( ^ω^)達の中だるみな一年のようです

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 18:45:22.04 ID:UWWOm0vg0
第十三話「空振りする声」

(,,゚Д゚)「この人騒がせが」

(`・ω・´)「悪いな。まさかそんな大事になっているとは」
  _
( -∀-)「骨折り損だな………」

( ^ω^)「そんなこと言って、みんな友達できてて羨ましいお」

( ・∀・)「おい、俺を呼べよお前ら」

結論から言えば、シャキンは襲われたわけではなかった。

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 18:46:25.35 ID:UWWOm0vg0
以下回想
(`・ω・´)「新しいトラップの実験!」
('(゚∀゚∩「今回は相当なものだよ!楽しみだよ!」←シャキンの友達
(`・ω・´)「よしっ!準備オッケーだ!行けなおるよ!」
('(゚∀゚∩「じゃあいくよ!ポチっとな!」←リモコン押した
ボコボコボコボコボコボコボコ……
(` ω ´)「ぐッふ……ぁ……がぁ…………」
('( ∀ ∩「うぉぉ……すごい威力だよ……ぐえっ……」
(;`・ω・´)「ぅぅ………」
('(゚∀゚;∩「ごめん……負傷したから帰るよ……」
(`・ω・´)「僕も……回収したら帰る……」
('(゚∀゚;∩「それじゃ……」トコトコ
Σ(`・ω・´)「………………うぉっ!」
ボコボコボコ……
(` ω ´)「が………っ!」ドサッ
サッカサッカサッカ←サウナスーツ擦れる音
(モブ)「君!どうしたんだい!」
(` ω ´)「………」
(モブ)「……まさか昨日の連中か………!もうここでジョギングは出来ないな……回覧板回覧板……」
以上回想

(`・ω・´)「結局なんでもなかったってことで。はい」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 18:47:28.17 ID:UWWOm0vg0
(,,゚Д゚)「はぁ……」
  _
( ゚∀゚)「まーよかったんじゃね?あ、シャキン、そのおかげでショボンに彼女できたぞ」

(;`・ω・´)「えぇ……もうあいつに何一つ勝てなくなったよ……」

( ^ω^)「身長勝ってるお!」

(`・ω・´)「いやね、あの時は僕の方が髪多かっただけなんだよ……」

( ・∀・)「じゃあ人間やめて眉毛に就職しろよ」

(;`・ω・)「くそぉ……お前には何も言い返せない……」

( ・∀・)「くくく、本当にダメなやつだな」

(`;ω;´)「…………うぅ……ちょっと部屋で泣いてくる。誰も来るなよ……!」

(,,゚Д゚)「……さて、今度こそ一件落着だな。俺もしぃと会ってくるか」
  _
( ゚∀゚)「俺は昼からシューとかとバードウォッチングだから準備するわ。じゃな」

で、ロビーに残る男二人。

( ・∀・)「おうブーンよ、つまり暇ってことか」

( ^ω^)「そういうモララーこそ」

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 18:48:30.48 ID:UWWOm0vg0
( ^ω^)「……」

( ・∀・)「……」

(*^ω^)「ドゥフwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

( ・∀・)「くくく」

沈黙に突如噴き出す彼ら。
頭の中空っぽの彼らは、笑うという単純な感情の発露を互いに確認し合うことで自分の存在を噛み締めているのだ。
なんとも不安定なお年頃である。

( ‐∀‐)「人は何故……『退屈』という感情を持ったのか」

おもむろに口を開くモララー。頭の悪そうな議題だ。
対するブーンは何か深刻な顔をして窓を眺めている。

( ^ω^ )「……僕は退屈って、大事なことだと思うお」

そして相手に向き直り、真顔で言うブーン。きめえ。

( ・∀・)「どうしてそう思うんだい?論理的な理由があるなら説いて欲しい」

( ^ω^)「人っていうのは、脆いお。なにか引き金があれば簡単に壊れてしまうお」

( ・∀・)「……そうだね」

( ^ω^)「退屈は、そんな脆い僕ら人間のための充電期間なんだお」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 18:49:35.62 ID:UWWOm0vg0
( ・∀・)「充電期間?」

