- 2 名前: ◆07i/WpNp2k 投稿日:2009/08/17(月) 21:04:06.50 ID:w5AuzORj0
('A`)「あの…精霊博士さんの家はここですか?」
从 ゚∀从「んー、誰だ?」
(;'A`)「え…あなたが…?」
从 ゚∀从「ああ、アタシが人呼んで『精霊博士』ハインリッヒだ」
从 ゚∀从「ハインって呼んでくれよ!」
('A`)(博士っていうから、おじさんとかおじいさんを想像してたんだけど…)
('A`)(まさかこんな若い女性とはね…)
('A`)「あ、すみません。俺、VIP国から来たドクオっていいます」
从 ゚∀从「ふーん…ところで、アタシに一体何の用だい?」
从 ゚∀从「もしかして、『守護精霊』について聞きに来たのかな?」
- 3 名前: ◆07i/WpNp2k 投稿日:2009/08/17(月) 21:06:36.89 ID:w5AuzORj0
(;'A`)「え…何でそのことを…」
从 ゚∀从「そっちの小さいの…『導きの妖精』だろ?」
( ^ω^)「お?僕のことが見えるのかお?」
从 ゚∀从「当たり前だ、アタシは精霊博士だからな」
从 ゚∀从「するとやっぱり、あんたはエレメントマスターを目指してるのか…」
('A`)「はい…」
从 ゚∀从「…」
从 ゚∀从「…いいか、エレメントマスターへの道は厳しいぞ…」
从 ゚∀从「…覚悟はあるんだな?」
('A`)「もちろんです」
- 5 名前: ◆07i/WpNp2k 投稿日:2009/08/17(月) 21:09:01.96 ID:w5AuzORj0
从 ゚∀从「…」
从 ゚∀从「…いい目だ」
从 ゚∀从「君なら、エレメントマスターになれるかもしれない」
('A`)「…」
从 ゚∀从「まず、ここから北にある『風の守護精霊』がいるっていう話だから、行ってみるといい」
从 ゚∀从「ただし、守護精霊は自分が認めた相手じゃないと姿を見せないからな」
从 ゚∀从「『導きの妖精』が力を貸していることが条件のひとつだが、それだけじゃない」
从 ゚∀从「加えて、試練をクリアする必要があるようだ…その試練がどんなものかはわからないけどな」
从 ゚∀从「もし風の守護精霊と契約して戻ってくることができたら…他のことも教えるよ」
从 ゚∀从「君が、守護精霊に認められるように、祈ってる」
('A`)「…ありがとうございます」
( ^ω^)「ありがとうだお!」
そして、ドクオとブーンは、ハインの家を後にし、北の森へ向かった。
- 6 名前: ◆07i/WpNp2k 投稿日:2009/08/17(月) 21:12:48.04 ID:w5AuzORj0
- >>5
すみません、間違ってました…
× 从 ゚∀从「まず、ここから北にある『風の守護精霊』がいるっていう話だから、行ってみるといい」
○ 从 ゚∀从「まず、ここから北にある森に『風の守護精霊』がいるっていう話だから、行ってみるといい」
- 10 名前: ◆07i/WpNp2k 投稿日:2009/08/17(月) 21:14:48.13 ID:w5AuzORj0
途中、ドクオたちは魔物に襲われた。
その魔物は、液体のような固体のような、弾性のある不思議な体をしていた。
その形状は、VIP国でデザートとして親しまれている『ゼリー』に似ていた。
(;'A`)「こいつは…」
( ^ω^)「スライムだお、強力な酸を吐くから注意だお」
ブーンの言ったとおり、スライムはドクオに向かって液体を吐き出した。
ドクオがかろうじて避けると、液体のかかった地面は煙を上げて溶けた。
(;'A`)「あ、あぶねえ…」
('A`)「とりあえず…これでもくらえ!」
ドクオは、数少ない攻撃手段であるエナジーショットをスライムにぶつけた。
- 12 名前: ◆07i/WpNp2k 投稿日:2009/08/17(月) 21:16:42.22 ID:w5AuzORj0
エナジーショットはスライムに直撃した。
スライムは弾き飛ばされたが、何事もなかったようにドクオのほうに向かってきた。
(;'A`)「え…効いてない!?」
(;^ω^)「スライムの体は弾力性が高いから、エナジーショットの衝撃を吸収してしまうんだお」
(;'A`)「そんな…どうしたらいいんだ…」
('A`)「…」
('A`)「…仕方ない、もう一度エナジーショットをぶつけて、その隙に逃げよう」
