- 418 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 21:01:21 ID:2KmrvPkU0
___
/ _, \
|r _ _ ト弌‐-、_ 『 能力者が生まれた理由を、
`「V' 斤(し::::', V:::ト┐ 君は知っているかい? 』
ノ}└==ュー‐'´ 厂Y::::::| |::::| |^`‐┐____
rハ Kニニ个T斤ノ二l:::::::::::::| | / / >二>、
|\ } K 儿二 ノ:::::::::::::::::::| |/ / ( / 「 r ―-ヽ
ハ, \{ 个'::::::::L」:::HIKKIH:::| ヒ_____J | /!:::: ┐Y
| \|―┴―丶:::::::::::::::::::::::::::| 厂 ⌒L 」 }! r::h:|
( |―― J::::::::::::::::::::::::::::::/ 7 ノ^ リ::1:!
ノ \_ノ^− |:::::::::::::::::::::::::::::| ノjトし ::斤j
(、 _乙ノ^ヽ、 |::::::::::::::::::::::::::::| ^ | 厂
T ⌒个 ト:::::::::::::::::::::::::{ \ /
V ト _人:::::::::::::::::::::::::} ||
L ,、イ >、::::::::::::-弋 ||
/  ̄ Vハ:::::ト。::::ヽ ||
/ V Jノ 入:::l rtttミ┐
/ ノ::::::| ┴'‐'‐'−
l 入 仁 -┐ V L厂 ノ
V Y \V/ ヘ,r┘
|`-J‐ _Y V
ゝ、 |┴ 入
^l 个: ::>ヘ
| 入 「 / 入 ―――ヒッキーが、
| _||‐  ̄ ̄ / 急にこんなことを言い出すものなので
| ::::L_ -r― へ わたしはあっけを取られてしまった。
| ::_」 「し'::⌒ハ
| _⊥ lh::::::::::::ヘ
}---r―┘ ̄ | Y::::::::::::::ヘ:
└- 、____| ヽ:::::::::::::::::ゝ
斤--J! ',:::::::::::::::ノ}
}:::::::::::::| ゞ二
ノ:::::::::::::h
r':::::::::::::::リ
{:::::::::::::::ノ
{、::::::::::::」r
ゞ=-´
- 419 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 21:02:53 ID:2KmrvPkU0
ミセ*゚ー゚)リ
私は、『能力者』という存在に興味をもっていた。
だからこのようにランキング1位である、ヒッキーを呼び、こうして一緒にバーでたべていた。
たまに、ヒッキーさんが自分を舐めるように見つめるその視線の泳ぎ方は軽蔑していると
おもっていたが、その一方でこういう興味深い話もしてくるんだから、
やはり、誘っておいて正解だったといえるだろう。
ミセ*゚ー゚)リ 「…え〜?ミセリわかんない」
だから、私は無知を装い、猫撫で声でそういう。
これで、そのまま彼がハンドルの外れた蛇口のようにぺらぺらとうんちくを
垂れ流してくれればいいのだが。そのついでに、どの程度かも、計ることが出来れば儲けものだ。
(―_―) 「あ、ウェイター。チーズとベーコンもってきて。あと、トマトも切ってちょうだい」
なんと。
この、中年能力者は私の疑問の声をあろうもことが、華麗にスルーし、追加のオーダーを
出して行っちゃった。
プラスランキング1位だがどうだか知らないけど、このマイペースさは、流石に苛立ちを覚える。
むかついたので、自分も新しくオーダーを追加する。レシートは全部こいつにおしつけっちゃえ。
意味ないだろうけど。
- 420 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 21:05:00 ID:2KmrvPkU0
(―_―) 「で…ええと、どこまで言ったっけな」
ミセ;゚ー゚)リ 「の、『能力者はどこからきたのか?』ですよ!?」
(―_,―) 「なぁんだ、ミセリちゃんったら僕の話ちゃんと聞いてくれたんだねぇ…」
彼の口角が、にやぁ というオノマトペが実際に聞こえてきそうな上がり方をして、怖かった。
そうこうしているうちにも、彼はのんきにも手元に広がる机の、点々に散らばる皿にもりつけられた
クラッカーを手に取り、クリームチーズをぺとぺとと塗りつけて、口に運んだ。
サクサク と音がする。
ミセ*゚ー゚)リ 「………」
私は、なんとなくこのヒッキーに不自然さを感じていたが、それはなんなのかは
よくわからなかった。
ミセ*゚ー゚)リ 「………それで、」
(―_,―) 「まぁまぁ慌てない…」
と、ヒッキーはチッチッとひさし指を立てて振った。
そして、そのままピンと立てながら、止める。
(―_―) 「まず、『能力』とは何か?そこから行ってみようか?」
- 421 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 21:06:47 ID:2KmrvPkU0
ー
--
―――−−
三三ニニ―――
――――――−−
三三三三三三ニニニニニニ========――――――−−→
――――――−−
三三ニニ―――
―――−−
--
-
- 423 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 21:08:21 ID:2KmrvPkU0
- ( ^ω^)
『 ω 』
名称 オメガ
ギリシア文字の一つ。配列では24番で、最後の文字に当たる。
ギリシア語で、「大きいO(オー)」という意味を持つ。
天文学では軌道要素の一つで、無限大の広さの宇宙の中から
天体の座標を示すのに使われる。
宇宙論では、宇宙密度のパラメータとして、物理学では角速度を、数学では未知数を。
他に、最後の文字であることから、最終・究極という意味を持つ。
なお、それらはあくまで大文字である『Ω』のことを示す。
『ω』は、それの小文字であり、裏文字である。
故に、しばしば『ω』は『Ω』とは真逆のような捉え方をされる。
例えば、
『不完全』『未完成』『欠けた状態』
- 424 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 21:09:52 ID:2KmrvPkU0
( ^ω^)
ボクは、ここではない世界からやってきた。
あの、プラスランキングのない世界から。
あの、ジョルジュもいない世界から。
ボクは、遠くの世界からここへ。
( ^ω^)
別れ離れになってしまったあの彼女を
ボクの心のなかに居続けるあの彼女を
ただ、ただ、あの彼女を会いたいかために
いくつもの世界を渡ってやってきた。
- 425 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 21:11:49 ID:2KmrvPkU0
( ^ω^)
世界をわたり続け、無数の自分と向き合い
記憶を失い、自我を増やし、誇りを砕き、未来を見続けた。
そしてボクはようやく気づいた。私は狭い部屋の中にいた事を。
ボクは気づいた。『上』を見あげれば、ほら、そこには。
( ^ω^)
上には、『上』があった。階段もないのにボクは駆け登り
力もないのにボクはがむしゃらに登り続け
光を遮る帽子もないのに希望を見続け
闇を堪える服もないのに絶望に耐え続け
- 426 名前: ◆OynLTaqGgo[sage] 投稿日:2012/04/07(土) 21:13:51 ID:2KmrvPkU0
( ^ω^)
上にも、世界があった。
今までの世界とは異なる世界があった。
そこには、総てがあった。全があった。一があった。
けれども、彼女はいなかった。
( ^ω^)
そして、そして、そして、そして………。
- 427 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 21:14:51 ID:2KmrvPkU0
( ^ω^)
ボクは、誰よりも、『小さくて』『不完全な』存在になった。
( ^ω^) 「けれども」
( ^ω^) 「ボクは、まだあきらめない」
( ^ω^) 「彼女と出会えるまで」
( ^ω^) 「ボクは、ずっと未来へ進み続ける」
( ^ω^) 「だから…」
- 428 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 21:17:41 ID:2KmrvPkU0
ミ*゚Д゚彡 『星の上の王子様【ストーンオーバー】!!』
(#ФωФ) 『間関門【リングリンクリング】!!』
爪#'ー`) 『高宇遠広有無【コンコン】!!』
( ゚"_ゞ゚) 『不死者の心中【ハートデッドゲットデス】!!』
(#'A`) 『黒くて白い世界【プラマイゼロ】!!』
壁 |ゝ・`)ノシ 『安全地帯から応援【フレーフレーファイト】!!』
( ^ω^) 「何者がボクの前に現れようと」
( ゚ω゚) 「関係ないお」
( ゚ω゚) 『 裏 【 リトルオメガ 】 』
- 433 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 21:20:41 ID:2KmrvPkU0
↑
|
|
|
|
|
|
||
||
|| |
||| |
| ||| | |
| ||| | |
| || ||| | ||
| || ||| | ||
| | || ||| | || | ||
| | || ||| | || | ||
| | | || ||| | || | | |
| | | || ||| | || | | |
|| | | | || ||| | || | | |||
ii !|!! | | | || ||| | || | | | !!|! i
- 436 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 21:26:06 ID:2KmrvPkU0
ここ、本棚の世界。左右上下どこまでも続く本棚と廊下の中心に、俺らはいた。
この本の壁に見守られながら、俺達はひとつの机に囲んで、適当なクラッカーにディップを
乗せながら談義をしていた。
彼女が、不思議な言葉が出てきた所で、俺はそこで疑問の声をかぶせた。
( ゚д゚ ) 「…レベル2だと?」
('、`*川 「うん、ポリポリ。この本、やっと見つけてポリポリ……ポリポリポリ」
( ゚д゚ ) 「…食うかしゃべるか、どっちかにしろ。はしたない」
('、`*川 「ぽりぽりぽりぽりぽりぽり」
( ゚д゚ ) 「そこで食う方を選ばない!!!」
从 ゚∀从ノシ 「まー怒鳴るなってよお前さん!はげっちまうぜ!」 ぺしんッ
(;゚д゚ ) 「ぐぉ」
後ろから、俺の後頭部を軽快な音を鳴らしながら叩かれた。
(;゚д゚ ) 「…は、はげんぞ!!俺ははげん!!だから叩くな!!」
从 ゚∀从ノシ 「………」 ペチペチペチ
(#゚д゚ ) 「ハイン、やめなさい」
- 440 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 21:29:08 ID:2KmrvPkU0
ペニサスのほうは、相変わらず目の前にひろがっている更に盛りつけられたクラッカーを
次から次へと口の中へ放り込んでいく。
これでは埒があかない。
( ゚д゚ ) 「頼むから、話してくれよ。レベル2の能力について、さ」
('、`*川 「あー、ちょっと待ってよ。いまこれ、美味いよ」 ポリポリ
(;゚д゚ ) 「だぁから…」
从 ゚∀从 「まぁまぁ食えよ!!ほら!!」
( ゚д゚ ) 「ほむ!!」
だめだ。やはりこの女性二人が絡むと、とても俺一人じゃ話が進められない。
