- 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 21:03:23.09 ID:fjdpvOGC0
- 昔々の御話です。
今から昔の御話です。
誰もが皆笑ってる。
そんな時代の御話です。
小さな世界のある所。
小さな国がありまして。
小さな王様おりました。
小さな世界のある所。
小さな世界がありまして。
小さな神様おりました。
小さな世界に溢れてる。
小さな思いは美しくて。
小さな想いは眩しいの。
不思議な世界がありました。
誰もが皆幸せで。
誰もが皆不幸せ。
矛盾に満ちたこの世界。
紡ぐ言葉が魔法なら。
語る言葉は何でしょう。
―――昔々の御話です。
- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 21:06:06.58 ID:fjdpvOGC0
( ´ω`)と7つのばつのようです
- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 21:09:12.89 ID:fjdpvOGC0
- 小さな国のある所。
小さな城の、ある御部屋。
小さな王様おりました。
( ´ω`)「おやおや、これは困ったお」
王様一人で悩んでる。
王様一人で考える。
( ´ω`)「私に子供が出来ないお……
可愛い子供が出来ないお……」
王様一人で嘆いてる。
子供がいなくて嘆いてる。
( ´ω`)「困った、困った、困ったお……」
嘆いてみても、変わらない。
子供が出来る筈も無く。
王様一人で悲しむの。
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 21:13:06.15 ID:fjdpvOGC0
- 小さな王様悲しんで。
小さな王様泣きました。
沢山泣いて、泣き疲れ。
小さな王様願います。
小さな奇跡を願います。
( ´ω`)「どんな事でも耐えましょう。
まだ見ぬ我が子に逢えるなら。
どんな罰でも受けましょう」
小さな王様願ったら。
小さな神様やって来た。
ノパ听)「おやおや、王様いいのかい?
どんな罰でも耐えられる?
我が子の為に、耐えられる?」
小さな王様肯いて、小さな奇跡を望んだの。
小さな神様笑ったら、小さくそっと囁いた。
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 21:17:04.58 ID:fjdpvOGC0
- ノパ听)「ならばこれから与えよう。
七つの罰を与えよう。
七つの罰を耐えきれば。
丈夫な子供を授けよう」
( ´ω`)「ならばこれから受けましょう。
七つの罰を受けましょう。
七つの罰を耐えきって。
丈夫な我が子を授かろう」
ノパ听)「それではこれから数日間。
耐えて見せろよ、強き父」
小さな神様そう言って。
いつの間にか、消えていた。
小さな王様覚悟決め。
御妃様に、会いに行く。
ξ´凵M)ξ「おやおや王様、どうしたの?
そんなに慌ててどうしたの?」
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 21:21:04.10 ID:fjdpvOGC0
- 疲れた顔の妃様。
王様同様悩んでた。
我が子が出来ずに嘆いてた。
( ´ω`)「私が罰を耐えきれば。
丈夫な子供が生まれるお。
嘆きの日々は、終わるのだ」
御妃様を抱きしめて、王様優しく告げました。
小さな、小さな妃様。
それ聞きとっても喜んで、二人でぎゅっと抱き合った。
ξ´凵M)ξ「けれども貴方、大丈夫?