不思議そうなモララー。そもそもなんでこいつらは真面目に語っているのだろうか。
このままでは知り合いに目撃されて赤面すること必至である。

( ^ω^)「そうだお。何か出来事があって、次への行動に移るための」

( ・∀・)「興味深いな。つまり?」

( ^ω^)「間髪いれずに次へ、次へ、と移ってしまうと、いつか人の心はパンクしてしまうんだお」

( ・∀・)「心がパンクする、か。あるな、確かに」

うんうん、と腕を組んで頷く。

( ^ω^)「退屈を感じることで僕達は次に進むための余裕を持つことができるし、少し前の退屈でなかった時の自分と向き合えるんだお」

一気に言い終えると、満足そうに息を吸ったブーン。
ムカつくどや顔である。

( ・∀・)「だがブーン、それは論理的な答えか?」

( ^ω^)「さあ?」

( ・∀・)「俺はな、こう考える」

( ^ω^)「お?」

( ・∀・)「広げるのキツいからこの話題やめよう」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 18:51:28.34 ID:UWWOm0vg0
( ^ω^)「……あー、で、どうするお」

( ・∀・)「やっぱこういうのは恥ずかしいな、存分に引かせてもらったぜ」

(;^ω^)「うおおお……わりと自論を展開してしまったお……」

( ・∀・)「ふーん……充電期間、ね。くくく、覚えておくわ」

( ^ω^)「酷いお……」

( ・∀・)「……」シュタッ

おもむろに立ち上がる。
そして自販機へ向かい、何に不満があるのか小銭を凄まじい勢いでブチ込むモララー。

( ・∀・)「おらおらおらおらおらおら」

ブーンが僕のも、とか言っているが、聞いてるのか聞いてないのか彼は変わらぬペースで小銭をブチ込む。

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 18:52:31.06 ID:UWWOm0vg0
( ・∀・)「ほら」「で、どうするよ?俺は暇が嫌いだ」

( ^ω^)「サンクス」「僕はモララーと違ったまったりとした時間を共有できる人が欲しいお」

( ・∀・)「おい金出せ」「じゃあツンちゃんの部屋行って来いよ」

( ^ω^)「今財布ないお」「ツンは本当はまったりするタイプじゃないお」

( ・∀・)「てめえ……」「じゃあハインは……無いな」

( ^ω^)「手に書いておくお」「うーん、クーの部屋に行くお」

( ・∀・)「書くもの」「意外なとこ突いたな。お前とクーが話してるのあんまり見ないぞ」

( ^ω^)「ないお」「結構話すお、クーの読んだ本の映画化作品の話とか」

( ・∀・)「財布取ってこい」「ジョルジュが聞いたらショックだろうな」

( ^ω^)「めんどくせーお」「いや、多分大丈夫だお」

( ・∀・)「てめえ……」「つーかあいつとクーって意外にも共通の趣味無いな、なのに相思相愛かよ」

( ^ω^)「気が向いたら払うお」「きっと学生にとって色恋沙汰ってのは必要不可欠なんだお」

( ・∀・)「払わねえだろ」「お前には必要無いみたいだがな」

( ^ω^)「払うお、天地神明に誓って」「人のこと言えんのかお」

( ・∀・)「むしろ誓うな、今すぐだ」「人のことを言うだけなら俺自身は関係ないね」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 18:53:34.87 ID:UWWOm0vg0
ぐだぐだ話していても話は進展しない。
しかし学生生活の一ページ、そういうことがあっても差し支えは無いだろう。

( ^ω^)「まあ、財布取って来るお。どっか行くお」

( ・∀・)「おう」

大階段を上っていくブーン。
一人残されたモララーは座っていたソファに寝転がり、全身をじりじり伸ばす。

ところで先程彼は色恋沙汰の話をしたわけだが、実は彼もずっと気にかかっている人間がいるのだ。
そんな彼女のことを思い浮かべながら、ぼんやりと空中に手を伸ばすモララー。
表情がとんでもないことになっていたのだが、生憎ロビーの天井に鏡は付いていなかった。

( ^ω^)「モラ……誰だお前……」

( @∀@)「……俺かっ?俺はモララーだぜ!」

('A`)「あ?なんだコイツ」

ノパ听)「あれ?モララーは?」

ブーンはドラクエのような列を成し、三人パーティでモララーのような者に襲いかかる。

(;・∀・)「はっ!!ドクオにヒート!!!」

ノパ听)「あ、戻った」

('A`)「モララーかよ……お前そんなやつだったか?」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 18:54:38.34 ID:UWWOm0vg0
( ^ω^)「それはきっと体質なんだお。気が昂ったらきもくなる」

