スクォーク77

611 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 13:54:09 ID:aw/8QAas0















【1869年 アメリカ テキサス州南部 ウェイバーヒル レッドホース・キル】















.

612 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 13:55:44 ID:aw/8QAas0
【9月4日 レッドホース・キルに白人の旅人が辿り着く】

(‘_L’) ヨロヨロ

(‘_L’)「ふぅ……。ようやく人里に辿り着いたか……」

(‘_L’)「まさか途中で馬を奪われるとは、な……」

(‘_L’)

(‘_L’)「……ん?」

( ё)ヨタヨタ

(‘_L’)(……奴隷か?)

(‘_L’)(確かに辺鄙な場所だ。……奴隷解放を無視しているのも、間々ある事だ)

(‘_L’)(しかし、南北戦争は終わった。未だに奴隷を使っているのは道理に反する)

(‘_L’)「もし、アナタ」

( ё)

( ё)「ん?」

613 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 13:57:12 ID:aw/8QAas0
(‘_L’)「失礼な事をお聞きするが、宜しいかな?」

( ё)「あ、ああ」

(‘_L’)「アナタは……、奴隷で?」

( ё)「そうだが……」

(‘_L’)「ふむ、やはりか」

( ё)「……そんな事聞いて、どうするんだ?」

(‘_L’)「……アナタ、奴隷は解放されたのは、知っているかな?」

( ё)「ああ、エイブラハム・リンカーン大先生の宣言だ。知ってるぜ」

(‘_L’)「では、どうして……」

( ё)「OK,OK,なんて二つ返事で聞く馬鹿が居るか?」

(‘_L’)「しかし、此処はテキサス。戦争に負けておいて我々は奴隷州だ、というジョークでは無いのだろう?」

( ё)「おいおい、俺は奴隷だぞ。俺に言われても困る」

(‘_L’)「……ふむ、確かにそれもそうだ」

614 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 13:59:29 ID:aw/8QAas0
<おい……

(‘_L’)「……ん?」

( 目д目)「俺の奴隷に何か用かい?」

(‘_L’)「アナタか。彼の主人は」

( 目д目)「おう、だから何だ? まさか、奴隷は禁止されているとでも?」

(‘_L’)「ああ。そうだ。北部連盟がガルベストンに到着したのは記憶に新しいのでは?」

( 目д目)「はっ、下らないね」

(‘_L’)「何?」

( 目д目)「此処じゃあ、奴らの目も光らねぇ。そんな場所で大人しく従う方が馬鹿ってんだ」

( 目д目)「そうは思わないか? 頭の硬い兄ちゃんよぉ」

(‘_L’)

|`-∪-´| ザッザッ

|`-∪-´|「それに、米国議会はまだテキサスを承認していない」

(‘_L’)「……ふむ」

615 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:00:26 ID:aw/8QAas0
|`-∪-´|「君は……、旅人かな?」

(‘_L’)「ああ。そうだ」

|`-∪-´|「宜しければ、名前を伺っても?」

(‘_L’)「構わないよ。私の名前はフィレンクト・サザーランド。ポルトガル人だ」


【(‘_L’)】

Name:フィレンクト・サザーランド【Filemcut Sutherland】

Age:28

Occupation:旅人


|`-∪-´|「サザーランド……。お聞きするが、父親はスコットランド人で?」

(‘_L’)「ああ。ハイランドの出身だと聞いている」

616 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:01:52 ID:aw/8QAas0
|`-∪-´|「ふむ。……そうか。私の名前はフィッテル・ギンドレストン。この村で牧場をやっている」


【|`-∪-´|】

Name:フィッテル・ギンドレストン【Fittell Gindresston】

Age:46

Occupation:牧童主


( 目д目)「フィッテルさんもコイツに言ってやってくださいよ……」

|`-∪-´|「いや、世間的には奴隷制に縛られている我々が悪い」

( 目д目)「えっ……」

|`-∪-´|「確かに米国議会はテキサスを承認していないが、それも苦しい言い訳だ」

|`-∪-´|「だが、奴隷を解放する気にはなれんな」

(‘_L’)

|`-∪-´|「旅の人。悪いのは分かっているのだが、我々の生活は我々で決める」

(‘_L’)「……確かに、余所者である私が口を挟む物では無いな。すまなかった」

|`-∪-´|「ご理解、かたじけない」

617 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:03:33 ID:aw/8QAas0
<ちょっと、アンタ!!

(;目д目)「やべっ! ミセリさんだ!」

ミセ*゚ -゚)リ「まーた旅の人にちょっかい出して! 何度言ったら分かるの!」

(;目д目)「ちげーよ! 今回はコイツから吹っかけて来たんだ!」

ミセ*゚ -゚)リ「アンタの言い訳が一番信用ならないよ、パイク!」

(;目д目)「そいつぁ、ひでぇな!」


【(;目д目)】

Name:パイク・ジェイムズ【Pike James】

Age:21

Occupation:カウボーイ


ミセ*゚ -゚)リ「ひでぇも糞も無いよ! ったく……」

(;‘_L’)(……随分と強い女性だな)アゼン…

618 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:04:47 ID:aw/8QAas0
ミセ*゚ー゚)リ「ゴメンなさいね、旅の人」

(;‘_L’)「あ、いや。私が悪いんだ。彼らの生活に口を出したから……」

ミセ*゚ー゚)リ「あら、そうなの? フィッテルさん」

|`-∪-´|「何、ただ我々について理解をしてもらっただけだ。何の事は無い」

ミセ*゚ー゚)リ「あっそう、じゃあ早とちりしちゃったのね」

(;目д目)「早とちりで怒られるのは勘弁だぜ……」

ミセ*゚ー゚)リ「で、旅の人。……今日はこの村で宿を?」

(;‘_L’)「ん、ああ。出来ればそうさせて頂きたいのだが……」

ミセ*゚ー゚)リ「だったら私の家に来なさいな」

(;‘_L’)「アナタの家に?」

ミセ*゚ー゚)リ「私の家は宿屋なのよー。最近めっきり人が来ないもんだから、寂れちゃってるけどね」

ミセ*゚ー゚)リ「それでも、そこそこの宿を提供出来るはずよ。どう? 泊まらない?」

619 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:06:43 ID:aw/8QAas0
(;‘_L’)「ふむ……、ではお言葉に甘えて宜しいかな?」

ミセ*^ー^)リ「ええ! そりゃあもう、大歓迎よ!」

( 目д目)「へっ。旅人と分かればニコニコ尻振りやがって……」

ミセ*^ー^)リ「だってお客様ですもの」

(;目д目)「ちぇっ、冷めちまったぜ。じゃあな……」ザッザッ

(;‘_L’)「……行ってしまったが、宜しかったのかな?」

ミセ*゚ー゚)リ「良いのよ。拗ねただけさ」

(;‘_L’)「ふむ。なら良いのだが……」

|`-∪-´|「さて、私もそろそろ仕事に戻る。まだ牛を戻してないのでね」

ミセ*゚ー゚)リ「そう。暇になったらいつでも私の宿屋に泊まって下さいね」

|`-∪-´|「暇になったら泊まる、と言うのは理解出来んがな。それに我が家もある。たまに顔を出すようにはするよ」

ミセ*^ー^)リ「あら、嬉しいわ〜」

|`-∪-´|「旅の人も先ほどはすまなかったな。理解して頂けて助かった。では、また」ザッザッ

(‘_L’)「ああ、また……」

620 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:07:47 ID:aw/8QAas0
ミセ*゚ー゚)リ「さ、行きましょうか……、あっ!」

(‘_L’)「ん?」

ミセ;゚ー゚)リ「やだ、私ったら。まだ自分の名前も言ってなかったじゃない。それなのにこんな馴れ馴れしく……」

(‘_L’)「特に気にしては無いよ。大丈夫だ」

ミセ;゚ー゚)リ「そう? なら良いんだけど……」

(‘_L’)「それで、アナタの名前は?」

ミセ*゚ー゚)リ「私の名前はミセリ・アーガソン。このレッドホース・キルで宿屋をやってるわ」

ミセ*゚ー゚)リ「気軽にミセリって呼んで。よろしく」


【ミセ*゚ー゚)リ】

Name:ミセリ・アーガソン【Miseri Agason】

Age:26

Occupation:宿屋経営

621 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:08:29 ID:aw/8QAas0
(‘_L’)「ミセリ、か。可愛らしい名前だ」

ミセ*^ー^)リ「あら、口がお上手なのね」

(‘_L’)「そうかな? あまり意識をした事は無いのだが」

ミセ*^ー^)リ「それで、アナタのお名前を聞いて良いかしら?」

(‘_L’)「ああ、すまない。私の名前はフィレンクト・サザーランドだ」

ミセ*゚ー゚)リ「へぇ、珍しい名前なのね」

(‘_L’)「私はポルトガル人で、父はハイランドの人間だからだろうか……」

ミセ*゚ー゚)リ「混血なのね? じゃあ、差別に苦しんできたのかしら?」

(‘_L’)、「まあ、な。君の言う通り、良い思い出ばかりではない。特に幼少期はな」

ミセ*゚ー゚)リ「大丈夫よ。私は気にしないから」

(‘_L’)「助かる」

ミセ*゚ー゚)リ「さ、行きましょう? 案内するわ」

(‘_L’)「ああ。お願いするよ」

622 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:09:31 ID:aw/8QAas0
【村の宿屋 フィレンクトはミセリの料理を前に、頬を緩ませる】

ミセ*゚ー゚)リ「さあ、召し上がれ! 言っちゃ何だけど、腕には自信があるのよ」

(*‘_L’)「おお、確かにこれは美味そうだ」

ミセ*゚ー゚)リ「遠慮せずに、どんどん召し上がれ」

(*‘_L’)「では、お言葉に甘えて頂こう」

(*‘_L’) モグモグモグモグ

(*‘_L’)「ふむ、美味いな。これはこの地方の郷土料理か?」

ミセ*゚ー゚)リ「そうね。タコスって言うのよ」

(*‘_L’)「ほう。テキサスの町は色々回ってきたが、この料理が出されたのは初めてだ。美味しい」

ミセ*^ー^)リ「本当はメキシコの方の料理らしいんだけどさ……」

(*‘_L’)「此処はテキサスでも南の方だからな。彼らの食文化が浸透していても可笑しくは無い」

(*‘_L’)「いや、それにしても本当に美味しい」モグモグ

ミセ*^ー^)リ「そこまで喜んでくれると作った甲斐があったってものね」

623 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:10:37 ID:aw/8QAas0
(*‘_L’) モグモグモグモグ

ミセ*゚ー゚)リ「で、さ……」

(*‘_L’)「ん?」モグモグモグモグ

ミセ*゚ー゚)リ「なんでアナタは旅をしてる訳? 何か理由があるんでしょう?」

(‘_L’)「理由か……」

(‘_L’)「それが、大した理由では無いんだ」

ミセ*^ー^)リ「大した物か大した事無い物かは私が決める。だから、教えなさいよ」

(‘_L’)「……エルドラドを探しているんだ」

ミセ*゚ー゚)リ「エルドラド……。何かしらそれは。宝物か何か?」

(‘_L’)「宝物……、とは少し違うかも知れない」

ミセ*゚ー゚)リ「あら、でも近い感じ?」

(‘_L’)「そうだな。限りなく正解に近いよ」

624 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:11:29 ID:aw/8QAas0
ミセ*゚ー゚)リ「じゃあ……、何かしら……」

(‘_L’)「都市だよ」

ミセ*゚ー゚)リ「都市? 街なの、エルドラドって」

(‘_L’)「人が住んでるかどうかは分からないがね」

ミセ;゚ー゚)リ、「やぁねぇ……、私って馬鹿だから話が見えてこないわ」

(‘_L’)「……エルドラドと言うのは黄金郷なんだ」

ミセ*゚ー゚)リ「黄金郷?」

(‘_L’)「ああ。黄金郷。全てが黄金で出来ている都市、それがエルドラドだ」

ミセ*゚ー゚)リ「はぁ〜……、凄いわねぇ……。でも、そんな街、存在するの?」

(‘_L’)「さあな。それを確かめる為に、私は旅を続けている」

ミセ*゚ー゚)リ「へぇ……。男のロマンってやつかしら?」

(‘_L’)、「ま、そうだな。笑いたければ笑えばいい」

ミセ*^ー^)リ「誰が笑うものですか。素敵な目的じゃない」

(‘_L’)「そう言って頂けると、自身が持てるよ」

625 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:12:53 ID:aw/8QAas0
ミセ*゚ー゚)リ「そのエルドラドって言うの、早く見つかると良いわね」

(‘_L’)「どうだろうか。噂では南に存在する、と聞くのだが……」

ミセ*゚ー゚)リ「南ねぇ……。ここから南って言うと……」

(‘_L’)「メキシコ、だな」

ミセ*゚ー゚)リ「そこにも無いとすると?」

(‘_L’)「どうだろう。メキシコに無かったら、アンデスの方だろうか……」

ミセ*゚ー゚)リ「アンデス……。遠いわね……。そこまで旅をお続けに?」

(‘_L’)「ああ。エルドラドを見つけるまでは死ねないのでね」

ミセ*^ー^)リ「あら、随分エルドラドにお熱なのね」

(‘_L’)「……エルドラドは死んだ友人の夢なんだ」

ミセ*゚ー゚)リ

ミセ*゚ー゚)リ、「そう、なの」

(‘_L’)「ああ。その友人は所謂伝説を追いかけるのが好きでね……」

(‘_L’)「いつも戯言の様にエルドラドの話をしていたよ」

626 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:14:28 ID:aw/8QAas0
(‘_L’)「そんな彼が二年前に殺された。相手はポルトガルの軍人だ」

ミセ*゚ー゚)リ「……どうして殺されてしまったのかを、聞いても?」

(‘_L’)「戯言が過ぎたんだ。口を開けば夢の話をする」

(‘_L’)「酒場で彼の話を聞いていた軍人が怒ってしまってね。彼をその場で撃ち殺した」

(‘_L’)「それも私の目の前でだ。しかし、その光景を目の当たりにしても私にはどうする事も出来ない」

(‘_L’)「何か一つでも抗議すれば、私の頭も爆ぜるだけさ」

ミセ*゚ー゚)リ「そう……、それでアナタは旅を……」

(‘_L’)「その軍人に対して何の声も浴びせる事が出来なかった償いだ」

(‘_L’)「それで彼が喜ぶとは思わないが、な」

ミセ*゚ー゚)リ

(‘_L’)、「話しすぎたかな? 忘れて貰っても構わないよ」

ミセ*゚ー゚)リ「……いいえ、何て声を掛ければ良いのか分からなくて。ごめんなさいね」

(‘_L’)「いやいや。黙って聞いてくれただけでも満足だ」

627 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:15:33 ID:aw/8QAas0
(‘_L’) モグモグモグモグ

(‘_L’)「えーっと、ミセリさん」

ミセ*゚ー゚)リ「ミセリで良いわよ。何か追加のご注文?」

(‘_L’)「いやいや。このタコスで満足だよ」

ミセ*゚ー゚)リ「じゃあ飲み物かしら?」

(‘_L’)「違う違う。この村の名前を聞いておこうと思ってね」

ミセ*゚ー゚)リ「ああ、この村に看板なんて無いから分からないわよね」

ミセ*゚ー゚)リ「この村の名前はレッドホース・キル。物騒な名前でしょう?」

(‘_L’)「ふむ……。レッドホース・キル、か。その由来は?」

ミセ*゚ー゚)リ「たしか……、この周辺を開拓してる時よ。今から10年くらい前かしら」

ミセ*゚ー゚)リ「丁度、今ある場所にインディアンが住み着いててね。その酋長の愛馬が真赤だったのね」

ミセ*゚ー゚)リ「その美しい程赤い馬をインディアンへの見せしめとして殺したのよ」

ミセ*゚ー゚)リ「それがレッドホース・キルの由来ね」

628 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:16:33 ID:aw/8QAas0
(‘_L’)「なるほど。穏やかな話では無い様だな」

