- 5 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 19:27:26.72 ID:ceFXcdGY0
- 【これは、最強を決める為に戦う世界の物語】
「察するに、だ……俺はどうやらこの世界に飛ばされてしまったらしい」
【能力の入れ物となった物達が、人間らしく振る舞う虚しい物語】
- 7 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 19:28:28.11 ID:ceFXcdGY0
- 【これは、間違った正解が選ばれる「右」にある物語】
「はぁ……どうなってんだか。でもまぁ、いいか。こんな夢みてぇな世界をずっと望んでたわけだしな」
【これは、数多の最強を使役する者と、数多の最強を生み出す者が争った「左」にある物語】
- 8 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 19:29:27.50 ID:ceFXcdGY0
- 【小さな声が、どこかに届いた】
「だけどなんか………違和感があるなぁ」
【大きな声は、やがて霧散した】
- 9 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 19:29:56.84 ID:ceFXcdGY0
- 【彼の力が、世界を動かす】
( ・∀・)「ま、自分で解決すっかね……」
【彼の力が、時間を止める】
- 10 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 19:30:42.93 ID:ceFXcdGY0
- 『あらゆるチート』スピンオフ――――
( ・∀・)は世界を動かしていくようです
「貰った能力は……【世界《ザ・ワールド》】……」
「時間を止めて、自由に動きまわる能力」
- 11 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 19:31:16.95 ID:ceFXcdGY0
- ( ・∀・)は世界を動かしていくようです
この物語を、正しく冠するのなら
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Z_____
( ・∀・)は【世界《ザ・ワールド》】を動かしテイクようです
これは少年漫画に魅せられた、成長しない若者の物語。
……なんつってな。
- 15 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 19:35:31.12 ID:ceFXcdGY0
- ( ・∀・)「……」
( ・∀・)(……さて。とりあえず状況確認)
今俺はどこかの学校の何階かの教室の中にいる。
周りに人はいないし、音もしない。
こんな状況で外が昼間の如く明る事のが、なんとも言えない違和感を発してくれる。
しかし、これは知らない場所ではないし、知らない状況ではない。
何故ならと言うべきか……この部屋は、『来た事がある』。
同じなんだ。
いつもこの『最強能力決定戦』に飛ばされると、俺は決まったようにいきなりここに居る。
- 18 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 19:41:11.91 ID:ceFXcdGY0
- ( ・∀・)(いつもここでスタートなんだ。そして……始まりの声が聞こえてくる)
( ・∀・)(『ピンポンパンポーン』てか言ってな……イラっとするアレが)
( ・∀・)
( ・∀・)(ん?)
ん?いつも?
いつもってなんだ?
まるで前にも何回かここにきた事があるような……
( ・∀・)「……」
(;・∀・)「!?」
あれ?
(;・∀・)(……え、なんで?ある)
(;・∀・)(今までの記憶が……ある……!)
その事実に気付いてからはより色濃く浮かんでくる、記憶達。
何故だかはわからないが、俺はスタートであるたった今から、今までに起きたここでの記憶が存在していた。
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 19:44:47.13 ID:ceFXcdGY0
- ( ・∀・)
そうだ。
目を閉じると今までの記憶が……鮮明に甦る。
ブーンと出会った事。
( ー∀ー)
惑星に潰された事。
(;ー∀ー)
生き返り、また死に、なんだかんだでまた生き返った事。
(;ー∀ー)
……ろくな思いしてねぇな、俺……。
その他、多くのチート能力者達と戦った事。
個性的なやつらと徒党を組み、大きな敵を打ち破った事。
でも……なぜだ。
これらの記憶に、前後がつかないのは。
どれが前でどれが後か、検討が付かない。
- 22 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 19:50:02.84 ID:ceFXcdGY0
- (;ー∀ー)(……混濁というか……『あった』事はわかるが、時系列がはっきりしねぇ……なんだこれ)
( ー∀ー)(落ち着いて考えようか。まずこの世界に飛ばされて……)
一番最初に来た時は、ここで慌てふためいて……でも冷静になって考えたら、
「俺マジで【世界《ザ・ワールド》】使えんじゃん!!ひゃっほぉぉぉぉぉぅ」
ってなって、浮かれて。
そしたら上の方から「ど、ドクオー?」だなんて間抜けな声が聞こえたから行ってみたらブーンがいて……
<ココドコダオー?ド、ドクオー?