おまけにハインは自分の口になにかをのせたクラッカーを押しこみなにこれうまい。
なにこれうまい。
( ゚д゚ ) 「なにこれ?」
从*^∀从 「お!やっぱり気づくか!気づくよなぁ!アタシの愛!!」
( ゚д゚ ) 「これは…アボカドとポテトをペーストにしたものを、エビをのせたものか・・・?」
从*゚∀从 「だいせーかい!前からこういうの作ってみたかったんだぜ!」
( ゚д゚ ) 「うんうんうまいうまい。アボカドの風味とポテトの淡白さがよく合うし、エビのぷりぷりが…」
(#゚д゚ ) 「違―――うッ!!!」
- 441 名前: ◆OynLTaqGgo[sage] 投稿日:2012/04/07(土) 21:32:31 ID:2KmrvPkU0
('、`*川 「こっちも美味いよ。食べろ食べろ」
( ゚д゚ ) 「お、こっちは単純にプチトマトの輪切りとチーズをのせたものか。うーむ、美味い」
从 ゚∀从 「うーん、やっぱりミルナがいると料理も捗るってもんだ!」
('、`*川 「無表情だけど、すごい食べるもんねこいつ。無表情だけど」
从*^∀从 「それがいいんだよそれが!んー!?」
(;゚д゚ ) 「あーはいはい…ほんと変わらんよなハイン」
( ゚д゚ )
(#゚д゚ ) 「だから、違うッ!!!」
从 ゚∀从 「な」
('、`*川 「うん、こいつ食べ物で簡単に転ぶなー。みてておもしれぇ」
( ゚д゚ ) 「おまえら…」
从*^∀从 ケラケラケラ
この人はハイン。俺の妻である。彼女は4年前の大事件に巻き込まれ、死んでいる。
…しかし、彼女は、生前と全く変わらない状態で、ここにいた。
( ゚д゚ ) 「…………」
- 444 名前: ◆OynLTaqGgo[sage] 投稿日:2012/04/07(土) 21:37:32 ID:2KmrvPkU0
何故、ハインがここにいるのか?そもそも、ここの世界はなんなのか。
とりあえず、二人はケラケラと笑い合って、話になりそうにならないので一人で
もうすこし、この世界についで、思索を深めることにする。
どうやら、ここにある本はすべて、過去に実際起こった出来事全てを記録しているらしく。
いつどこでだれが何をしたのかまで調べられるらしい。…その本を見つければ、だが。
…つまり、この世界は…。
『アカシックレコード』
( ゚д゚ ) 「宇宙や人類の過去から未来までの歴史全てが、データバンク的に記されているという
一種の記録を指す概念…」
( ゚д゚ ) 「ここが、そうなのか?」
('、`*川 「え?」
('、`;川 「いや」
('、`;川 「ないないないない」
( ゚д゚ ) 「ええ〜〜〜」
簡単に、否定されてしまった。俺は頑なに追求してみる。
ここがアカシックレコードではないという根拠をもとめてみた。
しかし、そこで俺の妻が割り込んできた。
- 445 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 21:43:15 ID:2KmrvPkU0
从 ゚∀从 「なーなー、飲み物何ほしい?やっぱりしぶーいお茶か?」
丶('、`*川 「あ、あたし野菜ジュースね」
( ゚д゚ ) 「コーヒー。ミルクたっぷりで」
从 ゚∀从 「ほいっほいっほいっと!」 ポンポンポーン
( ゚д゚ ) 「…いつみても、不思議だな」
ハインが、テーブルの上にポンポンと急須と茶碗と茶筒を出す。何もないところから。
前もって言うが、ハインは『普能者』…つまり、能力を持たない普通の人間である。
しかし、このような能力や魔法のような事をやってのけている。
('、`*川 「…これが、ここが『アカシックレコード』ではない根拠の一つ」
( ゚д゚ ) 「…うん?」
('、`*川 「レコードは飽くまで『記録する存在』。自分で新たな物を作り出す能力はないからね」
从 ゚∀从 「つまり、あれか?録画した映画のDVDからには、新作の映画はでてこないみたいなものか?」
( ゚д゚ ) 「機械はよくわからん。メシで例えてくれ」
从;゚∀从 「む、無茶言うな!!」
( ゚д゚ ) 「まぁいいか…ところでハイン。どうやって出してるんだ?コレ?」
- 446 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 21:48:11 ID:2KmrvPkU0
从;゚∀从 「えぇ?あ、うーんと。自分でもよくわからんけど、なんかこー…」
ハインは両手の人差し指を、自分の頭のこめかみあたりにあててぐにぐにこね回している。
彼女が物事を考えるときの癖だ。
('、`*川 「うーん、やっぱり野菜ジュース飲むと健康になった気がするねぇ…」
( ゚д゚ ) 「…ハイン?つまりお前は今までよく考えずこれをやってたのか?」
从 ゚∀从 「? そうだけど?」
(;゚д゚ )
…まったく、前からこの女にはいろいろと驚かされる。
そして、彼女がピコーン! と言わんばかりの思いついたような顔をして、
そこから出てきた言葉に対しては、自分も流石に頭を抱えざるを得なかった。
从 ゚∀从 「 『光あれ』 みたいな? 」
( ゚д゚ )
神になったつもりか。愚妻よ。
- 447 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 21:49:24 ID:2KmrvPkU0
!! i|ii | | | || ||| | || | | | ii|i !
|| | | | || ||| | || | | |||
| | | || ||| | || | | |
| | | || ||| | || | | |
| | || ||| | || | ||
| | || ||| | || | ||
| || ||| | ||
| || ||| | ||
| ||| | |
| ||| | |
||| |
|| |
||
||
|
|
|
|
|
|
↓
- 448 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 21:52:26 ID:2KmrvPkU0
(―_―) 「 『光』…なのさ。『能力』というのは 」
ミセ;゚ー゚)リ 「ひ・ひかり?」
彼から出てきた言葉は、なんとも胡散臭いものだった。
「光」?なんのことだろう?自分がそのことについて考えを巡らせているうちに、
彼は突然立ち上がり、まるで演説でも始めるかのような仰仰とした態度で喋り始めた。
(―_―) 「そうさ…闇という、強大な絶望に立ち向かうための…」
(―_,―) 「それが!!『光』!!それが、天から授かりし『光』なのさ!!」
(―_,―) 「わーっはっはっはっは!!」
ミセ*゚ー゚)リ
(―_,―)
ミセ*゚ー゚)リ
(―_,―) 「…はは」
(―_―) 「似てたでしょ? あいつのモノマネ」
ミセ;゚ー゚)リ
こいつ。
- 449 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 21:54:06 ID:2KmrvPkU0
汗が、でてきた。足が貧乏ゆすりのように震え始める。
クビの後ろが熱を帯びてきた…。 なぜ、この人が、あいつを知っている?
(―_―) 「シャキン」
(―_―) 「 『龍玉飛猴王 【ゼット・バトラーズ】』……気を自由に操り、空に飛んだり波動を放つ能力 」
(―_―) 「そして、ある宗教にはまっており、「光戦教」という教団ではなかなかの地位をもってたらしい…」
(―_,―) 「…「光戦教」。そこにはねぇ…んん〜〜面白い話があるんだよね」
ミセ;∩ー゚)リ 「どん、な?」
あまりの緊張で、目がこぼれてしまいそうな気がして、思わず私は右手で右目を抑える。
自分の手がびっくりしてしまう。
足の震えが、すこしずつ治まってきたが、まだ止まらない。
(―_―) 「『我らが持つ能力は、闇に対抗するための神からの贈り物である』―――というのが教信らしくて」
(―_―) 「まぁ…その教団は問題視されているカルト宗教扱いされてるけど…」
(―_―) 「おなじ、能力者として、そして、『レベル2』に到達した人物として言わせてもらえば、間違ってない」
ミセ;∩ー゚)リ 「その…根拠は?!」
おもわず、叫ぶ。
- 450 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 21:57:14 ID:2KmrvPkU0
ヒッキーは、涼しい顔をしながら、さっきからぶら下げていたグラスを口に運び、喉を鳴らした。
そして、よっこいせ。 と座り直す。彼は再び目の前にあったクラッカーに再びチーズを乗せて食べた。
その顔は本当に、女性をバーに連れ込んでうんちく話を広げ、得意になっているような、そんな表情だった。
そこから、悪意も敵意もまったく感じられなかった。
だのになぜ、私は、いつのまにか追い込まれていた。
そして、再び、うんちくどころじゃない話が再び始まった。
(―_,―) 「『レベル2』の、その先。それが答えさ」
.
- 451 名前: ◆OynLTaqGgo[sage] 投稿日:2012/04/07(土) 21:57:57 ID:2KmrvPkU0
__|\
| \
|__ /
|/
- 454 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 22:01:15 ID:2KmrvPkU0
僕達は、今東京ドームの中に入っている。
道なりに進み、階段を登り、いくつかの扉を押し開いたが、あの闇の気配は一向に感じられない。
だが、異常な「気配」はした。
いうならば、「嫌な予感」「あっちには行きたくない」「背筋がピリピリする」といったものだ。
その方向へ足をむけた。その方向は、東京ドームの中心だった。
最後の扉を開けると、コンクリートとビニールの廊下から、土と草の香りのある空間へ出れた。
無数のプラスチックの椅子が彩りどりと存在し、それがドームの中で円を囲うように回っていた。
その椅子の囲いによって囲まれてもなお、このドームという閉ざされた空間の中であるはずなのに
とてつもなく広大な土と草の広場があった。
その中心に、彼はいた。
(#ФωФ) 『レベル2・熱線雷光!!!』
グラウンドに、雷がほとばしり、光で焦がし、地表をめくり飛ばして炎を登り上げた。
しかし、その彼はすでにその攻撃から逃れていた。
( ФωФ) (瞬間移動…!我輩の『間関門』のような間接的空間移動ではなく、『ホンモノ』!!)
- 455 名前: ◆OynLTaqGgo[sage] 投稿日:2012/04/07(土) 22:02:30 ID:2KmrvPkU0
ロマネスクは、視認した。
自分が輪ゴムにより光線と雷撃を繰りだそうとしたその瞬間、ブーンはその姿をその場から消え去ったのを。
自分の『間関門』は『輪ゴム』という入り口を作り、そこに入ってようやく移動がなされるが、
ブーンのは間違いなく、その入り口を作るという過程を踏まず、移動することを成し遂げたのだ。
そんな真似事を成し遂げた人物。それは…。
( ФωФ) 「―――だが!!」
(ФωФ 三 「もっとさり気なく移動することだな!!」 バッ
( ゚ω゚) 「!!」
『 こども好かれ屋 ブーン 』 であった。
ロマネスクは、跳ぶ前のブーンのその視線から、すでにどこに跳ぶのかの
目当ては、すでについていた。
⊂(ФωФ#) 『間関門!!』
(っ゚ω゚)っ 『リトルオメガッ!!』
ロマネスクの輪ゴムから、眩い光が放った。しかし、ブーンはそれすらも、どこかへ飛ばしているかのように
受けかわした。
- 456 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 22:03:25 ID:2KmrvPkU0
(ФωФ#) (こいつの能力!!昔共に戦っていた時のとは、違う!『進化』している!!)
(ФωФ#) (―――だが…!!)
