- 135 名前: ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:00:37 ID:v11sAzC.0
『出利道』
この国の最北端の地である。
面積は、都道府県中、最も大きい。
まわりは海に囲まれているが、船の航路などが豊富であり、また一本だけ地下トンネルも通っている。
アクセスするだけならば、10000円札一枚さえあればだれでもいけるという、海の向こうでありながらも
身近に感じられる陸である。
海に面してる部分が多く、またここには豊富な食物と豊潤な自然があり
それに相まって国家最大の食物輸出都市でもある。
特に、12月に入ってから漁猟が解禁される区域がある。
それは出利道の東にある港、『出利港』付近には、冬の寒気によって栄養が凝固され
それをくらったプランクトン。それをまたくらった魚。そんなヒエラルキーの頂点に存在するのが
醜女鮟鱇(シコメアンコウ)だ。
このアンコウは普段は海底にエサが通ってくるまでじっと待つタイプなのだが、この時期になると
活発になり、また繁殖期のためか栄養もよく蓄え、脂もたくさん乗るようになるのだ。
本当ならば、11月のほうがタマゴも抱えており、これもまだ珍味ではあるが、数が少ないため
タマゴを放卵したあとの季節にあわせて漁猟が解禁される。
- 136 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:03:15 ID:v11sAzC.0
しかし、この季節でも極稀にタマゴを抱えたままの醜女鮟鱇もとれることもある。
数は無論、非常に少なく、港の市場にその姿を現したら一瞬のうちに数千万の金が動くとされる。
もっとも、その鮟鱇自体も、「醜女」という名前通り非常にグロデクスな風貌をしているが、
その皮を裂いて腹を割って見れば、とても温かみの感じる美しい白身が現れてくる。
それらは刺身でいただくと、とても上品で甘みも感じ、歯ごたえは柔らかくかつ、絶妙な弾力感も
重ね持ち、醤油なしでも非常に美味しく、いただけるほどだ。
そして、キモはすり潰して、本場の海水と一緒に煮込に、そこに大根おろしをたっぷり入れた
あん肝汁もあるが、こちらも非常に素晴らしい逸品である。
なにしろ、塩味は海水しかないのに、そこにあん肝独特のあの苦味が加わった上に大根の甘みで
それらをシンプルに調和された汁だ。一口すすれば、話を聞いてたよりもはるかにしょっぱくないことに驚き
ふた口すすれば、大人のほどよい苦味でうんうんとうなずいてしまい、み口すすればもう虜になってしまう。
そして、きもをすり潰して団子状にしたそれを口にほおばり、噛み砕けば肉汁があふれ、はふはふとする。
口の中を冷ましながら野生的なタンパク質の、そして海の旨みが凝固されたエキスが口の中でほとばしり
そのあとにやってくる強烈な苦味でおもわずまゆをひそめるが、これは決してマズイ方の苦味ではない。
体が本能的に求めてしまう、滋養満点の病みつきになる苦味だ!
もしも港の市場にやってきてナニを食べようかと思うならば、少々値ははるが、ぜひこのあん肝汁を一杯
飲んでいってもらいたい。
なにしろ、このあん肝は傷みやすく、極寒の海で生まれ育ったにも関わらず冷凍の利かない物であり、
出荷制限に引っかかるため、この国ところが世界中に探してもこの港しか食べれる所は無いのだ。
- 138 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:04:09 ID:v11sAzC.0
それはおいといて、じつはこの醜女鮟鱇を気軽に食べれるイベントが存在する。
年末しか行われない「冬海忘年会」があるのだ。そこには前三日間でとれた海産物の中でも特に
質の良いものを、漁師から「善意の寄付」として成り立った祭りであり、これは多くの人に海の幸に
対する感謝と、漁師に対する感謝を。それを再確認するための祭りであり、この祭りで一夜のうちに
5万人以上動員がなされる。
この中に、なんと、卵を抱えた醜女鮟鱇もでてくるというのだ!
さすがに、きた人全てがたべれるわけではない。まず、先約者が10名。
予約代金として3万円程支払われるが、その他に当時のくじびきで当選された5名が
ありがたくその魚卵をいただくことができるのだ。
この卵は、全体が一つの大きなゼラチン状で覆っており、その中にたくさんの魚卵が含まれるという
珍しい形状なのだが、これをぶつ切りし、みりんと酒、醤油で煮付けたものを鮟鱇卵の煮付けと言われ
出利道三大珍味の一つに数えられる、非常に美味とされる。
此処から先は、さらに伝聞の領域になってしまうが、醜女鮟鱇のタマゴを食べた人の話によると
「上品な卵料理のような甘みと
魚卵らしくない弾力のある歯ごたえがしゃっきりぽんと楽しく、
中から魚卵らしきものかプチプチと弾ける。まさに海の奇跡のカーニバルや〜〜」
という…。
- 139 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:05:06 ID:v11sAzC.0
た べ た い !!!
.
- 140 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:06:07 ID:v11sAzC.0
,-、
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/:::::::{ ヘ ,-、
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l::::::::::::::::::::::::::::::_,ゝ ヘ
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l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::, -ゝ, == l あーたれー
ヽ、:::::::::::::::::::::::::ェェェェェ 儿 l
> ;::::::::::::::::::l フ「/ 醜ー女ー鮟ー鱇ーあーたれーやー
ヤ三三三フ:::::シ.┌---‐. ´
ヤ三.三.三チ::::::: ナ三≡
.
- 141 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:06:55 ID:v11sAzC.0
`:.、 . .. :.:.:.:.:.;=-l:{―--}:iい洲:i洲|!|洲li:i:l/:イ :l|洲i; Y:':、 ` ー―
.:.::::ヽ . :. :.:.:.:.イ´ zr:!|==ミノ:リ_ }州i洲|!|洲li:i/洲ili洲ili{{ ヾ: :丶._
. :.::::::':, .r' ':. :r'´ {::||○) リ:i{_州:|:i:i:}:|!li:ili/洲洲{{洲|乂_`'≦: ニ=
. :.:.:::::::, ' ミ≧=}}==ニiリ‐彳洲i:i:リli:ilW洲il|}}叭il:{ハ  ̄ ̄ ̄ ¨
. : .: :::::; : ミ>ゞ ̄ヘ. 〃 リ洲i:i:/洲 {洲i|l|リヘ:i':.乂_`ー― - . , _ あーたれー
. : : ::::::i i " = ヘ. {:{ /:洲:i:/li:洲 !i洲WiハZ洲`::...、 ー-ミjl` あーたれー
. .: .: ::::| ! Y! .'洲l:il/li:il洲 Zi:i洲洲Y:i洲:ilハ Y
.:..:.::::i | ノ ( }iWililil:i/li:洲洲! Yi:i洲洲Y:i洲}{ミゞ..,_ 醜ー女ー鮟ー鱇ーあーたれーやー
: i ⌒ Z!:i:i:jイli洲洲小. Yi:i洲洲Yi:il小. ヽ ー
.:l ' Z:i:/:'∨!洲i|ililiヾ. Yi:i洲洲Yl:i:i:iヽ、 丶
; '. __, |:i:i:{ :i:∧!洲洲洲:i }i:i:i洲洲}}:i:洲ヾ:_‘ー
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- 142 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:07:35 ID:v11sAzC.0
川 ゚ -゚) 「んなつまらんことでホイホイAAつかうから、携帯殺しとか呼ばれるんですよ」
僕らはいま、バスの中で右手に握られた引換券を持って、ラジオを固唾を飲みながら
流れてくる情報を聞いている。
/
【(#)三(#)】 「…でました、No2304当選です。おめでとうございます」
(#´・_ゝ・) 「んぁぁぁぁぁああああああああ〜〜〜〜〜!!!!」
(#ФωФ) 「まだだ!あと三回チャンスはのこってる!!祈るんだ!!神に届け!!
醜女鮟鱇の卵にとどけ我らの思いッ!!!んはぁッ!!」
川 ゚ -゚) 「静かにしてください。特にロマネスクさん」
( ФωФ) 「あれ…吾輩だけ?」
- 143 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:08:17 ID:v11sAzC.0
爪'ー`) 「あはッ クーちゃんに怒られちゃってちゃんの☆
あーやだやだ、これだから加齢臭のする人間ってのは…あ、タヌキ親父だから臭くて当然かー!
デミタスのは普通にくさい」
(#ФωФ) 「こんのォ…キツネ小僧がッ…」
(´^_ゝ^`) 「はっはっは落ち着けよロマ。そんなに臭ってないよ。なぁクーさん?」
_ _
川 ^ -^)
(´^_ゝ^`) 「そうか」
_,,_
爪「'ー`)「 「ほらほら、こいよたぬき!かき揚げやるぞ!HOLA☆HOLA!!かかってこいYO!!」
ハハ ロ -ロ)ハ三つ 「Hey!」 ドスッ
爪;'ー`) 「ちょ、ハローちゃん痛い痛い。ちょ…ちょっと…いたいたいたたたた!!!」
ハハ ロ -ロ)ハ三つ 「Hey!Hey!」 ドスッ ドスッ
爪;'ー`) 「ちょっと、みぞおち狙わないで。ハローちゃんごめんなさい。
もうバカにしません。真面目に生きます。ガチでマジになるから!!アイムソーリー!!」
( ФωФ) ( …なんで能力つかわないんだ? )
- 144 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:09:05 ID:v11sAzC.0
(゚、゚#トソン 「落ち着けってんだよテメェら…車酔ってる時にぎゃんぎゃんと…!」
("、゛iliトソン 「ウッグ…うぅぅ…うー…ク〜…」
川 ゚ -゚)ノシ 背中サスサス
トソン 「オロロロロロロロロ」
川 ゚ -゚) 「ギコさーん。エチケット袋ー」
(;゚Д゚) 「またですか?!ほんとに無理ならもう無理って言ってください!降ろしますから!!」
( ゚"_ゞ゚) パチンッ
(゚Д゚,,) 「?!」
( ゚"_ゞ゚) 「ギコよ…私も一袋いただこうか…、なに、ただのもらいゲロだ…ファファファ…」
(;゚Д゚) 「指を鳴らして、堂々とした風貌で、そんなこと言わないてください!ジョークにきこえますよ!!」
ミ*゚ー゚彡 「私も一袋、いただけませんかしら?いえ、ちょっとお吐き事を催してしまいましてね…ウフフ…」
(゚Д゚;) 「フサミさん?!」
(´・_ゝ・`) 「あ、やったー醜女鮟鱇当選番号ニアピンだー。賞品はなにもねー。ビールくらいつけろやッ…
クソ……運営がぁぁ……ッ」
- 145 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:10:05 ID:v11sAzC.0
,‐- 、
/ ヽ
,' ク l
l. ソ l
l : l
l. : l
,-‐‐--l : l
,-、 / l
,.:::::::ヘ / l
/:::::::{ ヘ / ,'
/::::::::::ゝ ヘ ,' 運 ヽ、__/
/::::::::::::::::そ. `-‐- 、 丿 l
,':::::::::::::::::ζ_ `ヽ< l 営 l
l:::::::::::::::::::::::::::`ゝ l l
l::::::::::::::::::::::::::::::_,ゝ ', が l
. l:::::::::::::::::::::::::::::ゝ‐=イ 弋__ l ぁ l
. l::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ / l ぁ l
. l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ{、 ● l.', : .l
l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::, -ゝ, == l .', : l
ヽ、:::::::::::::::::::::::::ェェェェェ 儿 l ヽ !! ノ
> ;::::::::::::::::::l フ「/ ゝ、 ノ
ヤ三三三フ:::::シ.┌---‐. ´ `‐-‐
ヤ三.三.三チ::::::: ナ三≡
川 ゚ -゚) 「だからホイホイ使うなって」
- 146 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:11:05 ID:v11sAzC.0
( ・3・) 「あ…醜女鮟鱇あたったっぽい」
(#´゚_ゝ゚`) 「そぉぉっぉぉぉの当選番号券をこっちによこせぇぇぇえぇええええああああああ!!!」
( ・3・)o[] 「ん」
(;´・_ゝ・) 「あっさりしてんなおまえ!!」
( ・3・) 「いつもオサムさんに振り回されてますんで」
(´・_ゝ・`) 「苦労してんだなオマエ…
あ、引換券はきっちりいただくぞ?返さないぞ?いいな?いいな?もう返さないからな?」
('A`)
('A`) ( これでいいのか…?これからペニサスを逮捕するっていうのに、こんなんでいいのか…?!
