- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/04(火) 23:05:33.18 ID:Apc6m0TAO
- 拝啓天国の父上様……は今日はいいや。
母上様母上様、最近随分と賑やかになった農場ですが、今日は随分静かです。
というのも……
( ^ω^)「水枕だお」
川 ゚ -゚)「濡れタオルを取り替えよう」
ζ(゚ー゚*ζ「おかゆできたよー」
ξ;//´兪)ξ「はぁ……はぁ……」
( ^ω^)「……やっぱり、辛そうだおね」
川 ゚ -゚)「ああ、全く熱が下がる気配がないしな」
ツンが熱だしました。
というわけで母上様、なんか知恵を貸してください。
- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/04(火) 23:07:46.00 ID:Apc6m0TAO
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
( ^ω^)とモンスターのいる農場のようです
【デュラハン が あらわれた!】
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/04(火) 23:09:14.63 ID:Apc6m0TAO
- ξ;//´兪)ξ「たまごー……」
( ^ω^)「大丈夫だお。たまごはちゃんと温かくしてあるお」
ξ;//´兪)ξ「なら……よかったー……」
( ^ω^)「おっ。ツンはゆっくり寝てるお」
ξ;//´兪)ξ「わかったー……」
( ^ω^)「……どうしたもんかお。魔物の医者に心当たりはないかお?」
川 ゚ -゚)「いや、ないな」
ζ(゚ー゚*ζ「あたしも知らないよ!」
( ^ω^)「胸はって言うことじゃないお、デレ」
川 ゚ -゚)「……ドクオはどうだろうか」
( ^ω^)「……やっぱりそうなるかお」
川 ゚ -゚)「……この際、背に腹は代えられんだろう」
( ^ω^)「でもあいつ、『心音聴くから服まくってねハァハァ』とか言い出しかねんお」
川 ゚ -゚)「そうしたらドクオは人間の医者に世話してもらうことになるだろうな、もしくは墓守りに」
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/04(火) 23:11:19.23 ID:Apc6m0TAO
- <ドンドンッ!
( ^ω^)「……まぁ、仕方ないおね……お?」
川 ゚ -゚)「こんな時に客か」
( ^ω^)「ツンがこんなんだし、早々にお帰り願うかお」
<ドンドンドンッ!
( ^ω^)「はいはい今行きますおー」
ガチャ
( ^ω^)「どちら様でs」
バシャア!
(;;;;;ω;;;)
(;;;;;ω;;;)「……え?」
(;;;;;ω;;;)「何この真っ赤な液体」
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/04(火) 23:13:22.45 ID:Apc6m0TAO
- (;;;;;ω;;;)「いったい誰が……」
「……!」
(;;;;;ω;;;)
「………!…………?」
(;;;;;ω;;;)
(;;;;ω;;;;)「魔物だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
川; ゚ -゚)「何だ何だ……ってどうしたブーン!血まみれじゃないか!」
(;;;;;ω;;;)「この赤い液体やっぱり血かよぉぉぉぉぉぉ!!洗濯してもなかなか落ちないじゃないかばかやろぉぉぉぉぉぉぉ!!」
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/04(火) 23:15:57.62 ID:Apc6m0TAO
- (;;;;;ω;;;)「そんなことよりこいつぁあれだ!!デュラハンって奴だ!!よく知らんけど首無し騎士!!」
「……?…………!」
(;;;;;ω;;;)「てめぇ肝心の頭がねぇから顔AAのとこ空欄になってんじゃねぇか!!」
「……!………!」
(;;;;ω;;;;)「必死にボディーランゲージで何か伝えようとしてるけどわかんない!!」
(;;;;;ω;;;)「えー……、とりあえず敵意はないんだおね?無いなら右手をあげてくれお」
「ノ」
(;;;;;ω;;;)「おk。とりあえず話を聞くから中に入るお。紙とペンを貸すお」
「…………!」
川 ゚ -゚)「……嬉しそうだな」
(;;;;;ω;;;)「……読者のみなさんに伝わらないとこが悔しいお」
- 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/04(火) 23:18:18.83 ID:Apc6m0TAO
- ☆読者のみなさま用デュラハンイメージ☆
::::. ;,:. |:.| .::::;,:::
:::: ;,::.. ti | .::::::,;::::
:::. ;,:::... /)>t,.,、、,,..::":::
::: ;,::..レuソi::::.″::::
r--,
i ̄lj
l l
|==|
.,r‐;;i,
l ,,ヾ≧llヾ=,、
ト、_入__,,斗、_ノ
} ||dli.{
/ }|di{{i
/\/}dl{i人
/ ./ i`¨¨´ ヽ \
く廴厶__ } { ヽ .>
 ̄∨¨>/〜弋¨¨iムノ
/‐-y" ̄~イ--'i
//// i, | l,|
//// i, | l,|
λ// |ヽ/i
/::::::/' i;:::::l
/:::::/ i::::::|
,,勹 / i:_厂弋
,--"~ _ j l _ '''ー┐
`‐--‐' `" ー' `ー-''
※AAはイメージです。実際のデュラハン像とは著しく異なる場合があります
- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/04(火) 23:20:57.18 ID:Apc6m0TAO
- ( ^ω^)「なんだお突然。……しかもツッコミどころが多すぎる」
川 ゚ -゚)「たかがメインカメラをやられただけだ」
ζ(゚ー゚*ζ「もう何も恐くない」
( ^ω^)「お前らよく知ってるな」
『そろそろこっちの話をしてもいいかな〜?』
( ^ω^)「かまわんお。……ってすっげぇ可愛らしい字」
川 ゚ -゚)「全身黒甲冑とのギャップがすごいな」
『実はね〜、昨日お昼寝してたら頭なくしちゃったの』
( ^ω^)「想像したらグロおもしろい光景だおね」
川 ゚ -゚)「頭を無くすって状況がないからな、私たちには」
『体の寝相が悪いから、いつの間にか体だけ下山しちゃってたの』
( ^ω^)「寝相悪いってレベルじゃない」
川 ゚ -゚)「というか、山で寝てたのか」
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/04(火) 23:22:37.59 ID:Apc6m0TAO