(ФωФ#) 「今だ!!狙え――――ッ!!!」
爪'ー`)ミ*゚ー゚彡 ドッ
( ゚ω゚) 「―――ッ?!」
爪'ー`) 「『高宇遠広有無』で、存在輪郭をボカし、気配を消した…」
ミ*゚ー゚彡 「ここまでの接近を許してくれましたね!!」
ミ*゚Д゚彡 「『星の上の王子様【ストーン・オーバー】』!!」
( )
( ゚)
( ゚ω) 「リトルオメガ―――……」
- 457 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 22:04:48 ID:2KmrvPkU0
━━━━━━━━━・━━━━━━…━━━━━━━━━━━━…━━━━━━━━・
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::>´ ̄ ー:::::、,,`丶
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ヾ丶\
:::::::::::::::::::::::::::::::::/ ∨ヾヽ
::::::::::::::/\:::::/ ─ ー=ニ=‐x Vv::::|
:::::::::::/ /ヽヽ/ Y::ノ ・,
:::::::::/ //^l | , -‐=ミ、_Y;ノ
.:::::::| |;'r‐{ ヘ\ ・ 》 )メ}( 『―――レベル2』
:.:.::::八 ヽ! /  ̄=ミ ∧ 。.・
:::::::::::〉、 Y !:::::\
:::::彡 }_j ア ヽ
 ̄ \_ __ ニ ノ
─、 i \ !`l ‐ 、 r´ 、
>x、八 \  ̄__丿 ・
\ `>、 `ー‐" )
\ ` 、 √
\ ` 、 /
\ ` 、 ィ´
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━・━━━━━━…━━━━━━━━━━━━…━━━━━━━━・
.
- 458 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 22:05:56 ID:2KmrvPkU0
/\
/ \
 ̄| | ̄
| |
 ̄ ̄
.
- 460 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 22:09:32 ID:2KmrvPkU0
かちゃり。
熱いミルクコーヒーを飲み干すとカップをそっとソーサーの上に重ねる。
なるほど、これでこの図書界のおおまかな概要は理解できた。
ここは、確かにアカシックレコードの類ではなさそうだ。
( ゚д゚ ) 「…では、次の質問をこたえてくれるか」
と、尋ね
('、`*川 「ん」
ペニサスはコクリと首を一度動かしてくれた。
从;゚∀从 「あ…また、むずかしい話するのか?アタシ席外そうか?外したい。」
( ゚д゚ ) 「座ってろ」
从;'∀从 げにょり
さて、ハインも宥めた所で、ようやく話が始まる。
まずは…
( ゚д゚ ) 「 『レベル2』 の話を、聞きたい」
('、`*川 「はいよ」
- 462 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 22:10:34 ID:2KmrvPkU0
そういうないやさ、彼女は立ち上がり、『図書界』の特徴でもある、
どこまでも伸びるこの本棚から、一冊の本だけ抜いてきた。
それは小さな学習ノートみたいに、ぺらぺらとしたものであった。
('、`*川 「…ここに、あんたの知りたい情報がかいてある」
( ゚д゚ ) 「…」
『レベル2』
思えば、昔から疑問だった。
自分が、警察として、捜査の一環として、プラスランキングに参加し、数多くの能力者と出会い、戦ってきた。
その中でも、とくに異端な存在を放った人物が、3名いた。
輪護謨魔王ロマネスク 守護王ヒッキー 温泉大将軍ヒート
彼らはみな、能力のあるセオリーを完全に無視していた。
そのセオリーは、『能力以上の力を出すことはできない』
…例えば、ヒッキー。彼は物を刺突物に作り変える能力である。
最初は、爪楊枝程度の小規模の変換しかできなかったし、彼がランカーとしての頭角を
表してきたときでも、刺突物以外のものを作り出すこともできなかった。
…しかし。彼は、その『刺突物を創りだす能力』以上の力を発しし、ランキング1位まで上り詰めた。
ロマネスクも現在では1位だし、ヒートも昔は1位の座をついていた。
- 464 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 22:13:51 ID:2KmrvPkU0
( ゚д゚ ) 「『レベル2』…それは、この『能力』の最大の謎でもあり…」
( ゚д゚ ) 「そして、このハインの力も、この図書界も…そして、これからどうするべきか。」
( ゚д゚ ) 「その、レベル2の正体の秘密が、教えてくれそうな気がするんだ」
从;゚∀从 「…え?アタシ?アタシがこれなんかできんの?!」
( ゚д゚ ) 「…推測だが、この世界と、そのレベル2は深い関係があるように感じるのだ」
从 ゚∀从 「勘?」
( ゚д゚ ) 「悪いか?」
こほん、とペニサスが咳払いをする。
…なんとなく、俺は罰が悪いような気がして、とりあえずどうぞといいながら
手で促してみる。
('、`*川 「…よく聞きなよ」
彼女は、ぺらぺらとノートをめくり、なにかを探している。
('、`*川 「レベル2…レベル2…あ、これだこれこのページ」
('、`*川 「………これに、よれば、『レベル2』というのは、ある存在を通じることであって…つまり」
- 466 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 22:15:17 ID:2KmrvPkU0
__
| |
_| |_
\ /
\/
.
- 468 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 22:16:19 ID:2KmrvPkU0
(―_,―)
( ゚ω゚)
('、`*川
(―_,―) 『全ての』
( ゚ω゚) 『世界の』
('、`*川 『原点』
(―_,―)
( ゚ω゚) 『『『 すなわち 』』』
('、`*川
- 469 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 22:18:32 ID:2KmrvPkU0
『プラマイゼロ』
.
- 473 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 22:19:55 ID:2KmrvPkU0
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼╂┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼╂┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼╂┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼╂┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼╂┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼╂┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼╂┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼╂┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼╂┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼╂┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼╂┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼╂┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼╂┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼╂┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼╂┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼╂┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┿┿┿┿┿┿┿┿┿┿┿┿┿┿┿┿┿┿┿┿┿╋┿┿┿┿┿┿┿┿┿┿┿┿┿┿┿┿┿┿┿┿┿┿
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼╂┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼╂┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼╂┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼╂┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼╂┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼╂┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼╂┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼╂┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼╂┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼╂┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼╂┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼╂┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼╂┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼╂┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼╂┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼╂┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
- 475 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 22:21:19 ID:2KmrvPkU0
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
↓
―――――――――――――――――――→ デミタスはまぁそこそこ能力を使ってるようです
↑
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
- 476 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 22:22:19 ID:2KmrvPkU0
第
┤
話
.
- 478 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 22:23:45 ID:2KmrvPkU0
-
('A`) 『マイナス(キャンセル)』!!
( ゚"_ゞ゚) 『不死者の心中!!』
⊂( ^ω^ )⊃=3 プスンッ
( へ )
ヽ
⊂;・;( ^ω^ );・;⊃ ボンッ ボンッ
( へ )
ヽ
( ^ω^ )
,・;( へ );;。 ブラリアンッ
ミ∪ ヽ ∪彡
ミ#*゚Д゚彡 「あ あ あ あ あ あ あああ あああああああ――――ッ!!!!」
(;゚ω゚) 「だぁおおおおおおおおおおおおぉぉぉっぉぉおおお―――ッ!!!」
- 479 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 22:24:44 ID:2KmrvPkU0
从 ペーンッ
^◯^ -、て
く- )そ
ひ
| ゅ
|| る
|| る
|| る
||| る
|||
∨ る
┼
◯ <ダオー
__,,,,,,,,,,,,,,,,,..................._..........................,,,,,,,,,,,,,,,,,__
 ̄  ̄  ̄ ̄ """""
_,,. -=- .,,_
_,,..、 -
_,,..、 - ‐ '''' "´
_,,..、 - ‐ '''' "´
_ ____ ,,..、 - ‐ '''' "´
./ = / /
/ /
_,/ ̄ ̄ ̄
- 480 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 22:25:35 ID:2KmrvPkU0
|l |l l |l | |i
|i l |i l| li |
∩
r'゙ ⌒つ
. ( )∩´
) と( ^ω゚; ) そ
Σ ` (
⌒ヽ/V⌒v、/⌒ ビダァァァン!!
(#);^ω゚) 「ベキェへーーーーッ」
- 482 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 22:28:38 ID:2KmrvPkU0
ブーンは、フサミの能力によって重力加速され、おもいっきりグラウンドの上にたたきつけられる。
体中に、尋常ところではない衝撃が響き渡り、脊椎も折れ、内臓も弾けてしまった。
しかし、彼の能力、『リトルオメガ』の働きによって、彼のもっとも拒む、『死』そのものは
減少(マイナス)させられていた。
(#);^ω゚) 「うぐぅぅううう…!!」
そのままなんとか回復を試みる。
しかし、彼のこの次の瞬間、選択するべき行動は回復ではなく逃走であった。
あまりにもの激痛に耐え切れず即座に回復に移った彼には、
その恐ろしき能力を持ってしても、トップ10に入り込めなかった弱さが、あった。
回復に専念することに選択したその一瞬。
ミ*゚Д゚彡
ランキング2位のフサミは、見逃すはずもなかった。
(#);^ω^) 「…あ"」
無慈悲の、追撃である。
- 484 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 22:31:57 ID:2KmrvPkU0
ず・どん!!
という強大な音がドームのなかでこだました。
それは、まるで地面の上に放置したダイナマイトが爆発したような
もしくは、とてつもない重たいものが水のうえに落としたような…。
水しぶきならず土しぶきが盛大に舞い上がり、クレーターを形成した。
彼女の能力、重力を操る能力によって、一点に集中し、隕石如くの一撃を繰り出す。
『星の上の王子様【ストーンオーバー】』 の一つの技である。
(#ФωФ) 「仕留めたッ!!!」
爪;'ー`) 「おいおい!殺してないだろうな?!」
ミ*゚ー゚彡 「はい!半身不随になる程度に手加減しました!」
('A`) 「半殺し以上じゃんそれ」
- 486 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 22:36:11 ID:2KmrvPkU0
みんなが、それぞれクレーターへ走りより、煙が晴れないうちに合流した。
そして、ロマネスクが、だれよりも早く上半身がすっかり地中に埋まり、両足が
天に向かって建っている、一見してみればギャグマンガのような風景を見付けだし、
ブーンを引っ張り出そうとしていた。
(#ФωФ) 「よーし!!まだ生きてる!!引っこ抜けー!!」
爪#'ー`) 「さーて、洗いざらい喋ってもらおうか!!ハローをどこにやったオラァッ!!」
ミ;゚ー゚彡 「ちょ…ちょっとそんな乱暴に…」
('A゚) 「いま気づいたけど、デミタスさんいねぇ!!!」
爪#'ー`) 「マジかよ?!!あのくそ親父!!!」
ミ*^ー^彡 「いつものことですわ。きっと彼は彼なりに考えて単独行動をしてることでしょう!」
(゚A゚) 「オサムさんもいねぇ!!さっきまでいたのに!?」
(#ФωФ) 「もうほっといてしまえ!!それよりこいつだ!!」
ロマネスクが、ブーンの両足を掴み、カブをぬくように乱暴に地中から
ひっぱりだした。しかし、ブーンの上半身は原型が留めているとはいえ、
土まみれであった。 だからこそ
- 487 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 22:38:26 ID:2KmrvPkU0
(#ФωФ) 「おいブーン!!起きろ!!お前なんでこんなこと……ッ?!」
爪'ー`) 「…あ?」
ミ*゚д゚彡"
('A`)
(:::;;:;::) ズル…
(:::;;:;::::)
(:::;A`;:)
.