苦しい日々が、やって来て。
苦しむ貴方を見たくない。
それなら我が子を諦める」
( ´ω`)「それでも私は大丈夫。
お前と我が子の為ならば、私は絶対大丈夫。
決して私はくじけない」
ξ´凵M)ξ「ならば私は支えましょう。
貴方の為に、支えましょう」
- 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 21:26:36.95 ID:fjdpvOGC0
- ( ´ω`)「お前がいれば、心強い。
二人でいれば、大丈夫。
如何なる日々も、越えてける」
こうして御話始まるの。
二人と一人の御話始まるの。
不思議な御話始まるの。
小さな御話始まるの。
優しい御話始まるの。
悲しい御話始まるの。
楽しい御話始まるの。
七つの罰の御話が。
ゆっくりゆっくり幕開く。
それでは奇跡を始めよう。
優しい奇跡を始めよう。
小さな奇跡を始めよう。
それではどうか、ご覧あれ。
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 21:30:03.61 ID:fjdpvOGC0
- 【一日目】
陽昇り、鳥鳴き、朝が来た。
小さな王様目を覚まし。
小さな欠伸で起き上がる。
( ´ω`)「さぁてこれから始まるお」
今日から始まる罰の日々。
如何なる罰が来ようとも。
耐えて我が子を手に入れる。
ならば、何を恐れるか。
恐れるものなど何もない。
王様覚悟を決めました。
静かに覚悟を決めました。
ひっそり覚悟を決めたなら。
一先ず顔を、洗いましょう。
バシャバシャ顔を洗ったら、次はいよいよお楽しみ。
美味しい朝食待っている。
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 21:34:03.59 ID:fjdpvOGC0
- ( ´ω`)「皆さんおはようございます」
朝の挨拶元気よく、王様皆に朝告げる。
皆も元気に返したら、王様ますます上機嫌。
元気な挨拶交わしたら、皆はもっと上機嫌。
( ´ω`)「今日の朝食何だろう。
サラダもいいが、スープもいい。
はてさて一体何だろう」
するとその時後ろから。
小さな声が、掛けられた。
ノパ听)「やあやあ、王様おはようさん。
昨日はぐっすり眠れたかい?
夜更かししすぎは良くないぞ」
小さな神様そこにいて、王様少し驚いた。
けれども直ぐに、落ち着いて。
朝の挨拶返します。
( ´ω`)「やあやあ、神様おはようさん。
昨日はぐっすり眠れたお。
一緒に朝食食べるかお?」
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 21:38:03.79 ID:fjdpvOGC0
- 神様ニヤリと笑います。
ノパ听)「まずは最初の罰からだ。
覚悟はいいな、いいんだな」
( ´ω`)「覚悟は昨日、済ませたお」
ノパ听)「それなら罰を、与えよう。
お前に罰を、与えよう」
神様背伸びし、手を伸ばし。
王様の頭を撫でました。
すると辺りに光り満ち。
気付けば神様いなかった。
( ´ω`)「体に変わりがないけれど。
はてさてどんな、罰なのだ?」
食堂目指して歩き出す。
しょんぼり王様歩き出す。
小さな王様歩き出す。
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 21:42:03.48 ID:fjdpvOGC0
- 食堂着いて、席に着く。
ナイフとフォークを手にとって、皆が揃うの待ちましょう。
しばらくしたら、みんな来た。
寝ぼけ眼の妃様。
短く挨拶済ませたら、席着き来るのを待ちましょう。
朝食来るのを待ちましょう。
今朝の朝食何だろう。
二人はワクワク待ってるよ。
急いで朝食持ってきて。
(´・ω・`)「長らくお待たせしましたね。
さぁさこれが、朝食です。
パン、ハム、サラダ、ヨーグルト。
栄養バランス考えて、一生懸命用意調理して。
二人が食べるの待ってます」
( ´ω`)「あれあれキミは、食べないの?
パン、ハム、サラダ、ヨーグルト。
とってもとっても美味しそう。
一緒に食べてくれないの?」
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 21:46:03.08 ID:fjdpvOGC0
- (´・ω・`)「いえいえ王様、違います。
私は後で、いただきます」
( ´ω`)「それでは食事が楽しくない。
みんなで食べたら楽しいお」
(´・ω・`)「……そこまで言うなら、食べましょう。
王様、一緒に食べましょう!
皆で一緒に食べましょう!」
気付けば城中大騒ぎ。
兵士にメイドに大臣も。
皆が総出で食堂へ。
ξ´凵M)ξ「あらあらこれは、壮観ね。
皆で食事はいつ以来?