- ζ(゚ー゚*ζ「お茶いれたよー」
『わ〜、ありがと〜』
( ^ω^)「いや、お茶いれても……」
「……」チョロチョロ
( ^ω^)「直接流し込んでいる……だと……」
川 ゚ -゚)「ちゃんと食道に入っているのかが心配だな」
『おいしかったよ〜』
ζ(゚ー゚*ζ「ほんと?ありがとう〜!」
( ^ω^)「味……わかるのかお」
川 ゚ -゚)「つっこむのにも勇気がいるな」
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/04(火) 23:25:30.13 ID:Apc6m0TAO
- 『それでね、出来れば頭を探すのを手伝って欲しいんだけど〜』
( ^ω^)「そういうことなら手伝ってあげたいところだけど……」
『何かマズいことがあるの?』
( ^ω^)「実はハーピーの子が熱を出したんだお」
『ふぇぇ?それは大変だよ〜!』
( ^ω^)「でも、原因がわからないんだお。君は魔物の病気には詳しいのかお?」
『う〜ん……。少しならわかるかなー?』
(;^ω^)「おっ!本当かお!?ならちょっとツンを診てあげてほしいお!」
『わかったよ〜』
ζ(゚ー゚*ζ「見た目によらずいい人みたいだね〜」
川 ゚ -゚)「……だが、魔力の量は半端じゃないぞ。一応、用心しないとな」
ζ(゚ー゚*ζ「クーちゃん考え過ぎじゃないの?」
川 ゚ -゚)「……そうならいいんだが」
- 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/04(火) 23:27:27.21 ID:Apc6m0TAO
- ξ;//´兪)ξ「だれー……?」
( ^ω^)「寝てていいお。お客さんだお」
ξ;//´兪)ξ「……わかったー」
「……!」
(;^ω^)「何かわかったかお!?」
「……、…………!」
( ^ω^)「ごめん、筆談で」
『これはただの病気じゃないよ〜』
( ^ω^)「どういうことだお?」
『なんらかの魔術的干渉があるよ〜。誰かの呪いみたい〜』
(;^ω^)「呪い……?誰が!!」
- 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/04(火) 23:29:45.55 ID:Apc6m0TAO
- 『そこまではわからないけど……これは高位の魔物の呪いだね〜』
( ゚ω゚)「野郎共出入りじゃあああ!!その魔物とやらにヤキ入れてやんぞ!!」
川 ゚ -゚)「この家に野郎はお前とギコしかいないだろ」
『やめといた方がいいよ〜。返り討ちに遭うのが目に見えてるから〜』
( ゚ω゚)「今は目無いくせに!!」
『ふぇ……、そういうこと言うと助けてあげないよ〜!!』
( ^ω^)「すいません人間の百姓如きが生意気な口を叩きましたどうか気が済むまで殴ってください」
『そこまで卑屈にならなくても……』
ζ(゚ー゚*ζ「ツンちゃんを助けれる保証があるの?」
『うーん……、頭さえあればまず負けはないんだけどね〜』
( ゚ω゚)「野郎共!!頭探しに行くぞ!!」
川 ゚ -゚)「だから野郎はお前とギコしかいないと……」
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/04(火) 23:33:25.16 ID:Apc6m0TAO
- ζ(゚ー゚*ζ「頭はどこに落としたの?」
『北の山だよ〜』
( ^ω^)「……また北の山かお」
『確かてっぺんのあたりで寝てたと思うの〜』
川 ゚ -゚)「……しかも頂上か」
( ^ω^)「とにかく探しに行くお。クーは留守番を頼むお」
川 ゚ -゚)「私が留守番か」
( ^ω^)「おっ。頂上まで登るのはクーには辛いだろうし、ツンのこともあるからだお」
川 ゚ -゚)「わかった。異論はない」
( ^ω^)「あとは……ビコーズ!いるかお?」
【それか 】( ∵)ゴェ?
( ^ω^)「あ、『それから』作成中だったのね。……実は北の山に探し物があるんだけど、手伝ってくれるかお?」
( ∵)ゴェェ
( ^ω^)「うん。肯定か否定かわかんないけど肯定として受け取っておくお」
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/04(火) 23:35:24.63 ID:Apc6m0TAO
- ( ^ω^)「あとはいざという時の囮を……」
(,,゚Д゚)「待て、ブーン」
( ^ω^)「お?どうしたんだお?ギコ」
(,,゚Д゚)「話は聞いた。俺も行く」
( ^ω^)「珍しいおね。普段は牧場でぐうたらしてるだけなのに」
(,,゚Д゚)「北の山の頂上まで行くんだろ?戦力は少しでも多い方がいいと思ってな」
ζ(´ー`*ζ「そうだねー。クーちゃんお留守番だし、デレちゃん1人じゃ大変だもん」
( ^ω^)「ついてきてくれるなら百人力だお。よろしく頼むお」
(,,゚Д゚)「おう」
「……」
(,,-Д゚)「……」
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/04(火) 23:36:49.59 ID:Apc6m0TAO
- ≡≡≡≡と( ∵)つ【それから】
―北の山―
( ^ω^)「また来たおね……。みんな、頂上までははぐれないように固まっていくお」
(((;'A`)))ガクガクブルブル
( ^ω^)「どうしたんだお?囮一号」
(((;'A`)))「どどどどうしたも、こここうしたも、な、なななななんでデュラハンがいるんだよ!!」
( ^ω^)「そりゃあ、頭を探すためだおね
『そうだよ〜』
(((;゚A゚)))「ひぃぃ!!ごめんなさい見てません見てません!!」
( ^ω^)「……何にビビってんだお」
ζ(゚ー゚*ζ「あ!ワライダケあるよ!これ食べればビクビクしないかも!」
(゚A゚)「やめんか!」
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/04(火) 23:39:18.04 ID:Apc6m0TAO
- ( ^ω^)「何でそんなビクビクするんだお。何もしないお」
『そうだよ〜?人間だからって襲ったりしないよぉ〜』
(;'A`)「す、すまん……。デュラハンは姿を見られるのが嫌いで、その姿を見た者は鞭で目を潰されるって文献に書いてあったから」
( ^ω^)「まっさかー。そんなことしないおね?」
『そうだよぉ〜!魔物だからって野蛮なイメージ持たないでよね〜!』
(;'A`)「……ごめん」
( ^ω^)「まったく失礼な奴だお。鞭で目をつぶすなんて酷いことするわけないお」
『そうそう!もう昔の話だよぉ〜』
( ^ω^)「ほら、昔の……え?」
『うん!昔のことだよ〜。うふふ』
('A`)
( ^ω^)
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/04(火) 23:40:48.98 ID:Apc6m0TAO