ミセ*゚ー゚)リ「でね、その時……。見たのよ」

(‘_L’)「見た?」

ミセ*゚ー゚)リ「消えたのよ。殺した馬が」

(‘_L’)「消えた……」

ミセ*゚ー゚)リ「そうよ。こう、光りながら……、ぱっ! って」

(‘_L’)「……本当か?」

ミセ*゚ー゚)リ「本当よ! 誰も信じちゃくれないのさ。でも私は見たんだよ」

(‘_L’)「光りながら消える……か」

ミセ*゚ー゚)リ「あとね、馬が光る寸前にね、酋長がブツブツブツブツ何か言ってたのよ」

ミセ*゚ー゚)リ「だから……、まじないだったんじゃないかって」

(‘_L’)「まじない……? とても信じられない」

ミセ*゚ -゚)リ「やーっぱり、アナタも信じないのね」

629 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:17:23 ID:aw/8QAas0
(‘_L’)「今まで旅を続けてきて、あらゆるまじないの類を見てきたがどれも何かしらのトリックがあった」

(‘_L’)「これも何かしらのトリックがあるんじゃないのか?」

ミセ*゚ -゚)リ「どんなトリックなのさ。光りながら消えるんだよ。まじない以外ありえないわ」

(‘_L’)「常人には見抜けないからまじないと言うんだ。私の様な凡人には分からないな」

ミセ*゚ -゚)リ「もう……」

(‘_L’)「……さて。もう外は真っ暗だ。飯も食べたし、湯浴みでもしようか」

ミセ*゚ー゚)リ「ああ、湯浴みは外の樽を使ってね」

(‘_L’)「分かった。布切れは持参しているから、この宿のは使わないよ」

ミセ*゚ー゚)リ「あら、助かるわ」

(‘_L’)「では、行って来るよ」

ミセ*゚ー゚)リ「はい、行ってらっしゃい」



……

630 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:18:05 ID:aw/8QAas0
【数十分後 湯浴みを終えてフィレンクトが戻ってくる】

(‘_L’)「ふぅ……」

ミセ*゚ー゚)リ「小さめの樽でごめんなさいね」

(‘_L’)「ん? ああ、別に気にならなかったよ」

(‘_L’)「……で、その手に持ってるものは?」

ミセ*゚ー゚)リ「あ、これ? アナタにと思って」

ミセ*゚ー゚)リつ□「はい」スッ

(‘_L’)つ□「あ、ああ」

(‘_L’) パラパラパラパラ

(‘_L’)「何だ、何も書いてない本じゃないか。これは?」

ミセ*゚ー゚)リ「これに日記を書くのよ」

(‘_L’)「日記?」

631 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:19:03 ID:aw/8QAas0
ミセ*゚ー゚)リ「そう、日記」

(‘_L’)「なんでまた……」

ミセ*゚ー゚)リ「どうせ、しばらく此処に滞在するんでしょ?」

(‘_L’)「あ、ああ。確かにそのつもりだが……」

ミセ*゚ー゚)リ「だったら此処に居る内だけで良いわ。毎日日記をつけてちょうだいな」

(;‘_L’)「な、何故。……少々面倒だぞ」

ミセ*゚ー゚)リ「良いじゃない別に。私、見てみたいのよ。旅人の日記って言うの」

(;‘_L’)「た、旅人の日記?」

ミセ*^ー^)リ「だって色々な所を旅して来たんでしょ? そういう人が書く自伝なんて憧れるじゃない」

(;‘_L’)「日記と自伝は少し違うと思うのだが……」

ミセ*^ー^)リ「細かい事は気にしないで」

(;‘_L’)「細かいか?」

632 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:20:13 ID:aw/8QAas0
ミセ*^ー^)リ「じゃ、今日からよろしく頼むわね。日記は棚に置いてくれれば勝手に見るから」

(;‘_L’)「……日記は人に見せるものでは無いとは思わないのか?」

ミセ*゚ー゚)リ「そうねぇ……。じゃあ……、私の為に書くって言うのは?」

(;‘_L’)

(;‘_L’)「そこまでして見たいのか? 日記」

ミセ*゚ー゚)リ「ええ。ロマン溢れるじゃない、旅人の日記って」

(;‐_L‐)「……しょうがない」

ミセ*^ー^)リ「ヨッシャ!」

(;‐_L‐)「では、今日から書き始め……」

ミセ*゚ー゚)リつ□「はい、これも」スッ

(;‘_L’)

(;‘_L’)「まだ、何かあるのかな?」

633 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:21:18 ID:aw/8QAas0
ミセ*゚ー゚)リつ□「辞書よ。これが無いとラテン語書けないでしょ?」

(;‘_L’)そ「ラテン語?!」ドドーン!!

(;‘_L’)「な、何故ラテン語……? ポルトガル語や英語じゃいけないのか?」

(;‘_L’)「……ポルトガル語はまだしも、英語は君達の言葉じゃないか。英語で良いだろう」

ミセ*゚ー゚)リつ□「日記はラテン語って相場が決まってるのよ」

(;‘_L’)「……いや、決まってないと思うが」

ミセ*゚ー゚)リつ□「良いから。ほら」

(;‘_L’)つ□ スッ

ミセ*゚ー゚)リ「じゃ、ラテン語でよろしくね」

(;‘_L’)「ふむ……。しかし、ミセリ。君はラテン語が出来るのかな?」

ミセ*゚ー゚)リ「出来る訳ないじゃない。読めやしないさ」

(;‘_L’)「……君が読めなきゃ意味が無いじゃないか」

ミセ*゚ー゚)リ「あら、しっかり辞書引きながら読むから大丈夫よ」

(;‐_L‐)「二度手間だ」

634 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:22:29 ID:aw/8QAas0
ミセ*゚ー゚)リ「その二度手間っぽさが良いのさ」

(;‐_L‐)「……どうもその感覚は私の理解を超えているよ」

ミセ*゚ー゚)リ「読めない文字を読めるようにする。その浮かび上がる文字が一人の男の旅の記憶」

ミセ*^ー^)リ「素敵だと思わない?」

(;‐_L‐)「いや、別に」

ミセ*゚ー゚)リ「旅人さんには分からないわよ」

(;‐_L‐)「……とにかく。日記を書けば良いんだね?」

ミセ*^ー^)リ「ええ。よろしく」

(;‐_L‐)「承知した。……では、今日はもう休ませて貰うよ。長旅で疲れたからね」

ミセ*^ー^)リ「そう? おやすみなさい。良い夢を」

(;‐_L‐)「良い夢を」

635 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:23:30 ID:aw/8QAas0
【宿屋 一室にて フィレンクトは辞書を片手に日記を綴り始める】

(‘_L’)φ 

(‘_L’)φ「……ふむ。中々面倒な作業だな、これは」

(‘_L’)φ「そもそも、日記なんて始めてで何を書けば良いのか……」

(‘_L’)φ カキカキ

(‘_L’)φ カキカキ

(‘_L’)φ「……あっ、ミセリが見るんだった。こんな書き方をしては失礼だな」

(‘_L’)φ カキカキ

(;‘_L’)φ「なんで日記なのに人の目を気にしなくてはいけないんだ……」

(;‘_L’)φ カキカキ

(;‘_L’)φ「これから毎日書き続けなくてはならないとは……」

(;‐_L‐)φ「早めにこの村を出る事も視野だな」トホホ…

636 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:24:40 ID:aw/8QAas0
【9月5日 宿屋にて フィレンクトとミセリの会話】

(‘_L’) ガチャ

ミセ*゚ー゚)リ「あら。お早いのね」

(‘_L’)「そうか? あっ、昨日聞くのを忘れていたんだが……」

ミセ*゚ー゚)リ「何かしら?」

(‘_L’)「コヨーテの皮などを換金したいのだが……、被服屋などはあるかな?」

ミセ*゚ー゚)リ「ええ。出た所の牧場に沿って歩けばあるわよ」

(‘_L’)「なるほど、助かる。ありがとう」

ミセ*^ー^)リ「いいのよ。旅の途中でコヨーテを狩ってらして?」

(‘_L’)「ああ。流石に金が無くては旅も続けられないからね」

(‘_L’)「しかし、この辺はコヨーテが多かったからな……。満足な値段にならないかも知れない」

637 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:25:49 ID:aw/8QAas0
ミセ*゚ー゚)リ「大丈夫よ。きっと高く売れるさ」

(‘_L’)「うん?」

ミセ*゚ー゚)リ「この辺じゃ皮なんて取ってくる人間、居ないからね」

(‘_L’)「そうなのか?」

ミセ*゚ー゚)リ「そうよ。たまに皮を売ってくれる商人がやってくるのさ」

ミセ*゚ー゚)リ「そこから欲しい人達だけが買っていく。皆が皆必要では無いからね」

(‘_L’)「ふむ……。確かに大きな牧場がある位だ。必要と在れば牛のを使うだろうしな……」

ミセ*゚ー゚)リ「だからきっと高く売れるわ」

(‘_L’)「期待しておくよ。……しかし、此処じゃ被服屋も商売にならないだろうな」

ミセ*゚ー゚)リ「被服屋に限らず、大体の人間は副業で牛飼いをしてるわ。だから何も困らないのよ」

(‘_L’)「そうか。うまく出来てるみたいだな」

ミセ*^ー^)リ「感心した?」

(‘_L’)「感心、か……。何処の人里でもその土地に適した工夫があるからな……」

ミセ*゚ -゚)リ「ちぇっ」

638 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:26:39 ID:aw/8QAas0
【レッドホース・キル フィレンクトはコヨーテの皮を売り終える】

(‘_L’) ザッザッ

(‘_L’)「言う程高くは売れなかったな……」

(‘_L’) ザッザッ

(‘_L’)「……ん?」

( 目д目)

(ζ`∪´)

( ゚Å゚)

(‘_L’)(昨日の彼と……、知人だろうか……)

(‘_L’)(あんな所で何を……)

川ο; -;リ

(‘_L’)

(‘_L’)(……リンチか。それもまだ少女じゃないか)

639 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:27:38 ID:aw/8QAas0
(ζ`∪´)「へっ……、この……」

川ο; -;リ「ひっ!」

(‘_L’) ザッザッ

(‘_L’)「やめたまえ。リンチは重罪だぞ」

(ζ`∪´)「……あ? 誰だお前は」

( 目д目)「知らねえのか、フォルト」

(ζ`∪´)「知るかよ、こんな舐めた顔したヤツ」

( 目д目)「こいつぁな、昨日此処に辿り着いた旅人さんだ。丁寧に挨拶しな」

(ζ`∪´)「……っぷ! 今時、旅人かあ!」

( ゚Å゚)「へへ……。旅人だってよお……」

(ζ`∪´)「ガハハハハハハハハ!! ハーハハハハ!!」

(*゚Å゚)「ッヒーヒ! ハッハ!!」

(‘_L’)

640 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:28:21 ID:aw/8QAas0
(ζ`∪´)「ハハハ……、それはそれは失礼いたしました、旅人様」

(ζ`∪´)「旅人と言いますと、糞に塗れたロマンを追い求めてらっしゃるの?」


【(ζ`∪´)】

Name:フォルト・アダムス【Folt Adams】

Age:23

Occupation:カウボーイ


(ζ`∪´)「どうなんです? 旅人さん?」

(‘_L’)

(*゚Å゚)「へっ、何とか言えよ」


【(*゚Å゚)】

Name:マフィクス・オルリッチ【Mafix Alrich】

Age:21

Occupation:カウボーイ

641 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:30:21 ID:aw/8QAas0
(‘_L’)

( 目д目)「ハハッ……。おい、あんまり馬鹿にすんなよ」

( 目д目)「こいつ、昨日俺に向かって何したと思う?」

( 目д目)「奴隷はすでに解放されてる、ってお説教よ! 傑作だろ?」

(ζ`∪´)「ハッハハハハハ……! なんだいそりゃあ!」

(*゚Å゚)「ヘヘへ……。下らねぇ。下らねぇよ……!」

(*゚Å゚)「正義の使者気取りなのさ! ロマンにすがる男ってぇのは、ダセェなあ!」

(ζ`∪´)「おい、あんまり言うなよ。正義の使者にお仕置きされちまうぜ?」

(*゚Å゚)「ヒェーヘヘヘッ! そいつぁ楽しみだな!」

(ζ`∪´)「かっこいいぜ、旅人さんよお! 俺ぁ気に入ったぜ?」

(‘_L’)

(‘_L’)「私は君達にリンチについて話しているのだ」

(‘_L’)「私の話など、どうだって良いだろう」

642 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:31:38 ID:aw/8QAas0
(ζ`∪´)「……ヘッ! まだ正義面晒すたぁ、ビッグだぜ。アンタ」

(*゚Å゚)「レッドホース・キルにもビッグヒーローの誕生だ!」

(*゚Å゚)「ヘイ、ミスター。ビッグヒーローになった感想は?」

(‘_L’)

(‘_L’)「話を逸らしているつもりか?」

(‘_L’)「それとも、私の事が気になって気になってしょうがない、と?」

(ζ`∪´)

(ζ`∪´)「ケッ……。てめぇ、節穴か?」

(‘_L’)「何?」

(ζ`∪´)「コイツの顔を良く見ろ!」

川ο; -;リ

(ζ`∪´)「汚ねぇ褐色の肌、糞みてぇに平らな顔。インディアンだよインディアン。パルルカ族さ」

(ζ`∪´)「それを分かって言ってるのかい? ヒーロー気取りさんよ?」

643 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:32:28 ID:aw/8QAas0
(‘_L’)「……異民族である事は確かだ。しかし、この子はまだ幼い」

(‘_L’)「幼い子にこの様な仕打ち、人道に反するとは思わないか?」

(‘_L’)「……それとも、この子は君達に何かをしたのかね?」

( 目д目)「……此処から離れた所でふらふらしてやがったんだ」

( 目д目)「インディアンなんて、視界に入るだけで害だろ? たとえガキだろうとな。違うか?」

(‘_L’)「生憎、私はその様な下らない感情を持ち合わせていないのでね。一緒にして頂きたく無いものだ」

(ζ`∪´)

(ζ`∪´)「……んだと? てめぇ、白人じゃねぇのか?」

( ゚Å゚)「黒人がパン粉で肌を白くしてるだけだったりしてな」

(‘_L’)「それは、ジョークのつもりか? 悪いが全く笑えん」

( ゚Å゚)「……テメェ」

644 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:33:50 ID:aw/8QAas0
(ζ`∪´)

(ζ`∪´)つy= チャキッ

(‘_L’)

(ζ`∪´)つy=「ガンベルトを外しな」

(‘_L’)

(‘_L’)「何のつもりかな?」

( ゚Å゚)「分かんねーのか? テメェは俺達を馬鹿にしすぎたのさ」

(‘_L’)「ほう」

(ζ`∪´)つy=「心配するな。腕を一本、な?」

(ζ`∪´)つy=「腕一本失っても、旅ぐらい続けられるだろう?」

(ζ`∪´)つy=「だからよ、てめぇのチンケな腕渡してさ。とっととレッドホース・キルから消え失せな」

645 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:34:58 ID:aw/8QAas0
(‘_L’)

