( ^ω^)炎の紋章のようです

1 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/16(水) 00:50:50 ID:kJrTSOMA0
昔々、この大陸【ニチャン】に、ようやく秩序が生まれ始めた頃。

突如【魔王】と名乗る残虐な男が現れ、その凄まじい魔力により、

大陸を瞬く間に征服し、悪魔のように、思うままに人々で遊び、苦しめていた

魔王を恐れ、彼の目に留まらぬ様、闇に隠れるように生きる人々。

そんな中で、ある一人の若者が現れた。

彼には特別な力など無かったが、不思議と人々は彼の元に集ってゆく。

いつしか若者は【勇者】と呼ばれ、仲間とともに残虐な魔王に立ち向かっていった。

魔王の凄まじい力に何度も倒れ、しかしその度に皆は立ち上がる。

彼らは激しい戦いの末に魔王を打ち倒し、この大陸を光の下に取り返した。

多くの仲間と、勇者の命を引き換えに。

2 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/11/16(水) 00:52:38 ID:kJrTSOMA0
生き残った4人の仲間は、それぞれがこの大陸で国を興し

皆で力を合わせこの大陸を守っていくことを誓い、別れていった。

遊牧民は草原と山脈の地に国を建てた。
行商を生業とする【ロビー】。

戦士が興した広大な国。
騎士達がその剣を捧げる【ニューソク】。

僧侶が目指したのは平和な国。
勇者が生まれた地に建つ【ラウンジ】。

そして魔王が現れた気候の厳しい地に建つ【シベリア】。
魔法使いが治め、二度とあのような者が現れないよう
厳しく目を光らせていた。

それぞれの国々は手を取り合い、順調に繁栄を続けていった。

3 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/11/16(水) 00:54:22 ID:kJrTSOMA0
そして時が経ち、大陸暦350年。

一見平和が保たれているこの大陸に、新たな影が差そうとしていた。

この影に対抗する光。

  ( ^ω^)

ニューソクのとある農村に住むこの青年、ブーンの人生が

今、変わろうとしていた。

後の世で【再来の勇者】と呼ばれるようになることなど

彼はまだ、知る由もない……


   ( ^ω^)炎の紋章のようです

4 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/11/16(水) 00:55:40 ID:kJrTSOMA0
〜第1章〜

運命の少年


〜ニューソク国、VIP村〜

空には雲ひとつ無く、太陽の日差しがさんさんと降り注ぎ、木々は緩やかな
風によりその葉をかさかさと鳴らしている。そんな気持ちのいい天気の下、
この集落の中心部らしき場所からぽつんと離れたひときわ大きな畑には
青々とした作物が実り、がっしりとした青年が一人農作業を行っていた。

( ^ω^)「ふー、今日もいい天気だおー。
      心なしか野菜も元気がいいおね」

('A`)「今日も精が出るな、ブーン」

青年が声の聞こえたほうに顔を向けると、痩身で幸の薄そうな男が帯剣して立っている。
ブーンと呼ばれた青年はその姿を認めると少し微笑み、畑になっていたトマトを
ひとつ手に取り男に向かって放り投げた。

( ^ω^)「ドクオかお、昼間っからぶらぶらしてるんじゃねぇ、おっ!」

('A`)「バーカ、自警団の見回りだっつの。
    ……このトマトうめぇな、サンキュ」

5 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/11/16(水) 00:56:48 ID:kJrTSOMA0
( ^ω^)「おっお。今年は良い出来なんだお。
      ほかの野菜も元気に育ってるから、収穫を楽しみにしてるお」

('A`)「おう。そんときは手伝うわ」

( ^ω^)「ところで何のようだお?
      いつものルートにここは入ってなかったと思うけど」

ブーンがそう聞くと、今までにこやかに話していたドクオはその表情を引き締め
彼が所属しているこの村の自警団の一員として話し始めた。

('A`)「ああ、それなんだが……最近ここらに大型の山賊団が居着いたようだ。
    近くの村でも被害にあったみたいでさ」

( ^ω^)「噂には聞いてるお。」

('A`)「今ジョルジュもほかの村への警戒の呼びかけすんのに
    何人かで出払っててさ。まあ気をつけろって話だ」

( ^ω^)「了解。頼りにしてるお、自警団さん」

6 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/11/16(水) 00:58:09 ID:kJrTSOMA0
そこまで話すとドクオは表情を緩めたが、他に何か話したいことがあるようで
所在なさげな顔つきで口を開くのをためらっていた。