- ('A`)「……ところでよ、ブーン。デュラハンと初めて会ったとき、何かされなかったか?」
( ^ω^)「おっ。タライ一杯の血をぶっかけられたお」
('A`)「そうか……」
( ^ω^)「それがどうかしたかお?」
('A`)「……デュラハンは死を運ぶ者だ。近いうちに死者の出る家の戸口にやってきて、
家主が戸を開けるとタライにいっぱいの血を顔に浴びせかける」
( ^ω^)「死者……?」
('A`)「ああ。……誰かはわからないが、覚悟はしとけよ」
( ^ω^)「まさか。クーもデレもギコも元気だし、ツンだって助かるって話だお」
('A`)「……だが、いつ何が起きんとも限らんだろう」
( ^ω^)「……」
('A`)「……」
( ^ω^)「……今は、デュラハンの頭を探すのに集中するお」
('A`)「……すまん」
- 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/04(火) 23:42:11.91 ID:Apc6m0TAO
- (,,゚Д゚)「お前ら、無駄口を叩く暇があったら足を動かせ。置いてくぞ」
( ^ω^)「ギコが早すぎるんだお。二足歩行を敬え」
ζ(゚ー゚*ζ「そーだそーだ!」
('A`)(デレは二足でも四足でもないけどな)
(,,゚Д゚)「……夜になるまでには戻った方がいいからな。出来るだけ早くしろ」
( ^ω^)「それは百も承知だお。でも、ギコはちょっと急ぎすぎだお」
(,,゚Д゚)「……そうか」
( ^ω^)「?」
『ほらほら〜、早く行こうよ〜』
ζ(゚ー゚*ζ「おー、鎧着てるのに早いねー」
『慣れてるからねー』
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/04(火) 23:44:07.09 ID:Apc6m0TAO
- ζ(゚ー゚*ζ「ねーねー、気になってたんだけどさー」
『なーに?』
ζ(゚ー゚*ζ「頭無いのになんで周りが見えるのかな?あとあたし達の声も聞こえてるみたいだし」
『何も見えてないよ〜。音と気配を感じてるだけだよ』
ζ(゚ー゚*ζ「おお!考えるんじゃない!感じるんだ!!って感じか!」
('A`)「デレさん『感じる』のとこだけもういっk( ^ω^)「黙れ」
『よくわかんないけど多分そうだよ〜』
( ^ω^)「ってことは頭と体の感覚は別なのかお?」
『うーん。半々かな〜。共有してるとこはあるよ?』
('A`)「じゃあ、今の頭の状況もなんとなくわかったりするのか?」
『わかるよ〜。寝てたときによだれが垂れちゃったんだけど拭けなくてモヤモヤしてる』
( ^ω^)「体がないって不便だNE!」
- 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/04(火) 23:46:01.99 ID:Apc6m0TAO
- ('A`)「んじゃあ、てっぺん付近まで行ったら頭から見える景色を手がかりに探すか」
ζ(゚ー゚*ζ「でもさー、周り見ても木ばっかりで手がかりになるような物なんて何もないんじゃないかな?」
『うん。周りは木ばっかだよ〜』
(,,゚Д゚)「そうだろうな。何言ってんだあいつ」
( ^ω^)「ちょっと考えればわかるだろ低脳」
('A`)「……泣かないもん」
(,,゚Д゚)「……まずはこいつが休みそうな場所を探すとこからだな」
( ^ω^)「同感だお。敵におそわれにくくて、ある程度開けた場所を探すんだお」
ζ(´ー`*ζ「でもそういう場所もたくさんあるよねー」
( ^ω^)「周りに木が生えてるって手がかりだけで探すよりは楽だお」
('A`)「……泣かないもん」
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/04(火) 23:47:29.12 ID:Apc6m0TAO
- ―山頂―
ζ(゚ー゚*ζ「おー!絶景だねー!!」
( ^ω^)「さすがにちょっと寒いおね」
('A`)「なんだこの紫色の花」
ζ(゚ー゚*ζ「あっ、それが飛竜草だよ!季節によっては凶暴化するから注意だよ!」
(,,゚Д゚)「……ここからは別れるか。さすがにこの辺を住処にしてる魔物は少ないみたいだ」
『そうだね〜。だから私はここで寝ようとしたんだよ〜』
ζ(゚ー゚*ζ「じゃーあたしはあっち探すよ!」
( ^ω^)「ならブーンはあっちだお」
('A`)「俺はこっちに行くぜ」
『みんな行っちゃったねぇ〜』
(,,゚Д゚)「……ちょうどいい、お前に少し話があったとこだ」
『ふぇぇ〜?何で〜?』
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/04(火) 23:49:18.81 ID:Apc6m0TAO
- (,,゚Д゚)「とぼけるな。俺のことを忘れたわけではないだろう」
『う〜んと……名前は確かギコくんだったっよね〜?』
(,,゚Д゚)「ああ」
『……?……あ〜!一回魔王様のお城に来てすごすご帰ってっちゃったギコくんだぁ〜!』
(,,゚Д゚)「あ、忘れてたんだ」
『久しぶりぃ〜、あれから元気にしてたぁ〜?』
(,,゚Д゚)「……いろいろあったが、な」
『へぇ〜。でも、ギコくんが人間と一緒にいるなんて、どういう風の吹き回しかな?』
(,,゚Д゚)「言ったろ。いろいろあったって。それよりもなんでお前がここにいるんだ」
『私がいたらおかしいかなぁ〜?』
(,,゚Д゚)「……魔王の側近のお前がなんでここにいるって聞いてるんだ」
「……」
- 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/04(火) 23:51:14.72 ID:Apc6m0TAO
- 『ごめんね〜。それは言えないんだ〜』
(,,゚Д゚)「……もしブーン達に何かあったら、承知しないぞ」
『そっちが変な動きさえしなければ大丈夫だよ〜』
(,,゚Д゚)「……」
『ふぇぇ〜。そんなににらまないでよ〜』
(,,゚Д゚)「……ちっ。調子が狂うな」
『私もだよぉ〜。そんなに殺気出してるのに襲いかかって来ないなんてね〜。
10年前のギコくんからは全然考えられないよぉ〜』
(,,゚Д゚)「……覚えてんじゃねぇか」
『だって魔王様に掴みかかった魔物は後にも先にもギコくん以外に見たこと無いもの〜』
(,,゚Д゚)「……ふん」
『そんな怖い顔しないで〜。少なくとも今は敵意はないんだから〜』
(,,゚Д゚)「当たり前だ。少しでも変な動きをしてたらとっくに殺してる」
『ふぇぇ……ギコくん怖いよぉ〜……あれ?』
- 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/04(火) 23:52:45.14 ID:Apc6m0TAO
- (,,゚Д゚)「なんだ」
『誰かが頭の近くにいる気配がするよ〜』
(,,゚Д゚)「ブーンか?」
『う〜ん……ブーンくんじゃないみたい。誰かなぁ……?』
【いっぽうそのころ】( ∵)? 从从从从アレレー?
