( ^ω^)炎の紋章のようです

97 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/01/11(水) 00:50:53 ID:1a4CxeQA0

第4章

陰謀



VIP村を出発してから三日後、ブーンらは昼をいくらか過ぎた頃に、王都手前にある
プラスという村に着いていた。
アニジャらは隊を止め、馬から降りて他の騎士たちに何か指示を飛ばしている。

(´<_` )「……今日はここの村で休ませてもらうとしよう」
 _
( ゚∀゚)「? まだ昼じゃないですか、都ってもう目の前でしょ?」

( ´_ゝ`)「急ぐわけじゃないし。今から行っても着いたら夜中だ。
      姫を遅くまでうろうろさせるのもアレだしな。いらない奴らは先に帰らせるけど」

('A`)「それなら俺たちは宿取ってきますね」

98 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/01/11(水) 00:52:06 ID:1a4CxeQA0
(´<_` )「頼むよ。俺たちは馬をどこかに預けてくる。
      ついでに姫の寝床を頼む」

ξ゚听)ξ「どこでも構わないわよ。寝られれば」

( ´_ゝ`)「ほんとに何処でも寝るからな」
 _
( ゚∀゚)「ほんとお姫様らしくないよなー」

ξ゚听)ξ

(;^ω^)「いや、褒め言葉だお!!ねぇジョルジュ!!」
 _
(;゚∀゚)「そうそう、褒めてんですよ!!」

ξ゚听)ξ「……まあ自覚はあるからいいわよ」

('A`)(あるのかよ)

(´<_` )「一通り終わらせたらすぐ行くから、それまで護衛の方もたのむよ。
      一応騎士見習い、だしな」

99 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/01/11(水) 00:52:58 ID:1a4CxeQA0
 _
( ゚∀゚)「はい!!了解しました!!」

( ´_ゝ`)「何も無いとは思うんだけどさ。
      むしろ姫と一緒のほうが面倒だと思うぞ」

(´<_`;)「すまないな。姫が派手なもてなしを嫌うせいで面倒なことをさせて」

('A`)「近くの偉い人に連絡取ればその御館にでも泊めて貰えそうですもんね」

ξ゚听)ξ「そんなことしたら騒ぎ起こすわよ。家出したりとか」

(;^ω^)「とんでもねーお」

ξ゚听)ξ「なんかムカつくのよね。立場気にして媚びへつらってるのとか」

(´<_`;)「……そういう訳で、しばらくは頼んだ。
      一応身分は適当に隠しておいてくれ」

100 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/01/11(水) 00:54:23 ID:1a4CxeQA0


('A`)「宿は見つかったけど……どうします?」

ξ゚听)ξ「村の見物でもしましょうよ」

( ^ω^)「でも特に何も無さそうな村ですお?」

ξ゚听)ξ「いいのよ。何でも結構珍しいんだから」
  _
( ゚∀゚)「んじゃ、行きますかい」

当てもなく四人が歩き出すと、目の前に赤髪の女性が通りかかった。
背中に弓矢を背負っているので、おそらく狩人であろう。
彼女はブーンらに気付くと、親しげに話しかけてきた。

从 ゚∀从「ん?おーおーおー、お客さんかよ、こんな素通りされるだけの村に珍しいね!」

( ^ω^)「この村の人ですかお」

从 ゚∀从「そーそー。あたしはハインリッヒ。ハインって呼んでよ。
      ここで狩人やってる。お客さんならもてなさなきゃ!
      ちょうど昨日ウサギが狩れたんだ、昼時だし、ごちそうするよ」
  _
( ゚∀゚)(どうする?)

('A`)(素性の知れない奴についていくのはまずいだろ)

101 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/01/11(水) 00:55:28 ID:1a4CxeQA0
三人がこっそりと相談していると、ハインリッヒはニヤリと笑い
姫のほうを指して言った。

从 ゚∀从「心配すんなよ。その女の子、貴族とかかい?」

ξ゚听)ξ「……」

( ^ω^)「……なんでだお?」

从 ゚∀从「綺麗なナリだし見りゃ分かるよ。ま、あとは勘かな?」

(;'A`)「勘って……」

从 ゚∀从「昔から勘が鋭いのさ。特技みたいなもんだね。
      だから心配すんなよ、あたしはほんとにただの狩人だからさ」

笑って話すハインリッヒの言葉にブーンらは警戒を強めるが、
姫だけは一人前に出てハインリッヒを見ながら言った。

ξ゚听)ξ「いいわ、行きましょ」

102 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/01/11(水) 00:56:12 ID:1a4CxeQA0
 _
(;゚∀゚)「そーんな簡単に……」