('A`)「なんで気が昂ってたんだよ」

( ^ω^)「さあ……?」

ノパ听)「早くゲーセンいこーよー」

ヒートに促され、寮を出発することになりました。

で、さっきまでごっちゃい道を揃って歩いていたわけですが、ゲーセンへ行く目的のあるドクオとヒートは二人で前を歩いていっちゃいいました。
楽しそうです。

( ・∀・)「ゲーセンなんていつ以来だろう」

( ^ω^)「僕もほとんど行かないお」

( ・∀・)「あ、前から聞こうと思ってたけどあいつら付きあってんの?」

ぬるぬるした指を前に向けるモララー。
何故ぬるぬるしているかといえば、先程彼に対して学園生がアイスを持って特攻をかけてきたからだ。
彼女達はぶつかったモララーに対して服を脱がそうと襲いかかったが、よくあること、と一蹴。
そして女どもは、なにかあったら、と通信IDを書かれた紙を渡した。その場でモララーはぶん投げた。

( ^ω^)「付き合ってないお。親友だお」

( ・∀・)「ふーん。親友ねえ……そういや前言ってたかもな……」

口を尖らせて、手の匂いを嗅ぐ。
いい匂いだったのか彼の表情はふにゃふにゃになった。

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 18:55:43.84 ID:UWWOm0vg0
( ・A・)「おぅ……これ危ないもの入ってねえか……?」

( ^ω^)「気にするなお。きっとイケメンを狙った犯行だお」

(# ・∀・)「イケメンってなんなんだよ……くそ……」

なにやら苛立ったように呟くモララー。
ブーンは彼が苛立つことに、全然、まったく、ほんの少しも興味が湧かなかった。
ブーンの心境を好意的に言えば、イケメンは磔にされて火あぶりにされてしまえばいいのだ、というところだ。

ノパ听)「二人とも遅いぞー!うえええええええ!」

叫ぶ赤髪。
両腕をぐりんぐりんと振り回しながらドクオに何度かぶつけている。
対するドクオは彼女の脛に爪先で素早く蹴りを入れ続ける。
まるで小学生の幼馴染が小競り合いをしているようで微笑ましい。

ノハ;゚听)「ドク……ちょ……まって…………いったぃ……」

( ^ω^)「あ、ドクオが勝ったお」

どうやら削られて崩れ落ちてしまうほどの打撃の押収だったようだ。
そして半泣きになるヒート。

( ・∀・)「ヒート、大丈夫か?」

ノハ;゚听)「あ、ありがとモララー……」

手を差し伸べる彼は厭味ったらしいほどにそれが似合う。

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 18:56:47.01 ID:UWWOm0vg0
ノハ*゚听)「んー、モララーってエロゲの主人公みたいだな!!」

( ・∀・)「え」

ノハ*゚听)「だってかなりモテるじゃんか!シャキンとは大違いだ!」

ナチュラルに眉毛を評価してしまう彼女は素直ヒート。素直な彼女は平気で人を貶し、平気で人を褒める。
そんな彼女も周囲に容姿や実力、その素直な性格を評価され、モテる、といえばその通りである。

( ・∀・)「モテたってしょうがないさ。ヒートもわかるだろ」

つっけんどんに言い放つ。

ノパ听)「私は嬉しいぞ!受けたことはないけどな!」

( ・∀・)「嬉しいのか?ならどうして受けないんだ?」

ノハ*゚听)「私は女の方が好きだからだ!!」

で、五秒凍りつく。彼女の発言を反芻し、今度は十秒凍りついた。
落ち着いて今の言葉を確認するようにヒートを見る。
目前には当然のような顔をする赤髪の女がいる。
そしてモララーは止まった時間の清算に二十秒をかけた。

(;・∀・)「……そう、なのか」

ノパ听)「ん?どうした?やっぱ変かな?」

( ・∀・)「いや、世間にはそういう人もいるだろ。実際に会うのは初めてだけどな」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 18:57:51.89 ID:UWWOm0vg0
ノパ听)「そっか!んじゃゲーセン入ろうぜ!」

( ・∀・)「ああ」

目前には既にゲーセンがあったのだがそれに気付かないほど驚いていたモララー。
ヒートは彼を気にする様子もなく、ドクオとブーンにラリアットしながら店内に駆けていった。

ニュー速にはゲーセンが一つしかない。その名を【Gameboad】という。ここには常に最新の匣体が入り、古いものもなかなか息が長い。
広さも申し分なく、用事が無くとも歩きまわると一つくらいは興味が惹かれるものがありそうなほど種類も多い。

( ^ω^)「ドクオきんめえwwwwww800コンボwwwwwwww」

( ・∀・)「手の残像ヤバいな。さすがドクオ」

ノハ*゚听)「あ、だっせー!ミスってやんの!!」

(;'A`)「おまえら近すぎんだよ!離れろッ!」

現在ドクオが向かっているのは音ゲーで、うまい奴はみんな気持ち悪い感じのやつをやっている。
そんなきもいのが文句を言うのも仕方がない。なぜか四人が台に立って画面とドクオの手を見ながらあーだこーだ口を挟んでくるのだ。

