下らん。我輩は勝ち負けになど興味はない。
今までそうしてきたように、誰の相手もしない。
例え、お前であろうとな、ナギ」
ξナ匚゙)ξ「なら、貴方が地に伏すまで攻撃を続けるのみです」
( ФωФ)「好きにするがいい」
- 245 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 23:54:43.85 ID:SMB6vOUc0
∩ナ匚゙)ξ「フォー・オブ・ア・カインド──」
ξナ匚゙)ξ
つャ
ξナ匚゙)ξつャ 「ソードクイーン!!」
─凶刃が正義のヒーローに迫る。
─が、一歩たりとも動じない。
キィンッ!!
( ФωФ)「何なんだぁ、今のはぁ」
ξ;ナ匚゙)ξ「なっ!」
─傷一つ無い、正義のヒーローは仁王立ちしていた。
- 247 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 23:56:23.93 ID:SMB6vOUc0
ξ;ナ匚゙)ξ「くっ、フォー・オブ・ア・カインド──」
ξナ匚゙)ξ「焼きごて!!」
◎ ◎
◎ ◎
◎ ◎
⊂ ξナ匚゙)ξ つ バッ!!
ξナ匚゙)ξつ「燃え尽きろ!」
─優に十を超える火球が、正義のヒーローに襲い掛かった。
ヒュバッ
、. ナ匚゙
ガァンッ!!!
∴・ξナ匚゙)ξつ)ФωФ )・∴
- 249 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 23:57:26.00 ID:SMB6vOUc0
ξ;ナ匚゙)ξ「…ッ!」
(ФωФ )「ぬるい」
⊂
ドンッ!!
「がはっ…!!」ξ;ナ匚゙)ξ∴・ (ФωФ )
⊂=
─正義のヒーローは灼熱の火球を直撃し、ファイアスターターの一撃を喰らっても無傷だった。
ξ;ナ匚゙)ξ「流石…正義のヒーローさんです」
( ФωФ)「馬鹿な真似はよすのである」
- 251 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 23:58:25.07 ID:SMB6vOUc0
正義のヒーローは奇しくも悪の宇宙大魔王、ロマネスクの能力を行使していた。
防御など皆無、強靱な肉体は何者をも寄せ付けない。
其処にいるのは、圧倒的にして純粋な暴力。
肉弾戦に特化した、化物。
技も何もない、ただ殴っただけのパンチ。
桁外れの威力を持った一撃が、ナギの体を重くした。
たったの一撃で、ここまでのダメージ。
攻撃を受ければ死に直結する。
ξナ匚゙)ξ「──『最強』」
ナギは、元『最強』の能力を行使した。
県知事、氷のエスパー、ロマネスク──その名は、『絶対零度』。
同じロマネスクの能力を繰り出したのは何かの運命か。
- 253 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 23:59:08.72 ID:SMB6vOUc0
ξナ匚゙)ξ「全力で行きます」
( ФωФ)「無駄なことを…」
…――ッキン!!!
ξナ匚゙)ξ「エターナルフォースブリザード」
ξナ匚゙)ξ「──全ては、凍る」
- 254 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/23(金) 23:59:49.44 ID:SMB6vOUc0
─あらゆる音の消えた世界、冷気が時を凍てつかせた。
*( ω )*+
*( ωФ)*+
ガシャーン!!!