从 ゚∀从「んー……自分で言っといてなんだけど、俺が悪巧みしてたらどうすんのさ?
      簡単に人を信じると損するぜ。偉い人なら余計にな」

ξ゚听)ξ「あなた、そんなことしないわよ」

从 ゚∀从「……へぇ、なんでさ?」

ξ゚听)ξ「見ればわかるわ、後は勘よ」

そう言い放った姫に対し、ハインリッヒは一拍おいてから
堪えきれない、とでもいう様に笑い出した。
姫は微笑んでいるが、ブーンたちは唖然としているしかない。

从 ゚∀从「……あはははは!!気に入った!!ぜひ家に来な!!
      あたし自慢のウサギのシチュー食べてってよ!!」

ξ゚ー゚)ξ「ご馳走になるわ」

(;^ω^)「姫!?……って行っちまったお」

(;'A`)「ったく、俺らも行こうぜ」

103 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/01/11(水) 00:57:17 ID:1a4CxeQA0


彼女の家は村から少し離れた、あたりが開けたなだらかな丘の上に建っていた。
一向が家に着くと、家主はシチューの入っている鍋に火をかけ、皆に座っているよう
勧める。姫は変わらず普通にしているが、ブーンらは一応の警戒を怠らかった。

十分ほどでテーブルにはシチューの入った器とパンが並べられた。
乳白色のルーに赤や緑の野菜が浮かび、周囲にはクリームの香りがたちこめる。
またしても、毒見などの前に姫が最初に手をつけ、それにつられるように若者たちも口に運び始めた。

ξ゚听)ξ「……!」

从 ゚∀从「どう?うまいだろ。趣味なんだ、料理」

ξ゚听)ξ「ええ、とてもおいしいわ!!こんなの食べたこと無いぐらい」
  _
( ゚∀゚)「マジでめちゃくちゃ美味いなこれ」

从 ゚∀从「お粗末さんです。んで、なんだってこんな何も無いところに?」

104 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/01/11(水) 00:58:25 ID:1a4CxeQA0
ξ゚听)ξ「ちょっと王都に帰る予定なのよ」

从 ゚∀从「へぇ、まぁ今から向かっても夜中になるからな。
      結構遠いところまで出掛けてたのかい?」

( ^ω^)「ここまでゆっくりで三日ぐらいだったおね」

从 ゚∀从「ふーん、貴族はいいねぇ、あたしもどっか出かけてみたいモンだよ」

('A`)「ハインリッヒさんはずっとこの村に?」

从 ゚∀从「そうだね、ここで代々狩りをして暮らしてる。
     小さいころから弓を使ってたからね、結構なもんだと思うよ」

ξ゚听)ξ「是非見せてもらいたいわ」

从 ゚∀从「ははっ、機会がありゃあね」

105 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/01/11(水) 00:59:37 ID:1a4CxeQA0


ハインリッヒの家のほど近い所で、剣を腰に下げた長身の男とこの村の住人らしき男が
手に持った絵を見ながら話していた。長身の男のほうはどこか品があるような、
武器を持っているとはいえ野蛮さを感じさせない雰囲気を持っている。
彼らの後ろには同じく武器を持つ男らが数人立ち、話が終わるのを待っているようだ。

(メ._,)「……本当にあの家にこの女が入っていったのか」

「え、ええ、あそこに入っていくのを見ましたよ。三人の男も一緒だったけども……」

(メ._,)「よし、わかった。もう行ってもいいぞ」

「えーっと…・・・その、先程の……」

(メ._,)「ああ……ほら、これをやるから早く行ってしまえ」

「はぁ、はい、ありがとうございます!!ではこれで私は……」

(メ._,)「……金さえ貰えば、同じ村の住民も売る、か。
     まるで乞食の様……いや、それは私もだな……
     ……それでは行くぞ、準備しろ!!」

106 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/01/11(水) 01:00:22 ID:1a4CxeQA0


从 ゚∀从「はー、あんたらの村も大変だったね……」

('A`)「あんなに多い奴らだと思わなかったからね」
  _
( ゚∀゚)「さすがに骨が折れたよなー……」

从 ゚∀从「……ところでさ、こっち来てるあいつらもその山賊だったりする?
      窓から見えてんだけどさ」

(;^ω^)「っ!!」

その言葉に一瞬にして緊張が高まる。
ハインリッヒが指差す窓の向こうから小さく見える程度だが、武装した集団が
歩いてきていた。どの男も小汚い格好をしているようだが、ブーンたちには
どうにもこの間の山賊のような雰囲気は感じられなかった。