- 490 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 22:39:51 ID:2KmrvPkU0
('A`)
('A`)
(;'A`)
(;'A`) 「 ………… え? 」
(;゚A`) 「―――――――――――――――――――――――― 『 ボ ク 』 ? 」
気づくのが、遅れてしまった。
引きぬいた、ブーンの顔は、土と泥で覆われていた。
しかし、それを払うと、あり得ない顔がそこにあった。
ブーンは、ドクオ だった。
- 495 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 22:43:20 ID:2KmrvPkU0
('、`*川 「さて、と」
ペニサスはキュッキュっと、ノートの空いたところにペンを走らせる。
ずいぶん手馴れているようで、どうやら彼女は絵を描く趣味でもあるようだ。
書き終えた絵をこちらのほうに見せてくれる。
( ゚д゚ ) 「…どれどれ?」
一
次 ∧ ,,,
元 ( ФωФ)
ノ:::::::::::)
――――――――――――――――――――
从*゚∀从 「お、かわいい!」
( ゚д゚ ) 「…いやなにこれ?」
('、`*川 「ロマのボーイ。よくかけてるっちょ?」
( ゚д゚ ) 「なにこれ?」
- 496 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 22:44:55 ID:2KmrvPkU0
从 ゚∀从 「いいじゃねぇかミルミル!それにしても、ペニーって絵ぇうめぇんだな…!」
( ゚д゚ ) 「…それで、この絵にどう、レベル2と関係があるんだ?」
从#゚∀从ノシ 「あ、こら、ミルミル〜〜話は最後まできいてやってよ!」 ペシペシ
(;゚д゚ ) 「あた、あた、あたた」
('、`*川 「まーまーキニシナイキニシナイ。これだってちゃーんと関係してるからさ」
('、`*川 「とりあえず、レベル2といったらロマのボーイっしょ。そっちでも有名でしょ?」
( ゚д゚ ) 「まぁ、な。ランキング1位だしな…指名手配 だけどな」
('、`;川 「あちゃッ」
('、`;川 「………四年前の、アレ…だよね」
( ゚д゚ ) 「そうだか?」
从 ゚∀从 「あー、アタシが死んだあれ?」
('、`;川 「あ――――………」
- 497 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 22:46:11 ID:2KmrvPkU0
( ゚д゚ )
从 ゚∀从
('、`*川
('、`;川 「さ、続きいくよ!!」 キュッキュッキュ
( ゚д゚ ) (コイツ…)
…しかし、ミルナはなんとなく思っていた。彼女は、たしかに罰悪そうにしていたが、あくまでそこまで。
とても、ではないが、あの四年前の大事件。
『筆府大通り大事件』
数人の能力者がゲーム外で暴れたという事件だ。
ロマネスク、シャキン、ジョルジュ、ブーン。そしてペニサス。
当時は、たまたま居合わせていた一人の能力者が、周囲の被害をおさえていたが、
それでも負傷者28名、死者2名だすほどの規模であった。
数人逃してしまったが、その能力者の協力によってニ名逮捕することができた。
それがジョルジュとシャキンであった。
二人共詳細な取り調べをしていたが、わかったのは、逃げられた3名の名前と、
主格犯、その人の名前はペニサス。
その、主格犯が、目の前にいるこいつがそうだ。
- 498 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 22:49:40 ID:2KmrvPkU0
('、`;川 「あ、やべ!このペン油性だ!!裏までしみてやんの!!」
…のハズだが………。
さっきの表情からにして、彼女は間違いなくあの事件に関係している。
…しかし、なにか、違和感を感じる。
('、`*川 「まぁいいか。とりあえずロマをモデルにして、レベル2の解説するよー!」 パッパラパー
从*゚∀从 「わーい!!図解付きだー!!いえー」
( ゚д゚ )
从#゚∀从 「いえー!」
(;゚д゚ ) 「い、いぇー…」
('、`*川 「えーと、例えば、ロマの能力、「間関門」は知っての通り
輪を通じて別所から物を引き寄せたり、送り込んだりすることができる能力ね」
- 499 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 22:50:22 ID:2KmrvPkU0
一 手を入れるよー こんなところに手がでてきたよー
次 ∧ ,,,
元 ( ФωФ)ニ@ Aつ
ノ:::::::::::)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
一 こんなところにリンゴがあったよー
次 ∧ ,,,
元 ( ФωФ)ニ@ Aつ●
ノ:::::::::::)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
一
次 ∧ ,,, ● とれたー
元 ( ФωФ)ノ @ A
ノ:::::::::::)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
- 500 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 22:51:10 ID:2KmrvPkU0
('、`*川 「これが、レベル1の状態の間関門ね」
('、`*川 「…しかし、レベル2の状態になると、どうなるか?」
そういうと、ペニサスは紙の上にさらにもう一本、長い線を引く。
新たに生まれた空間の傍らに、『第二次元』と記された。
第
二
次 AニB
元
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
第
一
次 ∧ ,,, レベル2をつかうよー
元 ( ФωФ)ニ@ Cつ●
ノ:::::::::::)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
第
二
次 Aつ● B
元
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
第
一
次 ∧ ,,, うんしょうんしょ
元 ( ФωФ)ニ@ C
ノ:::::::::::)
- 501 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 22:52:25 ID:2KmrvPkU0
第
二
次 A ● B
元
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
第
一
次 ∧ ,,, リンゴを第二次元においてきたよー。
元 ( ФωФ)つ@ C
ノ:::::::::::)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
('、`*川 「これが!レベル2だ!!」
从*゚∀从 「なるほど!!それでそれで?!」
( ゚д゚ ) 「…ちょっとまて」
(;゚д゚ ) 「…この、第二次元…というのは?!」
从#゚∀从 ('、`#川 「話は最後まで黙って聞いてなさい!」
( ゚ - ゚ )
- 503 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 22:53:16 ID:2KmrvPkU0
('、`*川 「…で、こうして、ロマネスクのレベル2は『間関門』によって第二次元にリンゴを置いてくことができるの」
('、`*川 「第二次元に放置されたリンゴは何年たっても瑞々しいままである…」
( ゚д゚ ) 「…!」
从 ゚∀从 「ということは…ロマネスクさんが今まで落雷や溶岩などを出してきたのは…」
('、`*川 「そうなんだよねぇ」
第
二 ( 雷 ) ( 溶岩 )
次 ( 雪 ) ( カレー )→@
元
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
第
一
次 ∧ ,,, レベル2! ホカホカッ
元 ( ФωФ)つ A→( カレー )
ノ:::::::::::)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
('、`*川 「このように、第二次元においてきたものは総て腐らないし消えもしない。
だから溶岩はいつまでも熱く、雷はエネルギーも失わず、雪もいつまでも溶けない」
('、`*川 「だから、ロマはレベル2によって天災そのものを第二次元に保存し
いつでも引っ張り出せる事ができるのさ」
('、`*川 「この、『第二次元』に通じる事ができる。それが、レベル2なのさ」
- 505 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 22:57:20 ID:2KmrvPkU0
口を閉じて、黙って聞く。
…いろいろ聞きたいことはあるが、いろいろわかったこともある。
ロマネスクが、今まで雷やら光やら溶岩やら際限なく出してきたのは、こういう秘密があったのか。
今まで、彼はどこか遠くの場所から引っ張り込んできたのかと思っていたのだが、
こうして第二次元にストックをためておいて、プラスランキングで消費していたのか。
しかし、やはりそれでも大きな疑問ができてくる。
( ゚д゚ ) 「ロマネスクの間関門の能力の仕組みはわかった」
ドッ…と、俺は力強く、ノートの上に指を差した。
差した所は、『第二次元』と描かれたその空間であった。
( ゚д゚ ) 「…では、さっき、きけなかったが、この『第二次元』…」
( ゚д゚ ) 「これは、なんだ?」
('、`*川 「それは………」
- 506 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 23:00:08 ID:2KmrvPkU0
ミセ;゚ー゚)リ 「…『全ての世界の原点』………」
視界が、留まらない。あっちこっち目を泳がせてしまう。
拭きでた汗は、いつのまにか肌を湿るに飽きたらず、水滴になり、顎にたれてきた。
この、ヒッキーは、そこまで踏み込んでいたのか。
(―_,―) 「んんww」
(―_,―) 「…第二次元。…いや、『第二』という名称は実は正しくないのかもしれないね」
(―_,―) 「兎角、その空間から、全てを生み出したのだよ。世界も、能力も、私も君も」
ミセ;゚ー゚)リ
(―_,―) 「…さらに付け加えるならば、その『第二次元』は、未だになにかを生み出している」
(―_,―) 「それが、『能力』だ」
(―_,―) 「我々人間の体の中に、忍ばせられたんだよ。『能力』を」
(―_―) 「………寄生虫のように」
ミセ;゚ー゚)リ 「 『能力』は…寄生虫?」
- 509 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 23:03:59 ID:2KmrvPkU0
ミセリの脳裏に浮かんだのは、カタツムリだった。
カタツムリにくっついている虫。
前にクイズ番組に出演した時に知ったけれど、どこかの国のカタツムリにはある生物にくっつかれると
目が肥大し、普段は葉の裏などに隠れて生きるようなカタツムリが高いところなど目の付きそうな
ところに移動し、鳥などに捕食されようとする…。
たしか、その寄生虫は「ロイコクロリディウム」
(―_,―) 「…「そいつ」は、僕ら人間に「能力」を植えつけ、成長させ、進化させている」
(―_,―) 「そいつが、孵化したときがレベル1。我々人間が、自身の能力の存在を気づき、扱いだすようになる」
(―_,―) 「…そして、さらに成長して、「そいつ」のもと帰れるくらいの力を持った時が
レベル2に進化する時なのさ」
ミセ;゚ー゚)リ 「ま…」
(―_―) 「待った。だよ」
ミセ;゚ー゚)リ
(―_―) 「僕の話は、またおわっちゃいない」
- 510 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 23:08:11 ID:2KmrvPkU0
ミセ;゚ー゚)リ 「…ぐ…ぅ」
(―_,―) 「まとめると、『第二次元』にいる「そいつ」によって生まれた『能力』は、人間に寄生し、
そこで成長し続けてレベル2にいたり、『第二次元』に通じるようになる…」
(―_,―) 「つまり、我らは「そいつ」にとって、畑か培養所。孵卵器なのさ」
ミセ;゚ー゚)リ 「……ふんッ!!」
鼻で、わらう。
まさか、このヒッキーはこの領域まで理解を深めていたとは思いもしなかったが
……しかし、所詮はそこまで。「そいつ」の存在を気づいた、その程度。
そんなのは、ほんの一部の真実に過ぎない…。
ミセ;゚ー゚)リ 「…そんな根拠は…」
(―_,―) 「じゃあ…今、試してみるかい?」
(―_,―) 「子猫ちゃん?」
ミセ;゚ー゚)リ 「―――ッ!!」
- 512 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 23:09:51 ID:2KmrvPkU0
(―_,―) 「――― 十一本の爪楊枝『イレブン』:レベル2 ―――」
瞬く間に、彼の周囲、椅子、床、机、皿、その上にちらばった食べ物すらも、全てが
無数の爪楊枝に成り代わった。
それらが、こちらに向かって放った。
(―_,―) 『 王 【 トゥーエルブ 】!!』
- 524 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 23:14:10 ID:2KmrvPkU0
それは、彼の能力、物を刺突物変える能力では、到底、考えられないほどの規模。
たかがの爪楊枝が、恐ろしい速度で私の座っていた椅子を貫いた。
私は、すでに飛び上がって天井に着地していた。しかし、私はもう切り上げるべきと判断した。
全力で、逃げる!!