*:・⊂( ФωФ)つ・+*「ナギ、それが貴殿の全力か」
Σξ;ナ匚゙)ξ「そ、そんな!」
- 256 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 00:01:15.24 ID:USj3oWR20
( ФωФ)「小賢しい真似はそこまでだ。これ以上茶番に付き合うのは疲れる」
ナギの全力をもってしても、正義のヒーローは倒れない。
圧倒的な力の差が、二人の間にはあった。
( ФωФ)「るううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう!!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
吼えた。
右腕を思い切り振りかぶり、渾身の力を込めてパンチを放つ。
技術も糞もない、シンプルなパンチ。
小器用に腕を振るうこともない、純粋な一撃。
不器用に生きた正義のヒーローに、ロマネスクが重なった。
- 258 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 00:03:18.79 ID:USj3oWR20
( ФωФ)「ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう!!!!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ナギが一対の翼と機械の腕でパンチを受けた。
鋼鉄よりも尚硬い、鉄壁の防御。
知ったことか。
防御するのならすればいい。
お前の防御が壁だというのなら、
その壁ごとぶち破るだけだ。
- 259 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 00:05:38.41 ID:USj3oWR20
( ФωФ)「ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう!!!!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
自分は一切の馴れ合いを禁じた。
本当に投下マシーンだったのだ。
だからこそ、馴れ合っている敵には負けられない。
負けてはならない。
自分の道程は、無意味ではなかったと。
自分は、『投下マシーン』だったのだと。
証明し続けなければならない。
馴れ合う者に引導を渡しにやって来た。
信じていたナギが馴れ合っていた。
だから、自分はナギを斃す。
ナギを『馴れ合い厨』だと否定する。
- 261 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 00:07:27.31 ID:USj3oWR20
( ФωФ)「ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう!!!!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
力を込めた。
心を込めた。
魂を込めた。
怒りを込めた。
悲しみを込めた。
誓いを込めた。
壁をぶち破り、その向こうへと届かせる為に。
- 263 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 00:09:14.13 ID:USj3oWR20
ξナ匚゙)ξ『もしも、いつか私が馴れ合っているのを見つけたら、
正義のヒーローさんが私を叱ってね』
──誓いを、込めた。
- 264 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 00:12:22.49 ID:USj3oWR20
( ФωФ)「ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
ううううううううううううううううううううううううううううううううううああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
拳がナギの翼、両腕を弾き飛ばし、がら空きになった顔面に命中する。
そのまま更に力を込め――
全身全霊の力で、思いっきりナギを殴り飛ばした。
ξナ匚゙)ξ「!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ナギの体が吹き飛び、幾つものテーブルを薙ぎ倒し──
ついには、壁をぶち破って十七階フロアの廊下へと飛び出した。
( ФωФ)「……約束は果たしたぞ、ナギ」
正義のヒーローは、床に伏したナギに向かって囁いた。
- 268 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 00:15:16.41 ID:USj3oWR20
仰向けに横たわるナギを一瞥し、正義のヒーローは踵を返した。
数歩踏み出す。が、その途中──
( ФωФ)「……しぶといな」
背後に向けて一言、正義のヒーローは言った。
ξメメナ匚゙)ξ「……これが、最後」
立ち上がり、幽鬼の如く佇むナギ。
余力は残っていない、立ち上がるだけで精一杯。
それでも、ナギは最後の力を振り絞った。
かつての親友、かつてのライバルの心を入れ替えるため。
( ФωФ)「瀕死のお前にこれ以上手は出さん。
お前の攻撃、全身全霊をもって受け止めてやろう」
ξメメナ匚゙)ξ「ありがとう……これで、終わらせる」
- 274 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 00:17:43.85 ID:USj3oWR20
─ナギの手に、一筋の光が生まれる。
─光の名は『正義』
、,
ξメメナ匚゙)ξ「今の貴方は、悪の宇宙大魔王」
つ∩*―・― キィィィィィィィ――…ン
─信じる心が生み出す最大価値。
、,
ξメメナ匚゙)ξ「効果は抜群だ」
つ∩*―・―
- 275 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 00:19:30.57 ID:USj3oWR20
ッ ―――カッ
、,
(ФωФ ) ――*⊂ξメメナ匚゙)ξ
- 276 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 00:21:15.41 ID:USj3oWR20
─それは
( ФωФ)
─物を見る、人の価値を逆転させる
(;ФωФ)
─正義の剣
Σ(;ФωФ)
- 280 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 00:23:31.36 ID:USj3oWR20
(;ФωФ)「ナギ! しっかりしろ!」
正義のヒーローは、崩れ落ちたナギを抱きかかえる。
ξメメナ匚゙)ξ「ごめんね……貴方の生きた道を、否定しちゃった……」
(;ФωФ)「そんなことはどうでもいい! 俺が間違っていたんだ!