(;'A`)「……いや、違うな。格好こそぽいけど、雰囲気から全然違う」

从 ゚∀从「あら、違う?とばっちりじゃないの」

107 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/01/11(水) 01:02:01 ID:1a4CxeQA0
  _
(;゚∀゚) 「武装した男数人って、物騒だねー」

(;^ω^)「狙いは……僕たちかお?」
  _
( ゚∀゚)「ねぇ、今の分かった?武装と物騒って」

ξ゚听)ξ「まぁ、私でしょうね」
  _
( ゚∀゚)「シカトですか?緊張した場を和ませようとしてんだけど」

(;'A`)「ひとまず急いで出るぞ!!奴らの狙いがわからん!!
    ひ…ツンさんとハインさんは家に隠れてて下さい!!」
  _
( ゚∀゚)「こんな時にも気遣いを忘れない俺!どう?ねぇ」

ξ゚听)ξ「了解したわ」

从 ゚∀从「んー……」




ブーンらが急ぎ外に出ると、それを認めた武装集団は立ち止まった。
その数は六人。お互いの距離はある程度離れている。
数秒ほど睨み合った後、口火を切って叫んだのはジョルジュだった。
  _
( #)゚∀゚)「おいてめぇら!!そんなモン持ってきて何のようだ!!」

108 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/01/11(水) 01:03:38 ID:1a4CxeQA0
(メ._,)「君らと一緒にいる金髪の女がいただろう!!そいつを渡してもらおう!!」

( ^ω^)「あんたら何者だお!!なぜその必要があるんだお!」

(メ._,)「答える必要はない!!君たちはそいつを大人しく渡せば危険は無い!!」
  _
(#)゚∀゚)「そりゃあ無理だな!!交渉決裂だ!!」

(メ._,)「そうか。では力づくで行かせてもらう。かかれ!!」

最初から分かっていたように男たちはブーンらに向かって迫ってくる。
それに応じて彼らも慌てず各々の武器を手に取り、待ち構える。

('A`)「スムーズだね、来たよやっぱり。どうするよ」

( ^ω^)「数は多くないし、何とか相手は出来るお。厳しいかもしれないけど……」
  _
(#)゚∀゚)「アニジャさん達が気づいてくれれば楽なんだけどな……」

从 ゚∀从「あたしの腕、さっそく見せられそうだね!」

109 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/01/11(水) 01:05:09 ID:1a4CxeQA0
(;'A`)「ハインさん!?隠れてて下さいって言ったじゃ……」

从 ゚∀从「話は後!!さぁ見てな……」

そういってハインリッヒが弓を構えると、周囲の空気が張り詰めていく。
すばやく弓が引かれ、彼女が狙いを定めた次の瞬間には矢が放たれていた。
矢は風を切り裂くように飛び、それは相手の一人の肩に突き刺さる。
その男は武器を取り落とし倒れこむ。おそらく戦い始めるのは困難だろう。

「うぐっ……」

从 ゚∀从「……ふぅ、どう?」
 _
(;゚∀゚)「あら……」

(;^ω^)「すごいお……」

从 ゚∀从「だろ。さぁさ行った!こっちまで来させんなよ!」

(;'A`)「よ、よし行くぞ!ハインさんも俺らに当てないでくださいよ!」

从 ゚∀从「そんなヘマしないって!ほらほら来るぞ」

(メ._,)「……ちっ、こんな情報はなかったな。三人だけと聞いていたが…
     注意しろ!!相手には優秀な射手がいるようだ!!」

110 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/01/11(水) 01:06:14 ID:1a4CxeQA0
そして両者はぶつかり合う。男たちは手錬のようで、ブーンらも一手で相手を切り捨てる、
というようなことは出来ない。ハインリッヒも時々に矢を放つが、警戒されており
中々命中しなかった。相手の数が若干多いこともあって、戦況は好転しない。
 _
( ゚∀゚)「うらっ食らえ!!!!」