( ー∀ー)(そうそう、こんな感じにブーンの声が……)
( ー∀ー)
(・∀・;)「!!?」
- 24 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 19:57:00.95 ID:ceFXcdGY0
- 今の声は間違いなくブーンだ。
いつもの記憶のない俺ならカッコつけて向かってかませポジションだが、今回の俺は違う。
安価に気をつけて先制をかけて圧倒してやろう。
ん?いやいや、と言うかむしろ戦わなくていいんじゃん。
またこの戦いが始まったって事は、ブーンもまたキーを握ってるんだろう。
ならば最初から共闘してこの世界を攻略したらいいじゃん。
わーお戦闘回避ルートktkr。
( ・∀・)「さて」
屋上に行きますか。
- 27 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 20:03:29.56 ID:ceFXcdGY0
- 古びた扉を蹴破る。
結果、屋上の寂れた空気を直に浴びる事になった。
向こうに記憶があるのだろうか。
覚えててくれりゃ何かと好都合なのだが。
しかしそうでない可能性のが高そうだな。
よし、最初はフレンドリーに行こう。
( ・∀・)「やっほーブーンちゃーん!!モララーくんだよー!」
( ・∀・)「【世界《ザ・ワールド》】を持つ大胆不敵で獅子奮迅な……」
( ・∀・)
|゚ノ ^∀^)
|゚ノ;^∀^)
(;・∀・)
|゚ノ;^∀^)「……あの、えっと……すいません……なんか……」
(;・∀・)「ア……ドモ……」
- 32 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 20:09:37.95 ID:ceFXcdGY0
- ( ・∀・)
|゚ノ ^∀^)
( ・∀・)「……あ、じゃあ、これで……」
|゚ノ ^∀^)「あ、はい……」
(;・∀・)「いや、いやいや!!じゃなくてさ、じゃなくてさ!?」
|゚ノ;^∀^)「え?なんですか?」
(;・∀・)「お前誰だよ!ブーンは!?」
|゚ノ;^∀^)「え?は?うぇ?ブーン?」
- 34 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 20:15:33.98 ID:ceFXcdGY0
- うーん参った。どうしたものか。
ありのままに話すと、いつもブーンがいるところにまったく関係ない人がいたぜ。
何を言ってるかわからねぇと思うが以下略。
(;・∀ー)「……君は?」
|゚ノ ^∀^)「あ、私は……レモナって言います」
|゚ノ;^∀^)「それよりあの、この世界って一体……」
( ・∀・)「……」
そこからか。
( ・∀・)「んじゃま、そこから話してやるか」
|゚ノ;^∀^)「は、はい……」
( ・∀・)「……」
なんかこいつ俺の事信用してなさそうだなぁ……。
大丈夫か。
- 35 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 20:22:40.42 ID:ceFXcdGY0
- ( ・∀・)「つまりこの世界は最強の能力を決めると称して能力で戦うとこなのさ」
|゚ノ;^∀^)「……はぁ」
( ・∀・)「君もここに呼ばれたのなら、思い入れのある能力くらいあるだろ?」
|゚ノ ^∀^)
|゚ノ;^∀^)「……?」
(;ー∀ー)「ないのね。わかったわかった」
( ・∀・)「そんな君にも能力説明書があるはず。体中まさぐってみ」
|゚ノ ^∀^)「あ……はい」
- 37 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 20:29:44.28 ID:ceFXcdGY0
- |゚ノ ^∀^)「……あった」
〜能力説明書〜
【相手をメガネ好きに変える能力】
うえきの法則の森あいの能力です。
相手に両手を口元に、さらに片足を上げた「ブリッ子ポーズ」をとらせる事によって発動する能力であり、
発動したら最後、相手はメガネジャンキーになる強力な能力です。
使いどころを考えましょう。
( ・∀・)
|゚ノ ^∀^)
( ・∀・)「……チートだな」
|゚ノ;^∀^)「は、はい……」
- 43 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 20:38:31.01 ID:ceFXcdGY0
- ( ・∀・)「使い勝手さえ考えたらなかなか強いぜ」
|゚ノ;^∀^)「え、は……そうですか?」
( ・∀・)「あぁ。いい能力だよ。一見馬鹿らしいがな」
( ・∀・)「とりあえず行こうぜ。俺と一緒にブーンを探しに行こうぜ」