一人でいると何も分からなくなってくる、自信がなくなってくる……」
馴れ合いを否定した正義のヒーローは、ナギの一閃によって価値観を逆転された。
ξメメナ匚゙)ξ「うん……一人は寂しいよね……。誰かと繋がっていたいよね……。
私は貴方と一緒にいたいから、ごめんなさい……」
息も絶え絶えにナギは続ける。
かつて馴れ合いを否定した、ナギは馴れ合いに身を置いた。
その行為が、正義のヒーローを裏切ることになろうとも。
孤独は寂しい。誰かと一緒にいたい、と。
ナギはただ、正義のヒーローを想い続けた。
- 281 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 00:26:02.39 ID:USj3oWR20
( ФωФ)「ナギ……俺も本当は、お前と一緒にいたかった。
だが意地を張った……今なら言える。
ナギ、ずっと、俺の傍にいてくれ」
ξメメナ匚゙)ξ「嬉しい……これからは、ずっと一緒だね……。
……何だか疲れちゃった。私、ちょっと眠るね」
( ФωФ)「ああ好きなだけ寝ろ。目が覚めたら、嫌って言うほど話そう」
ξメメナ匚゙)ξ「うん……うん……」
ナギは静かに瞼を閉じた。
かつての誓いと、裏切りの果てに結ばれた二人の話 ─ 了 ─
- 284 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 00:28:40.14 ID:USj3oWR20
カ;゚ー゚ン「ハァ……ハァ……」
イ´^っ^`カ「ハーハッハッハッハッハゲホッゴホッ!」
忘れ去られたこの話の主人公、カーンは一家をねじ伏せようとしていた。
彼もまた、全身は機械化され、能力を得ていた。
だが、圧倒的なブーン力の差。
中堅の一家に、新参のカーンが敵うはずもなく。
イ´^っ^`カ「たかが感想人如きがこの俺に挑むなど笑止!
そんな傷だらけの身体でまだ戦おうというのかね?」
カ;゚ー゚ン「それでも……それでも僕には──」
──紡いできた物語がある。
イ´^っ^`カ「下らん! 貴様のような新参が書いた話など何の意味も無いわ!」
「──調子に乗りすぎじゃあないですか、一家さん」
腹の奥底から響き渡るような、怒気を孕んだ渋い声が聞こえてきた。
イ´;^っ^`カ「だ、誰だ……!? この威圧感……相当なブーン力……!」
- 286 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 00:31:34.86 ID:USj3oWR20
. /⌒ヽ
(´ω´ ) /´〉,、 | ̄|rヘ
ノ ヽ l、 ̄ ̄了〈_ノ<_/(^ーヵ L__」L/. ∧ /~7 /)
/ 丶' ヽ: 二コ ,| r三'_」 r--、 (/ /二~|/_/∠/
/ ヽ / /::: /__」 _,,,ニコ〈 〈〉 / ̄ 」 /^ヽ、 /〉
/ /へ ヘ/ /:: '´ (__,,,-ー'' ~~ ̄ ャー-、フ /´く//>
/ \ ヾミ /|:: `ー-、__,| ''
(__/|\___ノ /::
/ /::
/ y )::
/ / /::
/./ /:::
/ ./::::
( く:::::
` |\ ヽ::::
. | .|.\ \::::
. | .i::: \ ⌒i::
. | /:: ヽ 〈::
\ | i:: (__ノ:
ソ )::
(_/\
- 289 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 00:33:51.58 ID:USj3oWR20
( ´ω´)「若い芽を摘むとは関心しませんね」
あまりにもダンディ、あまりにもクール。
真の英雄とは、遅れてやって来るものである。
イ´;^っ^`カ「め、めろん! なんてブーン力だ……明らかに中堅の域を超えている……」
カ;゚ー゚ン「めろんさん! お願いです、一家を止めて下さい!」
カーンはもはや満身創痍。打つ手無しの窮地に立たされていた。
今頼れるのは、めろんしかいない。
( ´ω´)「一家さん、アンタとはギャグ作者として互いを高め合ってきた仲間だと思っていたが、
まさかそんな下劣な考えを持っていたとはね。馴れ合いを否定するということは、
俺自身を否定するということになる。つまり、アンタは俺に喧嘩を売っているわけだ」
イ´;^っ^`カ「ま、待て待て。めろんちゃんと俺はマブダチじゃないか。争いはやめよう」
カ;゚ー゚ン「汚ぇー! 弱いものいじめしかできないのかよお前!」
- 293 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 00:36:14.78 ID:USj3oWR20
( ´ω´)「一家さん、悪いがアンタにはお灸を据える必要があるみたいだ」
イ´;^っ^`カ「ほら、クッソラジもやった仲じゃん。穏便にいこうぜ」
一家の必死の説得も空しく、めろんは戦闘態勢に移る。
拳を固く握りしめ、一家の汚い面を殴り飛ばす準備をした。
( ´ω´)「最初からクライマックスで行くぜ」
瞬間、おぞましい殺気が空気を澱ませた。
その殺気は──
カ;゚ー゚ン「荒巻……!」
荒巻五分に違わない。
僅か五分で約五百人を血祭りに上げた化物。
人類の敵、生粋の殺人鬼──魔人。
- 297 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 00:38:38.05 ID:USj3oWR20
イ´;^っ^`カ「くそぉ! パラレルアスキーアートワールド──」
その化物の前には一家の抵抗など無意味。
/´⌒ヽ ,,..