('A`)「……ったく、一発目で一位とってノリノリな俺で一日を満喫する気だったのによお」

ノパ听)「ノリノリなドクオうるさいし丁度いいって!」

('A`*)「ヒートよ!ゲーセンなんざ騒いでなんぼよ!」

ノハ*゚听)「ふははは!!確かにその通りだがなぁ!!」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 18:59:01.90 ID:UWWOm0vg0
すでにノリノリな二人は格ゲーに打ち込むためそれぞれ両替をし、気付いた時にはそれぞれ適当な相手に乱入していた。
格ゲーしながら叫ぶ赤い髪の女は傍から見れば狂気を感じるのだが、彼女自身は全く気にしていないようだった。

( ・∀・)「んー、俺らはどうする?」

(* ^ω^)「レースゲームで!!」

( ・∀・)「……おう」

こちらもノリノリな奴が一人構えており、いまいち乗りきれないモララーは流されるままにブーンが指差す丸い小部屋のようなシートに飛びこむ。
小銭を入れるとすぐさま車種選択が表示された。彼には知識が無いので、直感的に三角形みたいな赤いのを選んだ。

(* ^ω^)「厨機体乙!!」

( ・∀・)「いや、知らんよ」

隣の丸いやつに入ったはずのブーンから声が響いた。対戦相手と会話することもできるようだ。
勝手にコースをブーンが選択すると、画面が一度暗転。そして青と白の空が広がり、アスファルトに平行した視点に下がる。

(;・∀・)「うおっ!!これシート動くのかよ!!」

( ^ω^)「そうだお!体感型だお!ほら始まってるお!」

(;・∀・)「酔うって!」

180度に展開したモニターは運転席からの景色を存分に描き出し、駆け抜けていく疾走感は肝を冷やしてしまう程。
さらには開始の瞬間から後ろのブーンが過剰に追突してきており、ぐわんぐわんと座席が揺れる。

(* ^ω^)「事故れお!事故れお!」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 19:00:07.30 ID:UWWOm0vg0
(  ∀ )「おぶぅ……うぅぇぇ……」

乗り物には弱くは無い彼だが、一般的な乗り物は内臓をシェイキングするほど揺れはしないのだ。

(* ^ω^)「フヒィwwwwwwww勝てるおwwwwwwwwwwwww」

(  ∀ )「…………き、めぇ……」

あと一発でもブーンが来てしまうと彼は密室で大変なことになってしまう。
急いで手探りでエチケット袋を探すモララー。しかしそんなものは付いていない。代わりに、かちり。

(;^ω^)「なっ!そいつを使うのかお!!」

必死に探す中モララーが座席の下の何かに触れると、突然ブーンは驚いた声をあげた。
思わずモニターを見上げる。
モニターの上半分、つまりゲーム内の上空には青い巨大な立方体が飛来していた。

( ・∀・)「これは……一体……」

(;^ω^)「くうぅぅ!今の内に逃げなければ!」

ブーンの小さな白い車型の機体が緑の炎を上げながらモララーを追い抜いてゆく。
頭上の立方体はかなり近くまで迫っていた。

(;・∀・)「うおぁ!!」

座っていたシートががくん、と動き、縦になる。
モララーはほとんど立った姿勢でシートに寄りかかることとなった。
そして手元にはスイッチのついた赤いレバーがそれぞれ手のもとにせり出し、画面がかなり高い視点に動いた。

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 19:01:11.45 ID:UWWOm0vg0
( ・∀・)「合体かよ!」

見下ろすような形になると、右下に当たる部分に大きな腕が見える。
これは巨大なロボットになったのだ、と彼は悟った。

(* ・∀・)「くくく、踏みつぶしてやるぜ!!」

ノリノリである。
思いもしない変形にありついた彼の眼は、まさしく少年のわくわく感を体現していた。

(;^ω^)「くっそお!!!くそぉぉぉ!!!!」

叫ぶブーンに巨人の足が飛びこむ。
しかしながら彼のドラテクはなかなかのもので、すれすれを逃げながらも踏みつけられることはない。
そこでモララーはレバーのスイッチをちらりと見た。

( ・∀・)「……こいつで…………っ!」グッ

気合とともに押し込む。
すると何か仰々しい、ががが、というような感じの駆動音とともに、ミサイルポッドを示す図がモニターの左上に表示された。
×12。どうやら装弾数は12発、ということらしい。

( ・∀・)「……!!来たぜぇ!!覚悟しなブーンッ!!」

(;^ω^)「くそぉっ!!もっと速く走れよポンコツゥッ!!」

ノリノリである。

(*・∀・)「喰らえっ!!モララァミサイルっ!!ボンバァーっ☆」バチバチバチバチバチバチ

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 19:02:16.70 ID:UWWOm0vg0
両手のスイッチを一心不乱に連打。指がダメになっても構わない。

ヤツを、ブーンを――討つ!!