|゚ノ;^∀^)「え?あ……なんで?」
( ・∀・)「君がブーンのとこにいたってのは、多分意味があるんだろうよ。とりあえずブーンに会いに行こう。話はそれからだな」
|゚ノ;^∀^)「はぁ……でも」
( ・∀・)「ん?」
|゚ノ;^∀^)「大丈夫なんですか?だって、私達意外にも能力者がいるんでしょ?ぼく……怖いです……」
( ・∀・)「だいじょぶだよ。心配すんな」
( ・∀・)「俺は強いから」
- 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 20:44:34.33 ID:ceFXcdGY0
- ( ・∀・)「そんなビビんなよ。これでも俺はここでいろんな戦いを生き抜いてきたんだ」
( ・∀・)「経験値ならそこらのやつには負けないっての」
|゚ノ;^∀^)「そう……ですか」
( ・∀・)「まぁとりあえず動くぞ、そろそろ戦いが……」
( ・∀・)(ん?)
( ・∀・)(……そう言えば『アナウンス』はどうした?なぜ声が聞こえないんだ)
( ・∀・)「ま、いいか……」
とりあえずこの謎の女の子は連れていこう。
このレモナがどんなやつだろうが気にしないが、
なんせ『ブーンのいた場所にいた』。
これはこれで、異常な事ではないかと思うんだが……。
( ・∀・)「行くか……」
とりあえず、動こうか。
この学校から出てみるところから、始めようじゃないか。
- 50 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 20:53:27.42 ID:ceFXcdGY0
( ・∀・)「早くしないと、最初の俺みたいなキチガイじみた能力狂いが襲いかかってきても可笑しくないからな」
|゚ノ ^∀^)「あ、はい」
とりあえずこの学校を抜ける事にした。
さて、今回はどんな戦いになるか。
俺が思うに、この世界は毎回「いい形」を求め改変されていく。
レモナの存在がいい形への改変なのかどうかは置いといて、あまりに不自然が多い。
|゚ノ ^∀^)「……モララーさん」
( ・∀・)「ん?」
|゚ノ ^∀^)「モララーさんはなんで、その能力をもらったんですか?……」
( ・∀・)「……」
( ・∀・)「かっこいいから」ドーン
|゚ノ;^∀^)「あ……はぁ……」
|゚ノ ^∀^)「他になんかないんですか?こんな世界に飛ばされてまで……あなたはそんなにイキイキしてる」
( ・∀・)「うん。楽しいからね」
|゚ノ;^∀^)「た、楽しい……?」
- 51 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 21:00:45.62 ID:ceFXcdGY0
- ( ・∀・)「こんな世界とは言うけれど、俺は気に入ってるんだぜこの世界」
|゚ノ;^∀^)「そうですか……なんか、野蛮ですね」
( ・∀・)「あーダメだレモナちゃん、オトコノユメをわかってないわ」
|゚ノ ^∀^)「はい……」
( ・∀・)「後さ、好きな能力と最強だと思う能力って違うでしょ?」
|゚ノ;^∀^)「え」
( ・∀・)「すくなくとも俺は違うと思うんだよ。これは記憶の断片でしかないが、『全ての能力を操る能力』なんてのもあったから」
( ・∀・)「こんな、ただ時を止める偶像体が最強だとは思わない」
|゚ノ;^∀^)「はぁ」
( ・∀・)「だけどな。俺はこの能力以外を欲しいと思った事はないんだ」
|゚ノ ^∀^)「……はぁ」
- 53 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 21:08:34.27 ID:ceFXcdGY0
- ( ・∀・)「だからこそ、思い入れを大事にしてくれるこの世界は好きなんだよ」
|゚ノ;^∀^)「そうですか……よくわかりませんが」
( ・∀・)「わからなくていいよ。戦いたがるやつの気持ちなんか。キチガイのそれだと思っていい」
( ・∀・)「……お前の後ろにいるやつみたいにな」
|゚ノ;^∀^)「え?」
レモナの後ろの、黒い影が形を成す。
それは獰猛な牙を持ち、レモナの体を引きちぎらんと目一杯に口を広げる。
本来、陸には上がらない。宙にも浮かばない。
……鮫、だ。
「ジャアアアアアアアアアアア!!!!」
|゚ノ;゜∀゜)「ひっ――――!!」
( ・∀・)「【世界《ザ・ワールド》】」
危なげのない間一髪。
時間が停止し、鮫は固定される。
- 55 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 21:16:27.69 ID:ceFXcdGY0
( ・∀・)(――――【黒い鮫】?)