((((((((((((@)) _|_┌┐| ,;;,;''''''彡
jjj´゚ω゚`) ( ^ω^) ミ 'A`)
懐かしい面々が出てきた。
イ´^っ^`カ「行け! 我が息子たちよ!」
( ´ω´)「……」
- 301 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 00:40:50.85 ID:USj3oWR20
▂ ▪ ▂▄▅▆▇■▀▀〓◣▬ ▪ ■ … .
.▂▅■▀ ▪ ■ ▂¨ ∵▃ ▪ ・
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▅▇███████▀ ▪ ∴ ….▅ ■ ◥◣
((((((((▓░█▅▆▇████████▆▃▂ ▪ ■▂▄▃▄▂
jjj´゚ω▒▓_ ■ ¨ ▀▀▀■▀▀▀ ▪ ■
イ´^っ^`カ「え?」
刹那、三体のAAは血飛沫を上げて絶命した。
光の如く疾走しためろんは、動いたことも気付かせぬほどの速度でAAの顔を抉ったのだ。
( ´ω´)「そんな雑魚で俺を斃せるとでも思っていたのか」
圧倒的、圧倒的戦闘力。
肉弾戦においては、もしかすると会場に存在する作者の中では最強かもしれない。
イ´;^っ^`カ「ひっ!」
- 304 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 00:43:10.76 ID:USj3oWR20
次にめろんが動いたとき、一家は傷を負ったことさえ自覚できなかった。
▂ ▪ ▂▄▅▆▇■▀▀〓◣▬ ▪ ■ … .
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イ´^っ^`▒▓_ ■ ¨ ▀▀▀■▀▀▀ ▪ ■
( ´ω´)「弱い……」
イ´;゚っ゚`メ「あああああああああああ!? ブラックジャック!!」
- 307 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 00:45:22.81 ID:USj3oWR20
,,..
,;;,;''''''彡
ミ 'A`) 「手術代は三千万だ」
/フ┃フ
./.| |.┃|}
| ,∪、 |
| ̄ ̄| |
|__|Lつ
一家に召喚されたブラックジャックが請求した。
イ´;゚っ゚`メ「払うから早く治してくれ!」
三 三三
/;:"ゝ 三三 f;:二iュ 三三三
三 _ゞ::.ニ! ,..'´ ̄`ヽノン
/.;: .:}^( <;:::::i:::::::.::: :}:} 三三
〈::::.´ .:;.へに)二/.::i :::::::,.イ ト ヽ
,へ;:ヾ-、ll__/.:::::、:::::f=◎◎イ´^っ^`カ◎◎
. 〈::ミ/;;;iー゙ii====|:::::::.` Y ̄ ̄ ̄,.シ'=llー一'";;;ド'
};;;};;;;;! ̄ll ̄ ̄|:::::::::.ヽ\-‐'"´ ̄ ̄ll
- 309 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 00:47:58.91 ID:USj3oWR20
五分後、治療を受け、回復した一家が帰ってきた。
イ´^っ^`カ「死ぬかと思った」
( ´ω´)「峰打ちだというのに大げさだ」
カ;゚ー゚ン(思いっきり血噴出してたけど峰打ちなの!?)
