( ^ω^)はストーカーのようです

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/03(木) 12:05:52.86 ID:/QGLQWJ/0
今日も彼女を追いかける

姿も見せず

音も鳴らさず

気配も悟らせず


ゆっくりと ゆっくりと




( ^ω^)はストーカーのようです




6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/03(木) 12:07:28.35 ID:/QGLQWJ/0
( ^ω^)

今日も昼間から彼女を追いかける

閑静な住宅街で


川 ゚ -゚)


彼女を追いかけるのは

その後ろ姿に なんとなく懐かしさを感じたからだ

僕と彼女は

前世で繋がっていたのかもしれない

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/03(木) 12:08:15.00 ID:/QGLQWJ/0
川 ゚ -゚)「!」

彼女が振り向いた

すかさず隠れてじっと待つ


壁|ω^)「ふぅ・・・」

十数秒経っただろうか

彼女は再び歩き出した


あぶない あぶない

ばれるところだった

でも まだ大丈夫 まだばれない


僕の卓越した技術には

誰も追い付くことはできない

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/03(木) 12:09:08.91 ID:/QGLQWJ/0
川 ゚ -゚)

彼女が家に入っていく


今日もこの辺にしておこうか

いくら僕でも疲れはたまるのだ

無理は禁物

さて これからどうしようか

いつもの場所へ行こうかな



            *



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/03(木) 12:10:38.25 ID:/QGLQWJ/0

( ・∀・)「やあ。今日は終わりかい?」

( ^ω^)「だお。やっぱり毎日続けてると疲れるお」

交番の中

警官であるこの男の名はモララー

僕の親友であり良き理解者だ


( ・∀・)「たまにはのんびりしてみたらどうだ?公園でずっと寝っ転がるのも良いんじゃないか?」

( ^ω^)「これにケリが付いたらついたらそうするお」

僕は割と臆病だから

ずっと追いかけてばかりだったけど

もうそろそろ実行するべきかなあ

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/03(木) 12:11:37.79 ID:/QGLQWJ/0
( ・∀・)「彼女は君の事を知ってるの?」

( ^ω^)「知らないと思うお。目も合わせてないお」

( ・∀・)「ふーん・・・ところで、君は彼女と前世で繋がりがあると思ってるみたいだけど」

( ^ω^)「それがどうかしたのかお?」

モララーは美味しそうに湯気の立つお茶を飲んでいる

僕には 到底真似できない


( ・∀・)「案外そうかも知れないね。彼女は昔、そういう生活をしていたらしい」

( ^ω^)「思った通りだお」

やっぱり

僕と彼女には繋がりがある

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/03(木) 12:13:22.02 ID:/QGLQWJ/0
( ・∀・)「この前彼女が交番に来てね、その時に話してたんだ」

( ^ω^)「なんで来たんだお?」

彼女は何か困っていることがあるんだろうか

心配だ

( ・∀・)「彼女、最近またストーカーに悩まされてるみたいでね。君は何か知らない?」

( ^ω^)「知らないお」

( ・∀・)「そうか。まあ、何かあったら教えてくれよ」

( ^ω^)「分かったお」

彼女を困らせるなんて許せない

彼女は僕が守る

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/03(木) 12:14:17.21 ID:/QGLQWJ/0

『・・・ストーカー容疑で逮捕され、取り調べ中に脱走した
 内藤容疑者は依然として逃走を続けており・・・』

テレビからは声が聞こえる


( ・∀・)「じゃ、仕事に戻るわ。変な目で見られるしな」

ふと外を見ると

通り過ぎる人が 奇異の視線をぶつけてくる

これくらいにしておくか

今日はもう休もう

( ^ω^)ノシ「分かったお。ばいばいだお」



            *

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/03(木) 12:15:44.45 ID:/QGLQWJ/0

公園はもう夕焼けに覆われていた

遊具で遊んでいる子供たちもいない

ただベンチに寝転がっている影が一つ


( ^ω^)「こんばんわですお」

(´・ω・`)「お、お前か。今日もお疲れさん」

ショボンさんは相変わらず貧相な体をしていた

以前は自分を鍛えようと躍起になっていたらしいが

 (´・ω・`)マンドクセ

もう諦めたとの事だった

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/03(木) 12:16:40.80 ID:/QGLQWJ/0
(´・ω・`)「そうだ、住宅街で不審者が出てるらしいな」

( ^ω^)「出てるみたいですお」

(´・ω・`)「お前はまだ彼女に気付かれてないのか?」

ショボンさんは話がコロコロ変わることがある

最初は戸惑ったけど

もう慣れてしまった


( ^ω^)「気付かれてませんお。完璧ですお」

(´・ω・`)「でも絶対の自信は無いんだろ?そろそろ試してみても良いんじゃないか?」

確かにその通りだ

そろそろ試してみても良いかも知れない

ちょっと怖いけど

なけなしの勇気を出してみようか

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/03(木) 12:17:37.23 ID:/QGLQWJ/0

(´・ω・`)「気付かれたところであまり問題はないし」

( ^ω^)「ですお」

もう一つのベンチに寝転がりながら 返事を返す

今日も疲れたな

もう寝ようか

( -ω-)「おやすみですお」

(´・ω・`)「おやすみ」



            *

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/03(木) 12:18:21.51 ID:/QGLQWJ/0