( 目д目)「ハッ! どうした、怖くて何も出来ないか?」

( ゚Å゚)「ちげーよ。コイツ、ガンベルトの外し方が分からないのさ」

( 目д目)「ハハハハハ!! そりゃ違いねえ!」

(‘_L’)

(ζ`∪´)つy=「おい。俺は気の長い方じゃないぜ……」

(‘_L’)

(‘_L’)「ふぅ……。此処で腕を一本失ってしまうのは怖いな……」

(ζ`∪´)つy=「あ?」

(‘_L’)「遠回しすぎて分からなかったかな? 止むを得ず、君達を傷つけると言う意味だよ」

(ζ`∪´)つy=「……んだと」

|`-∪-´| ザッザッ

|`-∪-´|「何の騒ぎだ」

646 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:36:06 ID:aw/8QAas0
( 目д目)「フィッテルさん……」

|`-∪-´|「取り合えず、銃を下ろせ。フォルト」

(ζ`∪´)「……チッ」

|`-∪-´| チラッ

川ο; -;リ

|`-∪-´|「……パルルカ族の少女か。大体事情は飲み込めた」

|`-∪-´|「フィレンクト、と言ったかな。君の名前は」

(‘_L’)「ああ。……覚えてくれていた様で光栄だ」

|`-∪-´|「彼女をリンチしていた件について君が突っかかり、この様な事になったと見ているのだが……」

|`-∪-´|「違うかな?」

(‘_L’)「いや、概ね正しい」

|`-∪-´|「そうか……」

647 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:37:25 ID:aw/8QAas0
(‘_L’)「アナタはどう思う?」

|`-∪-´|「ん?」

(‘_L’)「このリンチについてだ。年も行かない少女に対して殴る蹴るなどの暴行」

(‘_L’)「いくら異民族相手だろうと、許されるものでは無い」

( 目д目)「……何が許されるものでは無い、だ。邪魔者は消して何が悪いってんだ」

(ζ`∪´)「じゃあ、テメェは虫もネズミも殺さねーって言うのか?」

(‘_L’)

(ζ`∪´)「何とか言ってみろよ。ああ?!」

|`-∪-´|「待て、お前ら。少し黙ってろ」

( 目д目)「……糞ッ」

|`-∪-´|「フィレンクト。即ち君は……、彼らの行った事は人道から反れている、と」

(‘_L’)「そうだ」

648 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:38:18 ID:aw/8QAas0
|`-∪-´|「ふむ……、フィレンクト。君の言う通りだ」

(;目д目)「なっ……」

|`-∪-´|「だがな」

|`-∪-´|つy= チャキッ

川ο; -;リ「……ひっ!」

|`-∪-´|つy=そ パァン!!

川ο;ζ@"';;. ボチュッ

<べチャ

|`-∪-´|つy=~~~

(‘_L’)

|`-∪-´|

(‘_L’)

|`-∪-´|「……いくら人道から逸れていようが、これが我々のやり方だ」

649 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:39:44 ID:aw/8QAas0
(‘_L’)

|`-∪-´|

|`-∪-´|「君には分からないだろうが、我々はインディアンに対して異常なまでに残虐に接して来ている」

(‘_L’)

|`-∪-´|「元々この地はインディアン……、パルルカ族の土地でね」

|`-∪-´|「初めてこの地に踏み入れた時、実に良い土壌だと思った。そして、それを欲した我々は彼らを虐殺して奪った」

|`-∪-´|「もちろん、彼らは果敢に反撃してきたよ。勇敢な戦士とでも言うのかな? 誇りに満ちた攻撃だった」

|`-∪-´|「だが、我々は彼らの勇敢さを粉々に打ち壊した。抵抗しない者も含めて殺しに殺した」

|`-∪-´|「だからインディアンはもう我々を襲わない。恐怖しているんだよ、我々にね」

|`-∪-´|「服従と言う意味を知ったんだ。関わらない幸せと言うものを理解したんだ。民族として上に立つ者の存在を始めて認めたんだ」

(‘_L’)

|`-∪-´|「過去に残虐に接していたお陰で我々の今日の平和は守られている」

|`-∪-´|「しかし時の経った今、あえて優しくすれば彼らは力をつけ始める。そうは思わないかね?」

650 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:40:26 ID:aw/8QAas0
(‘_L’)

(‘_L’)「言っている事は理解出来る。しかし……」

|`-∪-´|「その先は言わなくても良い」

(‘_L’)

|`-∪-´|「君にどう意見されようと、我々のやり方を変えるつもりは無いからな」

(‘_L’)

|`-∪-´|「……君は確か、混血だったな?」

(‘_L’)「ああ。確かにそうだが?」

|`-∪-´|「ふむ。だとしたらこの様な話を納得して貰うのは難しそうだな……」

(‘_L’)

(‘_L’)「何が言いたい。私もアナタ達から見れば劣等に過ぎない、と言う事か?」

|`-∪-´|「……気に触ったら申し訳無い。大した意味の無い呟きだ。聞き流してくれると助かる」

651 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:41:28 ID:aw/8QAas0
|`-∪-´|「おい、お前ら……。彼には我々の事を理解していただけた様だ」

|`-∪-´|「だからもう帰れ。余計な面倒を増やす物では無いぞ」

( 目д目)「……はい。……帰ろうぜ」ザッザッ

(ζ`∪´)「……ああ」ザッザッ

( ゚Å゚)「ケッ……」ザッザッ

(‘_L’)

|`-∪-´|「では私も戻るとするかな。仕事が残っているのでね」

(‘_L’)

|`-∪-´|「あ、そうだ。フィレンクト。最後に一つ」

(‘_L’)「……何かな?」

|`-∪-´|「君が、先程言った自分は劣等に過ぎないのか、と言う話なんだが……」

(‘_L’)

|`-∪-´|「その通りだよ」

(‘_L’)

652 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:42:18 ID:aw/8QAas0
|`-∪-´|「では、失礼する。……その死体なんだが、そこに放って置いて構わない」ザッザッ

(‘_L’)

(‘_L’)

川ο゚'ζ@"';;.

(‘_L’)

(‘_L’)「放って置いても構わない、か」

(‘_L’)

(‘_L’)「……私には、出来ないな」

(‘_L’)

川ο゚'ζ@"';;.

(‐_L‐)

653 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:43:27 ID:aw/8QAas0
【レッドホース・キル 郊外 フィレンクトは少女の死体を運び、視界の良い場所を選ぶ】

(‘_L’)「うーむ……」

(‘_L’)

(‘_L’)「よし。この辺で良いだろう」

川ο゚'ζ@"';;. ドサッ!

(‘_L’)「……彼女にも親が居るに違いない」

(‘_L’)「そのまま行方不明では、ご両親があんまりにも可愛そうだ」

(‘_L’)

(‘_L’)「パルルカ族と言うのがどんな原住民なのかは知らないが……」

(‘_L’)「多少の行動範囲は持っているだろう。彼女の死体に気づいてくれると良いんだが」

(‘_L’)

(‘_L’)「鷲が舞ってるな……。啄ばまれない事を祈ろう」

(‘_L’)「さて、戻るか。この血塗れ姿では誤解されかねん」

654 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:44:26 ID:aw/8QAas0
【日の沈む荒野】

(ο`´)

(ο`´)「……丁寧に運んできたんだが、少し崩れてしまったよ」

川ο゚'ζ@

(‐ж‐ο)「……確かに、娘だ」

(ο`´)「……そうか」

(‐ж‐ο)「スコマカカが自分の命を捨ててまで産んだ子だ……」

(‐ж‐ο)「それがこんな姿になって……」

(ο`´)「サマカレ……」


【(ο`´)】

Name:シャイニング・ブル【Nanimmakikka sukomama】

Age:32

Occupation:パルルカ族戦士

655 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:45:21 ID:aw/8QAas0
(‐ж‐ο)「……ナニマッキカ」

(ο`´)「何だい?」

(‐ж‐ο)「不思議なものだな。悲しみは過ぎると、涙に変わらない」

(‐ж‐ο)「……私は娘に涙も流す事も出来ないのか」


【(‐ж‐ο)】

Name:ブレイブ・イーグル【Samakare akaaloka】

Age:39

Occupation:パルルカ族戦士


(ο`´)

(ο`´)、「……かける言葉が見つからないよ」

(‐ж‐ο)

(‐ж‐ο)「……感謝する。娘を見つけてくれてありがとう」

656 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:46:49 ID:aw/8QAas0
(ο`´)「……見つけてくれて、か」

(‐ж‐ο)

(ο`´)「サマカレ。……お前の娘はな、目立つように置かれていたんだ」

(ο`´)「見通しの良い場所だった。見つけられない方が可笑しいくらいだ」

(‐ж‐ο)

(ο`´)「きっと、見せ付けていたんだ。もう、何もする気を起こさせない様に」

(‐ж‐ο)

(‐ж‐ο)「私たちが何をしたと言うんだ?」

(‐ж‐ο)「今まで通りに自然と生き、自然と死に、鳥が大きく羽ばたくのを見ていただけだ」

(ο`´)

(‐ж‐ο)「それが、住む場所を奪われる様な事か? 仲間の死を見せ付けられる様な事か?」

(‐ж‐ο)「……娘を奪われる様な事か」

657 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:48:09 ID:aw/8QAas0
(ο`´)「サマカレ……」

(‐ж‐ο)「精霊も見えなくなった。白人が来る前は良く私達と戯れたものだ」

(‐ж‐ο)「……精霊さえも、私達を見捨てたのだ。時代に生きる事の出来ない、哀れな者共として」

(ο`´)「精霊か……。見えなくなったのでは無くて、殺されてしまったのかも知れないよ」

(‐ж‐ο)「白人にか?」

(ο`´)「ああ」

<……いや、精霊は生きている

(ο`´)「……酋長」

(ο ФゝФ)「生きているだけではない。今も私達を見守ってくれている」


【(ο ФゝФ)】

Name:バーク・サンダーバード【Nippisiki Andasa titemate】

Age:56

Occupation:パルルカ族酋長

658 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:48:52 ID:aw/8QAas0
(‐ж‐ο)「……しかし、私の目に精霊の姿は……」

(ο ФゝФ)「見えぬも当然」

(ο`´)「当然、ですか……」

(ο ФゝФ)「自然との呼吸を忘れてしまっては精霊は姿を現さぬ」

(ο ФゝФ)「……いや、この場合呼吸を忘れた訳ではないな」

(ο ФゝФ)「呼吸を共にしようという心を失ってしまったのだ」

(‐ж‐ο)

(ο ФゝФ)「目に見える世界が色を失ったのではない。我々の知る空が落ちて来るのでは無い」

(ο ФゝФ)「忘れてしまったのだ。ありのままの世界を見つめる事を」

(ο ФゝФ)「……サマカレ」

(‐ж‐ο)

(ο ФゝФ)「気を落とし過ぎるな。誇りを失うぞ」

659 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:49:40 ID:aw/8QAas0
(‐ж‐ο)「……しかし、私はもう我慢出来ません」

(‐ж‐ο)「誇りを失っても良い。それでも良いから、白人共に……」

(ο ФゝФ)「サマカレ。君が誇りを失う必要など、無い」

(‐ж‐ο)「……えっ?」

(ο ФゝФ)「誇りを失えば、永遠に精霊は姿を現さなくなる」

(ο ФゝФ)「再び、その目に精霊が映るまで……、辛抱する事だ」

(‐ж‐ο)

(ο ФゝФ)「酷かね……?」

(‐ж‐ο)「……いえ。酋長の言葉とあらば」

(ο ФゝФ)「すまないな。君には誇りを失って欲しくないのだ」

(‐ж‐ο)「酋長……」

660 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:52:28 ID:aw/8QAas0
(ο ФゝФ)「必ずもう一度精霊は姿を現す」

(ο ФゝФ)「フスコも、マタも、ビグピも……。また、戯れてくれる」

(‐ж‐ο)「……はい」

(ο ФゝФ)「……そして、もうすぐ77の月だ」

(‐ж‐ο)「もうそんな時期に……」

(ο`´)「気が付かなかった……。やはり、目の前の悲しみや憎しみは誇りを失わせるのかも知れない……」

(‐ж‐ο)「ああ……」

(ο ФゝФ)「77の月には……。スクォークの姿を……」

(ο`´)

(ο`´)「……酋長?」

(ο ФゝФ)「……帰すべきなのだ。魂の墓場へ」

(ο ФゝФ)「我が民族が、再び精霊を見るために」

661 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:54:10 ID:aw/8QAas0
(‐ж‐ο)「……酋長。まさか……」

(ο`´)「……今、誇りを忘れるなと話されたばかりではありませんか」

(ο ФゝФ)

(ο ФゝФ)「私は過去に一度だけ、スクォークと会話をしている」

(ο ФゝФ)「その時から既に誇り……。いや、民族である資格を失っているのだ」

(‐ж‐ο)

(ο ФゝФ)「後にも先にも、誇りを失うのは私だけで良い」

(ο`´)、「……言葉が出ません」

(ο ФゝФ)「……自らの感情に囚われ、自然と共に歩む事を忘れれば目に映る精霊は消え行く」

(ο ФゝФ)「いつだか、そう話した事があるな?」

(‐ж‐ο)「……はい」

(ο ФゝФ)「私には、永遠に見えぬのだよ」

(ο ФゝФ)「もう、思い出すことが出来ぬのだ。空の高く広がる理由を。動物達が強かに踊り続ける理由を」

662 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:54:57 ID:aw/8QAas0
(ο ФゝФ)「他の者には……、私の様になって欲しくない」

(ο ФゝФ)「君達はまだ、心を見つめ直す事が出来る。あの日々に帰る事が出来る。……必ず、再び精霊を見る事が出来る」

(‐ж‐ο)

(ο ФゝФ)

(ο ФゝФ)「私の様に、憎しみや悲しみ、……そして恨みに囚われてはいけない」

(ο`´)

(ο ФゝФ)

(ο ФゝФ)「汚れ行く者に相応しいのは私だ」

(ο ФゝФ)ザッザッ

(ο`´)

(ο`´)「……サマカレ」

(‐ж‐ο)「何だ?」

(ο`´)「酋長は……」

(‐ж‐ο)「……言わないでくれ。悲しみに襲われる」

(ο`´)、「……すまない」

663 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 14:58:26 ID:aw/8QAas0
【レッドホース・キル 宿屋にて】

ミセ*゚ -゚)リ「やっぱり駄目ね」ジャブジャブ

(‘_L’)「ふむ……。駄目か」

ミセ*゚ -゚)リ「洗っても洗っても取れやしないよ。血が固まる前に持って来て欲しかったわ」

(‘_L’)「取れないなら捨てておいてくれ」

ミセ*゚ -゚)リ「はいはい。勿体無いわね」

(‘_L’)「シャツの一枚や二枚、どうって事は無い」

ミセ*゚ー゚)リ「で、どうして血塗れだったの? 尋常じゃない血の量だったわよ」

(‘_L’)「ああ、インディアンの少女をね」

ミセ*゚ー゚)リ「インディアンの?」

(‘_L’)「そうだ。その少女を此処の人間がリンチしていてね。後に色々あって、殺されたんだ」

664 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:00:14 ID:aw/8QAas0
ミセ*゚ー゚)リ「……そう」