(;'A`)「…なんとか振り切ったな」
(;'A`)「今のだけで、だいぶ疲れちまったな…できればあまり遭いたくない相手だ…」
(;^ω^)「だお…」
- 13 名前: ◆07i/WpNp2k 投稿日:2009/08/17(月) 21:18:24.44 ID:w5AuzORj0
ドクオたちが森の入り口に着くと、小さな泉が沸いているのに気付いた。
('A`)「お、ちょうど喉が渇いてたんだ…ちょっと喉を潤しておこう」
( ^ω^)「冷たくて気持ちいいお!」
('A`)「よし…じゃあ、行くか!」
森に入ってしばらくは一本道だった。
( ^ω^)「ドクオー!ここに何かあるお!」
('A`)「ん…それは石碑だな」
('A`)「なになに…『守護精霊と契約を結ばんとするものは、ここに手を当てて念じよ』か…」
('A`)「…」
ドクオが書かれていた通りにすると、どこからか声が聞こえた。
- 14 名前: ◆07i/WpNp2k 投稿日:2009/08/17(月) 21:20:05.43 ID:w5AuzORj0
???「風の守護精霊との契約を望むものよ…」
???「今から3時間以内に、地図に描かれたA地点、B地点、C地点にある『光る石』を手に入れ、再び石碑に触れよ…」
???「ただしチャンスは1度だけ…失敗すれば、二度と契約することはできない…」
('A`)「なるほど…石碑に森の地図らしきものも描かれてるな…」
C┓
┃
┣━B
┃
┏━┫
A ┃
┗━現在地
┃
┃
森の入り口
|━|
500m
('A`)「3箇所まわると、約12km…少し急げば、十分間に合いそうだな」
- 16 名前: ◆07i/WpNp2k 投稿日:2009/08/17(月) 21:23:31.81 ID:w5AuzORj0
('A`)「さっきの地図によると、A地点はこのあたりのはずだが…」
ドクオが周辺を探すと、赤く光る石を見つけた。
('A`)「これだな…」
( ^ω^)「やったお!」
('A`)「よし…次はB地点に向かうぞ」
しかし、ドクオたちがB地点に向かう途中、ブーンが何かを見つけた。
( ^ω^)「ドクオー!何か光ってるお」
('A`)「ん…まだB地点まではだいぶ離れてるはずだが…」
ミセ; − )リ「…す…けて…」
(;'A`)「え…?」
そこにいたのは、うっすらと光を放つ、ドクオの両手に収まりそうなサイズの、羽の生えた小人だった。
それは、ブーンよりはるかに一般的な『妖精』のイメージに近い姿をしていた。
- 17 名前: ◆07i/WpNp2k 投稿日:2009/08/17(月) 21:27:05.64 ID:w5AuzORj0
(;'A`)「もしかして…妖精か…?」
ミセ;゚−゚)リ「私は森の妖精のミセリ…羽を怪我してしまって、ここを動けないのです…」
(;'A`)「そ、そうか…ちょっと待ってろよ…」
ドクオは、ブーンの力を借りた魔法『ファーストエイド』をミセリにかけた。
しかし、効果はなかった。
(;'A`)「え…なんで…?」
(;^ω^)「ドクオ…ファーストエイドは人間にしか効果がないお…」
('A`)「そうなのか…うーん、困ったな…」
ミセ;゚−゚)リ「この森の入り口に、泉があったはずです」
ミセ;゚−゚)リ「その泉の水は、森の妖精の傷を癒す力があるんです」
ミセ;゚−゚)リ「どうかそこまで私を連れて行っていただけないでしょうか…」
- 19 名前: ◆07i/WpNp2k 投稿日:2009/08/17(月) 21:31:02.75 ID:w5AuzORj0
ミセリは、見るからに衰弱している様子だ。
(;^ω^)「今から森の入り口まで戻ってたら、時間内に石を集めるのは難しいお…」
('A`)「…」
('A`)「…よし、俺がその泉まで連れてってやるよ」
(;^ω^)「ドクオ…」
('A`)「俺は、目の前で今にも死にそうなこの妖精を見捨てていくことはできない」
('A`)「…それに、まだ駄目だと決まったわけじゃない!急ぐぞ!」
( ^ω^)「…わかったお!」
ドクオはミセリを連れて、森の入り口まで走った。
そして、ミセリは泉の水に浸かると、みるみる間に傷が治り、元気になった。
ミセ*゚ー゚)リ「ありがとうございます!助かりました」
(;'A`)「ハァ…ハァ…すまないけど、俺たちは先を急ぐんだ。またな!」