いやいや考えるんだドクオ!むしろこのほうが気負いすぎないベストな状態であるんだと考えるんだ…
そう、これは緊張感がほどよく解けたベストな状態なのだ… )
('∀`) ( ならば、この賑わいの中にこのオレも参加してもいいだろう…みんなと一緒に緊張を解し、
一丸となって仕事をするのだ…あらやだ、いつものドクオらしくないポジティブな思考。イッツグゥレイトゥ…。
そうとなれば早速オレにもこの賑わいにはいろうではないか…)
('∀`) 「なーなー、最近夢でみた話なんだけどねー
ただっぴろい図書館のなかに巻き毛が特徴な猫とへんな三人組がいてさー」
- 147 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:12:23 ID:v11sAzC.0
(,,゚Д゚)-ァ 「ドクオさん、信号、青になってますよ」
('∀`) 「そうだったー!!僕はジャンケンで負けて運転手さんしてるんだったぁぁ〜〜〜ん!!ぶるんぶるん!」
('A`) 「ぶるんぶるん」
(´・_ゝ・`) ヤッター シコメアンコー ゲットー
("、゛iliトソン ク、クー…クゥ〜…
川;゚ -゚) ハイハイ
私達はいま、長いようで短かった船旅を終え、次はバス旅を洒落込んでいた。
新しい仲間、二人を加えて。
( ФωФ) ワガハイ ニモ ワケテクレヨ シコメアンコウ
[] ミ[]
ヾ(*´^_ゝ^`*)ノシ イ―――ヤ―――ダヨォォォォォン!!! ベロベロバ―――!!!
サスサス 川 ゚ -゚)ノシ(゚、゚iliトソン オエーオエー
デミタスさんに醜女鮟鱇をねだっている、輪護謨魔王ロマネスクと、
今、私が背中をさすってあげている、ドクロ鍋のトソンである。
- 148 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:13:08 ID:v11sAzC.0
あの戦いから、ロマネスクの方から協力を申しだしてきた。
彼曰く、自分はペニサスさえ会えればそれでいい。という。
無論、最初はみんなから拒否されてはいたが、何ぜ相手はランキング1位の人間だ。
それに加え、デミタスさんからの口添えもあった。
(´・_ゝ・`) 「大丈夫!ロマネスクさんはまじ良い人だよ。僕が保証する。なんかあったら僕が抑えるから」
(;゚Д゚) 「ん…む…?」
あの戦いの中で、デミタスさんはロマネスクさんを打ち負かしたようだ。
そのためなのか、はたまた他に思惑でもあるのか。とにかく協力的になってくれたのは確かだ。
しかし、ロマネスクさんも、潔く「ああ、吾輩の負けでおわった」と、言ってるし。他に見た人はいないから反論しようがない。
もっとも、私はあの時、実際見たわけではないが、倒れていたロマネスクさんのそばに
デミタスさんが立っている風景を、私は目撃している。
(,,゚Д゚) 「いっておきますが、あなた達はまだ重要参考人止まりですからね?変なことはしませんように」
川 ゚ -゚)+ 「手錠ならいくらでもありますからね」
(´・_ゝ・`) oO(そういえばクーは警察関係者なんだった)
(,,゚Д゚) 「そして、この作戦を善意で協力してくださる市民としておきますが…
終わったらちゃんと出頭してくださいね?」
( 十ω十) 「ああ、それでいい」
(゚、゚#トソン 「あたいは無関係だっつーの」
- 149 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:14:11 ID:v11sAzC.0
そして、僕達はいま、ぶるんぶるんとバスの中にのって
ペニサスの実家がある抜久市へ向かっているところだ
そして、バスの中でロマネスクさんから、デミタスさんに、こっそりと話しているところを
聞き盗んでしまった。
(#ФωФ) 「吾輩はまだ、決着がついたとは思っていないし、貴様を認めたわけでもないぞ」
( ФωФ) 「だが、一応、善意で言っておいてやる」
( ФωФ) 「その能力あまり使うな」
(´・_ゝ・`) 「ゥ―――ィ ッオラィォラィ」
と、ロマネスクさんは言っていた。どういううことなんだろうか。
デミタスさんの能力は唯の未来予知だし、ミルナさんからの話では
「どちらかというと、能力を使わず策で嵌めて勝ってきた、知能派の人間だ」
と言ってた。
つまりは、そこまでに能力が貧弱なのか、それとも…強力すぎて、扱い切れないのか。
(´・_ゝ・`) 「ん?クーどったん?僕の顔をマジマジみつめちゃって…」
(´//_ゝ//`) 「んもう!デミちゃん沸騰しちゃうよ!!らめぇ!!婦警さんがこっちをみてるよぉ!!////」
(゚- ゚ 川 「のどかな風景だなー」
バスは走る。
- 150 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:15:01 ID:v11sAzC.0
(,,゚Д゚) 「さて、と」
(,,゚Д゚) 「みなさん、しっこいようですが、抜久市も近いのでスケジュールの確認をします」
(´・_ゝ・`) 「お、もうか」
出利道 抜久市。 ここは港町のある市の隣の町だ。
「田舎町」から「地方都市」への発展途上にある町だ。
先ほどの港町から、バスで走って3時間くらい離れている。
道沿いには、ずっと辺鄙な草原や林。ところどころに牧場らしきものが見え
牛小屋やそこからひょっこりと牛やら羊やらが顔をみせている。
そんな風景が、あれこれ2時間は続いた。
ギコさんが立ったので、外もなにか変化があったかと思ってちらりと外を見ると、
相変わらず林と道しかみえない。
ドクオさんのいる運転席側をみれば、ずっと先に伸びる道が一本だけあるだけだ。
ほんとうに、のどかな風景だ。
川 ゚ -゚) 「ほんと、のどかな風景だー」
(´・_ゝ・`) 「あ、みろよ、牛だ牛だ。すげぇ。こっちみてるよあの牛かわいい!!」
川 ゚ -゚) 「あ、ほんとだ。うわー、羊もいるよ。すごい白い!白い!!ふわふわしてそう!!」
( Д iliトソン 「うごぉぉぉ!!!ク、クゥー!!クゥー!!さすって!!背中サスッ!!さっ!!」
ハイハイ 川 ゚ -゚)ノシ( Д iliトソン ヴァーヴァー
(;゚Д゚) 「あの、ちょっと、話していいですか?」
そうだ、私たちは、これからペニサスさんの家に行くのだ。
おそらくは、ロマネスク戦のように厳しく大変な戦いになるかもしれない。
私は、戦闘に参加はできないが、サポーターとして最大限努力はしようと思っている。
だから、これからギコさんの話す内容は、すでに覚えてしまっても丹念に確認していこう。
(,,゚Д゚) 「スケジュール通り、今日12:00頃…つまり1時
- 151 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:15:57 ID:v11sAzC.0
3 2 8
N y a r
l p
a e
t t
h o
『図書界の猫』 が笑うと
.
- 152 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:16:40 ID:v11sAzC.0
(;゚Д゚) 間後に…って、ちょっと私語はやめてくださいよ!なに笑ってるんですか?!」
爪#)'ー`) 「へ?オレいま喋ってねーぞ。ガチでシリアスモード突入だし。ガチマジだしヤバイし」
ハハ ロ -ロ)ハ 「いいからあんたは黙っててくだサイ。いつまでも構ってあげられないんですカラ」
爪#)'ー`) 「はい」
( ゚"_ゞ゚) 「…どうやら、抜久市も、すぐのようだな…」
(,,゚Д゚) 「え? 抜久市はまださきですよ。近づいてますが時間でいうと1時間くらいあと…」
( ゚"_ゞ゚) 「我を誑かすか。アレを見よ。見事な文明の象徴、紅白に染まった鉄塔がみえるではないか」
(,,゚Д゚) 「塔?」
川*゚ -゚) 「あ、あれか。まだまだ先だけと…大きいなぁ…」
ハハ*ロ -ロ)ハ 「Oh、ほんとデスねー。相変わらず真っ赤で…ビッグデス…」
ミ*゚ー゚彡 「まぁ…ご立派…」
(;*゚Д゚) 「君たちね…そういうのはおやめくださいよ!」
('A`) 「え?なになに?僕もみせてよ!ちくしょー!!運転中だったぁぁ〜〜ん!!ぶるんぶるん!!」
- 153 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:17:33 ID:v11sAzC.0
3 2 9 ω 『裏』では嫌われていて
.
- 154 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:18:18 ID:v11sAzC.0
(´・_ゝ・`) 「…」
(´・_ゝ・`) 「ねぇねぇ、トソンちゃんトソンちゃん」
(゚、-#トソン 「ちゃん付けんな…!!煮出すぞてめぇ…!!」
(´・_ゝ・`) 「トソンちゃんも、ペニサスと一緒にここ暮らしてたよね?」
(゚、゚#トソン 「たりめぇだ!!どこぞの生き別れた姉妹かと思ったか?!いや今別れてるけど!!」
(´・_ゝ・`) 「あんなタワー、あったっけ?」
(゚、゚#トソン 「あん?」
(゚、゚トソン 「なんだありゃ?」
('∀`) 「あ、見えた―!!やっと見えたー!!へぇ〜〜〜ここにも東京タワーっぽいのあるんだ〜〜」
.
- 155 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:18:58 ID:v11sAzC.0
|
人
〔幵〕
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|幵|
|YY|
|xl!t|
|x||x|
|x||x|
'"`゙ヾ |Y||Y|
,. '"⌒ヾ |X||X|
;;.:''゙' ゙ ,,) ,.. -、 |x幵x|
リ r'"´ ⌒ヽ, |x幵x|
;., '"⌒ヾ ⌒ `ヽ' ,、_,,.;.,'´ ̄`ヽ |X幵X|
,.、.゙、 ゙、 /l ,;' ,. ,;'r'"⌒ヽ, |W幵W|
ヽト、;.,、 ,.;' ,,._;;') _f幵幵幵幵t
レ'r'"´ `ヾヽ 、;.,_', ,'|l! r'ゞ,,;' `ヾ ‘示示示示示’
l!./ゞ、 .,.;;'ノ /⌒ヾi! ,/、;.,.''.,; , ,. '; //777,ママヘ
i´ // ,.、 ;.,、_,.;'')'/ 、.,;''/ ., ;:.') //77/―iママヘ
|/./'".,゙'" ., ;:' ;.,'")ノ |i!l|_/、;., 、.,;;. ,.;'ハ、X7,' ∨Xヘ
l!/ (⌒;.,;. ;、.,;ll! l|.ヽ|i!l| lv/;.,、__,.、.;:ノ'" `ヽ/ ∨Xヘ
|、wv从/l'|、wv从/l'|、wv从/l';.,'|l! l|. |i!l| |i!|.'|i!|' 、.,;'゙:、.,;., ,.;_..;')______∨Xヘ
川 /|ノル'川 /|ノル' ノルバl 彡ハ///vw彡|i!|,,;.、,:'゙、,:' ,:;゙ヽ,;.,ヾ苙苙苙苙苙苙{
VjjNw/〃lVjjNw/〃レ'ヘ lル'/vwjj/从jj/彡彡,..|i!|,,,,,,____ハ VXヘ
---――''"""""´´~."""""" ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄```゙゙゙゙゙゙゙゙''''''''''―――--
:.:.:.:.:.:.:.: .: .: .: .: . : .:
- 156 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:20:08 ID:v11sAzC.0
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T o w n
『TOKYO四天王』は追放される。
.