( ^ω^)「……」
('A`)「ブーン、見つかったか?」
( ^ω^)「いや、見あたらないお」
('A`)「そうか……。この辺じゃないのかな」
( ^ω^)「ドクオ」
('A`)「なんだよ、怖い顔して」
( ^ω^)「さっきの話、覚えてるかお」
('A`)「……デュラハンの話か?」
- 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/04(火) 23:54:11.25 ID:Apc6m0TAO
- ( ^ω^)「死人は絶対に出るのかお?」
('A`)「戸口で血をかけられた場合では、死人が出なかった例は聞いたことがない」
( ^ω^)「……死人が出ないケースも考えられるんだおね?」
('A`)「可能性は0とは言わない。だが100年以上前からデュラハンが家に来た話は残ってるんだ。
これだけ長い間見なかった例を、お前達が体現出来るとでも?」
( ^ω^)「……」
('A`)「……悪いな。俺にはどうすることも出来ない」
( ^ω^)「最初から期待してないお」
('A`)「悪かったな弱くて」
( ^ω^)「……弱いのは、ブーンもだお」
('A`)「……」
( ^ω^)「ちっちゃい頃に両親が死んでからブーンは1人で生きてきたお」
( ^ω^)「1人で、それが当たり前で……誰にも頼らない自分が強いと思ってたお」
- 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/04(火) 23:55:59.95 ID:Apc6m0TAO
- ( ^ω^)「それが今はどうだお。まだ出会って半年も経ってない魔物達を失うのが怖いんだお」
('A`)「ブーン……」
( ^ω^)「デレが消えちゃった時、胸におっきな穴が空いた気がしたんだお。もうあんな思いをしたくなんかないお」
('A`)「大丈夫だ、ブーン」
( ^ω^)「……お?」
('A`)「俺はずっとお前のそばにいるぜ」
( ^ω^)「ごめん無理」
('A`)
( ^ω^)
('A`)「えっ?」
( ^ω^)「無理」
- 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/04(火) 23:57:40.92 ID:Apc6m0TAO
- ( ^ω^)「……さて、頭探しを続けるかお」
(;A;)エグ…エグ…
( ^ω^)「泣くなお。……いや、やっぱ泣いてていいお。その顔なら魔物も逃げてく」
(#;A;)「うっせバーカバーカ!!」
ζ(´ー`*;ζ「ふぃー……。見つかんないねぇ……」
ζ(゚Д゚*;ζ「……ってわきゃぁぁぁぁ!!ブーン!!後ろに化け物がいるよ!!逃げて!!」
(#;A;)「俺だよどちくしょぉぉぉぉ!!」
ζ(゚Д゚*;ζ「いやああああああ!!喋ったぁぁぁぁぁぁあ!!」
(#;A;)「俺だっつってんだろぉぉぉぉぉ!!」
( ^ω^)「楽しそうだおね……うん?」チョイ、チョイ
( ∵)ゴェ
( ^ω^)「おっ。ビコーズどうしたんだお?」
- 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/04(火) 23:59:18.09 ID:Apc6m0TAO
- と( ∵)ゴェェ
( ^ω^)「おっ?ついて来いって言ってるのかお?」
( ∵)ゴェ、ゴェェ
( ^ω^)「はいはいそっちね。わかったお」
( ∵)ゴェェ!
( ^ω^)「いったいここに何g」
从'ー'从「あ〜!ブーンくんやっほ〜」
( ^ω^)「」
从'ー'从「私だよぉ〜。あのデュラハンだよ〜」
( ^ω^)「ごめんお。あまりにも画がシュール過ぎて思考が停止してたお」
( ∵)ゴェェ!
从'ー'从「妖精さん、ちゃんとブーンくん連れてきてくれてありがとうね〜」
- 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 00:01:01.70 ID:f+5GSLrXO
- ( ^ω^)「わざわざブーンを名指しかお。他の近くにいる人でもよかったんじゃないかお?」
从'ー'从「え〜、でもブーンくんが良かったの〜」
( ^ω^)(確かに……('A`)→性的な意味でやばい。ζ(゚ー゚*ζ→落としそうな感じでやばい)
( ^ω^)「……まぁいいお。とにかく戻るお」
从'ー'从「うん!」
( ∵)ゴェェ
( ^ω^)「……うわぁ、リアルな重み」
从'ー'从「女の子に重いって言っちゃダメなんだよ〜」
( ^ω^)「首のとこがどうなってるか気になるけど見たくない」
从'ー'从「そんなとこ見ちゃダメだよ!エッチ〜」
( ^ω^)「えっ、そういう場所なの切断面って」
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 00:02:35.72 ID:f+5GSLrXO
- ( ^ω^)「と、いうわけで……」
从'ー'从「これで完全復活だよ〜」
( ^ω^)「無事にデュラハンさんの頭と体が感動の再会を果たしました」
('A`)(黒髪長髪美少女騎士ktkr)
( ^ω^)「とりあえずちゃんと元通りになったかドクオを斬って試してみるお」
('A`)「もう慣れたけどそういうのやめようぜ」
( ^ω^)「いや、なんかさっきドクオが変なこと考えてそうだったから」
(;'A`)「か、考えてねーよ!」
( ^ω^)「……」
(,,゚Д゚)「……」
ζ(゚ー゚*ζ「……?」
从'ー'从「……」
('A`)「集団視姦はやめて」
- 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 00:04:23.95 ID:f+5GSLrXO
- (,,゚Д゚)「まぁいい。さっさと山を下りるぞ」
( ^ω^)「そうだおね。ツンとクーが待ってるお」
ζ(´ー`*ζ「夜になるまでには家に帰りたいしね〜」
从'ー'从「そうだね〜。夜までには帰らないとね〜」
从 ー 从「……絶対に夜までには……ね」
≡≡≡と⌒っ∵)っ【それからしばらく】
川 ゚ -゚)「帰ったか。思ったよりも早かったな」
( ^ω^)「またビコーズが活躍してくれたお。それより、ツンは?」
川 ゚ -゚)「……あまり思わしくない。この小さな体には酷だろうな」
( ^ω^)「……」
川 ゚ -゚)「それよりも、デュラハン殿。ちゃんとツンを助けてくれるんだろうな」
从'ー'从「もちろんだよ〜。夜になってからが私の本領発揮だからね〜」
- 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 00:06:04.15 ID:f+5GSLrXO