随分久しい気がするわ」
( ´ω`)「うむうむそれは、言えてるお。
知らない者もいるけれど。
それでも食事は楽しいお。
やっぱり皆が楽しいお!」
- 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 21:50:03.51 ID:fjdpvOGC0
- 兵士もメイドも大臣も。
小鳥も猫も、番犬も。
コックに王様妃様。
城中皆でいただきます。
美味しいご飯を頂きます。
ξ´凵M)ξ「そうだ、いい事考えた。
この後皆で一緒にピクニック。
近くの山に、行きましょう」
―――新たな友達増えました。
兵士とメイドと大臣と。
小鳥と猫と、番犬と。
コックに王様妃様。
城中皆が御友達。
楽しい食事が始まった。
今まで食事は二人きり。
けれども今日は、大人数。
どうしてなのか、分からない。
- 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 21:54:03.17 ID:fjdpvOGC0
- 王様自身も分からない。
いつもは二人で黙々と。
無言で食事を食べてたの。
どうして今日は、気になるの。
皆で食べなきゃ楽しくない。
楽しい食事がしてみたい。
小さな王様思い出す。
小さな頃の、想い出を。
子供の頃の、想い出を。
あの頃王様一人きり。
寂しい食事をしていたの。
父様母様忙しく、いつも一人で食べてたの。
ホントは一緒に食べたいが。
二人はいつも、忙しい。
仕方ないから我慢して。
王様一人で食べてたの。
何と悲しい思い出か。
王様静かに涙して。
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 21:58:03.56 ID:fjdpvOGC0
- ひたすら食事を楽しむの。
こんなに楽しい食事なら。
今までどうしてしなかった。
皆で食べれば美味しくて。
皆で食べれば楽しいの。
なのに王様しなかった。
昔に一度、したけれど。
それからずっと、していない。
あの時ホントに楽しくて。
心の底から笑ってた。
結婚式の食事以来。
食事はいつも、二人きり。
寂しいわけではないけれど。
なんだか心が淋しくて。
けれどもそれを、言い出せず。
気付けばそれが、当り前。
ヤな事なのに、当り前。
―――ヤな事ならば、変えればいい。
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 22:02:03.54 ID:fjdpvOGC0
- だから王様立ち上がり、皆に向かって言い放つ。
( ´ω`)「これから食事は皆でする。
寂しい食事はもう嫌だ。
食事は皆でするものだ。
一緒に食べて、楽しむお!」
新たな約束生まれたの。
皆で食事を楽しむと。
一緒に食べて、楽しむと。
もちろん皆は大賛成。
ホントは皆も感じてた。
ホントは皆で食べたいと。
けれども相手は王様で。
身分が違うと恐れてた。
恐れ多いと恐れてた。
(´・ω・`)「こんなに楽しい食事なら、いつでもしたい、こうしたい。
王様どうも、ありがとう。
素敵な約束ありがとう!」
- 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 22:06:03.43 ID:fjdpvOGC0
- 王様なんだか照れくさく。
思わず少し、笑ったの。
皆もつられて笑ったら。
城中皆が笑いだす。
小鳥も猫も、番犬も。
兵士もメイドも、大臣も。
コックも王も、御妃も。
皆がほんわか笑いだす。
楽しい食事を楽しむの。
その後は皆でピクニック。
近くの山に、ピクニック。
小さな王様楽しんだ。
御妃様も、楽しんだ。
皆が一緒に楽しんだ。
ボール遊びにかくれんぼ。
子供のように遊んだら。
気付けば陽が落ち夕暮れに。
皆でそろって帰ります。
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 22:10:06.07 ID:fjdpvOGC0
- 御歌を歌って帰りましょう。
カラスも一緒に帰りましょう。
皆で一緒に帰りましょう。
楽しい時間は直ぐ終わる。
けれども明日はやって来る。
明日も一緒に遊ぼうか。
そんな言葉を交わしつつ。
皆がお城に帰ってく。
帰ってきたら、手を洗い。
うがいをしたら、食堂へ。
楽しい食事を待ちながら、皆で色々話し合う。
仕事の事や、明日の事。
皆で話して分かり合い。
助言をしたり、笑ったり。
ホントに楽しい御夕飯。
食事が終わり、王様は。
御部屋に戻り、仕事する。
御国の仕事は難しい。
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 22:13:04.57 ID:fjdpvOGC0
- いろんな事を考えて、いろんな事を決めるのさ。
筆取り紙に、走らせる。
皆が喜ぶ法律を。
ふと扉がノックされ。
小さな神様やって来た
ノパ听)「最初の罰は、どうだった?