( -ω-)「・・・」

( ^ω^)パチリ

( ^ω^)「おっ・・・」

目を覚ますと 辺りは暗闇

見上げると 夜空に星の粒が浮かんでいる

月は見えなかった


(´・ω・`)「もう目が覚めたか」

( ^ω^)「お」

あれから時間はあまり経っていないらしい

まだ疲れはたまってる

計画は明日実行する事にしよう

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/03(木) 12:19:07.24 ID:/QGLQWJ/0

            *
             翌日
            *



モララーが言っていたように

一日中寝っ転がって過ごすのも悪くはない

日なたぼっこは気持ちいい



            *

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/03(木) 12:19:31.41 ID:/QGLQWJ/0

( ^ω^)「じゃあ、行ってきますお」

(´・ω・`)「頑張れよ」

快晴の夜

ついにこの時が来た



            *

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/03(木) 12:20:17.14 ID:/QGLQWJ/0

( ^ω^)

彼女の家の傍 物陰に隠れて

扉が開くのをじっと待つ


この時間帯になると

彼女はいつも庭に出る

そして星空を眺めるんだ


この計画が成就すれば

彼女は僕だけのものになる

ずっと彼女と一緒に星空を眺められる

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/03(木) 12:21:14.56 ID:/QGLQWJ/0

川 ゚ -゚) 〜♪

( ^ω^)「!」

鼻歌を歌いながら 彼女が出てきた

計画を実行に移す時だ

見つからないように

こっそり素早く 扉の隙間に身を滑り込ませる

よし 完璧だ

侵入成功

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/03(木) 12:22:36.63 ID:/QGLQWJ/0

( ^ω^)

さてどこに隠れよう

隠れる場所なんていくらでもある

そう思っていた時期が僕にもありました

いざ入ってみて分かった

この家は意外に死角が少ない


見回すと ベッドの下に隙間がある

仕方ない ここに身を隠すことにしよう


おっと忘れていた

台所に行かないと

ここに目当てのものがあるかな

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/03(木) 12:23:29.47 ID:/QGLQWJ/0

            *



( ^ω^)

静かな夜

明かりがついたままの部屋


川 - -)

寝息を立て眠る彼女

もう大丈夫だろう

僕はベッドの下の隙間から

ゆっくりと

這い出る


彼女の枕元にそっと 忍び 寄る

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/03(木) 12:24:24.38 ID:/QGLQWJ/0

川;- -)「ううん・・・」

彼女が呻いている

顔には汗がにじんでいる

苦しそうだ

でも大丈夫

すぐ楽にしてあげるから

僕は彼女を そっと

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/03(木) 12:25:06.59 ID:/QGLQWJ/0

川;゚ -゚)「わっ!?」

彼女が飛び起きた

ちょっと驚かせてあげようと思っただけなのに


彼女は 僕の目をじっと見据える


川 ゚ -゚)「どうやってこんな所に・・・」

( ^ω^)「・・・」

川 ゚ -゚)「どうした?この家には何もないぞ」

( ^ω^)「・・・」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/03(木) 12:26:05.38 ID:/QGLQWJ/0

川 ゚ -゚)「・・・お腹がすいているのか?」

( ^ω^)「・・・」

今日は何も食べていない


川 ゚ -゚)「よし待っていろ、私が買ってくる」

( ^ω^)「分かったお」

有り難く頂こう

彼女の布団の上で じっと待つことにした



           *



36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/03(木) 12:26:43.62 ID:/QGLQWJ/0

「うわあああああああ!」

( ^ω^)「!?」

彼女の絶叫が聞こえた

これは 庭の方からだ

何があったんだろう

駆け足で庭へ急いだ



            *



37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/03(木) 12:27:45.87 ID:/QGLQWJ/0

庭に顔を出して じっと見ていると

男が何者かに取り押さえられている

やれやれ ビビらせやがって


(,,゚Д゚)「内藤だな!現行犯逮捕だ!」

どうやら捕まえられたのは内藤という男らしい

ああ 思い出した

テレビでやっていたやつだ


内藤とやらの腕には

輪っかのようなものがかけられている

悔しさに満ちた表情が

ここからは良く見えた

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/03(木) 12:28:27.78 ID:/QGLQWJ/0

            *

           数日後

            *

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/03(木) 12:29:47.71 ID:/QGLQWJ/0
( ^ω^)「ぶうううーーん!」

( ・∀・)「お、また来たな。でも餌はないぞ」

( ^ω^)「話したいだけだお」

( ・∀・)「君達と話せる人ってどれくらいいるんだろうねぇ」

( ^ω^)「僕はモララーしか知らないお」

( ・∀・)「僕だけかもな・・・新しい飼い主とは上手くやっていけてるかい?」

( ^ω^)「絶好調だお」

( ・∀・)「それが何よりだ」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/03(木) 12:30:59.58 ID:/QGLQWJ/0
今日も元気に町を駆け回る

あの時は捨てられて寂しかったけど

今の僕には最高のパートナーがいる

「ブーン」とかいう変な名前を付けられたけど


まだ友達は

人間の警官と しょぼくれた先輩しかいないけど

これからどんどん増やしていこうかな



            *

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/03(木) 12:32:00.69 ID:/QGLQWJ/0

         天気の良い夜

          星空が見える夜

     ある女性の家の庭からは

    猫の鳴き声が聞こえるそうな



   ( ^ω^)はストーカーのようです

          おしまい






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