- 55 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/25(月) 19:32:35 ID:NDEZfeuM0
吸い付く舌が生き物のようだ。
( *^ω^)「うっひょー!気持ちいいお!」
川 ゚ -゚)「本当?嬉しい……。でも、もう時間だ」
( ^ω^)「あ、そう。せっかく五連発にチャレンジしようと思ったのに。
でいくらだっけ?」
川 ゚ -゚)「一回延長したから、六百万円かな」
( ω ) ^ ^
第三話「ヘルス 逃げ出した先」
- 56 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/25(月) 19:35:28 ID:NDEZfeuM0
( ;^ω^)(まさかぼったくりヘルスだったとは!逃げるしかないお!)
川 ゚ -゚)「あんたたち!出ておいで!」
( ・−・ )( ´W`)( ´ー`)( ゚¥゚)「うぃーい」
( ω ) ゚ ゚
男たちの手には、拳銃はともかく、小型のミサイルランチャーも見えた。
ビルの窓から飛び出し、地面へと降り立つ。
- 57 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/25(月) 19:37:01 ID:NDEZfeuM0
( ;^ω^)「逃げないと!」
全裸の上にイカ臭いタオルだけを羽織り、中州の道を疾走した。
瞬間、殺気を感じる。
横に跳んだ。
( ゚ω゚)「はぁーん!!!」
さっきまで自分のいた場所の地面から火柱が立ち上り、粉砕したコンクリートが飛び散った。
( ゚ω゚)「あかん死んでまう!これはあかん!」
- 58 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/25(月) 19:39:13 ID:NDEZfeuM0
( ;^ω^)「母ちゃんの仕送りでヘルスに行ったバチが当たったお!」
( ・−・ )「待て!話し合いをしようじゃないか!」
( ;^ω^)「ウージーぶっ放しながら言う台詞それ!?」
大通りは危険だと判断し、脇の小道に入った。
しかし連中は周りの建物などお構いなしにミサイルを撃ち込んでくる。
( ;^ω^)「クレイジー!人を撃つのが日常化し過ぎて頭の中がファンタジーになってるお!」
( ;^ω^)(それもこれもモララーのせいだお!あのゴリラ野郎どこにいるんだお!)
- 59 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/25(月) 19:41:18 ID:NDEZfeuM0
再びミサイルが飛んでくるが、間一髪それをかわす。
( ;^ω^)「は!」
角を曲がった瞬間、目の前の店の扉が開くのが見えた。
反射的に中に滑り込む。
( ;^ω^)「はぁ!はぁ!はぁ!」
扉の向こうで、男たちが通り過ぎる足音が聞こえる。
( ;^ω^)「はぁー!助かったお……」
「マラソンでもしてるの?」
( ;^ω^)「こんな物騒なマラソンがあるかい!」
- 60 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/25(月) 19:42:53 ID:NDEZfeuM0
(゚、゚トソン「そう。私って世間知らずだから」
( ;^ω^)「あ……ここは」
(゚、゚トソン「私の店よ。飲む?」
縦長の、小さなバーだった。
暗い店内に微かにジャズが聞こえてくる。
( ;^ω^)「お金持ってるように見えるお?」
(゚、゚トソン「ほぼ全裸……ていうか、見えちゃってるし。しまってくれない?それ」
( ;^ω^)「あぅ、ごめんお」
店主は細身の女だった。
- 61 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/25(月) 19:44:41 ID:NDEZfeuM0
女はトソンと名乗り、店の奥から服を持ってきてくれた。
( ^ω^)「ありがとうだお。でも装備が一切無くなっちゃったお……これからどうしよう」