- 157 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:20:50 ID:v11sAzC.0
(;'A゚) 「…え?」
(´・_ゝ・`) 「お、おい、ドクオちょっと待て」
('A`;) 「え…。いや、へ?なんであんな所に…」
(´・_ゝ・`) 「いや、返事するだけでいい。ねぇちょっと」
(´・_ゝ・`) 「とーきょータワーって なに?」
('A`) 「へ?」
(#ФωФ) 「捕まれッ!!!」
次の瞬間、バスは空を飛んだ。
- 158 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:21:38 ID:v11sAzC.0
[][] __
,⊆⊇、⊂⊃ ノ_ |___ n _n__ ___n__ _n__ ,⊆ 乙 ___ ,⊆ 乙 ___
フ 广 ,⊆⊇ く へ」 |`フ∠ l |└i七 ⊇ ⊆└i七┐`7⊂ └ーtノ`7⊂ └ーtノ
 ̄n ⌒n'┘ く/└'⌒'┘ LK⊆T (⊆广 (r匕r'_) `‐┘ 广ー┐`‐┘ 广ー┐
//__n | r‐┘ ┌┐ ┌┐「|_  ̄ ̄  ̄ ̄
└'⌒┘佝コ ┌-' ’─┐ ノ ├, 、┘ []]
|`ニ´| Γ|_、└┐┌-┐l _n__ ∠ノ| |「ロロ」 r‐─┐___ n ,⊆'、 r‐─┐__n_
| |三 | | r‐┘ ノ ノ | | Zn幺 | | 、フ<、 _、`ア/ ア∠ _」 己└っ | `ア/ `て 「
ノ/ リ 佝コ< / ノ 」 (⊆′ レ//^ゝ> つノ ヽつ └(ヌノ(⊆广 └‐' ヽつ r'丿
第 ‡ 話
(゚A゚) 「ウボァ―――ッ!!」
(#ФωФ) 「ちぃぃぃぃぃぃぃいいい!!」
爪;'ー`) 「おぅぅぅうう!?」
(;゚Д゚)「ゴルァァァ?!」
ミ;*゚ー゚彡 「わわ?!」
(゚、Oiliトソン「うん ッグ!!プシュッ!!」
川;゚ -゚)「な―――!」
( "_ゞ )「 シーン 」 ( 3 )「 シーン 」
- 159 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:22:26 ID:v11sAzC.0
(´・_ゝ・`) 「わぁ、バスが空飛んでるやぁ…」
_/::[]:::::ヽ_
(((´;_ゝ;`))) 「きゃい〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んッッ!!!」
(( | ノヽ | ))
><
ところで話それるけど、‡ってすごいかっこいいよね。
本当は『第十一話』なのに、つい強引に使っちゃったw ☆^(^∀`) ヘケッ(笑)
‡邪悪白銀黒龍超絶漆黒ドラグーン作者‡より
- 160 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:25:34 ID:v11sAzC.0
川;゚ -゚) 「あ…あ…ぁぁ?!」
飛んだ。というのは間違いだった。
正確に言えば、「突き上げ、飛ばされた」のだ。
一瞬だけ、見えた。バスが空中に舞い、一瞬だけの無重力状態になったその時。
たまたま、私はバスの窓から、外の風景が見えた。
バスが道路の上に走行していったら、いきなり下の方から何かが現れ
そのまま恐ろしい高度まで突き上げられたのだ。
その、「何か」とは、首都や都会でしか見られないような超高層ビルのそれだった。
その事実を理解できた人は、この激しく揺さぶる車内で私以外には居なかった。
しかし
(#ФωФ) 「フォックス!!!」
_,,_
爪'ー`)凸 「アイ!アイ!サー!!」
百戦錬磨のロマネスクさん。
自由奔放なフォックスさん。
この緊急事態に二人の息は、ボルトとナットのようにきれいに噛みあった。
(´;_ゝ;`) 「うえええええーん!!トソンちゃんのゲロが目に入ったァァァ!!しみるぅぅぅぁぁぁ!!!
なんか乳酸菌っぽいクルーミーな酸味がするのがなんかいやだだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ごぉッ!!おる!!オヴォヴォヴォッヴォヴォヴォヴォオオオオオオ!!!カカッッカ カツゲェェェェン!!」 (。、0*トソン
つき上げられた衝撃でトソンの膝の上にぶったおれたのはデミタスさん。
ついに耐え切れず吐いてしまい、膝の上にいた人の顔面にゲロ攻めをしていたのはトソン。
この緊急事態に、二人の息は。熱湯風呂の上にいる人とその後ろにいる人のようにきれいに噛みあった。
- 161 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:26:30 ID:v11sAzC.0
爪'ー`) 「 高宇遠広有無 【 コンコン 】 」!
ピンぼけフォックスの能力、「高宇遠広有無 【 コンコン 】」
それは物質そのものの輪郭をぼかすことで、あらゆる物理影響を受け付けなくなる。
「幽霊になる能力」!!
それを、このバス、乗車人、全てを、かける!!
全員が、なんとなくぼやけ、半透明になった―――。
デミタスさんの顔面にうけたゲロは、別にそのままである。
爪v'ー`)v 「能力☆完了!」
フォックスさんがテヘペロタブルピースをしながら、そう言ったその時、眩しい煌きが、このバスを貫いた。
しかし、バスは無傷のまま、光は遥か向こうに消えた。
- 162 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:27:12 ID:v11sAzC.0
川;> -<) 「まぶしッ」
爪;'ー`) 「…っぶね!!」
光は、あの見えた赤い鉄塔から放たれたものだった。
しかし、間一髪のところで、フォックスさんの能力によって辛うじて回避できたのだ。
爪'ー`) 「フサミの姉御さん、屋根だけ解除しやす!!」
ミ*゚ー゚彡 「わかりました!!」
まるで、リレーのように次々と能力をバスにかけていく。
まず、フサミさんの能力によって、すでに上から下へ落下しつつにあったバスに
重力効果をかけ、支配下においた。
しかし、私は、あの超高層ビルを目視してしまったからなのか。
もう一度、異常な風景を気づくことになる。
ミ*゚Д゚彡 「そのまま、降ります!掴んでください!!」
川;゚ -゚)-ァ 「まえ―――ッ!!」
ミ゚ー゚ *彡 「え?」
- 163 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:28:40 ID:v11sAzC.0
私が、指さしたのは、運転手席の方向、正面の窓ガラス。
バスが、落下していく方向の、つまり地面方向。
そこには、無数の、ビルが生えてきた。
ミ;*゚ー゚彡 「―――ッな?!」
爪;'ー`) 「 高宇遠広有無 【 コンコン 】 」!!
次は、間に合わなかった。
フサミさんは、自由落下していたバスからじょじょに力をかけ、前へ前へと大きな弧を描くように
ブランコ運動しつつ、安全に着陸することを目論んでいた。
それは周りになにもない原っぱや海の上ならば、できる話だったのだろう。
しかし、唐突に現れた超高層ビル群を前にして、その計算は狂った。
フサミさんは、咄嗟に、一つのビルの屋上の上に無理やりでも着陸させようとしたが
慌ててしまったフォックスさんの能力がバスにかけなおしてしまい
結果、フサミさんは、バスを持ち上げるための取っ手を失ってしまった。
結果、バスは垂直落下から、やや、七時方向にむかっておちるような形になってしまう。
バスはそのまま無数のビルの一つの、屋上の上に落ち、音も衝撃もなく側面から抜けた。
ミ*゚Д゚彡 「フォックスさん!能力を…」
爪;'ー`) 「いいや、そのまま行く!!!」
爪;'ー`) 「 高宇遠広有無 【 コンコン 】 」!!
- 164 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:29:39 ID:v11sAzC.0
フォックスさんの能力は、地面には、いや、この星そのものには効果がない。
本当に幽霊状態になったならば、重力に従い、足の下にある地面もなにもかもか通り抜けて
星底の炎海に堕ちてしまうだろう。
理屈上、フォックスの能力は地面も通り抜けることができる。
しかし、その堕ちるという「恐怖」がストッパーになり、そのストッパーが能力に制限をかけていたのだ。
だから、フォックスはこの能力を使っても、地面まで透過して堕ちることはないのだ。
爪;'ー`) 「10代のド根性みせてやろっろるるるるううううううううう!!!!!!」
しかし、恐怖を抑え、バスの、正面と!!地面と!!触れる部分を!!
ぼかす!!
爪;'ー`) 「ウウウウウゥウゥゥゥゥゥゥゥウゥウウ!!ば―――カァァァァァ!!!」
爪;゚ー`)゚・. ブッ
鼻血。このバスそのものの落下運動エネルギーを、衝撃を、そのものをぼかしているのだ。
能力に負荷がかかり、それはフォックス自身にダメージを負うことである。
バスの全てを、地面に沈めない。しかし、衝撃がぼけるくらいの、濃度で一部分だけ沈める。
フォックスは、こういった、強引さと細かさの両立性は、とくに優れていた。
バスは、地面に衝突した。そして、そのままずり動いた。
衝撃音もなく、しかし、能力が削られるような不快音がフォックスのみみなりとなって響いた。
ずぅ――――――ッ と、バスは逆立ちしながら地面の上に滑っていく。
落下運動エネルギーが、下の方向から横の方向へ移行したのだ。
- 165 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:30:33 ID:v11sAzC.0
爪;゚ー`) 「らしゃぁあ!!」
ガッツポーズ。目の前の運転ガラスから見える風景が、地面からただのよくある都会風景に変わった。
バスは、落下エネルギーを分散しきり、後部を大きくバウンドさせ、着陸を成功させた!!
ミ;*゚ー゚彡 「やった…!!」
爪ヾ'ー`) 「…も、もうこれ以上ぼかせねーっすよ…」ゲンナリ
( ФωФ) 「よくやったであるフォックス。褒めてやる」
爪ヾ'ー`) 「咄嗟のリクエストのおかげだよー。でも…」
_,
爪ヾ'ー`)+ 「そーの目の上から喋るのはいただけないね〜〜〜
たぬきのおっさん、そこは卑屈にも土下座して「フォックスさまぁぁぁぁありがとぉぉっぉぉ」でも
言いながらボクちんの靴をなめなめするのが…最低限のマナーじゃないですかぁ〜〜ん〜〜?」
_,,_
( 中ω中) 「ははは、このキツネ小僧め」ガシガシ
爪;ヾ'ー`) 「ちょ、マジで頭なでんな。ガシガシすんな。この帽子大事なんだぞって、やめろ、マジ鼻血でてるから」
川;゚ -゚) 「た…たすかった…」
川 ゚ -゚) 「…?」
ふと、感じる違和感。
- 166 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:31:34 ID:v11sAzC.0
バスは…まだ走っている。
無理矢理とはいえ、無事着陸したが、まだ運動エネルギーは死んでいない。
惰性に進んでいる。相当なスピードだ。いや…これは…。
ちゃんと、エンジンをかけて走っている?!
(;゚Д゚) 「う…うーん…!?」
そこにギコさんが立ち上がり、ドクオさんのほうを見る。
そして、なにかを驚いたようだった。
(;゚Д゚) 「ド…ドクオさん?!」
( A ) キューッ
なんと、ドクオさんは気絶したまま、ハンドルをにぎり、アクセルをベタ踏みしていた!
一度、ライナーバスを乗ったことがある人ならわかるだろうが、バスの運転席は
客席のそれよりも、地面に近い位置にある。そして、周りには機械類を囲んであり
運転席という世界を構築しているのだ。
だからこそ、この状況になると、運転手を引っ張り出してブレーキをかけるということが
困難になってしまうのだ。
- 167 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:32:26 ID:v11sAzC.0
しかし、私は別にそこまで絶望を覚えなかった。
この通りはまだ長いし、こっちにはフサミさんなどの能力者もたくさんいる。
私は、別に慌てることもない…とおもっていたが、
ヒビ一つもない正面ガラスの先を見てみると、とんでもない風景が目の中に飛び込んできた。
私は思わず、先ほどと全く同じポーズとセリフを使い回して、叫んだ。
川;゚ -゚)-ァ 「まえ―――ッ!!」
目の前には…あの赤い鉄塔が、走ってきた。(文字通り)
(;゚Д゚) 「はいぃぃぃぃぃぃイイイ―――ッ?!」
ミ;*゚Д゚彡 「ぇぇぇぇぇぇ!!!」
- 168 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:33:06 ID:v11sAzC.0
あの赤い鉄塔は、その鋼鉄の四本足を器用に動かし、その背の高い体をしならせながら
馬のように走ってした。まるで巨大な生物のようだ。
シュール。
爪;'ー`) 「ドクオさぁぁぁぁぁんんん!!無敵のプラマイゼロでなんとかにしてくださいよォ―――ッ!!」
( ∀ ) ニャ… ニャンニャ〜ン… コッチコイコイ、オイチィ オイチィ カンヅメ アルヨー…
(#゚Д゚) 「ごるぁぁああああ!!」
ギコさんは無理やり運転席に体半身を投げ出し、ハンドルを切った。
瞬間、再び赤い鉄塔の、その巨体の縦中心あたりにある、天覧台らしきところからあの光が煌めいた。
バスはぎりぎり、その細長い光とすれ違った。爆発音はしなかった。
しかし、そのかわりにそれよりもはるかに、破裂音でない不快な、焼ける音がじゅわぁぁぁと聞こえた。
後ろ向いてみると、恐ろしい量の煙と、凄まじい炎、火山のような赤い光がほとばしっていた。
道路が、溶けたのだ。
(#゚Д゚) 「この姿勢で失礼いたします!!皆様最寄りの物をしっかり掴みやがってくださいませってんだよゴルぁ!!」
ギコさんは、運転席から腰と足だけ生やした、そんな状態から、
もはや丁寧なのか粗暴なのかわからない事を怒鳴った。
私は彼の言うとおり、身近にあったイスを必死に抱き掴んだ。
(#゚Д゚) 「ゴルッ!!ゴルッ!!ゴルァ!!」
- 169 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:33:47 ID:v11sAzC.0
- 彼は、妙ちくりんな姿勢のまま、ハンドルをさばき、三発目の光をかわした。
ふたたび、あの焼ける音がエンジン音と駆動音と、タワーの足音にまじれて聞こえた。
(#゚Д゚) 「これよりあの横道のなかにチ●コ突っ込みます!!おーきな衝撃まいりまーす!!」
ギコさんは、おおきくハンドルが切る。大きな横Gがやってくる。
ガクンッという音がする。光が走る音も聞こえた。
バスが、ギコさんのいう横道に突っ込んだ、衝撃がおそった。
(#゚Д゚) 「くそったれ、せめぇぇぇぇぇぇぇええええ!!!久々マ●コですか?こんちっきゃろぉぉぉぉ!!!
