- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/07(土) 00:12:32.77 ID:G7s0uDbp0
- 少女は退屈だった。
故に少年の居るであろう場所へ歩を進める。
川 ゚ 々゚)「デレはどこへ・・・」
少女は呟きながらも少年の居場所を考えていたのであった。
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/07(土) 00:13:39.26 ID:G7s0uDbp0
- 友人は退屈だった。
故に少年の通う学校へ歩を進める。
( ・∀・)「さて、ドクオ君を探そうか」
友人は呟きながらも少年の居場所を考えていたのであった。
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/07(土) 00:14:20.08 ID:G7s0uDbp0
- ここで話は少年に移る。
少年は屋上に居た。今は休み時間、次の授業はサボりである。
('A`)「数学なんてやってられるか」
数学は少年の苦手科目であった。
だからやる気が起きないのである。
まあ、苦手でなくともやる気はないのだが。
('A`)「ああ・・・暇だ」
・・・屋上は平和なようだった。
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/07(土) 00:16:01.15 ID:G7s0uDbp0
- さて、二人の非日常の話に戻ろう。
少女は少年の居る場所が屋上か普段のサボり場か悩み、教室の入り口で立ち塞がっている。
そして友人は少年のクラスを目指し、少女が入り口で立ち塞がっているであろう教室に向かっていたのだった。
川 ゚ 々゚)「屋上か? いや、体育館裏の可能性も・・・」
( ・∀・)「教室にいるかなあ、っと」
二人の声が重なる。そして、お互いに顔を見合わせた。
川 ゚ 々゚)「・・・シュー?」
( ・∀・)「なにそれこわい」
・・・退屈な非日常同士は、本日出会ってしまったのである。
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/07(土) 00:18:26.70 ID:G7s0uDbp0
- なにそれこわいと言われつつも、少女は再び問う。
川 ゚ 々゚)「シューですよね?」
友人はその問いに対し、少し間を置きながらも答えた。
( ・∀・)「・・・私はモララーだ、人違いだろ」
川 ゚ 々゚)「・・そうですか」
少女は友人の答えに納得しないまま返事をする。
( ・∀・)「そうだ、君はドクオ君を知らないかな? このクラスなんだけど」
川 ゚ 々゚)「デレ・・ドクオとどんな関係で?」
( ・∀・)「デレ? まあいいや。・・私とドクオ君は互いに愛し合っているのさ!」
胸を張って答える友人に、少女はやはりかという様な表情をする。
そして大げさに溜め息を吐くのであった。
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/07(土) 00:19:34.98 ID:G7s0uDbp0
- 川 ゚ 々゚)「はあ・・・」
( ・∀・)「な、何だよ」
川 ゚ 々゚)「いえ、なんでも」
溜め息に吐いて言及する友人を軽く受け流す少女。
その表情は呆れたままであった。
( ・∀・)「・・なら、いいんだけどね」
腑に落ちないまま納得する友人。
その言葉が終わらない内に、少女はこう言う。
川 ゚ 々゚)「俺もドクオを探してるんです。一緒に探しません?」
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/07(土) 00:20:19.97 ID:G7s0uDbp0
- 友人は少女の一人称に少し驚きながらも了承する。
( ・∀・)「あ、う、うんいいよ」
川 ゚ 々゚)「では、いきましょう。・・屋上か空き教室にいると思いますが」
( ・∀・)「じゃ、屋上からいこう」
そう言い二人は教室から出て行く。それと同時にチャイムが始業を知らせた。
もちろん少女は怒られるのだが、二人とも聞く耳を持たないのであった。
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/07(土) 00:21:55.24 ID:G7s0uDbp0
- ここでまた少年の話に戻る。
少年はチャイムの音を聞きながら屋上の床に寝転がっていた。
('A`)「・・・」
やる事がないので寝ようかとも思ったのであるが、眠れない。
何故か嫌な予感がするのである。
('A`)「まさかモララーが・・いや、ないない」
そんな自問自答を繰り返す内に、屋上へ向かってくる二つの足音が聞こえてきた。
それはもちろん二人の非日常の足音なのであるが、少年は知らない。
知らないが故に少し身構える。
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/07(土) 00:22:54.05 ID:G7s0uDbp0
- ('A`)「誰だよ・・もう授業始まってんぞ」
その呟きに被せる様に、屋上への、少し錆びた扉がきぃという音を立てて開く。
そして少年は二人の姿を眺める。
・・それが二人の非日常であると認識するまでに時間はかからなかった。
( ・∀・)「ここにドクオ君居なかったら全裸で校舎一周ね」
川 ゚ 々゚)「居たら貴女が一周で」
( ・∀・)「おーけぃ」
川 ゚ 々゚)「ほら居ました」
( ・∀・)「お兄さん嵌められたぜふぁっきん」
そんな他愛も無い話をしながらこちらへ向かってくる二人。
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/07(土) 00:24:26.53 ID:G7s0uDbp0
- 少年は戸惑いながらも二人の名を呼ぶ。
('A`)「高岡と、モララー?」
( ・∀・)「はいはい、貴方の恋人モララーさんですよ」
川 ゚ 々゚)「はい、貴女の運命の相手ハインリッヒです」
二人の返事に少年は呆れた様な顔をした。
そして何故か友人は、神妙な顔つきで少女の前世の名前を呟く。
( ・∀・)「ハインリッヒ・・・高岡・・?」
川 ゚ 々゚)「?」
少女は不思議そうな顔をして友人を見るのだが、友人はまだぶつぶつと呟いている。
と思っていた次の瞬間、パッと顔が険しくなり少女を睨み付けた。
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/07(土) 00:25:41.26 ID:G7s0uDbp0
- ( ・∀・)「ああ思い出した!夢で私のデレを取りやがったあいつだ!」
川 ゚ 々゚)「あれ、夢とはいえ記憶があるとは」
('A`)「・・・また前世絡みかよ」
( ・∀・)「でも何か違う・・」
川 ゚ 々゚)「姿形なら、そりゃ前世の事ですし。ねえデレ」
少女は少年の唇に触れるだけのキスをする。
('A`)「俺には記憶無いけどな」
少年はいきなりのキスに少し戸惑うが嫌がりもせずに答えた。
( ・∀・)「 」
そして友人はフリーズ状態である。
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/07(土) 00:27:47.19 ID:G7s0uDbp0
- ( ・∀・)「・・・え?」
川 ゚ 々゚)「ドクオの前世がデレ。いいか、素直シュー?」
少女は前世の話口調で、友人の前世での名で呼ぶ。
そして友人は静かにこう言った。
( ・∀・)「・・・氏ね、米にまみれて氏ね」
川 ゚ 々゚)「懐かしい言葉ありがとうシュー、でもデレは俺のもんだ」
( ・∀・)「汚米食べて氏ねばいいのに」
少年は初めて見る筈のその光景を、酷く昔に見た気がしてまた少し戸惑う。
そして戸惑いと同時にくる懐かしさに、少し笑ってしまうのであった。
第五話 「惑う少年と非日常」 了
戻る 次へ