ちゃんとしっかり耐えられた?」
( ´ω`)「最初の罰が、分からない。
一体どんな罰だった?」
ノパ听)「分からなければ、それでいい。
知らないならば、それでいい。
まだまだ罰は、残ってる。
しっかり耐えろよ、強き父。
我が子の為に、耐えきれよ」
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 22:16:06.79 ID:fjdpvOGC0
- 【二日目】
目覚めは不思議とバッチリと。
寝起きは不思議とシャッキリと。
小さな王様起き上がる。
( ´ω`)「今日も一日頑張るお。
我が子の為に、頑張るお」
洗顔済ませ、食堂へ。
そこには皆が待っていた。
王様来るの待っていた。
御妃様も、待っていた。
けれどもなんだか眠たそう。
昨晩何かあったのか。
御妃様の横座り。
小さな王様尋ねます。
( ´ω`)「どうしてそんなに眠たそう?
悩みがあるなら言ってくれ。
力になれるか分からない。
それでも一緒に悩みたい」
- 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 22:19:10.63 ID:fjdpvOGC0
- 少し困った妃様。
なかなか口を開かない。
ξ´凵M)ξ「いえいえ貴方、なんでもない。
お気になさらず食事して」
けれども王様諦めない。
( ´ω`)「そうは言っても諦めない。
何故なら私は王様で。
貴女は私の妃様。
二人はいつも、一緒だお。
苦しみ分かち、助け合う。
私は貴女を支えたい」
ξ´凵M)ξ「そこまで貴方が言うのなら。
どうか一緒に悩んでよ。
一人じゃどうにもできないの」
食事を済ませてそそくさと。
二人は御部屋に戻ります。
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 22:22:22.78 ID:fjdpvOGC0
- ξ´凵M)ξ「私の悩みは一つだけ。
私は貴方を愛してる。
……貴方は私を愛してる?
それが気になり眠れない。
言葉じゃなくて、伝えてよ。
愛する事を伝えてよ」
王様少し、困ります。
御妃様を、愛してる。
けれどもそれを、どうやって。
愛していると、伝えるの。
言葉を使わず伝えるの。
その時王様気付きます。
楽しい日々の、その陰で。
誰かがいつも、悩んでる。
けれども誰も、気付かない。
その時自分はどうするの。
黙って見過ごし放っとく?
いえいえそれは、いけません。
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 22:25:17.90 ID:fjdpvOGC0
- それでは言葉を掛けるのか。
けれどもそれは、意味がない。
それよりもっと、大切な。
やるべき事が、あるでしょう。
( ´ω`)「……ならば言葉は不要だお」
そう言い王様近づいて。
御妃様を抱きしめる。
ぎゅっとぎゅっと、抱きしめた。
優しく優しく抱きしめて。
ずっとずっと抱きしめた。
気持ちを込めて、ほんわりと。
愛する事は、何なのか。
それが何かは分からない。
けれどもそれは、優しくて。
とってもとっても温かい。
言葉はとても簡単で。
誰でも愛を語れるが。
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 22:28:06.28 ID:fjdpvOGC0
- 嘘吐く事もできるから。
愛する事を、示すには。
こうして優しく抱きしめる。
真心こめて抱きしめる。
他には何も、必要ない。
こうしていれば、伝わるの。
愛する気持ちが伝わるの。
優しく優しく伝わるの。
ホントの気持ちが伝わるの。
誰かが困っているのなら。
進んでその手を差し伸べる。
言葉を使わず差し伸べる。
その事だけで、十分に。
優しい気持ちも伝わるの。
ξ*´凵M)ξ
御妃様は、照れ顔に。
優しい顔に、なっている。
マシュマロみたいに微笑んで。
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 22:31:11.22 ID:fjdpvOGC0
- ホントに優しい笑み浮かぶ。
幸せ顔の妃様。
その顔今にもとろけそう。
ホントにホントに幸せで。
幸せ以外に感じない。
出来ればこのまま抱き合って。
一生過ごしてしまいたい。
それ程までに、幸せで。
ホントに心が温かい。
抱きしめ返して、愛伝え。
二人はしばらくそのままで。
幸せ感じておりました。
いつの間にやら妃様。
幸せすぎて、眠くなり。
抱き合いながら、スヤスヤと。
寝息を立てて、眠ります。
可愛い寝顔で眠ります。
王様それ見て微笑んで。
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 22:34:14.34 ID:fjdpvOGC0
- なんだがとっても上機嫌。
まるで始めて恋したあの頃の。
優しい気持ちになりました。
その日の終わりに神様が、二人の前に現れた。
ノパ听)「第二の罰はどうだった?