この部屋は、そもそも壁のない店だ。ソファーと机があちこち散在してるだけで、立ち上がれば
どこにだれかがいるのがわかるような作りになっている。
そのまま身を翻して天井をけり、出口へ躍り出る。ここまで、飛び上がってからほんの数秒。
さすがのヒッキーも、追撃するしかなかったようだ。私の走っていったその後ろから爪楊枝が飛んで、ささっていく。
ついに、私は出口の扉の前まで逃げ込めれた。
しかし、その出口の扉を手にかけようとした瞬間、爪楊枝が手のそばを通り過ぎ、ノブを破壊した。
ミセ;゚ー゚)リ 「 『マイナス』!! 」
とっさに、扉ごと消し去る。これでいい、これで逃げ切れる。しかし
ミセ ゚ー゚)リ
扉の向こうにあったのは、無数の爪楊枝。
そのすべての刺突部分が、こちらにむけられていた。
- 528 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 23:16:38 ID:2KmrvPkU0
ミセ;゚Д゚)リ 「―――『マ…」
(―_,―) 「チッチッ♪」
(―_,―) 「『プラマイゼロ』は、同時に一つしか作用できない」
爪楊枝は、消えた。
無数の弾幕のなかの、5gにもみたない小さな爪楊枝一本だけ。
扉から爪楊枝の壁がおしよせ、ミセリの体を突き刺す。
ミセ;゚Д゚)リ 「――――ッ!!!」
しかし、彼女は生きていた。それも、致命傷などを負わず。
それは、決して彼女のとっさの機転のそれではなく、ヒッキーの、「甘さ」であった。
ミセリは、爪楊枝の壁に押し、対面にあった壁にたたきつけられる。
体には一筋の傷を入れず、彼女の纏う服を突き刺し、昆虫標本のように壁にはりつけたのだ。
ミセ;゚ー゚)リ 「ちぃ―――…」
ミセ ゚ー゚)リ 「………!!」
(―_,―) 「おっと、暴れないでちょうだいね…」
(―_,―) 「ぼくってば、恥ずかしながら女性経験はなくってね…」
- 531 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 23:18:25 ID:2KmrvPkU0
(―_,―) 「そんなに暴れちゃったら、暴発しちゃうぞ☆」
ミセ;゚ー゚)リ (シャレになってない…!!)
すでに、王手。
ヒッキーの能力、イレブンのレベル2の能力。 『 王 【 トゥエルブ 】 』は、
もはや、射程距離に関係なく、彼の視認する全ての存在に爪楊枝を変えた上
「攻撃」と呼ぶに値する威力までもたせていた。
ヒッキーの視線は、私の体。
それが意味することは…例えば、私の胸を爪楊枝にかえ、心臓に突き刺すことだってできるだろう。
- 533 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 23:21:59 ID:2KmrvPkU0
(―_,―) 「自分のテリトリーに引きずり込めれたからと思って、安心しちゃったのかな?残念」
(―_,―) 「プラスランキング1位の、『自宅絶対守護王帝魔道神』…」
キングダム
(―_,―) 「僕のいる所こそが、どこであっても、僕の、『 自宅 』なのさ……!」
( :―_) (…………長すぎて、みんな守護王って略されてるけど…)
ミセ;゚ー゚)リ 「ばか…な…!!」
ミセ;゚Д゚)リ 「人間ごときに!!!そこまで、『飼い慣らされた』というのか、『貴様』は!!!」
(―_,―) 「さぁ、正体をみせてもらおうか、ミセリちゅわぁん………いや」
(―_,―) 「 『図書界の猫』 」
- 535 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 23:23:20 ID:2KmrvPkU0
('A`)
('∀`) 「なるほど」
( ^ω^ ) 「そういうわけかお」
(;ФωФ) 「…ッ??!!」
ミ;*゚ー゚彡 「えッ?!」
爪'ー`) 「あ?」
ゴンッ
- 538 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 23:25:19 ID:2KmrvPkU0
ミ*゚ー゚彡
ミ;*゚д゚彡。・;
ミ;*゚Д゚彡。・、・;: 「あ"…!!」
動作は、無し。
一瞬にして、そしてそれは至極当たり前のように、『叶えられた』
フサミは、飛んだ。まるでホームに飛び込んで電車に引かれた自殺者のように。
きりもみながら、体のあちこちがありえぬ方向におりまげながら。
フサミが、遠くへ落ちていく。その前に、二人は激昂した。
(ФωФ#) 「うぉおおおおおらああああああああああああ!!!!!」
爪#'ー`) 「ああああぁっぁぁああああぇぇあああああああ!!!!」
( ^ω^)っ
( ^ω^)っ 『リトルオメガ』
( ^ω^)っ 『レベル3』
- 545 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 23:31:59 ID:2KmrvPkU0
( ^ω^)っ 『 美しくも汚れた子供の夢 【White&Black in the World】』
.
- 547 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 23:32:59 ID:2KmrvPkU0
( ФωФ)
爪'ー`)
( ФωФ) ドンッ
爪'ー`) ボンッ
( Фω;;:・;;φ)
爪'ー`)。;:
( Фω;;:・ 「な…」
爪;'ー゚)。;刀@「に…」
( ^ω^)っ
- 551 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 23:35:47 ID:2KmrvPkU0
爪;'ー゚)。;刀@(―――ばかなッ!!俺の能力!!!『高宇遠広有無【コンコン】』は、存在輪郭をぼかす能力!!)
爪;' -゚) 。・;。刀@(打撃も!斬撃も!溶岩も!!雷光も!!念波も!!!念動も!!!その他すべてをも!!)
爪;'д゚)っ。・;。刀@(森羅万象一切触れることを叶わない!!なぜなら存在そのものが曖昧になるから!!!)
爪;'Д゚)つ。・;。刀@(ならば!!!なぜ!!!『高宇遠広有無【コンコン】』を、貫通し、臓物をひきずれたのだ!!?)
爪;'Д゚)つ。・;。刀@「ハ… ロぉー…ちゃ…」
爪 Д )つ。・;。刀@グチャアッ
( Фω;;:・;;φ) (―――そうか、これが、レベル3か)
( Фω;;: ・;;φ) (レベル2は、第二次元に通じること!そして、レベル3とは!!)
( Фω;;:・; ;φ) (その、無に等しい第二次元から、新たなる次元を生み出す!!つまり!!)
( Фω;;:・ ; ;φ (―――無から、有を、創造する能力!!)
( Фω;;:・ ;; (ならば…ならば…!! レベル4!レベル5!!これらは何だッ?!)
( Фω;;:・ ; (無から有を生み出すということ!!これよりも先…一体、ブーンはー…)
( Фω;;:・ 「―そう…か。お前は…」
( ω;;:・ ビチャアッ
- 555 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 23:38:43 ID:2KmrvPkU0
|
|
|
|
|
|
表裏一体 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
――――――――――――――――――――――――――――┼――――――――――――――――――.
|
|
| 二人は
|
|
|
- 556 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 23:39:26 ID:2KmrvPkU0
真っ白な紙に
真っ黒なペン
, -─‐──‐-、
/ \
/ \ r―、
l l / l
| |-' ⌒ '"⌒ヽ /_ノ
. ! l V__,r‐‐、
ゝY(_人_) ノ l
( ⌒ ミ /⌒`- ´'⌒ )―------――く_ノ
、〜 `ー 'Y ̄ ̄ヾy_ノ--ー"
ヽ-―丶___ゝ〜-−、_>
絵を描き足して、絵を描き消して
それだけで、僕はなんでもできた。
- 557 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 23:40:15 ID:2KmrvPkU0
|
|
|
|
|
|
| 黒くて白い世界
| Black & White in The World
|
|
|
|
|
|
|
|
――――――――――――――――――――――――――――┼――――――――――――――――――.
|
美しくも汚れた子供の紙 |
Black & White in The World |
|
|
|
- 558 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 23:41:20 ID:2KmrvPkU0
僕は、真っ白な紙と
真っ黒なペンを握って
。・"
、
ゞ, ⊂ニ( ^ω^ )ニ⊃ ・,.
( へ) ゚
。 丶
`
あの子に僕の思いを
届けるんだ
- 559 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 23:42:02 ID:2KmrvPkU0
|
|
|
|
Black ドクオ=A |
Plus ALL |
美しくも ω=ブーン |
Minus |
有 white 汚れた |
無 |
A ――――――→ ω |
alpha ∀ Omega |
|
|
|
|
――――――――――――――――――――――――――――┼――――――――――――――――――.
|
|
| 神
|
|
|
- 560 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 23:42:45 ID:2KmrvPkU0
Black & White on The World !!
r、 ,ィx
(\\(^} /)///7
{^ヽ^ヽ { / 'ヽ /
\ `Y ノ}_ {. 〈 /
〉,r彡ハ 人_ノ〉
V ∨ / /
'v V . / /
V V rfテ弐ミk / /
'v ',仔 r リ' /
'v '({ `l´`l´j' /
ヽ j个 `~´个ト, /
| ``=" V
j |
| |
| |
| |
| |
| |
紙とペンがあれば なんだってできる!!
- 561 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 23:43:35 ID:2KmrvPkU0
∠`ヽ \\\ \
∠ミミvWヘ ヽ ミミ ミミ ∧
ムニミ````` ノ ノ))| l|ハ
{///' , -‐=- -‐=- l| |
V// 彡=ミ 彡=ミ リリリ
jニ}' ⌒ ''ムイリ
〃う} r ‐ 「リ、、|
{ ( ハ r、_,.tt=ニニニ=ァx_フ ル )
| ゞ| || || |ソ|
\从 マ、ェェェェェェェェァ' /ン
`込 `ニニニニニ´ イ__
_/ {\>、 、 ___ . '/ノ }ト、
/ /{ { \≧=‐--‐=≦ ´ /| }ト ._
. _____ 。≠/ / リ l `7/{//{ ノ {{ニ=‐- . _
__〃〃二ニニ≠^7 、 / ヽニ=‐-=ニコi¬、
/ //7 ´ // > ―=三−< ', |i
. / // { ' ノ|
「{ { ! ', { \〃 ト、
/| { ヽ ヽ ', ヽ ヽ ノ \
/ 人ヽ. \ | \
/ ヽヽ |/ \ムイ \__
/ /l| 」} ヽ } }ト、
/ // ー _ . -‐=ニ二 }\ _. j
/ ー-=======ミ∧ __∠ . =-‐=ニ二 丿 ヽ〃 \_j
/ -‐=ニ二  ̄`7{ {i、 /´ ̄ -‐====ニニ二二 }〈 {ヽハ\
/八 ハ 二ニ=-‐== }ハ、 ∨\\
/i{ {_{/二ニ=-‐== ノノ} }}\ ∨/,\
〃{八 {{ ⊆⊇ニ=‐ -‐=ニ⊆⊇≠彡 ノ} }} }ト、 ∨/
- 562 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 23:44:23 ID:2KmrvPkU0
神様になれた気がした。
.