こんな感じ。

( ゚ω゚)「うああああああああああああ!!!!!!!!もっと速くゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!」

圧倒的な速度でモニターの左右から飛び出した先端の尖った鉛色の兵器。
尻には鮮やかな暖色系の色が弾け、その速度をどんどん上げさせる。

(;^ω^)「ぐッ!装甲がッ!!」

それらはブーンに追尾し、背面12方向から次々と飛びこんでゆく。
目に見えて破片が飛び散り、白の機体は原形を失いながら速度を落としていった。

( @∀@)「とどめだっ!」

( ω°)「馬鹿なぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!」

モララーは巨人の左足を持ち上げ、炎上する鉄くずにスタンプをかました。

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 19:03:40.67 ID:UWWOm0vg0
( ^ω^)「いやー勝ったお!」

( ‐∀‐)「無いわ……」

丸い小部屋から出てきた二人。
今の今までメチャメチャにされていた彼は何故だか笑みを湛えている。

( ^ω^)「これレースゲームだお!相手を直接壊しちゃダメだお!」

ニヤニヤと軽い足取りの彼。
モララーは酔いを思い出してぐったりする一方だ。

( ・∀・)「なんつーゲームだよ……あれマジで気分いいっての……」

( ^ω^)「まあまあ!今度は四人で対戦ゲームやるお!今のよりすごい奴だお!」

浮かれるブーンに寮での返金分のスポーツドリンクを受け取ったモララー。
で、とりあえず移動することに。

('A`)「ん、おまえら何やってたんだ?」

格ゲーしながら話すドクオ。相手がいなくなったのかヒートと対戦していた。

( ^ω^)「モララーにカンダムで叩き潰されてたお!」

('A`*)「お!モララーもやったか!」

( ・∀・)「あれは普通ならやるわ!」

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 19:05:47.48 ID:UWWOm0vg0
( ^ω^)「だからみんなであれやろうと思うんだお!」

('A`)「そりゃいいな!――おいヒート!終わらせてやんよ!」

そして彼女が返事をする前に、ドクオはきっちり空中コンボを決め、勝負を終わらせる。

('A`)「――じゃあチーム分けは俺とブーン、ヒートとモララーな」

( ^ω^)「妥当だお」

( ・∀・)「なんで?」

ノパ听)「私はこのゲームかなり強いんだ!二人掛かりでも運次第で勝てる!」

('A`)「モララーは足引っ張るだけだしなぁ!ふははは!」

(# ・∀・)「くっそてめえらみてろよ!一回は落とすんだからな!」

なんやかんや説明を受けながら先程と似たような小部屋にそれぞれ入る四人。
中にはシートが置かれ、さっきよりも可動部が多く見える。

(;・∀・)「うわ、これまた酔いそうだな」

ノパ听)「歯を食いしばればなんとかなる!」

こちらは仲間と会話ができるようだ。

(;・∀・)「根性論かよ……」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 19:08:11.71 ID:UWWOm0vg0
モララーがシートに乗ると同時に、ゆっくり上に持ちあがった。

(;・∀・)「ひいい!」

ノパ听)「あははっ!怖いの?」

(;・∀・)「びびっただけです!」

こちらのモニターは足元にも設置してあるようで、見渡すとすべての壁が発光していた。
流れる音楽が物凄い音量で、耳が割と強いモララーも気分が悪くなりそうなほど。

ノパ听)「私はこいつを使う!」

( ・∀・)「画面ギラッギラしてんなぁ」

選択画面の下に写るのは赤く細い体のロボットで、長めの手にはその身長ほどの刀を一本持っている。
まるで彼女をイメージしたような機体だ。

ノハ*゚听)「テンションあがってきましたよぉぉぉぉぉ!!!!!」

彼女の声はものすごく反響した。

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 19:10:16.09 ID:UWWOm0vg0
( ・∀・)「俺はどうしようか?」

