- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/21(木) 22:18:09.61 ID:bRB9XU6m0
9.踊りたく
デルタ王は、見せたいものがある、とドクオ王子に言い、彼を倉庫に連れてきました。
(゚A゚)「こ、これは…!」
そこでドクオ王子は、とんでもないものを見てしまいました。
( "ゞ)「どうだ。これが何かわかるか?」
(゚A゚)「いや、全然わかんない。なにこれ。きも」
( "ゞ)「わしもわからんのだ。きもっておまえ」
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/21(木) 22:21:40.02 ID:bRB9XU6m0
そうです、シャキーン博士がドクオ王子のために発明したもの。
用途が全くわからないのです。
( "ゞ)「とりあえずこれで、何とかなるだろう」
(;'A`)「いやいやいやいや適当過ぎるだろ父ちゃん!
あんた、これでよく運命感じるとか言えたな!」
( "ゞ)「仕方無いだろ。わしは科学者でもなんでもないんだから」
倉庫にあったのは、巨大な鉄の塊でした。
ドクオの両足と同じ素材で作られています。
- 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/21(木) 22:23:48.90 ID:bRB9XU6m0
二人は鉄の塊の周りをうろうろしたり。
ぺたぺたと外壁を触ってみたり。
中の計器らしきものをいじくったり。
色々と試しましたが、やっぱりこれが何かわかりません。
( "ゞ)「設計図もあったんだが、完成品を見てわからん者が
設計図を見てもやっぱりわからんものだな」
('A`)「しみじみ言われてもな」
- 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/21(木) 22:26:24.39 ID:bRB9XU6m0
そこにやってきたのは、召使いのブーンでした。
( *^ω^)「ドクオ王子! 旅に出る決意は固まりましたか!?」
('A`)「いや全然」
( ゚ω゚)「ンモォォォオオオオオオオ! 主人公のくせにエンジンかかるのが遅いですお!」
(;'A`)「おまえは脇役のくせにアクセラレータ積み過ぎなんだよ!」
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/21(木) 22:29:23.04 ID:bRB9XU6m0
(#^ω^)「王様! 王子! これを見てくださいお!」
ブーンは着ていた服を脱ぎ、ドクオ王子とデルタ王にあられもない姿を晒しました。きゃっ
(゚A゚)「うわああああ目に毒」
( "ゞ)「醜い!」
(#^ω^)「見てくださいこの筋肉!」
(゚A゚)「ぜい肉しか見えん」
( "ゞ)「喋る肉ダルマだな」
( ^ω^)「冷静に酷いなこの親子」
- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/21(木) 22:32:14.63 ID:bRB9XU6m0
( "ゞ)「どうしたと言うんじゃ。クビにするぞ」
( ^ω^)「それは勘弁して…。
ドクオ王子が旅に出るときの付き添い、どうかブーンにお任せ下さい!」
(;'A`)「いや、だから旅には…」
( ;ω;)「どうかぁ〜! どうかこの哀れな豚にお慈悲を〜!」
( "ゞ)「そんな下手に出なくても…」
ブーンは額を床にこすりつけ、泣きながら懇願を続けます。
ドクオ王子とデルタ王は、顔を見合わせ、困った顔をするしかありませんでした。
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/21(木) 22:36:35.95 ID:bRB9XU6m0
デルタ王から、ため息が漏れました。
( "ゞ)「運命じゃと思ったんだがな…」
('A`)「ごめん…」
父親の期待に応えられないことを、ドクオは謝ります。
( "ゞ)「まあ、どうせその発明品、燃料が空っぽらし」
そのときです。
倉庫の扉が勢いよく開かれ、大臣が駆け込んできました。
(;´・_ゝ・)「デルタ王。大変です。ヒッキー君が行方不明らしいです」
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/21(木) 22:40:22.60 ID:bRB9XU6m0
ヒッキーとは、このお城の召使いの一人で、ドクオのゲーム仲間の一人でもあります。
まだ幼い彼ですが、精神年齢的にはドクオ王子といい勝負でしょう。
( "ゞ)「なんじゃと。いつからじゃ」
(;´・_ゝ・)「昨日の朝から。もしかしてモンスターに襲われたのかも」
この小さな平和な国で、今まで行方不明になった人など、出たことがありません。
( "ゞ)「ドクオ、おまえなにか知らんか?」
(;'A`)「いや知らないけ」
(;゚A゚)「あ、もしかして…!」
- 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/21(木) 22:44:16.47 ID:bRB9XU6m0
素っ頓狂な声を上げるドクオ王子。
(;'A`)「ドカティ廃坑にいったのかも!」
( "ゞ)「なに!? あそこは落盤事故が起こって危ない場所なんだぞ!」
( ;^ω^)「そういえば、ヒッキーがあそこでなにか見つけたって言ってたお」
(;´・_ゝ・)「ヒッキー君のお母さんも心配しておられます。
捜索隊をドカティ廃坑に出しましょう」
( "ゞ)「うむ。手配してくれ。しかし、ドカティか。迷路のようになっていて危ない場所だ。どうしたものか」
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/10/21(木) 22:50:14.05 ID:bRB9XU6m0
腕組みをしてうなるデルタ王の横で、ドクオ王子はじっと黙っています。
( ;^ω^)(王子…)
ドカティ廃坑の迷路の進み方を、ドクオ王子は知っているのです。
彼は小さい頃からずっとドカティを遊び場にしていたので、中のことは知り尽くしていました。
けれどもドクオ王子は、決して道案内を買って出ようとは思いませんでした。
(;'∀`)「ぶ、ブーン。俺たちは、部屋に戻っていよう」
( "ゞ)「ああ、そうだな。とりあえず話の続きは、ヒッキー君が見つかってからだ」
彼は何よりも、失敗を恐れていたからです。
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