- ( ^ω^)「頼むお」
从'ー'从「任せてちょーだい」
( ^ω^)「……頼むお」
ζ(゚ー゚*ζ「大丈夫だよ!ほら、ツンちゃんのとこ行こっ!!」
( ^ω^)「……おっ」
川 ゚ -゚)「……たしか呪いと言ったな。その呪いをかけた奴に見当はついてるのか?」
从'ー'从「どんなのかはわかんないけど、得体の知れない魔力は感じるよ〜」
川 ゚ -゚)「なんなら私も手伝おうか?」
从'ー'从「やめといた方がいいよぉ〜。私も今までこんな異質な魔力の持ち主と対峙したことはないから〜」
川 ゚ -゚)「だが、数は多いにこしたことはないだろう」
从'ー'从「……ダメだよぉ〜。ブーンくんは、あなた達を大切にしてるみたいだから」
- 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 00:07:38.13 ID:f+5GSLrXO
- 川 ゚ -゚)「……そう、か。足手まといになるならやめておこう」
从'ー'从「大丈夫だよ。心配しなくても私に任せて?ね?」
川 ゚ -゚)「……あぁ」
(,,゚Д゚)「……」
〜一方〜
( ^ω^)「ツン」
ξ;//´兪)ξ「ブーンー……」
( ^ω^)「辛いかお?もうちょっとの辛抱だお」
ξ;//´兪)ξ「だいじょうぶー……」
( ^ω^)「ゆっくり寝てるお。ブーンはここにいるから」
ξ;//´兪)ξ「ブーンといっしょー……もうなにもこわくないー……」
( ^ω^)「それ死亡フラグだからやめて」
- 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 00:09:24.34 ID:f+5GSLrXO
- ('A`)「熱、下がらないのか」
( ^ω^)「そうだお。いろんな薬草を試したけど気休めにもならなかったお」
('A`)「……似てるな」
( ^ω^)「お?」
('A`)「似てると思わないか?」
( ^ω^)「何がだお?ドクオと生ゴミ?」
(゚A゚)「似てねぇよ!!今のツンと村長の娘のしぃちゃんの症状だよ!!」
( ^ω^)「あぁ……、そういえばそうだおね」
('A`)「……まったく」
( ^ω^)「ってことは、しぃちゃんも呪いを受けてたのかお?」
('A`)「その可能性が高いな」
- 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 00:11:18.66 ID:f+5GSLrXO
- ('A`)「……今回ツンが標的になったのはラッキーだったかもな」
( ^ω^)「あ゙?」
('A`)「もちろんツンは気の毒だったさ。でも、ここにはデュラハンが来た。この病の原因を知ってる奴が……」
( ^ω^)「何が言いたいんだお。要点だけさっさと話せお」
('A`)「……。デュラハンはここに来た、ここには原因不明の病を患った奴がいた。
デュラハンのおかげで病の原因がわかった。そしてその元凶をも絶てる状況になったってことだ」
( ^ω^)「ああ、なるほど」
('A`)「だからツンのおかげで、原因不明の病で死ぬ人間がいなかったんだ。
もしツンじゃなくて別の村人が病にかかったらこうはいかなかったろうからな」
( ^ω^)「……確かにそうだおね」
('A`)「……ただ、呪いの元凶が誰であれ、今日仕留められないと後々厄介なことになりかねん」
( ^ω^)「大丈夫だお」
('A`)「大丈夫って……」
( ^ω^)「ブーンは、彼女を信じるお」
('A`)(そんなあっさり信用していいものかね……)
- 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 00:12:57.84 ID:f+5GSLrXO
- ―その夜―
从'ー'从「……あれれ〜?なんでギコくんもここにいるのかな?」
(,,゚Д゚)「監視だ。俺はまだお前を味方だと思ってはいないからな」
从'ー'从「まだそんなこと言ってるんだ〜」
(,,゚Д゚)「……ふん」
从'ー'从「でもね、ギコくん。ここにいたら危ないよ〜?」
(,,゚Д゚)「自分の身くらい、自分で守れる」
从'ー'从「ん〜……、じゃあ巻き込まれないように気をつけてね〜」
(,,゚Д゚)「あぁ、お前に背中は見せないようにするさ」
从'ー'从「信用ないなぁ〜……まぁいいか」
从'ー'从「さーて、敵さんのお出ましだよぉ〜」
- 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 00:14:46.03 ID:f+5GSLrXO
- ギコはどこからともなく突然現れた魔力の集合体に、身をこわばらせた。
今までに感じたことのない異質で強大な魔力を前にしてか、自然と冷や汗が頬を伝う。
そして虚空から突如現れたのは……巨大な、鎌。
夜の闇に隠れた影が集まり、一カ所へ収束していく。
(;゚Д゚)「こいつは……!」
从'ー'从「……」
巨大な鎌を持ち、命尽きた生物の魂を刈り取り、管理するもの。
または死や不吉の象徴……。
人はそれをこう呼ぶ。
(゚−゚, )「……お前ら、誰だ」
―――『死神』、と
- 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 00:17:10.33 ID:f+5GSLrXO
- (;゚Д゚)「死神……?まさか、本当に存在したのか!?」
从'ー'从「目の前にいるんだもの。認めるしかないんじゃない?」
死神はある種の『概念』として考えられてきた。
それは人も魔物も同じだ。
誰かが死んだらその魂は死神に導かれて冥府へと行く。
つまり、死神は誰も知らない死後の世界に存在させられている妄想の住人のはずだった。
それが今目の前にいるという事実が余計にギコを混乱させた。
(゚−゚, )「邪魔……どけ……」
从'ー'从「ごめんね〜。そういうわけにも行かないんだ〜」
(゚−゚, )「邪魔するなら……容赦しない……」
从'ー'从「望むところだよぉ〜」
- 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 00:19:17.48 ID:f+5GSLrXO
- 各々が武器を構える。
デュラハンは自分の背丈ほどある大剣を、死神は自分の体よりもはるかに大きな鎌を。
ギコは息を呑んだ。
2人の周囲の魔力の量が尋常では無かったからだ。
先に動いたのはどちらだったか。
まばたきをしている間に死神がデュラハンの後ろを取った。
(;゚Д゚)「なっ……!」
ギコは慌てて弓矢を構えるが、間に合わない。