ノパ听)「スナイパーがいいぞ!私がいれば安全に戦えるはずだ!」

( ・∀・)「どれどれ?」

ノパ听)「黒いやつ!長い銃持ってるぞ!」

言われた通り黒いやつを選ぶ。

ノパ听)「よっし!はじまるぞー!」

( ^ω^)「ぶっ殺すお!」

('A`)「俺の双銃でぶち抜いてやるぜ!」

街を模したフィールドに、上から機体が三つ視界に入ってきた。
そして戦闘開始前のカウントダウン中に二人の声まで入ってくる。
戦闘に入ると全員の声が聞ける仕様だ。

( ・∀・)「勝てるかな?」

呟くモララー。
そしてカウントは0になった。

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 19:13:24.94 ID:UWWOm0vg0
( ^ω^)「うおお!」

開始と同時に飛び出したのは灰色の機体、かけ声的にブーンが操作しているものだろう。
そしてそれは彼自身のように突っ込んでくると、モララーへ向かって全身をきりもみ回転させながら飛びこんできた。

(;・∀・)「やべっ!!」

ノパ听)「させないよ!」

モララーの眼前が赤で埋まり、高い金属音が響く。
ヒートがブーンの突撃を防いだのだろう。
すかさず後ろへダッシュし距離を取った。シートは容赦なく揺れ、モララーは歯を食いしばる。

('A`)「馬鹿がッ!よくレーダーを見るんだなッ!」

その先には青いロボット。手には二挺拳銃を持ち、完全に黒いやつへ向けて銃を構えている。

(;・∀・)「くそっ!!」

('A`)「遅いぜッ!」

モララーの熱感知レーダーが警報音を鳴らす、その数瞬後。
途切れることなく乱射されたレーザーがモララーを突きぬけていった。

ノハ#゚听)「モララぁぁぁぁぁぁぁ!!このヤロぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

('A`*)「ふひひひひひひいぃ!!」

叫ぶヒートはブーンと小競り合いをしており、穴だらけにされるモララーはなすすべなく散っていった。

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 19:16:33.54 ID:UWWOm0vg0
( ;∀;)「うわぁぁぁぁんひでえよぉぉぉぉ!!」

ノパ听)「そうだそうだ!初心者だぞ!」

('A`)「悪い、浮かれた」

( ^ω^)「僕もはしゃぎ過ぎたお」

二回まで撃墜が許されるらしいのだが、モララーは復活した直後にバラバラにされた。
ヒートはモララーモララーずっと叫びながら戦っている方をバラバラにした。
結果的には勝ったが、そりゃあモララーは楽しめてはいないだろう。
半泣きになりながら彼はヒートに泣きつき、口から変な音を出している。

ノハ#゚听)o彡゜「うるせえ!いつまで泣いてんだ!!」ハンマバキッ

(  ∀ )「ぁあっ!!」

いい加減泣きやまないモララーにヒートの拳骨が落ちる。
そこで気絶したモララーを連れ、三人はゲーセンを出ることに。

('A`)「ふいぃぃぃ、帰るかな」

( ^ω^)「はやいお!でも僕も帰るお!」

ノパ听)「モララーどうする?」

( ^ω^)「放置で」

ノパ听)「だな!」

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 19:20:05.49 ID:UWWOm0vg0
常識的に考えて放置はありえないと考えるのが一般的であるのだが、彼らはVIP候補生なのだ。
普通の思考形態とは少し違う点もあるのだろう。
彼らは言葉通りモララーを放置し、寮への帰路を歩き出した。

( ・∀・)「……ん?」

彼が目を覚ましたのはその数時間後。
道端に放置された彼を誰も気に掛けなかった理由は知る由もない。
あたりは少々暗くなり始め、日中に比べ人通りも減っているようだ。

(( ・∀・))「寒いな……」

そろそろ夏といえど、この時間の気温はそれほど高いものではない。
半袖でやってきていた彼は露出されている腕を擦りつつ立ち上がる。

( ・∀・)「あいつら帰ったのかよ……どうするかな……」

歩き出しながら繁華街をきょろきょろと周りを見渡し、目ぼしいものがないか探す。
日も落ちかけており、人通りは減っている。最近善からぬことが多いためだろう。
そんな中目に飛び込んできたのは、明かりも店舗の規模も小さなビデオ店だった。

(* ・∀・)「おお!ピンクな匂いがぷんぷんするぜっ!」

彼は考える間もなく、駆け足で突入する。

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 19:23:43.27 ID:UWWOm0vg0
(;@∀@)「うおああああああああああ!!!!!ショボン!!!!!!!」