ローションでもぶっこんだろぉぉぉぉぉかぁぁぁあああ!!!」
(#゚Д゚) 「ズザ―――ッ!!!」
バスはまがりきれず、バスの側面を強く曲がった先にあった店頭をぶつけ、こすりつけた。
正面ガラスにヒビがはいり、白く染まった。バスがおおきく、揺さぶる。
((川#゚゚ -゚゚)) 「うう!!」 ガクンッ!!
((´ _ゝ `)) ガクンッ!!
.
- 170 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:34:27 ID:v11sAzC.0
(´・_ゝ・`)そ 「は!UFOの夢をみた!!UFOって少年的SFだよね」
( ゚"_ゞ゚)そ 「む…少年といえば、我も美少年と一緒に献血デートをした夢を…」
(;・3・)そ 「うわ、オサムさんと一緒に献血しにいった夢をみちまった!きもちわるッ!」
('A`)そ 「おう!…図書館のなかで猫を追いかけたりする夢をみました。これはどういう暗示でしょうか先生?」
(#゚Д゚) 「グッモーニン!!汚ビチグソ野郎どもッ!!」
( 、 トソン 死ーん
川;゚ -゚) 「トソンさん起きてよぉッ!!」
バスは、その巨体全てを、道中の道傍らにあった、商店街の歩行路の中に収まった。
私は、トソンさんを揺さぶるところじゃなかった、思わずノックアウト状態の彼女の腕を掴み、身を固めていた。
あの、鉄塔が、走りながらこっちに向かってくる…!
しかし、大きな音をたてながら、鉄塔は商店街の入り口を通り過ぎ、そのまま向こうへ走り去っていった。
川;゚ -゚) 「こんどこそ…助かった?」
('A`) 「いけね、ちゃんと運転手さんしないと ぶるんぶるん!」
ドクオさんはまだ寝ぼけているのか、再びアクセルを踏み、再び走りだした。ええー。
(#゚Д゚) 「もっと状況を把握してから走りやがれ!!ドクォサれ脳みぞがぁ!!」
- 171 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:35:09 ID:v11sAzC.0
ズンッ。
(゚Д゚,,) 「へ?」
( ゚"_ゞ゚) 「いや…ファインプレーだ、ドクオ。今しがた、我らがいた所が、潰れた」
(;・3・) 「ひッ…!!」
後ろを方をみやると、私達がいた所に、道を中心にして左右に座するの小寂れた店が
道を遮るように、まるでサンドイッチのように、その店頭を合わせあって潰れていた。
もしも、このままあそこにいたら、あっというまにプレスされていたのだろう。
さらに、その手前の左右にあった店も、ズンッ と音をたてて、ぶつかり合った。
(;'A`) 「え?なに?ってかここどこ?!」
('∀`) 「なぁんだ。ここってオレが学生ん時に通校ってた道じゃねーか…
あ、あそこの食堂なつかしい。あそこのぶた生姜焼きはやたらと塩っ辛いから御飯山盛りで」
(#゚Д゚) 「いいからアクセルふめぇぇぇぇ!!後ろが潰れていくぞぉぉぉー!!!」
('A`) 「え、でも、危ないよ?てかここ商店街だ!ブレーキかけなきゃ!!」
(((#゚゚゛Д`゚゚))) 「 ハ ・ シ ・ レ ッ !!ぶっ殺ゴルぁァァァァァァあああああああ!!!」
(゚A゚) 「ぶ、ぶるんぶるーん!!」
- 172 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:36:10 ID:v11sAzC.0
バスは、今度はちゃんとした意識をもって、再び走りだす。
というか、ギコさんいま中指たててた。てかさっきから信じられないような汚い言葉使いまくってた。
ギコさんってあんなキャラだっけ?
川 ゚ -゚) 「…??」
そして、未だにまだ感じる、なんだこの違和感。ギコさんのキャラ崩壊のじゃない。
(#ФωФ) 「一体…なんなんだ?!いきなり現れたこの町は?!」
( 、 トソン 「ピクッ ピククッ」
爪;ヾ'ー`) 「はぁッ…フサミの姉御、次は頼みやす…!!オレは今ちょっと無理」
ミ*゚ー゚彡 「承りましたわ!!」
( ゚"_ゞ゚) 「して、抜久市はまだかね?」
( ・3・) 「オサムさん、オサムさん、そういう状況じゃないと思う」
(#゚Д゚) 「もっとアクセルふめやゴルァァァァ!!!」
川 ゚ -゚) 「あれ、なんだろう…?あれ、なんだろう…?」
(´・_ゝ・`) 「くんくん」
(;´゚_ゝ゚`) 「うっわ臭!!!ゲロ臭!!あとほのかに甘い香りがする!!ヤクルトだこれ!!」 ※カツゲンです
- 173 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:37:31 ID:v11sAzC.0
('A`) 「よーし、なんとかわかってきた。いますげーピンチッチなんだな」
(゚A゚) 『黒くて白い世界【プラマイゼロ】』 「オレらをこの世界からマイナス、プラス世界にプラスしろぉぉぉ!!」
ヾ(´^_ゝ^`)ノシ 「やったー!!無敵のプラマイゼロだー!!」
爪vヾ^ー^)v 「これで何とかにしてくださったー!!あとてめぇゲロくさいしなんかぬめってる。近寄んな死ね」
(,,^Д^)+ 「いやぁ…よかったよかった。
いえ、失敬。つい素になっちゃいましたねw ギコハハハハハハ!!」
(゚A゚) 『黒くて白い世界【プラマイゼロ】』 「オレらをプラス世界にプラスしやがれッ!!」
(´^_ゝ^`) 「うん?」
(゚A゚) 『黒くて白い世界【プラマイゼロ】』 「オレらをプラス世界にプラスしてっ!!」
爪ヾ'ー`) 「………」
(゚A゚) 『黒くて白い世界【プラマイゼロ】』 「オレらをプラス世界にプラスしてくださいッ!!お願いします!!」
(,,゚Д゚)
- 174 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:38:28 ID:v11sAzC.0
('A`) 「う〜〜んむ………」
,.ィ , - 、._ 、
. ,イ/ l/  ̄ ̄`ヽ!__
ト/ |' { `ヽ. ,ヘ
N│ ヽ. ` ヽ /ヽ / ∨
N.ヽ.ヽ、 , } l\/ `′
. ヽヽ.\ ,.ィイハ | _|
ヾニー __ _ -=_彡ソノ u_\ヽ、 | \ プラマイゼロ
.  ゙̄r=< ー _ゞ-=7´ヽ > 『黒くて白い世界』が
. l / \ ‐''´冫)'./ ∠__
゙i トr‐' / 発動できないよー!!
l u /\ ./│ /_
. ヽ. | | / ト, | ,、‡1
>、 ├―┤ ./ / |ヽ l/ ヽ ,ヘ
_,./| ヽ`ー--‐ _´.. ‐''´ ./ \、 \/ ヽ/
-‐ '''"  ̄ / :| ,ゝ=< / | `'''‐- 、.._
/ !./l;';';';';';';\ ./ │ _
_,> '´|l. ミ:ゝ、;';';_/,´\ ./|._ , --、 | i´!⌒!l r:,=i
. | |:.l. /';';';';';|= ヽ/:.| .|l⌒l lニ._ | ゙ー=':| |. L._」
l. |:.:.l./';';';';';';'! /:.:.| i´|.ー‐' | / | |. ! l
. l. |:.:.:.!';';';';';';';'| /:.:.:.:!.|"'|. l' │-==:|. ! ==l ,. -‐;
l |:.:.:.:l;';';';';';';';| /:.:.:.:.:| i=!ー=;: l | l. | | / //
l |:.:.:.:.:l;';';';';';';'|/:.:.:.:.:.:.!│ l l、 :| | } _|,.{:: 7
l |:.:.:.:.:.:l;';';';';'/:.:.:.:.:.:.:.:| |__,.ヽ、__,. ヽ._」 ー=:::レ' ::::::|; 7
. l |:.:.:.:.:.:.l;';';'/:.:.:.:.:.:.:.:.:.|. \:::::\::::: ヽ ::::::!′ :::| .:/
. l |:.:.:.:.:.:.:∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.! /ヽ::: `::: :::: ....::..../
‡1 ('A`)
- 175 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 18:39:13 ID:v11sAzC.0
ナ ゝ ナ ゝ / 十_" ー;=‐ |! |!
cト つ cト /^、_ノ | 、.__ つ (.__  ̄ ̄ ̄ ̄ ・ ・ ‡234
ミミ:::;,! u `゙"~:´:::::::::::ヾ彡::l/VvVw、 ,yvヾNヽ ゞヾ ,. ,. ,. 、、ヾゝヽr=ヾ
ミ::::;/  ゙̄`ー-.、 u ;,,;:::::::::::j:::::::::ヾk'! ' l / 'レ ^ヽヘ\ ,r゙ゞ゙-"、ノ / l! !ヽ 、、 |二二二二
ミ/ J ゙`ー、 " ;, ;;; ,;:; ゙:::::::u ヾi ,,./ , ,、ヾヾ | ' ノ/ l::::::::::::::::j:::::!::::| Nヾ|=========
'" ゝ.、 ;, " ;;:::::::::::_,,..._ゞイ__//〃 i.! ilヾゞヽ | 、ノ ー-┘) :,,:,,:::::::::::i---------
j ヾヽ、 ;; ;; _,-<:::::::―_,,\' ,,::::::::::::::::::_ ヽ.l ` ○:::::::::::::::::::`ヽ |____
(●  ̄≠Ξイ´::::::::::::::::::::/イ´:::::::::::::::::::::イ::"´::::´、 i u:::::::::::::○ イ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
,,......:: ´゙i、 ●):::::::/ i ー--:::::::::::I::::::::::::::::,イ゙l / ``-、..ヾ :u l_____
u 彡" 、ヾ ̄``ミ::.l u ー- .i / /、._ `'y /≡≡≡≡≡
_ u `ヽ ゙:l ,.::- 、,, ,. ノ u ! /_  ̄ ー/u /三三三三三三
/ _,,..,,_ ,.ィ、 / 三 /__ ``- 、_ l / ``ーt、_/ /
゙ u/ ,./´ " ``- 、イ| r'´ u |:: .l,... `ー一''/ ノ ┌―――┐ /≡≡≡≡≡≡≡
./__ ∪-7 /::: l '゙ ヽ/ ,. '" \ .::ノ、――――――――
/;;;''"  ̄ ̄ ───/ ゙ ,::' \ヾニ==='"/ ` `- 、 ゙ー┬ '´ / \..,,__==========
、 .i:⌒`─-、_,.... l / `ー┬一' ヽ :l / , ' `ソヽ
ヾヽ l ` `ヽ、 l .= ヽ l ) ,; / ,' '^i--------
‡2 (´・_ゝ・`) ‡3 爪'ー`) ‡4 (,,゚Д゚)
.
- 179 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:02:22 ID:v11sAzC.0
( ゚"_ゞ゚) 「ロマネスク!!!」
次は、オサムさんが座りながらシートベルトをぎしませ
胸のホルスターから拳銃を取り出し、火薬が弾ける音を鳴らした。
銃弾は、みんなの体とすれ違い、正面ガラスを突き破った。
パリンッと、ガラスは音を立てて砕け、消え去った。大きな風が入り込む。
(#ФωФ) 「よしきたッ!」
ロマネスクさんは輪ゴムをとりだした。
これは、普通の輪ゴムではなく、、幅が1cmはあり、切って測れば30cmはありそうな大きな輪ゴムだった。
これを、左手の親指にひっかけ、右手の親指と人差指でつまんで引っ張り出す。
片手だけで輪ゴムをうちだすことを「輪ゴム鉄砲」というならば
これは「輪ゴム弩砲」と言うべきな、豪放なスタイルだった。
ビシュッ と痛快な音を放し、その輪ゴムは、入ってくる荒れ狂うを物ともせず逆らい
窓ガラスの失った正面窓から飛び出して、バスの前方という位置に座した!