死神は、下に構えた鎌を勢いよく振り上げた。
―――響く金属音。
確実に仕留められると確信していたのか、死神の顔に驚倒の色が伺えた。
从'ー'从「甘いよぉ〜。後ろなら見えないと思った?」
デュラハンは死神が鎌を振り上げる刹那に、振り返りながら斬撃を繰り出していたのだ。
大剣と鎌の質量差はほぼ無いだろうが、勢いがあった分大剣の一撃の方が重かった。
- 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 00:20:49.08 ID:f+5GSLrXO
- (;゚−゚)「……ちぃ!」
攻撃を弾かれ、体勢を崩した死神にデュラハンの大剣が襲いかかる。
が、その刃が届く前に死神は姿を消した。
空を切る大剣。
しかしそれが振るわれた時に生じた剣圧は近くの木を粉砕した。
(,,゚Д゚)
開いた口が塞がらないとはこのことだろうか。
ギコはだらしなく口を開けたまま粉々になった樹木に視線を送っていた。
空振りの剣圧であの破壊力である。
弾かれはしたものの、それを受け止めた死神はなんなのか。
全てが規格外だった。
- 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 00:22:30.83 ID:f+5GSLrXO
- 从'ー'从「ふぇぇ……仕留めそこなっちゃったよぉ〜」
(,,゚−゚)「……こっちの台詞」
再び対峙する2人。
両者に隙は全く見られない。
互いに見合ったまましばしの時が流れる。
ただその殺気たるや、それだけで人を殺せるのではないかと思えるほどだ。
(;゚Д゚)(こりゃあ……ブーン達がこの場にいないほうがいいわけだ……)
从'ー'从「えいっ!」
(,,゚−゚)「!」
このままでは埒があかないと悟ったのか、デュラハンが動いた。
大剣を振るい、死神を牽制する。
死神はそれを軽いステップで避けるとすぐさま反撃の姿勢を取った。
- 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 00:24:45.45 ID:f+5GSLrXO
- 从'ー'从「させないよぉ!」
(;゚−゚)「なっ……」
死神よりも早く体勢を立て直していたデュラハンが再び大剣を振るった。
反撃の姿勢から回避することは不可能。
放たれた剣圧は死神を巻き込み、馬小屋を粉砕した。
(;゚Д゚)「……」
(,,゚Д゚)「えっ?」
馬小屋を粉砕した。
(,,゚Д゚)「えっ?」
从'ー'从「あれれ〜?今度こそ仕留めたとおもったのに〜」
(,,゚−゚)「……危なかった」
- 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 00:26:36.02 ID:f+5GSLrXO
- (,,゚Д゚)「いや、ちょ……」
死神はデュラハンの後ろにゆっくりと姿を現した。
その体にダメージを受けたような形跡は見当たらない。
(,,゚Д゚)「おい、コラ」
从'ー'从「攻撃を受けそうになったら消えるの、ずるいよ〜」
(,,゚−゚)「……勝ったら……勝ち」
(,,゚Д゚)「ちょっと、お前ら」
从'ー'从「なるほどね〜、死神が言いそうな台詞だね〜」
(,,゚−゚)「……何とでも言え」
(,,゚Д゚)「……」
- 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 00:28:11.70 ID:f+5GSLrXO
- (#゚Д゚)「ゴルァァァァァァァァァァァ!!!!」
从;'ー'从「ふぇっ!?」
(;゚−゚)「殺気……!?」
(#゚Д゚)「『ふぇっ!?』じゃねぇよこのアバズレがぁぁぁぁぁ!!」
从'ー'从「あ、今のはカチンと来たよ〜」
(#゚Д゚)「じゃかぁしい!!何普通に馬小屋ぶっ壊してんだよぉぉぉぉ!!
あん中にゃソラモトベルハズ(ブーンの愛馬、♂・6歳)がいたんだぞぉぉぉぉ!!」
从;'ー'从「あ〜……」
(#゚Д゚)「『あ〜』じゃねーよ!!」
从;'ー'从「と、時には犠牲も必要だよ〜」
(#゚Д゚)「明らかにお前のミスだろうが!!あいつは……あいつは……!!」
- 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 00:29:52.82 ID:f+5GSLrXO
- ―ギコの回想―
彡`・\←ソラモトベルハズ(ブーンの愛馬、♂・6歳)
彡`・\「なぁ、ギコやん」
(,,゚Д゚)「なんだよ、ソラやん」
彡`・\「ギコやんは、ここが好きか?」
(,,゚Д゚)「ああ。居心地いいし、ブーンはいい奴だしな」
彡`‐\「そうか……」
(,,゚Д゚)「どうしたんだ?ソラやん」
彡`・\「俺もここが好きだ。でも……俺には夢があるんだ」
(,,゚Д゚)「夢……?」
彡`・\「俺は、この世界を旅してみたいんだ」
(,,゚Д゚)「旅って……お前一人でか?」
彡`・\「ああ」
(,,゚Д゚)「やめとけやめとけ。馬の一人旅は危険だ」
- 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 00:32:07.14 ID:f+5GSLrXO
- 彡`・\「危険は承知だ。だが、俺はそれでも世界を旅して、世界のいろんな物を見てみたい」
(,,゚Д゚)「ソラやん……」
彡`・\「……そう、俺はソラモトベルハズ。不可能なことも可能にする馬だ」
(,,゚Д゚)「……」
彡`・\「時が来たら……止めるなよ、ギコやん」
(,,-Д-)「……馬鹿。誰が止めるかよ」
彡`・\「ギコやん……」
(,,^Д^)「そのときが来たら、俺は全力でお前を応援するぜ」
―回想終わり―
(,,-Д-)「……」
从;'ー'从「くっ……ちょこまかと……!」
(,,゚−゚)「……当たらなければ……大丈夫」
(,;Д;,)「こいつら全然話聞いてねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
- 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 00:33:53.54 ID:f+5GSLrXO
- 从'ー'从「本っ当……ずるいよね〜。ちょこちょこ逃げ回ったり……ちっちゃな女の子に呪いをかけたり」
(,,゚−゚)「魂の回収を邪魔された……腹いせ」
从'ー'从「それだけであんな女の子に手を出したんだ〜」
(,,゚−゚)「……それだけじゃ、ない。……異様な魔力を……明星が探知したから……」
从'ー'从「……明星?」
(,,゚−゚)「……それは内緒だった……忘れろ」