(´・ω・`)「やぁ」

ルンルン気分で突入したエロビデオ屋の入り口、同級生が居た。なんとも消化の悪い、奇妙な感覚。
オナニーを親に見つかるよりは幾分ましだが、モララーはこういう状況にあまり慣れていない。
しかしながら、ああ、こいつもだぜ、といった冷静な部分も彼自身に語りかけていた。

( ><)「だれなんですか?」

(´・ω・`)「僕の友達?だよ、多分」

( @∀@)「そちらは?」

( ><)「ビロードです!」

(´・ω・`)「僕のペットだよ」

モララーはとりあえず引いた。ショボンの隣のチビがパッと見男か女かわからなかったためだ。
もし男だった場合、彼、いや彼らは同性でありながら堂々と腕を組んで、エロビデオ屋で一緒に見るのであろう淫猥な何かを物色しているのだ。
そのケが微塵もないモララーはあまりの気持ちの悪さに立ちくらみを起こしそうになるが、さすがに失礼だろうと気合で足を踏ん張った。

(;・∀・)「ぅぇ…………あ、例の彼女かい?」

( ><)「そうなんです!」

喉から息を吐くように質問をぼろりとこぼしてしまうが、その返答は彼を安心させた。

( ・∀・)「そうか!仲良くな!」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 19:27:06.69 ID:UWWOm0vg0
そしてモララーは奥の方へするすると逃げていった。

(´・ω・`)「ビロード」

( ><)「はいなんです!」

(´・ω・`)「君は僕のペットだ」

( ><)「なんです!」

(´・ω・`)「彼女じゃないさ」

(*><)「ひぎぃ!!」

急に爪先立ちで歩きだした女と急に八分勃ちで歩き出した男は、エロビデオを一本も借りることなく店を後にした。

カランカランカラン

棚∀・)「ファンキーなカップルだな……」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 19:30:12.96 ID:UWWOm0vg0
思わず来てしまった先は熟女モノの棚だった。臭そうである。
この時間は、というかこの店はもともとそれほど客は多くないのだろう、閑散とした空気を容易に感じ取れた。
そこで彼は、どこかで見たような後ろ姿を発見する。

( ФωФ)「…………む……ないのである」

生活指導の彼だった。

( ・∀・)「なっ……」

固まる。

( ФωФ)「……ん?」

振り向く。

(;・∀・)「はっ!」

目が合う。

( ФωФ)「お前は確か…………」

生徒がエロビデオ店で物色していることがばれたら土下座か、とモララーは思った。
同時に、潔く容疑――いや現行犯だが――を認めれば土下座の時間は軽くなるのでは、とも考えた。

(;・∀・)「はい、三年の留学生モララーです!!」

( ФωФ)「ああそうだそうだ。お前も何か探しているのであるか?」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 19:33:28.22 ID:UWWOm0vg0
( ・∀・)「え?」

普通に返されてしまう。
あまりにも自然で、あっけに取られたモララー。

( ФωФ)「吾輩は女教師モノを探しているのである」

聞いてねえよ、と口が動きそうになるのを何とかこらえた。

( ・∀・)「そうな、ん、ですか」

( ФωФ)「なかなかいいのが無いのである。先程ショボンにも探してもらったのだが……」

( ・∀・)「あの、生徒がこういうところに来るのはマズくないんですか?」

( ФωФ)「吾輩が教師として動くのは勤務時間だけである」

納得。一人の教育者としては少々いい加減な気もするが。

( ・∀・)「そうですか……」

( ФωФ)「時にモララーよ、暇なら吾輩の眼鏡にかなうビデオを探してはみないか?」

( ・∀・)「はぁ」

( ФωФ)「自分に合ったものもついでに見つかるかも知れまい」

( ・∀・)「あー、そうですね」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 19:37:12.55 ID:UWWOm0vg0
( ФωФ)「では頼むのである。そちらの棚は任せたぞ」

と言いながら彼は女教師モノの棚に喰らいつく。
教師がそんなもの観てどうする、とモララーは横目で見ながら思った。

( ・∀・)「こんなのどうです?」

( ФωФ)「ぬ?」

で、適当にモララーが引っ張った一本。

『白濁の放課後〜鳴りやまぬ彼女のチャイム〜』。
裏を見返すとどうやら乱交モノのようだ。
それを受け取るロマネスクの表情は真剣で、小動物なら見ただけで四方に飛び散りそうほど。
修羅場を何度もくぐってきただけのことはある。