- 564 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 23:46:09 ID:2KmrvPkU0
| ↑
|
| すごいのが居る
ミセ*゚ー゚)リ ← ミセリ? |
| 闇 →
|
|
(―_,―)+ |←越えられない壁
|
↑ |
なぜか居るヒッキー | おいしいちくわ。
| ↓
◇ ←クラッカー | (O)三三)
◯ ←ハム |
◎ ←チーズ ,.。 ← 食べかす | 現実の壁
| ↓
――――――――――――――――――――――――――――┼――――――――――――――――――.
| 神
| ↓
|
| ⊂ニ( ^ω^ )ニ⊃ ← でも無職(笑)
|
|
- 565 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 23:47:06 ID:2KmrvPkU0
|
←ツン |
|←超えられない壁 (O)三三) ←とてもおいしいちくわ!!
|
| 現実の壁
| ↓
―――┼――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
|
| ∧__
|  ̄1i
| ∠`ヽ \\\ \ 《
| ∠ミミvWヘ ヽ ミミ ミミ ∧ ≫
| ムニミ````` ノ ノ))| l|ハ
| {///' , -‐=--" `---‐=- l| | ← 神
| V// (( ・ ) ( ◯ )) リリ
| jニ} ''' ⌒ "' イリ {
| 〃う} rゝ‐ _ 「リ、、| ← でも無職(藁藁藁)
| { ( ハ r、_,.tt=ニニニ=ァx_フ ル )
| | ゞ| || あ れ ? || |ソ|
| \从 マ、ェェェェェェェェァ' /ン
| `込 `ニニニニニ´ イ__
| _/ {\>、 、 ___ . '/ノ }ト、
| / /{ { \≧=‐--‐=≦ ´ /| }ト ._
| . _____ 。≠/ / リ l `7/{//{ ノ {{ニ=‐- . _
| __〃〃二ニニ≠^7 、 / ヽニ=‐-=ニコi¬、
| / //7 ´ // > ―=三−< ', |i
- 567 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 23:49:22 ID:2KmrvPkU0
(;゚ω゚)「うわぁぁぁぁぁあああああああ!!!!なんでなんでなんでぇぇぇどーしてなの?!?!
ブラックアンドホワイトで灰色世界!!すなわち混沌たる世界こそが完全にして究極にしてオメガ!
なのにどうしてツンがそこにいないのぉぉぉおおお???!!なんで??もっと考えるべきだお!!
ゼロ!!何もない無!!1!!なにかがある存在!そして1は∀(全て)に等しい!!ボクはその
∀を生み出すことができるはず!!!モウワケワカメ!!何を描けばいいの?!あ、そうかわかったぞ!!!
ツンと会えない理由が!!!いままで描いても描いても会えなかった理由がわかったおぉぉぉ!!!
ツンはツンという存在があるわけだからつまり1+α!!ボクにはそのαがない…!!!なーんだ
そうだったのかお!!うあああええええええアルファアァァアアアア!!!!!なんなのαってぇぇぇ!!!
黒くて白くて十分なのにソレ以外になんかあるのさぁ?!だ、誰が教えて!!!教えてお!!!
ツンの作り方!!!ちがう!!!作ってもそれはツンにあってツンにあらず!!!ばかっ僕のばかっ!!
オリジナル!!!全ての原初にして唯一無比!!1は∀であるが1+αは全てに等しくない!!
等しくないのだぁぁぁおおおおお!!!!だからぼくはオリジナルツンと会いたいお!!会いたいお!!!
何のために?!?!体目当て?NOOOO!!!そんあ不純な動機で会いたくないおおおおおおお!!!
じゃあなに??そう、あってお話して見つめ合ってそんな甘い時間!!!あと、野菜ウーメンとか
食べさせたいお!!!僕の自慢の料理!!!ツンはいつもこれ食べたがったんだっけなぁおおおおおお!!!
ああああああうええええぇぇぇぇぇえええええんんんんん!!!!!!幸せになりたいよぉぉおおおおおおお!!!
ツンと一緒に幸せになりたぁぁぁいいいいいぉおいいあおいろありうstjはえちあいおふぁkjhじぇgtるwqcfぅrjbwくv」
- 568 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 23:50:05 ID:2KmrvPkU0
(;゚ω゚)あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
( ω;;: ・;;φ)
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
爪 Д )つ。・;。
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ミ;* д 彡。・、・;:
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
- 570 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 23:50:51 ID:2KmrvPkU0
( ;ω;) あ…
( ∩ω∩) あぉお…
;( ∩ω∩); ぉぉおおぉぉお…ッ
( ;ω;) ぉぉおおおおおおおおおおおぉぉぉぉおおお――――ンッ!!!
.
- 573 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 23:51:34 ID:2KmrvPkU0
ξ*゚听)ξ 「うにゃん」
゚丶c('、`*川 「にゃんにゃんにゃんにゃん!!こっちおいでこっちおいで!!」
从*゚∀从 「おいちいキャットフードあるよ!ツナの缶詰だよ!!にゃんにゃんにゃん!!」
( ゚д゚ )
( ゚д゚ ) 「…なにやってる?」
('、`;川 「あ、バカ!!」
ξ*゚听)ξそ ビクッ
ミ サッ
从;゚∀从 「にげた!!」
('、`;川 「お、追え―――!!そっちの本棚ににげた!!」
ペニサスが言った本棚のところにハインは駆け寄る。
しかし、そこには通路はなく、本が詰まってるだけだった。
ハインはその本を数冊まとめて一気に引きぬくが、やはり先程のネコの影はいなかった。
- 575 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 23:53:08 ID:2KmrvPkU0
从;゚∀从 「い、いない!!」
('、`#川 「くっそぉ〜〜〜!!このミルミルくんのバカチン!!」
( ゚д゚ )そ 「え?俺のせい?」
('、`#川 「あったりまえだ!!ネコがいるのにそんな直立不動で見つめられたら、そら逃げるわ!!」
( ゚д゚ ) 「いや、その前にあのネコ」
从#゚∀从 「そうだそうだ!!ミルミルくんのせいだ!!」
( ゚д゚ ) 「いや、だから、ネコ」
('、`#川 「謝れ!!」
从#゚∀从 「謝って!!」
( ゚д゚ )
( ゚д゚ )
( ゚д゚ ) ::: 解せぬ… :::
- 577 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 23:54:45 ID:2KmrvPkU0
「第二次元」その解説の真っ最中に、あのネコが我らのそばにテコテコと歩いていた。
そして、そのまま二人は解説そっちのけであのネコを追い出した。
そこまで重要なのだろうか? やたらとくせっ毛の酷いただのネコのようにしか見えないのだが…。
('、`#川 「重要なの!!」
( ゚д゚;) 「ぐむッ」
('、`*川 「…いや、重要かな…どっちかといえば…もふもふしたいっていうか…」
( ゚д゚ ) 「おい、こら、お前」
さぁて! と彼女は両手を組み、大きく上に伸ばし、後ろにそって体をのばした。
('、`*川 「レベル2とは、つまり、第二次元に通じること!」
('、`*川 「つまり、私か、あんた。どっちかが能力をレベル2にすればこんな世界もおさらばできるってこと!」
( ゚д゚ ) 「それについては、相違ない」
( ゚д゚ ) 「…しかし」
- 579 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 23:57:06 ID:2KmrvPkU0
と、ここで俺は異論を唱える。
それは、未だに俺は彼女、ペニサスのことが信用出来ないことである。
自分の勘では、彼女は、あの事件の主格犯ではないと言っている。
だが、だからといって全面的に信用するわけにもいかない。
…第一…!
( ゚д゚ ) 「………お前はなぜ、ここにいる?」
('、`*川 「あ、そっち聞くんだ」
('、`*川ゞ 「ん〜〜〜」
彼女は、ぼりぼりと髪を掻いた。
目は、俺からみて、右下の方向に向かっている。
どうやら考え事をしてるようだが、そこまで考えるほどの事なのか?
('、`;川 「…すまん。アタシも、どうしてここにいるのか、よくわからんのわさ」
(;゚д゚ ) 「…うん?」
('、`;川 「ぜーんぜん、記憶にないんだよね。ここに来た過程…」
从 ゚∀从 「ま、無理もねぇって!ミルミルくんも、初めてきたときは日記とかめくってたしな!」
(;゚д゚ ) 「い…いや、まて!!もうひとつ、聞きたいことがある!!」
- 580 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/07(土) 23:58:30 ID:2KmrvPkU0
(;゚д゚ ) 「『筆府大通り大事件』!!聞き覚えは?!」
('、`;川 「あ、それ…なんとなく、アタシなんかやらかしたってんのはわかるけど…?」
(;゚д゚ ) 「………!!」
从;゚∀从 「…?お、おい、ミル…?どしたんだよ?なんか不味いのか?」
(;゚д゚ ) 「…まさか……な。……おい、ハイン。ここにもその事件の情報収録してそうか?」
从 ゚∀从 「多分あるとおもうぞ!なんなら今から探しにいこうか?」
( ゚д゚ ) 「頼む!!もう一度調査する必要がある!!」
('、`*川 「おーい、アタシをおいてけするなー」
コンコン
.