从'ー'从「それにしても……異様な魔力……?あの子が……?」
(,,゚−゚)「……だから……始末」
(,,゚−゚)「邪魔するやつも……始末」
- 74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 00:35:35.29 ID:f+5GSLrXO
- 先ほどまで小さかった魔力の波動が大きくなる。
草や木がそれによってザワザワと音を立てた。
一方その頃ソラモトベルハズはギコによって死亡が確認された。
(,,;Д;)「ソラやぁぁぁぁぁぁん!!」
享年6歳であった。
(,,゚−゚)「……ふっ!」
从'ー'从「遅いよ!」
巨大な大剣を軽々と振り回し、デュラハンは死神の攻撃を次々といなしていく。
隙を見て反撃に転じるが、死神はその度に姿を消し、大剣は空を切った。
ついでに生じた剣圧はいろんなものを破壊していった。
- 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 00:37:55.51 ID:f+5GSLrXO
- 从#'ー'从「もぉ〜!消えたり出てきたりでイライラするなぁ!」
(,,゚−゚)「死神は……この世とあの世を往き来できる」
(,,゚−゚)「お前の攻撃は……当たらない。あきらめろ」
そう言って死神は素早い斬撃を幾度と繰り出した。
デュラハンは大剣で受けようとするが、全ては捌ききれず、時折鎧に傷をつけた。
从;メ>ー'从「いたっ!?」
巨大な鎌がデュラハンの頬を掠めた。
唯一防具に守られてない顔に一本の赤い線が引かれ、赤い鮮血が垂れる。
一瞬怯んだのを見逃さず、死神は高く跳び上がり、鎌を大きく振りかぶった。
(,,゚−゚)「これで……終わり」
- 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 00:39:46.09 ID:f+5GSLrXO
- それを確認してデュラハンは守りの姿勢に入る。
しかし、鎌の重さと高さを利用すればかなりの威力になるであろうそれを受けれるとはとても思えない。
(,,゚−゚)「……バカは……死ね」
落下の勢いを利用して、死神が鎌を勢いよく振り下ろした。
防御のために構えられた大剣とぶつかり、衝撃波が周囲に広がった。
デュラハンが立っていた場所にはクレーターが生じ、大量の砂埃が舞う。
そこからさらにワンテンポ遅れて、辺りに爆音が響いた。
(;うД゚)「うおおおおお!?」
風圧によって様々な物が飛んでくる最中、ギコは友の屍の前で壁となっていた。
砂埃のせいで死神とデュラハンがどうなっているかはそこからは確認できない。
……だがギコにはわかっていた。
衝撃波の中心で、『彼女』が笑っているということが。
- 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 00:42:14.33 ID:f+5GSLrXO
- (;゚−゚)「……!?」
砂埃が一瞬だけ晴れる。
そこにデュラハンは立っていた。
あの攻撃を全て受けきっていた。
从メ ー 从「そういえば、自己紹介が遅れたね」
膨大な魔力が一点に集中する。
周囲の砂埃も魔力とともにデュラハンの大剣へと吸い込まれていく。
从メ ー 从「魔王軍近衛兵長……、そして四天王が一人……」
(;゚−゚)(……まずい!?)
攻撃を受け止められ、体勢を崩した死神は咄嗟にその姿を消した。
だが魔力の上昇は止まらない。
- 81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 00:44:43.49 ID:f+5GSLrXO
- 从メ ー 从「『魔王の盾』、ワタナベとは私の事っ!!」
溜まりに溜まった多量の魔力が一気に放出された。
あまりのエネルギーに周囲の時空が歪む。
結果、デュラハン……ワタナベの周囲に次元の壁が無くなり―――
(;゚−゚)「なっ……!?」
―――あの世とこの世の境目に隠れた死神の姿をそこに晒しだした。
从メ'ー'从「ごめんねぇ〜、三下相手にこんな技使う気はなかったけど……」
今度は死神が防御の姿勢を取る番だった。
だが、おそらく本人も悟っていただろう。
その圧倒的な力の前には防御など無意味だと。
从# ー 从「『無明剣』!!」
- 82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 00:46:54.46 ID:f+5GSLrXO
- 斬撃と共に、周囲に放出された魔力が再び収束、爆発した。
その威力たるや、防御のために突き出された巨大な鎌を容易く砕き、死神の身体を両断するほどだった。
从メ'ー'从「私は盾。守る人がいる限りは負けられないの」
歪んだ時空に全ての衝撃が吸収され、そこに吸い込まれた全てが無に帰した。
ただ、唯一死神だけは例外だったが。
从メ'ー'从「あれれ〜?直撃したのに消し飛んでないよ〜」
.:::゚−゚)「油断……した」
从メ'ー'从「まぁでも、その様子じゃあもう呪いはかけられないみたいだね」
..::::-゚)「……また、来る……このままじゃ……終われない……」
死神の体は少しずつ影となり、夜の闇へと消えていった。
全てが消えた頃には辺りはすっかり静まり返っていた。
- 84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 00:48:47.13 ID:f+5GSLrXO
- (,,゚Д゚)「……仕留め損ねたか」
从メ'ー'从「本体が霊体だからかな……」
(,,゚Д゚)「どうするんだ、また来るみたいなことを言っていたが」
从メ'ー'从「でも回復には結構な時間がかかるはずだよ。……それまでに対策は用意しとくわ」
(,,゚Д゚)「……そうか」
(,,゚Д゚)「ありがとな」
从メ'ー'从「ふぇ?」
(,,゚Д゚)「ツンを……いや、ブーン達を守ってくれて」
从メ'ー'从「私は盾だもの」
从メ ー 从「それに……彼を守るのはあの人の意志でもあるし……ね」
- 85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 00:50:55.72 ID:f+5GSLrXO
- (,,゚Д゚)「なんか言ったか?」
从メ'ー'从「ううん。なんでもないよ〜」
(,,゚Д゚)「そうか……」
(,,゚Д゚)「しかし、結構大きなクレーターが出来たな」
从メ'ー'从「元に戻さないとね〜」
(,,゚Д゚)「……いや、この深さならちょうどいい」
从メ'ー'从「ふぇ?」