('A`)「……なぁ、すこし休憩しないか?かーちゃんがクッキー作ってさ」

( ^ω^)「おっ、じゃあそこの木陰にでも行くかお」

('A`)「おう。……ところでさ、ブーン……何回目かわかんないけどさ、
    お前自警団に入んないのか?」

( ^ω^)「……そっちが本命かお」

ブーンが座り込むなりドクオは当初の目的を話し始め、ブーンはそれにいくらか
うんざりしたような表情で返事をする。

('A`)「お前が入ってくれたらもっと楽になるんだ。実際この前の山賊だってお前が
    居なかったら被害が……」

( ^ω^)「ドクオ、僕にその気はないお。……僕は、僕を拾って育ててくれた
      爺ちゃんが残したこの畑を守らなきゃならないんだお」

('A`)「……」

7 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/16(水) 00:59:35 ID:kJrTSOMA0
( ^ω^)「自警団に入ったら訓練、見回り……この畑にかけられる時間が
      なくなっちまうお。それに、自警団に入らなくても戦うことはできるお」

('A`)「……そっか、お前のじいちゃん……いや、俺たちの師匠の畑だもんな」

( ^ω^)「……もちろん、この村が危なくなったら進んで戦うけど。
       今のところは畑のほうが大事だおね」

('A`)「……すまんかったな、答えはわかってたっつーのに。
    でかい盗賊団が来たって聞いてちょっと焦ってたのかもしんねえ」

( ^ω^)「なんでもないお」

('A`)「まあ気が向いたら訓練に顔出してくれよ。
    なんせお前がいねーとジョルジュぐらいしか相手になる奴いなくてさ」

( ^ω^)「おー、今の区画が一段落したらいくお」

('A`)「頼んだぜ。……そろそろいくわ。見回りの途中だったしな」

そこまでいうとドクオは立ち上がり、枯れ草や土の付いた尻を叩きながら
村の中心部の方向へと歩いていく。

( ^ω^)「おー、頑張るお」

('A`)「おう、そっちも畑仕事がんばれよ」

8 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/16(水) 01:01:18 ID:kJrTSOMA0


( ^ω^)「……日も落ちてきたし、今日の作業はこんなもんかお」

夕暮れ時、ブーンが作業を終え、家の中に入ろうと片づけをしていると
村のほうから誰かが声を上げて走ってきた。見ると、ドクオと同じく自警団に
所属している少年で、何事なのかひどく焦っている。

(;=゚ω゚)ノ「ブーンさんっ、まずいことになったよぅ!!手伝ってくれよぅ!!」

( ^ω^)「いったいどうしたお!?」

(;=゚ω゚)ノ「奴らもうこの村まで来やがったんだよぅ!!被害も出ちまってる!!
      クソっ、ジョルジュさんもいなくて人手が足りねぇっつーのによぅ!!」

(;^ω^)「!!」

奴ら、と言われてブーンもすぐに察しが付いた。
昼間にドクオが注意を促していた山賊どもである。
今もこの村で略奪を行おうとしているが、自警団に抵抗されているのだろう。

(;=゚ω゚)ノ「とにかく来てくれよぅ!!今は他の自警団の奴らとドクオさんが
      なんとか食い止めてるけど、ドクオさんも他を庇いながらだから
      なかなか本気で戦えないんだよぅ!!!」

(;^ω^)「っ、わかった、すぐ行くお!!」

ブーンはすぐさま家に戻り、しまっておいた斧を取り出した後、
呼びに来た少年とともに今まさに戦っているだろうドクオの元へと急いだ。

9 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/16(水) 01:02:06 ID:kJrTSOMA0
〜村の入り口〜

(  ゚∀゚ )「アヒャヒャヒャ!!ぶっ殺せ!!全部奪っちまえ!!」

「やっ、やめろぉぉぉ!!!」

「畜生!!またやられちまった!!!」

(;'A`)「皆っ!!頑張るんだ!!」

村には既に十数人の山賊が入り込んでしまっていた。
入り口ではドクオらが奮闘していたものの、奴らは村の家々から強奪を
始めているだろう。そちらの対処や避難する村人の警護、誘導にも人員を割かねばならず、
然程人数の多くない自警団では対処は難しく、戦い始めたばかりとはいえ村人や団員に
何人か被害が出てしまっていた。