- 582 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/08(日) 00:00:49 ID:N9TjMf/A0
( ゚д゚ ) 「?!」
从;゚∀从 「?!」
('、`;川 「?! おわ?!」
いま、一瞬だけ、しかしうるさすぎない、上品なノックの音が、三人の喧騒の中に割り込んだ。
三人は、思わず音をしたほうに、目を向ける。
廊下と本棚と、あとは椅子やら机やら散らばっているだけのこの世界には存在しないはずの
黒い金属で装飾をあしらった木製の扉が、そこにあった。
( ゚д゚ ) 「………あのドア、あったっけか?」
从;゚∀从
('、`;川 「……アタシの後ろに、さがって」
('、`;川 「入ってくる」
そのドアのノブが、静かに回った。
- 583 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/08(日) 00:02:08 ID:N9TjMf/A0
僕は、踵を翻す。
もう、この世界に用はなくなった。
(―_,―) 「知りたいことは…大体知った」
(―_,―) 「…もう、少し、詳しい情報を仕入れたかったが…まぁしょうがないさ」
(―_,―) 「あの人も、所詮は『端末』だったっていうわけ…か」
「…まって…!」
ξ;゚听)ξ
そこには、ミセリではなく、ツンがいた。
つまるところ、彼女は、僕のだいすきなアイドルスターミセリを化けていた。
ただ、それだけの話であった。
僕はそのまま視線を前に戻して、歩き出す。
- 584 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/08(日) 00:04:39 ID:N9TjMf/A0
ξ;゚听)ξ 「どこへ…いくのよ?!」
(―_―) 「僕の能力はレベル2だ。しかし、十分だ。それでこの世界から脱げ出せる」
ξ;゚听)ξ 「…どこへッ?!」
(―_,―) 「ロマの、いる世界さ」
ξ;゚听)ξ
ある程度距離が離れると、彼女は追ってきた。
この世界には、賑わいがある。人がいる。車がはしる。ネオンが煌く。
しかし、それら一切が、カキワリやマネキンのような空気があった。
強いて言えば、プラスランキングでやりあった、あの世界によく似ている。
おそらくは、僕と話すために彼女がこしらえたのだろう。
ξ;゚听)ξ 「はぁっはぁ」
(―_―) カッ カッ
- 585 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/08(日) 00:06:38 ID:N9TjMf/A0
僕は、この虚無のような世界で歩き続ける。
とりあえず、次の目的地は決まった。しかし、その前にもっと情報を集めていきたいな。
そんな事を考えながらも、息遣いが聞こえる。ツンは後ろからずっと自分の跡を追っている。
まるで、アンタ以外に相手がいないばかりに。
ξ;゚听)ξ 「……第二次元空間を経由して、戻ろうっていうの?!」
ξ;゚听)ξ 「不可能だわ!」
(―_,―) 「できるでしょ?ロマだってそれを成し遂げていた」
輪護謨魔王ロマネスク。彼は元の能力の相性もあってか、前からプラスランキングの世界で
戦闘中、脱げ出して現実世界に戻り、大規模な攻撃から逃れるという荒業もやっていた。
ふつう、それはリングアウトで負けじゃね?と突っ込んでやると「戦略的撤退だ」と彼は怒っていたっけな。
ξ;゚听)ξ 「彼は、もともと空間を超える能力だった!あんたはそうじゃない!」
ξ;゚听)ξ 「どうやって、第二次元空間へいくつもりなの?!」
(―_,―) 「こうやる」
ボグッ と、僕は適当な壁を叩く。
その部分が爪楊枝と成り、ぐずぐずと崩れ落ちた。
すると、その先には、壁の向こうにある部屋ではなく、真っ暗な空間だった。
- 587 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/08(日) 00:08:09 ID:N9TjMf/A0
(―_,―) 「壁を媒介にして、空間を爪楊枝にかえて穴を開けてみた」
(―_,―) 「そして、第二次元の特性からみて、あそこからなら、いつでもどこでもいける…」
(―_,―) 「んんwwwやっぱり僕ってば天才だねぇwww」
ξ;゚听)ξ 「〜〜〜〜」
ξ;゚听)ξ 「だったら…もう今すぐ出て行ったらいいじゃないの?!」
どうやら、彼女はもうやけっぱちになってるようだ。
しかし、僕はもうすこし、調べ物をしていきたい。
何故ならば、この世界は、もっと重要な理由があるような気がしてならない。
(―_,―) 「…もうすこし、寄り道していくよ」
(―_,―) 「たぶん、近くにあるとおもうんだよね…あんたの根城」
ξ;゚听)ξ 「?! えッ?!」
(―_,―) 「例えば…そことか」
ξ;゚听)ξ 「…!!」
彼女が驚く。ビンゴ、どうやら僕の予想はあたっていたようだ。
僕が指を差したのは、本屋だった。
- 589 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/08(日) 00:10:40 ID:N9TjMf/A0
巨大なビルの下に敷かれたような、小さな店舗。無論、そこにも開店中の光が点っており
中にもちらほらと人影が見える。だが、動きはしているが、そこに生命感をかんじない。
おそらく、あそこにいる人物ですらも作られた存在なのだろう。
しかし、ほかの建物…例えばさっきのバーとはまったく異なる気がした。
例えば、あそこだけやたらと騒がしい気がしたのだ。
ざっ と、僕は歩き、その本屋の入口にむかって…
ξ;゚听)ξ 「…だめ…!!」
(―_,―) 「し・り・ま・せ〜〜〜ん☆」
と、僕は、わざといじわるそうに、その本屋の扉をノックしてやった。
- 590 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/08(日) 00:12:10 ID:N9TjMf/A0
・゚ ;`。・"(#)゚ω;)
- 591 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/08(日) 00:16:25 ID:N9TjMf/A0
・"(#)゚ω;) 「………え?」
自分の、頭蓋の『傷口』に、ぶっとんたほうの頭の傷口に、『間関門』!!
結果! 傷口同士、結合することで、回復ッ!!
自分の、はみ出た内臓を、傷症を、痛覚の、存在を『ぼかし…』
結果! 何事もなかったかのように誤魔化し、化かす!!
自身を、念動力でむりやり動かす!!痛覚は気合でなんとかにする!!
つまり!! やせ我慢!!
- 595 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/08(日) 00:19:27 ID:N9TjMf/A0
(#Фω;;Ф) 「っっぎッ!!!」
(#ФωФ) 「―――ッああ!!」
爪#'ー`) 「フォォォォオオオオああああーッ!!!」
爪v'ー`)v+ 「フゥ〜〜〜ッ!!」
ミ*゚Д゚彡-・a゚*。 「―――ブッ!!」
ミ;*゚ー゚彡 「良しッ!!」
(#)゚ω;) 「…うッ」
(#);゚ω゚) 「うぅぅぅぅうううるおおおおおぉぉぉぉおぉお!!!」
- 597 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/08(日) 00:20:57 ID:N9TjMf/A0
トップランカー10。
現在、プラスランキングに参加している人数は500人弱いる。
無論、その多くは特筆擦るような屈強な能力者ではない。
しかし、それでもやはり、死闘は繰り広がれていた。
時には、脳を焦がし、時には、水圧で溺れ死に、時には、骨ごと腹を抉られ
時には、落とされ、時には、放火で燃やされ死に、時には、念動力で首の骨を折られ
時には、溶岩を被り、時には、爪楊枝で刺殺され、時には、霧散され
時には、ホラれ、時には、脳漿ぶちまけられ、時には、デコピンで殺され
そんな死闘を、幾重も体験してきたのが、トップランカーなのである。
そんな彼らが、「ドクオのような、事象を操作する能力者に対する対策」を
拵えていない。
そう考えるのは、いささか無理があるだろう。(フサミは本当に対策してなかった)
(#)^ω゚) 『美しくも汚れた子供の紙!!』
(#)^ω゚) 『消えろ!!!』
- 600 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/08(日) 00:23:59 ID:N9TjMf/A0
ブーンが、手をかざすと、そこら一面が、消しとんだ。
その文字の通りに、まるでケシゴムでもかけたように、なんの衝撃も音もなく、消え去った。
東京ドーム。という建築物の中から、外まで、手のひらの形をして繰り抜いたように穴が空き、
その遥か向こうのビルの群れまでもが、やはり手のひらの形で消え去っていた。
しかし
ゴッ
(#);ω゚) 「ウポッ!!」
(#ФωФ)
ミ;*゚ー゚彡
爪'ー`)
相手は、トップランカー10。その1位。その2位。その9位。
このような、不可視にして一撃必殺級の技ならば、すでに――――体験してきた。
- 601 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/08(日) 00:24:52 ID:N9TjMf/A0
(#);ω゚) 「うぁ―――――――――――――――!!!!」
以降も、ブーンは我武者羅に、しかし強大な威力をもって攻撃し続けてきたが、
三人は、それぞれバラバラに動きまわった。
ここまでレベルをあげてきても、やはり「一つでしか作用できない」という法則を覆すことはできなかった。
相手が攻撃してくれば、『間関門』で回避、『高宇遠広有無』で存在ではなく位置情報をぼかし、
『星の上の王子様』で高速移動を繰り返した。
ブーンが、一人を狙って攻撃しようとすれば、また別の人が攻撃をしかけ、邪魔をする。
ブーンが逃げ出そうとすれば、フサミかロマネスクが即座に追いかけ、叩き落す。
不可視の攻撃。回避不能の範囲攻撃。度重なる瞬間移動。その他、もろもろ。
これらすべて決め手になることは、なかった。
( ФωФ) 「まるで…『裸の王様』だな」
ミ*;゚ー゚彡
彼女は、闘いながらぼつりと呟いた、ロマネスクの声が聞こえていた。
確かに、そう言われてみればそのとおりだと、フサミは思った。
- 603 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/08(日) 00:26:55 ID:N9TjMf/A0
彼は、強力な能力を得て、得意になっているが、実力がまるで伴っていなかった。
はっきり言えば、これなら「ドクオ」のほうがまだいくらか強かったように思える。
さらに、数刻後。ついに決着した。
フサミは、体のあちこちから伝わる激痛を、こらえ、脂汗をながしながらも、そっと掲げていた
右手を下ろし、ブーンを地面に下ろした。
ミ*;゚ー゚彡 「…満足、しましたか?」
(#);ω;)
フサミが、その一言を呟いだのは、東京ドームはおろか、この街まるごと消し飛ばさんばかりの
核爆級の一撃。そのエネルギー弾が、彼の間関門によってあっけなく第二次元空間に飛ばされてしまった時であった。
あっけにとられたブーン、その一瞬を捉え、フサミが彼を重力場の檻に閉じ込める。
ブーンを中心に、全ての攻撃は全て、ブーンに帰っていく捕縛技である。
しかし、これは同時に、ブーンそのものを潰さないようにする、極めて精密でデリケードな能力であるが故、
限りなく接近し、無防備のブーンにかける必要があったのだが。
いくら、フォックスの『高宇遠広有無』によるサポートがあったとはいえ、
フサミ自身にも驚くほどすんなりとできてしまったのである。
フサミは、一応、不審な動きがあれば即座に、肉塊のボールまで押しつぶすという覚悟もできてはいたが…。
フサミは、その能力を解いた。
- 604 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/08(日) 00:30:13 ID:N9TjMf/A0
フサミが、その一言を呟いだのは、東京ドームはおろか、この街まるごと消し飛ばさんばかりの
核爆級の一撃。そのエネルギー弾が、彼の間関門によってあっけなく第二次元空間に飛ばされてしまった時であった。
あっけにとられたブーン、その一瞬を捉え、フサミが彼を重力場の檻に閉じ込める。
ブーンを中心に、全ての攻撃は全て、ブーンに帰っていく捕縛技である。
しかし、これは同時に、ブーンそのものを潰さないようにする、極めて精密でデリケードな能力であるが故、
限りなく接近し、無防備のブーンにかける必要があったのだが。
いくら、フォックスの『高宇遠広有無』によるサポートがあったとはいえ、
フサミ自身にも驚くほどすんなりとできてしまったのである。
フサミは、一応、不審な動きがあれば即座に、肉塊のボールまで押しつぶすという覚悟もできてはいたが…。
フサミは、その能力を解いた。
( ФωФ) 「…フサミ」
ミ*;゚ー゚彡
フサミの能力に、回復手段はない。未だに体中に激痛が走っている。
もはや、彼女はもうほとんど気合と根性だけで立っているようなものだ。
しかし、それでもブーンのそばにまで彼女は歩きよった。
(#);ω゚) 「ふっふっ ふぅう…ぅぅう!!」
- 608 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/08(日) 00:36:35 ID:N9TjMf/A0