(#ФωФ) 『間関門【リングリンクリング】』!!
(#ФωФ) 『われらをバスごと、別空間とつなげて避難させよ!!』
輪ゴムは力なく、そのままぺしゃっと地面におちて、バスの下を通り過ぎた。
( ФωФ) 「あれ?」
- 180 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:03:04 ID:v11sAzC.0
爪;ヾ'Д`) 「なにやってんだようんこタヌキぃぃぃぃぃいいいい!!」
(ФωФ;) 「い、いやちが…!!」
川 ゚ -゚) 「そろそろワンパターンになってきたと思いますが、ご容赦を」
川;゚ -゚)ーァ 「まえ―――ッ!!」
私は、今日三回目の絶叫をあげる。
前の方にも、商店街に並ぶ店頭が奥から順番に、道を遮るように
ズンズンとぶつかり合いながらこっちに迫ってきた。
(#゚Д゚) 「くそったれぇぇぇぇぇ前もかよっぉぉぉぉぉぉ!!」
(゚A゚) 「安心しろ!!!この道、オレは知っている!!」
,_ , .
( Фω中) `
(゚A゚) 「そう!!あの先の本屋の隣にある道、あそこのは広くてこのバスでも曲がれる事を知ってる!!」
そうドクオはさらにアクセルを踏んだ、目の前には次々と建物が道を遮るように動いているが
その遥か手前に、確かに広そうな道があった。
- 181 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:03:44 ID:v11sAzC.0
爪;ヾ'ー`) 「間にあえぇぇぇぇッ!!」
(゚A゚) 「っつ―――かよぉ〜〜〜バスの運転手さんくらい手配してこいよぉーーー!!
なぁぁぁんでジャンケンで運転しなきゃいけねーっつーんだよぉぉぉ〜〜〜!!」
(,,゚Д゚) 「あ、それ今きくんですか。今日担当だった運転手さん、風邪でみんなこれないんですよ」
(((#゚゚A゚゚))) 「根性で勤務してこいやぁぁぁ!!!過労死しろぉぉぉぉぉお!!!ヴァ、ヴァ、ヴァーァア〜んッ!!」
さらに、バスは加速していく、もう少しで横道だ!
しかし、この速度で、曲がりきれるのか?!
(゚A゚) 「筆記試験では4回くらい落ちたが、実技試験は100点満点だったんだ。
でも、よく考えてみればこの能力あったから特に車なんていらなかった。
今やペーパードライバーであれこれ80年近くはハンドル握ってない
このプラスランキング総合責任者、『黒くて白いドクオ』様を
なめるなよぉぉぉおおおおおお!!」
爪;ヾ゚ー`) 「だれだ!!ジャンケンで運転手きめようって言った奴は!!!!オレだァァァああああー!!」
(;゚Д゚) 「ペーパーどころがシルバーじゃねぇぇぇぇかぁぁぁぁ!!!オレと席かわれやぁぁぁぁぁ!!!!」
(´;_ゝ;`) 「神様仏様プラス様ァァァァァ!!!信者になるから我等を救い給えぇぇぇ!!!
あ、プラス様この人だったぁぁぁ〜〜〜ッ!!!」
- 182 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:04:27 ID:v11sAzC.0
ハンドルを右に
ブレーキ
クラッチ
アクセルッ!!
―――めちゃくちゃやってみたら、偶然できちゃったよ!! 『 ドリフト 』!!
(*'∀`*) 「もってて良かった 運転免許ぉぉぉぉおおおお!!!」
爪*'ー`) 「らっしゃぁぁぁぁぁああああああ!!!」
(*゚Д゚) 「ドクオさん SUGEEEEEEEEEEEEEE!!!」
(*´・_ゝ・) 「こ…こんど免許取ろうかな…」 ワクワク
川 ;∀;) 「ぶひゃはははははあwwwwwドwwwリwwwwフwwwwトwwww」
- 183 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:05:31 ID:v11sAzC.0
それは、バスを横にし、タイヤを道にこすりつけ、煙をだし
バスの前右角と後左角は壁を削りとり、火花をハデに散らしながら突き進む。
路中にあった置き看板や観葉植物などをぶっ飛ばしながら
華麗に、本屋隣の道のなかへ、バスは飛び込めた。
これも、ドクオさんが運転教習所に通ってたお陰だ!!
みんなも取ろう!運転免許!!
ゴヌンッ。
(( 川 ゚ -゚) )) 「おっ?」
('A`)
('A`) 「なぁ、おい」
('A`) 「なんでこんなところに、さっきの懐かしい食堂があるんだ?」
道はあった。しかし、そこには不自然にも、道の途中に先ほどみかけた食堂が遮っていた。
そこに、真っ向正面から突っ込んでしまった。
そして、押される。バスが後ろへ、あの道の中へ押し込まれた。
後ろのほうに、ガッ と、嫌な音がした。
- 184 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:06:14 ID:v11sAzC.0
ミ*゚Д゚彡 『星の王子さま【ストーンオーバー】』!!
重力反転!
さっきの衝突で、ドクオさん含めみんなが無事でいられたのもこの
『星の王子さま【ストーンオーバー】』によっていくらが衝撃を軽減してくれだのだ!
ここから、わかるように、フサミさんの能力は大雑把ではあるが…出力(パワー)は、全能力者中、最強!!
この能力によって、押し潰そうとするこのビルを、逆に押し下げ……れ…
ミili ゚ー゚彡 「な…に…? これ?」
川;゚ -゚) 「え?ちょっと」
フサミさんの能力は、ドクオさんやロマネスクさんとは違って、まちがいなく発動できた。
しかし、 押 し 負 け て い た 。
ミリ メキ メギ バス全体から、こんな音が響いてきた。
爪#ヾ'ー`) 「アクセルだ!!もう一度、通り透けてやる!!」
(;'A`) 「アイっぃぃ!!」
ミili゚ー゚彡 「…これ…は…」
ミili゚ー゚彡 「人間の、能力だわ」
( ゚"_ゞ゚) 「―――なに?」
- 185 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:06:57 ID:v11sAzC.0
ズゥン と、音がした。
しかし、フォックスさんの能力によって、物理影響をうけず、バスは建物の中に通り透けた。
爪;ヾ'ー`) 「はやく…はしれ!!このバス全部…いつまでも…かけんの…つらい…」
川;゚ -゚) 「…!」
もしも、この状況で能力を解除してしまったら、どうなるのだろうか。
いま、私の体は、通り透けた食堂の中にあったと思われる、イスや机が突っ込んでいる。
いやな、想像をしてしまった。
(;'A`) 「くそったれなんだよこの世界はぁぁぁぁぁ!!!」
バスは、今度はなんの障害もなく走りだす。
( ゚"_ゞ゚) 「フサミよ…、どういう事だ?」
ミili゚ー゚彡 「だって…いまの…押し潰そうとしてたけど…」
ミili゚ー゚彡 「私の能力でとまって…そう、力をためて、一気に押し潰そうとしていた」
( ゚"_ゞ゚) 「ほぉ」
- 186 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:07:57 ID:v11sAzC.0
ーつまり、この町は、自動で動いているわけではない。それぞれが意思をもって、動いているわけでもない。
そもそも、なぜ、あの鉄塔はレーザーを撃ってこない?それは、レーザーを撃つよりも、この商店街で潰そうと
考えが変わったからだ。そんな非効率的な発想は、個人行動している人間しかできないことだ。
さらに、先程フサミさんの能力で力押し合いになったならば、そのまま「力勝負」になったはずだ。
しかし、フサミさんがいうには、こちらの重力による抵抗をした途端、一瞬だけ力を緩み、押し潰そうとした。
パワーだけなら、フサミよりも格上であるのに、わざわざ一気に力を込め直そうときてきたのだ。
まるで、飴玉のうえに歯をキッチリ噛みあわせてから、一気に噛み砕こうとする、そんな、子供のような行動だ。
( ゚"_ゞ゚) 「なるほど、すくなくとも…この町のは、一人の人間がやってるのだな」
川ili゚ -゚) 「うそ…」
フサミは、こくりとうなずいた。
どう考えても、一人の人間ができるような規模じゃない。
こんな、規格外。もはや災害と呼んだほうがよさそうなレベルのコレ。
これを、たった一人の人間がやっていると?
この世界はプラスゲームではない、現実世界だ。
プラス世界は、ドクオさんの能力の仲介によって、溺死しようが焼死しようがメンチになってしまおうが、
問題なく復帰することができる。
しかし、この世界はドクオさんの世界じゃない。普通の自然の摂理が存在する世界だ。
だから、死ねば死ぬ。
- 187 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:08:42 ID:v11sAzC.0
だのに、災害級の能力を振り回し、こうして私たちを襲っている。
これは、ゲームでみられるような、敵意ではない。
「負かしてやる」とか「オレが勝つ」とか、そういうレベルではない。
「おまえを、殺す」
明確な、殺意。
- 188 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:09:35 ID:v11sAzC.0
オ
オオオオ オォ
r,;:il| |ミ|ヽ、 オ
.l,;:il| |iミ|=lミヽ_ ,ィ=i-='i'ii┐ ォ
ォ .l,;:il| |iミl=lミミfi r'イ|=,il=Hii|| オ
ォ j,;:il| |iミl=lミミfi .|彡|=il=Hii||
ォ i,;:il| |iミl=lミミfi オ .|彡|;=il=Hii|| ォ
l,;:il| |iミl=iミミfi オ .|彡|i=il=Hii|ト、_ オ
お ..|,;:il| |ミl=iミミfi オ |彡||=il=Hii||H升 オッ
ッ .i,;:il| |iミ|=lミミfi |彡j.|=.i=H;i||HHi
.i,;:il| |iミ|=iミミfi ォ j / |.|=i=Hii||HHi|
l,;:il| |i;ミ|=lミlミfi //三i.l=i=Hii||HH.| オォッ
オ
オ この町全てが、殺しにやってくる。
|
.i.l.il iハ;;l干il三ト, .//三//='=//‖l|HHハ オ
|川川ハ|干|i三il //三//='=//‖=|iHHi.|
お |;li .iハ.iト干|l三ハ //三//='=//‖ilニ.l|iHHi|
お l_i.l ifi.ilハ干il三|i //三//='=//‖ ili,=lハ彡ハ オ
お |=il fi li .|干|三|l ‖三//='=//‖/,il|i-lハ彡ハ ォ
l=il fi li .|干i三|i‖三//='=//‖|/ ,ilハ-lハ.彡iハ オ
.i=il fi li .|干il三rイ三//='=//‖ i/ ,,lハハヽ彡iハ オ
j=il fi li i干|三lill三| |=il=H=i | l/ ,|三lハハ彡| ;|
l=il fi li |干i三lill三| |=il=H=i | ヽ='''il三l l=l彡| ;l
i=il fi li .l干il三lill三| |=il=H=i | .|==''|三l l=l彡| .i
l=il fi li .i干il三lill三| |=il=H=i | ,l=='''l三| l=i彡| | _,,,...=--''´
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l=il fi li-t干」|三|┴-ー―====二二>=-<三ミく__
ffftj|=ij_j_jil|二二二三三三二二ニニニ=-'''""´ノ;;;;;;/ ̄`ヽ、≧=-、
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- 190 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:11:30 ID:v11sAzC.0
(#'A`) 「全速力!!この気味悪い町から抜けるぞ!!!」
爪;ヾ'ー`) 「うゴ…鼻血がッ… ナメんな… 十代なめ…」
ミili゚ー゚彡 「そんなッ…こんなッ!」
( ゚"_ゞ゚) 「ファファ…面白い!こんなまねをする阿呆が、この世にいるのか!」カチャカチャカチャ!
( ・3・) 「オサムさん、走行中にシートベルト外そうとしないでください」
(´・_ゝ・`) 「顔洗いたい。水ない?」 ぷ〜ん
(#ФωФ) 「あとにしろ!!んなぁもんはぁぁぁぁああああ!!!うわ、ゲロくさい!向こうにお茶あるから洗え!!」
川ili゚ -゚) 「……ッ」
バスは、走りだした。
こんどは、フォックスさんの能力をかけながら、無理矢理まっすぐ前進していく。
次々と、建物が現れては、消えていく。また通りにでたとおもったら、再びビルの中へ。
1秒。2秒、3秒すぎた。まだ街の中だ。
さっきから、ビルが動いては道を遮り、看板をおとし、ガラスを撒き散らし、マンホールの蓋が飛んできた。
さらに10秒過ぎた。あの赤い鉄塔がみえた。ビル林を挟んで、向こうの道路で並走して、追ってきてる。
また、光を放し、途中にビルが遮っていても貫通して、こっちを狙い打ってきた。
バスにあたる。しかし効かない。まだ、フォックスの力が効いている。
- 191 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:13:47 ID:v11sAzC.0
川ili゚ -゚)
容赦無い、猛撃。
,
川;゚ -゚)"
恐怖。
川 ゚ -゚) 「…?」
違和感。
川;゚ -゚) 「?!」
違和感ッ?!