ちゃんとしっかり耐えられた?」
( ´ω`)「第二の罰が、分からない。
一体どんな罰だった?」
ノパ听)「分からなければ、それでいい。
知らないならば、それでいい。
まだまだ罰は、残ってる。
しっかり耐えろよ、強き父。
我が子の為に、耐えきれよ」
- 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 22:37:21.20 ID:fjdpvOGC0
- 【三日目】
今日は王様忙しい。
何故なら今日は、大掃除。
年に一度の大掃除。
汚れた物を、フキフキと。
ピカピカするまで磨きましょう。
要らない物は、捨てましょう。
( ´ω`)「おやおやこれは、懐かしい」
小さなボールがありました。
汚れたボールがありました。
随分昔のそのボール。
小さな頃に、遊んだな。
一緒に沢山遊んだな。
なんだかそれが、懐かしく。
王様それを眺めてる。
長らくそうして眺めたら。
なんだか少し、寂しいな。
- 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 22:40:13.73 ID:fjdpvOGC0
- いつからボールをしまったの。
いつから遊ぶの止めたのか。
ボールで遊んだあの日々は。
どうしてこうも、眩しいの。
どうしてこうも、悲しいの。
遊ぶの止めて、何したの。
どうして遊ぶの止めたのか。
今では何も、分からない。
あの頃ボールは宝物。
それが今では汚れてる。
一体何を、していたの。
王様涙を流します。
ξ゚听)ξ「あらあら貴方、どうしたの?
そんなに泣いて、どうしたの?
一体何が、悲しいの?」
御妃様が、心配そう。
でもでも王様泣きやまない。
想い出達が、泣かせるの。
- 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 22:43:11.48 ID:fjdpvOGC0
- あの頃あんなに遊んでて。
今ではどうして遊ばない。
子供の心を捨てたのか。
どうしてそれを捨てたのか。
ホントはもっと、遊びたい。
皆と一緒に遊びたい。
( ´ω`)「大事なボールを見つけたお。
けれどもこれで、遊べない。
遊べば皆が笑うもの。
それでもこれは、捨てたくない。
大事な大事な物なのに。
どうして今まで忘れてた。
忘れた事が、悲しいお」
それ聞き笑った妃様。
優しく頭を撫でてくる。
- 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 22:46:10.41 ID:fjdpvOGC0
- ξ゚听)ξ「いえいえ貴方、違います。
貴方は何も、悪くない。
忘れることは、悪くない。
何故なら貴方は覚えてた。
ボールが大事と覚えてた。
貴方の心が覚えてた。
大切ならば、捨てないで。
一緒に過ごせばいいじゃない」
王様涙を拭います。
真っ赤な顔で、肯いて。
ボールの汚れをふき取ると。
少し汚れているけれど。
それでも綺麗になりました。
昔と変わらぬその姿。
昔はこれを飛ばしたり。
色々使って遊んだな。
今なら言える、この言葉。
( ´ω`)「昔はお世話になりました。
ホントにホントにありがとう。
楽しい思い出ありがとう」
- 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 22:50:06.33 ID:fjdpvOGC0
- そのままボールを抱えたら、王様御庭に駆けてった。
皆も一緒に駆けてった。
掃除は後で、やるとして。
これから皆で遊ぼうか。
ボールを使って遊ぼうか。
御庭で一緒に遊ぼうか。
コートを描いて、遊ぼうか。
ボールを投げて、遊ぼうか。
みんなで楽しく遊ぼうか。
御昼になって、一休憩。
御庭で昼飯食べてると、小さな客人やってきた。
おずおずコソコソやってきた。
ζ(゚ー゚*ζ「王様王様いいですか?
一緒に遊んでいいですか?」
ミセ*゚ー゚)リ「王様王様いいですか?
皆で遊んでいいですか?」
(,,゚Д゚)「王様王様いいですか?