しかし、ブーンは怯えていた。
もう、彼を覆う重力場もないのに、もはや今になれば、ブーンが逃げの一手に集中すれば
誰も追うこともできないだろう。
それほどまでに、彼はいまこそが、巡ってきた最大のチャンスだった。
しかし、彼は、逃げるに逃げられなかった。
ミ*;゚ー゚彡
このフサミ。みんなの協力があったとはいえ、最終的にブーンを捉えたのは彼女だった。
そして、彼女のまっすぐ見つめるその眼に、ブーンはどうしても目をそらすことはできなかった。
手を上げることも、逃げ出すことも、できない。彼は、ただ縮こまって、震えるだけだった。
ミ*゚ー゚彡 「ふぅ…」
フサミが、右手をふるい…乾いた音が、パンッと響いた。
(;ФωФ)
爪;'ー`) イタソッ
ミ*゚ー゚彡
⊂
(#)^ω(#) じんじん
- 609 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/08(日) 00:37:29 ID:N9TjMf/A0
ミ*゚ー゚彡 「…ブーン君」
ミ#゚ー゚彡 「だめでしょ、こんなことしちゃ」 ぷんすか
(#);ω゚) 「う…うう… っう!!!」
(#);ω;) 「うぐぅぅうううううぅぅうおおおぅぉぉおぉおぉぉぉぉぉおおおおお!!!!」
彼は、駄々っ子のように、泣き喚き、そして。
(#);ω;) 「………‥…べん………‥なざぃ」
彼の長い孤独な旅に、終止符がうたれた。
- 611 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/08(日) 00:39:23 ID:N9TjMf/A0
(´・_ゝ・`)
僕は、こっそりと、あの野球場から抜け出していた。
コツンコツンとビニル床に靴で叩きながら歩く。
さっきから響きわたっていた戦闘音が収まったところから、決着がついたのだろう。
どっちが勝ったのかわからないが…素手の大人3人と、身の丈にあわない大きな日本刀をもった子供1人。
あの戦況を強いてたとえるならばこうなる。
本当に、予想するまでもない。
- 614 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/08(日) 00:42:15 ID:N9TjMf/A0
(´・_ゝ・`) 「…ここだ」
僕は、この東京ドームという建物に、なんとなく既視を感じていた。
あの、ブーン。という男の存在に僕はびっくりしてしまったし、もしかしたらペニサスのことやクーのこと。
この世界についての手かがりが何かが有りそうな気がしていたが、それ以上に
この既視感が気になってしまって、しょうがなかった。
恐らく、これは重要なものなのだ。と、『自分』はそう思っていた。
( ゚"_ゞ゚) 「どこへいく、デミタス」
(´・_ゝ・`) 「おっと…」
僕は、いくつかの階段をのぼって、いくつかの廊下を渡って、ようやくたどり着いた
見覚えのある扉の前に立っている。
ここまで、ずっと一人できてたと思っていたのだが、オサム。こいつもついてきたのか。
- 616 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/08(日) 00:45:59 ID:N9TjMf/A0
( ゚"_ゞ゚) 「…まさか、あの戦闘の途中で抜け出すとは、流石に驚かされたぞ」
(;´^_ゝ^)ゞ 「い、いつものことでしょ?エヘヘ」
( ゚"_ゞ゚) 「―――が、まぁ、ちょうどいいかもしれないな」
(´・_ゝ・`) 「……といいますと?」
…ニィッ と、オサムは口角をあげた。
彼は、腕組をし、眉を歪めて僕の顔を見つめる。
前からおもっていたけど、この人、やっぱりちょっと芝居振る癖があるよね。
ちょっと痛い方向に。
( ゚"_ゞ゚) 「ファファファ…そう、腰をひくでない。我と君は、同じペニサス討伐の組だろう?」
(´・_ゝ・`) 「すまないけど、僕はそんなつもりじゃないんだよねぇ」
( ゚"_ゞ゚) 「それも知っている」
(;´・_ゝ・) 「え?! ええぇ?!」
( ゚"_ゞ゚) 「フサミさんにこっそりうわさ話してくれた」
(;´゚_ゝ゚) 「フサミさぁんッ?!」
- 619 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/08(日) 00:48:53 ID:N9TjMf/A0
( ゚"_ゞ゚) 「ま…飽くまで、ペニサスとは因縁がある程度くらいしか聞かされなかった」
( ゚"_ゞ゚) 「―――が、我は我個人として、少々君に興味を持った」
(´・_ゝ・`) 「だから、ついてきちゃったわけか」
( ゚"_ゞ゚) 「ファファファ…」
(´・_ゝ・`)=3
( ;´・_ゝ 「…僕、しらないよ、どうなっちゃっても!」
( ゚"_ゞ゚) 「ファファファ…して、この部屋に用があるのか?」
(´・_ゝ・`) 「うん、なんかここ、すっごい見覚えがあるんだよね…」
(´・_ゝ・`) 「とりあえず、まずはっと、ノックしてもしも〜〜〜し!」コンコン!
( ゚"_ゞ゚)
(´・_ゝ・`) 「よし、反応なし!ふん!ふん!あれ?開かない!!引くのか?!」
( ゚"_ゞ゚) 「…おい」
(´・_ゝ・`) 「ん、なんだよ?」
( ゚"_ゞ゚) 「…ペイントされていて気づきにくいだろうが…」
( ゚"_ゞ゚) 「それは、自動ドアだ」
- 621 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/08(日) 00:49:48 ID:N9TjMf/A0
(´・_ゝ・`)
( ゚"_ゞ゚)
(´・_ゝ・`)
( ゚"_ゞ゚)
( ´・_ゝ・) 「…どおりで、ノブとかないとおもった」
( ゚"_ゞ゚) 「ふむ」
―――そして、僕は、その扉…自動ドアを無理やり開けた。
廊下の電灯の光が、入る。中は、闇、というほどに暗くはなく、目をこらえば見渡せる程度だった。
- 624 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/08(日) 00:51:13 ID:N9TjMf/A0
(´・_ゝ・`)
( ゚"_ゞ゚)
気配がした。見渡す限り、誰もいないが、自分ら以外の存在を感じ取った。
部屋の中に、一歩、二歩、三歩と踏み込む。
続いて、オサムも入っていく。
においがする。
(´・_ゝ・`)
( ゚"_ゞ゚)
カサリ、となにかを踏みつぶす。下を見る。
プラスチックの弁当箱だった。
よくみれば、あちこちペットボトルや紙パック、弁当箱の残骸が散らばっている。
どうやら、誰かが、おそらくはブーンが、この部屋を住まいとして使っていたのだろう。
臭いが、する。
- 625 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/08(日) 00:52:52 ID:N9TjMf/A0
(´・_ゝ・`)
( ゚"_ゞ゚))
僕は、この臭いはこのゴミから放たれたものではないと思った。
ちらりと横に居たオサムをみる。彼は、鼻に手をやっていた。
この臭いは…。
死臭が、する。
(´・_ゝ・`)
( ゚"_ゞ゚)
部屋の一角に、もじゃっとしたものが落ちてあるのを、見つけた。
オサムは、一歩下がり、自動扉が復活していきなり閉まらないように、抑えた。
僕は、そのもじゃっとしたものを、よく見るために、さらに足を進めた。
ここから、死臭がする。
- 627 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/08(日) 00:54:16 ID:N9TjMf/A0
入り口から、オサムから、距離が離れていく。
光から、離れて、薄暗くい隅っこのほうに、近づく。
あるていど、近づけば、彼は嫌な予感がした。
酷い死臭がする。
(´・_ゝ・`)
( ゚"_ゞ゚)っy=
後ろから、銃を構え、トリガーをあげた金属音がした。
そのまま、僕は、歩幅を縮めながらも接近を続け、しゃがむ。
地面を手につけ、顔を近づけてみて、ようやく、この現実を身に受け入れ始めてきた。
死体が、あった。
- 628 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/08(日) 00:55:31 ID:N9TjMf/A0
(´・_ゝ・`) 「……………」
( ゚"_ゞ゚)っy=
僕は、それがなんなのかを確認すると、立ち上がった。
くるりと、オサムのほうを見やる。オサムは、銃口をこちらにむけている。
廊下からこぼれている光をみて、やや、目を細めてしまうが、それで僕は、
この部屋の正体を、既視感の理由を、理解した。
(´・_ゝ・`) 「…でよう」
( ゚"_ゞ゚)っy=
( ゚"_ゞ゚)彡 カチッ
僕達は、あの部屋を後にした。
オサムも、トリガーを戻し、銃を懐にしまい込んだ。
部屋をでて、僕はオサムにあることを告げることにする。
- 630 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/08(日) 00:56:34 ID:N9TjMf/A0
僕達は、あの部屋を後にした。
オサムも、トリガーを戻し、銃を懐にしまい込んだ。
部屋をでて、僕はオサムにあることを告げることにする。
(´・_ゝ・`) 「どうやら、この世界の正体を、掴んだ気がする」
( ゚"_ゞ゚) 「ほう?」
死臭は、未だにする。
僕らが出た後に、扉は一人でしまった。
- 631 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/08(日) 00:57:27 ID:N9TjMf/A0
ち | |: : |: :
 ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| く | |: : |: :
| | | ̄ ̄わ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ______ :| |: : |: :
| // | | 大明 | | | | |: : |: :
| | | ネ申 | | ========== | | |: : |: :
| // | 从从________| | ========== | | |: : |: :
| | ハvVv | ========== | | |: : |: :
| | ルwwヽ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | |: : |: :
| | Wwwリ | |: : |: :
| // | |:|_ | |: : |: :
__|______|____|~~;|________________________________________| |: : |: :
;';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';'\ `--':::: : : : : : : : : : : : : : : : :|\ /受付/| _\:::: ::\|: : |: :
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ : : : : : : : : : : : : : : :| \ ̄ ̄ \:  ̄|  ̄ \:
: : : : : : : | \ \::| (::д。)\
\ \ \_______
\ ::: \__________
\ :::::.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
\. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
\: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
- 632 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/08(日) 00:58:42 ID:N9TjMf/A0
(´・_ゝ・`) 「『過去』だ」
( ゚"_ゞ゚)
―――――――――――――――――――――→ 過去
デミタスたちは、思い出の中で彷徨う人と出会い、
過去から続いた連鎖の存在を知り、
- 634 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/08(日) 00:59:29 ID:N9TjMf/A0
|
|
|
ヒッキーは、傍らにいる少女の制止を無視して、 |
現実という世界から本屋という空間へ |
ノックをかけて |
|
|
幻 |
想 |
↓
↑
| 現
| 実
|
|
| ペニサスたちは、この狂ったような
| 幻想から抜け出すために
|
| 図書界の猫を見つけ出そうとしていた。
|
|
- 636 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/08(日) 01:00:30 ID:N9TjMf/A0
―――― そして、 未来 ←―――――――――――――――――――――――――――
4つは、それぞれ、かえろうとしていた。
・ ・
.
- 637 名前:第┤話 ◆OynLTaqGgo 投稿日:2012/04/08(日) 01:01:28 ID:N9TjMf/A0
つ づ く
.