(*ФωФ)「おおっ!これはなかなか美人である……。それにペ二サス先生に似ているのである。これにしよう」

妙な発言が飛び出した気がするのだがモララーは聞かなかったことにした。
今はプライベートな時間で、口を出す権利は無い。というか、出せないし出したくないものである。

( ФωФ)「よく見つけてくれた。それでは吾輩は帰るのである」

( ・∀・)「あ、はい。それでは」

彼が小脇に抱える小さなかごには、数本の肌色なパッケージのビデオが積んであった。

(;・∀・)「はぁ……俺も帰るか……」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 19:41:04.36 ID:UWWOm0vg0
緊張やらなんやらで萎えたモララー。
ロマネスクが出ていったのを確認し、もう会いたくないので十分ほど店内をうろつく。

そして頃合いを見て猫背になりながら店を転がり出た。

セ*゚ー゚)リ「あ、モララー!」≡ミ ヒューン

ブシュッ ≡ミ ・∀・)「うぁ……」

すると間も無く、元気な声がエロビデオ屋を出て来たモララーを突き刺した。
彼は突き刺さった言葉を抜きつつ、逃げられないこの状況に全身を強張らせた。

川 ゚ -゚)「ん?何の店から出て来たんだ?」

( ・∀・)「…………」

ξ* )ξ「……わ、わ、わ、わ、クー!!やややや!!」

モララーの後ろでこそこそ店内を覗いていたツンが顔を真っ赤にしてクーの腕に飛び付く。
初々しい反応でモララーはちょっと和むが、状況は悪くなる一方だ。

川 ゚ -゚)「どうした?」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 19:45:08.21 ID:UWWOm0vg0
ξ;゚听)ξ「や、あの……かえろ?」

ツンに掴まれたままクーも店を覗く。

川 ゚ -゚)「……ああ、そうだな……帰るか」

ミ⊂セ*゚ー゚)リ「え?なんで?」

ミセリまで続く。

カランカランカラン

と、

ミセ*゚ー゚)リ「……帰ろっか!」

三人はそれ以降モララーに何も言わず、目も合わせず、真ん中のふわふわガールの両サイドを固定しながらすたすたと行ってしまう。
残されたモララーはもう暗い空の下、エロビデオ店前の夜風に吹かれ立ちつくしていた。

(;・∀・)「おい!!なんか言えよ!!ミセリ!!……くそぉ…………」

悲しそうな顔をするモララーも彼女達と目的地はほぼ同じで、もう見えない背をとぼとぼ追いかけていく。

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 19:50:08.83 ID:UWWOm0vg0
( ・∀・)「誰もいない………」

寮の玄関をくぐるが、あまりの静けさに世間から見放されてしまったような感覚に陥るモララー。
そのまま臓器の一部を持ってかれた借金地獄の人間の顔でソファに座りこんだ。

( ・∀・)「はぁ……」


すると階段の方から足音がする。

しかし落ち込みきったモララーの耳にはその音は入ってこない。

ノハ*゚听)「あ!もるるるるるぁらー!」

( ・∀・)「おおぅ、ヒートか……巻き舌すんな」

ノパ听)「どうしたんだ?なんかひったくりに遭ったような顔だな!」

( ・∀・)「確かに心をひったくられた……」

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 19:54:44.73 ID:UWWOm0vg0
ノパ听)「そっか!モララーは大変だな!」

彼の肩をぱんぱん叩き、するすると軽い足取りで歩いていくヒート。

( ・∀・)「ああ……って帰っちゃうの!?」

ノパ听)「へ?帰るけどなんで?」

( ・∀・)「慰めの一発!!」

腹からの声。

ノパ听)「おお?任せろ!!」

対するは全身からの声。
 
トコトコ

ノハ#゚听)「行くぞ!!!!」

(# ・∀・)「っしゃこい!!」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/16(金) 19:57:38.96 ID:UWWOm0vg0
ノハ#゚听)「うおおおおおおおおおおおっ!!!」

( ・∀・)「くくく、あはははははっ!!!」

助走をロビーで取れる最大距離までとり、全力で床を踏みしめるヒート。
対するモララーは大笑いで仁王立ち。
彼は今日、少し頭の調子が悪い。

ノパ听)「しゃっ!!」

飛びあがり両足を前に投げだす。
彼女の体は槍のような鋭さを持って笑い顔の奴の顔面に突き刺さった。

( 足∀足)「すがっ!!!」

ノパ听)「っし!完っ!璧っ!」

頭からぶっ転がされる変なのを尻目に、リズムよく地を踏みしめながら帰っていくヒート。
残された彼は床に寝転がり、今朝のように天井を見上げていた。

( メ∀メ)「……俺は一体どうしたいんだ」

―――頭は全然働いてくれない。

第十三話「空振りする声」・終わり


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