そう、黒い鮫。
レモナに襲いかかったのは、黒い鮫だった。
それ以外の言葉が出てこない。
特に特徴があるわけでも無いし、強そうなわけでもない。
何か特殊能力も……なさそうだ。
叫び、飛び出してきた。
力強く、真っ直ぐに。
それはまるで――――
( ・∀・)「……マジものの獣みてぇだな」
まぁ、関係ない。
とりあえず、鮫をぶん殴る事にした。
( ・∀・)「うらッ!」
攻撃をすれば、鮫はぐずぐずになっていった。意外にも素直に死んでくれるようだ。
( ・∀・)「――――時は、動き出す」
|゚ノ;゜∀゜)
|゚ノ;゜∀゜)「――――はっ!!」
( ・∀・)「はーいダイジョブダイジョブよー」
- 58 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 21:29:50.01 ID:ceFXcdGY0
- |゚ノ;^∀^)「な、なんですか今の!?え?ぼく、食べられ……?」
( ・∀・)「食べられてねーよ。むしろ食べてやろーか」
( ・∀・)「それより、次が来るぞ」
|゚ノ;^∀^)「は、はい!」
その瞬間、勢い良く窓ガラスが割れた。そいつは大きな黒翼を広げて、こちらに滑空してくる。
覇者の鳥、鷹だ。
( ・∀・)「無駄ァ!!」
それを、【世界《ザ・ワールド》】で力づくで殴り返した。
しかし2、3と連絡するように黒獣はやってくる。
床を這う狼。
壁を伝いくる蛇。
また空を進む鷲。
(;・∀・)「――――ッ動物園かよここはっ!」
正直、まずい。
ここまで立て続けにこられて、【世界《ザ・ワールド》】を連続で使えるのだろうか。
物量で来られたら、ここは分が悪い……
(;・∀・)「……ずらかるか」
|゚ノ;^∀^)「へっ?」
- 60 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 21:36:21.79 ID:ceFXcdGY0
- ( ・∀・)「――――!!!」
握り拳に力を込めて。
( ・∀・)「無駄無駄ァァァ!!!」
――――壁を殴る。
( ・∀・)「さ、レモナちゃん。パラシュートはつけた?ちなみに一人分足りないようになってるから気をつけてね」
|゚ノ;^∀^)「は?どういう……え、ちょっ!!」
説明を省いていたが、というかこんな説明をしたくなかったが、ここは3Fだ。
そこの壁に穴を開けて、レモナと手を繋ぎ
――――飛び降りた。
|゚ノ;^∀^)「ひゃああああ!!!?」
( ・∀・)「さーて」
(;・∀・)「意外にも捕まる場所がないな……」
|゚ノ;^∀^)「それ今から探すのォォォォォ!?」
- 62 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 21:42:22.25 ID:ceFXcdGY0
- ( ・∀・)「なーんて、【世界《ザ・ワールド》】!」
地面着地寸前に、時間停止。
【世界《ザ・ワールド》】の一番良い点は、やはりこの力。
全ての法則すらも止めてしまえるところだ。
そしてなんなく着地。
パラシュートなど、最初から必要がなかったのだ。
( ・∀・)「さて……解除!」
|゚ノ;^∀^)「――――はっ!」
( ・∀・)「無事だな?よし……」
|゚ノ;^∀^)「ヨシじゃないよ!何もヨシってませんよ!心臓に悪いからやめてください!」
( ・∀・)「おいおい、ふざけてると、来てるぜ?」
俺たちの飛び降りに触発されたのか、猛獣どもも一緒にダイビングしてきた。
いろんな黒い動物が落ちてくる。やれやれ。
( ・∀・)「こりゃあちょっと小技使わせてもらうか!」
- 64 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 21:47:41.72 ID:ceFXcdGY0
「ジャシャアアアア゛!!」
「ギャアオオオオオオ!!!」
|゚ノ;^∀^)「くる!」
――――その昔、ブーンが言っていた。
( ・∀・)「【世界《ザ・ワールド》】!!」
能力は日々進化している――――と。
出来ない事が出来るようになる。