- 20 名前: ◆07i/WpNp2k 投稿日:2009/08/17(月) 21:33:52.14 ID:w5AuzORj0
ドクオは急いでB地点に向かい、そこにあった青く光る石を回収した。
(;'A`)「…あとひとつだ!」
続いて、C地点に向かい、そこで黄色く光る石を見つけた。
(;'A`)「…よし、揃ったな」
(;^ω^)「時間がないお!はやく石碑の場所に戻るお!」
しかし、戻る途中、3つの石は光となって消えた。
(; A )「そんな…間に合わなかったのか…」
(;^ω^)「…」
( A )「俺、やっぱりおひとよしだよな…」
(;^ω^)「…でも、あの妖精を助けたのは立派だと思うお」
- 22 名前: ◆07i/WpNp2k 投稿日:2009/08/17(月) 21:36:33.69 ID:w5AuzORj0
次の瞬間、ドクオたちの目の前には、見覚えのある姿があった。
ミセ*゚ー゚)リ「先ほどは、助けていただいてありがとうございます」
( A )「…」
ミセ*゚ー゚)リ「騙していてごめんなさい。実は、私は森の妖精じゃないんです」
ミセ*゚ー゚)リ「あたしは『風の守護精霊』ミセリ…」
('A`)「…!」
(;^ω^)「な…そうだったのかお…」
ミセ*゚ー゚)リ「ちょっとあなたを試させてもらったの」
ミセ*゚ー゚)リ「やっぱり、あなたはあたしの思ったとおり、心優しい人だったね」
- 23 名前: ◆07i/WpNp2k 投稿日:2009/08/17(月) 21:38:36.73 ID:w5AuzORj0
ミセ*゚ー゚)リ「もしあそこであたしを助けなかったら、あなたと契約するつもりはなかった…」
('A`)「え…じゃあ…!」
ミセ*゚ー゚)リ「ええ、私ミセリは、あなたと守護精霊の契約を結びます」
ミセ*゚ー゚)リ「これからよろしくね、ドクオ!それと、『導きの妖精』ブーン!」
('A`)「ありがとう…よろしくな、ミセリ」
( ^ω^)「よろしくだお!」
('A`)「よし…じゃあ、ミセリとも契約できたし、ハインさんの家に戻るか」
( ^ω^)「そうするお!」
ミセ*゚ー゚)リ「行きましょう!」
- 26 名前: ◆07i/WpNp2k 投稿日:2009/08/17(月) 21:41:57.39 ID:w5AuzORj0
戻る途中、ドクオは魔物に襲われた。
(;'A`)「うわ…またスライムか…」
(;^ω^)「スライムにはエナジーショットの効果は薄いお…」
(;'A`)「今回も、エナジーショットをぶつけて、ひるんでる間になんとか逃げるしかないか…」
ミセ*゚ー゚)リ「ふふ…あたしの出番ね」
ミセ*゚ー゚)リ「ドクオ、腕を思いっきり振り下ろしてみて」
(;'A`)「え…こうか…?」
∩
(;'A`)彡
( ⊂彡
| |
U U
- 28 名前: ◆07i/WpNp2k 投稿日:2009/08/17(月) 21:43:55.32 ID:w5AuzORj0
すると、風の刃が発生しスライムを切り刻んだ。
スライムはたちまち液体になって、地面に吸収された。
(;'A`)「おぉ…すげぇ」
ミセ*゚ー゚)リ「今のは『ウィンディブレード』。これは、かまいたちを発生させて相手を切り刻む魔法だよ」
('A`)「そっか、スライムにも効くのは助かるな」
( ^ω^)「心強いお!」
('A`)「他にミセリの力で使える魔法はないのか?」
ミセ*゚ー゚)リ「そうねぇ…あとは風に乗って敏捷性を高める魔法とか、飛び道具を風で散らす魔法なら今の君でも使えるかな」
('A`)「ふうん…やっぱり、風の力を使った魔法ばっかりなんだな」
ミセ*゚ー゚)リ「そりゃあ、風の精霊だからね」
('A`)「じゃあ、他の守護精霊と契約すれば、使える魔法の種類も増えていくわけだな」
( ^ω^)「そういうことだお」
- 29 名前: ◆07i/WpNp2k 投稿日:2009/08/17(月) 21:47:12.05 ID:w5AuzORj0
ドクオたちは、ハインの家に戻ってきた。
('A`)「ハインさん、風の守護精霊と契約できましたよ!」
ミセ*゚ー゚)リ「どうもー」
从;゚∀从「おお…本当に契約できたんだな…」
从 ゚∀从「まあ、ともかくこれでエレメントマスターに一歩近づいたってわけだな。おめでとう」
('A`)「ありがとうございます」