(‘_L’)「此処に置いておくのも忍びないと思い、少女の身内が分かる様な場所に運んで来たんだ」

ミセ*゚ー゚)リ「……大変だったのね」

(‘_L’)「……それにしても、どうも此処の人間は異民族に対して穏やかな感情を持ち合わせて無い様だな」

ミセ*゚ー゚)リ「……私もね、あんまりインディアンは大っ嫌いだよ。背筋が寒くなるくらいに」

ミセ*゚ー゚)リ「でも……、このやり方は……、少し、疑問を感じる、かもね」

(‘_L’)「そうか……」

ミセ*゚ー゚)リ「……何処と無く、楽しんでる様にも見えるわ」

ミセ*゚ー゚)リ「迫害して、虐殺する事を」

(‘_L’)「……長く此処に居る君が言うんだ。そうなんだろう」

ミセ*゚ー゚)リ、「本当はこんな事、私が言える事じゃないけどね……」

(‘_L’)「うん?」

665 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:01:26 ID:aw/8QAas0
ミセ*゚ー゚)リ「私もね、よく殺したわ」

(‘_L’)「インディアンをか?」

ミセ*゚ー゚)リ「ええ。インディアン……パルルカ族をね」

ミセ*゚ー゚)リ「……昨日言った話覚えてる? 10年前この土地で赤い馬を殺したって……」

(‘_L’)「ああ、レッドホース・キルの話か」

ミセ*゚ー゚)リ「その話には続きがあってね……」

(‘_L’)「馬を殺した後、インディアンの抵抗。……そして虐殺、と言った具合かな?」

ミセ*゚ー゚)リ「……聞いてたの? 他の人に」

(‘_L’)「確か……、フィッテルと言ったか。牧童主をやっている……」

ミセ*゚ー゚)リ「ええ、フィッテルさんね」

(‘_L’)「彼が教えてくれたよ。インディアンを虐殺による恐怖で支配している、と」

(‘_L’)「どういった過程でこの土地を奪ったかは知らないが、そこから適当に推測しただけだ」

ミセ*゚ー゚)リ、「……そう、大体当たってるわ」

666 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:02:50 ID:aw/8QAas0
ミセ*゚ー゚)リ「その10年前にね。私たち開拓団は、此処に住み着いていたパルルカ族を殺したわ」

ミセ*゚ー゚)リ「殺す前に当時団長だったフィッテルさんは言った」

ミセ*゚ー゚)リ「明日生きるために、今日戦おう、って」

(‘_L’)

ミセ*゚ー゚)リ「皆、その言葉を聞いて奮い立ったわ。生きるって使命感が沸いてきたの」

ミセ*゚ー゚)リ「……その後、インディアンを無理矢理一箇所に集めて、フィッテルさんが赤い馬を殺して見せた」

ミセ*゚ー゚)リ「それを見たインディアンは私達に向かって来たわ。何の武器も持たずにね」

ミセ*゚ー゚)リ「で、その混乱の最中で馬は消えた」

(‘_L’)

ミセ*゚ー゚)リ「……そこから先は覚えて無いわ。無我夢中でインディアンを殺していたんだと思う」

ミセ*゚ー゚)リ「武器の持たないインディアンを」

(‘_L’)「……そうか」

ミセ*゚ー゚)リ「女も子供も関係無かった。殺せるだけ殺したわ」

ミセ*゚ー゚)リ「ようやく静かになった時。血塗れになった土を見て思った。勝ったんだ、嬉しい。私たちの土地なんだ!って」

667 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:03:35 ID:aw/8QAas0
ミセ*゚ー゚)リ「凄く満たされた気持ちになったわ。今でも思い出すくらい。明日生きる権利を得たんだって」

ミセ*゚ー゚)リ「フィッテルさんも、凄く喜んでた。良くやった、君達は自慢だって……。凄く嬉しかったの、覚えてる」

ミセ*゚ー゚)リ「……でもね」

(‘_L’)「でも?」

ミセ*゚ー゚)リ「少し、思うの。……この土地を奪う前、私たちは何の危機にも面してなかった」

ミセ*゚ー゚)リ「明日生きる為に戦う、なんて。……戦わなくても、生きる事が出来たわ」

(‘_L’)「……誰だって、理由をつけて行動を移したくなるものだ」

(‘_L’)「心の何処かで悪事だと思っている事は……、なおさらだな」

ミセ*゚ー゚)リ「何かに理由をつけてる……か」

ミセ*゚ー゚)リ

ミセ*゚ー゚)リ「……そうだね。うん、そうだよ」

ミセ*゚ー゚)リ「昨日揉めてた奴隷の事だってそうさ……」

(‘_L’)「ん……? 見ていたのか」

ミセ*゚ー゚)リ、「ごめん」

668 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:04:33 ID:aw/8QAas0
ミセ*゚ー゚)リ「南北戦争は終わって、テキサス負けたって言うのに、まだ奴隷を解放していない」

ミセ*゚ー゚)リ「フィッテルさんはアメリカに承認されてないから、って言っていたけど……」

ミセ*゚ー゚)リ「理由を探した上の、苦しい言い訳よね」

(‘_L’)「それは彼自身も認めていたよ」

ミセ*゚ー゚)リ「……あの人は反論出来ない事に耳を塞いでる。そんな気がする」

(‘_L’)「ふむ……」

ミセ;゚ー゚)リ「あ」

(‘_L’)「……ん?」

ミセ;゚ー゚)リ「私がこういう事言ってるなんて言わないで、ね?」

(‘_L’)「無闇にペラペラ喋るつもりは無いが……」

ミセ;゚ー゚)リ「フィッテルさんには恩が一杯あるから……。本当はこんな事言える立場じゃないのよ」

ミセ;゚ー゚)リ「私を育ててくれたお父さんみたいなものだから……」

(‘_L’)「……お父さん?」

669 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:05:56 ID:aw/8QAas0
ミセ;゚ー゚)リ「元々、私は孤児でね。フィッテルさんに育ててもらったのよ」

(‘_L’)「ほう。そうだったのか」

ミセ;゚ー゚)リ「ええ。私だけじゃなくて、此処に住んでる人の2分の1がそうだよ」

(‘_L’)「……多いな」

ミセ;゚ー゚)リ「元々、フィッテルさんの率いる開拓団は孤児を遠くの地に住まわせる為に作られた物だったらしいし」

(‘_L’)「身寄りの無い子供を遠くに住まわせるか。実にアメリカらしい開拓方法だ」

ミセ;゚ー゚)リ「うん……。だから、フィッテルさんには今言った事ナイショで」

(‘_L’)「分かっている。こう見えて私はそこそこ口の堅い方なんだ」

ミセ;゚ー゚)リ「よ、よろしく」

(‘_L’)「……ちなみに、教育はフィッテルが?」

ミセ*゚ー゚)リ「ええ。色々な事を教えてくれたさ。感謝してる」

(‘_L’)「そうか」

ミセ*゚ー゚)リ「どうしてそんな事を?」

(‘_L’)「いや、気にしないでくれ」

670 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:07:01 ID:aw/8QAas0
【9月7日 レッドホース・キル 一角に人だかりが出来ている】

(‘_L’) ザッザッ

(‘_L’)「……ん?」

(‘_L’)「何かあったのか?」

(‘_L’) ザッザッ

(‘_L’)つ「ちょっと通してくれ」グイグイ

(‘_L’)つ「よっ、よっ、ほっ」グイグイ

( 目д目)

(‘_L’)「……ん? 彼は……」

(‘_L’)「……死んでいるのか?」

(モブθθ)「ああ。今日の朝、ここに倒れてたらしいぜ」

(‘_L’)「今日の朝に?」

671 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:07:43 ID:aw/8QAas0
(モブθθ)「そうさ」

(‘_L’)「手足を縛られているな……、惨い……」

(モブθθ)「インディアンがやったんだ」

(‘_L’)「インディアンが?」

(モブθθ)「ああ。そうに違いない。糞……ッ、白人を何だと思ってやがる」

(‘_L’)「……何故、インディアンだと?」

(モブθθ)「あ? 俺らを殺すのはな、インディアンしか居ないんだ」

<どけどけ! フィッテルさんが通るぞ!

(‘_L’)「うん?」

(ζ`∪´)つ「……おら! どけどけ!!」グイグイ

(‘_L’)(昨日の彼か)

|`-∪-´|

(ζ`∪´)「……フィッテルさん。これです」

|`-∪-´|「……パイク!」

672 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:08:48 ID:aw/8QAas0
( 目д目)

|`-∪-´|「ああ、パイク、パイク! どうしてこんな姿に……」

(モブθθ)「フィッテルさん……」

|`-∪-´|「……おお。何故だ、信じられん……」

(‘_L’)

(ζ`∪´)「……フィッテルさん。コイツを殺ったのはインディアンだぜ」

|`-∪-´|「……そうだな。間違いない」

(‘_L’)「すまないが」

|`-∪-´|「ん? なんだ、君か」

(‘_L’)「何故、インディアンの仕業だと? 彼に聞いても答えてくれなかったのでね」

|`-∪-´|

|`-∪-´|「君の目は節穴かね?」

|`-∪-´|σ「見たまえ。パイクの首元を」

(‘_L’)「首?」

673 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:09:58 ID:aw/8QAas0
( 目д目)

(‘_L’)「……首輪だ」

(‘_L’)「皮の首輪が付いている……」

|`-∪-´|「これはこの地方のインディアンの処刑道具でね。君は見た事が無いかな?」

(‘_L’)「ああ。初めて見た。どういった処刑道具で?」

|`-∪-´|「この首輪は古い皮で出来ていて、一旦水に浸して乾かすと皮が縮むようになっている」

|`-∪-´|「きっと彼は夜、この首輪を付けられたんだ。そして水を浴びせられた」

|`-∪-´|「そしてじわじわじわじわと首が絞まって行く様を楽しんでいたに違いない」

(‘_L’)

( 目д目)

(‘_L’)「ふむ。……確かにこれは白人の発想ではなさそうだ」

|`-∪-´|「やはり……、私はインディアンを甘やかしていたのか……」

(‘_L’)

674 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:10:48 ID:aw/8QAas0
|`-∪-´|「だからこうして身内に被害者などが出るのだ」

|`-∪-´|「……もう一度、彼らに絶望を見せてやる必要がある様だな」

|`-∪-´|「もう、何も出来ない程に……」

(‘_L’)

|`-∪-´|「そうだ、そうだな。ああ。もう一度虐殺をしよう」

|`-∪-´|「殺して、殺して、絶望させて。いっその事、あの種を滅亡させてしまおう」

|`-∪-´|「皆殺しだ。それしかないな。皆殺ししか、無いんだよ」

(ζ`∪´)「……フィッテルさん?」

|`-∪-´|「どうした?」

(ζ`∪´)「い、いや。皆殺しはやりすぎかな、と……」

|`-∪-´|「皆殺しがやりすぎ? 何を言っているんだ」

|`-∪-´|「インディアンには力を見せ付けなくてはいけない。彼らは下等種族なんだ。我々とは違うんだ」

675 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:11:51 ID:aw/8QAas0
|`-∪-´|「動物と接するように。家畜と接するように。そう、教えていただろう?」

|`-∪-´|「憎むべき種族なんだよ。間違えては、いけないよ」

(ζ`∪´)

(ζ`∪´)「その通りだ。奴らにやり過ぎなんて言葉は無ぇ」

<そうだそうだ!

                    やってやろうぜ!!>

<うおおおおおおおおおお!!

(‘_L’)

|`-∪-´|「殺そう! 殺すんだ! 私たちの平穏な日々の為に!」

(‘_L’)「……一つ、良いか?」

|`-∪-´|「……また意見かね? フィレンクト」

|`-∪-´|「だとしたら、やめておいた方が良い。私達は君の意見を聞いてもやり方を変えるつもりは無い」

|`-∪-´|「これは、私達のやり方だ。私達のね」

(‘_L’)

676 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:12:39 ID:aw/8QAas0
|`-∪-´|「しかし、君の良いたい事も分かる。確かに君やフォルトの言う通り、皆殺しは度が過ぎているかも知れない」

|`-∪-´|「うむ。そうだな。ある程度の慈悲は存在しても良いだろう」

|`-∪-´|「……抵抗する者と、女子供を殺そう。それが良い。それなら、良いだろう」

(‘_L’)

|`-∪-´|「ああ。それで行こう。それなら、文句は無いだろう?」

(‘_L’)

(‘_L’)「随分と活き活きとしているな」

|`-∪-´|「活き活き? 私達の生活の為の殺生だぞ? 活き活きなどと……そんな」

|`-∪-´|「私とて、殺したくて殺したいのでは無い」

|`-∪-´|「君は、私が悪魔にでも見えるかね?」

(‘_L’)

|`-∪-´|「あえて言おう。君は混血であるが為に、インディアンに感情移入しているのだ」

|`-∪-´|「優れた白人として居たかったら、下らない考えは捨てた方が良い」

(‘_L’)「……なるほど、面白いアドバイスだ。……失礼するよ」

(‘_L’) ザッザッ

677 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:13:58 ID:aw/8QAas0
【レッドホース・キル 宿屋にて】

(‘_L’) ガチャ

ミセ;゚ー゚)リ「お帰りなさい……、聞いた? パイクが……」

(‘_L’)「ああ、知っているよ。先程、人だかりが出来ていてね」

ミセ;゚ー゚)リ「何でも、インディアンに殺されたって……」

(‘_L’)「恐らく、間違い無いだろうな」

ミセ;゚ー゚)リ「……それで、明朝にインディアンを捕まえに行くって、皆息巻いてるわ」

(‘_L’)「明朝か……」

ミセ;゚ー゚)リ「で、昼頃に広場で処刑するらしいの」

(‘_L’)「……その場で殺さず、わざわざ集めて処刑、か。殺し好きが好むやり方だな」

ミセ;゚ー゚)リ「……えっ?」

(‘_L’)「いや、忘れてくれ」

678 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:14:52 ID:aw/8QAas0
ミセ;゚ー゚)リ「……私ね」

(‘_L’)「ん?」

ミセ;゚ー゚)リ「ドキドキするんだ。何でだろう」

(‘_L’)「……ドキドキ?」

ミセ;゚ー゚)リ「うん、早く明日にならないかなってドキドキする」

ミセ;゚ー゚)リ「何でだろう。確かにインディアンは大っ嫌い……」

ミセ;゚ー゚)リ「でも、このやり方は良い気がしないの。凄く嫌な感じがする」

ミセ;゚ー゚)リ「……なのに、なのに。明日が待ち遠しい。……また、褒めて貰える様な気がして」

(‘_L’)「褒めて貰える……?」

ミセ;゚ー゚)リ「何なのさ、この気持ちは? これって変だよね……」

(‘_L’)

(‘_L’)「君も、被害者だな」

ミセ;゚ー゚)リ「被害者? 私が?」

(‘_L’)「……さ、私はもう休むよ」ガチャ

ミセ;゚ー゚)リ「あっ、ちょっと」

679 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:15:42 ID:aw/8QAas0
【宿屋 部屋にて フィレンクトは机に向かう】

(‘_L’)φ カキカキ

(‘_L’)φ カキカキ

(‘_L’)φ ピタッ

(‘_L’)φ

(‐_L‐)φ「……ふむ」

(‐_L‐)φ

(‐_L‐)φ「これ以上、深く関わらない方が良い」

(‐_L‐)φ

(‐_L‐)φ「近い内に……、旅立つか」

(‘_L’)φ

(‘_L’)φ「奇妙な里、レッドホース・キル」

(‘_L’)φ「……去る日まで、関わり過ぎない方が吉だ」

680 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:16:41 ID:aw/8QAas0
【9月8日 レッドホース・キル 広場 囚われたインディアン達は中央に集められる】

川ο- _-)

(・・ο)

(οб+б)

(`、´ο川


|`-∪-´|「……ただ今より、我が家族であるパイク・ジェイムズを殺害したパルルカ族に制裁を加える」

|`-∪-´|「構え」

(ζ`∪´)つy=== チャキッ

(モブθθ)つy=== チャキッ

( ゚Å゚)つy=== チャキッ

<チャキ……

                  ジャキッ>

681 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:17:34 ID:aw/8QAas0
(‘_L’)(……結局来てしまったな)

(‘_L’)

(‘_L’)(ふむ……)

(‘_L’)(……囚われたインディアンは女子供ばかりだ。……パッと見て40弱)

(‘_L’)(反撃した者は全員その場で殺されたか……)

(‘_L’)(……殺す立場の人間も40弱。文字通り、蜂の巣だな)

(‘_L’)

(‘_L’)(ギャラリーも少なくは無い。と、言うよりレッドホース・キルの人間全て集まってるんじゃないか?)