(゚、゚トソン「とりあえず、飲む?一杯くらいおごるわ」
( ^ω^)「いいのかお!?」
(゚、゚トソン「どうせ今日はお客さん来そうにないしね」
( ^ω^)「普段から来るの?こんな物騒なところ」
(゚、゚トソン「あら、意外と物好きな常連さんとかいるのよ」
( ^ω^)「ふうん。あ、ビールで」
- 62 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/25(月) 19:47:09 ID:NDEZfeuM0
(゚、゚トソン「ねえ、さっき装備って言ってたけど、福岡に何しに来たの?」
( ^ω^)「話せば長くなるんだけど……。群馬に行くつもりなんだお」
(゚、゚トソン「ふうん。馬鹿?」
( ^ω^)「何とでも言うがいいお。それで仲間を捜しにここに来たんだお。
そうだ、モララーっていう男知ってるお?」
トソンはグラスを拭う手を一瞬止めた。
( ^ω^)「たぶんクマみたいな奴だと思うんだけど……」
(゚、゚トソン「知ってるわ」
( ;^ω^)「本当かお!?何処にいるんだお!」
- 63 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/25(月) 19:52:10 ID:NDEZfeuM0
(゚、゚トソン「どうせ、汚い仕事でもしてお金を稼いでるわ。
ここで待っていれば来るかもね。彼はここの常連でもあるから。はいビール」
( ;^ω^)「汚い仕事?」
(゚、゚トソン「ここ、中州には15のヤクザと12のチャイニーズマフィアと6つのロシアンマフィアの組織がある。
今は抗争中。彼は、フリーランスでそれぞれの用心棒を順次やってる」
( ;^ω^)「組織多すぎわろた……」
(゚、゚トソン「彼はお金が必要なの」
ジャズが終わり、哀愁のあるバラードが流れ始めた。
(゚、゚トソン「仲間なんて欲していないわ」
- 64 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/25(月) 19:54:28 ID:NDEZfeuM0
( ^ω^)「お金……一文無しのブーンじゃモララーを雇うのは無理かお」
(゚、゚トソン「無理じゃない?」
( ;^ω^)「むぐぐ、守銭奴めぇ〜〜!一度会ったらぶん殴ってやるお!(夢の中で)」
カラン、と鈴が鳴った。
一人の気配が店内に入ってきた。
( ・∀・)「……酒、くれ」
( ;^ω^)(あ、さっきの!)
男は肩口に傷を受けていた。
- 65 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/25(月) 19:57:01 ID:NDEZfeuM0
(゚、゚トソン「いつものね」
トソンは棚に置いてある黒霧島(宮崎産)を手に取る。
( ・∀・)「今日は閑古鳥が鳴いてなかったんだな」
(゚、゚トソン「あら、心配してくれてたの?」
( ・∀・)「潰れた方がいい。ここの立地は最悪だ」
(゚、゚トソン「銃声がつまみなんて洒落てるじゃない」
( ^ω^)(疎外感を感じるお)
- 66 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/25(月) 19:59:29 ID:NDEZfeuM0
( ^ω^)「そ、それでさっきの話の続きなんだけど、モララーっていうのはどういう奴なんだお」
(゚、゚トソン「そうねえ。年齢は29歳。背は高い方かな。甘党」
( ^ω^)「なるほど。ゴリラだからバナナが好きなのかお」
( ・∀・)「ゴリラ?」
( ^ω^)「あ、いや、モララーっていう奴のことだお。たぶんゴリラみたいな奴だお」
( ・∀・)「ふうん。そいつが?」
( ^ω^)「捜してるんだお」
( ・∀・)「どうして?」
- 67 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/25(月) 20:01:24 ID:NDEZfeuM0
( ^ω^)「ブーンは群馬に行きたいんだお!
