('A`)ネクラ王子と( ・∀・)チャラ王子のようです

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/20(水) 21:41:10.16 ID:WtKm9y7X0

7.サブデビ


 どこにあるのか、どうやって行くのか、誰も知らない、知り得ない。
 最果ての大地に彼女は住んでいました。



('、`;川「泣くのをやめろっつってんだよ! 殺すぞ!」

ξ;凵G)ξ「ヒィー ヒィー!」

('、`*川「ったぁくよぉー、ガキかっての」



 ツンデレ姫をさらった魔女、ペニサスは、魔女の城ではなく、小さなボロ小屋に住んでいました。


34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/20(水) 21:46:10.09 ID:WtKm9y7X0

 この家はペニサスが魔法で作った家です。
 ボロいのは彼女の魔力が低いからではなく、彼女の趣味です。



ξ;凵G)ξ「ヒィー ヒィー オナカスイタ ンデスケドー」

('、`*川「わぁってるわよ。私もそうだし。ビコーズ、ビコーーーーズ!」

ξ;凵G)ξ「フェ?」


 彼女が名前を叫ぶと、空間に小さな切れ目ができ、そこから何かが飛び出してきました。


( ∵)「へいへいへいへい! なんだよ!」


 小さな口で喋るそれは、まるで生物とは思えないほど綺麗な球体でした。
 ナイフのような鋭利な翼を生やし、空をぷかぷかと浮かんでいます。

 手のひらに収まる大きさです。

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/20(水) 21:51:08.33 ID:WtKm9y7X0

ξ*゚听)ξ「チョウ カワイイ ンデスケドー!」


 今時のスイーツを体現しているツンデレ姫は、
 その小さな生物に飛びつき、手のひらで転がし始めます。


( ∵)「てめえが人間の姫か。運が悪かったな。こいつに目をつけられてよ」

ξ*゚听)ξ「ナンカ シャベッテル ンデスケドー! チョウ ミクロ カワユス!」



 彼はペニサスの使い魔です。

 手乗りサイズなのは、決してグッズ化を狙っている訳ではなく、魔力を抑えるためです。
 元々彼は、人の何十倍も大きいドラゴンです。

 ペニサスと契約し、使い魔になってから、このサイズになっただけです。
 決してpixivに絵を上げて欲しいからではないのです。

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/20(水) 21:56:51.80 ID:WtKm9y7X0

('、`*川「メシ」

( ∵)「あーはいはい。今作るから待っ」

ξ*゚听)ξ「スベスベ ナンデスケドー!」

( ∵)「おまえちょ、離せこら! 俺が本気だしたらおまえなんか消滅させられるんだぞ!」

ξ*゚听)ξ「ツヨガッチャッテ モー」

('、`*川「はよぅ、メシ!」

( ∵)「わかってるって! メシ食いたいなら見てないで助けてくれよぉー!」



 ペニサスは、使い魔が面白いことになっているのを放置して、窓から空を見上げました。


('、`*川「誰も“始め”ないのなら、私が“始まり”になればいいのよ―――ねえ、姉さん」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/20(水) 22:02:24.29 ID:WtKm9y7X0



 彼女の呟きは、黒ずんだ空に消えていきました。






 ちょうど同じ頃、魔女の城にいるデレデレも、ベランダに出て空を見上げていました。

 とても険しい表情です。

 近くにいた付き人の魔女が、彼女に「大丈夫ですか?」と尋ねました。


ζ(゚ー゚*ζ「ええ、大丈夫よ、ただ」


 聞こえずとも、デレデレは感じていたのです。


ζ(゚ー゚*ζ「誰かが…誰かが私を呼んだ気がして」


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