「甘いっ!!」

(;^ω^)「こいつら錬度がちがうお!!」

「はん、ありがとよ!!」

('A`)「やっぱあんたら山賊とかじゃないよね?」

(メ._,)「どうだろうな?」

('A`)「山賊があんたみたいな綺麗な言葉使うかよ!!」

(メ._,)「はは、偏見だな!!」

ジョルジュとブーンは二人づつを相手にし、ドクオは一人で剣を持った男と打ち合う。
ジョルジュらは一対二でも何とかなっていたが、ドクオの方は互角であった。
彼ら三人の実力はほぼ伯仲しており、そのドクオと渡り合えている長身の男もまた
相当の実力であることが感じられた。

111 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/01/11(水) 01:06:59 ID:1a4CxeQA0
( ^ω^)(……こっちは少ないし、このままじゃジリ貧だおね……)

从 ゚∀从「ほら行くぞ、気をつけろよ!!」
  _
(;゚∀゚)「!! ブーンしゃがめ!!」

(;^ω^)「えっ!?」

「ぐあっ!!!!」

ジョルジュの警告に咄嗟に反応したブーンの影から矢が飛来する。
彼と打ち合っていた男は目前に現れた矢に反応できず、その胸に矢が刺さった。
ブーンはすぐさま相手を突き飛ばし、そのまま男は倒れこむ。再び起き上がってくることは無かった。

(;'A`)「……お見事」

(;^ω^)「お、おぉ……あ、あぶねぇお!!!!」

从 ゚∀从「いいじゃん倒せたし。信じてたぜ!!」

112 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/01/11(水) 01:08:46 ID:1a4CxeQA0
 _
(;゚∀゚)「撃つ前にもっとなんかあんだろ!!」

从 ゚∀从「言ったじゃん、気をつけろって」
 _
(;゚∀゚)「わかんねーだろ!!」

('A`)「ほらまた来るぞ、ジョルジュもいいから!!」
 _
(;゚∀゚)「頼むぜおい!?」

从 ゚∀从「へーへー」

過程はどうあれ、数がまた一人減ったことでブーンたちには有利になる。
膠着していた戦況は好転し、しばらくすれば彼らには勝利が訪れるだろう。

(メ._,)(この少年たちは…凄いな、この年で…)

男も才能があったと自負するわけではないが、目の前に居る少年たちに比べれば遥かに
長い時間、武器を握っている。研鑽ももちろん、怠っていたつもりは無い。
部下達もまた、自分と共に死線を潜ったこともある。頼りになると思っている。

それでも彼らを打ち倒せないどころか、数の有利がなければこちら側は逆に負けてしまっていただろう。
一対一でさえ、目の前のドクオとは互角、押されているとさえ感じていた。
彼は少年たちの才能に、素直に感動していた。



(メ._,)「……退け!!戦いを止めるんだ」


そして、ただ漫然と、誇りもなく言われるがままに戦う自分に、憤りも感じていた。

113 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/01/11(水) 01:09:58 ID:1a4CxeQA0
('A`)「は!?」
 
( ^ω^)「何だお……?」

その命令に男たちは戸惑うも、大人しく剣を引き、命を発した男の後ろまで下がる。
ブーンらは同じく戸惑い、しかし追い打ちも大きなメリットは無いと判断しその場に留まった。

(メ._,)「今更になるが、私はサンガツと申すもの。身分は故あって明かせん。
     この益の無い争いをする気が失せた。この場は退かせて貰いたい」
  _
( ゚∀゚)「あ?勝手に襲い掛かってきてそんなんが通用すると……」

(メ._,)「もちろんそうだ。代わりに、私の首で我慢してはくれないか」

('A`)「は?」

从 ゚∀从「……」

(メ._,)「その代わり、こいつらだけは逃がしてもらいたい。
     今後、一切手出ししないことを誓わせよう。
     どうか、頼めないだろうか」

114 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/01/11(水) 01:11:15 ID:1a4CxeQA0
そういって、サンガツは手に持っていた剣を放し、地に落とす。
先程から後ろの男たちは抗議の声を上げているが、サンガツが片手を上げると
彼らは悔しそうな顔をしながらも大人しく引き下がった。

('A`)「……襲ってきた理由とかなんでこの提案したかとか聞いても言わないんだろう」

(メ._,)「すまない。それは言うことが出来ない。
     提案の理由は、この戦いの意味を無くした、とでも言っておこうか」

从 ゚∀从「いいんじゃねーの?」
 _
( ゚∀゚)「簡単にいうけどさぁ……」

从 ゚∀从「もう手は出さないって言ってんだしさぁ。
      たぶん嘘は言っていないと思うし。勘だけどな」

('A`)「まーた勘ですか……」

115 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/01/11(水) 01:12:05 ID:1a4CxeQA0
( ^ω^)「僕もいいと思うお」
 _
( ゚∀゚)「ブーンまでよぉ……」