そしてそれは能力者達の相互干渉を持って、形になる。
俺は、【世界《ザ・ワールド》】への憧れなら――――誰にも負けなかった。
( ・∀・)「ふふふ……」
いつからか懐から取り出したのは、ナイフ。
10本ほどの、それらを――――
( ・∀・)「シィッ!!!」
投、擲。
( ・∀・)「――――そして時は動き出す」
- 67 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 21:52:49.88 ID:ceFXcdGY0
|゚ノ;^∀^)
その時レモナは、宙に舞う黒い生物達が、いきなり串刺し標本になるという異形の光景を見た。
しかしその黒獣達はまた泥のように溶けるだけ。
ようやくモララーも気付き始めた。
恐らく、獣を使役する能力なんだろう。問題は……
( ・∀・)(本体だな……どこにいるのか)
「ふふ……さすがですねぇ。『時間を止める者』よ」
( ・∀・)「? 誰だ?」
川д川「……ふふ、本体、と言えばいいかな」
- 70 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 22:00:02.92 ID:ceFXcdGY0
- 川д川「ふふ……はじめまして。私は貞子……」
川д川「持つ能力は、ネロ・カオスの固有結界【獣王の巣】――!!!」
( ・∀・)「【獣王の巣】?知らねぇな。聞かせてくれるか?」
|゚ノ;^∀^)「そ、そんなの真面目に聞いて答えてくれるわけが――――」
川д川「ふふ、簡単に言えば『1にして666』……私は666の生命をこの混沌たる体内に宿しているんですよ。その生命は枯れても混沌を巡り再生……私は666を一同に消さない限り消えない」
川д川「まさに最強の混沌……!あなたでは倒せないでしょう……」
|゚ノ;^∀^)「話すんだ……」
( ・∀・)「皆自分の能力披露したくてたまんねーからな。ソースは俺」
|゚ノ ^∀^)「……ああ、モララーさん似たタイプなんですね」
( ・∀・)「アレとは一緒にすんなよ」
- 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 22:13:06.26 ID:ceFXcdGY0
- ( ・∀・)「つまりお前は666の生命を一気に殺さなきゃいけないんだな」
川д川「はい。それはつまり殺され殺されないって事ですがね……フフフ」
( ・∀・)「……確かに、【世界《ザ・ワールド》】で時を止めても666の獣達を殺せる自信はねぇわな」
川д川「ふふ……まさに」
川д川「最強!!」
( ・∀・)「うん、攻略法わかったわ。馬鹿だろお前は」
川д川「え?」
「――――【世界《ザ・ワールド》】」
- 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 22:20:11.82 ID:ceFXcdGY0
- ドクン――――
川д川
( ・∀・)「はい、終わり」
川д川「……何をした?いま」
|゚ノ;^∀^)「あ……いま」
( ・∀・)「うん。俺らの勝ちだね」
|゚ノ;^∀^)「……はい」
川д川「は?」
( ・∀・)「お前、気付かなかった?」
( ・∀・)「【世界《ザ・ワールド》】の中では、俺は自由に動ける」
( ・∀・)「無抵抗のお前を殴る事も蹴る事も――――」
川д川「だから何。それごときで、私の混沌を滅する事は……」
( ・∀・)「しないよそんな事。おれはただ、おまえにあるポーズを取らせただけだよ」
|゚ノ;^∀^)「……【相手をメガネ好きに変える能力】」
川д川「……えっ?」
- 81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 22:22:52.90 ID:ceFXcdGY0
- ( ・∀・)つローロ「ほら、いまここにメガネがあるよ」
川;д川「はっ!!」
( ・∀・)つローロ「いますぐ降参しろ。出なければこのメガネをへし折r」
川;д;川「すゥゥゥいませんでしたァァァアアアアア!!!!や、やめて、それだけはやめてェェェェェェ!!!!」