ミセ;゚ー゚)リ ドキドキ

(‘_L’)(……ん? あそこに居るのはミセリか?)

(‘_L’)(確かに、来ていても可笑しくは無いか……)


|`-∪-´|ノ スッ!


(‘_L’)「……始まるな」

682 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:18:17 ID:aw/8QAas0
|`-∪-´|ノ「撃てッ!!」

(ζ`∪´)つy===そ ドン!!

( ゚Å゚)つy===そ ドン!!



   _   r'^>/^ゝ      r-、 ,、    _   r'^>/^ゝ     r-、 ,、
  |  `l / // /       / / く ヽ   |  `l / // /     / / く ヽ
  '!  Lニ_`''  「`L_ 'ー-'  `ー''   '!  Lニ_`''  「`L_ 'ー-'  `ー''
   '!  ,、__7  i  ``゛''ー、       '!  ,、__7  i  ``゛''ー、
   1  |       |  l` ̄`''        1  |         |  l` ̄`''
    i_」         'L_」            i_」      'L_」
       r-、 ,、   _   r'^>/^ゝ      r-、 ,、
        / / / ヽ  |  `l / // /       / / く ヽ
  「`L_ 'ー-' く_/    '!  Lニ_`''  「`L_ 'ー-'  `ー'
   i  ``゛''ー、     .'!  ,、__7  i  ``゛''ー、
   |  l` ̄`''        1  |         |  l` ̄`''
   'L_」           i_」         'L_」


川ο- _ζ;;'. クシャ

`"";;..ξб+б)ボン!

(`、ζ@;;..ξο川 カシュ!

683 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:19:15 ID:aw/8QAas0
(;‘_L’)(……くっ、凄まじい音だ……)


ドドドドドドド!!!


(;‘_L’)

(;‐_L‐)(……とても直視出来ん)


ドドドドドドド!!!


ミセ;゚ー゚)リ ドキドキ

ミセ;゚ー゚)リ(……気持ち悪い、こんな物、見たく無い)ドキドキ

ミセ;゚ー゚)リ(なのに、この胸の高鳴りは何なの……。でも、……何? 褒められたい……?)ドキドキ

ミセ;゚ー゚)リ(……分からない。自分が、怖い)ドキドキ


ドドドドドドド!!!


.

684 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:20:03 ID:aw/8QAas0
|`-∪-´|「やめぇい!!」

(ζ`∪´)つy===~~~ シュゥゥゥ

( ゚Å゚)つy===~~~ シュゥゥゥ


川ο- _ζ;;'.

`"";;..ξб+б)

(`、ζ@;;..ξο川

(・・ξ;;:,,.@


(;‘_L’)

(;‘_L’)(終わった……)

(;‘_L’)(生き残りは……、居るはず無い、か)

(;‘_L’)「……凄まじいな」

685 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:21:54 ID:aw/8QAas0
|`-∪-´|

川ο- _ζ;;'.

(ζ`∪´)「ケッ! きたねぇゴミだぜ」

|`-∪-´|「そう言うな、フォルト」

(ζ`∪´)「……フィッテルさん」

|`-∪-´|「そこに散らばっているのは、下等種族だった者。もう、ゴミなどでは無い」

|`-∪-´|「彼らは死して、ようやく認められる立場となるのだ」

|`-∪-´|「……それは、しっかりと教えていたはずだがな」

(ζ`∪´)「あ、……。俺、馬鹿なんで……」

|`-∪-´|「良いんだ。今日間違えた事で、君はもう間違えなくなる。絶対に」

(ζ`∪´)「今日、間違えた事で、もう間違えない……」

|`-∪-´|「そう、君はそうやって成長してきた。そうだろう? 違うかね?」

|`-∪-´|「もう、絶対に絶対に、間違えない。不正解を出さない」

|`-∪-´|「頼むよ。二度と間違えてはいけない」

(ζ`∪´)「ああ……」

686 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:23:16 ID:aw/8QAas0
( ゚Å゚)「ヘッ、フォルトは馬鹿だからなぁ」

(ζ`∪´)「何?」

( ゚Å゚)「だって十年前もよ! インディアン殺せなかったじゃねーか」

(ζ`∪´)「……それは」

|`-∪-´|「過去の事を掘り返すな、マフィクス。あの時、フォルトはまだ子供だったじゃないか」

|`-∪-´|「子供だから間違える事は頻繁にある。違うかね?」

( ゚Å゚)「いや、まあ、……そうです」

|`-∪-´|「それにその事に関して、彼はあれ以来間違えて無いじゃないか。一度も間違えずに、しっかりやって来れてる」

|`-∪-´|「良く出来た子だよ」

(ζ`∪´)「へ、へへっ……。フィッテルさんに褒められると恥ずかしいや……」

|`-∪-´|「君達は自慢の教え子だ。……いや、私の団だった人間は皆、自慢の白人達だよ」

( ゚Å゚)「……俺、嬉しいよ」

(ζ`∪´)「もっと頑張る。……絶対に間違えない人間になるさ」

687 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:23:59 ID:aw/8QAas0
(‘_L’)

|`-∪-´| ザッザッ

(‘_L’)「……フィッテル」

|`-∪-´|「何かね? また、意見かな?」

(‘_L’)「いや、どんな気持ちか聞いてみたくてね」

|`-∪-´|「……どんな気持ち、か」

|`-∪-´|「良い気持ちはしない」

(‘_L’)

|`-∪-´|「やはり、人を殺すのは気持ちの良い事ではない。相手がいくら彼らでもな」

|`-∪-´|「パイクが殺されて仕方無く、だ」

(‘_L’)「悪事には悪事で、か? 虐殺など……」

|`-∪-´|「悪事か。その通りだ。これは虐殺。即ち悪事」

|`-∪-´|「良く、分かっている」

(‘_L’)

688 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:25:01 ID:aw/8QAas0
|`-∪-´|「だがな、これは我々で決めた事だ」

|`-∪-´|「我々の意思で、我々が我々の為に、我々の手で制裁をした」

|`-∪-´|「これが、我々のやり方だ。……いくら悪事であろうと、我々の中で意味のある事に出来る」

|`-∪-´|「そして、それが出来ていれば十分。特に、この様な我々にしか関係しない我々の内輪事ならね」

|`-∪-´|「違うかね?」

(‘_L’)

(‘_L’)「理解はした」

|`-∪-´|「最後に、一つ」

(‘_L’)

|`-∪-´|「……何度も言うが、他人に指図される筋合いは無い」

|`-∪-´|「それだけ、覚えて置いてくれ」ザッザッ

(‘_L’)

|`-∪-´| ザッザッ

689 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:26:02 ID:aw/8QAas0
【月の高く上る頃 荒野にて】

(ο ФゝФ)

(ο ФゝФ)「10人か」

(ο`´)「……たった10人」

(‐ж‐ο)「誰一人として守る事が出来なかった」

(ο゚Θ゚ο)「言うなよ……。私達は生きたんだ」

(ο゚Θ゚ο)「……逃げずに戦っていたら、全滅だった。誰一人として居なくなってしまうんだ」

(ο゚Θ゚ο)「それは……、部族としての死を意味する」

(ο゚Θ゚ο)「今までに死んでいった人間が永遠に死ぬ事となる。私達の心の中でさえも生きられなくなる」

(ο゚Θ゚ο)

(ο゚Θ゚ο)「正しい判断だったと思わなくては……」


【(ο゚Θ゚ο)】

Name:ウォーター・ベア【Muko akomi】

Age:41

Occupation:パルルカ族戦士

690 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:26:57 ID:aw/8QAas0
(‐ж‐ο)「正しい判断……、か」

(‐ж‐ο)「私達は奴らに背を向けて逃げたに過ぎない」

(ο゚Θ゚ο)「……生きる事に意味があると言っているんだ。私だって、思う所が無い訳ではない」

(ο゚⊇゚)「……誰だって同じ気持ちだ」

(ο゚⊇゚)「何も出来なかったんだ。これ程、戦士としての誇りを踏み躙られた事など、無い」


【(ο゚⊇゚)】

Name:ゴースト・ストーン【Hutimeme thui】

Age:36

Occupation:パルルカ族戦士


(ο`´)「フチメメ……。お前、奥さんと子供が居ただろう」

(ο゚⊇゚)「ああ。全員連れて行かれた。……食って掛かったんだがな」

(ο゚⊇゚)「皮肉にも運良く、見逃された。下らない気まぐれだ」

(ο゚⊇゚)「……妻や子供の為に死にたかった」

691 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:27:52 ID:aw/8QAas0
(‐ж‐ο)「……酋長」

(ο ФゝФ)

(‐ж‐ο)「私達は、もう我慢など出来ません」

(‐ж‐ο)「……誇りを失う選択をさせて下さい」

(ο ФゝФ)「君達が誇りを失う必要など無い」

(‐ж‐ο)

(ο゚Θ゚ο)「……しかし私達は、じきに滅び行く種族なのだ。女も、子供も、皆死んでしまった」

(ο゚Θ゚ο)「このまま何もせず、静かに滅んで行くのか……」

(ο ФゝФ)

(ο ФゝФ)「明日は、77の月だ」

(ο゚⊇゚)「……77の月、か」

(ο゚Θ゚ο)「しかし、それも何の意味を持たない。精霊など、もう居ないのだから」

(ο゚Θ゚ο)「たとえ、77の月になろうと……。精霊は私たちに力を与えない。精霊そのものが居ない」

692 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:28:32 ID:aw/8QAas0
(ο ФゝФ)「いや、精霊は居る」

(ο ФゝФ)「私達が精霊を見つめる事を忘れているだけだ」

(ο゚Θ゚ο)「……忘れている」

(ο ФゝФ)「……思い出せ。あの日々を」

(ο ФゝФ)「自然も、細胞も、心も、全てを感じていられた頃を」

(ο゚⊇゚)

(ο゚⊇゚)「……無理だ」

(ο`´)「フチメメ……」

(ο゚⊇゚)「もう、思い出せやしない。心が感情に支配されてしまっている」

(ο゚⊇゚)「あの純粋な頃には、もう……」

(ο ФゝФ)「もう一度言おう。明日は77の月だ」

(ο゚Θ゚ο)

(ο゚Θ゚ο)「酋長……?」

693 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:29:44 ID:aw/8QAas0
(ο ФゝФ)「……精霊の力を借りよう」

(ο ФゝФ)「精霊の力を借りて、再びあの日を思い出すのだ」

(‐ж‐ο)「……やはり、スクォークを?」

(ο ФゝФ)

(ο゚Θ゚ο)「スクォーク……。そんな力を借りれば、酋長は……」

(ο ФゝФ)「……既に私は汚れている。去る者に相応しい」

(ο ФゝФ)「私は奴らと共に、魂の無い地へと旅立つ」

(ο゚⊇゚)「……本気、なのですか?」

(ο ФゝФ)「……ああ。全てを取り戻すつもりだ」

(ο゚⊇゚)

(‐ж‐ο)

(ο`´)

(ο゚Θ゚ο)

(ο ФゝФ)「明日は、77の月。戦いの美しく輝く日」

694 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:30:46 ID:aw/8QAas0
(ο ФゝФ)

(ο ФゝФ)「明日の夜、奴らと交えよう」

(ο`´)「……戦いか」

(‐ж‐ο)

(ο ФゝФ)「良いな……」

(ο゚Θ゚ο)「ああ……。当然です……」

(ο゚⊇゚)「酋長が自らを引き換えにされるのに、黙って見てる訳には行きません」

(ο ФゝФ)「……仇取りなど、考えるな。これは誇りを忘れる為の戦いでは無い」

(ο ФゝФ)「誇りを取り戻し、再び精霊と共に在らんとする為の戦いだ」

(ο`´)「……分かっています。感情に囚われてはいけない」

(ο ФゝФ)「そうだ。感情に囚われるのは私だけで良い」

(‐ж‐ο)「酋長……」

(ο ФゝФ)「感情に囚われているからこそ、スクォークは応えてくれる」

(ο ФゝФ)「怒りや恨みで我を忘れるからこそ、スクォークは闇を見せる」

(ο ФゝФ)「悪しき心が芽生え始めているからこそ、スクォークは虚空の地へ引きずり込む」

696 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:31:29 ID:aw/8QAas0
(ο ФゝФ)「汚れてしまった私が、酋長として出来る事はそれしかあるまい」

(ο ФゝФ)「自然の意識と私の感情の矛盾……。それが必ずスクォークの糧となる」

(ο ФゝФ)

(‐ж‐ο)「酋長……、取り残された私達はどうすれば……」

(ο ФゝФ)「言うな。精霊達が教えてくれる」

(ο゚Θ゚ο)

(ο`´)、

(ο ФゝФ)「……心を躍らせたらどうだ。何故、目に悲しみを浮かべている」

(ο ФゝФ)「ああ……。明日は良い日だ。再び精霊達と動物が戯れるのを見る事が出来る、記念すべき日なのだ」

(ο ФゝФ)「滅び行く我々に再び日の当たる、愛すべき日なのだ」

(ο゚⊇゚)「……必ず誇りは取り返します」

(ο ФゝФ)「頼むぞ」

697 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:32:44 ID:aw/8QAas0
(ο`´)「酋長。……私は酋長の思い、忘れません」

(ο`´)「もう、精霊から目を逸らしません。誇りを忘れません。呼吸を忘れません」

(ο ФゝФ)「……ああ。第二第三の私を生み出す必要は無い」

(ο ФゝФ)「そして、必ず生きて帰る事だ。生きて居ればこそ、自然と共に在る事が出来る」

(ο゚⊇゚)「……ええ。死にません。絶対に、死にません」

(ο ФゝФ)「うむ。良い」

(‐ж‐ο)「……その時まで、守ります。酋長を守り、邪魔はさせません。スクォークが語りかけるまで」

(ο ФゝФ)「ああ、頼む」

(ο゚Θ゚ο)「明日は77の月。77番目の月が空に昇る日。精霊達の生まれし日……」

(ο ФゝФ)「……手を伸ばしても月を隠す事が出来ない。大いなる光が振り注ぐ、偉大な夜だ」

(ο ФゝФ)「そして、深い闇の中に降りしは異形の精霊。奇形の精霊」

(ο ФゝФ)

(ο ФゝФ)「ピナカ・オラ・ミシラモ・アラモ・アラモ・オウゥデカカ・スクォーク」

698 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:33:43 ID:aw/8QAas0
【9月9日 宿屋にて】