そうか、私は、気づいてしまった。
この街に迷い込んだ時から感じてた違和感。
いや、その前から…?!
私は、気づいてしまった!!
川;゚ -゚) 「デミさん!!」
(´・_ゝ・`) 「え?なに??今、備え付けのお茶のドリンクバーで顔洗うのに忙しいの。待ってて」 パチャパチャ
川;゚ -゚) 「ハローさんがいない!!」
- 192 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:14:38 ID:v11sAzC.0
(´・_ゝ・`) 「うん?」
( ´・_ゝ)
(<_・` )
(´・_ゝ・`) 「あ、マジだ」
(;・3・) 「え?!」
ミ;*゚ー゚彡 「?!」
爪ヾ'ー`) 「…へ?」
(゚A゚) 「今度は東京ドームかよぉぉ―――!!」
.
- 193 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:16:10 ID:v11sAzC.0
今度は、大通りに出られた。そして、ドクオさんはハンドルを切り、ビルに突っ込まず
障害物の何もないこの道路の上を走った。
一瞬のうちでも能力を解除し、フォックスさんを休めるためだ。
しかし、その大通りの向こうに、今まで見たこともないような、大きくて白い、
格子状になっている巨大なまんじゅうのような物をのせた建物が迫ってきた。
それが見だしたのと同時に、ドクオはそう叫んだのだ。
爪;ヾ'ー`) 「…ッッ!!」
一瞬、フォックスさんの体が強張った。
何かを、考えている。何かで、迷っている。そんな雰囲気だった。
間違いない。 フォックスさんのパートナー、ハローさんのことだ。
ミ;*゚ー゚彡
フサミさんも、気づいた。だからこそ能力を使えなかった。
ハローさんのために戻るか、否か?
結局は、彼女よりも先に彼のほうが、先に決断した。
爪;ヾ'ー`) 「ま、前に進めぇぇぇ―――!!!」
(;'A゚) 「おう!!バッグだ…え?前ッ?!ドーム?!」
爪#ヾ゚ー`) 「ハローは無事だから、ドームにつっこめぇぇぇえぇえええ!!!」
川;゚ -゚) 「…!」
- 194 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:16:59 ID:v11sAzC.0
フォックスさんの鼻血が、さらに流れ出る。
同じ幽体となった、このバスの床に、もう数えきれないくらいの血痕を残した。
フォックスさんの頭の中には、今この場にいつの間にか居なくなった彼女のことでいっぱいなのだろうか?
それとも、保身のために一刻も早く安全な所に逃げ出したいのだろうか?
しかし、とにかく、彼は今…あの東京ドームをやり過ごすために、血を流していた。
そして、目の前に迫るあの白い建物の中に、潜った。
いままでとおなじく、通り透けれる。
と
思ってた。
.
- 195 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:17:43 ID:v11sAzC.0
川 ゚ -゚)
爪ヾ'ー`)
ミ*゚ー゚彡
('A`)
( ゚"_ゞ゚)
(,,゚Д゚)
( ・3・)
( ФωФ)
( 、 トソン
(´・_ゝ・`)
- 196 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:18:26 ID:v11sAzC.0
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三 闇 三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
- 197 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:19:10 ID:v11sAzC.0
(#´・_ゝ・) 「振向くなぁああああああああああああああああああ!!!前だけみろおおおおおおおおお!!!!」
川ili゚ -゚) 「ひ…」
これは、暗がりではない。
電灯を消したときの闇とか、電気を引かれてない夜の山の闇とか
光のないほうの闇ではない。
それより、濃い。
(#'A`) 「んだよこれ!!ライトが…いや、車内電灯も光らねぇ!!」
( ゚"_ゞ゚) 「ほぉ!!これはこれは…」
爪ili'ー`) 「くそったれがぁぁぁぁぁああああああああああ!!!」
普通の闇は、光を前にしてもろく消え去るはずだ。
しかし、これはなんだ。完全に闇。バスの中の電灯も光ってるはずなのに、何も見えない。
みんなが、見えない。ただただ、私はぎゅうとポールを掴んで、離さないようにこらえていた。
いや、見える。時速50km以上走っているバスの中に通り過ぎ去る、闇が見える。
蠢いている。
走る 走る 走る バスは 東京ドームの中で 闇のなかで走る。
フォックスの能力のお陰で、なにも当たらない。しかし、通って行く。
- 198 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:19:57 ID:v11sAzC.0
闇が、私の体の中に、通って行く。
生きた、何かが、私の体の中に、通って行く
川ili゚ -゚) ぞわッ
いやだ!!これは、いやだ!!!はやく抜けてくれ!!!
コッ……
.
- 199 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:20:41 ID:v11sAzC.0
ち
く
わ
大
日月
神
(::^ω^::)
∧∧::)
- 200 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:21:22 ID:v11sAzC.0
コッ…
振
り
向
い
で
よ
-
- 202 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:22:04 ID:v11sAzC.0
コッ…
さ
み
し
い
よ
- 203 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:22:47 ID:v11sAzC.0
コッ
コッ
コッ
コッ
コッ
コッン。
コツン。
コツン。
-
- 205 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:24:09 ID:v11sAzC.0
_ _
,. -‐‐-v、 /´`lト、``ヽ、
/ ̄イ 、 久x {rシ三))シヽト, '、
ト、トY i 彡/ ミ 交 lrf ノシ;::;;;;;{ノiノ
iヽ} ャ| |^Y、〉 \ lゞ、| _ >
く _ iリ' ! \ く 差 / | lゞ>
`'´!}´,. i ゝ_) __ ノ r'_へミーニヾ
// 三 ! す / ,── イ l ヽ ii ゛i
ィ:.:.:`! /、 交 差 す る 能 力 ! { / 二二 ヘ>-| '
!.:.:.:.| | る \、_\`ミ (:: '´>)::ヾ :/、
,-┌┬=--" | フ ハフゝ ノ シ } l
゛└┼―----┤ 能 | { \`ヘ┌!´ l ', |
/..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| . \ / _p' >__」 |
,'|..:.:.:.:.:.::::::.:.:.:! 力 /-‐' 二ニニ-||
iヾ三三三三! r‐'::´:::::::::::::::::::::l|::::||
|.:.:.:.:.:.:.:.:| i:.ヽ /::::::::::::::::::::::::::::::H::::||
!.:.:.:.:.:.:.:.i L:ヽ |:::::::::::::::::::::::::::::::::H:::::||
.
- 206 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:24:56 ID:v11sAzC.0
「わたしはここだよ」
.
- 207 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:25:42 ID:v11sAzC.0
/´ ̄`ヽ、
\ .  ̄ ̄ . _
,ィ \ `ヽ. ヽ`ヽ._
. ' ヽ. ヽ ヽノ `ヽ
. ヽ ヽ /ハー '}
/ i / i ! i i ! V /ハ / }
_/i l l l | 、 ト、__i_i ハ i// ハ_ノ
i i i,.十ij ヽj´ Vハハ`メ / i/ //}
i l、lVィc、 ,イrr;く レV V ヽ /ノ え?
八N | 匕l | 上ノ i li | ノ /\
/ !"" `~´´//ii |く .イ 〉
/ ∧ ' //i l |そ/⊥ノハ
/ / i\ ヽ レ' | l | く`゙| jl 〉
i / li li\ __ _ . イ | i i レ'´レ'´
/ リ リ 〉テ==.| l ト、
ヽ| ヽ{ ,ィ´ムj`/'/// /__´|
,イ i´ / __ノイヽ//´ _〉‐- 、i \j
_ /,ノ-'ソ く ,ィ _'ィァ' j..:.:.:!.:.:.:ヽ
. /,' `マ´ ̄ / .:.:_j ソ ',〃 イ.:.:.:.:l.:.:.:.:.:i
/イ ヽ ヽ. /.:.:__,ィ´_.-‐'ノ _/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
. /,{ ヽ ヽ_〉'‐く,く__ '´ /´7.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
{イ ヽ `Y ノ´ ` ヽ __ ! /.:.:.:.:.:.:,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!
l !ヽ__Y/´ ,ィ  ̄ヽ、、 ̄|.:.:.:.:.:.:/ /.:.:.:.:.:.:.:.:,'
| ! ,V´! / ,.-‐ヽ `ソ'´ __,.イ .:.:.:.:.:.:.:.:.:ノ
', Y! | ∧ ,' ,イ } {-‐' / .:.:.:.:.:.:.:/
V Y { Y / ヽイ /.:.:.:.:.:.:.:.:.:,イ
- 208 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:26:30 ID:v11sAzC.0
コツン…。
光が 見えた。
(゚A゚) 「ぬけるぞ――――――ッ!!」
バスが、光に包まれた。
- 209 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:27:26 ID:v11sAzC.0
東京ドームの裏側へ、バスは走り抜けた。
そこには、ドームが這いずってきたような、荒れた広い道が通っていた。
爪ヾ'ー`) 「はは…ん…じゃ…ハローを……たの…」
爪ヾ ー ) フッ
(;゚Д゚) 「フォックスさん!!」
能力がー解除された。
つまりは、もう攻撃を看過することはできない。しかし、周りにビルはいない。あの東京ドームの滅茶苦茶な進行のおかげで
ようやく、一時の時間を手に入れることができた。でも、
(゚、゚iliトソン 「あーくそ気持ちわり…っぷ?」
(゚、゚#トソン 「おい、なんだ、これ?髪?」
ミ*゚ー゚彡 「え?」
( ФωФ) 「おい」
(゚、゚トソン 「なんだよこの髪……は…」
(´・_ゝ・`)
(´・_ゝ・`) 「だから、振り向くなって言ったのに」
(゚、゚トソン 「は?」
- 210 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:28:22 ID:v11sAzC.0
.
- 211 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:29:16 ID:v11sAzC.0
ふ
ら
っ
::
・. ::: :。
,..,,.・。,,;;;;::..・"・
/ リ 〉テ==.| l ト、
´ム:/'/// /__´|
/ __ノイヽ//´ _〉‐- 、iヾ |
_ /,ノ-'ソ く ,ィ _'ィァ' j..:.:.:!.:.:.:ヽ 丶
. /,' `マ´ ̄ / .:.:_j ソ ',〃 イ.:.:.:.:l.:.:.:.:.:i ヾ
/イ ヽ ヽ. /.:.:__,ィ´_.-‐'ノ _/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| 丿
. /,{ ヽ ヽ_〉'‐く,く__ '´ /´7.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| \
{イ ヽ `Y ノ´ ` ヽ __ ! /.:.:.:.:.:.:,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:! ヽ
l !ヽ__Y/´ ,ィ  ̄ヽ、、 ̄|.:.:.:.:.:.:/ /.:.:.:.:.:.:.:.:,' ` `
| ! ,V´! / ,.-‐ヽ `ソ'´ __,.イ .:.:.:.:.:.:.:.:.:ノ |
', Y! | ∧ ,' ,イ } {-‐' / .:.:.:.:.:.:.:/ ノ
V Y { Y / ヽイ /.:.:.:.:.:.:.:.:.:,イ
- 212 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:29:57 ID:v11sAzC.0
闇の中から這い寄ってきたそれは、私の何かを、掠め取って行った。
.
-
- 214 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:30:48 ID:v11sAzC.0
(゚、゚トソン
(゚、゚トソン 「…ク…ゥ?」
(#´・_ゝ・) 「バスを止めろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
('A`) 「はいはいボクさっきから命令されてばっかり。ぶるんぶるんキッキー。どしたのん?」
(#ФωФ) 「なにが…ッ!!」
('A`) 「んー?」
(ili゚Д゚) 「首っ…が…!!」
(゚A゚)
ドクオは、鏡をみた。運転席から客席を見渡せれるその鏡の中には
首がなくなり、ふらふらと自立しながら、取り残された首から下の髪を撒き散らし
血を吹き出すクーの姿がみえた。
クーが、クーだったものが、ブレーキによって力なく、倒れた。
その、水平にぽっかりと開いた、赤い口から、大量の血が溢れた。
(゚A゚) 『黒くて白い世界【プラマイゼロ】ォォォォォォオオオオオオオ!!!!』
『欠損した部分を、付け足し治せぇぇぇぇぇぇ!!!!』
- 216 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:32:09 ID:v11sAzC.0
(´・_ゝ・`) 「………」
(´・_ゝ・`) 「オサムさん、ちょっと来い」
( ゚"_ゞ゚) 「…なんだ?」
ドクオの能力によって、足りないものをつけ出すことはできた。
しかし、ドクオの能力は無から、有を作り出すことはできない。
死体から、何をどう増やせば、生き返れるというのだ?