イ´^っ^`カ「さあ、そろそろ終わりにしようか……。
めろん、君の天敵を用意してやる。
私の能力はAAを自在に召喚することができるのだ」
( ´ω´)「雑魚を何匹出そうが結果は同じだ」
イ´^っ^`カ「そう言っていられるのも今の内だぞ。
後悔するがいい。出でよ──」
- 313 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 00:50:58.07 ID:USj3oWR20
.@@@
@# _、_@
(# ノ`)
__〃` ^ 〈_
γ´⌒´-−ヾvーヽ⌒ヽ
/⌒ ィ `i´ ); `ヽ
/ ノ^ 、★__¥★_人 |
! ,,,ノ爻\_ _人 ノr;^ > )
( <_ \ヘ、,, __,+、__rノ/ /
ヽ_ \ )ゝ、__,+、_ア〃 /
ヽ、___ ヽ.=┬─┬〈 ソ、
〈J .〉、| 母|, |ヽ-´
/"" | |: |
レ :|: 者| リ
/ ノ|__| |
| ,, ソ ヽ )
.,ゝ ) イ ヽ ノ
y `レl 〈´ リ
/ ノ | |
l / l;; |
〉 〈 〉 |
/ ::| (_ヽ \、
(。mnノ `ヽnm
(;´ω´)「──ッ!!」
めろんにとって最悪の、最強の敵が立ちはだかった(何か上手いこと言った)。
- 315 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 00:53:45.47 ID:USj3oWR20
オーガの能力を発動し、かつ紅夜叉ホライゾンのスーツを身に纏って尚、蕎麦屋は苦戦していた。
四方八方から襲い来るポケモンは人間に敵わぬ動作で翻弄し、
アルファ自身は絶妙のタイミングでWよりFを射出、機動力のある騎馬で迫り、Zで斬りかかる。
個人戦であろうと、戦においてアルファの右に出る者はいない。
ソバ^ー^)ヤ「流石にレベルの高いポケモンだけあって疾いですね……」
蕎麦屋の眼前にズトが現れ、その鎌を振るった。
──速度は高速。
蕎麦屋は己が左腕で鋭利な鎌を受け止め、引いていた右腕を音速超過で突き出す。
が、かつて野生だったポケモン、ズトは本能によって高速移動で回避。
直後、アルファベットFが飛んでくる。
先と同じように身を翻そうとするが、しかし──
ソバ;^ー^)ヤ(身体が……!?)
動かない。
アルファベットFは無慈悲にも蕎麦屋の身体に到達し──
- 318 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 00:55:38.59 ID:USj3oWR20
蕎麦屋の肉を穿つことはなかった。
鋼鉄の肉体を誇るオーガ、紅夜叉ホライゾンの能力によって防御力が格段に上がっている。
Fは致命傷を負わせることはなかったが、しかし蕎麦屋の骨格を歪ませるに充分だった。
ソバ;^ー^)ヤ「く……アルファベットの強度を舐めていたようです……しかし、何故……」
身体が動かなかったのか。
答えは目の前にあった。
アル・ー・)ファ「ナナセ、よくやってくれた」
ナナセ──ゲンガーの「かなしばり」によって蕎麦屋の動きは封じられたのだ。
人間にとってエスパー程やっかいなものはない。
止めを刺そうとアルファが馬に乗って駆けてくる。
蕎麦屋は指一本動かせない。
ソバ;^ー^)ヤ「しょうがないですね……気が乗りませんが……。ドクオスペシャル──」
窮地を前に、重火器を寄せ集めた暴力の塊を妄想した。
- 319 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 00:57:16.74 ID:USj3oWR20
丁寧さの欠片もない塗装による漆黒の巨躯。
本来は天を飛翔するための双発形ジェットエンジンは、稲妻の如く巨躯を走らせる。
独立ユニットを搭載するそのバイクは、無人戦闘機と呼んで偽りなかった。
アル;・ー・)ファ「──ッ!」
排気系統からアフターファイアを撒き散らせ、猛烈な勢いでドクスペがアルファに迫る。
必然、アルファは進路を変更させ、蕎麦屋から遠のいてしまった。
ソバ^ー^)ヤ「ついでにナナセは邪魔なので消えてもらいます」
エスパー能力を持つナナセは、蕎麦屋の妄想によって消え失せた。
と、同時に全身の拘束は解かれる。
ポケモンの相手はドクスペが──
ソバ^ー^)ヤ「アルファさんのお相手は私が致しましょう」
蕎麦屋が地を蹴り、アルファへと猛進した。
〜to be continued
- 321 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 00:58:22.62 ID:USj3oWR20
炬燵に脚を入れながら、鍋をつついている五人。
ク*゚3ソ「え!? ミュージカルも不審者さんだったんですか!?」
(;´_ゝ`)「はい……逃亡ばっかりしててごめんなさい。
来年になったら、ちゃんと書きます……」