一度群馬に行って生存したっていうモララーに、助けを借りたいんだお!」
( ・∀・)「そりゃ無理だな」
( ;^ω^)「何で!?」
(゚、゚トソン「はい、黒霧のロック」
( ・∀・)「群馬に行くには、一国レベルの軍事力が必要だってことさ」
( ^ω^)「勇次郎みたいな……?」
( ・∀・)「ま、まあ、別に、外れではないが漫画で例える必要もないだろ」
- 68 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/25(月) 20:03:44 ID:NDEZfeuM0
(゚、゚トソン「だからお金を集めてるってことでしょう」
( ・∀・)「そうだ。福岡には世界中の重火器が集まってる。
実戦経験も豊富な奴らが揃ってるし、訓練された軍隊と遜色ない。
こいつらを金で雇って、もう一度群馬に挑む」
( ^ω^)「ん?」
(゚、゚トソン「ねえ、モララー。諦めることも、人生においては大事よ」
( ゚ω゚)
( ・∀・)「悪いね。育ちが良くないもんで、そんな高尚な考え方知らないんだ」
(゚、゚トソン「馬鹿……」
- 69 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/25(月) 20:05:44 ID:NDEZfeuM0
( ・∀・)「ごちそうさん」
(゚、゚トソン「ねえ、とりあえず病院に行ってよ」
( ・∀・)「あぁ?ああ、これか。大した傷じゃないさ」
(゚、゚トソン「一人でギャングを相手にするなんて、無茶過ぎる。
お金が集まるよりも前に、あなたが死んじゃうわ。そしたら、あなたの妹は」
( ・∀・)「トソン。俺には、親はいない。だから、あいつがたった一人の家族なんだ」
(゚、゚トソン「……モララー」
( ^ω^)(ごっつ疎外感)
- 70 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/25(月) 20:07:49 ID:NDEZfeuM0
( ・∀・)「自分の命よりも大事なものがあるなら、迷うことはねえだろ」
(゚、゚トソン「……そうね。あなたは昔から、そういう人だったわ」
( ・∀・)「じゃあな。ああ、そうそう」
(゚、゚トソン「何?」
( ・∀・)「妹は、今の所一番だが、二番目はお前だ」
(゚、゚;トソン「あっ……はぁ?」
( ・∀・)「また来る」
うろたえた表情のトソンをそのままにし、モララーは店から出て行った。
- 71 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/25(月) 20:11:04 ID:NDEZfeuM0
(-、-トソン「はぁ」
(゚、゚トソン「男って、みんなああいう馬鹿なの?」
( ^ω^)
( ;^ω^)「あっ、ごめん!あまりにも疎外感感じてたから話聞いて無かったお!」
(゚、゚トソン「あんたは違う意味で、ていうか本来の意味で馬鹿だわ」
( ^ω^)「すまぬ。んで詳しい話を聞かせてくれお」
(゚、゚トソン「モララーには病気の妹がいる。
妹を治すには群馬にしか存在しない抗体が必要。
だからモララーは金を集めて私設軍隊を作ろうとしてる。
私とモララーは同じ孤児院で育った幼なじみで今んとこ両思いで焦らしプレイ中。以上」
( ;^ω^)「色々と身も蓋もないけどわかりやすいお!」
- 72 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/25(月) 20:13:23 ID:NDEZfeuM0
(゚、゚トソン「確かに、つーちゃんを治したいのは私もそう」
( ^ω^)「ん?ああ、モララーの妹ね」
(゚、゚トソン「でも、そのために自分の身を危険にさらすなんて……馬鹿げてる」
( ^ω^)「ブーンもそうだお」
(゚、゚トソン「え?」
( ^ω^)「父さんが群馬にいる。だから助けに行く。単純明快だお!」
(-、-;トソン「ああそう。やっぱりあんたも同種の馬鹿だね。それとも、私が世間知らずなのかしら」
- 73 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/25(月) 20:16:27 ID:NDEZfeuM0
( ^ω^)「やっぱり、モララーを仲間にしたいお」
(゚、゚トソン「出来るかしら?」
( ^ω^)「大丈夫だお!主人公補正あるから!」
(゚、゚トソン「そ、そう」
( ^ω^)(家族を守るために群馬に行く。モララーもブーンも一緒だお!)
( ^ω^)「さて、ご馳走になったし、モララーのこともわかったお!色々とありがとうだお!」
(゚、゚トソン「で、一文無しで何処に行くつもり?」
( ;ω;)「すみません。必ず後日お金を返しますので泊まらせて下さいお」
(゚、゚トソン「素直でよろしい」
- 74 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/25(月) 20:18:54 ID:NDEZfeuM0
次回 第四話「決戦! 超展開でよかろうもん!」
数十のギャングがひしめき合う中州でとうとう全面戦争の火ぶたが切られた!
抗争のまっただ中には、何と全組織から命を狙われたモララーの姿が!?
強大過ぎる力は抹殺される宿命だというのか。
ブーンが主人公補正ばりばりの超展開でモララーを助けに向かう!
次回、福岡編が超展開で終結!
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