(;'A`) 「…ッそ…が!!」
(゚、゚トソン 「あれ?今…首…?え、この髪、クー?」
(゚、゚トソン 「おい」
(゚、゚トソン 「何があったんだ」
そこにあるのは、大量の血溜まりと、クーの顔をした肉がくっついた死体のみ。
(゚、゚トソン 「何…が…」
( 、 トソン
「げぇッ」
何も、吐けなかった。
- 218 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:33:12 ID:v11sAzC.0
バスはとまった。
この荒れ果てた、しかし見通しの良い東京ドームの這いずったあとの道の上に。
その、バスから二人の男が、降りてくる。
( ゚"_ゞ゚) 「…それならば、できるが?」
(´・_ゝ・`) 「じゃ…あっちのほうに。何でもいいからとりあえず穴あけられそうなの」
(´・_ゝ・`) 「よし、お次は…ロマさーん。面貸せー」
(#ФωФ) 「…!! デミ、クーが!!」
(´・_ゝ・`) 「ああ、やれやれ、ロマネスク、もう一度言うぞ」
_,,_
(´・_ゝ・`) 「ごだごだ言わずに、力を貸せ」
,_
( Фω中)
ロマネスクも、デミタスに呼ばれて降りてきた。
最初こそは、憤っていたようにみられたが、しかし、なにがあったのか
矛を収めたように、髪をボリボリとかきながらデミタスのそばに歩いていく。
- 219 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:34:41 ID:v11sAzC.0
( ゚"_ゞ゚) 「ほう!天空にあんなものがあるとは…とりあえずこんなものをアポーツしておいてやったぞ」
(´・_ゝ・`) 「うわ、オサムさんすごい。目視出来る範囲って言ってたけどそれ嘘だろ…。
オレ全然みえねぇし…絶対嘘だ…。ん、んじゃ、それ穴あけて戻しといて」
ミ*゚ -゚彡 「…?」
いつの間にか、男三人組が、外に出ている。
なにかを打ち合わせているようだ。
:( 、 トソン: 「治せ、なおせよ、なぁ、ゲームだろ、これも、もどせよ」
ミ*´゚ -゚彡 「…」
私は、震えるトソンを抱いている。
さっきから、か弱い声を出し続けている。
彼女も、いままでゲームをやってきたのだ。
こういう経験だって沢山してきたはずだ。
しかし、これは初めての体験。絶対に覆る事のできない、体験。
私は、ただ、抱きしめてあげるくらいしかできない。
- 220 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:35:30 ID:v11sAzC.0
('A`) 「…おかしい…」
(;・3・) 「なにがおかしいんですか?」
('A`) 「ああ、あの猛攻があったというのに、周りのビルも、あの光も全然こねぇ…」
('A`) 「あと…なーんか…違うんだよな。この風景。東京のそれもののなんだけど…なーんか…」
?
('A`) 「オレの記憶よりも、なんかいろいろ増えてるような…新しいような…はてな?」
(,,゚Д゚) 「それは…作られたんだから、いろいろ違って当然ではないでしょうか?」
(;・3・) 「っていうか、とーきょーってなんですか?」
(;'A`) 「え?お前ら知らんの?首都だぞ首都…」
('A`)=3 「…ぁあーもういいや」
(;・3・) ? (゚Д゚;)
二人は、見合わせてしまった。
なんだろう、このドクオさんは確かに名実ともに実力のある人間だ。
しかし、かつて、ここまでに支離滅裂な事を言ったことはあったのだろうか?
いや、もっとも昔から「ヘタレ変人」とか言われてはいたが…。
- 221 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:36:17 ID:v11sAzC.0
ギリッ
( ・3・) 「…!」
(;゚Д゚) 「ひッ」
(A` )
歯ぎしり。彼は、こちらが聞こえてくるくらいに、鈍い歯ぎしりをたてた。
そこから、感じられた。ドクオさんは、今、あさっての方向をみているが…。
その、大きな怒気を、そして、人成らざる者の匂いを、ボルジョアは感じ取った。
(A` )
(;゚Д゚)
( ・3・) 「アルェ…?」
('A`) 「ん、まー…とりあえず、一応車を出すか。ここだっていつまでも安全というわけでもねーし。
おーい、そこのデミロマオサ三人組戻ってこーい」
ふっと、怒気が抜けた。しかし、やはり匂う。
オレや、ギコさん。フサミさん、ロマネスクさん、フォックスさん、デミタスさん。
ハローさん、トソンさん、そしてクーさん。
そういった人たちとは、違う匂いがした。
ボルジョアは、ドクオにオサムと同じ物を、オレは感じ取った。
- 222 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:37:02 ID:v11sAzC.0
( ・3・) 「……ふぅん……」
こいつも、こっちの人間じゃない。
オサムさんと同じだ。
('A`) 「ねーてっば〜〜そっちの三人組!こっちむいてよぉ!!とっととここから…!!」
( ФωФ) 「待て、もう、町は襲ってこない」
( ФωФ) 「それから。みんな降りてこい」
('A`) 「…ほへ?」
( ФωФ) 「話をしよう」
みんな、降りてきた。ということにはならなかった。
トソンは未だにフサミをしがみついている。
しかし、フサミはそれでもトソンを優しく抱えながら降りてきた。
クーの遺体も、とりあえずドクオの能力によって布の切れ端の面積を増やし、
包んだだけというお粗末なものだった。
フォックスも、すっかり精魂果ててしまい、今はバスの中で寝ている。
ハローも、未だに居ない。
しかし、それでも、降りてきた、4人足りないみんなは、ロマネスクの話に耳を傾けた。
- 223 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:37:46 ID:v11sAzC.0
( ФωФ) 「…まず」
と、ロマネスクは話し始める。
( ФωФ) 「この世界は、我らがいた世界でも、ドクオの世界でもない。別世界だ」
( ФωФ) 「その証拠に、我輩の能力、「間関門」でも、この世界の範囲内ならば問題なく使える」
ロマネスクは、実際に能力をつかってみせ、数m離れたところにおいてあった輪ゴムから
その周辺にある石コロを持ってこさせてみた。
( ФωФ) 「しかし、この能力によって全く使えなくなることがある」
ロマネスク、ドクオ。そしてオサム。それら瞬間移動系の能力者は
水のはいったコップに喩えることができる。
水の入ったコップと、その隣に空きのコップがある。
水のコップを手に取り、隣にあるコップに注いで移し替える。
これを、
水を対象の物体。
コップを世界。
手に取った人が、瞬間移動系の能力者。と置き換えることができる。
しかし、それら能力者はあることをされると、一切できなくなるのだ。
- 224 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:38:33 ID:v11sAzC.0
( ФωФ) 「それは、水の入ったコップを、何者かが持って行かれることだ」
('A`) 「なんだと…?」
つまり、水がロマネスク、その水を別のコップに移し替えるのが間関門という能力とすると。
その水の入ったコップを、『何者か』が勝手に、別の部屋に持っていかれた。
こうなってしまっては、再び部屋に戻ってこれない限り、移し替えることができない。
移し替えれる水も、空きのあるコップも、どっちかもなくしては瞬間移動もできなくなるのだ。
(;'A`) 「しかし、待ってくれ!!お前は前に、オレのマイナス世界から戻ってきたはずだろう!?」
( ФωФ) 「まぁ、お前の能力は世界を増やすだけであって、別の部屋にもっていかれたわけでもないから
普通に脱げ出せれる。ぶっちゃけ作りが甘かった」
<('A`)> 「ウェ―――イwwww」
(┌)
└ ==3
- 225 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:39:44 ID:v11sAzC.0
ミ*゚ー゚彡 「…つまり、私たちは、別世界…いいえ、『別次元』に飛ばされた と」
フサミは、いまだにうずくまるトソンを抱きながら静かに、そういう。
( ФωФ) 「そう考えて相違はないだろう」
( ФωФ) 「そして、おそらく今回襲ってきた能力者は、その別次元の人間だ」
(;'A`) 「いやいやいやいやい〜やいやいや!ちょっとまってください。それはちょっと突飛すぎやしませんか?
エイリアンとか妖怪とか怪獣とかじゃないんだから!」
( ФωФ) 「我等超能力者がいる時点で、もう不思議も突飛もくそもなかろう」
(;'A`) 「そりゃそーですけど!!」
( ・3・) 「じゃ、うちのオサムさんは?」
(A` ) 「えっ?」
( ゚"_ゞ゚)
('A`)
(;'A`) 「人間…でしょ…?」
( ゚"_ゞ゚) 「 ファファファ… 」
 ̄(A` ) 「ウェェ―――イwwww」
( L
Σ ノ<
- 226 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:40:35 ID:v11sAzC.0
(;ФωФ) 「ちょっといいか?話を戻すぞ。とにかく、別次元の人間だと思われる根拠は2つ有る」
そういうと、ロマネスクは二本の指を立てた。
そして、握り直してから改めて、「第一に」と言ってから一本だけ指を立てる。
( ФωФ) 「能力の規模が、圧倒的に違う。町丸ごと出現させたり、あの紅白鉄塔を走らせたり
巨大建造物を移動させる能力。規格外だ」
( ФωФ) 「もういっそ、我らと同類の人間と思ってはいけないだろう」
ミ;゚ー゚彡 「確かに…真っ向正面での力勝負で、押し負けたのは初めてです」
フサミがそうつぶやく。
彼女もランキング2位を常在するほどの実力者だ。そして、パワーだけなら、我輩の知る限りでは
フサミの右に出る人はいない。あのヒッキーやヒートを比べてみても、だ。
いたとしても、精々、吾輩の自然の力を借りた『間関門全門開放』くらいだろう。
( ФωФ) 「そして、第二にだ。これが決め手になった」
('A`) 「なんすか」
( ФωФ) 「ドクオ、お前はなぜ、この街のことを知っている?」
('A`)
('A`) 「ぁあー…」
- 227 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:41:15 ID:v11sAzC.0
(#ФωФ) 「とうきょうタワー!とうきょうドーム!通校したことのある道!本屋隣の道!懐かしい食堂!」
(#ФωФ) 「そして、何よりも、貴様はあの気味悪い町を『首都』とまで言った!!我々は、そんな首都なぞ知らん!」
(#ФωФ) 「つまりは、あの能力者とおなじ世界から、貴様はやってきたのだ!!」
( ФωФ) 「そもそも、お前の正体も、我輩ほどではないが、やはり規格外である『プラマイゼロ』という能力も…」
( ФωФ) 「教えろ、ドクオ」
( ФωФ) 「お前は、何者だ?」
…!
ミ゚ー゚*;彡 ( ゚"_ゞ゚)
えっ? えっ?
( ・3・) ヒュゥッ♪ (゚Д゚;三;゚Д゚)
('A`)
.
- 228 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:41:58 ID:v11sAzC.0
('A`) 「…OK」
('A`) 「いまいち釈然…しないが、教えてやろう」
('A`) 「プラスランキングの管理者。『黒くて白いドクオ』の正体を、教えてやろう」
(;'A) 「ところでデミタスさんはどこ行ったの?」
( ФωФ)∩ 「上」
( ゚"_ゞ゚)∩ 「上」
ヽ('A`)ノ 「上ェェェ―――イwwww」
( )へ
<
ぼいんっ
川
( ( ) )
- 229 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:44:38 ID:v11sAzC.0
――― 上
そこにあったのは、一見にして飛行船と見間違えるような、先ほどの東京ドームのように巨きな飛行物体だった。
形を説明するならば、全身が、鉄製の骨組みとガラス張りでできており、近未来的な建造物の雰囲気があった。
上から見れば完全なる円、横から見れば楕円型。そんな建物は、なんの支えもなく、完全に独立した状態で
空中に浮かんでいた。
おそらくは、降りた時の出入り口になるであろう、その側面にある小さな扉のうえにある
3Dホログラム看板には、この飛行物体の名前を煌めきながら告げていた。
『東京スカイハイ』
ここは、東京スカイハイの中の一室。
そこには、一人の若い男性が、座り込みながら床を見つめていた。
床は、まるでテレビのヴィジョンのように、ヴーンと光を放し、映像を映し出していた。
それはその遥か下にある、東京らしき街を衛生地図のように映し出していた。
そこには、もちろんあのロマネスクたちも映っていた。
先ほどまで、この若者はこれを用いて、街で襲っていたのだ。
まるでプレイヤーが、ウィンドウの上に映るマップとそこでうろつきまわるキャラクターを
パズルを解くように、ブロックを動かしながら消す。そんなゲームのような軽さに似ていた。
しかし、この男は、先程からなにもせず、むしろ、こんな映像なんか心にあらずといった感じだ。
彼は、後ろに立つ人間の存在を感じ取り、全ての警戒心をそちらにむけていた。
彼にとって、今までにない体験、そして、待ち望んていた展開が
今やってきたのだ。
- 231 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:47:09 ID:v11sAzC.0
それは、ゲームのなかのキャラクターがウィンドウから飛び出してきて
触れ合うことができるくらいに距離がなくなり
交差できるようになったその瞬間を。
今、オレの後ろに、人間がいる!