|゚ノ;^∀^)「……うわぁ」
( ・∀・)「ふん、一件落着だね」
- 82 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 22:27:21.74 ID:ceFXcdGY0
- ( ・∀・)「なんだか簡単に収まってよかったね、レモナちゃん」
|゚ノ ^∀^)「……はい」
|゚ノ ^∀^)「……役立たず」
( ・∀・)
( ・∀・)「レモナ、ちゃ」
そりゃあ、怪しいとは思っていた。
ここに違和感がないわけじゃなかった。
意思がなさすぎる。抑揚がなさすぎる。
違和感はいくらだってあった。
でも、やっぱり信じてみたかった。
それが判断を送らせた。
|゚ノ ^∀^)「【静かな祭囃子《ステマテイク》】」
騙されてたって、思いたくなかった。
- 90 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 22:34:30.47 ID:ceFXcdGY0
- (;・∀゚)「あ゛っ!!!」
聞こえたのは、ぱちんという小さな音だった。
レモナは中指を親指で押さえて、弾いてきたのだ。
それは人間最小単位の攻撃。
デコピン。
|゚ノ ^∀^)つ
それが俺の眉間に焦点を合わせ、放たれた。
そしてそれだけで俺の体は、トラックにぶち当たったかのように跳ね飛んでいった。
(; ∀ )(――――!!)
(; ∀ )(―――【世界《ザ・ワールド》】――――!!)
無意識にも、時間を止めてみた。
しかし無意味ではない。よく見れば、レモナは追撃にと地面を蹴りだしていた。
- 93 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 22:41:59.85 ID:ceFXcdGY0
- 時が、進む。
(; ∀ )「あ……いった……」
|゚ノ ^∀^)「あー、逃げた」
(; ∀・)「めちゃくちゃいてぇじゃん。どんな能力、なんだよ……」
|゚ノ ^∀^)「でしょう。ぼくの腕力はゴリラ並みですから」
(;・∀・)「……嘘つけ」
|゚ノ ^∀^)「はい。嘘ですよ」
川;д川「え、え……?」
|゚ノ ^∀^)「でもねぇ、貞子さん」
|゚ノ ^∀^)「あなたにはとりあえず、私の攻撃で気を失っといてもらいますねー」
川;゚д川「えっ――――あ゛っ!」
レモナはトンと首筋を叩く。
それだけで貞子は力無く地面に伏した。
(;・∀・)「……便利そうな能力だな」
- 96 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 22:47:37.74 ID:ceFXcdGY0
- |゚ノ ^∀^)「私の能力は【静かな祭囃子《ステマテイク》】――――」
|゚ノ ^∀^)「説明、要りますか?」
(;・∀・)「いらねぇよ。どうせ催眠系なんだろ?」
|゚ノ ^∀^)「いえいえ。そんな催眠とか超スピードとかチャチなもんじゃ断じてないですよ」
|゚ノ ^∀^)「言わば、軽い現実改変ですよ」
(;・∀・)「へぇ……!!」
|゚ノ ^∀^)「ぼくの能力はステマらしく……いつからか忍び寄り世界の真偽をすり変えちゃうんです」
(;・∀・)「……バレるまで続く世界改変か……」
|゚ノ ^∀^)「はい。あなたには、どれが真実か見破れますか?」
(;・∀・)「へっ……!」
- 101 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 23:05:32.75 ID:ceFXcdGY0
- (;・∀・)
はーい、状況をまとめよう。
裏切られたやつはオリジナル能力者。【静かな祭囃子《ステマテイク》】とのこと。
現実と真実をねじ曲げる世界改変能力。
誰かが疑い、バラすまでに限り、世界が思う通りに作り替えられる……ってとこかな。
(;・∀・)「先に攻められたら終わりだ――――ッな!!」
|゚ノ ^∀^)「!」
( ・∀・)「【世界《ザ・ワールド》】!!」
ならばやる事は限られる。やつがステマをつくる前に、攻撃する――――!!