ボールで遊んでいいですか?」
- 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 22:53:15.13 ID:fjdpvOGC0
- もちろん返事は大歓迎。
食事を終えて、すぐ用意。
皆で一緒に遊びます。
陽が暮れそろそろ帰ろうか。
王様あること決めていた。
一つの事を、決めていた。
( ´ω`)「小さな小さな御客さん。
ボールを一つ、差し上げよう。
皆で一緒に使ってお。
大事に使って遊んでお。
ボールと一緒に遊んでお」
大事なボールを渡したら、子供が皆喜んだ。
王様王様いいのです?
大事なボールじゃないですか?
でもでもそれは、違います。
大切だから、あげるのです。
ボールはまだまだ遊びたい。
- 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 22:56:14.12 ID:fjdpvOGC0
- 子供と一緒に遊びたい。
だったら子供に渡しましょう。
大事に遊んでくれるなら。
ボールもきっと喜ぶさ。
その日の終わりにやってきた。
小さな神様やってきた。
ニコニコしながらやってきた。
ノパ听)「今度の罰はどうだった?
ちゃんとしっかり耐えられた?」
( ´ω`)「今度の罰が、分からない。
一体どんな罰だった?」
ノパ听)「分からなければ、それでいい。
知らないならば、それでいい。
まだまだ罰は、残ってる。
しっかり耐えろよ、強き父。
我が子の為に、耐えきれよ」
- 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 22:59:04.92 ID:fjdpvOGC0
- 【四日目】
陽昇り鳥鳴き、朝が来た。
ガバリと起きて、顔洗い。
いつものように、食堂へ。
けれども何か、おかしいぞ。
皆の様子がおかしいぞ。
近くのメイドに訊いてみる。
( ´ω`)「一体何が、どうしたの?
どうしてみんな、心配そう?」
(゚、゚トソン「コックが一人、風邪引いて。
美味しい料理が出来ません」
それ聞き王様考えて。
( ´ω`)「それなら皆で作ればいい。
力を合わせて作ればいい。
皆で朝食作ろうお!」
- 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 23:02:04.96 ID:fjdpvOGC0
- ξ゚听)ξ「今朝のメニューはどうします?
食材そんなに種類ない。
精々卵とベーコンと。
パンとレタスとトマトぐらい」
皆で一緒に考える。
美味しいメニューを考える。
今朝のメニューはどうしよう。
卵があるなら目玉焼き。
ベーコンあるならそれ炒め。
レタスがあるならそれ千切り。
トマトがあるなら切り分けて。
パンがあるなら挟みましょう。
それらを皆、挟みましょう。
今朝のメニューが決まったら。
皆で急いで調理する。
兵士もメイドも大臣も。
御妃様も、王様も。
皆で一緒に調理する。
調理が終わり、席に着き。
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 23:05:05.62 ID:fjdpvOGC0
- 小さな王様気付いたの。
料理が一つ、足りなくて。
コックの分が、足りないの。
気付いているのは一人だけ。
王様だけが、気付いてる。
スープも出来て、準備でき。
皆は直ぐに、食べ始め。
王様だけが、食べてない。
確かにお腹は減ってるが。
コックもお腹を空かせてる。
( ´ω`)「少しの間、席外す。
皆はそのまま食事して。
しばらくしたら、戻るから」
トレイに朝食載せたらなら。
いそいそ食堂後にする。
コックの部屋の前に来て、扉を軽くノックする。
( ´ω`)「体は平気、大丈夫?」
- 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 23:08:14.43 ID:fjdpvOGC0
- 御部屋に入った王様に。
コックは思わず驚いた。
(´・ω・`)「どうしてここに、王様が?
私は風邪を引いている。
うつってしまえばしまえば大変だ。
私は平気、大丈夫。
ですからどうか、お願いです。
うつしてしまう、その前に。
私を一人にしてください」
( ´ω`)「私は平気、丈夫だお。
それより君が、心配だ。
食事を食べる元気ある?