( ^ω^)「これ以上やってたら僕らも怪我して、最悪姫も死ぬ可能性もあるお。
      それだったら逃がしても後でアニジャさん達と合流してからの方が
      もしまた襲ってきたとしても楽に対処できるおね」

('A`)「まぁそれもそうだけどな」

从 ゚∀从「そうそうその通り」
  _
(;゚∀゚)「あんたも適当だな……
     ま、そういうことだそうだ」

(メ._,)「……有難い。それでは」

そういってサンガツは剣の刃先を持って拾い、柄を近くに居たドクオに向ける。
恐らくそれで首を刎ねろという意味だろう。
ドクオはそれを受け取り、

116 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/01/11(水) 01:13:08 ID:1a4CxeQA0
('A`)「いいよそんなの。返す」


(メ._,)「……は?」

サンガツに付き返した。
彼は意味が分からないというような顔をしているが、ドクオやブーンらは
もう既に殺意など微塵も無い様子である。

( ^ω^)「別に僕ら首が欲しいわけじゃないお」

('A`)「手柄は欲しいけどまだ正式に入団もしてないしな」
 _
( ゚∀゚)「ほんと甘いよなー。
     まぁ、後ろのそいつらの顔見れば殺す気も無くなるけどな」

(;メ._,)「……?」

彼が振り向くと、そこに居た男たちは皆一様に悲痛な顔で、しかしそれでも
サンガツを思い、命に逆らわず、必死に耐えているようだった。
それを見ただけで、彼らがサンガツのことをとても強く慕っていることが分かる。

从 ゚∀从「……いい関係だよあんたら。
俺からみたらこいつらとも遜色無い、と思うけどな」

(メ._ ,)「…………すまない。すまない……」

サンガツはその場に座り込み、その頬に一筋涙をこぼす。
すぐに控えていた男たちが駆け寄ってきて、しばらくの間、彼らは共に
肩を抱き合い、共に涙を流し続けていた。

117 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/01/11(水) 01:14:08 ID:1a4CxeQA0


(メ._,)「済まなかったな。これで我々は失礼する。
     この恩は絶対に返す。何を措いてもだ」

サンガツは憑き物が落ちたかのように晴れ晴れとした顔をしていた。
彼らはここを去る準備をしている。中には普通にブーンらに話しかけるものも居た。
もう既に敵対感情は、無い。
 _
( ゚∀゚)「いーよいーよ」

( ^ω^)「ジョルが一番何だかんだ言ってたくせに……」

ξ゚听)ξ「私は気にしないわよ。こうして平穏無事、被害はなかったんだもの」

戦いが済んだのを察知して、姫も外に出てきていた。(ブーン達はもちろん止めた)
サンガツにはもう何度も謝られていたが、本当に姫は全く気にしていないようだ。

(メ._,)「そういってくれると助かります」

从 ゚∀从「そういやすまんかったな、そっちは一人……」

最初にハインリッヒの矢が命中した男は一命を取り留めていたが、
胸に当たってしまった男は即死だったようで、手の施しようも無かった。
彼の遺体は仲間に背負われ、連れて行かれるようだ。

(メ._,)「それでそちらを怨むのは逆恨みというものだよ。悪いのは私。
     これは私の命令によるものだ。彼に恨まれるべきは私のはずだ」

118 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/01/11(水) 01:15:45 ID:1a4CxeQA0
('A`)「最後にいいか?」

(メ._,)「何だ?言っておくが襲撃の理由などは……」

('A`)「……あんた手抜いてなかったか?」

その質問にサンガツは一瞬戸惑うが、すぐにドクオに
ニヤリ、と笑みを向けて言い、そのまま去っていった。

(メ._,)「……くく、そんなことはないさ。
    あのままでは私は負けていた。君の方が、強い。それではな」



ξ゚听)ξ「ふーん、中々のもんじゃないの」

('A`)「いったい誰だったんだろうな」
 _
( ゚∀゚)「そこらの奴じゃなかったな……」

( ^ω^)「とにかくアニジャさん達の所にいこうお。報告が必要だお」

ブーン達はアニジャ達を探しに村を回る。
幸いにもあちらも用事が済んだためブーン達を探していたようで、
すぐに見つけることが出来た。

119 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/01/11(水) 01:16:40 ID:1a4CxeQA0
   :
   :
   :
   :
(´<_`;)「そんなことが起きたのか」