(  ゚∀゚ )「田舎自警団ごときが調子乗ってんじゃねーよバーカ
      このアヒャ様の山賊団に敵うわけねーだろうが!!!!」

10 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/16(水) 01:02:57 ID:kJrTSOMA0
「くっそおぉぉぉぉ!!!!」

(;'A`)「おいっ!!早まるな!!」

安い挑発に血が上ってしまった自警団が一人、ドクオの制止も聞かず首領らしき男に
向かっていったが、振り下ろした剣はその男の持った斧に簡単に止められ、自警団員は
容易く姿勢を崩してしまっていた。

(  ゚∀゚ )「だーから調子こいてんじゃねーっつのハゲ」

「!」

(  ゚∀゚ )「大人しく殺されとけっ、て!!」

「がっ、うぁ……」

(  ゚∀゚ )「アヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!!」

(;'A`)「くそっ……」

「やめるおっ!!!」

11 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/16(水) 01:03:54 ID:kJrTSOMA0
(  ゚∀゚ )「んー?」

首領の男が斧に付いた血を払いながら振り返ると、そこには一人の青年が息を切らし
立っていた。何のことは無い、農作業をしていた奴が道具を持ったまま駆けつけて
きたのだろう、わざわざ死にに来てご苦労だな、と彼はその程度にしか考えなかった。

(;^ω^)「ドクオっ、大丈夫かおっ!!??被害は!?」

(;=゚ω゚)ノ「はっ、はっ、やっと追い、ついた……ブーンさ、速ぇよぅ……」

(;'A`)「来てくれたか……、残念ながら団員は何人かやられちまってる……
     おい、他の村の人たちは?」

(;=゚ω゚)ノ「ほ…ほとんど、避難、したけどよぅ……こっちも何人か……」

(#^ω^)「……このクソ野郎どもめ」

ブーンが来たことで、ドクオは幾分安堵した表情を浮かべた。
誰よりも信頼できる親友が駆けつけたのだ、もう彼には何も心配は無かった。

一方でブーンはドクオや残っていた自警団員の話を聞いて、頭に血が上っていくのが
分かった。何も罪など無い村の人たちが目の前の山賊どもに一方的に殺された。
彼は怒り、目の前の敵のことだけに集中し始めている。

12 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/16(水) 01:05:01 ID:kJrTSOMA0
(  ゚∀゚ )「なーんだぁ?ひょろい自警団の野郎どもに……増援が農具持った農家ってか?
      アヒャヒャヒャ!!傑作だ!!お前らだけで何する気だよ!!??
      てめえらは黙って俺らに搾取されてればいいんだよぉ!!!」

(#^ω^)「少し黙ってろお」

(#'A`)「ブーンも来たしな……覚悟しろよてめぇら……一瞬で切り捨ててやる。
     皆は他の場所に増援にいってくれ」

(;=゚ω゚)ノ「わ、わかったよぅ」

そうドクオが言うと、その場にいた自警団は少し戸惑ったものの、ほかの場所で
戦っているだろう団員の下に駆けていった。
全員がドクオとブーンのふたりなら大丈夫だ、何も問題は無いと信じていた。

残ったドクオとブーンの周りには十人近い山賊たちが構えていた。
山賊たちは明らかに余裕な表情で、いつでも彼らを殺せるとでも思っているのだろう。
しかしドクオとブーンの顔に焦りの表情は一切無く、逆にそれが首領の男を楽しませた。

(  ゚∀゚ )「アヒャヒャヒャヒャ!!!!面白ぇ!!
      おら、さっさと行け野郎ども!!!!」

「「「ううううおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」」」

13 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/16(水) 01:06:07 ID:kJrTSOMA0
(#'A`)「遅ぇッ!!」

ドクオは襲い掛かる男の斧の上段からの一振りを屈んでかわし、そのまま上方に
切りつける。続けて剣を振り下ろし、前方に居た別の山賊の肩から先を切り飛ばした。

「がぁっ!!」「あっ!!??速……」

(#^ω^)「おらっ!!!」

「ぅぶっ……!!」

ブーンが斧を水平に振り切ると、目の前に居た山賊の横腹に突き刺さり、そのまま
その体を吹き飛ばした。その先に居た男は不運にも飛んできた肉塊に巻き込まれ、
数メートル吹き飛ばされて転がっていった。

(#'A`)「残りの雑魚は全部俺がやるっ!!!!
     親玉の方はブーン、任せた!!!!」

(#^ω^)「おおっっ!!!!」

14 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/16(水) 01:07:05 ID:kJrTSOMA0
(  ゚∀゚ )「アヒャ、そこそこやるみてーだが……俺様に勝てると思うなよ!!!!!」