あっても無くてもこれ食べて。
元気を付けて、良くなって。
そしたらご飯を作ってお」
トレイをコックに渡したら、王様深く、お辞儀した。
コックはますます困り顔。
( ´ω`)「今までどうも、ありがとう。
美味しいご飯をありがとう。
今後もどうか、作ってお」
- 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 23:11:17.80 ID:fjdpvOGC0
- 朝食作って分かったの。
食事を作るの大変で。
美味しく作るの大変だ。
毎日それを、やるなんて。
コックはとても、大変だ。
今日までそれに、気付かずに。
王様食事を食べていた。
美味しい食事を食べていた。
作ってくれた、その人に。
感謝する事しなかった。
やって初めて分かったの。
今さらだけど、分かったの。
(´;ω;`)「……王様どうも、ありがとう。
言ってもらえて本当に。
私は幸せ者ですよ。
さっさとこの風邪直したら、美味しいご飯を作ります」
コックは泣いて、感謝して。
トレイのご飯を食べました。
涙を流して食べたから。
- 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 23:14:12.79 ID:fjdpvOGC0
- なんだか少し、しょっぱいよ。
涙の味が、したけれど。
嬉しい涙の味がした。
その日は皆、忙しい。
何故ならコックが風邪引いた。
コックの代わりに飯作る。
食材選んで買いだして。
メニューを決めて、分担し。
皆で揃って作ります。
楽しく楽しく作ります。
兵士にメイドに、大臣も。
御妃様に、王様も。
みんなで頑張り作ります。
美味しいご飯を作ります。
見かけは少し、悪いけど。
想いと味は、悪くない。
何故なら皆で頑張った。
想いを込めて、作ったの。
- 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 23:17:16.08 ID:fjdpvOGC0
- その日の夜に、王様は。
御妃様と、御茶をした。
紅茶を淹れたの妃様。
焼き立てクッキー、王様の。
二人の力で作ったの。
だからとっても美味しくて。
二人で色々話したの。
するとまたもや神様が。
ノパ听)「さっきの罰はどうだった?
ちゃんとしっかり耐えられた?」
( ´ω`)「さっきの罰が、分からない。
一体どんな罰だった?」
ノパ听)「分からなければ、それでいい。
知らないならば、それでいい。
そろそろ罰は、お仕舞いだ。
しっかり耐えろよ、強き父。
残った罰は、あと二つ。
明日の朝に、分かるだろう。
残った罰の、その意味を」
- 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 23:21:30.04 ID:fjdpvOGC0
- 【五日目】
その日の朝は、大騒ぎ。
城中皆が大騒ぎ。
城中皆が笑ってる。
お寝坊王様分からない。
何が起きたか分からない。
近くの兵士に訊いてみた。
( ´ω`)「一体何が、起きたのだ?」
('A`)「王様王様、大変です!
御妃様に、お子様が!
お腹の中に、お子様が!」
それ聞き王様走り出す。
パジャマのままで、走り出す。
( ´ω`)「ホントにホントに本当か!
愛しい我が子が出来たのは。
紛う事無き真実か!」
- 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 23:24:25.89 ID:fjdpvOGC0
- ξ*゚听)ξ「ホントにホントに本当よ!
愛しき我が子が出来ました。
私のお腹に出来ました!」
大喜びの、妃様。
子供の誕生喜んだ。
少女のように、喜んだ。
兵士もメイドも、大臣も。
小鳥も猫も、番犬も。
皆が一緒に喜んだ。
从'ー'从「王様王様、本当です。
可愛い可愛い女の子。
二人の子供は女の子」
白衣の医者が、そう言った。
小さな王様考えた。
小さな疑問を考えた。
( ´ω`)「小さな神様ありがとう。
けれども罰は、まだあるお。
残りは一体なんだろう?」
- 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 23:27:59.69 ID:fjdpvOGC0
- 【数ヶ月後】
元気な元気な産声が。
城中皆に届きます。
可愛い可愛い産声が。
皆に皆に届きます。
しっかりしっかり届きます。
はっきりはっきり届きます。
疲れたけれど、幸せで。
満足顔の、妃様。
胸に娘を抱き寄せて、心の底から笑ってる。
王様なんて、泣いている。
笑いながら、泣いている。
( ;ω;)「ホントにホントに良かったお!
ホントにホントにお疲れさん!
ホントにホントにありがとう!