(‘_L’) ガチャッ

ミセ*゚ー゚)リ「あら、お早う」

(‘_L’)「お早う。突然だが……、明日此処を去るよ」

ミセ;゚ー゚)リ「えっ! もう行っちゃうの?」

(‘_L’)、「結構長く居たつもりなんだがな……」

ミセ;゚ー゚)リ「突然過ぎるよ……」

(‘_L’)「旅人と言うのは気ままでね」

ミセ;゚ー゚)リ、「良く言うよ」

(‘_L’)「ん……?」

,;つ

(‘_L’)「……あの棚の上にあるのは?」

ミセ;゚ー゚)リ「な、何でも無いわ。何でも無いの」

(‘_L’)

699 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:35:10 ID:aw/8QAas0
ミセ;゚ー゚)リ「あんまり、じろじろ見ないでよ。面白い物でも無いしさ」

(‘_L’)「腕、か」

ミセ;゚ー゚)リ

(‘_L’)「拾ってきたのか? 広場から」

ミセ;゚ー゚)リ

(‘_L’)「悪い事は言わない。君も、この場所から離れると良い」

ミセ;゚ー゚)リ「えっ?」

(‘_L’)「……本当に蝕まれてしまった心と言うのは、自分では気づく事が出来ない」

(‘_L’)「疑問に思い始めた時だけだぞ……。逃げる事が可能なのは」

(‘_L’)「まだ、間に合う」

ミセ;゚ー゚)リ

(‘_L’)

(‘_L’)「では、私は少し外に出てくる。次の旅に必要な物を揃えなくてはな」

(‘_L’) ガチャッ

ミセ; ー )リ

<バタンッ

700 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:35:51 ID:aw/8QAas0





::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: . . . .. . .     . .゚   .      .           .       .
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.::.:.:.:.:.:. . . . . . . .    . 。        .   。   .  .゚     +    . .   .
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. . . . . . . . .        .        .         .   ..      。.
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:. . . . . . .       .     。  .       *    .       . .  .
::::::::::::::::::::::::::::.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:. . . . . . . . . .             .         .    。   .     .      .
::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. . . . .       ,.   -―-  .,        .     ゚. .      .  ゚     . +   .. .
::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.. .. . . .   ,.  '"         `  、        .      + .          .    .
::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:. . . .     ,. '゙   .:..              ` .、       .       . .    ゚   .    . .
:::::.:.:.:.:.:.:.:.: . . . .     , '  ..:.:.:.:.:..                 ヽ       ゚        。
::.:.:.:.:.:.:. . . . .    ,.'  .:.:.:.:.:.:.:.:. .:.:.:.:...               ヽ         .  .      .    . ゚  .
:.:.:.:.:.: . . .       ,.' ..;,;,;,; :.:.:.:.:.: ;,;,;,;,:....        .:.;,;,;,;,;,  ....;,;,;,;,'.,       .     .       * .    。
:.:.. . . .        / ..;,;,;:.,;,;  :.;,;,;.:;,;,;..:.:.:.:.:.:.   ...:.:.:;,;,;..;,;, .:.:;,;,:.,;,;..',     。       ゚  .    . .     .
:.:. . .        ,' :.:.;,;,;.: ..;,;:.:.;,;.:.:.:.;,;,;.....        ..;,;,;..:.;,;,.: :,;,.. .;,;,.:.:',       .     .    。   ゚ .
:. . .       ;   .;,;,;. ..,;,;,;,;.:.:.:.:,;,;,:.:.:.:..       ..,;,;,.:.:.:,;,;,;,;:.: .;,;,;.:.. ;        +      .     。.  .
. .         {   .;,;,;    .:.:.: ,;,;,;:.:.       .:.:.:,;,;,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;,;,;.:.:..}      .       .        .  .
         ',      .:.:.:.;,;,,;,:..          .:.;,;,;,;,.:.. .:.    ;        .   。    +  .     .
         ,    :.:.:....:.:.:.;,;,;,;,:.:          .:,;,;,;,;.:.:      ,'            .      .   ゚
           ,      :.:.:.:.:.:.:  ,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;.:.:.:.    .:.:.:.:.:.:.  ,'      。 ゚  .      。       .
.           '.,           ....:.:.:.:.:    .:.:.. .:.:.:.:.:.:.:.:..  /              .   .
             、        .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.   ,.'        .     *         。  .
              丶      :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ..::.:.:.:.:.:.:.../           .     .          .
              \      ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ,. '        ゚             +  .
                ' ,          ....:.:.:.:.:.:.:.:.. , '゙
                   ゙   、 ,,,,,_____,,,,...  ''"





.

703 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:36:49 ID:aw/8QAas0















【9月9日 22時過ぎ 77の月】
















.

704 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:37:33 ID:aw/8QAas0
【レッドホース・キル 倉庫】

(番@ー@)ガチャガチャ

(番@ー@)「よし、異常無しだな」

<ガタッ……

(番@ー@)「……何だ?」

(番@ー@)

(番@ー@)「おい! 誰か居るのか!!」

(ο゚⊇゚)

(番@ー@)「あ……? インディアン?」

--+⊂(ο゚⊇゚) スッ!

(  ο゚)ミ    ΞΞΞΞΞ+--   ヒュッ!!

(番@ー@)「えっ」 ドスッ!

(番@ー@),;:,':∴ カハッ!!

705 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:38:36 ID:aw/8QAas0
(ο゚⊇゚)「……毒が塗ってある」

(番@ー@)「な……、き、さま……、白人に……た、いして…」

(ο゚Θ゚ο)「……フチメメ。やったのか?」

(ο゚⊇゚)「ああ。今、始まった。誇りを取り戻す為の戦いが」

(ο゚Θ゚ο)「……酋長は?」

(ο゚⊇゚)「中央でスクォークと呼吸を合わせる為に集中している」

(ο゚Θ゚ο)「そうか。ならば守らねばならないな」

(ο゚⊇゚)「……我々は10しか居ない。分散しなくては、囲まれて殺されるだけだ」

(ο゚⊇゚)「酋長を付きっ切りで守るのはナニマッキカだけで十分。むしろ我々が注意を引きつける必要がある」

(ο゚Θ゚ο)「そうだな……」

(ο゚⊇゚)「それに……」

(ο゚⊇゚)つ ガサゴソ

(ο゚⊇゚)つy=「これを見ろ。白人共の使う武器だ」

707 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:45:34 ID:aw/8QAas0
(ο゚Θ゚ο)「おお……、大量にあるな……」

(ο゚⊇゚)「使い方は分かっている。いつだか子供が興味本位で捨てられた武器を拾って来た事があったからな」

<おい、コックス! もう、交代の時間だぞ!

(番´`)「おい……、コックス。働きすぎは体に毒……」

(ο゚⊇゚)

(番@ー@)「ぐ、……あ……」

(番´`)

(番#´`)つy=「ファァァァァァアアアアック!!!」ジャキッ!

(ο゚⊇゚)つy=そ ドン!!

(番#ζ@;;::''ζ´`)つy= ボチュ!!

(ο゚⊇゚)つy=~~~ シュー……

(ο゚⊇゚)つy=「……ナイフよりも簡単だな」

(ο゚Θ゚ο)「……今の音で気づかれた可能性が高い。別れるぞ」

(ο゚⊇゚)「ああ」

708 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:46:30 ID:aw/8QAas0





「なんだ? 銃声?」                              「おい! アルベルト!! アルベルト!!」

                  「インディアン共だ! 違いない!!」                         「殺せ殺せ!!」

        「あそこにいるのは?」                「いたぞ!! インディアンだ!」

                                  「どこから?」
「そこだ!! 撃てっ!!」                                「逃げたぞ! 殺せ!!」

                   「この劣等民族がああああ!!」                         「んぐああああああッ!!」

               「何処に居る?」                  「おい、ミクセスも撃たれたぞ……」

  「何人居る? 五人か?」                                                「いや、分からない。六は居るはずだ!!」
「殺せ!!」                       「おい、逃がすなッ!!」  「ああああああああ!!」

                  「あいつら、銃を持ってるぞ!!」                          「どうして? 何処で手に入れた!!」

   「分からん、何なんだ!!」            「ぶっ殺せ!」
                                          「死ね!!」                「おい、一人やったぞ!!」

              「きたねぇ肌だ。見るだけで鳥肌が立ってくるぜ…」      「いてぇ、いてぇよぉ!!」




.

709 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:47:38 ID:aw/8QAas0
(モブθθ)つy=そ パァン!!

(モブθθ)つy=「クタバレ!! 下種共がぁあ!!」

(ο゚Θ゚ο) ドスッ!

(;ο゚Θ゚ο)「……グァ!」

(モブθθ)つy=「……た、倒れない?」

○(;ο゚Θ゚ο) スッ

○(;ο゚Θ゚ο)「ヌォォオオオオ!!」

(  ;ο゚)ΞΞΞΞ○)))θモブ) ボキャッ!!

((#;;))θモブ) ドサッ!

(#ο゚Θ゚ο)「ウアァァアアアアア!!!」

(‐ж‐ο)「大丈夫か……ッ!!」

(#ο゚Θ゚ο)「大丈夫だ……。この程度の痛み、死んでいった仲間の事を思えば……」

(‐ж‐ο)「……チッ。まだ来るぞ!」

(#ο゚Θ゚ο)「倒れる訳にはいかん……。必ず誇りを取り返す、その日まで……ッ!」

(#ο゚Θ゚ο)「ウガアアアアアアアアアアアアッ!!」ゴオオオ!!

710 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:48:34 ID:aw/8QAas0
【レッドホース・キル 宿屋 フィレンクトは騒音に目を覚ます】

(‐_L‐)

<ドン!!

(‐_L‐)「……ん」

<パァン!!

(‘_L’)「……何だ?」

<ドンッ

(‘_L’)「銃声……?」

(‘_L’)「何が起きて……、窓が明るい? 夜のハズだが……」

(‘_L’)

(‘_L’)「……何?」

(‘_L’)「……燃えている。辺り一面火の海だ……。何があったんだ?」

711 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:49:40 ID:aw/8QAas0
(‘_L’) ガチャッ!

(‘_L’)「ミセリ! 何があった!」

(‘_L’)「……居ないのか?」

(‘_L’)

(‘_L’)「これは一体……」

<パァン!!

<オラァァアア!! 逃げるんじゃねぇええ!!

<パァン…

<下種民族が!

(‘_L’)

(‐_L‐)「……ふむ。どうやら、面倒な事になってしまった様だな」

(‐_L‐)「何か事が起きる前に出たかったのだが……」

(‘_L’)「……今からでも遅くは無い。この混乱に乗じて逃げられる」

(‘_L’)「宿に火が回る前に、荷物を纏めるか」

712 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:50:39 ID:aw/8QAas0
【レッドホース・キル 遂には混乱が里を覆いつくし、怒声と騒音が行き交う】

( ゚Å゚)つy=「オラァ!!」

( ゚Å゚)つy=そ パァン!!

(‐ж‐ο)ΞΞΞ タッタッタッ!

(;゚Å゚)「チィ!! ちょこまかと……」

(‐ж‐ο)ΞΞΞ タッタッタッ!

(;゚Å゚)「……糞ッ!! 逃げるかッ!!」

(;゚Å゚)「この下種がああああああああああ!!」

(;゚Å゚)つy=そ パァン!!

(‐ж‐ο)ΞΞΞ タッタッタッ!

(;゚Å゚)つy=「ハァハァ……、当たらねぇ、当たらねぇよ……」

(;゚Å゚)つy=「殺さなきゃ、殺さなきゃ。殺さないと、駄目だ」

(;゚Å゚)つy=「インディアンを逃がす事は間違いなんだ……。もう、間違えてはいけない」

(;゚Å゚)つy=「うおおおおおおおおおおおおお!!!」

(;゚Å゚)つy=そ パァン!!

713 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:51:49 ID:aw/8QAas0
(‐ж‐ο;)ΞΞΞ タッタッタッ!

(‐ж‐ο;)(……こう、狙われ続けてはいつか当たる。だが、私は生きなくてはならない……)

(‐ж‐ο;)(生きていなくては、精霊を見ることが出来ぬ。誇りを取り戻した事を実感出来ぬ)

(‐ж‐ο;)(生きていなくては……、酋長の思いも、忘れてしまう……)

(;゚Å゚)つy=そ パァン!!

(‐ж‐ο;)ヒュン!!

(‐ж‐メ;)「……クッ!」

(;゚Å゚)つy=「糞……、当たらねぇ。逃がしちゃいけねぇんだ。殺さなきゃ、殺さなきゃ」

(‘_L’)

(;゚Å゚)つy=「あ、あいつは……」

(;゚Å゚)つy=「おい!! お前の方にインディアンが向かってるぞ!! 殺せぇ!!」

(‐ж‐メ;)「なっ!! 挟まれたか!」

(‘_L’)

714 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:52:47 ID:aw/8QAas0
(‘_L’)

(;゚Å゚)つy=「絶対に殺せッ!! 殺さないのは間違いなんだッ!!」

(‘_L’)


【|`-∪-´|「元々この地はインディアン……、パルルカ族の土地でね」】

【|`-∪-´|「初めてこの地に踏み入れた時、実に良い土壌だと思った。そして、それを欲した我々は彼らを虐殺して奪った」】


(‐ж‐メ;)「……私は、生きなくてはッ」

--+⊂(‐ж‐メ;)「うおおおおおおおおッ!!」

(‘_L’)


【( 目д目)「……此処から離れた所でふらふらしてやがったんだ」】

【( 目д目)「インディアンなんて、視界に入るだけで害だろ? たとえガキだろうとな。違うか?」】


(‘_L’)

(‐_L‐)

715 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:53:59 ID:aw/8QAas0
(;゚Å゚)つy=「早く銃を取れッ! ヒーロー気取りさんよお!!」

(;゚Å゚)つy=「殺さなきゃッ!! 殺さないと、褒めて貰えねぇだろうがよおお!!」

(‐_L‐)


【|`-∪-´|「君が、先程言った自分は劣等に過ぎないのか、と言う話なんだが……」】

【|`-∪-´|「その通りだよ」】


--+⊂(‐ж‐メ;)「ぬぉぉおおおお!!」

--+⊂(‐ж‐メ;)「どけぇぇぇええええ!!」

(‐_L‐)


【|`-∪-´|「あえて言おう。君は混血であるが為に、インディアンに感情移入しているのだ」】

【|`-∪-´|「優れた白人として居たかったら、下らない考えは捨てた方が良い」】


(‐_L‐)

(‘_L’)つy= チャキッ

--+⊂(‐ж‐メ;)そ「……クッ!」

(;゚Å゚)つy=「ヘッ! 終わったな……」

(‘_L’)つy=そ パァン!!

716 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:54:59 ID:aw/8QAas0
(;゚Å゚)つy=

( ゚Å゚)つy= ドスッ!

( ゚Å゚),;:,':∴ カハッ!!

(‐ж‐メ;)「な、何……?」

(‘_L’)つy=~~~ シュゥゥ

( ゚Å゚)

( ゚Å゚)「な、何故……」

(‘_L’)「最後まで関わり過ぎぬ様に心掛けていたんだが……、前言撤回だ」

(‘_L’)「時には勧善懲悪と言う物も悪くは無い。そうだろう?」

( ゚Å゚)

( ゚Å゚)「ふ、ふざけ……」

(‘_L’)つy=そ パァン!

( ゚Åζ;;:' ボチュッ!