( ´_ゝ`)「悪かった。何も起こらないと思っていたがこちらのミスだ。
      ……しかしやるじゃんか。お手柄。飴でもやろう」
  _
( ゚∀゚)「へへ、そーだろ」

( ^ω^)「ところで、そのサンガツって男のこと知らないですかお?」

('A`)「只者じゃあなかったんですよ」

( ´_ゝ`)「んー、俺はわからんな。弟者はどうだ」

(´<_` )「うむぅ……聞いたことがあるような気もするが、覚えていないな」

('A`)「そうですか……」

从 ゚∀从「あんたらが騎士さんか!立派な鎧だね!」

120 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/01/11(水) 01:17:41 ID:1a4CxeQA0
ここまで物珍しかったのかアニジャらを観察していてあまり話していなかった
ハインリッヒが会話に参加してきた。
少々怪訝な顔をしながらも、オトジャはブーンに紹介を求める。

(´<_` )「ところでこちらは?」

( ^ω^)「この村の狩人のハインリッヒさんですお」

ξ゚听)ξ「そうよ、ハインも一緒に来ない?歓迎するわよ」

从 ゚∀从「?」

( ´_ゝ`)「いいけど……実力が無けりゃいくら姫のわがままでも聞けないぞ」
  _
( ゚∀゚)「それは俺らが保障しますよ。めちゃくちゃ助かったんすから」

( 'ω`)「でも危なくブーンは殺されるところだったお……」

(´<_` )「まぁそれなら……
      ハインリッヒさん、騎士団に入ってみる気はないか?」

121 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/01/11(水) 01:18:38 ID:1a4CxeQA0
从 ゚∀从「へぇ、俺が?」

( ´_ゝ`)「人材不足でな、戦力が欲しいんだ」

それを聞いたハインリッヒは考える素振りも見せず、笑みを見せ快諾する。

从 ゚∀从「面白そうだね!!ちょうど新しい事がしたかったんだ。
      独り身だし、ありがたく着いてかせて貰うよ!!」

ξ゚听)ξ「ようこそ。これからよろしくね」

('A`)「よし、それじゃ宿に行って休みましょう。もう疲れましたよ……」

(´<_` )「おお、そうだな。こんなことが無いように今夜は俺達が
      しっかり見張っておこう。存分に休んでくれ」

ハインは出発の準備のため家に帰り、彼らは宿に向かう。
外には一晩中騎士たちが交代して見張りを続け、その日は何も起こることは無かった。

122 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/01/11(水) 01:20:33 ID:1a4CxeQA0


(   )「……失敗して、よくも生きて帰って来れたものだな」

(メ._,)「……申し訳ありません」

(   )「貴様の家が没落して家臣ともども路頭に迷い、山賊にでも身を落とす
     しかなかった貴様を拾ってやった恩を忘れたか!!!!」

(メ._,)「……」

(   )「……弁明も無しか。良い、下がれ、無能め。殺す気も失せた。どこへなりとも行ってしまえ。
     路地裏に暮らし民の慈悲を請う、醜く、浅ましい生活に再び戻るがいい」



(メ._,)「……ふぅ、これでいい。もともとがおかしかったんだ。
     家名が無くなろうと……誇りまで捨てることはない。
     さぁ、もうしがらみはない。お前達はどうする?」

「何処へなりとも。最後のときまで貴方に仕えます」

(メ._,)「……有難う」

「さて、どういたしましょうか。我が主」

(メ._,)「そうだな……まずは、そいつの弔いにでも行こうか」




第4章 終

123 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/01/11(水) 01:22:46 ID:1a4CxeQA0
ユニット

ハインリッヒ  从 ゚∀从   移動 5 
アーチャー             重量 5
LV3  EXP 60
HP 19/19
 Personal Date   速さ   7
   力   4     幸運   6
  魔力   1     守備   3
   技   9     魔防   3

持ち物   E 鉄の弓

狩人を生業とする 勘の鋭い女性
獲物を逃すことは めったに無い

124 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/01/11(水) 01:24:58 ID:1a4CxeQA0
サンガツ   (メ._,)     移動 5 
傭兵               重量 10
LV7  EXP 0
HP 28/28
 Personal Date   速さ   7
   力   9     幸運   2
  魔力   3     守備   8
   技   8     魔防   3

持ち物   E 鉄の剣
        傷薬

ツンを狙っていた 謎の男
部下に慕われているようだ


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