(´・_ゝ・`)
…まさか、この世界に、このオレの能力『TOKYO四天王【モンスタータウン】』によって
怪物化と化したこの都会の中で生き延び
特に手塩かけて育てたとっておきの四天王のうち
『東京タワー』『東京ドーム』の二つの猛攻から逃げきった上
この『東京スカイハイ』まで踏み込んできた。
なんという、緊張感。なんという、強敵。なんという、命の鼓動。なんという、光!!
これでこそ、あんな闇に蝕まれた世界を捨ててきたかいがあったというものだ。
これでこそ、わざわざ逮捕されてあの女から連絡がくるまでムショで転がっていたかいがあったものだ。
これでこそ、あの女の誘いを乗ったかいが、あったものだ。
しかし、こいつはひどく強いかもしれない。
しかし、TOKYO四天王の最後の一匹。最後のカード、最強のコイツがいる。
しかし、オレも強い。あの闇に捧げた世界でも、オレはこの能力で生きてきた。
だから、オレはこの世界でも、生きる!!そう、オレは、『闇』に打ち勝つのだ!!
だから、オレは勝つ!!『闇』なんかに、オレの心は譲り渡さない!!
だから、オレは正々堂々と、名乗り、オレも命をかけ、オレにも光り輝くのだ。
- 232 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:48:48 ID:v11sAzC.0
オレは、ゆっくりと、立ち上がり、この場に現れたこの、偉大なる敵の顔を見よう。
そして、このオレにも名を名乗ろう。君の名前も聞いて、拳を交えて、心に刻もう。
全力で、襲う。そして、全力に歯向かったものには、敬意を持って、全力で叩き潰す。
それが、オレの『闇』の中で生きる、たった一つの哲学であり、美学であり、掟であり
オレという光なのだ!
さぁ、交差しようじゃないか。
オレと、お前の、光り輝く、この美しい世界を!
人間として、生きるために!!
「―――よく、ここまで来たな」
.
- 235 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:50:34 ID:v11sAzC.0
ヽ\ヾx、_\ ヾ ヾ 、ゞ\\ヾ\V从j从j//_ 厶-z从K
、ヾ\j | 丁゙゙゙゙!/〃イTー―――`ヽ \´ /从从
|ゞミ!、ヽ 、 ト! |从州 ヾi| ヽ ヽ / /|从!
从}| | ヽ` ヾ ヽ \ヾ从 / } ' / / ,|/, !
|州! ヽ ト、 ` ヾ川 ,/ {{/,/从/ _,,_
/ / {、 ヽ \ 、 ヽ 、 , / , //>'/从 オレの名は 「死ね、『闇然千来』」>( ・_ゝ・ )
/ / /、ヾ>x___ 、 ヽ / / >i´///:从j
//' , i Vミ彡`'ヾー、zッーァー――‐z::::≦z='イ':彡/彡
/ ∧r人 V彡 `¨¨¨´:::::::`ヾ i:::::::::::::::::: 彡/::::/j _ z―z_, ―
../___V /`V/ :. l;;.:::. ::::::':/|/ / o ◯ o
/___ヽ ∧ ゝ、 |;;:::::. .:::::' j:/< ̄´ _, - _ /ヽ__
. 厶-----イ`::iーハ ::::::. 、 );;:::::::.. ..:::::' /:ハ二二´_
__ ミ:::::| :∧ : ::::. `:::;;`;;:'' ::::::::::::::' !:j:::|ー- _r-、\
- ''´  ̄ヾ::::! :∧ .::. __ :::::_;;;;::::::::::::' ':/:::| `ゝ、 ` _ー_ , _
ヾ::::! ::∧ ヾ 、xー-'´ ̄::::: ̄::ヽ::;'.://::::::! ヽ´ )゚ o
从::| :::::丶 ´ ...::`三三:::`..:::'//::::::::|、
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´:::::::::::::::― ミ:::::::ヽ:::::::::::::::. ヽ::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::: :::::::::::::::ノ::::::ノ:::::::::::::::\
.
- 239 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:52:51 ID:v11sAzC.0
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-
- 242 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:53:52 ID:v11sAzC.0
ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ
_
(;゚∀゚) 「ん待ッ!!」
ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ
.
-
- 245 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:54:42 ID:v11sAzC.0
「て…… 」
ザーッ
.
- 246 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 19:57:18 ID:v11sAzC.0
( ФωФ) 「…」
我輩も、上空にあった何かに、間関門で通して、足を運ぶ。
初めて見るところだ。小説やテレビしか見たことのない風景だ。
まるで、未来からやってきたような建物だ。
下はガラス張りで、目をこしらえば、あのとうきょうドームなどというものが見える。
そいつが通った跡も、そして、そのいくらか後ろの方に、我らがいたバスも
米粒のように見える。
しばらく、見続けると、なんとそのバスがズームアップされて
みんなの頭が見えた。それぞれの頭に、ラインがひかれて「TargetA」「TargetB」などという
素っ気ないマーカーが現れてきた。
なるほど、街の能力者は、こんなのを使ってわれらを追ってきたのか。
画面に映っているオサムが、こちらを見上げて見ている。つられてみんなもこっちを見てくる。
どうやら、オサムだけ見えてるらしく、他の人はあちこちへとキョロキョロと見ている。
ああ、吾輩はいまここにいるぞ。
( ФωФ) 「…デミタス、よくこんなものがあるとわかったな」
み
(´・_ゝ・`) 「能力のおかげでさぁ。さっき気絶した時、空にUFOっぽいものが予知えたんだ」
( ФωФ) 「便利だな。それだけなら」
(´・_ゝ・`) 「仲間とか実力とかがないとただの死の宣告マシーンだぜこれ?
やだよ、気まぐれに「あしたお前は轢かれます」とか言われるような日常やだよ」
- 247 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 20:00:03 ID:v11sAzC.0
( ФωФ) 「…」
からくりは簡単だ。
オサムの能力は、アポーツする能力。しかし、それは物理的に引き寄せるのではなく
空間的に引っ張り出してくる、空間干渉系の能力だ。
だから、吾輩の心臓を引っ張り出され
拳銃で打ち込まれた時も衝撃は物理的に見れば別れてないので伝わってくるのだ。
それはつまり、数百メートル上に離れているUFOのようなものでも、目視し、適当なものを引っ張り出して
それに拳銃で穴を開け、輪を作り出すことで間関門で出入り口を創りだすことも、容易なことなのである。
これらも全て、吾輩がドクオたちに説明したのも、デミタスが跳んでいく時に残した言葉から
吾輩は気づけたからだ。
予知夢をみたあの瞬間から、デミタスはあそこまでたどり着く方法をすでに思いついていたのか?
それとも、あそこにたどり着くまでの経過もふくめて、予知夢で見たからなのか?
この世界を正体を気づいたのも、その能力のおかげなのか?
そこまで聞き出すのも、野暮だと吾輩は考えた。どうぜ、前者だろう。
ちらり、と。吾輩は向こうに倒れている。人を見た。
若者だ。バンダナを締めた、おそらくはフォックスよりも若いかもしれない男だった。見覚えはあった。
そうだ、確か、アイツは四年前、我輩とシャキン、ブーンと一緒に、ペニサスと事件を起こしてしまった、若者だ。
なんでアイツがここにいるんだ?あいつはムショにぶちこまれたはずではないか?
それに…。
- 248 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 20:01:00 ID:v11sAzC.0
( ФωФ) 「殺った のか」
(´・_ゝ・`) 「ん」
( ФωФ) 「また、使ったのか?」
(´・_ゝ・`) 「ああ」
( ФωФ)
(´・_ゝ・`)
ボリッ
と、吾輩は髪をかく。
死体を見る。傷一つもない。しかし、彼の顔は絶望にそまりきっていた。
我輩と同じ目をあったような…ひどい顔だ。
クーを殺した奴は、おそらく、コイツじゃない。
アイツは、首だけ綺麗にもぎ取るような器用なまねはできるはずがないと吾輩は思っていた。
デミタスも、こいつがやったわけじゃないことはわかってるはずだろう。
…できれば生かしておいてもらいたかった。
この何もかもか不理解的な世界の、ほんのわずかでも手かがりは欲しかったのだ。
しかしコイツはそれを殺してしまったのだ。
- 249 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 20:02:31 ID:v11sAzC.0
(´ФωФ) 「…そうか」
(´・_ゝ・`) 「すまん、つい」
,,
( 十ω十) 「いい」
(´-_ゝ-`) 「すまない…」
,,
( 十ω十)
ォォォォ―――ン…
と、どこからが、減衰していく低重音が響いてきた。
この、UFOモドキが、いや、この街全てが泣いているように、聞こえた。
この、若者が死んだことで、街は嘆いているのだろうか。
主人を失った飼い犬のように、雄叫びをあげているのだろうか。
先ほどまであったこのガラス張りの床も、フッと光を失い、物言わぬ黒い床になった。
電灯も見当たらないこの明るい天井も、光を失い、軽薄な闇が包まれた。
そのなかに、小さな火が、ぽっと、灯った。
吾輩は、胸元のポッケから、百円ライターを取り出し、その重ったいスイッチに力を入れたのだ。
火が揺らめく。音が響く。二人は、目を合わせない。
ォォォォ―――ン…と、また、鳴いた。
- 250 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 20:03:19 ID:v11sAzC.0
- ,,
( 十ω十) 「…」
(´-_ゝ-`) 「…」
(´・_ゝ・`) 「火ぃ、貸してくんね?」
デミタスは、そういった。いつの間にか、タバコを口にくわえている。
吾輩は、別に拒みはしなかった。そっと、ライターの周りに手をおおい
デミタスの口に持って行ってやる。
ォォォォ―――ン…
(´・_ゝ・`) 「ああ…」
(´・_ゝ・`) 「久しぶりだな、タバコ」
デミタスのタバコに、吾輩が火をつけるのと同時に
ぽぅ と、壁に、薄く、停電用ライトがついた。
軽薄な闇が、和らいだ。
音は、まだ止まない。
ォォォォ―――ン…
- 251 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 20:04:00 ID:v11sAzC.0
‡
十という字に、さらにもう一本、横に加えられたような形。
「二重短剣符」「ダガー」「オベリスク」「日曜定休日」
聖歌の楽譜の中の呼吸止を示すのに用いられたのが起源であると言われる。
書物などで、著者の名前や専門用語など、説明の必要な部分の肩にこの記号を置き
脚注に所属を示したり用語解説するために用いられる。
「存在を示すための記号」
- 252 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 20:04:58 ID:v11sAzC.0
‡
また、この短剣の形が十字架のように見えることからキリスト教の墓と見立て
人名や命日の後ろをおいて死亡を表すこともある。
生物の種名やグループなどの前、もしくは後ろにつけることで絶滅動物で有ることを示すことがある。
オベリスクとは巨石記念物であり、さらに現地の言葉では「テケン」と呼ばれ
「保護・防御」などの意味も込められている。
「死の証を示すための記号」
- 253 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 20:06:11 ID:v11sAzC.0
‡
.
- 254 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 20:06:55 ID:v11sAzC.0
‡
「わたしはここだよ」
.
- 255 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 20:07:38 ID:v11sAzC.0
‡
.
- 256 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 20:08:24 ID:v11sAzC.0
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- 257 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 20:09:17 ID:v11sAzC.0
音が、止んだ。
.
- 258 名前:第 ‡ 話 ◆OynLTaqGgo:2011/12/10(土) 20:10:06 ID:v11sAzC.0
ツ ツ ゙ ク 。