(^g^)d「同じ時期に休止したから、もしかして、とは思ってましたけど……
やっぱり不審者さんだったんですね。さすが私の嫁です」
(;´_ゝ`)「はい、本当に申し訳ないです……あと嫁になった覚えはありません」
オム*゚ー゚)「やっぱり私、不審者さんの作品が好きです」
( 芸)「あの地の文は本当に凄いですよね」
余所で死闘が繰り広げられているというのに、やはり此処は平和だった。
炬燵の周囲では阿部さんと道下以外に、くそみその自作品よりヤオルンジャーが総出していた。
ちょっと近付きたくない場所である。
- 323 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 00:59:15.37 ID:USj3oWR20
( ´_ゝ`)「学生の頃、全身黒ずくめで外を歩いてたら職質されたことがあって……」
ク*´3ソ「不審者さん本当に不審者じゃないですかwww」
(^g^)d「っていうか今も十分不審者ですよ」
(;´_ゝ`)「黒って何か落ち着くじゃないですか、白は目立ちすぎて嫌っていうか……」
不審者は実際に全身黒一色で、端から見れば不審者に違いなかった。
しかし、顔は整っているので一流の不審者とは言えなかった。
オム#゚ー゚)「それにしてもさっきから周りがうるさいです。
せっかく不審者さんと愛を育んでるのに……」
(;芸)「オムさん勘弁して下さいよ……」
最愛の不審者と同じ鍋をつついて至高のオムライスだったが、しかし──
(;´_ゝ`)「あっつ! 鍋あっつ!」
周囲で戦闘を繰り広げている誰の影響によって、地が揺れた。
不審者は鍋から溢れ出た高温の汁をその手に受け──
- 325 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 01:01:13.63 ID:USj3oWR20
オム#゚ー゚)「いい加減にせんかい貴様らああああああああああああああああああ!!!」
不審者を傷つけた阿呆共を、オムライスは一喝した。
オムライスは激怒した。よくも不審者さんに怪我を負わせたな、と。
会場は眩い光に包まれる。
オムライスから発せられた、温かい光。
それは、オムライスの能力。
全てをまとめる柔らかく、慈愛に満ちた光は会場を白く染め、やがて収束した。
混沌とした会場は、一瞬にして静まりかえった。
先程までの騒音が嘘のように消え、何一つ音を立てるものは無い。
もしもオムライスに二つ名があったとすれば──ブーン系のガイア。
現代に降臨した女神である。
- 328 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 01:03:23.91 ID:USj3oWR20
各所で勃発していた戦闘は、オムライスの能力によって終結を迎えた。
皆、一様にオムライスの光を浴び我に返った。
(^q^)「やっと帰って来られましたね」
(。,,゚Д゚)「もう樹海は懲り懲りだ」
ち*゚∀゚)ー「まあ昔のことだし、根に持つのは大人げないさね」
( ´∀`)「またちかたんと戦えて面白かったです」
アル;・ー・)ファ「さすが蕎麦屋さん……勝敗は引き分けということにしましょう」
ソバ^ー^)ヤ「あのままZで斬られ続けてたら危なかったかもしれません……。
アルファさん、ありがとうございました」
( ФωФ)「ナギ……早く目を覚ましてくれ……」
ξメメナ匚゙)ξ「……」
- 329 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 01:05:36.36 ID:USj3oWR20
ヤリ;・∀・チン「ハァハァ……ハンレとか反則すぎますよbtcmさん」
( btcm)「ケーニッヒ・フェンリルとかドラゴンとか出してもよかったんですけどね」
(‡`Д´)Ψ「ペルソナさん、ありがとうございました。聖交差法・二の太刀が使えて満足です」
ヘメ、。メメメル「いえいえこちらこそ。ボッコボコにされて死ぬかと思いました」
( ゚天゚)「さっさと死ねニート」
( ;東;)「ニートじゃないです! 働いてます!」
( 十)「シリアルキラー……凄まじい動きでした」
ムト ^ゥ^)「十死さんこそ、九回も生き返るとかヘラクレス並みでした」
- 331 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 01:07:27.07 ID:USj3oWR20
キレ ゚∀イ「能力バトルばっか書いてる奴は得だったなー」
(ムラUビト)「キレイだって戦闘力高かったと思うよ」
ギア ゚∀ス「万物成すとかどこのハガレンだよ、チート過ぎるっての」
(M・ω・)「てめぇ俺にギアスかけただろ、仕返しだよ」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「エフッエフッ、楽しかったよ」