女の子を殴るのは気が引けるが、すまん許せ!
( ・∀・)「オラァ!!」
と、レモナに手をかけたその時。
|゚ノ ^∀:∴:・ サラ…
(;・∀・)「!!?」
レモナが、溶けた。
「何してるんですか。誰もそこにいる私が本物とは言ってませんよー☆」
(;・∀・)「……ちっ」
- 102 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 23:08:23.05 ID:ceFXcdGY0
- (;・∀・)「どこだよ!出てこいよ嘘つき!」
|゚ノ ^∀^)「嘘つきとは失礼な。私はこっちですよ」
|゚ノ ^∀^)(;・∀・)「こっちってどk……」
|゚ノ ^∀^)(・∀・;)「……」
デコピン。
しかしそれが嘘だと気付くのに遅れた為に、体は一回転。
意識、混濁。
- 106 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 23:18:04.17 ID:ceFXcdGY0
- |゚ノ ^∀^)「ふふ、手も足も出ませんか?可哀想にね」
|゚ノ ^∀^)「それでもあなたは【世界《ザ・ワールド》】を愛してると言うのだから、意味がわからないね」
(; ∀ )「……」
わからないだろうなぁ。
「好きな能力と最強の能力はまた違う」って言った時、この子怪訝な顔してたしなぁ。
(; ∀ )「……でも、俺は誰よりも」
|゚ノ ^∀^)「?」
俺は誰よりも世界を動かしたかった。
チートを操り、自由に戦いたかった。
子供じみてると笑うだろう。
狂気じみてると蔑むだろう。
(;・∀・)「人の好みを笑うとは、なんとも不自由な事じゃないか……」
|゚ノ ^∀^)「……なにを」
余裕ぶって、楽しそうだな。
でも残念。残念ながら、そこは俺の「世界」だ。
(; ∀ )「――――」
- 110 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 23:25:01.92 ID:ceFXcdGY0
- |゚ノ ^∀^)「……?」
|゚ノ ^∀^)「何か、言った?」
(; ∀ )「……お前の能力の弱点、わかった気がする」
|゚ノ ^∀^)「?」
(; ∀・)「お前」
(;・∀・)「なんで大きな嘘をつけないんだ?」
|゚ノ ^∀^)
|゚ノ;^∀^)「まさか」
( ・∀・)「あぁ」
( ・∀・)「気付いたよ」
- 113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 23:31:56.37 ID:ceFXcdGY0
- |゚ノ;^∀^)「ッ!!」
( ・∀・)「そのステマは――――看破済みだよ!腕力は並みだろ!」
デコピンを、難なく跳ね返す。
ようやくわかってきた――――つまり、【静かな祭囃子《ステマテイク》】とは。
( ・∀・)「正確にはバレた時に生じるエネルギーが大きいほど、うかつに嘘がつけないんだろ」
|゚ノ;^∀^)「……っち」
( ・∀・)「おかしいもんな。だったら最初から『自分の攻撃食らったら死ぬ』って嘘をついて攻撃すればいい」
|゚ノ;^∀^)「……」
( ・∀・)「それはもし嘘だとバレたら自分に被る代償が大きいから」
( ー∀・)「最初から冷静に考えりゃよかったな。世界自体に影響する能力に、なぜ代償がないのか」
( ・∀・)「最初からあったんだ。わからなかっただけで……」
|゚ノ;^∀^)「ふん、それがバレても、あなたが私を倒す事は――――」
- 114 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 23:33:34.91 ID:ceFXcdGY0
- ( ・∀・)「出来るよ」
( ・∀・)「お前がいまついてる大きな嘘を暴けばいいんだろ?」
( ・∀・)「そうしたらステマは解除され、代償をお前は受ける」
|゚ノ;^∀^)
|゚ノ;^∀^)「……まさか、そこまでわかって」
( ・∀・)「あぁ」
- 116 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 23:35:45.34 ID:ceFXcdGY0
( ・∀・)「ここは、この場所は」
( ・∀・)「仮想都市VIPじゃあない!!」
|゚ノ;^∀^)「――――!」
( ・∀・)「最強能力決定戦も……行われていない!」
( ・∀・)「この戦いは、全て作り物だ!!」
――――その瞬間、周りの風景の一切が砂と化した。
- 120 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 23:44:42.21 ID:ceFXcdGY0