(,,゚Д゚)「ちょっと手伝ってくれ」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
≡≡≡≡(っ∵)っ【翌日】
川 ゚ -゚)「……どうやら、うまくやってくれたみたいだな」
- 87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 00:52:47.50 ID:f+5GSLrXO
- 从メ'ー'从「う〜ん。結局仕留め損ねちゃったけどね〜」
ζ(゚ー゚*ζ「でもほら!ツンちゃんもあんなに元気に……」
ξill´兪)ξ「うー……」
ζ(゚ー゚*ζ
从メ'ー'从
川 ゚ -゚)「……ブーン、離れろ」
( ;ω;)「おーん!おーん!よかったおー!もう離さないおー!!」
ξill´兪)ξ「くるしいー……」
川 ゚ -゚)「……ダメだこりゃ」
- 88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 00:54:39.46 ID:f+5GSLrXO
- ( ;ω;)「本当にありがとうだお!感謝してもしきれないお!!」
从*メ'ー'从「えへへ〜」
ξ;゚听)ξ「くるしかったー」
川 ゚ -゚)「……よかったな、解放されて」
ζ(゚ー゚*ζ「そういえばツンちゃん、たまごは?」
ξ;゚听)ξ「はっ!わすれてたー!」
从メ'ー'从「……たまご?」
川 ゚ -゚)「ブーンの部屋の布団にくるんであるぞ」
ξ゚听)ξ「わかったー!」
- 90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 00:57:16.12 ID:f+5GSLrXO
- 从メ'ー'从「たまごって……ブーンくんって意外と肉食系なんだね〜」
( ^ω^)「さらっと誤解しないでくれお……。あれは北の山で拾ったたまごだお」
从;メ'ー'从「……えっ!?北の山で!!」
( ^ω^)「そうだお。おっきいたまごなんだけど、親が見あたらないからツンが張り切ってお世話をしてるお」
从;メ'ー'从「おっきい……そういえばあの死神も……ということは……?」
( ^ω^)「おっ?どうしたんだお?」
从メ'ー'从「あ、や、なんでもないよぉ〜」
( ^ω^)「?」
ξ*゚听)ξ「たまごげんきー!」
川 ゚ー゚)「そうか、よかったな」
ξ*゚听)ξ「うん!ツンといっしょー!」
- 91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 01:00:38.54 ID:f+5GSLrXO
- 从;メ'ー'从(やっぱり……!あのたまごは……)
( ^ω^)「そういえば君は北の山で何してたんだお?」
从;メ'ー'从「あ、えーと……、さ、散歩だよ!うん!」
( ^ω^)「おっ。散歩かお」
川 ゚ -゚)「そういえば名前を聞いてなかったな」
从メ'ー'从「そういえばそうだね〜。私はワタナベだよ、よろしくね〜」
( ^ω^)「おっおっ。よろしくだお」
川 ゚ -゚)(ワタナベ……?どこかで聞いたことがあるような……)
从メ'ー'从「うん、きっとまた会うことになるから、忘れないでね」
ζ(゚、゚*ζ「えー、ワタちゃん帰っちゃうのー?」
从メ'ー'从「帰るとこがあるからね〜」
( ^ω^)「またいつでも遊びに来てくれお」
从メ'ー'从「うん!もちろんだよぉ〜」
- 93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 01:02:21.83 ID:f+5GSLrXO
- ξ*゚听)ξ「おねーちゃん!ありがとー!」
从メ'ー'从「どういたしまいしてだよ〜。たまご、大切にしてあげてね〜」
ξ*゚听)ξ「うん!」
从メ'ー'从ノシ「じゃ〜ね〜!」
( ^ω^)ノシ「道中気をつけるんだおー」
从メ'ー'从「さて……と。早く戻っていろいろ報告しないと」
从メ'ー'从「ブーンくんの近況……明けの明星……そして、たまご……」
从メ ー 从「ふふふ。次にここに来るときが楽しみだね」
- 95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 01:04:25.80 ID:f+5GSLrXO
- ( ^ω^)「さてと……。ギコ、一つ聞きたいお」
(,,゚Д゚)「……わかっている」
( ^ω^)「なんでここ一帯の地面がふかふかなんだお?」
(,,゚Д゚)「昨日の戦いでクレーターが出来たとこに土をいれたんだ」
( ^ω^)「……で、この『ソラモトベルハズの墓』ってのは何の冗談だお?」
(,,゚Д゚)「残念だが……冗談じゃない」
( ^ω^)
( ^ω^)「え……?そんな……」
(,,-Д-)「昨日……魔物との戦いに巻き込まれて……な」
( ^ω^)「そん……な……」
( ;ω;)「お……おおお……」
(,,-Д-)「……」
- 96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 01:05:54.89 ID:f+5GSLrXO
- ソラやん……ソラモトベルハズは、大空へと飛び立っていった。
願わくば、彼が夢を叶えれますように……。
この空を飛び回り、世界中を旅できますように……。
彡`・\+
(,,-Д-)(あばよ……ソラやん)
( ;ω;)(力無いし足遅いし言うこと聞かないからいつか馬刺にしようと思ってたのに……)
- 101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 01:07:50.66 ID:f+5GSLrXO
- 川 ゚ -゚)「ところでツン、その大剣はなんだ?」
ξ゚听)ξ「あさひろったー」
从メ'ー'从「あれれ〜?わたしの剣がないよぉ〜」
( ∵)/~【おしまい】
- 105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/05(水) 01:10:12.46 ID:f+5GSLrXO
- 【('A`)先生のモンスター図鑑】
新しく出会ったモンスター
从'ー'从 デュラハン:妖精種
首と胴体がさよならしている騎士の姿をした魔物。
鎧は皆身につけているが、兜はかぶってたりかぶってなかったり。
死を予言する魔物であり、近いうちに死者の出る家の周辺に現れる。
そして戸口の前に止まり、誰かが戸を開けるとタライにいっぱいの血を顔にぶっかける。
ちなみに誰の血かは不明だ。
追記:自分の姿を見られることを嫌がるとの説もあるが、それはもう昔のことらしい。
(,,゚−゚) 死神:???
詳細不明
戻る 次へ