<バタッ

717 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:56:12 ID:aw/8QAas0
(‘_L’)つy=~~~

(‐ж‐メ;)「……あ、アナタは」

(‘_L’)「私か? 私はフィレンクト・サザーランド。唯の旅人だ」

(‐ж‐メ;)

(‘_L’)「……さて。手を出してしまった物はしょうがない」

(‘_L’)つy= チャキッ

(‘_L’)つy=「弾は、5発……。十分だ」

(‘_L’)

(‘_L’)「……行くか、大元の悪を倒しに」

(‐ж‐メ)

(‘_L’)「フィッテル・ギンドレストン……。生きていても害でしかない男だ」

(‘_L’) ザッザッ

719 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:57:14 ID:aw/8QAas0
【レッドホース・キル 広場】

|;`-∪-´|「ハァ……ハァ……」

(ο`ζ@;;,......

|;`-∪-´|「インディアン如きが白人に傷をつけるとは……」

|;`-∪-´|「……糞ッ!」

(ο ФゝФ)

|;`-∪-´|「……血が、止まらん」

(ο ФゝФ)

|;`-∪-´|「貴様……下等民族が何のつもりだ?」

|;`-∪-´|「わざわざ生かしてやっていたのに、恩を仇で返すなどと……」

(ο ФゝФ)

|;`-∪-´|「……やはり、貴様らに慈悲の心と言うのは理解出来ぬか」

|;`-∪-´|「我々の慈悲の深さを、理解出来ぬか」

720 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 15:58:49 ID:aw/8QAas0
(ο ФゝФ)

(ο ФゝФ)「空が……、月が……落ちていく……」

|;`-∪-´|「……何?」

(ο ФゝФ)「77の月は美しい……」

|;`-∪-´|「……何のつもりだ?」

|;`-∪-´|「ングッ!」

|;`-∪-´|,;:,':∴ カハッ!!

|;`-∪-´|「ハァ……ハァ……」

<ザッ……ザッ……

|;`-∪-´|「……ん?」

ミセ;゚ー゚)リ「……インディアン、いた」

|;`-∪-´|「おお! ミセリ!」

ミセ;゚ー゚)リ「はぁ……はぁ……」ドキドキ

721 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 16:00:06 ID:aw/8QAas0
ミセ;゚ー゚)リ「フィッテルさん……、インディアンよ……」ドキドキ

|;`-∪-´|「ああ、インディアンだ」

ミセ;゚ー゚)リつy= チャキッ

(ο ФゝФ)

ミセ;゚ー゚)リつy=「インディアン、殺さなきゃ。殺せば、褒めてもらえる」ドキドキ

|;`-∪-´|「……そうだ! インディアンを殺すのは素晴らしい事だ!」

|;`-∪-´|「白人にしか出来ない、大変素晴らしい事なんだ!」

ミセ;゚ー゚)リつy=「……白人にしか出来ない、素晴らしい事」

ミセ;゚ー゚)リつy=「殺さなきゃ……」

|;`-∪-´|「そうだ、殺せ! 奴らは生きてはいけない人種なんだ!」

(ο ФゝФ)

ミセ;゚ー゚)リつy=「凄い、凄い胸の高鳴り……」ドキドキ

ミセ;゚ー゚)リつy=「分かんない、分かんないけど、凄く嬉しい。早く、殺さなきゃ……」ドキドキ

723 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 16:02:10 ID:aw/8QAas0
ミセ;゚ー゚)リつy=「何で? 何でなの? 何で、こんな気持ちに……」ドキドキ

(‘_L’)「ミセリ」

ミセ;゚ー゚)リつy=「えっ?」

(‘_L’)つミセ;゚ー゚)リ トンッ

ミセ; ー )リ「あっ……」フラッ…

ミセ; ー )リ バタッ

(‘_L’)「悪いが、少しだけ眠って貰おう」

|;`-∪-´|

|;`-∪-´|「フィレンクト……、貴様ァ!!」

(‘_L’)「フィッテル・ギンドレストン……」

|;`-∪-´|

(‘_L’)「私に人の思考をとやかく言う資格は無いのだが、言わせて貰おう」

(‘_L’)「貴様はクズの極みだ」

|;`-∪-´|

|;`-∪-´|つy=「くぉぉおぉおおおぉぉおおぉぉぉぉぉおおおおあああああ!!」ジャキッ!

724 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 16:03:12 ID:aw/8QAas0
(‘_L’)つy= チャキッ!

(‘_L’)つy=そ パァン!!

|;`-∪-´|Σそ;;:',',,,つy=  バシュ!!

(‘_L’)つy=~~~

|;`-∪-´|;;:,,「がぁぁああああ!!」

(‘_L’)

|;`-∪-´|;:,,「ハァ……ハァ……!!」

|;`-∪-´|;:,,「貴様……、混血如きが……ッ!!」

(‘_L’)「私は旅人なのでね。血の壁など、とうに越えている」

|;`-∪-´|;:,,「く……、そ……」

(‘_L’)「言いたい事は終わりか?」

|;`-∪-´|;:,,

(‘_L’)つy= チャキッ!

|;`-∪-´|;:,

|;`-∪-´|;:,「や、やめろ……」

|;`-∪-´|;:,「やめてくれ、頼む! 頼むよ!」

725 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 16:04:37 ID:aw/8QAas0
(‘_L’)つy=

|;`-∪-´|;:,「私は死ぬ立場じゃないんだ!! 白人なんだ!!」

|;`-∪-´|;:,「それに、まだやる事がある! まだ、こいつらを殺していない!」

|;`-∪-´|;:,「頼む! だから、殺さないでくれ!!」

(‘_L’)つy=「腐り切っているな、フィッテル・ギンドレストン」

|;`-∪-´|;:,

|;`-∪-´|;:,「何処が……、何処が腐り切っていると言うんだね?」

|;`-∪-´|;:,「私には、貴様の言っている事が分からん」

(‘_L’)つy=「……分からんだろうな」

|;`-∪-´|;:,「何……?」

(‘_L’)つy=「本当に蝕まれた心と言うのは、自分では気づく事が出来ない」

(‘_L’)つy=「……今日、ミセリに言った言葉だ」

|;`-∪-´|;:,

(‘_L’)つy=「だが、これには続きがあってね」

726 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 16:05:37 ID:aw/8QAas0
(‘_L’)つy=「……蝕まれ、他人を巻き込み腐らせて行く様な心は、気づかせる立場の人間でさえ腐らせて行く」

(‘_L’)つy=「永遠に気づく事が出来ないんだよ。自分の足で立てなくなる、その時でさえもな」

|;`-∪-´|;:,

(‘_L’)つy=「終わりだ、フィッテル」

|;`-∪-´|;:,「ま、待て! 話せば分かるッ!」

(ο゚⊇゚)つy=(‘_L’) チャキッ

(;‘_L’)「……何?」

|;`-∪-´|;:,

(ο゚⊇゚)つy=「動かないでくれ。……酋長の呼吸が終わった」

(;‘_L’)

(;‘_L’)「呼吸?」

(ο ФゝФ)「……マタタ・オ・カロ」

(ο ФゝФ)「チエカカ・マタイラタイ・オ・クスコ」

(ο ФゝФ)「……77の月は真上に昇った」

727 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 16:07:05 ID:aw/8QAas0
(;‘_L’)「……77の月? どういう事だ?」

(ο ФゝФ)

(ο ФゝФ)「風は止んだ。大地の呼吸は浅い。月は我々を見ている。時はゆっくりと進んでいる」

(ο ФゝФ)「大いなる、夜だ」

(;‘_L’)

(;‘_L’)(……何だ、この感じ)

(;‘_L’)(奇妙な違和感が……、背筋が凍る様な、……)

|;`-∪-´|;:,

(ο ФゝФ)「白人よ」

|;`-∪-´|;:,

(ο ФゝФ)「そんなに土地が欲しいか?」

|;`-∪-´|;:,「……土地?」

(ο ФゝФ)「我らを殺し、奪い、支配し、……そこまでして、土地が欲しいか?」

728 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 16:08:18 ID:aw/8QAas0
|;`-∪-´|;:,「……10年前の事を言っているのか?」

(ο ФゝФ)

|;`-∪-´|;:,「この土地は貴様らには相応しく無い。白人である我々が治めるべきなのだ」

|;`-∪-´|;:,「害でしかない貴様らが豊かな土地など……」

(ο ФゝФ)「そうか。ならば、くれてやる」

|;`-∪-´|;:,「何……?」

(;‘_L’)

(ο ФゝФ)「貴様達だけの、貴様達しか居ない、貴様達で治める、貴様達の土地を」

(ο ФゝФ)「そんなに欲しければ……、くれてやるッ!」

|;`-∪-´|;:,「……何を言って」

(;‘_L’)

(;‘_L’)(マズい。何だこの感じは。何だか分からない。……分からないが、全細胞がこの場に居る事を否定している)

(;‘_L’)(……逃げろ)

(;‘_L’)(逃げろ。逃げるんだ。足を動かせ、逃げろ。逃げろ)

(;‘_L’)(……動けッ!)

729 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 16:09:45 ID:aw/8QAas0
(ο ФゝФ)

(ο ФゝФ)「ホラ・カー・マタタ・ソイソイラ・キナン」

(ο ФゝФ)「ホララ・ダマッタカナ・チョポナキカ・トレイ・サタ・ナ」

|;`-∪-´|;:,「……おい、何のつもりだ?」

(ο゚⊇゚)つy=「喋るな。もう始まっている」

|;`-∪-´|;:,「……何?」

(ο゚⊇゚)つy=「喋るな」

|;`-∪-´|;:,

(;‘_L’)(……音が消えていく? )

(;‘_L’)(何だ、何なんだ。何が起きているんだ。あのインディアンは何を起こそうとしているんだ)

(;‘_L’)(今言っている言葉に何の意味がある?)

(;‐_L‐)(……クッ! 駄目だ、やはり足が動かない!)

(ο ФゝФ)「ボートナ・エン・タヌカヤ・トリ・パモタ」

(ο ФゝФ)「…………77の月は微笑んだ」

(; ゚_L゚ )そ

(; ゚_L゚ )「……何だ、この空は」

730 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 16:10:28 ID:aw/8QAas0
.           i!i !i !i !i / . . , , ,, ..... . . .:::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;iiii||||
.           i !i !i ]  : : : ;;:''  ::::::::: ::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;iiii||||
          ii !i \  .. :   '' .... ...:::::::::: :::::::::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;iiii|||
.        ii !i/      .:::::::: :::::::::::'' ::: ::::::::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;iiii|||
          !i∧    .:::::::',::::::: ::::: ...  . : :::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;iiii|||
.          i,′     .::::: ::::::::::::::::::::: : ::: : :: ::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;iiii|||
.         φ;; ;;  ::::::::::: :::::::::::::::::::::: : : :::::: ;;;;;;;:::::;;;;;;;;;!!iiii|||
        i,, ;;   ::::::::::'':::::::::::..::::::::::::. :::::::::: ;;;;;;;;'''';;'';;;;;;;iiii|||
         |;; , '',.  :::::: :' :::::::::::::::::::::::: : :::::::: ;;;;;;;; ; ; ;;;;;;;;;!!!|||
         l;;;;  ;  :: .. ... : : : : : : ::::::::: : ::::::: ;;;;;;'' ; ; ; ;;;;;;iiii|||
.        キ;;  ;  ::: :::::: : : : : : : : : : ::::::..: ;;'', . :,,;; ; ;;;:::iii||
.         [;;,,,  :::::::::::; ...:::..  : : : : ::: ' ' . .; ;; ; ; ;;;;;:;:;;;iii||
          !Z ;;  ::   : :::::::::: : : :  ,::::' .;;;;;;::: ::: ::;:;:;;;:;:;i||
.          !iY;;      : : : : ''.::::... .:::::: ..;;;''': : ;::;:;:;:;:;;;;;:i||
           !i\;       : : : ::::: : : ::::::::: ;;;;;::;;;:;;' ;:;;;;;:;;:ii||
        !i !i ]      : .. . .:: :: .:. : : .: ':;;;;;;;;;;;;;, :,;,;,;;;;;ii||
        !i !i !i ヽ     .:.: :::...: : : ' ' ' ': :;;;;;;;:::::;;;,,, '',;,,;;!||
        !i !i !i !i \  . : '.'.' : '' . . : ;;;;;;;;;;;;''''''''';;;;;;;;;;;;;;; i|||
          !i !i !i !i !i ヽ、  . .. : : : : : :::: :::::;;; : : ;;;;;;;;;;;;;;;;;;'''' ,
        !i !i !i !i !i !i !i `ミ<: :    : ::::::::...:::::::::::;;;;;;;;;;:: .rf〔
        !i !i !i !i !i !i !i !i !ii !`≧=‐-=ニ二二ニ=孑≦
        !i !i !| i !i !i !i !i !i !i !i !i !; ; ;i !i !i !i !i !i !i !ii!!ii!!ii!i!i!
        !i !i !|  i !i !i !i !i !i !i !i !i ! ; ;i !i !i !i !i !i !i !ii!!ii!!ii!!ii!i!
        !i !i !|  i !i !i !i !i !i !i !i !i !i ;i !i !i !i !i !i !i !ii!!ii!!ii!!ii!!i!
        !i ! !|  i !i !i !i !i !i !i !i !i ! ;i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i
        !i ! !|  i! i !i !i !i !i !i !i !; ;i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i
        !i ! i|      i !i !i !i !i ! ; ;i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i
        !i ! ii      i !i !i !i !   ;i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !ii!
        !i !|      ! i ! i !i !   ;i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i
        !i  i       ::      ;i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i
        !   i       ;        ;i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i
        !                :i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i
        !                :i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i
        !                :i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i
        !                    :i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !i
        !                :i !i !i !i !i !i !i !i !i !i !ii !!i !i
        !                :
        !                ;
        !                 :

731 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 16:12:04 ID:aw/8QAas0
(; ゚_L゚ )「……月はこんなにも大きかったか?」

(; ゚_L゚ )「月はこんなにも輝いていたか?」

(; ゚_L゚ )「月はこんなにも……、禍々しかったか?」

(ο ФゝФ)

(ο ФゝФ)「今宵に来たる、大いなる夜に相応しきは77の月」
       (Mima Toranaka sosoki ti puroo obi kanata Sinuka hoa)

(ο ФゝФ)「我に与えるは、甲羅の果て。世の対極に広がりし見えぬ大地にて精霊は待つ」
       (Ko tima mariri hotona sumara. Teekiya kana mimiyakki puroo su kanmeta kokai isisa)

(; ゚_L゚ ) ゾクッ!

(; ゚_L゚ )(……始まる?)


(ο ФゝФ)「与えし大地に待つは、盲目の限り。荒廃の大地に、空は駆ける事無く」
       (Okka toma puroo su isisa maremareka. Buraara koto akasi waga o bayasi siaya)

(ο ФゝФ)「邪霊の力を借りん事で生まれし7つの呪い。永久に血に刻まれ、抗う事無く」
       (Rominana tia tannka wataki matai Sinu omokomo. Era ki jinba baroku satoti naki koto)

732 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 16:13:41 ID:aw/8QAas0
(ο ФゝФ)「空高くに覗かせる月にて、精霊は踊り、笑う。その力、大いなる物なり」
       (Sinari tomi ki ichi hoa kokai na mado ramu dokado mima ayaka sa oukokyo)

(ο ФゝФ)

|;`-∪-´|;:,

(; ゚_L゚ )


<おー………

                    おー……>


(; ゚_L゚ )(……泣いている。異民族の男達が、泣いている?)