気付いた時には、風の吹き抜ける大草原にいた。
|゚ノ ^∀^)「……」
|゚ノ ^∀^)「いつから気付いてましたか」
|゚ノ ^∀^)「あそこがVIPじゃないと」
( ・∀・)「……ずっと前からだよ。違和感の正体が、君の能力でわかった」
( ・∀・)「時間操作能力者が入り乱れる世界にしては……停止に干渉が無さすぎると思ってた」
|゚ノ ^∀^)「なるほど……あなたにしかわからない、合図がありましたか」
( ・∀・)「……で」
( ・∀・)「ここはどこ?」
|゚ノ ^∀^)「……創られた世界」
|゚ノ ^∀^)「我々はここを仮想都市VIPに対し、『仮想都市ソーサク』と呼んでいます。」
- 122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 23:48:43.04 ID:ceFXcdGY0
- ( ・∀・)「……なるほど。仮想都市は一つじゃなかったのか」
|゚ノ ^∀^)「……いい場所でしょう?」
( ・∀・)「……あぁ。気に入った」
|゚ノ ^∀^)「……嘘をつかないでください」
( ・∀・)「……」
( ・∀・)「……刺激が、足りないかな」
|゚ノ ^∀^)「でしょう」
|゚ノ ^∀^)「実際、今やVIPは壊滅状態です。ぼくらみたいな因子は残っていれど……もう、あの世界は崩壊しています」
( ・∀・)「でも」
|゚ノ ^∀^)「私達はまだいる、ってね」
( ・∀・)「……ふん」
- 125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/18(水) 23:54:10.49 ID:ceFXcdGY0
- |゚ノ ^∀^)「私達は、誰かの願いで生まれる」
( ・∀・)「願いの入れ物の、平面的存在だからな」
|゚ノ ^∀^)「つまりまた……望まれてるのですよ」
|゚ノ ^∀^)「あの世界が」
( ・∀・)「……へぇ」
|゚ノ ^∀^)「だからあなたを試す必要がありました。今回の茶番に付き合わせた非は詫びます……」
|゚ノ ^∀^)「けど。だからこそ試したかった。あなたが未だに、その心を忘れていないかと」
( ・∀・)「愚問だよ。忘れるわけないじゃない」
( ・∀・)「いつだって俺は、この能力と共に行くさ」
|゚ノ ^∀^)「……ありがとうございます。その言葉が聞きたかった」
|゚ノ ^∀^)「だから…いつかまた、この戦いが始まれば」
|゚ノ ^∀^)「この戦いを、今度こそ正しい収束に導いてくれますか?」
( ー∀ー)
――――「約束するよ」
- 126 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 23:58:23.39 ID:ceFXcdGY0
- |゚ノ ^∀∴:・「じゃあ……いつかまた、会えるといいですね」
( ・∀・)「あぁ……またあの世界が生まれたら、また会おう」
|゚ノ ^∴:・∵:「ふふ」
「ぼくはレモナ。忘れないでくださいね」
( ・∀・)「あぁ」
「……聞かせてください、あなたの名も」
- 127 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 23:59:07.38 ID:ceFXcdGY0
- ( ・∀・)「はん。じゃ、名乗らせてもらうぜ。俺はモララー。……【世界《ザ・ワールド》】を持つ……えっと……」
( ー∀ー)「あー忘れた、めんどくせぇ!」
( ・∀・)「『最強』だ」
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- 128 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/18(水) 23:59:50.34 ID:ceFXcdGY0
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- 150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/19(木) 00:07:39.32 ID:N2UVKFIC0
- するにきまってんだろ!
- 158 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2012/04/19(木) 00:10:37.55 ID:sExxKTJ80
――――――――WAKE UP
( ^ω^)はあらゆるチート達と争うようです
再始動、予定。
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