(メ´ωメ)「流石、母者……貴方ほどの強敵と戦えて良かった」
──各所で戦っていた者が、互いを強敵と認め合っていた。
- 334 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 01:09:42.85 ID:USj3oWR20
騒ぎが収まった頃、事の発端である一家の元に皆が集まっていた。
無論、責任を問うためである。
( ゚天゚)「オイコラ一家、どういうことや」
イ´;^っ^`カ「いやー、ほら、皆で戦えたら面白いかなーって思って」
カ;゚ー゚ン「嘘だッ! 馴れ合い厨を絶滅させるとか言ってただろ!」
ξ゚。イ´;^っ^`カ「おま、んなこと言ってねーよ! って痛ええええええええ!」サクサクサク
( ´ω´)「一家さん、言い逃れはできませんよ」
ツ#゚ー゚ム「一家さん……見損ないました」
一家と最も仲の良い夢紡ぐはブチ切れた。
beさんの死体を見てしまったのだ、グロが苦手な夢紡ぐには耐え難い苦痛であった。
怒りに我を忘れた夢紡ぐは能力を発動した。
一家はクドリャフカの孤独に触れ、一ヶ月ほどで死ぬことになる。
- 336 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 01:13:47.11 ID:USj3oWR20
それから、全壊しかけた宴会場をどうするのか議論した。
当然放っておくわけにはいかない。
悩み続ける一行の前に、アフロと異世界が帰還した。
,.:::.⌒⌒:::::ヽ
(::::::::::::::::::::::::::::)
(::::::::::::::人:::::::::ノ
(:::: (^ω^):::::: )「ただいまwwwwww高校時代楽しすぎワロタwwwwwww」
ミ異゚Д゚彡「ただいまwwwwwwwwクーにゃんとにゃんにゃんしてきたwwwwwwww」
アル・ー・)ファ「ん……そうだ、ここには表合作参加者が揃っている」
ソバ^ー^)ヤ「ですね、ということは」
( ´∀`)「DATの力を借りれば……」
ヤリ・∀・チン「元に戻せるかもしれませんね!」
( ゚天゚)「表合作とか懐かしいなー」
ち*゚∀゚)ー「そんじゃあ早速DATの欠片を集めるさね!」
从科゚∀从「なんか表合作そのものみたいですね」
- 337 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 01:16:07.89 ID:USj3oWR20
( ゚天゚)「死んでるbeさんと、死んでそうなナギさんも復活させんとアカンですよ」
( ´∀`)「というか、傷負ってる人全員回復させましょう」
ソバ^ー^)ヤ「それと、今回の件で得た能力も消失させましょう」
アル・ー・)ファ「人間、何事も地道に生きるのが一番ですからね。
力に頼っていると堕落してしまいます」
やや反対の声が上がったが、アルファの力説によって渋々承諾。
数名を除く表合作参加者が一所に集まり、それぞれがDATの欠片を差し出した。
全てのDATの欠片を集めることは叶わなかったが、それでも十分だった。
DATに込められた──ブーン系への想い。
一つになったDATから眩い光が放たれ、宴会場を駆け巡った。
粉砕されたテーブルはみるみるうちに原形を取り戻し、
穿たれた床や壁、天井は再構築された。
そして──
- 340 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 01:17:53.70 ID:USj3oWR20
ξナ匚゙)ξ「うーん……おはよう……」
( ФωФ)「ナギ!!」
正義のヒーローの腕に抱かれて眠っていた、ほぼ死にかけのナギも目を覚ました。
\(b^o^e)/「……左半身が動きません」
死体だったbeさんも蘇生した。
全てのDATの欠片を集めることが出来なかったため、beさんは半身不随となってしまった。
しかし、世界を構成するDATの力を舐めてはいけない。
死人が生き返ったのだ。
かくして会場は全て元通りとなり、死傷者を出すこともなく混沌としたオフ会はお開きとなった。
その後、二次会やらセックスやらに精を出す者がいたが、カーンは辞退した。
- 343 名前: ◆fk/.6TZpZg 投稿日:2009/10/24(土) 01:19:39.18 ID:USj3oWR20
これがカーンの見てきた、聞いてきた全てである。
もしも、オフ会に参加したいと思っている人がいるのなら、ここに忠告する。
オフ会になんぞ行ってはいけない。
録でもないことが待っているに違いないから。
大人しく家でブーン系を楽しむのが一番だ。
by 大規模オフ参加者
( ^ω^)ブーン系大規模オフ会レポートのようです ─ 了 ─
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