(ο;⊇;)「おぉぉ……、おぉ……」

(; ゚_L゚ )(泣き声しか聞こえん……。これは一体……)


<おー………

                    おー……>




.

733 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 16:15:15 ID:aw/8QAas0
(; ゚_L゚ )

(ο ФゝФ)「唱えしは、精霊に捧げる祝いの言葉」
       (Yisi sumi rakawa sai kokai oki sioyo)

(ο ФゝФ)「唱えしは、我の見ゆる世界の創生。自然の息吹」
       (Yisi sumi dai mo erukoto naku jinsi kise syuu bun)

(; ゚_L゚ )

(; ゚_L゚ )(逃げろ……、まだ、間に合う)

(; ゚_L゚ )(逃げろッ! 動けッ!!)

(ο ФゝФ)「そして、唱えよ」
       (Mo Yisi di)

(ο ФゝФ)「我がその力を欲する、神聖なその名を。大いなる精霊の名を」
       (Panuka robosi kikkaka tahirasia kana kokai ba oki nokkuna)

(ο ФゝФ)「ピナカ・オラ・ミシラモ・アラモ・アラモ・オウゥデカカ・スクォーク」
       (Pinaka ora misiramo aramo aramo ouudekaka squawk)

(ο ФゝФ)「異形の精霊にして、奇形の精霊。大いなる精霊にして、邪霊の王」
       (Huna oun kokai tei ougyo kokai. Puroo kokai rominana nuhugu)

(ο ФゝФ)「……終りに、川の安らかなる事欲す。望みし精霊の名を前に、今宵の月の名を後ろに唱えよ」
       (....Gunu kaama soukio kakkakka ma. Dien man kokai mani matoi oso hoa ma yisi di)

(ο ФゝФ)「始まりの福音」
       (Funikuapa teramanatta)

⊂(ο ФゝФ)つ バッ!

⊂(ο ФゝФ)つ「スクォーク77」
          (squawk Sinuka)

734 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 16:15:57 ID:aw/8QAas0









 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨\_____∧/ ̄ ̄ ̄^V ̄\/∨\___∧/ ̄ ̄ ̄^V ̄\___________
───────ww─────────────────wwv─√レ─ww──────www───────
___________________,,∧,,, ∧______________,,∧,,, ∧________
                               ∨

       / ̄ ̄ ̄/ / ̄ ̄ ̄/                  / ̄ ̄ ̄/    <ニニ>、 . <ニニ>、   .
        ̄ .フ ./ / / ̄/ /   ___/ ̄/  ____ / / ̄/ /        | |  .    | |   . 
        __/  (___'ー' _/ /   /___     ̄//____/ 'ー' _/ /.    ..     X ...  .   X  ...  
      /___,.ノゝ_/  /___.ノ  /_ノ,___/ ̄          /___.ノ         | |  .    | |   . 
                                             ...    V     .. V  


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨\_____∧/ ̄ ̄ ̄^V ̄\/∨\___∧/ ̄ ̄ ̄^V ̄\___________
───────ww─────────────────wwv─√レ─ww──────www───────
___________________,,∧,,, ∧______________,,∧,,, ∧________
                               ∨








.

735 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 16:16:37 ID:aw/8QAas0















Chapter14.














.

736 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 16:17:32 ID:aw/8QAas0


      , .. .    +      。         ’‘        :: . ..      ::::                           ,:‘. 。   ..
                                      ,:‘. 。   .. ’‘     +   ,..       . ..; ',           :::::::’’  。...::::’
,   ,:‘.          。             +   ,..
 ’‘     +   ,..       . ..; ',   ,:‘         :::::::’’  。...::::’’
:::::  :                                     +  ::: ’‘     +   ,..       . ..; ',   ,:‘     
::
:    ,:‘
.::....                                       ..;....
,:‘.    ..::..           。            ...         .....
           + , .. .              +          ’。  ....... , .. .              +
 ,:‘. 。   .. . . :::  ' ,:‘.   , .. .    +  。  , .. .    +  . : :...
  ,   ,:‘.   ..           .   . .... ..   ..; ', . . :::  ' ,:‘.    ,:‘.   ..           .   . .... ..   ..; ', . . :::  ' ,:‘.
                            ,   ,:‘.         ....
,:‘. 。   .. . .                                 , .. .
 :::::::’’  。...::::’’                    ,   ,:‘.        ..,:‘. 。   .. . . :::  ' ,:‘.   , .. .    +  。  , .. .    +  . : :’
......                              ’‘  .......       ::::::
      ..:::                           。   .. . . :::  ' ,:‘.      ..:::                           。   .. . . :::  '
; ', . . : ,:‘.                              ,:‘. 。   ..
                                      ,:‘. 。   ..
 ,:‘.  .                               . ..   ..; ', . . ,:‘.  .                               . ..   ..; '
...     ::                              . ..   ..; ', . .
 :::::                                  ...::..    ..... :::::                                  ...::..    .
 ,   ,:‘.                       ,:‘. 。   ..    。...:::: ,   ,:‘.                       ,:‘. 。   ..    。...:


.

737 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 16:18:18 ID:aw/8QAas0
⊂(ο ФゝФ)つ ゴゴゴゴゴゴゴ



<おー………

                    おー……>


(; ゚_L゚ )

|;`-∪-´|;:,

ミセ; ー )リ


<おー………

                    おー……>



⊂(ο ФゝФ)つ ゴゴゴゴゴゴゴ

738 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 16:19:06 ID:aw/8QAas0
(; ゚_L゚ )「……何だ?」

(; ゚_L゚ )「急に、全ての物が光りだして……」

(; ゚_L゚ )「……眩しい。眩しい位だ。……レッドホース・キルが輝いている」

|;`-∪-´|;:,「……目が、目が焼けてしまう」

(; ゚_L゚ )「何も見えない……。ありえない光だ……。太陽すら、焦がしてしまいそうな程の……」

⊂(ο ФゝФ)つ ゴゴゴゴゴゴゴ

(; ゚_L゚ )


【( ・∪・)「おい、知ってるか? 全てが黄金に輝いているエルドラドって街!」】

【( ・∪・)「何だよ……、笑って。本当に在るんだぜ? 絶対にあるんだ」】

【( ・∪・)「……エルドラドかあ。いつかは見てみたいよなあ。黄金に光る街。黄金郷」】

【( ・∪・)「地球の何処かにあるんだろうなあ……」】


(; ゚_L゚ )

739 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 16:19:59 ID:aw/8QAas0
【( ・∪・)「それはもう、眩しい位に全てが輝いててよお……」】

【( ・∪・)「自分が何処に居るのかも分からない位に、光に満ちているんだろうよ……」】


(; ゚_L゚ )

(; ゚_L゚ )「……エルドラド」

|;`-∪-´|;:,「何……?」

(; ゚_L゚ )「エルドラドだ……」

|;`-∪-´|;:,

(; ゚_L゚ )「馬鹿な……、このインディアンはエルドラドを作り出したと言うのか……」

⊂(ο ФゝФ)つ ゴゴゴゴゴゴゴ

<おー………

                    おー……>

(ο;⊇;)「酋長……」

⊂(ο ФゝФ)つ「言うな。何も言うな」

(ο;⊇;)

740 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 16:21:31 ID:aw/8QAas0
⊂(ο ФゝФ)つ「かの地でも、必ずサンダーバードの名は途絶えさせぬ」

⊂(ο ФゝФ)つ「サンダーバードの名は酋長の誇り。私が唯一手放さなかった誇りだ」

⊂(ο ФゝФ)つ「永遠に形として残す。サンダーバードは羽ばたくのを休めぬ」

(ο;⊇;)

⊂(ο ФゝФ)つ「もうすぐ月が落ちる。そうなれば、この丘は消える」

⊂(ο ФゝФ)つ「行け……。まだ間に合う。此処から出ろ。巻き込まれるぞ。スクォークは慈悲を知らぬ」

(ο;⊇;)

(ο;⊇;)「忘れません、酋長の教え……」

(ο;⊇;)タッタッタッタ

⊂(ο ФゝФ)つ ゴゴゴゴゴゴゴ

⊂(ο ФゝФ)つ「ああ……満たされていく。精霊の言葉とは偉大な物だ」

⊂(ο ФゝФ)つ「……さらばだ、大いなる大地よ」

⊂(ο ФゝФ)つ ゴゴゴゴゴゴゴ

⊂(ο ФゝФ)つ「……月が落ちて行く」

741 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 16:22:17 ID:aw/8QAas0
(; ‐_L‐)「……エルドラド」

(; ‐_L‐)「唯の村に過ぎなかったレッドホース・キルが、何故黄金郷に変わった」

(; ‐_L‐)「理由など、無いのか」

(; ‐_L‐)「そこにあるのは、絶対的な不条理だけなのか……」

|;`-∪-´|;:,「わ、私は……、死ぬのか……」

|;`-∪-´|;:,「死にたくない……!! 死にたくない………!!」

(; ‐_L‐)


【ミセ*゚ー゚)リ「丁度、今ある場所にインディアンが住み着いててね。その酋長の愛馬が真赤だったのね」】

【ミセ*゚ー゚)リ「その美しい程赤い馬をインディアンへの見せしめとして殺したのよ」】


(; ‐_L‐)


【ミセ*゚ー゚)リ「それがレッドホース・キルの由来ね」】

【ミセ*゚ー゚)リ「でね、その時……。見たのよ」】

【ミセ*゚ー゚)リ「消えたのよ。殺した馬が」】

【ミセ*゚ー゚)リ「そうよ。こう、光りながら……、ぱっ! って」】

742 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 16:23:08 ID:aw/8QAas0
(; ‐_L‐)「消えた、か……」


【ミセ*゚ー゚)リ「あとね、馬が光る寸前にね、酋長がブツブツブツブツ何か言ってたのよ」】

【ミセ*゚ー゚)リ「だから……、まじないだったんじゃないかって」】


(; ‐_L‐)「まじない……。馬鹿げた話だと思った」

(; ‐_L‐)「だが、今は信じられる」

(; ‐_L‐)「理解の範疇を超えている、不条理の力が存在する事……」

|;`-∪-´|;:,「た、助けて!!」

|;`-∪-´|;:,「誰かぁ!! 誰かぁ!! どこに居るんだ!!」

(; ‐_L‐)

(; ‐_L‐)

(; ‐_L‐)

(; ‐_L‐)「考えなど変えずに、さっさと此処から旅立てば良かった」

(; ‐_L‐)

(; ‐_L‐)、「……やはり、勧善懲悪って言うのはガラじゃないな」ニヤリッ

743 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 16:23:55 ID:aw/8QAas0







     l          l             /    l    .l          /           /゛      /
     l,          l,        /     .l    !       ./           |      /      .,.
      .l,            !          !    ./    .″     ./            l. ._..-'''"    _.. ‐'″
      ヽ         l       !  /          /     /./      `´    ._..-'"゛
       ヽ        ..l.       ヽ'"                   /  亅           ,..-'″
        ヽ           l,                           l, /       .,/´
-、、       .ヽ           ′                       `゛      .r'"
  `\        \             _ェェ三三三三三三三ェェ,_
   ...l           ヽ          ,ィ幺圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭≧ュ。                       ,,, ー'"
   │                   ィ幺圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭≧ュ__、        _.. -'''"
    l                  ィ幺圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭r'"   |         '"    / ̄
`''ー l゙                 ィ劣圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭!    /               /
            ハ、     ィ劣 圭圭_圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭l__/小          \
            l゙ .ヽ   . ィ劣圭圭 .| \圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭小              `'―ー''″
         ヽ.  ヽ  ./爪 圭圭圭!  `、圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭沁                 __,,,
.`''ー..,、      ゙'-,,/  爪圭圭圭圭\_〉圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭沁        : ー''''"´
    .`''ー 、_        {i圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭i}
                  {i圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭 ./ ̄l圭圭圭圭圭i}
             {i圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭/  /圭圭圭圭圭i}
              仔圭圭圭川圭圭圭圭圭川圭圭圭圭川圭l__/圭圭川圭圭妨
- ..,,_、          仔 川圭川川圭圭圭圭川川圭圭圭川川圭圭圭圭川川圭 妨          ゙゙゙゙゙̄"'''''''
    .⌒"''''‐      lll|||i||l||lll|||i||lll||!!!!llll!!|||ll!!!!!|ll!!ll||||!!ll||!!!ll||!!|||lll||!!!!llll!!|||ll!!!!!|ll!l|||i||

744 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 16:24:39 ID:aw/8QAas0
































.

745 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 16:26:17 ID:aw/8QAas0











スクォーク77。

その無意味と思われる言葉の羅列を最後に、レッドホース・キルはエルドラドと化した。
目も開けられないほどの眩しい光と、異民族の戦士の鳴き声に包まれながら私は意識を失った。

再び目を開けた時、辺りに広がるのは紛れも無い荒野であり、気を失う前の混乱は無かったかの様に静かであった。
私はこの一連の出来事を絶対的な不条理だと感じる。
だが、不条理はそこに存在したのであり、存在したからには、完全な不条理では無い。
いや、その考えさえも不条理と言えるかも知れない。故に、不条理の前では全てが不条理に過ぎないのだ。

                                             (フィレンクト・サザーランドによる日記 最終項より)













.

746 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 16:27:11 ID:aw/8QAas0





















【9月10日 0時00分 テキサス州南部に位置するウェイバーヒル レッドホース・キルは姿を消した】



















.

747 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 16:28:48 ID:aw/8QAas0
1869年9月21日:ウェイバー・ヒルに位置するレッドホース・キルが見当たらないとする開拓団の報告を受け、テキサス保安部隊が調査を開始

1869年9月25日:調査の結果レッドホース・キルが消失しているとの報告あり。テキサス保安隊総督ディミス・オイラーの命により調査続行

1869年9月26日:村民の情報収集を第一優先に切り替え。レッドホース・キルの住民全てを行方不明者登録

1869年9月30日:調査をするも、十分な情報を得られず。本格的に調査をするため、米国に協力を依頼

1869年10月1日:米国にテキサス保安隊自体が認められず、協力を得られないまま調査続行

1869年10月3日:周囲の人里にも協力を依頼

1869年11月24日:レッドホース・キルに関する情報に報奨金を与える事に決定

1869年12月26日:未だに有力な情報を得られず。テキサス保安隊はレッドホース・キル捜索を第一優先から第二優先に降格

1870年1月11日:レッドホース・キルに関する情報在り。情報を頼りに再び本格調査開始。第二優先から第一優先に引き上げ

1870年1月23日:誤情報である事が発覚。情報提供者を逮捕

1870年3月30日:米国議会はテキサスを再承認

1870年4月9日:再び米国にレッドホース・キル捜索の協力を依頼

1870年4月12日:調査過程の資料から協力を得られず。調査の意味を問われる

1870年4月14日:テキサス保安隊総督ディミス・オイラーの命により調査打ち切り

1870年4月15日:以降、地図にレッドホース・キルを排除する事が決定

1870年4月18日:4月18日製造の地図にレッドホース・キルは存在せず。レッドホース・キルは完全に姿を消した



.

748 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/01/09(月) 16:29:32 ID:aw/8QAas0
今日の話で分かった事











・全てはスクォーク77から始まる!!










そして次の話で分かる事……、

それは始まらぬ内にはわからない。

スクォーク77!

全てはスクォーク77から始まる!!


(つづく)


戻る 次へ

inserted by FC2 system