ホントにホントに可愛いお!」
- 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 23:30:24.91 ID:fjdpvOGC0
- 愛しい娘は泣いている。
この世に生れて泣いている。
回りは皆、笑ってる。
幸せ感じ、笑ってる。
娘も幸せ感じてる。
だから元気に泣いている。
私はここに生まれたと。
私はこんなに元気だと。
私はホントに嬉しいと。
王様泣いて笑って大騒ぎ。
御妃様も、笑ってる。
城中皆、笑ってる。
兵士にメイドに、大臣も。
小鳥に猫に、番犬も。
子供にコックにお医者さん。
王様ホントにおめでとう。
御妃様もおめでとう。
これからいろいろあるけれど。
- 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 23:33:04.24 ID:fjdpvOGC0
- それでも絶対、大丈夫。
皆が貴方を助けると。
皆が貴女を助けると。
優しい二人を助けると。
城中皆が助けると。
二人の幸せ助けると。
抱きしめ合って、笑い合う。
それだけなのに、こんなにも。
皆が笑顔で溢れてる。
ξ*^ー^)ξノハ´凵M)(^ω^*)
- 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 23:36:06.91 ID:fjdpvOGC0
- 【数十年後】
王様やっと、気付いたの。
背負った罰に、気付いたの。
何とも苦しい罰だろう。
けれども嬉しい罰だろう。
可愛く育った愛娘。
御嫁に出すのは寂しいが。
それでも娘が笑うなら。
王様それを、我慢する。
娘が選んだ相手なら。
反対なんて、するわけない。
ノパー゚)
花嫁姿の愛娘。
ホントにホントに美しい。
笑顔がとっても可愛らしい。
- 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 23:39:18.13 ID:fjdpvOGC0
- (`・ω・´)
花婿姿のその男。
コックの息子のその男。
ホントにホントに憎たらしい。
お前が娘を泣かせたら。
私がすぐに、駆けつけて。
お前の顔を、殴るから。
嫌なのならば、頑張れよ。
お前が奪った我が娘。
愛しい愛しい我が娘。
不幸になんぞ、させるなよ。
娘が信じたお前なら。
私はお前を信じるぞ。
私の期待を裏切るな。
娘の信頼裏切るな。
悔しいけれど、任せよう。
お前にならば、出来る筈。
世界で一番幸せに。
未来の二人に祝福を。
- 74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 23:43:00.87 ID:fjdpvOGC0
- 精一杯の、祝福を。
( ;ω;)
涙を拭いても意味がない。
次から次に、溢れ出る。
嬉し涙が溢れ出る。
ξ*^ー^)ξ
御妃様は、笑ってる。
幸せそうに、笑ってる。
娘が生まれたその時と。
おんなじぐらいに幸せそう。
国中皆が祝福し。
二人の幸せ願います。
そしてこの時王様は。
最後の罰に、気付いてた。
( ;ω;)
- 76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 23:46:08.54 ID:fjdpvOGC0
- 気付いているけど大丈夫。
最後の罰は、悲しいが。
耐えて見せると言ったから。
決して逃げずに受け入れる。
娘の為に、受け入れる。
その為ならば、耐えられる。
愛しき世界よその時は。
皆を泣かせてくれるなよ。
私はとても、満足だ。
七つの罰に、耐えたなら。
娘は丈夫に育つから。
その時来ても、悔いはない。
王様静かに目を閉じて、静かにお礼を言いました。
小さな神様ありがとう。
貴方のおかげで耐えられる。
最後の罰にも耐えられる。
- 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 23:49:12.30 ID:fjdpvOGC0
昔々の御話です。
今から昔の御話です。
誰もが皆笑ってる。
そんな時代の御話です。
小さな世界のある所。
小さな国がありまして。
小さな王様おりました。
小さな世界のある所。
小さな世界がありまして。
小さな神様おりました。
小さな世界に溢れてる。
小さな思いは美しくて。
小さな想いは眩しいの。
優しい世界がありました。
誰もが皆幸せで。
誰もが皆笑ってる。
幸せ満ちるこの世界。
紡ぐ言葉が魔法なら。
伝える言葉はなんでしょう。
- 81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/30(水) 23:52:15.71 ID:fjdpvOGC0
むかしむかしの、御話です
( ´ω`)と7つのばつのようです
お し ま い
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