从 ゚∀从「さて…じゃあ、アタシが知っている残りの守護精霊の情報についてだが…」
从 ゚∀从「守護精霊は、他に『炎』『水』『土』『光』『闇』の5体がいる」
从 ゚∀从「今回もそうだったように、それぞれの守護精霊と契約するには、何らかの試練を乗り越える必要があるらしい」
从 ゚∀从「そして、他の精霊がいる場所についてだが…」
- 30 名前: ◆07i/WpNp2k 投稿日:2009/08/17(月) 21:49:07.68 ID:w5AuzORj0
从 ゚∀从「その場所を知るには、『守護精霊』と『導きの妖精』…」
从 ゚∀从「そしてエレメントルーンを持つ人間が、力を合わせる必要がある」
( ^ω^)「おっ?」
ミセ*゚ー゚)リ「どうすればいいんですか?」
从 ゚∀从「なに、難しいことはいらない…まず、ブーンとミセリは、ドクオが魔法を使うときと同じように力を貸すだけだ」
从 ゚∀从「あとは、ドクオがブーンとミセリのことを頭に浮かべて、精神を集中すればいい」
从 ゚∀从「この方法で、まだ契約してない守護精霊の場所がひとつだけ分かるはずだ」
从 ゚∀从「同様に、次に契約した守護精霊とブーンの力を借りれば、他の守護精霊の場所がひとつ分かるよ」
('A`)「なるほど、やってみます」
('A`)「…」
( ^ω^)「…」
ミセ*゚ー゚)リ「…」
- 33 名前: ◆07i/WpNp2k 投稿日:2009/08/17(月) 21:52:22.04 ID:w5AuzORj0
('A`)「あ…何か見えた…」
('A`)「神殿のような場所が見える…」
( ^ω^)「おっ、僕も何か感じるお」
( ^ω^)「西のほうから、何か力を感じるような気がするお…」
('A`)「じゃあ、ここから西のほうにある神殿のような場所に、次の守護精霊がいるってことですね」
从 ゚∀从「そういうことになるな」
从 ゚∀从「…アタシが知ってるのはここまでだ」
从 ゚∀从「あとは、君の力で守護精霊の謎を解き明かしてくれ」
('A`)「はい。ハインさん、ありがとうございます」
- 34 名前: ◆07i/WpNp2k 投稿日:2009/08/17(月) 21:55:19.08 ID:w5AuzORj0
('A`)「じゃあ、ハインさん。俺たちは行きますね」
从 ゚∀从「ああ、元気でな…無事、エレメントマスターになれるように祈ってるよ」
その後ドクオは、街で旅の準備を整え、ラウンジ国を後にした。
('A`)「次の守護精霊がいるのは、西にある神殿ってことだな…」
('A`)「街で聞いた感じだと、近くにそういう場所はなさそうだ」
('A`)「とりあえず、西のほうに行ってみよう」
('A`)「ここから西というと…キジョの国があるな」
('A`)「よし、次の目的地はキジョの国だ!行くぞ!」
( ^ω^)「行くお!」
ミセ*゚ー゚)リ「うんっ」
- 36 名前: ◆07i/WpNp2k 投稿日:2009/08/17(月) 21:57:49.05 ID:w5AuzORj0
その頃、VIP国…
川;゚ -゚)「ハァッ…ハァッ…」
ノハ#゚听)「どうしたクー!この程度で終わりか!?」
川;゚ -゚)「姉さんの体力は底なしか…?もう日が暮れかかってるぞ…」
クーは、姉で副団長のヒートと、騎士団の剣の訓練をしていた。
訓練は朝から続いていたが、ヒートに疲労の色は見えなかった。
ノパ听)「父さんの話だと、近々戦争が始まるかもしれないっていう話だから、気を抜いてなんかいられないぞ!」
川;゚ -゚)「何…それは本当か…?」
ノパ听)「ああ…VIP国を侵略しようとしている国があるらしい…!」
- 37 名前: ◆07i/WpNp2k 投稿日:2009/08/17(月) 22:00:32.48 ID:w5AuzORj0
川 ゚ -゚)「今頃、ドクオもエレメントマスターになるために頑張っているんだろうな…」
川 ゚ -゚)「ドクオが帰ってきたときに、この国の平和がなければ何にもならないからな…」
川 ゚ -゚)「私も、頑張らなきゃ…!」
〜 ('A`)はエレメントマスターを目指すようです 第3話 fin 〜
To be continued....
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