残りの山賊はドクオに任せ、ブーンは後ろに控えていた首領の男に向かって
凄まじい速さで駆けていく。
しかし男は焦らずブーンの駆けてくるタイミングを計り、思い切り良く
自らの斧を振り下ろした。

(  ゚∀゚ )「オラァッ!!」

(#^ω^)「軽いおっ!!!!」

しかしその振り下ろした斧は容易くブーンによって止められてしまう。
ブーンは駆けてきた勢いそのままに相手の斧を振り払い、男はそれによって
体制を崩し無防備になってしまった。

(; ゚∀゚ )「!!??なっ、農民ごときが俺様の斧を止められるハズ……」

(#^ω^)「隙だらけだっ、おっ!!!!」

(; ∀ )「うがああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

ブーンは男のその無防備な腹部に、駆けてきた自らの全体重を乗せ斧を振りぬいた。
男は防御も取れず、その臓腑を散らしながら背後に数メートル吹き飛ばされ、
そのまま身動き一つ取ることが出来なくなった。

15 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/16(水) 01:07:52 ID:kJrTSOMA0
(;  ∀  )「くっ、糞がっ……俺、様が……こんな奴ら…にぃ……」

( ^ω^)「……ふー……」

(#'A`)「こっちは粗方終わったぞ。ブーンも…終わってるな」

( ^ω^)「……よし、ドクオ、急いで他のところにも行くお!!!!」

(#'A`)「おうっ!!!!急ぐぞっ!!」



ブーンとドクオが山賊の多くを引き受け、他の団員が増援に来たことで
村の中に入り込んでいた山賊たちも撃退することが出来たが、やはり多くの被害が
出ていた。家のドアや窓は壊れ中も荒らされており、死者も何人も出てしまっているなど、
村の状況は酷いものだった。

('A`)「……結構被害出ちまったな」

( ^ω^)「……すまんお。僕が遅くなったばっかりに」

('A`)「バーカ、自惚れんな。お前が最初からいたって全員助かったわけじゃねーって」

( ^ω^)「……お」

16 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/16(水) 01:09:31 ID:kJrTSOMA0
('A`)「むしろこれだけの被害で済んだんだ。
    覚悟もしてた……こいつらも村を守れて本望だろうさ。
    ……村の人たちは残念だけどさ」

( ^ω^)「……」

('A`)「……よし、また残党が襲ってくるかもしれねー。今日のところは休もうぜ。
   早く家に帰れよ。明日もいろいろあっからな?」

( ^ω^)「……わかったお」

('A`)「うし、じゃあ行った行った!!見張りは自警団のほうで交代でやっとくからさ!!」

( ^ω^)「ありがとうお、ドクオ」

('A`)「……なんでもねえよ。んじゃおやすみ」

( ^ω^)「おやすみお」

そういうとブーンは浮かない表情のまま自らの家へと帰っていった。
ドクオはその後姿を見送った後、他の自警団員に指示し、頭の中でやるべきことの
整理をしながら、村の入り口の方へと歩いていった。

('A`)「……あいつは優しすぎるな。それがブーンのいいとこなんだけどさ
   ……よし、それじゃあしっかり見張っとくかね」



第1章  終

17 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/16(水) 01:12:34 ID:kJrTSOMA0
ユニット


ブーン  ( ^ω^) 移動 6  
農民           重量 9
LV 2 EXP 40
HP 18/18
Personal Date 速さ 7
力   6   幸運 5
  魔力  0 守備 4
  技 6 魔防 0

持ち物  E 鉄の斧
       傷薬

VIP村の農家の青年
心優しく 人のために戦う


ドクオ   ('A`)    移動 6  
剣士            重量 7
LV 2 EXP 35
HP 17/17
Personal Date  速さ 9
力   4    幸運 5
  魔力  0 守備 4
  技 7 魔防 1

持ち物  E 鉄の剣
       傷薬

年は若いが 村の自警団のリーダー格
ブーンの幼馴染で 友達思い

18 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/16(水) 01:16:40 ID:kJrTSOMA0
アヒャ  (  ゚∀゚ ) 移動 5  
山賊           重量 11
LV 5 EXP 0
HP 21/21Personal Date  速さ  3
力   6     幸運  2
  魔力  0     守備   3
  技   1      魔防   0

持ち物  E 鉄の斧
      
山賊団の頭領


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